JP2008115222A - 発色性インキ及びそれを用いた不可視情報印刷シート - Google Patents

発色性インキ及びそれを用いた不可視情報印刷シート Download PDF

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康雄 石原
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Abstract

【課題】不可視情報印刷部分が通常の取り扱い時の擦れでは発色しにくいにもかかわらず
、爪で擦ることで不可視情報の可視化が容易に行え、発色濃度が高く、不可視情報を可視
化する際に削りカスの発生が無く、不可視情報を印刷した部分をスクラッチ発色せずに視
認することが極めて困難な発色性インキおよびそれを用いた不可視情報印刷シートを提供する。
【解決手段】染料、顕色剤および光硬化性化合物を含み、内在する固体粒子成分の平均粒径が0.3〜25μmであることを特徴とする発色性インキおよび該発色性インキによって不可視情報が支持体上に印刷されてなることを特徴とする不可視情報印刷シートである。
【選択図】なし

Description

本発明は、予め形成された不可視情報を、外部からの摩擦などにより発色させることで可視化するスクラッチ発色などに用いる発色性インキおよびそれを用いた不可視情報印刷シートに関するものである。
従来、くじ等に用いられる不可視情報印刷シートとして、当落を示す文字、数字、図柄等の情報を紙等に印刷し、さらに隠蔽層で覆うことで情報を不可視化したものが一般的に用いられていた。具体的には、紙等に可視情報を印刷し、その内容中、不可視化すべき情報上に隠蔽層を設けたものを挙げることができる。硬貨等により隠蔽層を削り取り不可視情報が現れる。多くの場合、可視情報が印刷された面に隠蔽層を設ける。隠蔽層としては、隠蔽インキ層や金属蒸着層などが挙げられる。支持体が透明の場合、可視情報が印刷された面の必要部分を隠蔽し、更に反対面に隠蔽層を設けてもよい。この場合は反対面からスクラッチ操作し、情報を読み取る(例えば、特許文献1参照)。
しかし、隠蔽層を用いた不可視情報印刷シートは、スクラッチ操作の際に発生する削りカスがゴミとなる欠点が有り、用途や使用場所が限定される。また、隠蔽層を厚くする必要から擦れや堅い尖ったものとの接触により隠蔽層が剥がれやすい欠点が有る。さらに隠蔽層は暗色や銀色などであり、暗い感じや特異な外観になりやすい問題がある。
また、支持体上に電子受容性化合物(顕色剤)を含有する不可視情報印刷部を設け、それを覆うように電子供与性染料前駆体内包カプセルを分散したスクラッチ層を設けた印刷シートも提案されている。スクラッチにより、顕色剤を印刷した部分で染料前駆体が発色し可視情報となる。
しかし、この技術には、電子供与性染料前駆体内包カプセルが加工工程や取り扱い時のスクラッチ操作より弱い擦れによって一部が破壊され、汚れや、不可視情報が可視化されるという問題がある。また、擦れによらずとも、筆圧程度の圧力によりその部分が発色してしまうという問題がある。さらに、必要により強い力でスクラッチ操作した場合には、情報印刷部分まで削られる恐れがある。スクラッチ操作時は、不可視情報を早く知ろうと扱いが荒くなりがちであるが、その事への対応に問題があった。また、光沢もあまり高いと言えず、抽選券等の用途で求められる華やかさに欠けていた(例えば、特許文献2参照)。
他方、オフセットインキの技術から工夫した場合、カプセル技術の場合の実用上の欠点は無いが、高光沢を求めるには制約があり、高光沢により適した技術が求められていた(例えば、特許文献3参照)。
また、硬貨を構成する金属材料よりも硬度の高い顔料(二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム等)を主成分として含むインキを用いて、支持体上に文字・図柄を印刷し、この上を硬貨で擦ることにより、金属材料が削り取られて可視化されるものもある(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、硬貨等の道具が必要で不便であり、幼い子供に硬貨を使用させることは、誤って飲み込んでしまったり、手が汚れてしまう等、安全面、衛生面からも望ましくない。子供や高齢者が各種の店頭などで抽選券等をスクラッチ操作をする事は日常化しつつあるが、配慮がされていない。また、この方法では、可視化時における印刷情報の発色濃度が低く、ようやく視認できる程度の発色濃度しか得られない。また、この方法は硬度の高い顔料を含む印刷部に光沢を与える簡便な方法がなかった。例えば、印刷物へのカレンダー処理は容易ではなく、工程数も増え不利である。
また、衛生面への考慮及び高光沢の実現を考えれば、発色性インキへの紫外線硬化性化合物を用いたインキの応用も考えられる。しかし、この場合は、印刷部の皮膜が強すぎ、スクラッチによる発色は不可能又は非常に強い力を要する。
なお、先に述べた隠蔽層を紫外線硬化性化合物を用いたインキを用いて形成する場合、スクラッチによる剥離は可能である。しかし、電子供与性染料前駆体及び顕色剤を通常の紫外線硬化性化合物を用いたインキ中に含有させ発色性インキとした場合には、スクラッチ発色前に印刷された不可視であるべき情報が、読み取り可能な程度に発色していて、不可視情報印刷シートには応用出来ないものであった(電子線硬化性化合物を用いたインキも事情は紫外線硬化性化合物と同様である)。そのため、紫外線硬化性化合物を用いた発色性インキは感熱記録材料への応用に留まっている。なお、感熱記録材料用途では発色画像と地肌のコントラストさえあればよい(例えば、特許文献5及び特許文献6参照)。
特開平8−150796号公報 特開平10−16386号公報 特開2006−199887号公報 特公平6−78039号公報 特許第3324214号公報 特開昭54−78141号公報
本発明は、不可視情報印刷部分が通常の取り扱い時の擦れでは発色しにくいにもかかわ
らず、爪で擦ることによっても不可視情報の可視化が容易に行え、発色濃度が高く、不可視情報を可視化する際に削りカスの発生が無く、不可視情報を印刷した部分を発色せずに視認することが極めて困難な発色性インキ、およびそれを用いた高光沢化も容易な不可視情報印刷シートを提供することを目的とするものである。
本発明者等が鋭意検討したところ、電子供与性染料前駆体、電子受容性化合物、および電子線または紫外線硬化性化合物を含む発色性インキにより、上記課題を解決し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)電子供与性染料前駆体、電子受容性化合物、および電子線または紫外線硬化性化合物を含有し、かつ、該電子線または紫外線硬化性化合物として、
(a)アルキル鎖の炭素数4〜30の(メタ)アクリル酸エステル;
(b)炭素数4〜30の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;
(c)アルキル鎖の炭素数4〜30のポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル;
(d)側鎖および/または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するビニル系またはジエン系オリゴマー;
(e)前記(a)〜(d)記載のオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物;
のいずれか、又は2種以上の混合物を含有する事を特徴とする発色性インキ、
より好ましくは、
(2)電子供与性染料前駆体(以下、単に染料と呼ぶ。)、電子受容性化合物(以下、顕色剤と呼ぶ。)、および電子線または紫外線硬化性化合物を含み、かつ、該電子線または紫外線硬化性化合物の70質量%以上が
(a)アルキル鎖の炭素数4〜30の(メタ)アクリル酸エステル;
(b)炭素数4〜30の多価アルコールをポリ(メタ)アクリレートとしたもの;
(c)アルキル鎖の炭素数4〜30のポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル;
(d)側鎖および/または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するビニル系またはジエン系オリゴマー;
(e)前記(a)〜(d)記載のオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物;
のいずれか、又は2種以上の混合物である事を特徴とする発色性インキ、
(3)上記(1)及び(2)に記載の発色性インキによって不可視情報が支持体上に印刷され、かつ、印刷された発色性インキは硬化されていることを特徴とする不可視情報印刷シート、
を提供するものである。
本発明によれば、不可視情報印刷部分が通常の取り扱い時のシート間の擦れ、シートの面上方または下方からの静的圧力、水分付着、熱等によっては発色しにくく不可視情報をスクラッチ操作前には視認することが極めて困難であるにもかかわらず、爪などで擦ること(スクラッチ操作)により不可視情報の可視化が容易に行える。
また、本発明の発色性インキを用いた不可視情報印刷シートは、発色濃度が高く、不可視情報を可視化する際に削りカスの発生が無い。
更にまた、本発明の不可視情報印刷シートは、爪ばかりでなく、身の回りにある材料、例えば、各種の硬貨や、プラスチック類などでスクラッチしても良好に発色し情報が得られる程に発色感度がよい。
先ず、本発明の発色性インキについて説明する。
本発明の発色性インキは、染料、顕色剤、および電子線または紫外線硬化性化合物を含むものである。なお、以下、電子線または紫外線硬化性化合物を総称して便宜上、以下、光硬化性化合物と呼ぶ。
本発明の発色性インキに用いられる染料は、酸により発色する物質であれば特に限定されないが、通常の取り扱い時における擦れ等によるインキ着色を防止するためには、結晶質のものを用いることが好ましい。また、通常の取り扱い時におけるインキ着色防止のため、融点も高い方が好ましく、融点160℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、220℃以上であることがさらに好ましい。インキが着色するとそれを用いた印刷シートの印刷部もその程度に応じて不可視性が低下することになる。
染料の具体例としては、
(1)トリアリールメタン系化合物:3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド(エチルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド(マラカイトグリーンラクトン)、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等、
(2)ジフェニルメタン系化合物:4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等、
(3)キサンテン系化合物:ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン等、
(4)チアジン系化合物:ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等、
(5)スピロ系化合物:3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等から選ばれる1種以上を挙げることができる。発色性インキの変色防止性や発色感度を考慮した場合、キサンテン系化合物を用いることが好ましい。
本発明の発色性インキに用いられる顕色剤は、酸性物質であれば、特に制限されることはなく、例えば、フェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体、N,N′−ジアリールチオ尿素誘導体、アリールスルホニル尿素誘導体、スルホンアミド誘導体、有機化合物の亜鉛塩などの多価金属塩、ベンゼンスルホンアミド誘導体等から選ばれる1種以上を挙げることができる。
