JP2607624B2 - 発散装置及び燻蒸方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、発散装置及び燻蒸方法に関し、特に、加水
分解可能な害虫駆除剤からガス状害虫駆除剤を環境に開
放する発散装置及び燻蒸方法であって、害虫駆除剤を保
持し、シート材料すなわち薄いシート状の繊維群を意味
するフリースの縁又はそのような縁の合う材料を一緒に
い結合することによって、ポケット又は複数のポケット
の壁として役立つ１以上のシート材料から形成された１
以上のポケットを有し、少なくとも１つのシート材料
は、水蒸気及びガスを透過可能であり、水蒸気及びガス
透過壁又はポケット，複数のポケットの一部を形成する
発散装置及び燻蒸方法に関する。

より十分に後に述べるように、種々の形態のそのよう
な発散装置は、例えば米国特許第4,597,218号及び米国
特許第4,653,644号から知られ、かつ幾つかの欠点を有
している。

これらの欠点の一つは、以前からこの種の技術で固有
なものとして受け入れられており、すなわち、燻蒸ガ
ス、特に燐化物ガスが、加水分解によって生じ、かつ所
定のピーク期間中にその前後よりも急速になるような一
様でない速度で燻蒸のために開放される傾向である。燻
蒸の目的のために、このガスの発生をより均一にするこ
とが望まれる。従来技術の発散装置を用いて、過大な濃
度の燻蒸ガスが発散装置の表面近くにたまることを観察
された。燐化物ガスの場合でのそのような高い濃度は
又、燻蒸の効能の観点から望ましくないほか、自己発
火，火災及び爆発ハザード（expolosion hazard）を与
える。加えて、これらの従来技術の装置では、害虫駆除
剤、特に、金属燐化物の分解が不完全であり、実質的な
量の毒性の残留物を残す傾向がある。

本願の第１発明によれば、加水分解可能な害虫駆除剤
からガス状害虫駆除剤を環境に開放する発散装置であっ
て、前記発散装置は、害虫駆除を保持し、一つ以上のフ
リースの材料を一緒に結合することによって、ポケット
または複数のポケットの壁として役立つ１以上のフリー
スの材料から形成された１以上のポケットを有し、少な
くとも一つのフリースの材料は、水蒸気及びガスを透過
可能であり、水蒸気及びガス透過壁又はポケットの一部
を形成する発散装置において、 前記少なくとも一つのフリースの材料は水蒸気が発散
装置に入る速度を所定速度とし、フリースの材料の面積
及び水蒸気透過率の組み合わせは、ポケットの内部への
水蒸気の出入りを抑制することによって、加水分解可能
な害虫駆除剤の加水分解の速度を制御するように選択さ
れることを特徴とする発散装置が提供される。

本願の第２発明によれば、少なくとも一部が水蒸気を
透過可能なフリース材料で作られたポケット又は複数の
ポケットを有する発散装置に密閉された加水分解可能な
害虫駆除剤を、害虫駆除の加水分解と毒性ガスの燻蒸す
べき環境への又は環境の方へ開放を引き起こす湿気にさ
らす燻蒸方法において、 加水分解と毒性ガスの開放の速度は、加水分解可能な
害虫駆除剤への湿気の出入りを制限するように、フリー
ス材料の水蒸気透過率及び水蒸気透過表面積を選択する
ことによって制御されることを特徴とする燻蒸方法が提
供される。

好ましいシート材料は、紙と同様な組織を有する合成
繊維の不織布であり、2000g/m²/24h（ASTM E96）以下の
水蒸気透過率を有するように選択される。

フリース材料は、スパン結合されたポリオレフィンシ
ート又は熱および圧力で結合された微小ポリオレフィン
繊維からなるフリースであり、シートは蒸気およびガス
透過性であるが、液状水およびダストに対しては不透過
性であり、通常は、耐水性，高引張強さおよび高引裂強
さを有し、かつ、2000g/m²/24h（ASTM E96）以下の水蒸
気透過率を有し、好ましくは、4.6n/mm（ASTM D 823−6
0）以上の引張強さを有するスパン結合された紙状フリ
ースである。

アプリケータの内部への湿気の出入りを制限又は抑制
する思想は、全体的に、従来技術の考えに反していた。
材料は、できる限り湿気を透過し、かつガスを透過する
べきであるという信念が、以前からあったが、これは、
燻蒸を効果的に処理するために、限定された湿気がアプ
リケータに自由にかつ最小の制限で入り、かつ同様に、
（アプリケータ内部の高いPH₃濃度の過大な堆積を回避
するために）PH₃がアプリケータからできるだけ素早く
逃げることができる必要があると信じられていたからで
ある。驚くことに、かつ全く予期せぬことに、本発明
は、実質的により完全な害虫駆除剤の加水分解をもたら
す。この重要な技術的進歩は理解されない。

加水分解の速度は、より均一であり、驚くことに、完
全な加水分解のために必要な全期間はほぼ同じままであ
る。加えて、アプリケータの直近で以前から観察された
過大なガス濃度が回避される。

概して、好ましい実施例は、非常に改良された安全性
を達成する。

好ましい実施例で、紙状に圧延された特定のポリオレ
フィンフリースを説明したが、本発明の前述した態様の
原理は、アプリケータを作るシート材料の化学的性質で
はなく物理的特性と関連している。

ポリエステルフリースで作られた所定の従来技術装置
では、これらの従来技術の市販の装置について用いられ
た所定の材料を示す。他の点で本発明の教えを固執すれ
ば、ポリエステルを用いることができないことを意味し
ない。

特定の水蒸気透過率を次に参考にする場合はいつで
も、これらの水蒸気透過率は、出願の優先日の技術で一
般的に用いられる方法であるASTM E96により決定される
べきである。

所定の好ましい実施例では、本発明は、特に開発され
た加熱溶着プラスチックシート材料であって、加熱およ
び圧力結合された微細なポリオレフィン繊維から構成さ
れた、不織布の、好ましくは紙状のポリオレフィンシー
トまたはフリースから成り、シートは蒸気およびガス透
過性であるが液状水およびダストに対しては不透過性で
あり、耐水性、高引張強さおよび高引裂強さを有するシ
ート材料に関する。本発明は、ガスまたは蒸気発散性害
虫駆除剤を保持するアプリケータの製造の際の材料の使
用に関し、害虫駆除剤は加水分解性金属燐化物から成
り、湿気性環況に露呈されるとき、金属燐化物からホス
ファインガスが金属燐化物の加水分解に起因して環況に
解放される。

前述のシートまたはフイルム材料は知られている。こ
れらのある実施例はデュポン デ ネモーズの登録商標
TYVEKの下で市販されている。このファミリーの堅固で
耐久性の製品は集積した紡績および結合プロセスによっ
て100％の高密度ポリエチレン繊維から作れる。シート
は極めて微細なポリエチレン繊維を紡績し、各繊維は実
際上、すなわち市販の製品においては、約0.005mmの直
径であり、任意の網として置かれ、加熱および圧力によ
って結合される。結合剤、充填剤はその市販の製品では
用いられていない。製品は、靫性、または柔らかさおよ
びドレープ適性の種々の程度のものが入手でき、大部分
のものは紙状であり、種々の多孔性を有する。靫性およ
び破壊抵抗は他の材料と比較して著しく良好である。引
張強さ、伸長性、引裂強さおよび屈曲寿命は特殊であ
る。表面はプリンティング、コーティングまたは積層に
適するように滑らかで、コンパクトに作ることができ
る。製品は耐水性であり、このことは、水に浸せきされ
るとき、その物理的特性が影響を受けないことを意味し
ている。製品は優秀な寸法上の安定性、腐食抵抗性、カ
ビ抵抗性および耐化学性を有する。溶融は135℃で生じ
る。多数の他のプラスチックベースの材料と比較して、
この製品は良好な耐燃性を有する。製品は火炎から離れ
るように縮み、ゆっくり燃焼し、溶融したポリマーを滴
下する。製品は通常の使用状態ではリント（糸屑）粒子
が一般にはないものではない。この製品の多くは有効な
耐静電処理が設けられて市販されている。製品の多く、
特に紙状コンシステンシー（稠度）のものは良好な液状
保持特性を有し、76cmを越えて水溶性の静水ヘッドを支
持する。これらの製品は、例えばタッグ、ラベル、たれ
幕、看板、壁掛け、ブックカバー、壁掛けマット、チャ
ート、包装紙および郵便封筒の製品に対して推奨されて
きた。

