JPH039297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案はＵ字状のフレームをもつ電磁プラン
ジヤに関する。

「従来の技術」 従来のこの種の電磁プランジヤは第３図に示す
ように磁性板がＵ字状に折り曲げられてフレーム
１１とされ、そのフレーム１１のＵ字の両側の第
１、第２脚部１１ａ，１１ｂ間にボビン１２が配
される。ボビン１２はその軸心位置に貫通孔１８
が形成されており、かつその両端に第１つば１
４、第２つば１５が一体に形成されている。これ
らつば１４，１５間においてコイル１６がボビン
１２上に巻回されている。つば１４，１５は脚部
１１ａ，１１ｂと対向している。脚部１１ａには
挿通孔１７が形成され、挿通孔１７を通じて鉄よ
りなる可動磁心１９が貫通孔１８が出入り自在に
挿入されている。一方この貫通孔１８内の脚部１
１ｂ側には固定磁心２１が配され、固定磁心２１
の可動磁心１９と反対の端面に取付突部２１ａが
一体に形成され、この取付突部２１ａは脚部１１
ｂに形成された取付孔２２より突出され、その取
付孔２２の周縁部に取付突部２１ａの突出部がか
しめ付けられて固定磁心２１が脚部１１ｂに固定
されている。

つば１４の貫通孔１８の周縁部よりリング状の
係合突部２３が外側に一体に突出形成され、係合
突部２３は挿通孔１７内に嵌合挿入されている。
またつば１５と脚部１１ｂとの間に磁性板２４が
介在され、この磁性板２４には固定磁心２１が挿
通される孔が設けられている。

この従来の電磁プランジヤにおいては、フレー
ム１１内に、コイル１６を巻装したボビン１２を
挿入し、その後磁性板２４をつば１５と脚部１１
ｂ間に挿入して係合突部２３を挿通孔１７に挿入
し、その後固定磁心２１を挿通孔１７、貫通孔１
８を通じて挿入し、脚部１１ｂにかしめ付けて組
立てている。

このようにしてボビン１２をフレーム１１に固
定する代りに、第４図に示すようにボビン１２と
して係合突部２３が形成されてないものを用い、
つば１４，１５は脚部１１ａ，１１ｂと直接対接
される。この場合はコイル１６が巻装されたボビ
ン１２をフレーム１１内に挿入した後、挿通孔１
７を通じて非磁性材のパイプ２５を貫通孔１８内
に嵌合挿入してパイプ２５の一端部を挿通孔１７
に位置させ、その後固定磁心２１の取付けを行
う。

或いは第５図及び第６図に示すようにボビン１
２として係合突部２３を持つものを使用し、脚部
１１ａにはその遊端縁より挿通孔１７に達する切
欠き２６を形成し、この切欠き２６を通じて係合
突部２３を挿通孔１７に通し、つば１４，１５は
脚部１１ａ，１１ｂと対接させ、この状態で固定
磁心２１を取付けるようにしたものもある。

「考案が解決しようとする問題点」 従来の電磁プランジヤにおいては第３図に示し
たものは磁性板２４を必要とし、かつフレーム１
１にボビン１２を単に挿入するだけでなく、磁性
板２４を挿入する工程を必要とした。更に第４図
に示した従来のものにおいては磁性板２４を用い
ないが、パイプ２５を用い、かつこれを挿入する
工程を必要とした。第５図及び第６図に示した従
来のものにおいてはボビン１２のフレーム１１へ
の装着は切欠き２６があるため、一工程で済み、
部品点数も少ないが、切欠き２６による磁気的な
損失が発生してそれだけ吸引力が弱いものとな
る。

「問題点を解決するための手段」 この考案によればボビンの一端に係合突部を一
体に形成すると共にその他端のつばの縁部に突起
を一体に形成し、この突起をフレームの脚部の内
面と対接させる。この場合フレームの脚部内面間
の間隔に対して、係合突部の突出面と反対側のつ
ばの外面との間の距離を僅か小とし、かつ突起の
突出面と反対側のつばの外面との間の距離を僅か
大とする。このようにすることによつてフレーム
にボビンを単に装着するだけでボビンはフレーム
に取付けられる。

