JP4819759B2 - 不可視情報印刷シート - Google Patents

不可視情報印刷シート Download PDF

Info

Publication number
JP4819759B2
JP4819759B2 JP2007182550A JP2007182550A JP4819759B2 JP 4819759 B2 JP4819759 B2 JP 4819759B2 JP 2007182550 A JP2007182550 A JP 2007182550A JP 2007182550 A JP2007182550 A JP 2007182550A JP 4819759 B2 JP4819759 B2 JP 4819759B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
information part
printing
area ratio
invisible
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007182550A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009018490A (ja
Inventor
秀美 花田
雅浩 宮内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2007182550A priority Critical patent/JP4819759B2/ja
Publication of JP2009018490A publication Critical patent/JP2009018490A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4819759B2 publication Critical patent/JP4819759B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Description

本発明は、予め印刷された不可視情報を外部からの摩擦により発色させることで可視化する不可視情報印刷シートに関するものである。
従来、くじに用いられるシートとして、当落を示す文字、数字、その他の絵柄等の情報を紙などのシートに印刷し、さらに隠蔽層で覆うことで情報を不可視の状態とした不可視情報印刷シートが一般的に用いられている。具体的には、紙等のシートに可視情報等を印刷し、さらに不可視化すべき情報を印刷した後、不可視化すべき情報を覆うように剥離剤層を設け、その上に隠蔽性の銀色等のスクラッチインキを設けた状態であり、硬貨等によりスクラッチインキを削り取ることで不可視情報が現れるようにして用いられている。
しかし、上記のスクラッチインキを取り除く際に発生する削りカスがゴミとなってしまう欠点が有り、使用される用途や場所が限定される。さらにスクラッチインキの色は暗色であり、暗い感じになりやすくデザイン上の問題となりやすい。
上記の問題を解決するために、スクラッチインキを用いることなく不可視情報の発現が容易に行え、削りカスの発生が抑えられるとして、無色または淡色の電子供与性染料前駆体及びワニスを含有するスクラッチ発色用電子供与性染料前駆体インキベースと、電子受容性化合物及びワニスを含有するスクラッチ発色用電子受容性化合物インキベースを別個に作製したものをドライヤーと混合して得たものであることを特徴とするスクラッチ発色用インキ及びそれらを用いた不可視情報印刷シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この文献記載の方法では発色前の不可視情報は全く視認されないものの、先端が尖った針状の物体で意図的にスクラッチした場合、不可視情報の存在が認められるために不正に情報を推測される恐れがある。
特開2006−199187号公報
不可視情報が視認されず、不可視情報印刷部分が通常取り扱い時の擦れでは発色しにくく、爪で擦ることでも不可視情報の可視化が容易に行え、不可視情報を可視化する際に削りカスの発生が無い、特に可視化する際に、鮮明な発色画像が得られる不可視情報印刷シート、特に不正に情報を推測されることを防止したものを提供することである。
(1) 支持体上に、無色または淡色の電子供与性染料前駆体、電子受容性化合物及びワニスを含有するスクラッチ発色用インキを用いて印刷部分が設けられており、
該印刷部分が情報部分と非情報部分とで構成されており、
非情報部分は情報部分と支持体の同一面上にあり、
情報部分と非情報部分とで、印刷面積率の差の絶対値が0%以上30%以下であることを特徴とする不可視情報印刷シートである。
(但し、情報部分または非情報部分のうちスクラッチ発色用インキが占める面積の割合を印刷面積率とする。)
(2) より好ましくは、情報部分と非情報部分とで、印刷面積率の差の絶対値が10%以上30%以下であることを特徴とする上記(1)記載の不可視情報印刷シートである。
(但し、情報部分または非情報部分のうちスクラッチ発色用インキが占める面積の割合を印刷面積率とする。)
(3) 更に好ましくは、上記不可視情報印刷シートにおいて、情報部分と非情報部分がいずれも網点印刷により設けられ、情報部分と非情報部分とで、網点の線数、網点の形状のうち少なくともいずれかが異なることを特徴とする不可視情報印刷シートである。
(4) 上記(3)とは相違する更に好ましいものとして、情報部分と非情報部分の一方が網点印刷により、他方がベタ印刷により設けられていることを特徴とする上記(1)及び(2)のいずれかに記載の不可視情報印刷シートである。
本発明の不可視情報印刷シートは、不可視情報が、爪で擦ることでも鮮明に可視化でき、通常取り扱い時に擦れによる発色汚れが発生しにくく、削りカスの発生がなく、さらに発色前の状態での不可視性も良好である。