前述の特性は特に望ましい。しかしながら、本出願人
は、問題が生じているようなところに特に新規な適用方
法でこれらの特性を使用することを意図したものであ
る。

本出願人は、最近ガス発散性害虫駆除剤を保持するア
プリケータの新しい創造と考えられるものを開発してお
り（米国特許第4,597,218号；欧州特許第0132 759号参
照）、害虫駆除剤は、具体的には、加水分解性金属燐化
物から成り、湿気性の環況に露呈されると、その金属燐
化物からホスファインガスが金属燐化物の加水分解に起
因して環状に解放される。このようなアプリケータは、
袋、すなわち不織布熱可塑性シート材料から作られた比
較的小さい袋または封筒状ポケットの形状をとり、シー
ト材料（フリースと最近呼ばれている）は熱および圧力
で互いに結合されてフェルト状またはマット状の組織を
形成するサーモプラスチックの多少ランダムに配置した
繊維から成る。これらは個々の袋としてまたは平らな複
合構造に互いに結合した複数の袋の形状で使用でき、平
らな複合構造は例えば可撓性であり、貯蔵および輸送の
ために、巻かれ、または折りたたまれて密封した缶のよ
うな気密および湿気防止容器に詰められるのに適した細
長いベルトである。これらのアプリケータは、使用直前
に気密容器から取出され、ほどかれて燻蒸が行われる環
状に露呈される（PCT出願WO−Ａ−80/00119）。加水分
解した金属燐化物の残留物はアプリケータによってダス
ト（微粉）の形で保持される。これらのアプリケータは
熱溶着によって製造され、得られた溶着シームは袋等の
側部を閉じて個々の袋の間に可撓性のヒンジラインを形
成する。シームの可撓性および物理的強度は前述のベル
ト状複合アプリケータの場合には極めて重要であり、個
々の袋が製造される場合には特に重要である。その理由
は、機械によって運ばれた連続ベルトが害虫駆除剤を充
填され、シーム線に沿って個々の袋に切断される最終製
造段階まで、その製造は複合ベルト（“袋ブランケッ
ト”として知られている）の製造とほぼ同一に行われる
からである。

米国特許第4,597,218号の教示が改良を先行技術に導
入した。しかしながら、満足のいくように加熱溶着した
すべてのこれらの不織布（“フリース”）の引裂抵抗が
幾分制限されるものであることが見出された。厳しい条
件の使用の下では、これらのアプリケータは切断され解
放される恐れがある。また、テストされた最良の材料
は、それにもかからわらず、極めて微小なダストで充填
した袋が極めて清浄で研磨した表面に打ちつけられると
き、ダスト浸透の痕跡が観察されるという点で、完全に
はダストループ（防塵性）ではないということが見出さ
れた。このことは、もし極端な衛生状態の要件を満たさ
なければならないならば、障害となりえる。テストされ
た先行技術の溶着可能な不織布のいずれも液状水に対し
て完全なバリヤーを形成するが所望の程度まで水蒸気お
よび金属燐化物によて解放したホスファインガスに対し
て透過性である特性を有するものはなかった。

最後に、前述の“新たな発生”のアプリケータの多数
の望ましい特性にもかかわらず、アプリケータ材料自体
は、害虫駆除剤に対する水の接近速度およびアプリケー
タの蒸気またはガス状内容物が環況に解放される速度に
対して制御できないという欠点がいまだに残っていた。
これらのガスが一層徐々に、かつガスが拡散、循環、対
流または他の機構で燻蒸すべき環況に分配される速度に
近い速度で解放されるのが望ましいものであるのにかか
わらず、アプリケータの外部表面附近にホスファインガ
スの極めて高い集中ときどき生じることがあった。ホス
ファインの過度の局所的な集積は特に環況に対する露呈
の最初の２、３時間の間および特に高い周囲温度におい
て生じる。これらの局所的な集積は安全性の理由からも
また害虫駆除の目的のためにも望ましくないものであ
る。過度の急激なホスファイン集中は、虫がガスを吸入
するのを止めその後回復するような昏睡状態に虫をす
る。したがってガスの徐徐の、均一な解放および分布が
目的とされる。しかし、以前の使用およびテストにおい
ては、プラスチックフリースはこの望ましい効果を達成
し、または寄付することはなかった。

本出願人は前述のフイルム材料をテストし研究し前述
のアプリケータのためにその特性が多数の点で理想的な
ものを見出した。特に引裂強さおよび防塵性が以前テス
トされた材料と比較して著しく改良されていることが見
出されている。しかしながら、所要の方法で、特に先行
技術の袋の製造に対して有効な手段では材料を加熱する
ことが不可能であることが見出された。もし充分な加熱
および圧力が満足のいく結合を達成するために加えられ
るならば、溶着シームは薄くなり、砕けやすくなり、袋
は砕けて、金属燐化物の有毒な組成物またはダスト状分
解製品を放出してしまう傾向にあった。

この問題を解決するための種々の試みがなされた。最
初にシート材料の片側にシート材料の融点より低い融点
または領域を有する例えばエチレンビニルアセテート
（EVA）の結合層が被覆された。種々のコーティングま
たはラミネート（積層）プロセスによって製造したサン
プルは、要件を満たしていなかった。その理由は、加熱
溶着が満足のいくように加えられる場合には、水蒸気お
よび解放したホスファインガスに対する所要の透過性が
失われたからである。

このため、この問題に対する解決案を見出し導入部分
（従来技術の説明の部分）に記載した新規なシート材料
を開発する必要があり、ここで新規なシート材料とは先
行技術のシート材料の望ましい特性と既存の設備で溶着
シームを製造するのに適した望ましい加熱溶着性とを組
合わせたものであり、シート材料の望ましい特性、特に
高引裂強さが保持されたものである。以下に記載する教
示が解決案を与えるものである。さらに、シート材料を
適当に選択することによって、先行技術のアプリケータ
によっては得られなかった望ましい特性を有する、導入
部分で記載した形式の害虫駆除剤に対するアプリケータ
を製造することが可能となる。特に、本発明の提供する
新規なアプリケータがガスの解放の速度以前では得るこ
とができなかった制御を可能とし、この特性が以前では
得ることができないと考えられていた程度まで局部ガス
集積の望ましくないレベルを避けるために使用できるこ
とである。

本発明の１つの態様によれば、導入部分に記載したよ
うに加熱溶着プラスチック材料が提供され、この材料
は、ポリオレフィン繊維の融点よりはるかに低い融点ま
たは領域を有する熱可塑性高多孔性加熱溶着結合層で少
なくとも加熱溶着すべき領域または片側が被覆され、加
熱および圧力による従来の溶着が繊維が融点に達する前
に溶着シームを生じさせ、ポリオレフィン繊維の物理的
特性が実質的に保持される特性を有するものである。

ポリオレフィン繊維および結合層の間の融点または領
域（融点範囲）の差は20℃以上、例えば30と80℃との
間、特に40および70℃の間であるべきである。好ましい
実施例では、それは約50ないし60℃である。

結合層のガスおよび湿気の透過性は、特にもしそのよ
うな層が全表面をカバーしているならば、ポリオレフィ
ンシートのものより大きな程度を有するべきである。こ
のことは、シート材料の製造およびシート材料の使用の
簡単化のために好ましい。その理由は、そのような場合
溶着がシート材料の所定の被覆領域に拘束される必要が
ないからである。他方、加熱溶着結合層を形成する材料
の節約が、もしそのような層が溶着シームが形成される
所定の領域に拘束されるならば、達成できることは明ら
かである。もし透過性がポリオレフィンシートの透過性
を大きさで越えるならば、ポリオレフィンシートは全体
としてシート材料の透過性を予め決定し、結合層は大き
な影響を持たない。

結合層の透過性（透過率）は次の２つのファクターに
依存する。

（ａ）単位表面領域当たりの結合材料の量で表現される
層の厚み、および （ｂ）加熱溶着結合層の塗布の態様（このファクタが重
要である。） 本出願人は、種々の方法で本発明の目的を達成しよう
と試みたが成功しなかった。例えば（例えばEVAが結合
材料として選ばれた場合には）、EVAの箔をシート材料
に積層することによって所望の目的を達成するための試
みがなされた。しかし所望の蒸気透過性が失われた。

他方、結合層が高多孔性が保持されるように粉末状の
結合物質を支持表面上に散布し、融着することから成る
方法によって成功した状態で形成されることが見出され
た。

例えば、粉末にはポリオレフィンシート上に直接散布
被覆され次にシートの繊維の融点または融点領域以下の
温度で融着する。このことは、例えば散布した粉末を持
つシートを適当な長さの、任意深く制御した温度の加熱
トンネルを通すことによって、ポリオレフィン繊維およ
び結合物質の間の融点の比較的小さい差にもかかわら
ず、正確な温度制御が可能である。