ただし、通常の取り扱い時における擦れ等によるインキ着色を防止するためには、結晶質のものを用いるのが好ましい。また、通常の取り扱い時におけるインキ着色を防止するためには融点も高い方が好ましく、融点が140℃以上であることが好ましく、170℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。インキが着色するとそれを用いた印刷シートの印刷部もその程度に応じて不可視性が低下することになる。
顕色剤の具体例としては、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール等のジフェニルスルホン系化合物から選ばれる1種以上を挙げることができ、
その他の具体例としては、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ビス〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ヒドロキシジフェニルエーテル、
3,3′−ジクロロ−4,4′−ヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、
N−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシナフチル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシナフチル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシナフチル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−クロロベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−メトキシベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−アリルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−フェニルベンゼンスルホンアミド、4,4′−ビス(2−ヒドロキシフェニルアミノスルホニル)ジフェニルメタン、N−(2−ヒドロキシフェニル)−N−メチルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−N−メチル−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−N−ベンジル−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−N−アリル−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−N−フェニルベンゼンスルホンアミド、
4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、N,N′−ジフェニルチオ尿素、4,4′−ビス[(3−(4−メチルフェニルスルホニル)ウレイド]ジフェニルメタン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−フェニル尿素、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4−[2′−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩、N−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミドなどから選ばれる1種以上を挙げることができる。特に発色性インキの変色防止性や発色感度を考慮した場合、ジフェニルスルホン系化合物を用いることが好ましい。
顕色剤の多くはフェノール系化合物である。通常、フェノール系化合物は光硬化性化合物の光硬化を阻害する事が知られていた。しかし、次に述べる光硬化性化合物の選択により、光硬化が良好に進行する事が分かった。
次に、本発明の発色性インキに使用される光硬化性化合物及び、好ましく含有されるそれ以外のインクのマトリックス成分となる物質について説明する。発色インキに好ましく含有される光硬化性化合物以外のインクのマトリックス成分となる物質としては、油、溶剤、重合禁止剤、重合開始剤などが挙げられる。以下の説明中、光硬化性化合物及び、好ましく含有されるそれ以外のインクのマトリックス成分となる物質の混合物を総称して光硬化性組成物と呼ぶ事もある。
なお、発色性インキには光硬化性組成物、染料、顕色剤が含有される。光硬化性組成物は、インキのマトリックス成分であり、染料、顕色剤は固体粒子成分である。固体粒子成分としては、この他にも、必要に応じ、更に、顔料などが含有されていてもよい。
光硬化性化合物を化合物の構造面の特徴も加えて述べると、電子線または紫外線により重合反応し得る二重結合を1個以上有するモノマーまたはプレポリマーである。
かかるプレポリマーおよびモノマーとしては、
(a)アルキル鎖の炭素数4〜30の(メタ)アクリル酸エステル;
(b)炭素数4〜30の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;
(c)アルキル鎖の炭素数4〜30のポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル;
(d)側鎖および/または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するビニル系またはジエン系オリゴマー;
(e)前記(a)〜(d)記載のオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物;
等が挙げられる。なお、上記のプレポリマーおよびモノマーをそれぞれ2種以上併用してもよい。
上記プレポリマーおよびモノマーのうち、(a)、(b)、(c)および(d)については具体例を分類別に挙げる。
(a)の具体例としては、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸アイコシル、メタクリル酸アイコシル、アクリル酸トリアコンチル、メタクリル酸トリアコンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸1−ノルボルニル、メタクリル酸1−ノルボルニル、アクリル酸2−ノルボルニル、メタクリル酸2−ノルボルニル、アクリル酸7−ノルボルニル、メタクリル酸7−ノルボルニル、アクリル酸1−アダマンチル、メタクリル酸1−アダマンチル、アクリル酸2−アダマンチル、メタクリル酸2−アダマンチル、等が挙げられる。2種以上を併用してもよい。
(b)の具体例としては、1,2−ブタンジオールジアクリレート、1,2−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ジアクリルオキシ−2−ブチン、1,4−ジメタクリルオキシ−2−ブチン、1,2,3−ブタントリオールトリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、1,2,3−ブタントリオールトリメタクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、t−1,2−シクロヘキサンジオールジアクリレート、t−1,2−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、t−1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、t−1,4−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、c−1,2−シクロヘキサンジオールジアクリレート、c−1,2−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、c−1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、c−1,4−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、1,30−トリアコンタンジオールジアクリレート、1,30−トリアコンタンジオールジメタクリレート、等が挙げられる。2種以上を混合してもよい。
(c)の具体例としては、リン酸トリス(4−アクリルオキシブチル)エステル、リン酸トリス(4−メタクリルオキシブチル)エステル、リン酸トリス(6−アクリルオキシヘキシル)エステル、リン酸トリス(6−メタクリルオキシヘキシル)エステル、リン酸トリス(8−アクリルオキシオクチル)エステル、リン酸トリス(8−メタクリルオキシオクチル)エステル、リン酸トリス(12−アクリルオキシドデシル)エステル、リン酸トリス(12−メタクリルオキシドデシル)エステル、リン酸トリス(18−アクリルオキシオクタデシル)エステル、リン酸トリス(18−メタクリルオキシオクタデシル)エステル、リン酸トリス(30−アクリルオキシトリアコンチル)エステル、リン酸トリス(30−メタクリルオキシトリアコンチル)エステル、等が挙げられる。2種以上を併用してもよい。
(d)の具体例としては、重合度10以下のポリビニルアルコールのポリアクリレート、重合度10以下のポリビニルアルコールのポリメタクリレート、等が挙げられる。2種以上を併用してもよい。
(e)のオリゴエステルは、低重合度であるが、中でも重合度10以下のものがインキの物性を一定に保ち、印刷を良好に行うため好ましい。
上記のプレポリマーおよびモノマーの他にも、汎用の光硬化性インキ用途において公知の光硬化性化合物も、用いてもよい。但し、その場合でも、上記(a)〜(e)から選ばれる光硬化性化合物が、用いる光硬化性化合物の総量に対し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上、含有されることが好ましい。70質量%を下回ると印刷シートに設けた不可視情報の不可視性や、スクラッチの容易性、発色させた時の発色濃度へ影響する恐れがある。なお、光硬化性インキ中からは、光硬化性化合物中の(a)〜(e)から選ばれる化合物の含有量(質量%)を直接求め得るが、発色性インキを印刷し光硬化させた後では、硬化したポリマー中、(a)〜(e)から選ばれる化合物に由来するポリマーの質量%に替えて算出してもよい。なお、その際、ポリマー中の繰り返し単位が(a)〜(e)から選ばれる化合物に相当する場合は、該繰り返し単位は(a)〜(e)から選ばれる化合物に由来したものと見なす。
上記のプレポリマーおよびモノマーのうち、(a)、(b)及び(c)の各化合物中のアルコール部分ないしアルキル基部分については炭素数4以上としたが、これは不可視性を得るための条件である。(a)、(b)及び(c)のいずれについても、不可視性を更に得るためには、より好ましくは、炭素数6以上、より好ましくは炭素数8以上、更に好ましくは炭素数12以上である。一方、(a)、(b)及び(c)のいずれについても炭素数30以下であると、発色性インキが環境温度の変化などにより固化する恐れが減少し好ましい。
従来から光硬化性化合物としてインキ用に用いられているプレポリマーやモノマーの類型は他にも多くあり、上記(a)〜(e)と併用することは可能である。
本発明において必要に応じて使用してもよいプレポリマーおよびモノマーとしては、
(f)スチレン;
(g)ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート;
(h)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族2〜6価の多価アルコールおよびポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレートのうち、上記(a)に属さないもの;
(i)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族2〜6価の多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させた形の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートのうち上記(b)に属さないもの;
