JPH0379266B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ガス発生有害動物駆除剤を収容する
ための袋（sachet）乃至小袋に関するものであ
る。本明細書において「有害動物駆除剤（pest
control agent）」とは防虫剤、殺虫剤、害虫忌避
剤、又は殺鼠剤等を指すものと解釈されるべきで
ある。

従来の技術 湿つた空気に晒されると、ガス状の有効物質を
徐々に発する固形の有害動物駆除剤が、知られて
いる。この様な駆除剤は、駆除処理
（fumigation）すべき雰囲気中に又は物の中に含
まれる水分に起因してホオフイン（phosphine）
ガスを発するようにされ、加水分解できるアルカ
リ土類及び／又はアルカリ土類金属のリン化物、
例えば、リン化カルシウム、リン化マグネシウム
又はリン化アルミニウム、好ましくはリン化アル
ミニウムを含んでいる。斯かる有害動物駆除剤の
使用の例としては、倉庫、穀物サイロ、タバコ等
の農産物、食品及びその他の物品における有害動
物駆除が挙げられる。このような駆除剤は、例え
ば、甲虫、蟻、ゴキブリ等の虫類、ネズミ等の齧
歯類等の動物を撲滅するのに用いられる。駆除剤
を紙袋内に入れ、使用に際しては紙袋を貯蔵物質
内に入れるようにすることは知られている。

駆除剤は紙袋内で徐々に分解し、袋の紙を介し
て有害動物駆除用のガス状分解物を放出する。一
方、駆除剤の粉末状の残留物は紙袋内に保持され
る。これに使用される紙は、強度、ガス透過性及
び防水性に於て要求される基準を満たすものでな
ければならない。

しかしながら、この様な紙は、端封袋製造機、
筒状袋製造機等の自動機では極めて限られた範囲
でしか処理することができない。通常、これらの
紙は、労働集約的な作業、即ち、縫合によつて閉
じられている。更に、縫い目が緩み、有害成分が
被処理物質の中に入つてしまうこともある。

メツシユ開口部が一定の寸法であるガス透過性
の不織布を含んでいる、リン化物含有駆除剤収容
袋も公知である。この様な不織布用材料の例とし
ては、セルロース又はある種の合成ポリマーに基
づくものがある。

紙の製造を、長手方向に連続した不織布から、
とりわけ熱及び／又は超音波により溶接乃至溶着
して行うこともなされている。

この方法の利点は、溶接乃至溶着により縫合す
る方が、不織布の各層又は各面を接着又は縫合に
より互いに接続するよりも手数が掛からないとい
うことである。

しかしながら、公知の袋に用いられる不織布の
溶接及びシール性を改良する必要があることが判
明した。実際に、このことは溶接縫合の形成、及
び駆除剤で満たされた袋が使用されたときの縫合
の強度及び信頼性に関係する。

発明が解決しようとする問題点 従つて、一方では実用上要求されるガス透過性
を有し、他方、それにも拘らず、分解した駆除剤
の粉末状残留物を保持し、更には、加熱及び／又
は超音波により、好ましくは加熱により所望の特
性の袋に加工するのに最適であり、耐久性に富む
材料により製造される袋を提供することが望まれ
ている。

問題点を解決する手段 本発明の目的は、上記要請に応え、特殊な又は
特に選択された不織布よりそれ自体は公知の方法
で製造され得る袋を提供することにある。

本発明に依れば、少なくとも１部がガス及び水
蒸気透過性の実質上無水性の不織布からなる有害
動物駆除剤用袋にして、該不織布が、繊維形成用
の165℃以上の融点乃至軟化点を有する少なくと
も１つの材料と、熱可塑性を有し、145℃以下の
融点乃至軟化点を有する第２の材料とを含む複数
材製不織布である有害動物駆除剤用袋が提供され
る。

本明細書に於ては、「袋」とは比較的小型の袋
又は封筒状のパケツト（packet）を意味するも
のとする。この言葉は有害動物駆除剤の分野で一
般に用いられている。「不織布」とは、多かれ少
なかれランダムに配向された繊維を有する毛状構
造（fleece−like structure）を意味するものと
する。

本発明の好ましい実施態様では、繊維形成材料
が、180℃から235℃の範囲の融点又は軟化点を有
しており、一方第２の材料が、好ましくは、80℃
から120℃の範囲の融点又は軟化点を有している。
明確な融点又は軟化点を持たない材料に対して
は、上記及び特許請求の範囲中のパラメータは対
応する融解又は軟化範囲に準用じて適用される。