好ましい方法はリバースコーティングとして当技術分
野で知られているものであり、この方法においては、結
合粉末が最初一時的な支持体上に散布被覆され、この支
持体上に多孔性融着層を形成するように溶融され、次に
この多孔性層が、その多孔性を保持しながら、ポリオレ
フィンに移送され、結合される。

結合層を形成するコーティング材料の適当な量は、約
10ないし約50g/m²の範囲、特に15ないし40g/m²、好まし
くは15ないし30g/m²の範囲にあることが見出された。30
g/m²は、EVAを結合材料として使用したとき、極めて満
足のいく結果を与えることが見出された。しかしながら
20g/m²も充分満足のいくものであることが見出されてい
る。

結合層用の材料はポリオレフィンシートと適合するよ
うに選ばれ、さらにその材料でシート材料を加熱溶着さ
せる観点から選ばれ、最初にポリオレフィン自体である
か、好ましくは、例えば不織布の、例えばポリオレフィ
ン、すなわちポリエチレン、ポリプロピレンまたはそれ
らのコポリマー、ポリエステルまたは前述の２つまたは
それ以上の混合体から作られた他の箔またはフイルムで
ある。この要件は好ましい結合材料であるEVAによって
極めて満足いくものであり、好ましいグレードは、ポリ
オレフィンシートの繊維が約135℃の融点を有する場合
に、約75ないし80℃の融点領域を有する。

しかしながら、好ましいとしても最良ではないが、ポ
リオレフィン結合層、例えば高密度または低密度のいず
れかであり、もし繊維の融点が135℃ならば、前述と同
一の融点範囲、すなわち好ましくは80ないし85℃である
ポリエチレンを用いることも可能である。テストは、所
望の融点または範囲を有するポリアミドまたはポリエス
テルおよび例示した物質の適当な混合体が現在ではまだ
好ましいものではないが用いられることができることを
証明した。

ポリオレフィンシートのポリオレフィンは、好ましく
はポリエチレンであり、特に135℃の範囲の融点を有す
る高密度ポリエチレンである。しかしながら、原理的に
は、他のポリオレフィン、例えばポリプロピレン、高密
度のポリエチレンおよびポリプロピレンの混合体、また
はポリエチレンポリプロピレンコポリマーが用いられて
もよい。

本発明で用いられる不織ポリオレフィンシート材料は
米国特許第4,653,644号に記載のいわゆる“ロープ”と
は広範囲に異なった特性を有する。不織ポリエステルは
強さおよび液状水ダストに対する不透過性に対して記載
していない。これらは、本明細書に記載した多くの目的
に対して本発明で用いられるポリオレフィン材料の重要
な特性を有する。不織ポリエステルシートは、制限した
ガスおよび蒸気透過性の望ましい特性を有しない。本発
明によると、これらの特性は、ガスまたは蒸気が以下に
記載するように本発明のアプリケータから放出される速
度を制御するのに使用できる。

もし結合層をシート材料の制限した部分、すなわち溶
着すべき領域に塗布することが望ましいならば、このこ
とは米国特許第4,597,218号に記載された方法のいずれ
かによって達成されてもよい。

本発明のシート材料は貿易および工業に多数使用さ
れ、特定の目的に対して（例えば密度、可撓性、多孔性
および表面仕上げに関して）シート材料が適当に選択さ
れる。例えば、フイルムの繊維特性または他の所望の特
性を損なうことなしに、比較的簡単な設備を用いて加熱
溶着によって多数の製品（他の点に関しては周知の）を
形成するために用いられることができる。本発明に適し
たポリオレフィンはバクテリアに対してさえも不透過性
である極めて微細な多孔性のシートを含むものである。
そのようなシートから形成される本発明のシート材料
は、熱溶着によって、例えば医薬、外科、歯科または衛
生製品の殺菌包装および器具に対して用いられることが
できる。

他の潜在的な用途は、例えばシリカゲルのような乾燥
剤および郵便封筒に対する袋である。

しかしながら、本発明の特定のおよび重要な態様によ
れば、導入部分に記載したようなガス放出害虫駆除剤を
保持するアプリケータを提供することである。袋は、前
述したように本発明によるシート材料の少なくとも１つ
の層または層の部分から成るシート材料を熱溶着するこ
とによって形成される。

特に、各袋またはポケットはその後に沿って加熱溶着
したシート材料の２つのシートによって形成されて溶着
シームを形成し、シートの少なくとも１つ、好ましくは
両方は、本発明によるシート材料である。

他の態様にしたがって、本発明はガス発散または蒸気
発散害虫駆除剤を保持するアプリケータであって、加熱
溶着した溶着シームで互いに結合されて蒸気またはガス
が解放される物質を含むためのポケットを形成するシー
ト材料の少なくとも２つのシートを有するアプリケータ
において、１つのシートは不織の好ましくは紙状のポリ
オレフィンシート、または熱および圧力で結合した微小
ポリオレフィン繊維から構成されるフリース、から成
り、シートは蒸気およびガス透過性であるが液状水およ
びダストに対しては不透過性であり、耐水性、高引張強
さおよび高引裂高さを有し、他のシートは前者のシート
に溶着可能であり不織ポリオレフィンシートの融点より
充分低い融点または領域を有し後者のシートに損傷を与
えることなくおよび付加的結合層を用いることなく前者
のシートを後者のシートに加熱溶着可能とする適当な熱
可塑性箔またはフイルムから成る、ことを特徴とするア
プリケータを提供する。

本発明のこれらの態様は１つ以上の進歩性に基づくも
のである。発明性は本発明の溶着性シート材料にあり、
アプリケータがそれから作られ、また溶着性シート材料
を製造するために用いられるポリオレフィンシートの選
択することにある。フリースを含むガス透過性合成樹脂
シート材料に関する長年の実験の結果、この特定の種類
のシート材料が金属燐化物を保護し、本明細書に記載す
る方法でホスファインの解放の速度を制御でき、このこ
とは以前の経験では当業者にとっては予想できないもの
である。このアプリケータの目的に対して、このポリオ
レフィンシートは液状水に対する著しい不透過性の特殊
な特性を有する。したがって、本発明は、最初に、害虫
駆除剤等の製造、および通常の使用状態およびそのよう
な使用で偶然に生じる異常な状態の下で、ポリオレフィ
ンシートの水バリヤー効果に起因して液状水に対して保
護される金属燐化物を含むアプリケータの製造を可能に
する。安全の観点から、このことは極めて重要である。
その理由は、そのような保護効果なしでは、金属燐化物
の組成は、液状水に偶然に接触すると、自動点火する恐
れがあるからである。このことは、例えば燻蒸すべき穀
物および他の農業製品の湿気、不適当なカバーまたは漏
洩している貯蔵設備等に起因する雨水の侵入によって生
じる。選択の内容としては、シート材料の印刷性および
耐静電特性も重要な特性であり、特に後者は潜在的な爆
発の危険性を減少させ、ある形式の印刷を助ける、シー
ト材料の容易に得られる大きな円滑さも実際上は他の利
点である。さらに他の利点としては、シート材料が極め
て低い燃焼性を有することである。燃焼を生じさせな
く、一旦燃焼が生じても極めてゆっくり燃焼するもので
ある。

市販のポリオレフィンシートまたはフリースで行われ
て不成功に終わった広範囲初期実験の後に、残りの望ま
しい特性に悪影響を与えることなく、材料を被覆して加
熱溶着する問題に対する解決案が偶然に見出された。種
々の前述の態様によるようなアプリケータは、もし本明
細書の教示に従うならば、従来用いられていた保護成分
が存在しないときでさえ、液状水から特に金属燐化物に
基づく害虫駆除剤を保護しかつ以前達成されたものより
一層信頼性のある方法で害虫駆除剤および微細なダスト
の形状の使用された害虫駆除剤の残留物を保持する一般
的な目的を達成することができる。さらにこれらのアプ
リケータは、揮発性内容物またはそのような内容物から
の製品（例えばPH₃）が環状に解放される速度を予め設
定した方法で調節する新規な目的を達成する。

多分最も重要なことに、アプリケータの表面または表
面近くのホスファインガスの局所集積が実際の使用の際
以前得られる最良の先行技術の装置より極めて低いもの
である。この点に関して、新しいアプリケータは大きさ
の程度で優秀であることを証明した。この改良は全く予
想外のものであった。