(j)ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステルのうち上記(c)に属さないもの;
(k)ポリエステルポリ(メタ)アクリレート;
(l)エポキシポリ(メタ)アクリレート;
(m)ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート;
(n)ポリアミドポリ(メタ)アクリレート;
(o)前記(h)〜(n)記載のオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物;
(p)エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミドまたはアルキル置換(メタ)アクリルアミドで代表されるアミド基含有単量体;
(q)エチレン性不飽和エーテル等で代表される水酸基含有単量体;
(r)ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート−2−ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体;
(s)4級アンモニウム塩基含有モノマー;
(t)エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル;
(u)(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;
(v)酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリル等のエチレン性不飽和アルコールのエステル;
(w)ポリカルボン酸と不飽和アルコールとのポリエステルで代表されるエステル基含有多官能単量体等が挙げられる。
なお、上記のプレポリマーおよびモノマーをそれぞれ2種以上併用してもよい。
なお、発色性インキ中には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、無定形シリカ(コロイダルシリカを含む)、水酸化アルミニウム、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の顔料、滑剤、可塑剤、紫外線吸収剤等を適宜含有させることができる。
発色性インキは電子線および紫外線硬化型であり、公知の印刷機により印刷物を得る事が出来る。その際、発色性インキを硬化させるため、電子線を使用する場合、照射する電子線の量は0.1〜15Mrad、より好ましくは0.5〜10Mrad程度が望ましい。0.1Mrad未満では発色性インキを充分に硬化させることができず、15Mradを越えるような過度の電子線照射は不可視情報印刷シートの発色や変色を来す恐れがあり、さらに支持体が紙の場合紙力の低下を引き起こす恐れがある。
本発明の発色性インキを硬化させる際、紫外線を使用する場合には、発色性インキ中に、光重合開始剤を含有させる事が硬化を十分にするために好ましい。光重合開始剤としては、波長200〜450nmにわたる紫外線を吸収し重合反応を開始させる物質で、例えば、アセトフェノンやp−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルやベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、テトラメチルチウラムモノサルファイドやチオ安息香酸S−フェニル、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソンなどのイオウ化合物、ベンジル、9,10−アントラキノンやカンフアキノンなどのキノン誘導体、3−ケトクマリン、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウム塩、アリールスルホニウム塩、スルホニルアセトフェノン、ビスイミダゾール等、あるいは、ラジカル発生剤に属するものとして、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,2−アゾビスブチロニトリル等が挙げられ、含有量としては発色性インキ中、0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量用いる事が好ましい。好ましい下限を下回る場合、光重合開始剤を用いない場合同様に紫外線を強く又は長時間照射する必要がある場合がある。好ましい上限を超えると染料等の発色に寄与する成分を劣化させ、不可視性の低下や、発色色相の変化につながる恐れがある。
また、紫外線照射用の光源としては、紫外線ランプ、キセノンランプ、タングステンランプ等が用いられ、5000〜8000μW/cm程度の強度を有する紫外線が好ましく照射される。
光硬化性組成物が含み得る油は、常温で不揮発性の非水液体のうち、水と混合時に相分離するものを意味する。また、光硬化性組成物が含み得る溶剤は、常温で揮発性の非水液体のうち、水と混合時に相分離するものを意味する。
このうち、溶剤は、安全面、衛生面、環境面を考慮すると、用いないことが好ましく、用いる場合も、発色性インキ中、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。30質量%を超えると、安全、衛生、環境面に悪影響が出る恐れがある。もともと、電子線硬化および紫外線硬化による印刷の利点の1つは無溶剤という点である事から、溶剤は印刷不良防止など、必要でやむを得ない場合に用いる。
光硬化性組成物が含み得る溶剤としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール系溶剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール系溶剤、パラフィン、ナフテン系を主成分とした芳香族成分1%以下の石油系溶剤等から選ばれる1種以上を挙げることができる。芳香族溶剤は安全衛生上の問題と、紫外線を吸収する問題とがあり、用いる場合もわずかであることが好ましい。
光硬化性組成物が含み得る油としては、アマニ油、菜種油、ヤシ油、オリ−ブ油、大豆油、桐油等の植物油、およびこれらを再生処理した植物油、水素添加処理した植物油、スピンドル油、マシーン油、モビル油等の鉱物油から選ばれる1種以上を挙げることができ、用途により適宜選択されて使用される。
本発明の発色性インキに、光沢調節や、スクラッチ発色感度およびスクラッチ発色濃度調節などのため、好ましく含有される顔料としては、一般に各種の印刷インキ、塗料、塗工紙等に用いられる顔料が挙げられるが、これらに制限されることはない。例えば、発色性インキを印刷する支持体が通常白色であるため、顔料も通常は白色であることが好ましい。但し、支持体表面の色や光沢との兼ね合いで有色顔料や光沢顔料を用いてもよい。
顔料の具体例としては、カオリン、ケイソウ土、タルク、焼成カオリン、雲母、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、結晶質二酸化ケイ素、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ等の無機顔料、メラミン樹脂フィラー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、ポリエチレンパウダー、ナイロンパウダー、でんぷん等から選ばれる1種以上の有機顔料を挙げることができる。
本発明の発色性インキを用いて得られる印刷部は通常は、高光沢である。それが好ましい場合が多い。光沢度を下げる必要があれば、上記の顔料を必要に応じて含有させる。
発色性インキ中には、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤などを含有させてもよい。このうち、紫外線吸収剤については多く含有させると、光硬化自体への影響や、不可視性の低下を招くので用いる場合も含有させるのは紫外線が発色性インキ印刷部の下方まで到達出来る程度の微少量であることが好ましい。なお、電子線硬化の場合には、この制約は無い。また、酸化防止剤はラジカルトラップにより光硬化を阻害するものの、光硬化の条件を強くする事で対応可能である。
必要に応じて用いられる紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール誘導体などが挙げられる。その具体的な例としては、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−t−ブチルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、メチル−3−(3−t−ブチル−5−ベンゾトリアゾリル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、5−t−ブチル−3−(5−クロロベンゾトリアゾリル)−4−ヒドロキシベンゼン−プロピオン酸オクチル、2−(2−ヒドロキシ−3−sec−ブチル−5−t−ブチルフェニル)−5−t−ブチルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホフェニル)ベンゾトリアゾールナトリウム塩、2−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシ−5−スルホフェニル)ベンゾトリアゾールナトリウム塩、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2,2´−メチレンビス[4−メチル−6−(5−メチルベンゾトリアゾリル)フェノール]、2,2´−メチレンビス[4−メチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾリル)フェノール]、2,2´−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾリルフェノール]、2,2´−メチレンビス(4−t−ブチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2,2´−プロピリデンビス(4−メチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2,2´−イソプロピリデンビス(4−メチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2,2´−イソプロピリデンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾリルフェノール]、2,2´−オクチリデンビス[4−メチル−6−(5−メチルベンゾトリアゾリル)フェノール]等を挙げることができる。
また、必要に応じて用いられる酸化防止剤としては、ヒンダードアミン類、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4´−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,2,2−テトラキス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(5−フェニル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3,3−テトラキス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,5,5−テトラキス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン、1,1,3,3−テトラキス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,3,3−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(5−フェニル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)プロパン、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2´−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2´−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノ−ル)、4,4´−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4´−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4´−チオビス(2−メチルフェノ−ル)、4,4´−チオビス(2,6−ジメチルフェノ−ル)、4,4´−チオビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノ−ル)、2,2´−チオビス(4−t−オクチルフェノ−ル)、2,2´−チオビス(3−t−オクチルフェノ−ル)、1−[α−メチル−α−(4´−ヒドロキシフェニル)エチル]4−[α´,α´−ビス(4´´−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、トリス(2,6−ジメチル)−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