従つて、本発明の要点は、本発明の袋を製造す
るために複数の成分を含む不織布を用いることで
ある。この様な成分の１つは、比較的高い融点又
は軟化点を有する繊維を形成する物質である。不
織布の製造に適した材料としては多くのものが知
られており、一部は既に市販されている。この成
分の例としては、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リアクリルアミド等のポリアクリルコンパウンド
及びガラス繊維がある。

高処理量の機械の場合は例えばより低融点成分
としてポリエチレンを併用して、高融点成分とし
て比較的高い軟化点を有するポリプロピレンを用
いることも可能である。

熱可塑性を有し、別の成分として使用される第
２の材料は、各種の形態で用いることができる。
好ましい実施態様では、この成分は長さが例えば
0.5mmから１mmの繊維の形状とすることができる。

然し、この第２の成分をより高い融点又は軟化
点を有する繊維上に公知の方法で加えるようにす
ることも可能である。これは、例えば後述の溶着
乃至融着法（sintering process）により可能で
ある。

融着加工に用いられる材料は、まず強制冷却さ
れている適当なミリング機内で微粉末にされる。
この粉末を、塗布量調整ローラの間を通る不織布
上に該ローラによつて出来れば均一に塗付する。
該布を、適温の赤外線照射装置内を通過させ、コ
ーテイング粒子を初期溶融させて接着させる。

その後、カレンダー工程にかけてもよい。それ
によつて、接着粒子は幾らか平坦にされより完全
に固着する。

第２の成分を繊維形成材料の上に加える別の方
法は、第２の成分をフアブリツク層の内面にプリ
ントすることである。第２の成分のこの様な付与
は、それぞれの熱可塑性材料の溶液又は懸濁液の
形態で行なうこともできる。

第２の成分又は別の成分の付与は、溶接乃至溶
着による縫合乃至シール（welding seam）の形
成への寄与又は不織布のガス透過性及び／又は防
塵性の改善に全体的に又は顕著に役立つことがで
きる。この様な付与は布の全表面に亘つて行なつ
てもよいし、その選択された部分、即ち溶接シー
ムにより占有される区域のみに行なつてもよい。
信頼性の理由で、溶接シームが行なわれる第２の
成分の不織布への付与の区域の幅は少なくとも１
cm、例えば１から３cm、より好ましくは１から２
cmとするべきである。

不織布の低融点成分として適当なものには、ポ
リエチレン、及び適当に選択されたポリプロピレ
ン材、又はエチレン、プロピレン又はブチレンと
ビニルアセテートとのコポリマーがある。当業者
であれば、この目的のために適当なものを選択す
ることができる。

本発明の実施態様のうち、第２の成分も個々の
繊維の形態であるものでは、高融点成分の繊維長
さは低融点成分のそれよりも大きいことが、例え
ば前者は５から20mm、後者は0.5から１mmが好ま
しい。

本発明の袋に於ては、高融点成分の長繊維間の
間隙は、短繊維の形態をした低融点成分によつて
占められ、それによつて本発明の袋の所望の防塵
性が実質的に改良される。

前記２成分の比は比較的広い範囲内で選択でき
る。本発明の１実施態様では、高融点成分を50か
ら70重量％の割合で用いれば良好な結果が得られ
る。

然し、本発明に依る袋の製造のための不織布の
材料として、二重（dual）成分繊維より詳しくは
所謂コーテツド（coated）コア繊維を使用する
こともできる。繊維形成材料がコアである場合
は、第２の材料は外側層を形成する。この様な２
成分繊維の例としては、コアがポリアミド6.6、
外側層がポリアミド６であるものがある。

本発明において使用される不織布の多孔性は、
ガスはそれを極めて容易に通過することができる
が、駆除剤の加水分解等で形成された粉末の通過
は阻止されるものである。不織布の孔の大きさを
2μｍ以上、特に５〜15μｍ、好ましくは10〜12μ
ｍとするならば上記の要件を満たすことが判明し
た。孔の大きさをその様にするならば、駆除剤の
実質的に全ての残留物は本発明の袋から脱落する
ことはない。

本発明の袋の製造に用いられる不織布の製造は
公知の方法で行なうことができる。従つて、ここ
ではその基本の幾つかの要点のみを述べるだけで
充分であろう。

より詳細には、本発明に於て使用する異なつた
繊維を含む不織布は原則として次の様に処理さ
れ、下記の材料を含む。

即ち、カーデイングウエブの場合、それはカー
ドを横切る方向に動くベルト上に、移動方向と平
行に配列されるか、或いは交差配列手段によつて
ジグザグ状に配列されて得られる。

気流法による不織布の製造では、ばらばらにさ
れた繊維が気流により網目状ベルト又は網目状ド
ラム上に吹き付けられ絡み合つた布が形成され
る。紡糸法による不織布の製造では、例えば粒状
の適当なポリマーが溶融され、回動自在に配され
た紡糸口金から熱気流中に引き出され可能な限り
引き延ばされる。