また、非情報部分がある事により、不可視性が顕著に良いものとなった。更に、印刷部分を知ったり推測するだけでは情報部分やその情報内容が分からないため、各種不正行為や誤操作などによる、情報部分にある不可視情報の推測や判読防止も容易となった。
また、一般の印刷物からの類推からは予想外の事であるが、非情報部分を情報部分と共に発色させてもスクラッチ操作により得た情報部分の発色画像の周囲とのコントラストは損なわれなかった。
以下、本発明の不可視情報印刷シートを更に具体的に説明する。
本発明に用いるスクラッチ発色用インキは、少なくとも無色または淡色の電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物を含有し、更にワニスを含有し、より好ましくはドライヤーを含有するものである。
電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物が実質的に未発色の状態であるためには、それぞれが固体粒子としてスクラッチ発色用インキ中に含有される事がより好ましい。
本発明に用いるスクラッチ発色用インキ中の含有成分について説明する。本発明に用いるスクラッチ発色用インキに含有される無色または淡色の電子供与性染料前駆体としては、一般に感圧記録材料や感熱記録材料に用いられているものに代表されるが、特に限定されるものではない。
具体的な電子供与性染料前駆体の例としては、
(1)トリアリールメタン系化合物またはインドリル基を持つ化合物:3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド等、
(2)ジフェニルメタン系化合物:4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等、
(3)キサンテン系化合物:ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン等、
(4)チアジン系化合物:ベンゾイルロイコメチレンブルー、4−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等、
(5)スピロ系化合物その他の系統の化合物:3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン、2,6−ジフェニル−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、2,2−ビス(4−(2−(4−ジエチルアミノフェニル)キナゾリル)オキシフェニル)プロパン、4−クロロ−N−(4−(N−(4−メチルベンジル)−N−メチルアミノ)ベンジリデン)アニリン、1−(2−キノリル)−2−(3−メトキシ−4−ドデシルオキシフェニル)エテン等を挙げることができる。また、これらの電子供与性染料前駆体は必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使用することができる。スクラッチ発色用インキの変色防止性や発色感度から、キサンテン系化合物が好ましく、トリアリールメタン系化合物またはインドリル基を持つ化合物も発色色相が鮮やかなため、好ましい。
本発明に用いるスクラッチ発色用インキに含有される電子受容性化合物としては、一般に感圧記録材料、または感熱記録材料に用いられる酸性物質に代表されるが、これらに制限されることはない。例えば、フェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体、N,N′−ジアリールチオ尿素誘導体、アリールスルホニル尿素誘導体、スルホンアミド誘導体、有機化合物の亜鉛塩などの多価金属塩、ベンゼンスルホンアミド誘導体等を挙げることができる。
具体的な例を挙げれば、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、2,4−ジ(フェニルスルホニル)フェノール等のジフェニルスルホン系化合物が挙げられる。
その他の具体例としては、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシアセトフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ビス〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ヒドロキシジフェニルエーテル、
3,3′−ジクロロ−4,4′−ヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、
N−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシナフチル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシナフチル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシナフチル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−クロロベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−メトキシベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−アリルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−フェニルベンゼンスルホンアミド、4,4′−ビス(2−ヒドロキシフェニルアミノスルホニル)ジフェニルメタン、N−(2−ヒドロキシフェニル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−N−メチル−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−N−ベンジル−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−N−アリル−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−N−フェニルベンゼンスルホンアミド、