本発明は、袋またはポケットが、例えば燐化アルミニ
ューム、燐化マグネシウム、燐化カルシウムまたはこれ
らの１つ以上の組合わせに基づく金属燐化物害虫駆除剤
を含むアプリケータを含むものであるが、燐化アルミニ
ュームおよび燐化マグネシウムが好ましい。

さらに、最初に、添加剤を全く必要とせず、特に液状
水に対して保護するように従来から使用されていた添加
剤なしに、これらの金属燐化物のいずれかをアプリケー
タ内で用いることが可能となった。このことは、技術的
な（テクニカル）燐化マグネシウム、すなわち、市販の
アプリケータに含まれるときでさえ、液状水との接触の
際の自動点火を困難にするように通常保護しただけの高
い反応性である物質に関して、可能となった。

したがって、本発明は、害虫駆除剤が燐化アルミニュ
ーム、燐化マグネシウム、燐化カルシウムまたはこれら
の組合わせに基づく実施例にも適用できる。

ポリオレフィンシートは所望のガス発生率を達成する
のに要するガスおよび蒸気透過性にしたがって選択され
る。このようにしてシート材料の透過性（透過率）の解
放として純粋にホスファイン発生速度（率）を制御する
ことが可能である。さらに、燻蒸環況中の周囲相対湿度
とは無関係にこのことを行うことが可能である。多孔性
の選択は温度よりも支配的な制御ファクタである。その
理由は、湿気が環況からアプリケータに入る速度を制御
する透過性が多孔性に依存する程高く温度に依存しない
からである。

要件に依存した異なった所定の速度でホスファインガ
スを解放するように設計したアプリケータを製造するこ
とがしたがって可能である。その理由は、ある場合に
は、ホスファインガスが比較的迅速に得られることが望
まれ、また他の場合には解放が比較的ゆっくりしている
ことが望ましいからである。

単に例示的ではあるが、湿気透過性（g/m²/24hとして
表される）は約50ないし2000の範囲で変化して極めて遅
い解放のために設計したアプリケータおよび比較的迅速
な解放のために設計されたアプリケータをカバーするも
のである。

約300ないし1000の透過率が平均的な場合に適したも
のであり、最も一般に設計した燻蒸の目的に対しては50
0ないし750、例えば約600ないし630の湿気透過性を持つ
材料が選択されてもよい。代表的なそのようなポリオレ
フィンフイルム材料（結合層の塗布前）は300および15
0、一般には約50ないし120、特に約60ないし90（例えば
75）の間の公称重量（g/m²として表される）を有する。

制御した方法でガス解放の速度を制限する他の方法
は、アプリケータに含まれる組成の単位当たりのシート
材料の有効なガス透過表面領域を制限することである。
このことは、例えば以下に記載するように達成されても
よい。

ａ）アプリケータを本発明のシート材料で部分的に（例
えば片側）を作り、残りの部分に対しては、例えば密度
のある熱可塑性箔（ホイル）のようなガスおよび蒸気透
過性をほとんどまたは全く有しない異なった適合しうる
シート材料で作ることである。

ｂ）ガス透過性表面領域の所定部分をほとんどまたは全
く透過性のないコーティングを被覆することである。

ガス解放の速度はガスおよび湿気に対して透過性の表
面領域に逆比例する。

ａ）場合、もし不透過性箔は不織ポリオレフィンの繊維
の融点より充分低い融点または融点範囲を有するなら
ば、特殊な結合層に対する必要性なしに２つの材料を加
熱溶着することを可能にする。このようにして不透過性
箔自体は結合層として働く。アプリケータは加熱溶着し
た溶着シームで互いに結合されて蒸気またはガスが解放
される物質を含むためのポケットを形成するシート材料
の少なくとも２つのシートを有し、層は加熱溶着性プラ
スチックシート材料の記載に定義されているような不織
ポリオレフィンシートの種類であり、他の層は前者の層
に溶着可能であり不織ポリオレフィンシートの融点より
充分低い融点または領域を有し後者の層は損傷を与える
ことなく前者の層を後者の層に加熱溶着可能とする適当
な熱可塑性箔またはフイルムから成るものであってもよ
い。本発明に関する本明細書の教示は残りのものに対し
て同様に適用できる。

アプリケータの内容物は必ずしも粉末形状である必要
はない。アプリケータは、例えばペレットまたはタブレ
ットのような粒子または圧縮した物体の形態をとること
もできる。後者の場合、アプリケータは米国特許第4,65
3,644号に記載されたような“ロープ”として知られる
装置の優秀な変形として用いられてもよい。その特許で
は、ほぼ球状のペレットが不織繊維（フリース）の小さ
いカップ状ポケットに個々に包まれている。実際のテス
トでは、これらのロープは、ダスト（塵）を解放する欠
点がある。もし本発明の加熱溶着シート材料が用いられ
るならば、一層優秀な製品が得られる。

本発明の範囲は、前述したアプリケータからホスファ
インガスを解放することによって商品、建物、包装手
段、例えば車両、船倉のような輸送手段または輸送容器
を殺菌し、殺菌を達成するのに有効な期間ホスファイン
ガスの濃度を維持することを特徴とする方法を含むもの
である。本発明のこの特徴は、品質または有効性を改良
するために、劣化に対して前述のような商品を保護する
方法として記載されることができる。

本発明の変形によると、前述のアプリケータは、加水
分解に依存しないが使用状態下で固有の蒸気圧に起因し
て殺菌性蒸気を解放するような他の適当な害虫駆除剤を
包囲し、環況に解放するために使用されうる。例として
はパラジクロロベンゼン（繊物ガを駆除するために使用
される）、適当なキャリア媒体またはナフタリンに吸収
したダースバンまたはジクロロボスがある。これらの詳
細は省略する。

さらに他の変形によると、アプリケータは、例えば空
気清浄物質、香気、虫または動物駆除剤のような、アプ
リケータ中に含まれる他の揮発性物質のゆっくりした解
放のために同様に用いられることができる。

次に図面を参照して、本発明を説明する。

最初に第１図を参照すると、蒸気透過性の、ほぼ無水
の不織布のシート１が断面で示されており、シートは熱
および圧力結合した微小ポリオレフィン繊維から成る不
織紙状ポリオレフィンシートであり、シートは蒸気およ
びガス透過性であるが、液状の水およびダスト（粉塵）
に対して不透過性であり、当然耐水性でありおよび高引
張および引裂強さを有する。例示の便宜上、このシート
材料は商標“TYVEK"コードナンバー形式1073Dでデュポ
ン デ ネマーズによって製造され販売されている製品
であると仮定する。

材料は約75g/m²の質量、約200ミクロンの厚み、614g/
m²/24hの公称透過性（MVT）を有する。エルメンドルフ
によるその引張抵抗は545/500（ASTM Ｄ 689−62）gN
D/XDである。その引裂強さ（ASTM Ｄ 828−60）は7.5
/8.8kg/cmMD/XDである。破断に対するその伸び（DIN538
57）は26/32％MD/XDである。材料は23秒の空気透過性
（ガーリーヒル）を有する。非加圧液状水はシート材料
に浸透しない。材料は滑らかな表面仕上げを有する。0.
005mmの個々の厚みを持つ繊維の融点は約135℃である。

シート材料１は多孔性コーティング２を支持してお
り、コーティングは、いわゆるリバースコーティングの
方法によって約30g/m²の平均速度で塗布された融点75な
いし80℃のEVAから成る粗面仕上げを有し、この方法で
は、EVA粉末が最初一時的な支持体上に散布被覆され支
持体上に融着して多孔性融着層を形成し、次に多孔性融
着層が、その多孔性を保持しながら、溶融したポリオレ
フィンシートに移送されて、結合される。図面はこのコ
ーティングの粗仕上げを概略的に示しており、粉末粒子
は、完全に互いに融着されていない程度までしか融着さ
れず、中間にほぼ開口した孔領域３を持つ個々の鳥膚状
の突出部を形成する。EVAコーティングはシートの片側
だけにしか存在せずその多孔性はシートのガスおよび蒸
気の透過性を実質的に干渉しない程度に高い。

第２図を参照するに、第１図のシートに対応する２つ
のシート１′および１″から成る多数の袋が断面で示さ
れており、２つのシートの被覆された側が互いに向き合
っている。

