JPH0412236B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は感熱記録紙の製造法に関し、さらに詳
しくは着色した感熱記録紙に部分的に模様を印刷
した感熱記録紙の製造法に関するものである。

＜従来の技術＞ 感熱記録紙は、単に加熱するだけで記録が得ら
れ、煩雑な現像や定着の必要がなく、また記録時
に騒音を発生しない、さらに製造が容易で安価で
ある、等の利点からテレツクス、フアクシミリ、
電子計算機等の各種の情報機器および計測機に広
く使用されている。

この感熱記録紙は、一般に上質紙、プラスチツ
クフイルム等の支持体上にロイコ染料とビスフエ
ノール等の顕色剤よりなる感熱発色剤を含む感熱
層を設けて製造され、必要に応じて支持体と感熱
層の間に中間層を設けたり、感熱層の上に保護層
が設けられる。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 前記した情報機器用や計測用に用いられる感熱
記録紙としては普通に製造された白色のもので十
分であるが、慶弔用や掲示用、お祭用等に使用す
る場合には不十分であり、記録紙に適当な地色
（着色）をつけ、部分的に図柄を施すことにより、
より一層価値観のあるものとなる。

図柄としては、バラ、梅、菊等の花模様や松、
竹、鶴、亀等あるいは文字やマーク等を部分的に
印刷を行う。これらの図柄は一種でも二種以上組
合わせて印刷してもよい。

これらの図柄の印刷を、オフセツト印刷等で印
刷した場合には、印刷部が地発色したり、あるい
は印刷部に感熱記録を行つた時に記録画像が不鮮
明になるなどの欠点があつた。

本発明の目的は、慶弔用や掲示用等にふさわし
い、図柄の部分が経時変化して発色を起こさず、
かつ図柄の部分も正常に感熱記録が可能な感熱記
録紙の製造法を提供することにある。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明の感熱記録紙の製造法は、上記した図柄
の印刷部の地発色や記録画像の不鮮明化を防止し
た模様入りの感熱記録紙の製造法であり、感熱記
録紙を構成する層の少なくとも一層を水溶性染料
又は着色顔料により全面に着色し、かつ感熱層の
上に水性のインクを用いてフレキソ印刷又は凸版
印刷により部分的に図柄を印刷することにより模
様入り感熱記録紙を製造するものである。

本発明の感熱記録紙の製造に使用される感熱記
録記録材料としては、従来より実用に供されてい
るものが使用できる。支持体としては従来から使
用されている上質紙、ヤンキー紙、中性紙などで
ある。発色性染料としては、トリフエニルメタン
系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミ
ン系、スピロピラン系の通常無色ないしは淡色の
ロイコ染料が用いられ、該ロイコ染料と熱時反応
してロイコ染料を発色せしめる顕色剤としては、
有機酸、又はフエノール性酸性物質が用いられ
る。

上記ロイコ染料及び顕色剤を支持体上に結合支
持させるために、種々の結合剤を適宜用いること
ができ、例えば、ポリビニルアルコール、デンプ
ン及びその誘導体、セルロース誘導体、ポリアク
リル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、あるいは
ラテツクスを用いることができる。

また、本発明においては、前記ロイコ染料及び
顕色剤と共に必要に応じ、更に、この種の感熱記
録材料に慣用される補助添加成分、例えば、填
料、界面活性剤、熱可融性物質（又は滑剤）等を
併用することができる。この場合、填料として
は、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜
鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜
鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク等を挙げるこ
とができ、熱可融性物質としては、例えば、高級
脂肪酸又はエステル、アミドもしくは金属塩の
他、各種ワツクス類、芳香族カルボン酸とアミン
との縮合物、安息香酸フエニルエステル、高級直
鎖グリコール等の50〜200℃程度の融点を持つも
のが挙げられる。

感熱記録紙の全面着色には各種の水溶性染料あ
るいは着色顔料等の着色剤が使用される。

また、必要に応じて支持体と感熱層の間に中間
層を設けたり、感熱層の上に保護層を設ける。こ
れらに使用される材料としては例えば、ポリビニ
ルアルコール、デンプン、デンプン誘導体、セル
ロース誘導体、ポリアクリルアミド、あるいは各
種のエマルジヨン等の造膜剤や炭酸カルシウム、
ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の顔料で
ある。

また、感熱記録紙に部分的に図柄を形成するに
は、感熱層の上、すなわち、感熱層の表面や、保
護層が設けられている場合は感熱層と保護層の間
もしくは保護層の表面に印刷によつて施されるも
のである。ここで、印刷するには、着色顔料又は
水性染料とアクリル樹脂エマルジヨンやウレタン
エマルジヨン等よりなる水性インクを用いてフレ
キソ印刷、又は凸版印刷を行う。