固体粒子成分のうち、発色に直接関与する染料および顕色剤の平均粒径について述べる。なお、本明細書においては、特に断らない限り、平均粒径とは体積平均粒径を意味するものとする。上記平均粒径は、粒度分布測定器等で測定することができる。染料および顕色剤の平均粒径は、0.3μm以上が好ましく、0.8μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましく、1.4μm以上が一層好ましく、2.0μm以上が特に好ましい。染料および顕色剤の平均粒径を0.3μm以上にすることは、通常の取り扱い時における擦れ等によるインキ着色を防止する上で好ましい。また、染料および顕色剤の平均粒径は25μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5.0μm以下が特に好ましい。染料および顕色剤の平均粒径を25μm以下にすることは、印刷部の不可視性を得る上で好ましい。平均粒径が25μmより大きいと、印刷部がざらついたり、不可視性が低下する恐れがある。
インキ中に内在する固体粒子成分(染料、顕色剤、必要に応じて用いる顔料等)全体の好ましい平均粒径についても、好ましい範囲が定まる。好ましくは0.3〜25μmであり、0.8〜20μmがより好ましく、1〜10μmが特に好ましい。
固体粒子成分全体の平均粒径を0.3μm以上にすることは、通常の取り扱い時におけるスクラッチ操作前のインキ着色を防止する上で好ましい。他方、固体粒子成分全体の平均粒径が0.3μm未満の場合は、インキ着色の恐れがある。また、固体粒子成分の平均粒径が25μmより大きくなると、印刷部がざらついたり、不可視性が低下する恐れがある。
染料および顕色剤は、それぞれ、発色性インキの製造前に所望の平均粒径に粉砕または造粒しておくことが好ましいが、発色性インキの製造時に所望粒径になるように粉砕してもよい。あるいは、発色性インキの製造前に染料および顕色剤をそれぞれ、所望の平均粒径よりもやや大きな平均粒径まで粉砕または造粒しておき、発色性インキの製造時に所望の平均粒径になるように粉砕してもよい。
顔料のみについての平均粒径は、発色性インキを印刷する支持体の光沢度とのバランスを考慮して適宜選定するため、上記の固体粒子成分全体や染料及び顕色剤の場合とは独立して、好ましい範囲が定められる。平均粒径0.001〜5μmが好ましく、0.02〜5μmがより好ましく、0.3〜1.5μmがさらに好ましい。5μmを超えると、インキ印刷面がザラザラした外観となり、不可視性が得られない(視認できてしまう)場合がある。また、平均粒径が0.001μm未満の顔料は入手が困難である。
顔料は必要に応じ用いるのでその目的について述べる。インキの光沢度を低くしたい場合は、インキ中に平均粒径の大きな顔料を添加したり、または顔料の含有比率を高めることで達成することができ、光沢度を高くしたい場合は、逆に顔料の平均粒径を小さくし、顔料の含有比率を低くするか、顔料を配合しないことで達成することができる。
なお、固体粒子成分の粒径については、上記平均粒径の観点に加え、粒径30μm以上の粗大粒子の存在数も考慮することが好ましい。以下述べる説明は、粘度の高い光硬化性組成物を用いて発色性インキを作製する場合を念頭に置いている。粘度の低い光硬化性組成物を用いる場合は固体粒子を粉砕する事も粗大粒子のふるい分けも容易であるため、通常、特に注意する必要は無い。
すなわち、発色性インキ1g中、粒径30μm以上の粗大粒子の数が30000個以下であることが好ましく、10000個以下であることがより好ましく、1000個以下であることがさらに好ましく、100個以下であることが特に好ましい。粒径30μm以上の粗大粒子の数が30000個を超えると発色性インキをベタ印刷で印刷した場合、印刷部分表面の外観が悪くなり、また、不可視情報が読み取られる恐れもある。なお、インキ1g中に粒子30000個というのは一見多い様であるが、インキ盛り量が1平方メートル当たり1gの場合を例に説明すると、1平方メートルの印刷部中に、30000個という事であり、1平方センチメートル当たりなら3個である。粗大粒子数が発色性インキ1g中30000個以下であれば、仮にインキ盛り量を1平方メートル当たり1gより多くしても、情報が読み取られる恐れがかなり少なくなる。このため、ベタ印刷面積をより広くすることも可能になる。
本発明の発色性インキにおいて、印刷部分の汚れや発色性を考慮すると、染料と顕色剤の含有質量比は1:0.5〜1:5であることが好ましく、1:1〜1:3であることがより好ましい。
発色性インキ中の光硬化性組成物含有量は、印刷方法により異なるが、発色性インキの10〜90質量%が好ましく、20〜85質量%がより好ましく、30〜85質量%がさらに好ましく、60〜85質量%が特に好ましい。光硬化性組成物が10質量%より少ないと各種の印刷不良(印刷時点での汚れなど)が発生しやすく、また、90質量%より多いと、スクラッチ発色時の発色濃度の低下を招く恐れがある。
上記範囲においては、発色性インキ中に光硬化性組成物が多量含まれる場合もあり得、このように光硬化性組成物量が多い場合は、染料や顕色剤が光硬化性組成物中に散在することになるため、発色に不利になると考えられたが、本発明者等が検討したところ、意外にも良好な発色感度や発色濃度が得られることが分った。
顔料の含有量範囲は、発色濃度の観点から定められ、染料に対し、400質量%以下が好ましく、200質量%以下がより好ましく、100質量%以下がさらに好ましい。顔料の含有量が染料に対して400質量%を超えると発色濃度が低下する恐れがある。
次に、本発明の発色性インキを製造する方法について説明する。
発色性インキの製造方法は、特に限定されないが、染料および顕色剤を光硬化性組成物(ワニスベース)で混練りし、ワニスベース中に染料および顕色剤を固体粒子として含有させる方法が好ましい。なお、混練りはワニスベースの粘度が比較的高い場合に有効であるが、ワニスベースの粘度が比較的低い場合は、液体媒体中での固体の分散/粉砕と同様の公知の方法を用いてもよい。
なお、染料、顕色剤および顔料のいずれか1種以上を含むワニスベースを、以下インキベースと呼ぶこととする。本発明の発色性インキにおける光硬化性組成物(ワニスベース)は、従来公知の方法で得ることができる。
また、染料と顕色剤を所定の割合で同時にワニスベースに添加し、混練りすると、染料が発色してインキの着色を招く恐れがあるため、別々に混練りしてインキベース化した後に、撹拌機等により所定の割合で十分に混ぜ合わせる方が、染料と顕色剤の接触等によるインキ着色を低減することができ、印刷部の不可視化には好ましい。
顔料も染料や顕色剤の場合と同様に、ワニスベースに添加し混練りし、ワニスベース中に固体粒子として含有させることが好ましい。その際、顔料のみをワニスベースで混練りして顔料を含むインキベースを得てもよく、染料または顕色剤と、顔料とを共に混練りしてインキベースを得てもよい。また、染料または顕色剤と顔料とを共に混練りしてインキベースを得た場合でも、インキ製造時に更に顔料のみを混練りした顔料を含むインキベースを加えてもよい。
ここで、染料、顕色剤、顔料の3成分に着目して、改めて、インキベースの分類と組合せを列挙しておく。インキベースの名称末尾の符号a,b,cは含有成分に対応しており、染料=a、顕色剤=b、顔料=cである。
染料と顕色剤とを含有するインキベース(ab)。
染料と顕色剤と顔料とを含有するインキベース(abc)。
染料を含有するインキベース(a)。
染料と顔料とを含有するインキベース(ac)。
顕色剤を含有するインキベース(b)。
顕色剤と顔料とを含有するインキベース(bc)。
顔料を含有するインキベース(c)。
発色性インキの製造に際しては、上記7種類のインキベースを任意に組み合わせて用いればよいが、インキベース製造工程短縮のためにはインキベースの数は3種以下が好ましい。その代表的な組み合わせを以下に列挙する。
(1) インキベース(ab)のみか、あるいはインキベース(abc)のみ。
(2) インキベース(ab)と、インキベース(c)の組合せか、あるいはインキベース(abc)と、インキベース(c)の組合せ。
(3) インキベース(a)と、インキベース(b)の組合せ。
(4) インキベース(a)と、インキベース(b)と、インキベース(c)の組合せ。(5) インキベース(ac)と、インキベース(b)の組合せ。
(6) インキベース(a)と、インキベース(bc)の組合せ。
(7) インキベース(ac)と、インキベース(bc)の組合せ。
(8) インキベース(ac)と、インキベース(b)と、インキベース(c)との組合せ。
(9) インキベース(a)と、インキベース(bc)と、インキベース(c)との組合せ。
(10)インキベース(ac)と、インキベース(bc)と、インキベース(c)との組合せ。
上記(1)〜(10)に列挙した組合せ以外にも、必要であれば、4種類以上のインキベースの組合せでもよい。最も多い場合として、上記7種類のインキベースすべての組合せでもよい。なお、同じ符号で表されるインキベースについては2種以上組み合わせてもよい(例えば、インキベース(ab)を2種など)が、やはりインキベース製造工程短縮のため、同じ符号で表されるインキベースは1種のみ用いることが好ましい。但し、インキベース(c)については他の汎用の印刷インキ用などのインキベースを転用できたり、逆に転用したりする事情もあり、2種以上組合せることが有利な場合もある。
なお、本発明において選択し得るこの他の主な組合せを示す。
(11)インキベース(ab)と、インキベース(a)の組合せ。
(12)インキベース(ab)と、インキベース(b)の組合せ。
(13)インキベース(ab)と、インキベース(a)と、インキベース(b)の組合せ。
(14)インキベース(ab)と、インキベース(a)と、インキベース(c)の組合せ。
(15)インキベース(ab)と、インキベース(b)と、インキベース(c)の組合せ。
(16)インキベース(ab)と、インキベース(a)と、インキベース(b)と、インキベース(c)の組合せ。
あるいは、上記(11)〜(16)の組み合わせそれぞれに、インキベース(abc)、インキベース(ac)、インキベース(bc)、インキベース(c)の一種あるいは二種以上を更に組み合わせたもの。
次に、本発明の不可視情報印刷シートについて、説明する。
本発明の不可視情報印刷シートは、本発明の発色性インキによって不可視情報が支持体上に印刷され、更に印刷部が電子線又は紫外線照射により硬化されることを特徴とする。以下の説明では、印刷から硬化までの一連の工程をまとめて印刷と呼ぶこともある。
本発明の不可視情報印刷シートに用いる支持体は、紙(板紙も含む)が主として用いられる。紙としては、一般の上質紙、中質紙、あるいは、再生紙を用いてもよいが、森林資源保護への配慮と紙の品質の安定とを両立させるためにはSFC認証紙を用いる事が好ましい。紙の他に各種織布、不織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、蒸着シート、或いはこれらを貼り合わせ等で組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができる。支持体裏面からの空気や光等による印刷部劣化を防いだり、印刷部と非印刷部の蛍光特性調節等のため、必要に応じて蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を含んでもよい。紫外線吸収剤および酸化防止剤としては、上記発色性インキが必要に応じて含み得るものと同様のものが挙げられる。