平面図の第３図においてさらに詳細に示すように、シ
ート材料１、２の２つの層は縦方向の密着シーム線３、
４およびに沿って、および横方向の加熱溶着シーム線６
に沿って加熱溶着されて２つの平行な縦方向の列の袋状
ポケット７を形成し、各ポケットは添加剤を持ち、また
は持たない燐化アルミニュームまたは燐化マグネシウム
の計測した量を含んでいる。溶着シーム線３および５は
ベルト状装置の２つの側を形成し、一方縦方向のシーム
４は中央に配置されている。溶着シーム線は熱可塑性プ
ラスチックフイルム中に商品を連続包装するための機械
で用いられるような加熱溶着手段によって形成される。
EVAの溶融を生じさせるのに充分なだけ高いが、シート
１（１′、１″）の繊維を溶融を生じさせるほど高くな
い温度における圧力下のそのような溶着は第２図に示す
溶着シーム線に沿って２つのシートの完全な結合を生じ
させる。

各キャビティの内部の害虫駆除剤の内容物８に関して
は、米国特許第4,597,218号および第4,215,508号および
PCT出願WO−Ａ−80/00119（ZA−PS79/2263に対応する）
並びに他の国の対応特許の教示を参照されたい。前述の
理由から、金属燐化物の組成物の添加剤を完全になく
し、その代わり無添加のまたはほぼ無添加の金属燐化物
の粉末または粒子、特に技術的燐化マグネシウムまたは
燐化アルミニューム（この用詰の意味は害虫駆除剤でよ
く知られている）を使用することができる。それにもか
かわらず、周知の方法で詳細には米国特許第4,421,742
号および第4,600,589号に記載のように、例えば１ない
し５％の例えば３％の固体パラフィンまたは有機シリコ
ン化合物のような最少量の撥水性剤で金属燐化物を含浸
させることが好ましい。特にこの理由は、このことが製
品をアプリケータ中に密封する製造段階中の保護を与え
るからである。金属燐化物の量は、各ポケット、すなわ
ち袋に対して、５および15gの間の有効な（すなわち、
解放可能な）ホスファイン（燐化水素）が与えられるよ
うに選ばれる。なお、11.32gの有効ホスファインが袋内
の燐化アルミニュームに対して標準である。

任意に、個々の袋が互いに個々のキャビティを分離し
ている各溶着シームの中央を通る切断線９に沿って切断
されて分離されてもよい。この形状では、個々の袋が形
成され、貯蔵または輸送のために、個々にまたは所定数
毎に気密容器に詰められる。このようにして、包装が開
かれ、袋が燻蒸アプリケータとして使用されるために取
出されるまで、金属燐化物に対する湿気の接近が防止さ
れる。

しかし、第３図、第４図および第５図に示すように、
本発明のアプリケータ手段は、図示の例におけるように
２つの平行な列の相互接続した袋、例えば100個の袋か
ら成る所定の長さのベルト形状で存在し、アプリケータ
手段は、使用するまで、気密容器中に巻かれたまたは折
りたたんだ状態で貯蔵される。

第５図を参照すると、第２図および第３図を参照して
記載したような多数の袋が側面図で示されている。領域
10は害虫駆除剤で充填された個々の袋のポケットを分離
する横方向溶着シーム６を表している。強く、比較的耐
引裂性の領域である最後の溶着シームには、例えば孔15
を通る糸によってアプリケータに取付けるための孔15が
設けられている。任意に、孔15は金属製またはプラスチ
ック製アイレットで補強されてもよい。多数袋のベルト
装置は気密容器16中に折りたたみ式に折られて詰められ
る。折りたたみ目は個々の袋のポケット間の横方向溶着
シーム10と一致している。第５図において、容器16は片
側18が開いており、その開口を通して装置が矢印の方向
に引出される。

第４図を参照するに、他の実施例の多数袋のベルト装
置19が示されており、それは溶着シーム10（第２図およ
び第３図の溶着シーム６に対応する）を介して相互接続
された多数の例えば100個の袋20から成り、気密ブリキ
缶21内に巻かれて収納された連続ベルト状装置を形成す
る。再び、装置の一端は第５図に示すような固定糸が設
けられている。

テストにおいて、新しいアプリケータ手段は、燻蒸剤
で処理される食物または飼料のような環況に少量の毒性
ダストが入る危険を実際上なくすのに強く完全に耐ダス
ト性であることを証明した。このため、本発明のアプリ
ケータ手段（袋またはベルト）は、中間の紙袋、カート
ン、または同様な仕切り手段に対する先行技術における
ような必要性なしに、影響を受ける製品、例えば小麦
粉、ロールオートムギ、幼児用食物、ドライフルーツ、
ナッツおよびタバコに直接接融できる。偶然に商品の内
に残された袋は、商品が再貯蔵または輸送のために移送
されるとき、先行技術の袋ではしばしば起こったような
引き裂かれて開封されることはほとんど生じない。

本発明の袋（第３図）のガス発生特性は、第６図にお
いて従来の紙製袋のガス発生特性と比較された。使用さ
れた技術的燐化アルミニュームはガス発生特性に影響を
与えるような方法では処理されなかった。70％W/Wの技
術的燐化アルミニューム粉末および30％の不活性成分の
従来の混合物が用いられた、袋は、70％の相対湿度およ
び20℃において気密テスト室（0.5m³）内でテストされ
た。

本発明の袋からのガスの発生は、極めて均一で、有効
なPH₃の内容物が排出されるとき７日間までほとんど直
線パターンにしたがった。

図面の第７図および第８図を参照するに、これらの袋
の各々の片側は各場合に第１図を参照して記載したシー
トによって形成され（同一の参照数字は同一の意味を有
する）、一方袋の反対側は異なったシート材料で形成さ
れた。２つのシートは袋の縁に沿って６示すように加熱
溶着されている。第７図の場合、この異なったシート材
料31は実質的にガス不透過性材料であり、例えばポリオ
レフィン−アルミニューム箔ラミネート（積層板）また
はほぼ気密のポリエチレンの多数のラミネートのいずれ
であるか、または一層気密な合成樹脂、例えばポリ塩化
ビニリデン（PVDC）である。したがって、第７図の袋
は、両側が同一のシート１、２、３から成る場合に湿気
が入る速度の約半分の速度で、粉末また粒子状（多数の
点８で概略的に示す）金属燐化物組成を含む内部７に湿
気を入れる。したがって、この場合、ホスフィンガス
は、第２図で示す袋の場合に生じる速度のほぼ半分で発
生され解放される。

特に第８図を参照するに、第二シート１″′が、散布
被覆した多孔性層３なしで、第一層の場合と同様な不織
布紙状ポリオレフィンシートで構成されている。その代
わり、シート１″′の部分32が、これらの部分に湿気が
接近するのを防止する融着EVA粉末の高濃度コーティン
グで被覆されている。このことは、湿気の接近が片側で
はシート１の表面領域および第二シートの未被覆部分33
に制限され、湿気の侵入速度に比例するホスファインガ
ス発生の速度となることを意味する。

次に、第９図を参照するに、袋の１つの側が散布被覆
した多孔性層２、３のない、第８図に示すようなシート
１″′から成り、他の側が高濃度のガスおよび湿気不透
過シート材料31から形成されたものが示されており、シ
ート材料31は第７図および第８図に示すようなシーム６
に沿ってシート１″′に対して加熱溶着されて、害虫駆
除剤で充填される袋のキャビティ７を形成している。シ
ート１″′に面するシート材料の少なくとも側はシート
材料１″′の繊維の溶融領域より低い融点の溶融領域を
有し、シート１″′のポリオレフィン繊維を融着するこ
となしに加熱溶着を可能としている。他の方法として
は、適当な溶融接着層が、例えば後述する第11図に示す
ような加熱溶着の前に溶着シーム６の位置に塗布されて
もよい。湿気が害虫駆除剤８に侵入しホスファインガス
が発生される速度は、第７図を参照して記載した袋の速
度とほぼ同様である。

次に第10図を参照すると、第７図、第８図および第９
図を参照して記載した袋の実施例のさらに他の変形が示
されている。この場合、袋の片側３は再びガスおよび湿
気不透過性シート材料31から成る。第二の側は、同一の
ガスおよび湿気不透過性シート材料のストリップ31′で
部分的に構成され、第１図を参照して記載したシート材
料１、２、３のガスおよび湿気透過性ストリップ35によ
って被覆されるギャップ34を残している。このストリッ
プ35はオーバーラップした領域内でストリップ31′の縁
に加熱溶着されている。袋の縁は前述のすべての実施例
と同様に６において加熱溶着されている。もし、ストリ
ップ31′が、接着材料２の必要性なしに、ストリップ35
にそれ自体加熱溶着性であるならば、接着層２、３は省
略してもよい。他の方法としては、接着材料がオーバー
ラップ領域に制限されてもよい。この実施例において
は、湿気の侵入は領域34にほぼ制限され、その領域内の
材料１、２、３の透過性によって制限される。したがっ
て、領域34の寸法は害虫駆除剤８がホスファインガスを
発生し燻蒸すべき環況にガスを解放する速度を制限す
る。第10図による実施例は種々の方法で変形できる。ス
トリップ35は図示のように必ずしも対称に配置される必
要はなく、その代わり、単一のストリップ31だけがあっ
てもよく、同時に第二のストリップ31″に置き換える単
一のストリップ35があってもよい。また、シーム６に沿
ってシート31に加熱溶着したストリップ31′に代えて、
ストリップ31′がストリップ31の縁を越えて折られるこ
とによって形成されてもよい。

次に、第11図を参照するに、本発明のアプリケータ装
置の他の実施例が示されており、ここでは袋の両側が例
えば第９図で示されたような未被覆不織ポリオレフィン
シート１″′から構成されている。しかし、この場合、
縁シーム６が形成されるべき溶着領域は層１″′の繊維
の融点より低い融点を有する例えばEVAの接着層36で被
覆されている。第11図の右側の側では接着層36は６にお
いて既に融着されており、一方左側の側では２つの接着
層が矢印37で示すように押圧されて加熱溶着されようと
している。

前述のすべての実施例と同様にこの実施例において、
キャビティには、例えば粉末または粒子状の金属燐化物
組成で充填されてもよい。しかしながら、この実施例ば
かりでなく前述のすべての実施例も他の目的のために使
用できる。図示の場合、キャビティ７は、例えばナフタ
リンのような従来のモスボール（虫より玉）38を含んで
いる。袋はモス（ガ）に対して保護すべき衣類にナフタ
リンの直接接触を防止するように働く。袋は、ナフタリ
ンが環況に解放される速度を制御する。この実施例ばか
りでなく前述のすべての実施例の袋では、モスボール38
の揮発性の徐々に解放される害虫駆除剤を含む異なった
本体によって置換えられることもできる。しかしなが
ら、これらの実施例の使用は害虫駆除剤に限定されるも
のではない。エアフレッシュナー物質または芳香解放物
質が含まれてもよい。その他、袋は、例えば乾燥剤また
は包装器に含まれている間ホスファインを解放する害虫
駆除剤から前もって解放されたホスファインガスを無害
にする吸収剤のような環況からガスまたは蒸気を吸収す
る物質が充填されてもよい。そのような組成は知られて
おり、詳細は省略する。

図面の第12図ないし第16図を特に参照するに、本発明
のベルト状アプリケータ装置の特定の実施例が示されて
おり、この実施例においては、高引張強さのシート材料
が特に有効な方法で利用されている。これは第２図ない
し第５図を参照して記載した実施例の変形であるが、好
ましくないとしても第７図ないし第11図を参照して記載
した種々の方法で変形できる。第２図および第３図と比
較した主要な相違点の１つは、可撓ヒンジ領域によって
相互接続した多数の袋から成るこのベルト状装置が比較
的細い形状であり、端と端とが接続された単一列の袋が
設けられており、個々の袋の形状が比較的細く、２つの
比較的短い側がヒンジ領域に接合されており、比較的長
い２つの側がアプリケータの側縁39と一致していること
である。その理由は、このベルト状装置40が積重ねられ
た商品の支持表面、頂部または頂部近くに平らに置かれ
ることを意図していないためである。その代わり、第12
図ないし第16図の実施例は、ロッド状の長い挿入プロー
ブによって穀物のような積重ねた商品中にできるだけ深
く押し込むことを意図したものである。前述の先行技術
で提案されたフリース材料を用いてそのようなアプリケ
ータを製造する過去の試みは全く成功しなかった。その
理由は、フリース材料は不充分な引裂強さしか持たず、
ときには包装容器中にあるときでさえ袋が解放してしま
うからである。さらに先行技術の粗面の材料は、穀物お
よび同様な積重ねた商品中に装置を押し込むとき、摩擦
抵抗を増加した。これらの問題は本発明によって克服さ
れたものである。代表的な例においては、ベルト40の全
長は3080mmである。ベルト40は第１図を参照して説明し
た材料の２つの層40′および40″から基本的に構成され
ており、２つの層は、縦方向の溶着シーム45および46に
よって縁39に沿って縦方向に溶着されており、例えば約
5mmの狭いギャップ45によって分離した横方向の対の溶
着シーム44および44′によって（代表的な例として）22
個の袋47に細分割されている。

代表的な実施例において、シームは8mmの巾であり、
ベルトの全体と巾は70mmであり各袋の長さはシームを含
んで140mmである。２つの端の袋は空であり、残りには
代表的な例として以下の例１に記載する組成の25グラム
の害虫駆除剤が充填されている。

底部端（第12図および第13図）において、ベルトの空
の端の袋は41で折りたたまれてスチールで作られた強力
なつり輪装置42を収容するループを形成している。リー
プ41は強力なアイレット装置43によって閉じられてい
る。他の方法としては、好ましいとしても前述のものよ
り劣るが、このことは、溶着接合層が本発明で示すよう
設けられるならば、溶着によって行われてもよい。

領域48中の装置の頂部端において（第15図および第16
図）、強力なプラスチック繊維のループ49が解放端の空
の端の袋の層40′および40″の間に挿入され、適所に置
かれて他のアイレット50によって２つの層間に強く保持
される。再び、溶着が用いられてもよい。

完全な装置は、第４図に示すように巻取られ、第４図
のブリキ缶21に密封される。実際には、貯蔵および出荷
のために密封したガスおよび湿気気密の１つのこのよう
なブリキ缶に数個、例えば４個のベルト装置が収容され
てもよい。他の方法としては、ベルト装置は第５図に示
すように折りたたまれて包装されてもよい。

テストは、シート材料40′、40″の滑らかな表面およ
び装置の大きな強度の結果として、ロッド状プローブの
端がつり輪42に掛けられてロッド状プローブによってベ
ルトの全長にわたって穀物中に垂直にベルトを押し込む
ことが可能であり、このことが例えば船底中のかなりの
高さの積重ねられた穀物にわたって改良した垂直方向の
ガス分布を保証することを示した。ループ49は燻蒸の完
了後のアプリケータ装置の取出すためのものである。こ
の装置の実際の線量率は、穀物の0.7gないし28gPH₃/ト
ンの範囲であり（すなわち６−238トンに対して１個の
ベルト）、好ましいは３−11g/トンであり（すなわち15
ないし55トンに対して１個のベルト）、さらに好ましく
は約4gPH₃/トン（すなわち42gトンに対して１個のベル
ト）であり、ここで１個のベルトは約167gの有効PH₃を
含む約500gの調剤を含む。

例１ 第２図を参照して記載した袋の各々に、次の組成を有
する34グラムの標準の燐化アルミニューム害虫駆除剤の
粉末混合体が充填されている。すなわち、70％技術的A1
P、18.5％尿素、燐酸第一アンモニウムおよび炭酸ナト
リウム（1:1）の7.5％の混合体および４％ステアリン酸
アルミニュームである。

各袋の寸法はほぼ約100×90mmである。

比較のために、同一の燐化アルミニューム組成を含む
同様な寸法（100×80mm）の先行技術の紙製袋が準備さ
れ、同一の組成を有する同一量の粉末を含む100×90mm
（先行技術と同様）のポリエステルフリース袋が準備さ
れた。

これらの袋は、湿気を維持するために水が充填された
皿を含み、20℃の一定の温度に維持された容積0.5m³を
有する研究室のガス室でテストされた。

種々の時点でガス室のホスファイン濃度が測定され
た。この結果は別表の表１から明らかである。

実験の終了後の燐化アルミニュームの残留内容物は次
の通りである。

紙製袋および先行技術のポリエステルフリース製の場
合にはそれぞれ3.4％A1Pおよび3.2％A1Pであり、本発明
の袋の場合2.6％A1Pであった。本発明の袋の内容物のこ
の優秀な、一層完全な分解が一貫して観察された。この
優秀な結果の理由は明らかでないが、本発明の予想外の
利点である。