4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、N,N′−ジフェニルチオ尿素、4,4′−ビス〔3−(4−メチルフェニルスルホニル)ウレイド〕ジフェニルメタン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−フェニル尿素、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4−〔2′−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩、N−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミドなどが挙げられる。特にスクラッチ発色用インキの変色防止性や発色感度からはジフェニルスルホン系化合物が好ましい。
本発明に用いるスクラッチ発色用インキに含有されるワニスには、バインダー樹脂、及び、必要に応じて、油、溶剤等が含まれている。
ワニスに含有されるバインダー樹脂の具体例としては、例えば、ロジンなどの天然樹脂、硬化ロジン、ロジンエステルなどの天然樹脂誘導体、そしてアルキド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース誘導体、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ケトン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、オレフィン等の不飽和炭化水素を原料とした石油樹脂などの合成樹脂が挙げられる。
ワニスに必要に応じて含有される油の具体例としては、例えば、アマニ油、菜種油、ヤシ油、オリーブ油、大豆油、桐油等の植物油、及びこれらを再生処理した植物油、スピンドル油、マシーン油、モビル油等の鉱物油が挙げられる。
なお、本発明においては、不揮発性有機液体を油、揮発性有機液体を溶剤と呼ぶ。
ワニスに必要に応じて含有される溶剤の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール系溶 剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール系溶剤等が挙げられる。
また、パラフィン、ナフテン系を主成分とした芳香族成分1%以下の石油系溶剤は不揮発性であるが、揮発性溶剤と同様に必要に応じて含有される。
本発明に用いるスクラッチ発色用インキには、更に各種の補助剤を含有させてもよい。例えば、乾燥促進剤としてナフテン酸コバルト、オクチル酸マンガン等のドライヤー、一般的にアルミニウムキレートと呼ばれるキレート化剤、インキの粘度を調整する石油系溶剤やワニス等の調整剤、印刷後の滑りを調節するワックス、界面活性剤、有機や無機の微粒子類、感熱記録材料で公知の脂肪酸アミド類、脂肪族尿素化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ビフェニル誘導体等の増感剤も発色濃度を上げるために含有させてもよい。
本発明に用いるスクラッチ発色用インキは、印刷部分の汚れ及び発色性から、電子供与性染料前駆体に対する電子受容性化合物の質量比(%)は、50〜1000質量%が好ましく、100〜500質量%が特に好ましい。また、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物を所定の割合で同時にビヒクル(ワニス)に添加し、混練りすると電子供与性染料前駆体が発色してインキの着色を招く恐れがあるため、別々に混練りしてインキ化した後に、撹拌機等により所定の割合で十分に混ぜ合わせる方が、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の接触等によるインキ着色を低減することができ、印刷部分の不可視化には好ましい。ビヒクル(ワニス)の種類やスクラッチ発色用インキ中のワニス含有量は印刷方法により異なるが、好ましくはスクラッチ発色用インキの10〜90質量%、より好ましくは60〜85質量%、更に好ましくは65〜85質量%の範囲で適宜選択される。
なお、スクラッチ発色用インキ製造時、個々の含有成分を別々に混練りした場合、それらをインキベースと呼ぶ。
本発明に用いるスクラッチ発色用インキにおけるワニスの調製は、従来公知の方法で良く、例えばバインダー樹脂、及び、必要に応じて含有させる油等の組成成分を加熱溶解させた後、必要に応じて溶剤、アルミキレート剤等を含有させて得られる。
本発明の不可視情報印刷シートに用いる支持体は、紙が主として用いられるが、紙の他に各種織布、不織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、蒸着シート、或いはこれらを貼り合わせ等で組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができる。
次に、不可視情報印刷シートを得る方法の説明に移る。本発明の不可視情報印刷シートにおけるスクラッチ部(不可視情報のうち、主に情報部分の領域)及びその周辺に印刷する場合には、各種印刷用インキが使用可能であるが、スクラッチ発色用インキの発色色相や、支持体面の色相と異なった色相のインキを使用することもできる。支持体面の色相が白色で、スクラッチ発色用インキの発色色相が黒や青色であれば、黄色、橙等の明度の高い色相のインキが好ましい。
また、本発明の不可視情報印刷シートには、スクラッチ発色用インキを用いた情報部分に加え、非情報部分も設けられているため、各種印刷用インキによる印刷を行なう場合、非情報部分の絵柄も考慮する事が好ましい。(以下、絵柄とは、文字、数字、絵模様から単なるベタや網点に至るまでを包括する広い意味である。)