支持体の厚みに特に制約はないが、スクラッチ操作時にしわがよらないなどの取り扱い容易性の観点から、坪量40g/m2以上が好ましく、80g/m2以上がより好ましく、120g/m2以上が更に好ましい。折り曲げ防止が特に要求される場合は、200g/m2以上が特に好ましい。
また、不可視情報が透かし読みできないように、支持体の可視光線透過率は20%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下が更に好ましい。なお、可視光線透過率は、ISO 2470により測定して求められる不透明度(%)から求められる。すなわち、可視光線透過率(%)は、100から、不透明度(%)を差し引いた値である。
また、透かし読み防止のための手段としては地紋印刷や、紙支持体の場合に透かし模様を入れる事も効果的であり必要に応じて用いられる。
更にまた、支持体に、インクジェット記録に適したインク受容層や、粘着剤層など、用途に即した層が設けられていてもよい。それらの層と発色性インキを印刷する部分とが重なっていてもよいし、発色性インキを印刷する部分が片面の場合、その同じ側の面でも、反対側の面でも、両面に設けられていてもよい。
また、特に、不可視情報を設ける面に少なくとも顔料とバインダーを含有する塗工層を有する支持体を用いることで、美装性、不透明性が良好でスクラッチ性(こすりやすさ)やスクラッチによる発色性(発色感度)が向上し、取り扱い時の発色汚れも改良されるので好ましい。顔料としては、カオリン、ケイソウ土、タルク、焼成カオリン、雲母、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ等の無機顔料、メラミン樹脂フィラー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、ポリエチレンパウダー、ナイロンパウダー、澱粉粒子等の有機顔料から選ばれる1種以上を挙げることができる。通常は白色顔料が用いられるが、有色顔料や光沢顔料も用いてよい。
塗工層のバインダーとしては、澱粉類、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性バインダー、およびスチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタンなどの水分散性バインダー等から選ばれる1種以上が挙げられる。
支持体の光沢度を調整する方法としては、例えば光沢度を低くしたい場合は、塗工層に平均粒径の大きい顔料を使用したり、顔料の含有比率を高めることで達成される。但し、顔料の平均粒径が大きすぎると発色性インキを印刷した面も粗くなり印刷情報が不鮮明となりやすい。逆に光沢度を高くしたい場合は、顔料の平均粒径を小さくすることで達成されるが、極端に小さい平均粒径のものは入手困難である。好ましい顔料の平均粒径は0.02〜5μm、より好ましくは0.3〜4μmである。
顔料が多く、バインダーが少なすぎると強度が低下して粉落ち等の問題が発生しやすいので顔料に対するバインダーの固形分が10〜500質量%であることが好ましく、10〜100質量%であることがより好ましい。塗工量は粉落ち等から固形分で30g/m2以下、特に2〜20g/m2が好ましい。支持体の塗工層の表面処理を行う場合には、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、熱カレンダー等により処理条件により光沢度を調整する。
本発明の不可視情報印刷シートにおいては、支持体表面における発色性インキを印刷した不可視情報部分をより判別困難にするために、印刷部におけるインキ膜厚を2.0μm以下とすることが好ましく、1.4μm以下とすることがより好ましく、1.0μm以下とすることがさらに好ましく、0.8μm以下とすることが特に好ましい。印刷部の膜厚が2.0μmを越えると、非印刷部との光学濃度差が増し、不可視性が損なわれる恐れがある。また、本発明の検討途上ではじめて得られた知見であるが、上記インキ膜厚が2.0μmを超えると、スクラッチにより発色させるのに強い力が必要となる(発色感度が低下する)恐れがある。一方、発色濃度を得るためには、インキ膜厚0.3μm以上であることが好ましく、0.4μm以上であることがより好ましい。
インキ膜厚は、シート上の発色性インキ印刷部分の厚みを直接測定することによっても得られるが、シート作成段階において、評価するインキのベタ印刷物を作成し、ベタ印刷面積Aおよび転移インキ体積量Bを測定して、B/Aにて算出をすることもできる。ベタ印刷物の作成には、インキを硬化させる電子線または紫外線照射装置を伴った印刷装置が好ましいが、測定のみなら硬化は不要な場合もある。その場合は、RIテスターまたはオフセット印刷機のインキ供給機構を模した、金属ローラーとゴムローラーで構成されたインキ練り機構を有する印刷機を用いることもできる。また、この印刷機に供給するインキ量は、正確に図り取れるインキピペットを使用する等により測定することができる。印刷機から被印刷物へのインキ転移率に関しては、予め複数のベタ印刷物を作成し、転移インキ質量の平均値を測定し求めておくのが一般的である。
なお、不可視情報印刷シートの発色性インキ印刷部分のインキ膜厚を測定するのが困難な場合等は、インキ膜厚に代え、あるいはインキ膜厚とともに、単位面積当たりの染料の含有量を規定することもできる。単位面積当たりの染料の含有量は、0.02〜0.30g/m2が好ましく、0.05〜0.20g/m2がより好ましく、0.06〜0.15g/m2がさらに好ましい。
本発明の不可視情報印刷シートは、支持体表面における非印刷部分の光沢度に対する印刷部分の光沢度の比がJIS−K5701−1による60度鏡面光沢度の比で65〜150%であることが好ましく、75〜140%であることがより好ましい。また、支持体表面における非印刷部分の光沢度に対する印刷部分の光沢度の比がJIS−K5701−1による75度鏡面光沢度の比で44〜105%であることが好ましく、48〜103%であることがより好ましい。
光沢度の比を上記範囲とすることで、支持体表面における発色性インキを印刷した不可視情報部分がより判別困難になる。なお、ここでいう光沢度の比は以下の式1により求められるものである。
光沢度の調整には、非印刷部については支持体の選択、印刷部については発色性インキへの必要に応じての顔料配合やその平均粒径の制御によるのが主な手段である。
(式1) 光沢度の比(%)=(スクラッチ印刷面の光沢度/支持体の光沢度)×100
次に、本発明の不可視情報印刷シートを製造する方法について説明する。以下の説明において、60度(または75度)鏡面光沢度の比はスクラッチ部(不可視情報印刷部とその周囲一帯の領域)の中のスクラッチ印刷をしていない部分と、スクラッチ発色印刷部の光沢度の比を意味する。
本発明の不可視情報印刷シートのスクラッチ部に印刷を設ける場合には、発色性インキに加えて必要に応じて各種印刷用インキが使用可能である。発色性インキの発色色相や支持体面の色相と異なる色相でもよい。支持体が白色で、発色性インキの発色色相が黒や青色であれば、黄色、橙等の明度の高い色相の印刷インキが好ましい。発色性インキについては、電子線硬化を利用した公知の印刷方法及び装置、又は、紫外線硬化を利用した公知の印刷方法及び装置により印刷可能である。印刷方法としてはオフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷等など特に制約はない。電子線硬化、又は紫外線硬化の工程は印刷工程の後(通常は、直後)になる。各種印刷用インキの印刷には、やはり公知の方法及び装置が用いられる。その場合、発色性インキと同一工程で印刷することが効率的で好ましい。印刷順序は特に制限されないが、各種印刷用インキを用いてスクラッチ部およびその周辺を印刷した後に発色性インキを用いて不可視情報を印刷する場合、発色性(スクラッチ発色感度)が良好となる。逆に不可視情報を先に印刷する場合、各種印刷用インキにより不可視情報を保護する効果(光学的隠蔽という意味ではなく、水や人体由来の油脂や空気等からの化学的影響や微小な外力による影響からの物理的保護効果)が得られる。
なお、本発明の不可視情報印刷シートにおいては、不可視情報印刷部を含むスクラッチ部がシート状のどこにあるかを判別する事が困難ないし不可能なので、各種印刷用インキにより、適宜スクラッチ部の位置を示す枠線や目印、模様などの印刷を設けることが好ましい。
また、不可視情報印刷シートの一方の面のみにスクラッチ部がある場合、その面をオモテ面とすると、オモテ面とウラ面を区別できる表示を各種印刷用インキにより、適宜印刷等しておくことが好ましい。
なお、不可視情報印刷シートの両面に不可視情報を印刷してもよい。その情報(例えば抽選に用いる場合などの当落情報)は同種でもよいが、趣向により相違していてもよい。
本発明の不可視情報印刷シートの不可視情報を印刷する際には、本発明の発色性インキにより、2種以上の発色色相または発色濃度などの相違するインキを用い、多色や階調などを設けて発色してもよい。
本発明の不可視情報印刷シートは、水、油脂、湿度、熱等により不可視性が低下する事はほとんど無く、長期保管後も使用に耐え得るものである。一方、光に対しては、室内の通常の照明(蛍光灯など)なら特に問題無いが、紫外線を多く含む日光に長期間さらす様な取り扱い方法だと不可視情報印刷部の黄変によりわずかながら不可視性が低下する恐れがある。そこで、不可視情報印刷シートに、発色性インキから染料と顕色剤のいずれか一方を除いたダミーインキを用い適当な模様またはベタで印刷する事が好ましい。ダミーインキの製造方法は、染料と顕色剤のいずれか一方を含むインキベースを除く以外は、発色性インキの製造方法と同様である。発色性インキの日光による黄変もダミーインキの日光による黄変も同条件ならほぼ同様のため、黄変部が視認出来たとしても、スクラッチ発色によりはじめて分かる不可視情報はなお読み取れない。
なお、発色性インキの含有成分によっては日光により黄以外に変色する場合もあるが、この場合は、ダミーインキの変色時の色を変更、調整することより、同様の効果を得ることができる。
本発明の不可視情報印刷シートの印刷情報を可視化する手段としては、スクラッチによる方法以外に、熱的に可視化する方法もある。但し、120℃以上で1秒以上など、高温かつ長時間の条件が必要である。加熱手段としては、熱スタンプ、ラミネーター、家庭用アイロンなどが利用可能である。レーザープリンターやコピー機を通紙しても定着部の熱により発色する。
圧力等については、スクラッチ以外の静的圧力によっては有効な発色手段が無い。光(特に日光や紫外線)を長時間照射しても可視化は可能であるが、発色色相はスクラッチや熱による場合とは多くの場合、相違する。
本発明の不可視情報印刷シートは、熱的に発色させようとすると相当な高温を必要とするため、発色をスクラッチ操作時の摩擦熱のみにより説明する事には一定の疑念がある。 一方、従来、感圧複写紙を応用した不可視情報印刷シートは、その発色機構が圧力によると説明されてきたところ、本発明の不可視情報印刷シートは、筆圧やさらに強いシート上方からの圧力によっても発色しにくいにもかかわらず、爪で擦ることにより、容易かつ高い発色濃度で不可視情報を可視化できる。このため、本発明の不可視情報印刷シートは、圧力の面のみから発色機構を説明することが困難なものであり、従来の不可視情報印刷シートとは全く発色機構が異なるものである可能性を有している。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数や%は、断り書きが無い場合、それぞれ質量部、質量%である。
なお、以下の実施例、比較例において、平均粒径、発色性インキ中の粗大粒子数、不可視情報印刷シートのインキ膜厚および光沢度、支持体の可視光線透過率は、以下に示す方法により測定した。
<平均粒径>
