JPH0378989B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、デニツシユペストリーやアツプルパ
イ、ピザパイ等の製造において、その構成材料と
してパン生地、ジヤム等のいわゆる異種材料の組
合せや、包み込みによる複合食品を連続的に製造
するに当たり、品質の均一な複合食品を製造する
方法およびその装置に関するものであり、供給さ
れる複数の材料のそれぞれの量の比率を把握する
ことによつて、その製品の品質を管理する方法お
よびその装置に関する。

（従来の技術） 従来、幾種類かの材料を組合せて成形調理加工
した食品において、例えば、あんばん、アツプル
パイ、デニツシユペストリー、ピザパイ等のいわ
ゆる複合食品の品質の特に味の管理に関する条件
は、それぞれ構成する材料の各単独の品質にだけ
左右されるのではなく、複合される材料の量的比
率が極めて重要な項目となつている。

従来は、単に供給量を合計した記録に止まつて
おり、本発明のように製品の味の品質を判定する
目的に利用するものではなかつた。また、複合食
品の味の管理においては、幾つかの複合工程を経
て最終的に小分割されて製品化された場合、その
一個一個の中における構成材料の比率を完成後に
能率的に検査する方法はなく、単に一個一個の総
重量を測定して、合格、不合格を判定しているに
すぎなかつた。すなわち、味の管理を行う手段が
なく、単に重さの管理を行つているにすぎなかつ
たのである。

例えば、アツプルパイの生産においては、パイ
生地の連続供給と、この生地の連続的な延展、お
よびアツプルジヤムを延展されたパイ生地上に連
続的にあるいは間欠的に供給載置し、次ぎに包み
込み形状とし、さらに、これを一個一個切断分離
してでき上がるが、パイ生地供給時およびアツプ
ルジヤムの供給時の供給量の不揃いは、たちまち
品質のバラツキを引き起こし、味の不良品を作り
出してしまう。

従来、この際の品質検査は、完成品の一個一個
の重量の測定を行い、量目の不足のものを不良品
としていたが、組合わされたパイ生地とアツプル
ジヤムの比率を測定する方法はなく、全く行われ
ていないことになる。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明の目的は、前記した従来技術の欠陥を補
つた品質管理を伴う製造方法およびその装置を提
供することにある。

すなわち、連続製造システムにおいて、製造工
程中に連続的に品質管理を行い、均一化された製
品を提供すること、また、製造中に不良品の発生
を知つた場合は、工程中のその不良品の位置と量
を判断できるようにして、不良品を選別すること
を可能にし、損害を最小限に食い止めること、さ
らに、製造終了後は直ちにそれぞれの材料の総使
用量、合格製品の総数、製造時間を報告し、ま
た、発生した不良品については、その原因および
状態を追跡できるようにすることである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、複数個の食品材料をそれぞれ吐出装
置より吐出した後、これらを複合一体化して複合
食品を製造する方法において、各材料を複合一体
化するまでの間に、それぞれの単位時間当たりの
供給量を、各単位時間を同走する時間情報に同期
させて格別に経時的に記録し、同期された各材料
の供給量を合計して複合食品の単位時間当たりの
供給量を計算し、各単位時間に相当する複合食品
部分の供給量およびそれを構成する各材料の供給
量比率を所定の基準値に照合して、これが合致す
るものを選別することを特徴とする複合食品の製
造方法である。

また、上記方法の実施例に使用する本発明の装
置は、各材料吐出装置に設けた単位時間当たり吐
出量測定装置と、該測定装置により測定された単
位時間当たりの吐出重量を記録すると共に、複合
された各材料の重量を合計して複合食品の単位時
間当たりの比率を記録する記録装置と、複合比率
の基準値を記憶する記憶装置、および前記複合食
品の単位時間当たりの比率と前記複合比較の基準
値との比較装置、さらに、該比較装置に基づく比
較データにより警報、表示および所定の駆動装置
の停止を指示する信号発生装置を備えてなるもの
である。