本発明に於ては、流体力学的に製造された布が
好ましい。これは好ましい実施態様では次の様に
製造される。

高融点成分の繊維と低融点成分の繊維を、繊維
１部に対して水5000部の比較的高い浴比で適当な
容器中に懸濁させる。布の不均一性を避けるため
に、繊維の塊を出来るだけ単一の繊維程度まで分
離するのが有利であり、水溶媒中に界面活性剤を
使用すると有利である。水の量が比較的多いの
で、傾斜篩（sieve）及び該篩下方に吸引装置を
使用すると有利である。

繊維布が形成されたあと、それは接着処理され
ることが好ましく、更に品質向上処理も任意に施
されうる。

該接着処理には大別して３つあり、それは、ニ
ードルフエルテイング（needle felting）技法、
ウオータジエツト法等による機械的接着法、化学
的接着法及び熱接着法である。流体力学的手段に
より堆積された繊維布には、上記３つの処理法の
うち化学的接着法が最も適しており、該布の繊維
はバインダ（接着剤）により互いに接着される。
斯かるバインダは、好ましくは布の最終重量につ
いて15〜20重量％、例えば20〜30重量％、更に好
ましくは20重量％を使用することが好ましい。バ
インダには、カウチユーク（caoutchouc）又は
ポリアクリル酸エステル類、ポリ塩化ビニル、ポ
リビニルアセテート又はポリウレタン等の合成樹
脂を基本成分とする公知のものを極めて有利に使
用できる。ビニルアセテートとアクリル酸若しく
はメタクリル酸のエステル類との共重合体、或い
はビニルアセテートとポリエチレン等のポリオレ
フインとの共重合体の如き適当な混合ポリマーも
使用し得ることは当然である。適当なポリオレフ
インも使用できる。これらの合成樹脂の適当な分
散液も有利に使用できる。

使用するバインダは少なくとも部分的には繊維
懸濁液に加えてもよいし、及び／又は各種の方法
で布に付与してもよい。その方法の例としては次
のようなものがある。

即ち、布をバインダ浴中に通して２このローラ
ー間で圧搾し、その後乾燥させる浸漬法乃至含浸
法、 繊維布乃至ウエブが、前後に動くようにするこ
ともできるスプレーノズル下方のトランスポート
スクリーン上を移動する際に、該布にスプレーす
るスプレー法、 布を泡立てたバインダに浸し、その後好ましく
は圧搾を行なわない泡付与法、 回転ローラによつてバインダが塗布され、最終
的には圧搾ローラによつてバインダの付与が行な
われる方法（Pflatsch法）である。

バインダの付与の後又は不織布の乾燥が必要な
又は好ましい工程に於て、乾燥は、赤外線照射装
置により或いは好ましくは材料を通る空気を用い
た乾燥器等により行なうことができる。

品質向上方法の適切な例としては、カレンダー
加工、プリント加工、ダイ加工、防火剤等による
処理等の編物の仕上で通常用いられているものと
同様のものがある。この様な品質向上処理は公知
のものと同様な方法で、同様の材料で行なうこと
ができる。この場合、染料の割合は組成物全体重
量の２〜３％を超えてはならない。染料は繊維形
成材料内に又は第２の材料内に、或いは繊維接着
材料に含むようにすることもできる。

これらの方法のうち１つ以上を行なうことによ
り、使用者により容易に識別され、出所及び製品
の種類と関連づけられる明瞭な色彩を袋に与える
ことができる。例えば、従来の紙製の袋で使用者
に親しまれている明瞭な緑色が採用される。

適宜の印刷方法により、商標、使用上の注意及
び指示等を付与することもできる。

斯くして製造された不織布の単位表面積当りの
重量は50〜120ｇ／m²であることが好ましいが、
その上限は、とりわけ材料の必要なフレキシビリ
テイ乃至可撓性の減少によつて決定される。本発
明の１実施態様では、不織布の単位面積当りの重
量は約70ｇ／m²である。本発明に依る袋の１実施
態様では、ポリエチレン等の適宜のプラスチツク
により不織布のコーテイングが付与される。この
様なコーテイングは、例えば、15〜50ｇ／m²、特
に20〜30ｇ／m²、例えば20ｇ／m²の量とすること
ができる。斯かるコーテイングを施す方法は公知
である（例えば、融着法（sinter application））。

