JP4728001B2 - スクラッチ発色用インキ及びそれを用いた不可視情報印刷シート - Google Patents
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しかしながら、硬貨等の硬度を有する道具が必要で不便であり、幼い子供に硬貨を使用させることは、誤って飲み込んでしまったり、手が汚れてしまう等、安全面、衛生面からも望ましくない。
(1)トリアリールメタン系化合物:3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール等のジフェニルスルホン系化合物が挙げられる。
ビヒクルの種類やスクラッチ発色用インキ中のワニス含有量は印刷方法により異なるが、好ましくはスクラッチ発色用インキの10〜90容量%、特に30〜70容量%の範囲で適宜選択される。
(ワニスの作製)
植物油としてアマニ油20質量部、ロジン変性フェノール樹脂(質量平均分子量15000〜150000、酸価20〜35mgKOH/g)50質量部、スピンドル油20質量部を配合して約200℃で約1時間加熱して樹脂を溶解させた後、スピンドル油10質量部、アルミニウムキレート剤1質量部を添加して約180℃で約1時間加熱し、ワニスを得た。
(スクラッチ発色用染料インキベースの調製)
上記ワニス50質量部、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン30質量部、スピンドル油5質量部を3本ロールミルで練肉し、上記ワニス10質量部、スピンドル油10質量部を添加することによってスクラッチ発色用染料インキベース(a)を調製した。
(スクラッチ発色用顕色剤インキベースの調製)
上記ワニス50質量部、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン30質量部、スピンドル油5質量部を3本ロールミルで練肉し、上記ワニス10質量部、スピンドル油10質量部を添加することによってスクラッチ発色用顕色剤インキベース(b)を調製した。
(スクラッチ発色用インキの調製)
上記2種のインキベース(a)、(b)をそれぞれ1:1の比率で混合し、ドライヤー(ナフテン酸マンガン)添加量を該インキベース合計の0.2質量%、及び調整溶剤を添加し、十分撹拌して均質化することによって、本発明のスクラッチ発色用インキを得た。
(塗工紙支持体の作製)
坪量80g/m2の紙支持体の表面に下記の組成の塗工層を固形で7g/m2となるようにブレードコーターにより塗工、乾燥し、スーパーカレンダー(剛性ロール:外径500mmのチルドロール、弾性ロール:外径500mmの樹脂ロール、線圧:150kg/cm、温度60℃)処理して塗工紙支持体を得た。塗工層表面のJIS−K5701−1による60度鏡面光沢度は7%であった。
カオリン(平均粒径1.5μm) 30質量部
重質炭酸カルシウム(平均粒径1.8μm) 70質量部
リン酸エステル化デンプン 5質量部
スチレン/ブタジエン系ラテックス 10質量部
得られた塗工紙支持体の塗工層面に実施例1のスクラッチ発色用インキを用いてインキ膜厚0.6μmになるように数字をオフセット印刷して本発明の不可視情報印刷シートを得た。
実施例1のスクラッチ発色用インキで使用の3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランに代えた以外は同様にしてスクラッチ発色用インキを得た。
実施例1のスクラッチ発色用インキを実施例3で得たものに代えた以外は実施例2と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、不可視情報印刷シートを得た。
実施例1のスクラッチ発色用インキで使用の4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホンを2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンに代えた以外は同様にしてスクラッチ発色用インキを得た。
実施例1のスクラッチ発色用インキを実施例5で得たものに代えた以外は実施例2と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、不可視情報印刷シートを得た。
実施例1における、2種のインキベース(a)、(b)をそれぞれ1:2の比率に変更して混合した以外は実施例1と同様にして、十分撹拌して均質化することによってスクラッチ発色用インキを作成した。
実施例1のスクラッチ発色用インキを実施例7で得たものに代えた以外は実施例2と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、不可視情報印刷シートを得た。
実施例1における、2種のインキベース(a)、(b)をそれぞれ1:3の比率に変更して混合した以外は実施例1と同様にして、十分撹拌して均質化することによってスクラッチ発色用インキを作成した。
実施例1のスクラッチ発色用インキを実施例9で得たものに代えた以外は実施例2と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、不可視情報印刷シートを得た。
実施例1における、2種のインキベース(a)、(b)をそれぞれ1:4の比率に変更して混合した以外は実施例1と同様にして、十分撹拌して均質化することによってスクラッチ発色用インキを作成した。
実施例1のスクラッチ発色用インキを実施例11で得たものに代えた以外は実施例2と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、不可視情報印刷シートを得た。