本発明の不可視情報印刷シートの不可視情報を印刷するには、本発明に用いるスクラッチ発色用インキにより、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷等の各種印刷方法を用いて作製されるが、印刷精度や印刷性からは特にオフセット印刷により作製することが好ましい。オフセット印刷による場合は、通常のオフセット印刷用インキを用いる印刷条件と同様でよく、給湿液を用いる方法又は水無し平版を用いる方法のどちらでもよい。スクラッチ発色用インキの印刷盛量は特に限定されない。
本発明の不可視情報印刷シートの不可視情報は情報部分と非情報部分から成る。(便宜上、非情報部分も情報部分と同様に不可視情報として説明する。)非情報部分の領域は情報部分の領域と同一面上にある。情報部分と非情報部分とで、印刷面積率の差の絶対値が10%以上30%以下になるように調整する事が不可視性及び発色時のコントラストの点などで好ましい。または、情報部分と非情報部分の一方が網点印刷により、他方がベタ印刷により設けられている場合も不可視性及び発色時のコントラストの点で好ましい。
また、2種以上のスクラッチ発色用インキを用いる重ね刷りや、1種のスクラッチ発色用インキを複数の盛り量設定で重ね刷りする場合は、先に述べた印刷面積率その他の条件が、情報部分と非情報部分とで同一であっても、発色色相または発色濃度を相違させる事により、発色時の情報部分と非情報部分とのコントラストが良く、はっきり見える。
なお、本発明の不可視情報印刷シートにおけるコントラストは、通常の印刷物からは想像出来ないほど優れたものである。スクラッチ発色用インキに替えて通常の印刷用インキを用いて黒色などの可視情報を印刷すると非情報部分が無い方がコントラストとしてはよい。スクラッチ発色用インキを用いた場合に非情報部分があるとコントラストがよくなる理由は定かでない。一つには人間心理として、情報部分が輪郭として把握出来た段階で情報部分のみを強くスクラッチ操作し、非情報部分へはおざなりに操作するためとも考えられるが、コントラスト発現の機構解明は極めて困難である。
また、非情報部分の領域は情報部分の領域に隣接するか近傍にあると、不可視性向上のため好ましい。非情報部分の領域と情報部分の領域を可視化した際にあたかも非情報部分の絵柄と情報部分の絵柄とが全部、又は部分的に重なるように見えるとなお好ましい。非情報部分の領域が情報部分の領域周囲を包む様にすると不可視性の点で更によい。情報部分と非情報部分がいずれも網点印刷による場合、網点の線数および網点の形状は任意に選択できる。例えば網点の形状に関しては円、楕円、四角などを使用することができる。網点の線数は、好ましくは50〜175線である。
また、情報部分と非情報部分の網点の線数、網点の形状のうち最低限一つが異なる場合でも、情報部分および非情報部分における、各々の網点の線数、網点の形状は任意に選択できる。例えば網点の形状に関してはそれぞれ円、楕円、四角などを使用することができる。網点の線数は、好ましくは50〜175線である。この場合は情報部分と非情報部分とで、印刷面積率の差の絶対値が30%以下になるように調整する事が不可視性及び発色時のコントラストの点で好ましい。なお、網点印刷に限ると、印刷面積率はドットゲイン分を加味した網点率ないし網点面積率と同義である。
本発明の不可視情報印刷シートにおける不可視情報の印刷方法は、情報部分と非情報部分を同一版上に描画し印刷することもできるが、情報部分および非情報部分を異なる版上に描画し何回かに分けて印刷することもできる。何回かに分けて描画する場合でも、最終的に情報部分と非情報部分とにおける印刷面積率の差の絶対値が本発明の好ましい規定値になれば不可視性はよりよくなる。
なお、印刷面積率は、通常は印刷版段階で計算出来るが、必要があれば不可視情報印刷シートから事後的に求める事も出来る。簡便な方法の例としては150℃程度に熱した家庭用アイロンにて、アイロン台などの上で、不可視情報印刷シートを発色させ、情報部分、非情報部分それぞれについて拡大写真を撮り、写真中、発色部分の面積率を実測すればよい。網点印刷であれば、網点の個数20個以上、好ましくは100個ほどの微小領域について実測すれば印刷面積率が得られる。網点印刷以外の場合、幅や長さがそれぞれ0.5mm以上の微小領域、又は同等の面積の微小領域について実測すればよい。実測にあたって、本来の使用方法であるスクラッチによる発色だと、発色残り部分があって過小な面積率になったり、強くスクラッチしてスクラッチ発色用インキが支持体上で拡がり、過大な面積率になったりするので留意が必要である。
本発明とは関係しないが、理解のため、印刷面積率と混同しやすい黒率(主にファクシミリ分野等で用いられる用語。)について述べる。黒率とは、A4用紙などに、文字や模様などが占める面積の比率である。文字や模様などの原稿がベタ印刷物でも網点印刷物でも読取り時はベタになると考えるので、同一原稿ならベタ印刷物も網点印刷物も黒率に違いは無い。
次に、情報部分と非情報部分との区別について述べる。情報部分における情報は本発明の不可視情報印刷シートの作製目的とも言える不可視情報である。当落情報、文字情報、数値、その他の絵柄情報などが挙げられる。仮に、例えば、情報部分から得られる絵柄が、単に丸印のみであっても、その数、大きさなどが、例えば、当落などの意味を持つ限り、情報である。
一方、非情報部分においては単なる網点などのみで可視化しても濃度や色相や単純な模様以上の意味のある情報が出てこない。様々な地紋の模様など、それが無くても情報部分の情報内容に影響しないものは情報とはみなさない。例えば、非情報部分が、数字の1,2,3などを配列したものであったり、ことわざや商号などであったり、あるいは花柄の様な複雑な模様であっても、情報部分の情報に影響しないならば単なる模様である。
そのため、情報部分と非情報部分とは用途によって入れ替わる事もある。例えば、情報部分として数字の1,2,3から成る絵柄、非情報部分として英字のA,B,Cから成る絵柄を採用した場合だと使い方次第で数字と英字のどちらも情報部分に成り得る。