発色性インキないしインキベースを、後述する発色性インキの製造に用いたものと同種の油で希釈して、市販の粒度分布測定器により各平均粒径を測定した。
<粗大粒子数>
発色性インキを支持体上に塗布した後、光学顕微鏡(倍率は10倍ないし20倍でよい。)で塗布部の拡大写真を得、一定面積内において長径が30μm以上のものの数をカウントした。
インキ塗布量はこの測定用には10ないし20g/m2と多くした。例えば、塗布量20g/m2であれば、塗布部500cm2について、光学顕微鏡を走査させるか、対象を移動させつつ撮影し、拡大写真を得、粗大粒子数をカウントする事で発色性インキ1gあたりの粗大粒子数が求められる。拡大写真1枚に粗大粒子数が1つも無い場合がしばしばな程に少ない場合は、疑わしい粒子が存在する所のみ撮影してもよい。逆に、粗大粒子数が多い場合はカウントに手間がかかるので、測定対象面積を適宜小さくし、粗大粒子数を求めてから塗布部500cm2当たりに換算してもよい。
また、発色性インキ1gあたりの粗大粒子数と、発色性インキの盛り量(g/m2)とから、不可視情報印刷シートの発色性インキ印刷部1m2当たりの粗大粒子数が求められる。なお、発色性インキの盛り量は下記のインキ膜厚を求める際に得る、転写インキ質量とベタ印刷面積とから求めた。
<インキ膜厚>
評価するインキのベタ印刷物を作成し、ベタ印刷面積Aおよび転移インキ体積量Bを測定して、B/Aにてインキ膜厚を算出した。上記ベタ印刷物の作成には、印刷機及びインキを硬化させるための紫外線源または電子線源を使用した。また、転移インキ体積量Bを求めるために、正確に図り取れるインキピペットを使用して印刷機に供給するインキ量を測定するとともに、予め複数のベタ印刷物を作成して転移インキ質量の平均値を求めておき、これを印刷機から被印刷物へのインキ転移率として用いた。
<光沢度>
JIS−K5701−1により、日本電色工業株式会社製ハンディー光沢計PG−1を使用して測定した。
<可視光線透過率>
ISO 2470の方法により、日本電色工業社製分光式白色度計・分光色差計を用いて不透明度(%)を求め、得られた数値を100から差し引いて可視光線透過率の値とした。
以下、まず、ワニスベースや各インキベースの調製例から述べる。
(ワニスベース1の作製)
アクリル酸オクチル50質量部、1,4−ブタンジオールジアクリレート20質量部、スピンドル油20質量部を混合しワニスベース1を得た。以下、特に断りが無ければ以下に示す実施例47までの各実施例および比較例1、2で用いたワニスベースはここに示したものである。冷暗所に保管した。なお、以下述べるインキベースや発色性インキの保管も冷暗所保管である。
(インキベース(a−1)の調製)
上記ワニスベース60質量部、染料である3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン36質量部、スピンドル油4質量部を混合し、冷却しつつ、3本ロールミルで、染料の平均粒径が2.0μmになるまで練肉し、インキベース(a−1)を調製した。
(インキベース(a−2)の調製)
染料として、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン36質量部に替えて、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン36質量部を用いた以外は、インキベース(a−1)の調製と同様にしてインキベース(a−2)を調製した。
(インキベース(a−3)の調製)
染料として、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン36質量部に替えて、クリスタルバイオレットラクトン36質量部を用いた以外は、インキベース(a−1)の調製と同様にしてインキベース(a−3)を調製した。
(インキベース(a−4)の調製)
染料として、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン36質量部に替えて、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン36質量部を用いた以外は、インキベース(a−1)の調製と同様にしてインキベース(a−4)を調製した。
(インキベース(b−1)の調製)
上記ワニスベース60質量部、顕色剤である4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン36質量部、スピンドル油4質量部を混合し、冷却しつつ、3本ロールミルで、顕色剤の平均粒径が2.0μmになるまで練肉し、インキベース(b−1)を調製した。
(インキベース(b−2)の調製)
顕色剤として、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン36質量部に替えて、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン36質量部を用いた以外はインキベース(b−1)の調製と同様にしてインキベース(b−2)を調製した。
(インキベース(b−3)の調製)
顕色剤として、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン36質量部に替えて4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン36質量部を用いた以外はインキベース(b−1)の調製と同様にしてインキベース(b−3)を調製した。
(インキベース(b−4)の調製)
顕色剤として、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン36質量部に替えて4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン36質量部を用いた以外はインキベース(b−1)の調製と同様にしてインキベース(b−4)を調製した。
(インキベース(b−5)の調製)
顕色剤として、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン36質量部に替えて1,1−ビス(4−ヒドロキシジフェニル)シクロヘキサン36質量部を用いた以外はインキベース(b−1)の調製と同様にしてインキベース(b−5)を調製した。
(実施例1)
インキベース(a−1)100質量部、インキベース(b−1)300質量部を混合し、更に過酸化ベンゾイルを上記インキベースに加え発色性インキを得た。過酸化ベンゾイルは発色性インキ中、0.5質量%となるようにした。発色性インキ中の固体粒子の平均粒径は1.8μmであった。また、粒径30μm以上の粗大粒子は、得られた発色性インキ1g中には5個しか認められなかった。
(実施例2)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−2)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例3)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−3)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例4)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−4)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例5)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−2)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例6)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−3)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例7)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−4)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例8)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−5)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例9)
インキベース(a−1)100質量部、インキベース(b−1)500質量部を混合し、更に過酸化ベンゾイルを上記インキベースに加え発色性インキを得た。過酸化ベンゾイルは発色性インキ中、0.5質量%となるようにした。発色性インキ中の固体粒子の平均粒径は1.4μmであった。また、粒径30μm以上の粗大粒子は、得られた発色性インキ1g中には2個しか認められなかった。
(実施例10)
インキベース(a−1)100質量部、インキベース(b−1)200質量部を混合し、更に過酸化ベンゾイルを上記インキベースに加え発色性インキを得た。過酸化ベンゾイルは発色性インキ中、0.5質量%となるようにした。発色性インキ中の固体粒子の平均粒径は2.0μmであった。また、粒径30μm以上の粗大粒子は、得られた発色性インキ1g中には7個しか認められなかった。
(比較例1)
まず、比較用ワニスベースを作製した。
アクリル酸エチル50質量部、1,2−エタンジオールジアクリレート20質量部、スピンドル油20質量部を混合し比較用ワニスベースを得た。冷暗所に保管した。
先に述べたインキベース(a−1)及びインキベース(b−1)の作製において、それぞれ用いるワニスベースを比較用ワニスベースとした以外は、インキベース(a−1)及びインキベース(b−1)の作製と同様にして比較インキベース(a−1)´及び比較インキベース(b−1)´を得た。
次に、インキベース(a−1)´100質量部、インキベース(b−1)´300質量部を混合し、更に過酸化ベンゾイルを上記インキベースに加え発色性インキを得た。過酸化ベンゾイルは発色性インキ中、0.5質量%となるようにした。発色性インキ中の固体粒子の平均粒径は1.8μmであった。また、粒径30μm以上の粗大粒子は、得られた発色性インキ1g中には5個しか認められなかった。
(実施例11)
(塗工紙支持体の作製)
坪量80g/m2の紙支持体の表面に下記の組成の塗工層を乾燥状態で7g/m2となるようにブレードコーターにより塗工乾燥し、スーパーカレンダー処理して支持体である塗工紙を得た。
カオリン(平均粒径1.5μm) 30質量部
軽質炭酸カルシウム(平均粒径1.8μm) 70質量部
リン酸エステル化デンプン 5質量部
スチレン/ブタジエン系ラテックス 10質量部
得られた塗工紙の可視光線透過率は9%であった。
(不可視情報印刷シートの作製)
得られた塗工紙の塗工層表面に実施例1で得た発色性インキを用い、インキ膜厚が0.6μmになるように0から9までの1ケタの算用数字および三角、四角、丸の幾何学模様(三角、四角、丸の模様内部もインキ印刷。例えば、丸なら、黒発色だとスクラッチにより黒丸が見えてくる図柄設計)をオフセット印刷し、紫外線照射により印刷部を硬化させ不可視情報印刷シートを得た。
(実施例12〜20)
実施例1で得た発色性インキに替えて、実施例2〜実施例10までの発色性インキをそれぞれ用いた以外は、実施例11と同様にして、実施例2〜実施例10の不可視情報印刷シートを得た。用いた発色性インキの実施例番号と不可視情報印刷シートの実施例番号との対応は次の通り。
発色性インキ 不可視情報印刷シート
実施例1 実施例11
実施例2 実施例12
実施例3 実施例13
実施例4 実施例14
実施例5 実施例15
実施例6 実施例16
実施例7 実施例17
実施例8 実施例18
実施例9 実施例19
実施例10 実施例20
(比較例2)
実施例1で得た発色性インキに替えて、比較例1で得た発色性インキを用いた以外は、実施例11と同様にして、比較例2の不可視情報印刷シートを得た。
(実施例21〜30)
実施例11におけるインキ膜厚をそれぞれ次の様に変更した以外は実施例11と同様にして実施例21〜30の不可視情報印刷シートを得た(実施例11も下記一覧に含めておく)。
インキ膜厚(μm) 不可視情報印刷シート