本発明の袋の製造に際しては、例えば長尺の不
織布から得た不織布を適当に折り曲げて、長手方
向サイドに沿つて溶着する。通常は粒状の固型有
害動物駆除剤が残つている開口部から入れられ
る。その後、その開口部も同様に閉じられる。自
動筒袋製造機を用いて公知の方法で、同時充填で
もつて袋を製造することもできる。明らかに、本
発明の袋の製造及び／又は充填には、各種の市販
のその様な装置を用いることが通常は有利であ
る。従つて、加熱溶接乃至溶着又は超音波溶接乃
至溶着（例えば、端封式のもの）に基づく適宜の
自動機を利用することが可能である。本発明の袋
の寸法は、収容する駆除剤の所要量によつて決定
される。袋を閉じた後は、駆除剤は完全に囲まれ
ているので、分解により生じた粉末が袋から出る
ことはない。

従つて、駆除剤が入つた袋を、駆除処理すべき
食品又は他の品物に直接適用することが可能であ
る。

端封による袋の製造は次の様にして行なうこと
ができる。先ず、長尺の不織布を好ましくは同じ
寸法のより短い１つの長さに切断し、互いに対向
する様に重ねる。それらを溶接し、その時、２個
の縦方向及び１個の水平方向乃至横方向のシール
装置によりＵ字形に溶接する。１個のＵ字形装置
を代りに用いることもできる。それによつて、駆
除組成物を充填するために頂部が閉口した空の袋
が形成される。次に、不織布が進められ、再びＵ
字形が作られる。横方向のシール装置は、新しく
Ｕ字形を形成するだけでなく前以て駆除剤が充填
されている先の袋を同時にシールするようにする
のが好ましい。２個のシール装置を並置して、中
央部がつながつた２個の袋を形成することも可能
である。

溶接及び切断のサイクルを50回行なつた後に、
布を水平乃至横方向に切断すると、互いに隣合つ
て２列100個の袋を有するブランケツト
（blanket）が得られる。

例えば、各サイクル後に垂直乃至縦方向に切断
し、10サイクル後に水平乃至横方向に切断するな
らば、10個の袋の鎖が得られることは明らかであ
る。各サイクル後に横及び縦方向の切断を行なう
ならば、２個の袋が得られる。

本発明は、マルチタイプ（multiple）袋又は複
数のポケツトを有する袋にも適用可能である。こ
の場合、例えば、加熱又は超音波により形成され
た中間シールによつて、袋はポケツト又は区画に
更に分割される。二重乃至ダブル袋は、例えば長
手側の側面間に共通の横断シーム（seam）を有
するようにすることができる。本発明の１実施態
様では、複数の袋が、個々の袋よりも大きな寸法
の大表面構造体の部分として接続される。それら
の間の接続は、接着又は加熱もしくは超音波によ
る溶接乃至溶着等の適宜の方法の何れかによつて
行なうことができる。大表面構造体は、シート又
は箔状等の可撓材料で構成することができ、ポリ
オレフイン、オレフインポリマーの混合物、ポリ
エチレン、ポリオレフインとポリエステルの混合
物、非吸湿性の変成セルロース物質等の適当なプ
ラスチツク材料からなる長尺のベルトの形状とす
ることができる。そして、多くの袋を迅速に且つ
極めて容易に展開することができる。これを行な
うには、このベルトの一端を高所に固定し、適宜
の方法で、例えば重力により、それ自身によつて
広がるようにするだけでよい。そして、各袋は、
サイロ、倉庫、輸送手段等の内部の雰囲気に曝さ
れる。これについては国際特許出願第PCT／
DE／79／00061号を参照されたい。その内容は上
記の開示の一部である。同様の開示は、英国特許
第2646577号、オーストラリア特許第528417号、
南アフリカ特許第79／2263号、米国特許第
4215508号及び他の多くの特許或いは特許出願に
見出される。

ベルトを、本発明の袋と同じ又は類似の不織布
で作られる場合は、袋の一方又は両方の壁部を構
成することによつて、該ベルトを袋と一体部を形
成するようにすることも可能である。好ましい１
実施態様では、単一の不織布をベルト及び個々の
袋として使用することができる。

前述の様に、ホスフインガスを発するための特
にアルカリ土類及び／又はアルカリ土類金属ホス
フアイド類、より詳しくはカルシウムホスフアイ
ド、マグネシウムホスフアイド、アルミニウムホ
スフアイド、好ましくは後者を基本成分とする組
成物である駆除剤を収容するために袋を使用する
ことにも本発明は関係する。

本発明に依る袋の利点は、分解した駆除剤を保
持能力と結合した、実質的に完全なガスの透過性
にある。更に、本発明の袋は耐久性が向上してお
り、水分含有量は極めて少ない。その結果、製造
途中の早期の不適当なガスの放出が避けられ、
又、市販の溶接及び包装機械で加熱又は超音波に
よる容易な溶接によつて製造及び充填に適したも
のになつている。