その様な理由から、印刷の方法(網点印刷かベタ印刷かなど)が互いに相違する印刷部分があれば情報部分と非情報部分とを有すると見なす。また、例えば、網点印刷において、網点面積率、網点の大きさ、網点形状のいずれかが互いに相違する印刷部分があれば情報部分と非情報部分とを有すると見なす。複数のスクラッチ発色用インキを用いたり、1種類のスクラッチ発色用インキを重ね刷りし印刷部分の内部で互いに盛り量の相違する部分がある場合も情報部分と非情報部分とを有すると見なす。
この事を図面による例示を用いて更に説明する。図4、図5に示される様に非情報部分と情報部分の絵柄が重ならず、重ね合わせた(合成した)ものに相当する印刷物が本発明の不可視情報印刷シートの理解しやすい例である。しかし、非情報部分に、図2や図3の例示の様な、情報部分に相当する白抜け部分が必要という事ではない。また、重ね刷りの場合など、非情報部分の中に白抜け部分を設けたとしてもそれと情報部分とが完全に一致する必要は無く、一部に重なって印刷された部分や、未印刷部分があってもよい。また、印刷の重なりや未印刷部分の存在は、印刷のずれによるものでも意図的にそういう印刷物としたものでも許される。また、不可視情報印刷シートの一つの面に、情報部分、非情報部分のいずれもそれぞれ複数あってもよい。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(作製例1)
作製例1は、ワニス、各インキベース、スクラッチ発色用インキの作製例である。
(ワニスの作製)
植物油としてアマニ油20質量部、ロジン変性フェノール樹脂(質量平均分子量60000、酸価20mgKOH/g)50質量部、スピンドル油20質量部を配合して約200℃で約1時間加熱して樹脂を溶解させた後、スピンドル油10質量部、アルミニウムキレート剤1質量部を添加して約180℃で約1時間加熱し、ワニスを得た。
(スクラッチ発色用電子供与性染料前駆体インキベースの調製)
上記ワニス50質量部、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン30質量部、スピンドル油5質量部を3本ロールミルで練肉し、上記ワニス10質量部、スピンドル油10質量部を添加することによってスクラッチ発色用電子供与性染料前駆体インキベース(a)を調製した。
(スクラッチ発色用電子受容性化合物インキベースの調製)
上記ワニス50質量部、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン30質量部、スピンドル油5質量部を3本ロールミルで練肉し、上記ワニス10質量部、スピンドル油10質量部を添加することによってスクラッチ発色用電子受容性化合物インキベース(b)を調製した。
(スクラッチ発色用インキの調製)
上記2種のインキベース(a)、(b)をそれぞれ1:2の質量比率で混合し、ドライヤーのナフテン酸マンガンを該インキベース合計の0.2質量%添加し、十分撹拌して均質化することによって、スクラッチ発色用インキを得た。
(作製例2)
次の条件で不可視情報印刷シートを得る条件を定めた。
(印刷速度)
150m/min
(印刷に使用した用紙)
三菱IJフォーム用紙 157g/m2 (三菱製紙株式会社製)
(給湿液)
5%IPA−0.2%SEVENSTAR(大日精化社製)の混合液
(使用刷版)
HPF 0.24mm(富士フイルム社製)
(網点の線数、網点の角度、網点の形状)
100線、45度、円形(情報部分および非情報部分とも同一)
(スクラッチ発色用インキの絵柄)
非情報部分:20mm角の正方形
情報部分:非情報部分の中央部にゴシック体太字全角で「当」、24ポイント
なお、情報部分の領域は、非情報部分の正方形の領域内部にある。非情報部分の絵柄は正確には上記正方形から情報部分の「当」の字を抜いたものに相当する。図2はその一例。
(インキ膜厚)
1.4μm
(印刷機)
MVF−18D(株式会社ミヤコシ製)
(作製例3)
次の条件で不可視情報印刷シートを得る条件を定めた。
(印刷速度)
150m/min
(印刷に使用した用紙)
三菱IJフォーム用紙 157g/m2 (三菱製紙株式会社製)
(給湿液)
5%IPA−0.2%SEVENSTAR(大日精化社製)の混合液
(使用刷版)
HPF 0.24mm(富士フイルム社製)
(スクラッチ発色用インキの絵柄)
本作製例による各実施例、比較例に示した。
(インキ膜厚)
1.4μm
(印刷機)
MVF−18D(株式会社ミヤコシ製)
(参考例1)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率50%
情報部分:印刷面積率10%
(実施例2)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率50%
情報部分:印刷面積率20%
(実施例3)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率50%
情報部分:印刷面積率30%
(実施例4)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率50%
情報部分:印刷面積率40%
(実施例5)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率50%
情報部分:印刷面積率50%
但し、作製例2で示した線数については、実施例5の場合、非情報部分は100線、情報部分は50線と変更した。
(実施例6)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率50%
情報部分:印刷面積率60%
(実施例7)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率50%
情報部分:印刷面積率70%