0.3 実施例21
0.4 実施例22
0.5 実施例23
0.6 実施例11
0.8 実施例24
1.0 実施例25
1.2 実施例26
1.4 実施例27
1.6 実施例28
1.8 実施例29
2.0 実施例30
(実施例31〜40)
実施例11において用いた紙支持体の坪量をそれぞれ次の様に変更した以外は、実施例11と同様にして実施例31〜40の不可視情報印刷シートを得た(実施例11も下記一覧に含めておく)。
紙支持体坪量(g/m2) 不可視情報印刷シート
30 実施例31
40 実施例32
50 実施例33
80 実施例11
100 実施例34
120 実施例35
150 実施例36
170 実施例37
200 実施例38
250 実施例39
300 実施例40
なお、それぞれ紙支持体から実施例11と同様にして塗工紙支持体を得たが、これらの塗工紙の可視光線透過率は、いずれも20%以下であり、対応する紙支持体の坪量が80g/m2以上であれば10%以下であった。更に、対応する紙支持体の坪量100g/m2以上であれば5%以下であった。
(実施例41〜47)
実施例11において用いた塗工紙に替えて、それぞれ下記の支持体を用い、塗工層を設けずにオフセット印刷した以外は、実施例11と同様にして実施例41〜47の不可視情報印刷シートを得た(実施例11も下記一覧に含めておく)。
支持体種類と坪量(g/m2) 不可視情報印刷シート
塗工紙 80 実施例11
上質紙 50 実施例41
上質紙 100 実施例42
中質紙 100 実施例43
白色PETフィルム 100 実施例44
発泡PETフィルム 100 実施例45
ポリプロピレン合成紙 80 実施例46
ポリエチレン樹脂被覆紙 200 実施例47
なお、上記支持体の可視光線透過率は、白色PETフィルム、発泡PETフィルム、ポリプロピレン合成紙、ポリエチレン樹脂被覆紙の場合は5%以下、塗工紙では9%、坪量100g/m2の上質紙や中質紙の場合は9%、坪量50g/m2の上質紙では20%であった。
(比較例3)
(染料内包マイクロカプセル液の作製)
染料として、クリスタルバイオレットラクトン10部を、疎水性溶媒であるジアリールエタン系溶媒(ハイゾールSASN−296:日本石油化学社製)90部に溶解し、染料溶液とした。スチレン−無水マレイン酸共重合体5%水溶液100部に、上記染料溶液100部を強撹拌下で徐々に添加し、コールター・カウンターでの体積平均粒径が5μmになるまで撹拌を続け乳化液を得た。別に、メラミン7部、37%ホルムアルデヒド水溶液18部、水30部を加熱溶解して得たメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液を、乳化液中に添加し、75℃の温度下で3時間撹拌して染料内包マイクロカプセル液を得た。
上記の染料内包マイクロカプセル液100部、p−フェニルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂(PPPレジン:住友デュレッズ社製)100部、小麦澱粉20部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを60部添加して作成した自己発色用インキを用いて、実施例11で使用の紙支持体上に膜厚0.6μmになるように印刷して比較例3の不可視情報印刷シートを得た。印刷内容(数字や幾何学模様)も実施例11と同様とした。
(比較例4)
実施例11で用いたのと同じ支持体上に通常の黒色オフセット印刷インキにて、実施例11と同一内容の情報を印刷し、この上にアルミペーストオフセットインキをベタ印刷して不可視情報印刷シートを得た。
評価1 (印刷部分の不可視性評価)
実施例11〜47、および比較例2〜4で得られた不可視情報印刷シートの目視観察により、不可視性を以下の4段階で評価した。以下に述べる各評価も含めた結果を表1〜表4に示す。
表1が、実施例11〜20、表2が、実施例21〜30、表3が、実施例31〜40、そして表4が、実施例41〜47の結果である。なお、実施例11と比較例2〜4とはいずれの表にも結果を記載した。
なお、この評価を含め、評価2の削りカス評価を除く以下のモニター評価は、視力や注意力が良好で既存の隠蔽型スクラッチカードの扱いにも慣れている年齢20代のモニター20人による評価結果である。上記で言えば、◎は9割以上が視認できず、○は8割以上が視認できず、△は6割以上が視認できず、×は6割未満しか視認できなかったことを意味する(モニター各自のコメント(光沢や濃度等)も参考にした)。
評価2 (印刷部分の発色感度および発色濃度評価)
実施例11〜47、および比較例2〜4で得られた不可視情報印刷シートの印刷部分を爪で擦り、発色感度および発色濃度を評価した。また、100円硬貨を用いて擦り、爪の場合と同様に評価した。爪と100円硬貨での評価結果を、それぞれ、爪感度、爪濃度、硬貨感度、硬貨濃度と表現する。結果を表1〜表4に示す。
発色感度(爪感度、硬貨感度)について、◎は9割以上のモニターが軽い力で発色させ得たことを意味し、○は、8割以上のモニターが軽い力で発色させ得たことを意味し、△は、軽い力で発色させたモニター数が8割未満であり、他の者は強い力でようやく発色させ得たことを意味する。×は5割以上の者が発色させられなかったことを意味する。発色濃度(爪濃度、硬貨濃度)については、◎は9割以上の者が良好な発色が得られ、かつ情報の読み取り(発色させた数字や幾何学模様の判別)も良好であったことを意味し、○は8割以上の者が良好な発色が得られ、かつ情報の読み取り(発色させた数字や幾何学模様の判別)も良好であったことを意味する。△は6割以上の者が情報の読み取りは可能であった。このレベルでは、発色が総じてやや不鮮明であり2割以上の者が数字や幾何学模様を読み間違えた(数字の場合で言えば、8を3と間違えるなど)。×は情報の読み取り可能な者が6割未満であった。このレベルでは読めた者も読み間違い多数であった。
発色性インキによる印刷部分の削りカス評価については、スクラッチをていねいにできるモニター5人を選び、幾何学模様の部分およびその周囲を全面にスクラッチ発色してもらい評価した。結果を表1〜表4に示す。
削り屑(削りカス)の評価結果をここで述べておく。表中、○が削りカスが発生しないことを意味し、×が削り屑が発生したことを意味する。スクラッチ発色の際、各実施例および比較例2については削りカスの発生は認められなかった。これに対し、比較例3〜4については、削りカスが発生した。
評価3 (印刷部分の汚れ評価)
実施例11〜47、および比較例2〜4で得られた不可視情報印刷シートの印刷部分どうしを接触させて上下で重ね、上のシートを2回往復させて擦った後、印刷面の発色汚れを以下の4段階で評価した。結果を表1〜表4に示す。◎は9割以上のモニターが発色汚れを認めなかったことを意味し、○は8割以上のモニターが発色汚れを認めなかったことを意味し、△は発色汚れを認なかった者が8割未満であるが、不可視情報の視認(読み取り)が出来た者が2割以下であったことを意味し、×は発色汚れを認めなかった者の比率は△同様であるが、2割を超える者に不可視情報の読み取りが可能であったことを意味する。
評価4 (印刷部分の耐熱性評価)
実施例11〜47、および比較例2〜4で得られた不可視情報印刷シートの印刷部分を100℃の熱スタンプに5秒間接触させた後、耐熱性について評価1と同じ基準のモニター評価を行なった。
評価5 (印刷部分の耐筆圧性評価)
実施例11〜47、および比較例2〜4で得られた不可視情報印刷シートの幾何学模様印刷部分の上にコピー用紙を乗せ、その上からボールペンで算用数字を筆記した。その後、不可視情報印刷シートの幾何学模様印刷部分中の算用数字の発色程度について、評価した。◎は9割以上が視認出来ず、○は8割以上、△は6割以上が視認できなかったことを意味し、×は6割未満しか視認できなかったことを意味する。結果を表1〜表4に示す。
評価6 (印刷部分の耐光性評価)
実施例11〜47、および比較例2〜4で得られた不可視情報印刷シートを日光の下に12時間さらした後、評価1と同じ内容のモニター評価を行なった。結果を表1〜表4に示す。表中の◎、○、△、×は評価1の評価基準と同様である。
評価7 (印刷部分の耐水性評価)
実施例11〜47、および比較例2〜4で得られた不可視情報印刷シートを水に浸した後、自然乾燥し、評価1と同じ内容のモニター評価を行なった。結果を表1〜表4に示す。表中の◎、○、△、×は評価1の評価基準と同様である。
Figure 2008115222
Figure 2008115222
Figure 2008115222
Figure 2008115222
以上の表1〜4より実施例11〜47の不可視情報印刷シートが実用的水準(モニター評価が全項目△以上)であった。以下、個々の評価項目について述べる。
まず、不可視性については、各実施例が良好であるのに対し、比較例2は劣っていた。
次に、発色感度と発色濃度について述べる。以下、爪での結果を元に述べるが硬貨での結果も爪の場合とほぼ相関していた。
爪感度は各実施例でいずれも良好であった。爪濃度もやはり良好であった。
次に汚れ、耐熱性、耐筆圧性、耐光性、耐水性について述べる。
各実施例はいずれの評価も全般に良好であったが、比較例2は発色ないし、塗布した層がくずれること(評価7の耐水性の結果等)により情報が可視化されてしまった。比較例4は耐熱性試験で発色してしまった。なお、耐熱性評価には記載していないが、支持体が熱に強いもの(上質紙、中質紙、塗工紙、白色PETフィルム、発泡PETフィルム)なら、110℃での熱スタンプでも各実施例とも不可視性はなお良好であった。
様々なワニスベースによる更なる実施例とその評価を以下、述べる。
(ワニスベース2の作製)
メタクリル酸オクチル50質量部、1,4−ブタンジオールジメタクリレート20質量部、スピンドル油20質量部を混合しワニスベースを得、冷暗所に保管した。これをワニスベース2と呼ぶ。
(ワニスベース3の作製)
メタクリル酸ブチル20質量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート50質量部、スピンドル油20質量部を混合しワニスベースを得、冷暗所に保管した。これをワニスベース3と呼ぶ。
(ワニスベース4の作製)
アクリル酸ヘキシル50質量部、1,4−ブタンジオールジメタクリレート20質量部、スピンドル油20質量部を混合しワニスベースを得、冷暗所に保管した。これをワニスベース4と呼ぶ。
(ワニスベース5の作製)
アクリル酸デシル50質量部、1,4−ブタンジオールジメタクリレート20質量部、スピンドル油20質量部を混合しワニスベースを得、冷暗所に保管した。これをワニスベース5と呼ぶ。
(ワニスベース6の作製)
アクリル酸ドデシル50質量部、t−1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート20質量部、スピンドル油20質量部を混合しワニスベースを得、冷暗所に保管した。これをワニスベース6と呼ぶ。
(ワニスベース7の作製)
アクリル酸オクタデシル50質量部、t−1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート40質量部を混合しワニスベースを得、冷暗所に保管した。これをワニスベース7と呼ぶ。
(ワニスベース8の作製)
メタクリル酸シクロヘキシル50質量部、t−1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート20質量部、スピンドル油20質量部を混合しワニスベースを得、冷暗所に保管した。これをワニスベース8と呼ぶ。
(ワニスベース9の作製)
アクリル酸1−ノルボルニル60質量部、質量平均重合度が10のポリビニルアルコールのポリアクリレート10質量部、スピンドル油20質量部を混合しワニスベースを得、冷暗所に保管した。これをワニスベース9と呼ぶ。
(ワニスベース10の作製)
リン酸トリス(8−メタクリルオキシオクチル)エステル50質量部、質量平均重合度が10のポリビニルアルコールのポリアクリレート20質量部、スピンドル油20質量部を混合しワニスベースを得、冷暗所に保管した。これをワニスベース10と呼ぶ。
(ワニスベース11の作製)