溶接シームによつて、製造中及び使用中に於け
る封入された駆除剤又はその残留物が外に出るお
それが無い満足すべき閉鎖性と強度が与えられて
いる。従つて、極めて安全であり信頼性のあるも
のであるということができる。

本発明の袋は、独立した後、マルチタイプ袋、
又はベルト等の大表面構造体のいずれの形態で
も、包装の機能と中にある駆除剤の適用の機能と
を兼ね備えた手段として実際に使用することがで
きる。袋は、正確に計られた駆除剤が充填され、
溶接により閉じられる。通常はその後別のガス及
び湿気防止のカバー内に、保存及び輸送のために
個々に又は幾つかの袋をまとめて包装される。カ
バーの例としては、アルミニウム箔のシールカバ
ー、錫メツキの缶、金属箔で積層されていてもよ
いプラスチツク缶等がある。

シール又は溶接シームの部分は、袋の他の部分
よりも通常強固であり、引き裂きに対しても強い
ので、加工、穴、金属性鳩目等をその部分に設け
るのに特に適している。その様な開口又は穴に紐
等を通すならば、袋、ベルト等を容器から取り出
したりする時とかホスフインの発生が終了した後
にそれらを取り除いたりするような作業の時のそ
れらの取り扱いに便利である。

袋の不織布のための材料は、駆除組成物中に通
常加えられる化学物質のいずれに対しても袋が化
学的に安定なものとなるように容易に選択するこ
とができ、前記の不織布のための物質及びその処
理は必要な程度の抵抗力を有している。

物質の融点又は軟化点の選択、低融点成分の選
択も重要である。というのは、駆除剤中に感熱性
の成分が含まれている場合に於ても、駆除剤の充
填に於て該成分の分解等の有害な温度条件を生ず
るかも知れない過度の熱を与えることなしに、溶
接シームの迅速な形成が可能であるからである。
迅速な溶接は、袋内への防虫剤の充填とその後の
気密包装内へのシールとの間の時間差を最小にす
るにも役立つ。一方、定められた温度限度によ
れ、駆除剤のいずれの分解作用による熱の発生に
よつても袋が不本意に開けられることのないよう
な充分高い軟化点を選択することができる。

袋の寸法は、充填される駆除剤の量と関連し
て、金属ホスフアイドの加水分解によつて生ずる
成分の固型残留物の体積増加を吸収し得るものと
しなければならない。

本発明に依る袋の適切な寸法の代表例を次に示
す。

＜単一の袋＞ 内寸法：５〜10cm×７〜15cm、例えば８×10
cm：溶接シーム：５〜10mm、例えば８mm。

＜コンポジツト（Composite）ベルト（バツグブ
ランケツト（bag blanket））＞ 溶接シーム（５〜10mm）を含む全幅：15〜32
cm、例えば32cm（２個の袋を並置）：長さ３〜10
ｍ、例えば袋100この場合５ｍ、所望の長さに切
断可能なように、二重横断シームを配することも
できる。

代表的には、各袋の有害動物駆除剤の含有量は
15〜50ｇであり、特に34ｇで、５〜15ｇの有効
（即ち、放出可能）ホスフアインを含有する。ア
ルミニウムホスフアイド組成物に対しては11.32
ｇの有効ホスフアインが標準である。マグネシウ
ムホスフアイド組成物の場合は、各部を制限して
有効ホスフアインの量を少なくすることが現在の
ところ好ましい。マグネシウムホスフアイドは反
応性が高いため、より小さい部分に再分割するの
がより安全である。又、マグネシウムホスフアイ
ドによるホスフアイドの急速な放出のため、有効
ホスフアインの合計量が少なくても所望の効果を
得ることがある。従つて、ホスフアインの少ない
有効量を含む部分によりマグネシウムホスフアイ
ドのより経済的な使用が可能となる。

例えば、駆除剤が偶発的に水と接触するのをよ
り完全に防止するために、不織布の繊維又は出来
上がつた袋を、公知の方法で疎水性乃至撥水性の
薬剤で、例えば適当なシリコン化合物を噴霧又は
注入乃至含浸することによつて処理することもで
きる。

以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明
する。

第１図には蒸気透過性の実質上無水性の不織布
１が示されている。このシート１は、既述の通
り、少なくとも１つの繊維形成材料にして165℃
以上の融点又は軟化点を有する該材料と、任意に
加えてある熱可塑性材料にして145℃以下の融点
又は軟化点を有する該材料とを含んでいる。

該シートは、短辺３及び４と、長辺５及び６を
有する。本発明に従つて、袋を作るために、該シ
ートは、中心線、即ち折曲げ線２に沿つて折ら
れ、短辺３及び４が互いに重ねられる。