(実施例8)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率50%
情報部分:印刷面積率80%
(参考例9)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率50%
情報部分:印刷面積率90%
(実施例10)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率100%
情報部分:印刷面積率95%
(実施例11)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率100%
情報部分:印刷面積率90%
(実施例12)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率100%
情報部分:印刷面積率80%
(実施例13)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率100%
情報部分:印刷面積率70%
(参考例14)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率100%
情報部分:印刷面積率60%
(実施例15)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率30%
情報部分:印刷面積率30%
但し、作製例2で示した網点の形状については、実施例15の場合、非情報部分は円形、情報部分は四角形と変更した。
(実施例16)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率30%
情報部分:印刷面積率40%
(実施例17)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率30%
情報部分:印刷面積率50%
(実施例18)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率30%
情報部分:印刷面積率60%
(参考例19)
作製例1記載のインキを作製例2の条件で印刷した。ただし、非情報部分と情報部分の印刷面積率を次のように定めた。
非情報部分:印刷面積率30%
情報部分:印刷面積率70%
(参考例20)
作製例1記載のインキを作製例3の条件で印刷した。ただし、不可視情報を以下のように印刷した。
非情報部分:20mm角の正方形(正確には正方形から情報部分の絵柄を白抜きしたもの)、網点の線数100線、網点の形状は円形、網点の印刷面積率50%
情報部分:非情報部分の中央部にゴシック体太字全角で「当」、24ポイント、網点の線数175線、網点の形状は円形、印刷面積率10%
(実施例21)
作製例1記載のインキを作製例3の条件で印刷した。ただし、不可視情報を以下のように印刷した。
非情報部分:20mm角の正方形(正確には正方形から情報部分の絵柄を白抜きしたもの)、網点の線数100線、網点の形状は円形、網点の印刷面積率50%
情報部分:非情報部分の中央部にゴシック体太字全角で「当」、24ポイント、網点の線数175線、網点の形状は円形、印刷面積率20%
(実施例22)
作製例1記載のインキを作製例3の条件で印刷した。ただし、不可視情報を以下のように印刷した。
非情報部分:20mm角の正方形(正確には正方形から情報部分の絵柄を白抜きしたもの)、網点の線数100線、網点の形状は円形、網点の印刷面積率50%
情報部分:非情報部分の中央部にゴシック体太字全角で「当」、24ポイント、網点の線数175線、網点の形状は円形、印刷面積率30%
(実施例23)
作製例1記載のインキを作製例3の条件で印刷した。ただし、不可視情報を以下のように印刷した。
非情報部分:20mm角の正方形(正確には正方形から情報部分の絵柄を白抜きしたもの)、網点の線数100線、網点の形状は円形、網点の印刷面積率50%
情報部分:非情報部分の中央部にゴシック体太字全角で「当」、24ポイント、網点の線数175線、網点の形状は円形、印刷面積率40%
(実施例24)
作製例1記載のインキを作製例3の条件で印刷した。ただし、不可視情報を以下のように印刷した。
非情報部分:20mm角の正方形(正確には正方形から情報部分の絵柄を白抜きしたもの)、網点の線数100線、網点の形状は円形、網点の印刷面積率50%
情報部分:非情報部分の中央部にゴシック体太字全角で「当」、24ポイント、網点の線数175線、網点の形状は円形、印刷面積率50%
(実施例25)
作製例1記載のインキを作製例3の条件で印刷した。ただし、不可視情報を以下のように印刷した。
非情報部分:20mm角の正方形(正確には正方形から情報部分の絵柄を白抜きしたもの)、網点の線数100線、網点の形状は円形、網点の印刷面積率50%
情報部分:非情報部分の中央部にゴシック体太字全角で「当」、24ポイント、網点の線数175線、網点の形状は円形、印刷面積率60%
(実施例26)
作製例1記載のインキを作製例3の条件で印刷した。ただし、不可視情報を以下のように印刷した。
非情報部分:20mm角の正方形(正確には正方形から情報部分の絵柄を白抜きしたもの)、網点の線数100線、網点の形状は円形、網点の印刷面積率50%
情報部分:非情報部分の中央部にゴシック体太字全角で「当」、24ポイント、網点の線数175線、網点の形状は円形、印刷面積率70%
(実施例27)
作製例1記載のインキを作製例3の条件で印刷した。ただし、不可視情報を以下のように印刷した。
非情報部分:20mm角の正方形(正確には正方形から情報部分の絵柄を白抜きしたもの)、網点の線数100線、網点の形状は円形、網点の印刷面積率50%
情報部分:非情報部分の中央部にゴシック体太字全角で「当」、24ポイント、網点の線数175線、網点の形状は円形、印刷面積率80%
(参考例28)
作製例1記載のインキを作製例3の条件で印刷した。ただし、不可視情報を以下のように印刷した。