実施例1における、2種のインキベース(a)、(b)をそれぞれ1:0.5の比率に変更して混合した以外は実施例1と同様にして、十分撹拌して均質化することによってスクラッチ発色用インキを作成した。
実施例1のスクラッチ発色用インキを実施例13で得たものに代えた以外は実施例2と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、不可視情報印刷シートを得た。
実施例2において、塗工紙支持体の塗工層面にスクラッチ発色用インキを用いてインキ膜厚1.0μmになるように数字を印刷した以外は、実施例2と同様にして不可視情報印刷シートを得た。
実施例2において、塗工紙支持体の塗工層面にスクラッチ発色用インキを用いてインキ膜厚1.4μmになるように数字を印刷した以外は、実施例2と同様にして不可視情報印刷シートを得た。
実施例1のスクラッチ発色用インキの調製において、ドライヤー(ナフテン酸マンガン)の添加量を該インキベース合計の0.1質量%とした以外は、実施例1と同様にしてスクラッチ発色用インキを作成した。
実施例1のスクラッチ発色用インキを実施例17で得たものに代えた以外は実施例2と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、不可視情報印刷シートを得た。
実施例1のスクラッチ発色用インキの調製において、ドライヤー(ナフテン酸マンガン)の添加量を該インキベース合計の0.4質量%とした以外は実施例1と同様にしてスクラッチ発色用インキを得た。
実施例2において、塗工紙支持体作製時の塗工層組成を下記に代え、固形で15g/m2となるようにブレードコーターで塗工、スーパーカレンダー(剛性ロール:外径500mmのチルドロール、弾性ロール:外径500mmのコットンロール、線圧:200kg/cm、温度80℃)処理し、塗工紙支持体を得た。塗工層表面のJIS−K5701−1による60度鏡面光沢度は35%であった。
カオリン(平均粒径1.5μm) 80質量部
重質炭酸カルシウム(平均粒径1.8μm) 20質量部
リン酸エステル化デンプン 5質量部
スチレン/ブタジエン系ラテックス 10質量部
得られた塗工紙支持体の塗工層面に実施例19のスクラッチ発色用インキを用いてインキ膜厚0.6μmになるように数字をオフセット印刷して不可視情報印刷シートを得た。
実施例19における、2種のインキベース(a)、(b)をそれぞれ1:2の比率に変更して混合した以外は実施例19と同様にして、十分撹拌して均質化することによってスクラッチ発色用インキを作成した。
実施例20で用いたスクラッチ発色用インキを実施例21で得たものに代えた以外は実施例20と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、不可視情報印刷シートを得た。
実施例19における、2種のインキベース(a)、(b)をそれぞれ1:3の比率に変更して混合した以外は実施例19と同様にして、十分撹拌して均質化することによってスクラッチ発色用インキを作成した。
実施例20で用いたスクラッチ発色用インキを実施例23で得たものに代えた以外は実施例20と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、不可視情報印刷シートを得た。
実施例19における、2種のインキベース(a)、(b)をそれぞれ1:4の比率に変更して混合した以外は実施例19と同様にして、十分撹拌して均質化することによってスクラッチ発色用インキを作成した。
実施例20で用いたスクラッチ発色用インキを実施例25で得たものに代えた以外は実施例20と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、不可視情報印刷シートを得た。
実施例20において、塗工紙支持体の塗工層面にスクラッチ発色用インキを用いてインキ膜厚1.0μmになるように数字を印刷する以外は、実施例20と同様にして不可視情報印刷シートを得た。
実施例20において、塗工紙支持体の塗工層面にスクラッチ発色用インキを用いてインキ膜厚1.4μmになるように数字を印刷する以外は、実施例20と同様にして不可視情報印刷シートを得た。
実施例1のスクラッチ発色用インキの調製において、ドライヤーをオクチル酸コバルトに替えた以外は、実施例1と同様にしてスクラッチ発色用インキを得た。
実施例1のスクラッチ発色用インキを実施例29で得たものに代えた以外は実施例2と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、不可視情報印刷シートを得た。
実施例1において、スクラッチ発色用インキの調製において、ドライヤーをオクチル酸マンガンに替え、添加量を該インキベース合計の0.1質量%とした以外は、実施例1と同様にしてスクラッチ発色用インキを得た。
実施例1のスクラッチ発色用インキを実施例31で得たものに代えた以外は実施例2と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、不可視情報印刷シートを得た。
実施例1において、ドライヤー(ナフテン酸マンガン)の添加量を該インキベース合計の0.6質量%とした以外は実施例1と同様にしてスクラッチ発色用インキを得た。
実施例2において、塗工紙支持体の塗工層面にスクラッチ発色用インキとして実施例33で得たものを用いて、インキ膜厚1.4μmになるように数字を印刷する以外は、実施例2と同様にして不可視情報印刷シートを得た。