本発明の袋からのガス放出率は一層緩やかであり、害
虫駆除の目的に対しては望ましい効果である。

例２ 第２図にしたがって作られた袋ブランケットおよび先
行技術のポリエステルフリースから作られた同様な袋ブ
ランケットが700トンの小麦粉を含む穀物貯蔵庫の燻蒸
中に並べられて用いられた。別表の表２は、穀物のトン
当たり27グラムの有効ホスファインの割合で害虫駆除剤
を適用したときであり、濃度測定がブランケットと直接
接触しておよび穀物中のブランケットの上方の8cmのレ
ベルに対して行われたときの異なった燻蒸露呈時間にお
ける代表的なホスファイン濃度測定を表す。（トン当た
り2.5のポケットであり、各ポケットは例１と同様に34g
A1P混合体を含み、すべてで18個の袋ブランケットであ
る）。これはある国の従来の線量率である。袋ブランケ
ットは約20cmの穀物で被覆された。全体の穀物の積重ね
は気密プラスチック箔で被覆された。

表２は、本発明のアプリケータからの一層緩やかなホ
スファインの解放を反影しており、袋ブランケットの表
面上または接近した過度の濃度が避けられ、穀物にわた
るホスファインガスの分布は一層均一である。

例３ 図面の第10図を参照して記載したような３種類の袋が
準備されてテストされた。袋は寸法:100×90mmを有し、
第10図を参照して記載したようにシート材料のストリッ
プ35は次の寸法を有した。

ａ）1cm×9cm、 ｂ）2cm×9cm、および ｃ）3cm×9cm 各袋は３％の固体パラフィンで含浸された24gの技術
的燐化マグネシウムで充填された。袋は次の条件下で湿
気を含んだ空気に露呈された。ガス室の容積は0.5m³で
あった。室は適当な湿気を与えるために水の皿を含み、
空気は20℃の一定温度に維持された。燐化マグネシウム
は、完全な分解後15300ppmの最終ガス濃度を発生するの
に充分であった。しかしながら、テストは144時間後に
止められた。ガス室に対するホスファインの解放速度は
別表の表３から明らかである。

ガス解放はガス透過ストリップの表面積にほぼ比例し
た。

例４ 第２図を参照して記載した本発明の袋、先行技術の紙
製袋（ミシン縫いシームを持つ）および先行技術のポリ
エステルフリース袋（すべての袋は同一寸法である）に
撥水剤としての３％固体パラフィンで含浸した24gの技
術的燐化マグネシウムが充填された。

袋は不良処置の場合における安全性を決定するための
次のテストを受けた。

1.点滴実験 各サンプルの２つの袋がシート金属容器（200×150×
50mm）に置かれたが半分だけ重ねられた。70℃の水が１
時間滴下じょうご（１秒当たり１滴）によって特に滴下
された。実験は35℃の空気温度において行われた。

2.スプレー実験 袋を含むシート金属容器が実験１と同様に用いられ
た。10mlの水がスプレーフラスコによって袋にスプレー
（噴射）された。15分後、さらに10mlの水が袋にスプレ
ーされた。この工程が１時間繰返された。

3.ブリキ缶実験 ３個の袋がブリキ缶21に置かれ、70℃の100mlの水が
袋にかけられた。缶は４時間放置された。

4.浴実験 袋は個々に金属皿に置かれて、袋の頂部が水面より少
なくとも5mm下になるように多量の水がかけられた。皿
は４時間放置された。

5.浸せきテスト 800mlのガラスビーカーが水で充填された。テスト用
袋が５ないし10秒間水中に浸せきされ、水を除去するよ
うに振られた。その後袋は４時間横にされて放置され
た。

6.粉末実験 15gの粉末混合体が細い形状の150mlのガラスビーカー
に導入された。ビーカーは空気槽内で50℃の温度まで加
熱された。35℃の温度に達したとき、5mlの水がピペッ
トを介して加えられた。ビーカーは１時間放置された。

損傷を受けない本発明の袋を除いて、すべての袋は点
火した。粉末実験において点火が予想したように生じ
た。

例５ 穀物が平均して約10℃高い温度でかつ穀物のトン当た
り68gの組成の線量率を用いて例２と同様に燻蒸され
た。１つの実験においては本発明の袋ブランケットが例
２と同様に用いられた。比較テストにおいては、組成が
紙製袋に準備され、従来の袋ブランケットに包囲された
従来の袋ブランケットが用いられた。

袋ブランケットから15cmの距離にある穀物中で測定し
たPH₃（ppm）の濃度は別表の表４に示されている。

本発明によるホスファイン発生が一層均一に調節され
ることが再び明らかであり、効果が長時間にわたって穀
物中にガスを一層均一に分布させる際著しい。

例６ 先行技術に関する物理特性の比較 本発明で使用されたフリースの水蒸気透過性が300な
いし1000g/m²/24h、好ましくは500ないし750g/m²/24/h
の範囲に選ばれた。特に適していると見出された不織ポ
リオレフィンフリース（Tyvek）の市販の品質は614−69
4g/m²/24h（すなわち丸めると600−700）の水蒸気透過
性を有していた。これらの水蒸気透過性は、平均厚み20
−40μｍのEVAで散布被覆することによって著しく影響
を受けない。予めテストされた最良の先行技術の材料の
水蒸気透過性は２倍の大きさがあった。すなわち 紙製袋:1270g/m²/24h ポリエステル湿潤フリース:1251g/m²/24h ポリオレフィン湿潤フリース:1260g/m²/24h 0.14ないし0.25mmの厚み（平均）を有する適当な市販
のポイオレフィンフリース材料の引裂強さは、すべての
方向に4.6ないし11.6N/mmの範囲であった。これらの材
料の１つを除いてすべては５よりも大きいものであっ
た。このことは最良の先行技術の紙製袋に対して対照的
である。すなわち4.1N/mmであり、前述の先行技術のフ
リースは２−2.5N/mmである。

さらに重要なことは、先行技術の材料と比較して不織
ポリオレフィンフリースの場合には極めて優秀であるオ
ンワード引裂特性である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の溶着可能なシート材料の一部の概略
断面図である。 第２図は、第１図に示すシート材料から作られた本発明
の燻蒸アプリケータ装置の断面図であり、第３図の線２
−２に沿う断面図である。 第３図は、アプリケータ装置の縮尺した平面図である。 第４図は、燻蒸アプリケータとして使用される本発明の
多数の袋装置の他の実施例を含むブリキ缶（蓋除去）の
平面図である。 第５図は、包装から引出される過程の本発明の多数の袋
のベルトの実施例を縮尺して示す概略側面図である。 第６図は、各袋が11、32g有効PH₃を持つ技術的燐化アル
ミニュームを含む場合の従来の紙製袋および本発明の袋
から得られるガス解放曲線を示すグラフである。 第７図から第11図までは本発明の燻蒸アプリケータの種
々の実施例の第２図と同様な断面図であり、第７図、第
８図ないし第10図は第１図に示すシート材料が部分的に
用いるものを示すものである。 第12図および第13図は、本発明のベルト状アプリケータ
装置の底部の正面図および側面図である。 第14図は、ベルト状アプリケータの中間部分の第12図の
面と平行な面内にある正面図である。 第15図および第16図は、ベルト状アプリケータの頂部
の、第12図および第13図と同様な正面図および側面図で
ある。 １……シート、 ２……多孔性コーティング、 ３、４、５、６……シーム線、 ７……ポケット（キャビティ）、 ８……害虫駆除剤、 15……孔、 16……気密容器、 20……袋、 31……シート材料、 35……ストリップ、 40……ベルト、 43……アイレット、 50……アイレット。