非情報部分:20mm角の正方形(正確には正方形から情報部分の絵柄を白抜きしたもの)、網点の線数100線、網点の形状は円形、網点の印刷面積率50%
情報部分:非情報部分の中央部にゴシック体太字全角で「当」、24ポイント、網点の線数175線、網点の形状は円形、印刷面積率90%
(実施例29)
作製例1記載のインキを作製例3の条件で印刷した。ただし、不可視情報を以下のように印刷した。
非情報部分:20mm角の正方形(正確には正方形から情報部分の絵柄を白抜きしたもの)、網点の線数100線、網点の形状は円形、網点の印刷面積率50%
情報部分:非情報部分の中央部にゴシック体太字全角で「当」、24ポイント、網点の線数100線、網点の形状は四角形、印刷面積率50%
(比較例1)
作製例1記載のインキを作製例3の条件で印刷した。ただし、不可視情報を以下のように印刷した。
非情報部分:設けなかった。以下の説明で、印刷面積率の表現が必要な場合は便宜上、0%とする。
情報部分:非情報部分の中央部にゴシック体太字全角で「当」、24ポイント、ベタ(網点印刷と対比する場合は、便宜上、網点の線数175線、網点の形状は円形、印刷面積率100%とする。)
(印刷部分の不可視性評価)
実施例(又は参考例)1〜30及び比較例1で得られた不可視情報印刷シートの印刷部分を、木製の爪楊枝の先端でごく軽くこすり発色させ、情報部分から情報が読み取れるかを目視観察により以下の3段階で評価した。○は情報が全く読み取れない。△は情報が読み取れないが発色した画像に不連続な領域があることがわかる。×は情報が視認される。なお、○と△が、特に不正行為や誤操作による視認を防ぐ必要のある用途での実用に供するレベルのものである。
なお、上記の爪楊枝による操作をしないといずれの実施例(又は参考例)も不可視性は、○であり、読取り環境を明るくしても視認出来なかった。他方、比較例1の情報部分は明るい光線の下で凝視すると視認出来、×であった。これより、各実施例(又は参考例)の不可視情報印刷シートは一般的用途においての実用性がある事を確認出来た。
(印刷部分の可読性評価)
実施例(又は参考例)1〜30及び比較例1で得られた不可視情報印刷シートの印刷部分を爪で擦り、可読性を以下の3段階で評価した。可読性評価は、情報部分の発色濃度、情報部分と非情報部分のコントラストが共に優れていてはじめてよい結果を与える。○は情報の読み取りも良好である。△は情報の読み取りは可能であるがやや不鮮明である。×は情報の読み取りは不可能である。なお、○と△が、実用に供するレベルのものである。
但し、今回の評価対象はいずれの試料も情報部分の発色濃度は十分であり、可読性評価の差は、情報部分と非情報部分のコントラストの程度により生じたと考えられる。
Figure 0004819759
表1の結果から、実施例(又は参考例)1〜19のうち、情報部分と非情報部分とにおける印刷面積率の差の絶対値が10%以上30%以下の領域において、不可視性評価も可読性評価も良好であることがわかった。特に、不可視性評価、可読性評価の結果は、情報部分と非情報部分の印刷面積率に依存するものではなく、印刷面積率の差の絶対値に依存するものであった。また、実施例(又は参考例)20〜29のうち、情報部分と非情報部分とにおける印刷面積率の差の絶対値が30%以下の領域において、不可視性評価も可読性評価も良好であることがわかった。可読性評価は印刷面積率の差の絶対値が10%以上の領域において特に優れているが、実施例5,15,24,29より、差の絶対値が0%であっても、情報部分と非情報部分とにおける網点の線数あるいは網点の形状が異なる場合、情報が読み取れ不可視性評価も良好であった。
本発明の不可視情報印刷シートは、特別の用具(コイン等)を用いることなく、不可視情報の可視化が可能であり、活用例として、子供の手を汚すことがなく、削りカスの発生も無いので特に乗り物内での使用にも有効である。また、スクラッチ前の不正な読み取りを防止できるため、高額なくじ類、金券、証券などにも有効である。もちろん、コイン等を用いても削りカスは発生しない。
情報部分の一例 「当」の網点文字を可視化したもの 非情報部分の一例 網点模様(「当」の白抜き文字以外)を可視化したもの 非情報部分の一例 文字様模様(「当」の白抜き文字以外)を可視化したもの 図1と図2とを合成したものに相当する印刷部分を可視化したもの 図1と図3とを合成したものに相当する印刷部分を可視化したもの
符号の説明
1.情報部分を可視化したもの
2.非情報部分(網点模様)を可視化したもの
3.非情報部分(文字様模様)を可視化したもの

Claims (4)

  1. 支持体上に、無色または淡色の電子供与性染料前駆体、電子受容性化合物及びワニスを含有するスクラッチ発色用インキを用いて印刷部分が設けられており、
    該印刷部分が情報部分と非情報部分とで構成されており、
    非情報部分は情報部分と支持体の同一面上にあり、
    情報部分と非情報部分とで、印刷面積率の差の絶対値が0%以上30%以下であることを特徴とする不可視情報印刷シート。
    (但し、情報部分または非情報部分のうちスクラッチ発色用インキが占める面積の割合を印刷面積率とする。)
  2. 情報部分と非情報部分とで、印刷面積率の差の絶対値が10%以上30%以下であることを特徴とする請求項1記載の不可視情報印刷シート。
    (但し、情報部分または非情報部分のうちスクラッチ発色用インキが占める面積の割合を印刷面積率とする。)
  3. 情報部分と非情報部分がいずれも網点印刷により設けられ、情報部分と非情報部分とで、網点の線数、網点の形状のうち少なくともいずれかが異なることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか記載の不可視情報印刷シート。
  4. 情報部分と非情報部分の一方が網点印刷により、他方がベタ印刷により設けられていることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれかに記載の不可視情報印刷シート。