アクリル酸1−アダマンチル50質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート20質量部、スピンドル油20質量部を混合しワニスベースを得、冷暗所に保管した。これをワニスベース11と呼ぶ。
(インキベース(a−1)の代替インキベース作製)
インキベース(a−1)の作製に用いたワニスベース60質量部に替えて、ワニスベースを変更したもの各種を作製した。以下、インキベース名称と用いたワニスベースとを示す。
インキベース 用いたワニスベース(いずれも60質量部)
インキベース(a−1−2) ワニスベース2
インキベース(a−1−3) ワニスベース3
インキベース(a−1−4) ワニスベース4
インキベース(a−1−5) ワニスベース5
インキベース(a−1−6) ワニスベース6
インキベース(a−1−7) ワニスベース7
インキベース(a−1−8) ワニスベース8
インキベース(a−1−9) ワニスベース9
インキベース(a−1−10) ワニスベース10
インキベース(a−1−11) ワニスベース11
(インキベース(b−1)の代替インキベース作製)
インキベース(b−1)の作製に用いたワニスベース60質量部に替えて、ワニスベースを変更したもの各種を作製した。以下、インキベース名称と用いたワニスベースとを示す。
インキベース 用いたワニスベース(いずれも60質量部)
インキベース(b−1−2) ワニスベース2
インキベース(b−1−3) ワニスベース3
インキベース(b−1−4) ワニスベース4
インキベース(b−1−5) ワニスベース5
インキベース(b−1−6) ワニスベース6
インキベース(b−1−7) ワニスベース7
インキベース(b−1−8) ワニスベース8
インキベース(b−1−9) ワニスベース9
インキベース(b−1−10) ワニスベース10
インキベース(b−1−11) ワニスベース11
(実施例48)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−1−2)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例49)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−1−3)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例50)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−1−4)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例51)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−1−5)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例52)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−1−6)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例53)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−1−7)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例54)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−1−8)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例55)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−1−9)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例56)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−1−10)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例57)
インキベース(a−1)100質量部に替えて、インキベース(a−1−11)100質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例58)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−1−2)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例59)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−1−3)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例60)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−1−4)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例61)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−1−5)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例62)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−1−6)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例63)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−1−7)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例64)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−1−8)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例65)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−1−9)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例66)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−1−10)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例67)
インキベース(b−1)300質量部に替えて、インキベース(b−1−11)300質量部を用いた以外は実施例1と同様にして、発色性インキを得た。
(実施例68〜87)
実施例1で得た発色性インキに替えて、実施例48〜実施例67までの発色性インキをそれぞれ用いた以外は、実施例11と同様にして、実施例68〜実施例87の不可視情報印刷シートを得た。用いた発色性インキの実施例番号と不可視情報印刷シートの実施例番号との対応は次の通り。
発色性インキ 不可視情報印刷シート
実施例48 実施例68
実施例49 実施例69
実施例50 実施例70
実施例51 実施例71
実施例52 実施例72
実施例53 実施例73
実施例54 実施例74
実施例55 実施例75
実施例56 実施例76
実施例57 実施例77
実施例58 実施例78
実施例59 実施例79
実施例60 実施例80
実施例61 実施例81
実施例62 実施例82
実施例63 実施例83
実施例64 実施例84
実施例65 実施例85
実施例66 実施例86
実施例67 実施例87
(実施例48〜67の不可視情報印刷シートの評価)
実施例48〜67得られた各不可視情報印刷シートについて、評価1〜7までの評価を行なった。いずれも、実施例11の評価と同等であった。
本発明によれば、不可視情報印刷部分が通常の取り扱い時の擦れでは発色しにくいにもかかわらず、爪で擦ることで不可視情報の可視化が容易に行え、発色濃度が高く、不可視情報を可視化する際に削りカスの発生が無く、不可視情報を印刷した部分をスクラッチ発色せずに視認することが極めて困難な発色性インキおよびそれを用いた不可視情報印刷シートを提供することができる。
本発明の活用例として、特別の用具(硬貨等)を用いることなく、不可視情報の可視化が可能であり、使用者の手を汚すことがなく、遊び、ゲーム、教育、抽選券、金券、くじ等に本発明の不可視情報印刷シートは広く用いられる。また、一般の印刷物や物品が真正品かどうかを機器を用いずスクラッチにより識別するため、本発明の発色性インキをそれら真正品またはその包装に印刷しておく用い方もある。
また、本発明の不可視情報印刷シートは使用時、指先を使うものである事から、各種の派生用途も期待出来る。例えば、幼児教育用や高齢者の認知症予防/進行防止用、指先の運動機能回復訓練(リハビリ)といった分野での教材やリハビリ材料等にも好適である。使用者が発色して得られる情報に注目し、退屈や苦痛を感じず、やる気が持続する利点は大きい。
更に、削り屑(削りカス)の発生も無いので用いる場所も、特に乗り物(飛行機、車、列車、バス、船舶など居室を有する交通機関)、オフィス、金融機関、公共施設、家庭、店内等の室内での用途にも有効である。削り屑が無い事により、清掃や空調メンテナンスの手間も省ける。
なお、本発明の発色性インキを用いた印刷物は、光沢等の外観が通常のオフセット印刷用インキを用いた印刷物同様であるので、各種印刷物と併用したり、印刷物や印刷用紙等に本発明の発色性インキを印刷して本発明の不可視情報印刷シートとしてもよい。

Claims (3)

  1. 電子供与性染料前駆体、電子受容性化合物、および電子線または紫外線硬化性化合物を含有し、かつ、該電子線または紫外線硬化性化合物として、
    (a)アルキル鎖の炭素数4〜30の(メタ)アクリル酸エステル;
    (b)炭素数4〜30の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;
    (c)アルキル鎖の炭素数4〜30のポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル;
    (d)側鎖および/または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するビニル系またはジエン系オリゴマー;
    (e)前記(a)〜(d)記載のオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物;
    のいずれか、又は2種以上の混合物を含有する事を特徴とする発色性インキ。
  2. 電子供与性染料前駆体、電子受容性化合物、および電子線または紫外線硬化性化合物を含み、かつ、該電子線または紫外線硬化性化合物の70質量%以上が
    (a)アルキル鎖の炭素数4〜30の(メタ)アクリル酸エステル;
    (b)炭素数4〜30の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;
    (c)アルキル鎖の炭素数4〜30のポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル;
    (d)側鎖および/または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するビニル系またはジエン系オリゴマー;
    (e)前記(a)〜(d)記載のオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物;
    のいずれか、又は2種以上の混合物である事を特徴とする発色性インキ。
  3. 請求項1および2に記載の発色性インキによって不可視情報が支持体上に印刷され、かつ、印刷された発色性インキは硬化されていることを特徴とする不可視情報印刷シート。
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