点線７と外周（シート辺３，４，５，６）との
間が従来法により加熱又は超音波を用いて溶着乃
至溶封される。ただし、当初、１つのサイドは開
けたままにされる。有害動物駆除剤がこの開口か
ら所定量入れられたあとその開口も加熱又は超音
波により溶封される。シートが前記ライン２に沿
つて折曲げられる場合には、このライン２に沿う
溶封作業は必要でない。しかし、この部分も溶封
したければ、そうしてもよい。前記第２の材料及
び更に他の材料の双方又は１方の添加は、破線８
によつて示された縁域にして、好ましくは溶封部
７の輪郭縁を超えて延びる縁域に限定されてもよ
い。輪郭線８位置は型板、マスク等の使用によ
り、或いは適当なプリント処理、一定域に成分材
料を選択的に付与するシルクスクリーニング等に
より限定されうる。

更に、該成分材料を強い溶封形成に役立てたい
が、布の平均孔サイズを減ずるために少量の成分
材料付与が望まれる場合には、該成分材料をライ
ン８の内側に少量、ライン７及び辺３，４，５，
６の間に、適宜、より多く付与することが可能で
ある。

第１図に示されるシートの上に、例えば同材料
の第２の不織布を重ねることにより、第１図の袋
の２倍サイズの袋を形成することも可能である。
その場合、四辺３，４，５及び６は、その１つを
除いてすべて溶封され、有害動物駆除剤が中へい
れられたあとは、その１つも溶封される。

第２図及び第３図には第１図におけると同じ番
号が用いられている。この場合の不織布１のシー
トは、第１図の実施例と異なり、２つ乃至多数の
袋に分けられており、２以上の有害動物駆除剤保
持用ポケツトを有する。

該ポケツトは区域１１に形成された横方向の溶
封部１０により形成されており、前記縁域に関し
て述べたと同じ寸法が採用される（輪郭線９及び
３，８により区切られている）。

第２図の破線１２は、第２図に示された２つの
ポケツト以上に、マルチタイプ袋において、所望
数のポケツトを得るために、第２図のパターンが
何回でも繰り返されることを示している。平面視
においてシートの半分サイズのマルチタイプ袋を
得るには、ライン２に沿つて更に折ればよい。

第１図を参照しつつ説明したように、既述の如
くシート１を折ることに代え、第２の不織布シー
トを重ね、続いて溶封して前述の如きマルチタイ
プ袋を作ることもできる。

第４図からわかるように、折り曲げ線２に沿つ
てシート１を折ることにより形成される袋は、例
えば、１３のところで終わる輪郭線８により示さ
れるように、折り曲げ線２の一方の側にのみコー
テイングが必要なだけである。

不織布の単一の又はダブルのシートから得られ
る袋に関して第１図から第４図を参照しつつ説明
したことは、自動機械上の連続布を用いて実行さ
れ得る。その場合、要求長さへの不織布の裁断
は、通常、袋が形成されたあとで行なわれる。

さて第５図には、単一の袋が示されており、そ
れは第１図を参照して説明したと同様に、不織布
１の２枚の層から形成され、周囲が区域５，７及
び６，７で溶封され、内に粒状又は粉体の有害動
物駆除剤１４が詰められている。これら袋の１又
は２以上は、例えば熱溶封包袋１５に気密に封入
される。

これら包袋は、前記袋及びその中の有害動物駆
除剤１４が雰囲気中の水分にさらされることを防
止する。使用直前には、該包袋１５は、その中の
袋を傷付けることなく破られる。

該袋は取り出され、直ちに駆除処理
（fumigation）されるべき品物又は空間に対する
所定位置におかれる。その後間も無く、雰囲気中
の水分が不織布１を透過して有害動物駆除剤に達
すると、加水分解が起こり、ガス（ホスフイン
（phosphine））が発生し、このガスは、不織布１
の孔から周囲へ広がり、その効果を発揮する。斯
かる加水分解は、通常、数日で完了し、有害動物
駆除剤は、加水分解反応によりばらばらの粉にな
り、袋の内に残る。斯くして、袋は、該粉による
品物又は周囲の汚染を防止する。該粉は、当初の
駆除組成物の体積より実質上体積増加する。

次ぎに第６図は、第２，３及び４図を参照して
説明したような、マルチタイプの袋の断面を示し
ている。くびれた部分１０は溶封部を表わしてお
り、該部分１０は、有害動物駆除剤１４を入れた
個々の袋ポケツトを分離している。エツジ４と内
側の輪郭線７との間の最後の溶封部は、強く、比
較的耐破断強度を有する区域で開孔１５′を有し、
この開孔１５′に紐を通す等のアタツチメント装
置のために使われる。開孔１５′は必要に応じは
と目金を備えることができる。