JP2007182550A 2007-07-11 2007-07-11 不可視情報印刷シート Expired - Fee Related JP4819759B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007182550A JP4819759B2 (ja) 2007-07-11 2007-07-11 不可視情報印刷シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007182550A JP4819759B2 (ja) 2007-07-11 2007-07-11 不可視情報印刷シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009018490A JP2009018490A (ja) 2009-01-29
JP4819759B2 true JP4819759B2 (ja) 2011-11-24

Family

ID=40358550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007182550A Expired - Fee Related JP4819759B2 (ja) 2007-07-11 2007-07-11 不可視情報印刷シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4819759B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5861297B2 (ja) * 2011-07-21 2016-02-16 大日本印刷株式会社 スクラッチカード

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06183182A (ja) * 1992-12-16 1994-07-05 New Oji Paper Co Ltd 改ざん防止用感圧複写シート
JPH09314980A (ja) * 1996-05-29 1997-12-09 Kyodo Printing Co Ltd 複写・改ざん防止印刷物
JPH10236046A (ja) * 1997-02-27 1998-09-08 Toppan Forms Co Ltd スクラッチシート
JP2001113860A (ja) * 1999-10-21 2001-04-24 Toppan Printing Co Ltd 隠蔽層付き印刷物
JP3398758B2 (ja) * 1999-10-28 2003-04-21 財務省印刷局長 偽造防止用情報担持体
JP2003285528A (ja) * 2002-03-28 2003-10-07 Mitsumura Printing Co Ltd 偽造防止印刷物及びその製造方法
JP4728001B2 (ja) * 2005-01-24 2011-07-20 三菱製紙株式会社 スクラッチ発色用インキ及びそれを用いた不可視情報印刷シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009018490A (ja) 2009-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010140662A1 (ja) 感熱記録体
JP4728001B2 (ja) スクラッチ発色用インキ及びそれを用いた不可視情報印刷シート
EP1677990B1 (en) Improvements in thermal paper
US8283285B2 (en) Scratch color-developable ink and invisible information printed sheet
JP5311727B2 (ja) スクラッチ発色用インキおよび不可視情報印刷シート
JP4819759B2 (ja) 不可視情報印刷シート
JP4819764B2 (ja) 不可視情報印刷シート
JP4852055B2 (ja) 不可視情報印刷シート
JP2010000613A (ja) 不可視情報印刷シート
JP4819753B2 (ja) 不可視情報印刷シート
JP5230569B2 (ja) 感熱記録体
JP5342545B2 (ja) 不可視情報印刷シート
JP2010089440A (ja) 不可視印刷シート及びそれに用いるインキセット
JP2001205938A (ja) 偽造防止用熱変色材料
JPH0412236B2 (ja)
JP4746905B2 (ja) 熱発色インキ及びそれを用いた不可視情報印刷シート、及び熱発色インキの製造方法
JP2012116158A (ja) 感熱記録体
JP3304500B2 (ja) 感熱発色型孔版印刷用エマルジョンインクおよび印刷方法
JP2010228367A (ja) 感熱記録シート
JPH046936Y2 (ja)
JP2008229994A (ja) 発色性組成物
JPH0632048A (ja) 感圧記録紙
JPH03224783A (ja) 水発色性シート
JP2008115222A (ja) 発色性インキ及びそれを用いた不可視情報印刷シート
JP2004149680A (ja) 発色性組成物、インク組成物及びそれを有する支持体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110623

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110809

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110901

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140909

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees