JPH0417389Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、可倒式ドアミラーに関し、特に、
車体に固定したステーに２ヒンジ機構を介して前
方及び後方にミラーを支持したバイザーを回転可
能とした可倒式ドアミラーにおいて、バイザーの
回転によるステーカバーの変形を防止するもので
ある。

従来の技術 従来、ステーカバーとバイザーとの当接部は、
通常の起立位置で隙間が生じないように設計して
いるため、バイザーの回転時にはバイザーとカバ
ーとが干渉し、必然的にカバーを変形することと
なる。よつて、該カバーを変形不能の材料で形成
している場合は、バイザーの回転を妨害し、ある
いはカバーを破損することとなる。また、ある程
度変形可能な材料で形成している場合でも、無理
な形状に変形して、車の輸送時等のバイザーを傾
倒状態に長期間放置して場合には、バイザーを復
帰させた時にカバーは元の形状に復元しない欠点
があつた。

考案の目的 この考案は上記した従来の問題を解消せんとす
るものであり、カバーを変形及び復元容易な軟質
材で形成すると共に、バイザーの前方傾倒時にカ
バーが押し縮められる無理な変形が生じる事なく
伸びた状態で円滑に変形すると共にバイザー復帰
時には完全に復元し、かつ、後方傾倒時にはバイ
ザーがカバーと干渉しないようにし、カバーの永
久変形とバイザーの回転妨害を図るものである。

考案の構成 この考案は上記した目的を達成するためになさ
れたものであり、車体の外面に固定したステーに
ミラーを傾動可能に支持して収納したバイザーを
２個のヒンジ機構を介して、車体に直角に突出し
た起立位置から前方および後方に回転して格納位
置に作動出来るようにした可倒式ドアミラーにお
いて、 上記ステーを覆うカバーを変形可能な軟質材で
形成すると共に、バイザー前面のステー側先端と
当接する上記カバーの先端部位に舌状嵌合片を突
設する一方、バイザーに上記舌状嵌合片を嵌合す
る嵌合穴を形成し、バイザーの前方回転傾倒時に
上記舌状嵌合片と嵌合片との嵌合によりカバーを
バイザーで押圧してカバーの変形方向を規制し、
カバーがバイザーのステー側開口面へもぐるよう
に変形する構成とし、かつ上記カバーの後面先端
と該先端と当接するバイザーの先端との間に隙間
を設けるようにバイザー先端に段部を形成し、バ
イザーの後方回転傾動時にバイザーがカバーと干
渉しない構成としさらに、上記バイザー前面先端
と当接するカバーの先端部をＲ形状とすると共
に、バイザーの開口面部に上記カバー先端部を傾
倒位置から起立位置へとガイドするガイド斜面と
該ガイド斜面の前端に起立位置ガイドを形成した
ことを特徴とする可倒式ドアミラーを提供するも
のである。

実施例 以下、この考案を図面に示す実施例により詳細
に説明する。

第２図に最も良く示されているように、１はス
テー、２はバイザー、３はステー１を覆うカバー
である。

上記ステー１は車体４に固定し、該ステー１に
ヒンジＡを介してレバー５の一端を軸着すると共
に、該レバー５の他端をバイザー２にヒンジＢを
介して軸着することにより、バイザー２はヒンジ
Ａを支点として図中Ｘで示す後方へ回転出来よう
にすると共に、ヒンジＢを支点として図中Ｙで示
す前方へ回転出来るようにしている。かつ、ステ
ー１とバイザー２の間には、ステー１に一端を固
定したレバー１０の他端とバイザー２に一端を固
定したレバー１１の他端との間にコイルスプリン
グ６を、バイザー２のステー側開口部２ａを通し
て張架し、バイザー２を通常の起立位置に保持す
ると共に、バイザー２を格納時の傾倒位置から起
立位置へ復帰させるようにしている。

上記カバー３は、ゴムあるいは可撓性を有する
合成樹脂等の軟質材で形成して変形可能としてお
り、第７図に示す形状としており、左右両側（即
ち、車体取付側およびバイザー２の開口部側）に
開口部３ｈ，３ｉを有し、これらステー１の左右
両側を除く外方に露出する上下および前後外面全
体を覆うように取り付け、図示のバイザー２が起
立した通常位置において、カバー３とバイザー２
との間に隙間が生じないようにしている。

上記カバー３は、バイザー２の前方回転時に干
渉するその前面先端部３ａに第１図、第３図およ
び第４図に示す如く、内面より内方へ突出した舌
状嵌合片３ｂを突設し、かつ、上記前面先端部３
ａの端縁３ｃを第５図に示すごとくＲ状としてい
る。

一方、カバー先端部３ａと当接するバイザー２
の前面先端部２ｂには、第３図Ａに示すごとく上
記舌状嵌合片３ｂを丁度嵌合する嵌合穴２ｃを形
成している。また、第５図に示すように、バイザ
ー前面先端部２ｂの端面に、カバー３の前面先端
部３ａが起立位置で丁度係止する起立位置係止部
２ｄを形成し、該起立位置係止部２ｄから内方に
向かつて屈折して段状の起立位置ガイド２ｊ、傾
斜したガイド斜面２ｆおよび開口側面部２ｅを連
続して形成している。

一方、上記カバー３の後面先端部３ｄと後方回
転時に干渉するバイザー２の後面先端部２ｈに
は、第６図に示すごとく内方へ退没させた段部２
ｉを形成し、通常の起立位置ではバイザー２とカ
バー３との間に外側から見て隙間はないが、バイ
ザー２が後方回転する時に隙間が生じるようにし
ている。

上記した構造とすることにより、第９図に示す
ように、カバー３は舌状嵌合片３ｂがバイザーの
嵌合穴２ｃと嵌合するため、バイザー２の回転に
応じて図中鎖線で示すように内方に押され、変形
方向が強制されてカバー３は突張ることなく押さ
れた方向にスムーズに変形し、バイザー２の開口
部２ａの下にもぐるように変形する。その際、カ
バー３は軟質材で形成しているため、バイザー２
に押されて容易に変形する。かつ、カバー３の先
端部端面をＲ状としているため第５図に示すよう
に、起立位置係止部２ｄから起立位置ガイド２
ｊ、ガイド斜面２ｆ、開口側面部２ｅに沿つて摺
動し、カバー３は押し縮められることなく、伸び
た状態で変形する。

バイザー２が前方の傾倒位置から起立位置へス
プリング６により回転して復帰する時、カバー３
はバイザー２の開口側面部のガイド斜面２ｆに沿
つてＲ状の端縁が摺接しながら移動し、ガイド斜
面先端の段状の起立位置ガイド２ｊを越えて起立
位置係止部２ｄにはまり込む。該位置ではカバー
３とバイザー２とは元の段差無く連続した状態に
接合することとなる。

尚、上記嵌合部が無い場合には、第８図に示す
ように、バイザー２の回転によりカバー３を内方
に押すと、カバー３はその両サイドで突張つて大
きな力で抵抗し、バイザーの２回転がスムーズに
行えないと共に、カバー３の無理な変形が生じ、
復元が容易に行えない。

一方、バイザー２が後方へ回転傾倒する時、第
６図に鎖線で示すように、バイザー２に段部２ｉ
を形成しているため、カバー３の先端部３ｄとバ
イザー２との間に回転時に隙間が生じ、カバー３
とバイザー２とは干渉しない。よつて、カバー３
にはバイザー２が後方回転する時には全く変形は
生じない。

考案の効果 以上の説明より明らかなように、この考案に係
る可倒式ドアミラーによれば、ステーを覆うカバ
ーを変形容易な軟質材で形成し、かつ、バイザー
の前方回転時にはカバーの変形方向をバイザーに
より規制しスムーズに変形させるため、バイザー
の回転を妨害せず、かつ、カバー自体にも無理な
変形が生じることなく、しかも、復帰時にもスム
ーズに復元することができる。また、後方回転時
には、バイザーとカバーとが全く干渉しないた
め、バイザーの回転を妨げず、かつ、カバーは変
形しない。このように、本考案によれば、バイザ
ーの回転により発生するカバーの変形の問題は全
て解決することができる利点を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係わる可倒式ドアミラーの
前面から見た斜視図、第２図Ａは第１図の断面
図、第２図Ｂは第２図Ａの要部拡大図、第３図Ａ
はバイザーの開口側の側面図、第３図Ｂはバイザ
ー開口側と接合する側のカバーの側面図、第４図
はバイザーの嵌合穴とカバーの舌状嵌合片の嵌合
部の拡大断面図、第５図はバイザーの前方回転時
の作動を示す概略図、第６図は第２図のＰ部拡大
図、第７図はカバーの斜視図、第８図はカバーに
舌状嵌合片が無い場合の問題を示す概略図、第９
図は本考案に係わるカバーに舌状嵌合片がある場
合の作用を示す概略図である。 １……ステー、２……バイザー、２ａ……開口
部、２ｂ……前面先端部、２ｃ……嵌合穴、２ｆ
……ガイド斜面、２ｈ……後面先端部、２ｉ……
段部、３……カバー、３ａ……前面先端部、３ｂ
……舌状嵌合片、３ｄ……後面先端部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体４の外面に固定したステー１にミラーを傾
   動可能に支持して収納したバイザー２を２個のヒ
   ンジＡ，Ｂを介して、車体４に直角に突出した起
   立位置から前方および後方に回転して格納位置に
   作動出来るようにした可倒式ドアミラーにおい
   て、 変形可能な軟質材でカバー３を形成し、該カバ
   ー３により上記ステー１の左右両側を除く外方に
   露出する上下および前後外面全体を覆うように取
   り付け、 上記カバー３の前面先端部３ａの一部に内方に
   突出した舌状嵌合片３ｂを設けると共にバイザー
   前面先端部２ｂに上記舌状嵌合片３ｂと嵌合する
   嵌合穴２ｃを設け、かつ、 上記カバー前面先端部３ａの端縁３ｃをＲ状と
   する一方、該端縁３ｃが起立位置で係合する起立
   位置係止部２ｄをバイザー前面先端部２ｂの端面
   に形成し、該起立位置係止部２ｄから内方に向か
   つて屈折して段状の起立位置ガイド２ｊ、傾斜し
   たガイド斜面２ｆおよび開口側面部２ｅを連続し
   て形成し、また、 バイザーの後面先端部２ｈに段部２ｉを形成
   し、バイザーの後方回転時にカバーと干渉しない
   ような隙間をカバー後面先端部３ｄとの間にあけ
   て設けていることを特徴とする可倒式ドアミラ
   ー。