第７図には、マルチタイプ袋が、気密コンテナ
ー１６にアコーデイオン状に折りたたまれ詰めら
れる様子が示される。折りたたみ箇所は、例えば
第６図を参照して説明した個々の袋ポケツト間の
溶封部１０に一致する。全体アツセンブリの一方
の端の縁溶封部は紐１７を付けた孔１５′を有す
る。第７図では、コンテナー１６はその一方のサ
イド１８で開かれており、そこから袋が矢印の方
向に引出されつつある。

第８図には、マルチタイプ袋装置の他の例１９
が示されており、これは、例えば100個の袋２０
を溶封部１０でつないでベルト状にし、これを気
密のブリキ缶２１内に巻き納めたものである。該
袋装置の１端にも第７図と同様、紐が付けられて
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による単一の有害動物駆除剤用
袋を作るための不織布シートの概略平面図、第２
図は本発明によるダブルタイプ乃至マルチタイプ
袋装置に変えられようとしているところの不織布
シートの第１図に類似の平面図、第３図は第２図
中の−線に沿つたスケールを異にする断面
図、第４図はダブルタイプ乃至マルチタイプ袋装
置の他の例及び本発明に従つて袋を作る方法を示
す不織布シートの第２図に類似の平面図、第５図
は本発明による単一袋のバツク例を示す断面図、
第６図は、本発明によるマルチタイプ袋装置の断
面図、第７図は本発明によるマルチタイプ袋ベル
トの１例をそのパツケージから引出しつつあると
ころの概略断面図、第８図は、本発明によるマル
チタイプ袋装置の他の例を収容したブリキ缶（蓋
省略）の平面図である。 １……不織布シート、２……折曲げ線、３，４
……シート１の短辺、５，６……シート１の長
辺、７……溶封部、８……縁域を示す線、９……
輪郭線、１０……溶封部、１１……区域乃至ゾー
ン、１４……有害動物駆除剤、１５……包袋、１
５′……開孔、１６……気密コンテナー、１７…
…紐、１９……マルチタイプ袋装置、２０……
袋、２１……ブリキ缶。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも１部がガス及び水蒸気透過性の実
   質上無水性の不織布からなる有害動物駆除剤用袋
   にして、該不織布が、繊維形成用の165℃以上の
   融点又は軟化点を有する少なくとも１つの材料
   と、熱可塑性を有し、145℃以下の融点又は軟化
   点を有する第２の材料とを含む複数材製不織布で
   ある有害動物駆除剤用袋。 ２ 前記繊維形成材料が、180℃から235℃の範囲
   の融点又は軟化点を有している特許請求の範囲第
   １項記載の袋。 ３ 前記第２の材料が、80℃から120℃の範囲の
   融点又は軟化点を有している特許請求の範囲第１
   項又は第２項記載の袋。 ４ 前記第２の材料が、繊維の形態である特許請
   求の範囲第１項から第３項のいずれかに記載の
   袋。 ５ 前記繊維形成材料が比較的高融点又は高軟化
   点のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリア
   クリル樹脂、又はポリプロピレン、或いはグラス
   フアイバー、或いはこれらのうちの２以上の組合
   せ材料である特許請求の範囲第１項から第４項の
   いずれかに記載の袋。 ６ 前記繊維形成材料による繊維長さが、５mmか
   ら20mmである特許請求の範囲第１項から第５項の
   いずれかに記載の袋。 ７ 前記第２の材料が比較的低融点又は低軟化点
   のポリエチレン、或いは比較的低融点又は低軟化
   点のエチレン、プロピレン又はブチレンとビニル
   アセテートとの共重合体、或いは比較的低融点又
   は低軟化点を有するポリプロピレンを含む特許請
   求の範囲第１項から第６項のいずれかに記載の
   袋。 ８ 前記第２の材料による繊維長さが0.5mmから
   １mmである特許請求の範囲第４項から第７項のい
   ずれかに記載の袋。 ９ 前記繊維形成材料と前記第２の材料との重量
   比が、50：50から70：30の範囲にある特許請求の
   範囲第１項から第８項のいずれかに記載の袋。 １０ 前記不織布はバインダ処理されている特許
   請求の範囲第１項から第９項のいずれかに記載の
   袋。 １１ 前記バインダが20〜30重量％用いられてい
   る特許請求の範囲第１０項に記載の袋。 １２ 前記バインダが、分散液又は他の適当な形
   態のポリアクリル酸エステル、又はエチレン、プ
   ロピレン、又はブチレンとビニルアセテートとの