Claims (29)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】加水分解可能な害虫駆除剤からガス状害虫
   駆除剤を環境に開放する発散装置であって、前記発散装
   置は、害虫駆除を保持し、一つ以上のフリースの材料を
   一緒に結合することによって、ポケットまたは複数のポ
   ケットの壁として役立つ１以上のフリースの材料から形
   成された１以上のポケットを有し、少なくとも一つのフ
   リースの材料は、水蒸気及びガスを透過可能であり、水
   蒸気及びガス透過壁又はポケットの一部を形成する発散
   装置において、 前記少なくとも一つのフリースの材料は水蒸気が発散装
   置に入る速度を所定速度とし、フリースの材料の面積及
   び水蒸気透過率の組み合わせは、ポケットの内部への水
   蒸気の出入りを抑制することによって、加水分解可能な
   害虫駆除剤の加水分解の速度を制御するように選択され
   ることを特徴とする発散装置。
2. 【請求項２】前記フリースの材料は、合成繊維の不織布
   であり、2000g/m²/24h（ASTM E96）以下の水蒸気透過
   率を有するように選択されることを特徴とする請求項１
   に記載の発散装置。
3. 【請求項３】ポケット又は複数のポケットは、加水分解
   可能な金属リン化物害虫駆除剤を含むことを特徴とする
   請求項１または２に記載の発散装置。
4. 【請求項４】上記フリース材料は、スパン結合されたポ
   リオレフィンシート又は熱及び圧力で結合された微小ポ
   リオレフィン繊維からなるフリースであり、シートは蒸
   気及びガス透過性であるが、液状水及びダストに対して
   は不透過性であり、通常は、耐水性、及び4.6n/mm（AST
   M D823−60）以上の引張強さを有し、かつ、2000g/m²/
   24h（ASTM E96）以下の水蒸気透過率を有するように選
   択されることを特徴とする請求項１から３の内の一つに
   記載の発散装置。
5. 【請求項５】上記フリース材料の水蒸気透過率は、50か
   ら1000g/m²/24h（ASTM E96）であることを特徴とする
   請求項１から４の内の一つに記載の発散装置。
6. 【請求項６】上記フリース水蒸気透過率は、300から100
   0g/m²/24h（ASTM E96）であることを特徴とする請求項
   １から４の内の一つに記載の発散装置。
7. 【請求項７】ポリオレフィンフリース材料の水蒸気透過
   率は、500から750g/m²/24h（ASTM E96）であることを
   特徴とする請求項１から４の内の一つに記載の発散装
   置。
8. 【請求項８】上記ポケット又は複数のポケットの壁の表
   面領域の一部だけが、2000g/m²/24h（ASTM E96）以下
   の水蒸気透過率を有し、残りの部分は水蒸気に対し実質
   上不透過性であることを特徴とする請求項１から７の内
   の一つに記載の発散装置。
9. 【請求項９】利用可能な水蒸気透過性の表面領域は、水
   蒸気及びガスに対し透過性を有し水蒸気を発散装置に所
   定の速度で入れるフリース材料によって、壁を部分的に
   作ることによって制限され、残りの部分は、水蒸気及び
   ガスに対し透過性を有せず、異なるが互換性のあるシー
   ト材料で形成し、さらに、利用可能な水蒸気透過性の表
   面領域は実質上透過性のないコーティングによって水蒸
   気透過性表面領域の所定の部分を被覆することによって
   制限されることを特徴とする請求項８に記載の発散装
   置。
10. 【請求項１０】上記壁は、前記フリース材料の一方側又
    は一部で作られることを特徴とする請求項９に記載の発
    散装置。
11. 【請求項１１】上記水蒸気及びガスに対し透過性を有せ
    ず、異なるが互換性のあるシート材料は、緻密な熱可塑
    性箔であることを特徴とする請求項９又は10に記載の発
    散装置。
12. 【請求項１２】上記ポケットを形成するために、加熱溶
    着された溶着シームで一緒に結合されたシート材料の少
    なくとも二つのフリースを有し、一つのフリースは、熱
    及び圧力で結合された微小ポリオレフィン繊維からなり
    スパン結合された紙状ポリオレフィンフリースからな
    り、そのフリースは、蒸気及びガスに透過性であるが、
    液状水及びダストに対して不透過性であり、通常は、耐
    水性、4.6n/mm（ASTM D823−60）以上の引張強さを有
    し、他のフリースは、前者のフリースに溶着可能であ
    り、スパン結合されたポリオレフィンフリースの融点よ
    りも十分低い融点を有し、実質的に後者のフリースに損
    傷を与えることなく及び結合層を加えることなく、前者
    のフリースを後者のフリースに溶着できる適当な熱可塑
    性箔又はフィルムからなることを特徴とする請求項１、
    ２、８の内の一つに記載の発散装置。
13. 【請求項１３】上記発散装置は、個々の袋の形態である
    ことを特徴とする請求項１から12の内の一つに記載の発
    散装置。
14. 【請求項１４】上記発散装置が、複数の袋を平らな複合
    構造となるように可撓性を持って結合し、貯蔵及び搬送
    のためにコンサーテイーナ状に折り畳まれていることを
    ことを特徴とする請求項１から12の内の一つに記載の発
    散装置。
15. 【請求項１５】上記フリースは、各々直径約0.005mmの
    微細なポリエチレン繊維を紡績し、ランダムな網として
    包含し、次いで加熱及び圧力によって一緒に結合される
    ことによって形成され、集約式紡績及び結合処理によっ
    て100％の高密度ポリエチレン繊維で作られるポリオレ
    フィンフリースであることを特徴とする請求項１から14
    の内の一つに記載の発散装置。
16. 【請求項１６】上記ポリオレフィンフリースの融点は約
    135℃であることを特徴とする請求項15に記載の発散装
    置。
17. 【請求項１７】上記発散装置は、ベルトの形態であり、
    ベルトはベルトのヒンジ状可撓性領域によって端と端と
    が連結された複数の袋又はポケットを有し、ベルトの一
    方端は折り畳まれて固定されてループを形成し、ループ
    はベルトを、大量商品に送入するための鎧状装置を収容
    し、ベルトの他方端はベルトを引き抜くためのループ装
    置を有することを特徴とする請求項１、２、８の内の一
    つに記載の発散装置。
18. 【請求項１８】上記フリースは、少なくとも加熱溶着さ
    れるべき領域内及び側で熱可塑性の高多孔性の加熱溶融
    結合層に被覆され、上記加熱溶融結合層は上記フリース
    の繊維の融点より低い融点を有し、加熱及び圧力による
    溶着が、繊維の物理的特性が実質的に保持されるよう
    に、繊維が融点に達する前に、溶着シームを生じさせる
    ことを特徴とする請求項１から17の内の一つに記載の発
    散装置。
19. 【請求項１９】一方の側の全体が高多孔性の結合層で被
    覆され、該結合層のガス及び水蒸気透過率がポリオレフ
    ィンフリースのガス及び水蒸気透過率の十倍以上大きい
    ことを特徴とする請求項18に記載の発散装置。
20. 【請求項２０】繊維と結合層の融点の差が、20℃以上で
    あることを特徴とする請求項18又は19に記載の発散装
    置。
21. 【請求項２１】上記差は、30℃から80℃であることを特
    徴とする請求項20に記載の発散装置。
22. 【請求項２２】上記結合層は、粉末形態の結合材料を支
    持表面に散布し、高多孔性を保持するように支持表面上
    に材料を融着することによって塗布されることを特徴と
    することを特徴とする請求項18から21の内の一つに記載
    の発散装置。
23. 【請求項２３】上記粉末は、フリースに直接散布被覆さ
    れ、フリースの繊維の融点以下の温度で融着されること
    を特徴とする請求項22に記載の発散装置。
24. 【請求項２４】上記結合材料が、リバースコーテイング
    によって塗布されることを特徴とする請求項22に記載の
    発散装置。
25. 【請求項２５】上記結合層の量は、10から50g/m³である
    ことを特徴とする請求項18から24の内の一つに記載の発
    散装置。
26. 【請求項２６】上記結合層の材料は、エチレンビニルア
    セテートポリマー又はポリエチレンであることを特徴と
    する請求項18から25の内の一つに記載の発散装置。
27. 【請求項２７】上記害虫駆除剤は、燐化アルミニュウ
    ム、燐化マグネシュウム、又はこれらの一つ以上の組み
    合わせに基づくものでさることを特徴とする請求項１か
    ら26の内の一つに記載の発散装置。
28. 【請求項２８】少なくとも一部が水蒸気を透過可能なフ
    リース材料で作られたポケット又は複数のポケットを有
    する発散装置に密閉された加水分解可能な害虫駆除剤
    を、害虫駆除の加水分解と毒性ガスの燻蒸すべき環境へ
    の又は環境の方へ開放を引き起こす湿気にさらす燻蒸方
    法において、 加水分解と毒性ガスの開放の速度は、加水分解可能な害
    虫駆除剤への湿気の出入りを制限するように、フリース
    材料の水蒸気透過率及び水蒸気透過表面積を選択するこ
    とによって制限されることを特徴とする燻蒸方法。
29. 【請求項２９】上記害虫駆除剤は、有効成分として加水
    分解可能な金属燐化物を有し、水蒸気透過フリース材料
    は、50から2000g/m²/24h（ASTM E96）の範囲で選択さ
    れる水蒸気透過率と、ポケット当たり９から180cm²の範
    囲から選択される表面積を有する合成繊維の不織布であ
    り、金属燐化物加水分解の量と反応性に関して、達成さ
    れる金属燐化物加水分解速度が、金属燐化物が湿気に自
    由に晒されるときの速度に比べて減少するように、上記
    水蒸気透過率及び上記表面積が組み合わされることを特
    徴とする請求項28に記載の燻蒸方法。