＜実施例＞ 以下に本発明を実施例にて説明する。

実施例 １ 〔着色用感熱液の調製〕 Ａ 液 ３−メチルシクロヘキシルアミノ−６−メチル
−７−アニリノフルオラン 30重量部 10％ポリビニルアルコール水溶液 30 〃 水 40 〃 Ｂ 液 ２，２−ビス（４−ヒドロキシフエニール）プ
ロパン 20重量部 炭酸カルシウム 30 〃 10％ポリビニルアルコール水溶液 10 〃 水 40 〃 Ｃ 液 カラヤススプラブルー（２％染料液） 上記Ａ，Ｂ液をそれぞれボールミルで24時間粉
砕分散した後Ａ液５部、Ｂ液20部、ステアリン酸
アマイド（20％液）５部、10％ポリビニルアルコ
ール水溶液30部を混合しながら、Ｃ液1.5部を添
加し青色に着色された着色用感熱層の塗料を作製
した。

〔印刷用インクの調製〕

緑色顔料20％液（御国SP Green FB）
75重量部 アクリル性エマルジヨン 25重量部 上記薬品を混合し印刷用インクとした。50ｇ／
m²の上質紙に上記着色用感熱液を乾燥後塗布量が
５ｇ／m²となるように塗布し着色感熱層を得た。
この上に、上記印刷用インクを使用しフレキソ印
刷にて部分的に竹の模様を印刷し、非常に良好な
慶祝用感熱記録紙を得ることが出来た。

実施例 ２ 〔着色用アンダー液の調製〕 炭酸カルシウム 30重量部 10％ポリビニルアルコール 30 〃 水 40 〃 上記薬品をボールミルで24時間粉砕分散した
後、赤色顔料として御国SP Red Ｒ ２％液を
添加し、着色用アンダー液とした。

〔感熱液の調製〕

実施例１のＣ液を除いた以外は、全く同様にし
て感熱液を調製した。

〔印刷用インクの調製〕

赤色顔料20％液（御国 SP Red Ｒ）
75重量部 アクリル性エマルジヨン 25 〃 上記薬品を混合して印刷用インクとした。45
ｇ／m²の上質紙に上記着色用アンダー液を乾燥後
塗布量が４ｇ／m²となるように塗布し、その上に
上記感熱液（白色）を乾燥後塗布量が５ｇ／m²と
なるように塗布し感熱層を得た。この上に上記印
刷用インクを使用しフレキソ印刷にて部分的にバ
ラの模様を印刷し、慶祝用感熱記録紙を得た。

実施例 ３ 〔着色用原紙の製造〕 LBK70部をカナダ標準濾水度320c.c.に叩解して
ロジン１部、硫酸バンド２部、そして２％マラカ
イトグリーン0.2部を添加し、長網抄紙機で坪量
が50ｇ／m²の着色用原紙を抄紙した。

上記着色原紙に実施例２で調製した感熱液を乾
燥後塗布量が５ｇ／m²となるように塗布した。こ
の上に実施例２で調製した印刷用インクを使用し
凸版印刷により部分的に梅の模様を印刷し、慶祝
用感熱記録紙を得た。

比較例 １ 実施例１において印刷用インクとして市販の油
性オフセツトインクを用いてオフセツト印刷にて
着色感熱層上に模様を印刷した他は、全て実施例
１と同様にして感熱記録紙を得た。しかしなが
ら、この感熱記録紙は経時により印刷部周辺で地
肌発色を生じてしまい問題を有するものであつ
た。

比較例 ２ 実施例１において印刷用インクとして着色顔料
とアクリル樹脂エマルジヨンよりなる水性インク
を用いてグラビア印刷にて着色感熱層上に模様を
印刷した他は、全て実施例１と同様にして感熱記
録紙を得た。しかしながら、施された印刷は印刷
ムラが多く問題を有するものであつた。

＜発明の効果＞ 本発明により得られた模様入り感熱記録紙は、
感熱発色層の発色特性や保存安定性は良好であ
り、慶弔用等にふさわしいものであつた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 無色ないし淡色のロイコ染料と電子受容性物
   質の呈色反応を利用した感熱記録紙の製造法にお
   いて、感熱記録紙を構成する層の少なくとも一層
   を水溶性染料又は着色顔料により全面に着色し、
   かつ感熱層の上に水性のインクを用いてフレキソ
   印刷又は凸版印刷により部分的に図柄を印刷する
   ことを特徴とする模様入り感熱記録紙の製造法。