   共重合体、又は塩化ビニル樹脂、又はポリビニル
   アセテート、或いは天然又は合成カオチユークの
   ラテツクス、である特許請求の範囲第１０項又は
   第１１項に記載の袋。 １３ 熱可塑性材料のコーテイングが、少なくと
   も溶封部形成域において前記不織布に付与されて
   いる特許請求の範囲第１項から第１２項のいずれ
   かに記載の袋。 １４ 前記熱可塑性材料が、ポリエチレン又はポ
   リエチレンビニルアセテート共重合体を含んでい
   る特許請求の範囲第１３項に記載の袋。 １５ 前記コーテイングが15〜50ｇ／m²付与され
   ている特許請求の範囲第１３項又は第１４項に記
   載の袋。 １６ 前記コーテイング量が20〜30ｇ／m²である
   特許請求の範囲第１５項記載の袋。 １７ 前記複数材製不織布は、前記第２の材料が
   付与された面の少なくとも１部の上におかれた前
   記繊維形成材の少なくとも１つからなる繊維を備
   えている特許請求の範囲第１項から第３項、第５
   項及び第６項のいずれかに記載の袋。 １８ 前記第２の材料がポリエチレン又はエチレ
   ン／ビニルアセテート共重合体である特許請求の
   範囲第１７項記載の袋。 １９ 前記第２の材料が、融着又は該第２の材料
   の溶液又はエマルジヨンを用いたプリント又は含
   浸によつて前記第１の材料上に付与されている特
   許請求の範囲第１７項又は第１８項記載の袋。 ２０ 前記コーテイングが、溶封部か形成される
   べき不織布上の区域に選択的に付与されている特
   許請求の範囲第１７項から第１９項のいずれかに
   記載の袋。 ２１ コーテイングがすすめられる前記溶封部は
   少なくとも１cm幅のゾーンに設けられる特許請求
   の範囲第２０項に記載の袋。 ２２ 前記幅が１〜３cmである特許請求の範囲第
   ２１項記載の袋。 ２３ 前記幅が１〜２cmである特許請求の範囲第
   ２２項記載の袋。 ２４ 前記複数材製不織布は、少なくとも１部
   が、前記繊維形成材料により形成されたコアと前
   記第２の材料により形成されたコーテイングとを
   備えた、被覆コア２成分、繊維からなつている特
   許請求の範囲第１項記載の袋。 ２５ 前記コアがポリアミド6.6から、前記コー
   テイングがポリアミド６からなつている特許請求
   の範囲第２４項記載の袋。 ２６ 前記不織布のフイラメントの太さが１〜
   20dtexである特許請求の範囲第１項から第２５
   項のいずれかに記載の袋。 ２７ 前記フイラメントの太さが1.5〜3dtexであ
   る特許請求の範囲第２６項記載の袋。 ２８ 前記フイラメントの太さが1.7〜2dtexであ
   る特許請求の範囲第２７項記載の袋。 ２９ 前記不織布が50〜120ｇ／m²である特許請
   求の範囲第１項から第２８項のいずれかに記載の
   袋。 ３０ 不織布の辺を、任意に一方のサイドに折曲
   げたのち熱及び超音波の双方又は一方によつて溶
   封して作つた特許請求の範囲第１項から第２９項
   のいずれかに記載の袋。 ３１ チユーブ状バツグ又は側閉じバツグの形に
   作られた特許請求の範囲第１項から第３０項のい
   ずれかに記載の袋。 ３２ 複数の袋を含む平坦な複合構造体の１員を
   構成している特許請求の範囲第１項から第３１項
   のいずれかに記載の袋。 ３３ 前記平坦構造体がフレキシブルである特許
   請求の範囲第３２項記載の袋。 ３４ 前記平坦構造体が、巻きとり又は蛇腹状に
   折たたみ可能な長尺ベルトの形態である特許請求
   の範囲第３３項記載の袋。 ３５ 前記ベルトの材料が前記袋の材料と同じで
   ある特許請求の範囲第３４項記載の袋。 ３６ 前記ベルトの材料が、前記袋の一側又は両
   側を形成している特許請求の範囲第３５項記載の
   袋。 ３７ 有害動物駆除剤充填後の開口が溶着にて閉
   じられている特許請求の範囲第１項から第３６項
   のいずれかに記載の袋。 ３８ 前記不織布がからみ合せ繊維ウエブ
   （tangled fibre web）のように流体力学的手法
   により作られている特許請求の範囲第１項から第
   ３７項のいずれかに記載の袋。 ３９ 部分的に、又は全体が、特徴のある色で染
   色及びプリントの双方又は一方がされている特許
   請求の範囲第１項から第３８項のいずれかに記載
   の袋。 ４０ 前記繊維、不織布及び／又は完成袋部分が
   疎水剤で処理されている特許請求の範囲第１項か
   ら第３９項のいずれかに記載の袋。