下記の染料前駆体内包マイクロカプセル液100部、p−フェニルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂(PPPレジン:住友デュレッズ社製)100部、小麦澱粉20部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを60部添加して作成した自己発色用インキを用いて、実施例1で使用の紙支持体上に膜厚0.6μmになるように印刷して比較例1の不可視情報印刷シートを得た。
(染料前駆体内包マイクロカプセル液の作製)
染料前駆体として、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド10部を、疎水性溶媒であるジアリールエタン系溶媒(ハイゾールSAS N−296:日本石油化学社製)90部に溶解し、染料溶液とした。スチレン−無水マレイン酸共重合体5%水溶液100部に、上記染料溶液100部を強撹拌下で徐々に添加し、コールター・カウンターでの体積平均粒径が5μmになるまで撹拌を続け乳化液を得た。別に、メラミン7部、37%ホルムアルデヒド水溶液18部、水30部を加熱溶解して得たメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液を、乳化液中に添加し、75℃の温度下で3時間撹拌して染料前駆体内包マイクロカプセル液を得た。
実施例1において、ドライヤー(ナフテン酸マンガン)の添加量を0とした以外は、実施例1と同様にしてスクラッチ発色用インキを得た。
実施例2において、塗工紙支持体の塗工層面にスクラッチ発色用インキとして比較例2で得たものを用いて、インキ膜厚1.8μmになるように数字を印刷する以外は、実施例2と同様にして不可視情報印刷シートを得た。
(スクラッチ発色用インキの調製)
実施例1記載のワニス50質量部、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン15質量部、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン15質量部、スピンドル油5質量部を3本ロールミルで練肉し、上記ワニス10質量部、スピンドル油10質量部、ドライヤー(ナフテン酸マンガン)をインキ総量の0.2質量%、及び調整溶剤を添加することによってスクラッチ発色用インキを調製した以外は同様にしてスクラッチ発色用インキを得た。しかし、インキは着色していてスクラッチ発色用インキとして不適当な事は明らかであった。
実施例1のスクラッチ発色用インキを比較例4で得た着色したインキに代えた以外は実施例2と同様に、塗工紙支持体に同様に印刷を行い、シートを得た。これは、不可視情報印刷シートとは言えない(印刷部分が着色して可視化されている。)ものである事を確認した。以下の各種評価はしなかった。
実施例1〜34、及び比較例1〜4(但し、不可視情報印刷シート作成の各実施例、比較例)で得られた不可視情報印刷シートの支持体表面とスクラッチ発色用インキによる印刷部分のJIS−K5701−1による60度鏡面光沢度、及び印刷部分のJIS−Z8730による色差(ΔE* ab)を測定し、かつ目視観察により、光沢差や色差による視認性を以下の4段階で評価した。◎は全く情報が視認されない。○は実用上殆ど視認されない。△はやや光沢差か色差は有るが情報は視認されにくい。×は情報が視認される。
実施例1〜34、及び比較例1〜4(但し、不可視情報印刷シート作成の各実施例、比較例)で得られた不可視情報印刷シートの印刷部分を爪で擦り、発色性を3段階で評価した。○は良好な発色が得られ、情報の読み取りも良好である。△は情報の読み取りは可能であるがやや不鮮明である。×は情報の読み取りは不可能である。
実施例1〜34、及び比較例1〜4(但し、不可視情報印刷シート作成の各実施例、比較例)で得られた不可視情報印刷シートの印刷部分どうしを接触させて上下で重ね、上のシートを2回往復させて擦った後、印刷面の発色汚れを以下の3段階で評価した。○は全く発色汚れ無し。△はやや発色汚れが有るが情報の読み取りは不可能である。×は発色汚れが有り情報の読み取りが可能である。
Claims (6)
- 無色または淡色の電子供与性染料前駆体及びワニスを主たる成分として含有するスクラッチ発色用染料インキベース(a)と電子受容性化合物及びワニスを主たる成分として含有するスクラッチ発色用顕色剤インキベース(b)を別個に作成したものをドライヤーと混合して得たものであることを特徴とするスクラッチ発色用インキ。
- 電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の含有質量比が1:1〜1:3である請求項1記載のスクラッチ発色用インキ。
- 電子供与性染料前駆体がキサンテン系化合物、電子受容性化合物がジフェニルスルホン系化合物である請求項1または2記載のスクラッチ発色用インキ。
- 支持体上に、請求項1、2または3記載のスクラッチ発色用インキを用いて、情報をインキ膜厚1.4μm以下に印刷してなり、該支持体表面と該スクラッチ発色用インキによる印刷部分のJIS−K5701−1による60度鏡面光沢度差が20%以下、かつ該支持体表面と該スクラッチ発色用インキによる印刷部分のJIS−Z8730による色差(ΔE*ab)が2.0以下である不可視情報が形成されていることを特徴とする不可視情報印刷シート。
- 該スクラッチ発色用インキの印刷乾燥速度を調整するために添加するドライヤーの添加量A(インキ中のドライヤーの質量%)と該支持体表面のJIS−K5701−1による60度鏡面光沢度B%との関係が、0≦B≦20の場合は0<A≦0.5、20<Bの場合は0.5<Aである請求項4に記載の不可視情報印刷シート。
- 請求項4〜5の何れかに記載の不可視情報印刷シートの不可視情報がオフセット印刷により印刷された不可視情報印刷シート。
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