「実施例」 第１図にこの考案による電磁プランジヤの例を
示し、第３図と対応する部分に同一符号を付けて
ある。この考案においては第３図に示したパイプ
を用いたものと同様にボビンのつば１４側におい
て貫通孔１８の周縁部にリング状の係合突部２３
や外側に突出して一体に形成されている。またつ
ば１５にはその周縁部において脚部１１ｂと対接
する突起２７が一体に形成されている。第２図に
示すようにボビン１２のつば１５はこれと対接す
る脚部１１ｂの内面形状とほゞ同一とされ、この
例においてはつば１５のフレーム１１の中間部１
１ｃと反対側の縁部の両側部に突起２７が一体に
形成され、かつこれら突起２７のフレーム１１の
中間部１１ｃ側の面はテーパ面２７ａとされてい
る。ボビン１２は例えば合成樹脂材のモールド品
として構成される。

第１図に示すように脚部１１ａ，１１ｂの内面
間の間隔d₁に対して、係合突部２３の突出面とつ
ば１５の外面との間の距離d₂は僅か小さくされ、
かつつば１４の外面と突起２７の突出面との距離
d₃はd₁より僅か大とされる。

このように構成されているからその組立てに当
つては、コイル１６を巻装したボビン１２を脚部
１１ａ，１１ｂ間に脚部１１ａ，１１ｂの遊端側
からフレーム１１の中間部１１ｃ側に向つて挿入
し、係合突部２３を挿通孔１７に嵌合させるよう
にして突起２７を脚部１１ｂの内面側に押し上げ
れば、ボビン１２がフレーム１１に取付けられ
る。このようにして取付けた後、従来と同様に固
定磁心２１を脚部１１ｂに取付け、更に可動磁心
１９を貫通孔１８に挿入すればよい。

「考案の効果」 以上述べたようにこの考案の電磁プランジヤに
よれば、その構成によりボビンをフレームに１回
の工程で取付けることができ、しかも別の部品を
必要とせず、かつ第５図に示した切欠き２６もな
く、磁気損失が無いため吸着力の強いものが得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による電磁プランジヤの一例
を示す断面図、第２図は第１図中のコイルを巻装
したボビンを示す斜視図、第３図乃至第５図はそ
れぞれ従来の電磁プランジヤの断面図、第６図は
第５図の平面図である。 １１：フレーム、１１ａ，１１ｂ：脚部、１
２：ボビン、１４，１５：つば、１６：コイル、
１７：挿通孔、１９：可動磁心、２１：固定磁
心、２３：係合突部、２７：突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 Ｕ字状の磁性板によりフレームが構成され、そ
   のフレームのＵ字の第１、第２脚間にボビンが配
   され、 そのボビンには軸心位置に貫通孔が形成され、
   かつ上記第１、第２脚部と対向して第１、第２つ
   ばが一体に形成され、 そのボビン上にコイルが巻装され、 上記ボビンの上記貫通孔と対向して上記第１脚
   部に挿通孔が形成され、その挿通孔内を通じて上
   記ボビンの貫通孔内に可動磁心が出入り自在に配
   され、 その貫通孔の上記第２脚部側内に固定磁心が配
   され、その固定磁心の一部は第２脚部に形成され
   た取付孔を通じて外部に突出してその取付孔部分
   にかしめ付けられた電磁プランジヤにおいて、 上記ボビンの貫通孔の周縁部に一体に形成され
   た係合突部が上記挿通孔内に嵌合挿入され、 上記第２つばに上記第２脚部側に突出してこれ
   と対接した突起が一体に形成され、 上記係合突部の端面及び上記第２つばの外面間
   の距離は上記第１、第２脚部の内面間の間隔より
   も僅か小とされ、上記突起の突出面及び上記第１
   つばの外面間の距離は上記第１、第２脚部の内面
   間の間隔より僅か大とされていることを特徴とす
   る電磁プランジヤ。