本発明においては、分割された製品の個々の分
析をせずに、複合時の比率を測定して、これを時
間情報として最終単位製品に帯同させるものであ
る。すなわち、不良品の製造時刻を知ることによ
つて、そのものが今存在する位置までも把握しよ
うとするものである。それによつて、不良品の排
除を可能にし、合格製品のみが出荷されるように
したものである。

（実施例） 本発明を図面に示す一実施例に基づいて説明す
ると、１は材料Ａを連続的に供給するエクストル
ーダであり、エクストルーダ１には、その重量変
化を測定する計量機２が設けられている。３は材
料運搬のコンベアであり、４は材料Ａを延展した
り、また、何らかの形状成形を連続的に施す成形
装置である。

５は材料Ｂを供給するエクストルーダ、６はエ
クストルーダ５の重量変化を測定する計量機、７
は材料ＡとＢが複合された製品Ｃを分割成形する
カツターである。Ｄはその分割成形された完成品
を示す。８はカツター７に取りつけられたカツト
調節装置であり、カツト長さを調節すると共に、
カツト作動ごとに、その時間または時刻をカツト
信号として記録装置９に入力する。

記録装置９は計量機２および計量機６によつて
単位時間当たり測定され、製品Ｃとして複合され
るように同期されたＡ，Ｂの両材料の重量を合計
し、複合食品の単位時間当たりの比率を計算して
記録するものである。

これはコンベア３上で製品Ｃが帯同して持つ時
間情報に、その上記比率データ重ねて、各分割製
品の比率を位置情報として持つようにするもので
ある。また、この手段は、材料の連続的な供給状
態を単位時間当たりの重量で記録しておくことに
よつて、複合して完成した製品の複合材料の量の
比率を、製品完成後も分かるようにしようとする
ものである。

１０は複合比率の基準値を記憶する記憶装置で
ある。１１は基準値と計算された単位時間当たり
の比率を比較する装置であり、１２は比較データ
により警告、表示、停止等を指示する信号発生装
置である。１３は不良と判断された製品を除去す
るための製品選別装置である。

次に、これらの作用について説明すれば、エク
ストルーダ１のホツパーに材料Ａが供給され、エ
クストルーダ１が運転されると、材料Ａはエクス
トルーダ１のノズルより排出され、計量機２の重
量記録は時間と共に減少して行く。その記録は、
記録装置９に送られて記録されると共に、微分さ
れた吐出量に変換される。第２図におけるグラフ
ａは、材料Ａがエクストルーダより排出された微
分値の経時変化を示している。

ノズルから押し出された材料Ａは、コンベア３
によつて運ばれ、成形装置４によつて適性な形状
に成形され、エクストルーダ５の下方に到つて、
材料Ｂと複合して材料Ｃとなる。材料Ｂの押し出
し状況は、Ａの場合と同じように計量機６に把握
されて記録装置９のグラフ上にｂで記録される。

第２図のグラフ上のＰは、材料ＡとＢの複合し
た時間位置を示している。複合してＣとなつた材
料は、さらにコンベア３によつて運ばれ、カツタ
ー７によつて分割され、独立した製品Ｄができ上
がる。この分割情報は、記録装置９に入力され、
グラフ上のＳで示される。なお、第２図において
S_o，S_o+1は分割単位を示す。

グラフ上のＳで示された位置の材料ＡとＢの量
を見るとａ：ｂであつて、これが例えば、アツプ
ルパイにおけるパイの皮とアツプルジヤムの量の
比率であり、これに一定の係数を乗ずると重量の
表示となる。食品においては、味の加減、すなわ
ち、品質を示すことになるのである。

切断されて、独立して製品となるこの一個一個
は、他のものと同じか、または異なるかの個性的
な品質を示しているものであり、個々に時間情報
を帯びさせているので、その個性は何時何分に製
品化されたものであるかも記録でき、万一標準範
囲外の品質であれば、その帯びている時間情報に
よつて所在を把握し、それを除去することは容易
である。また、複合前に各材料の吐出状態が把握
できるので、不良品の製造を予想することがで
き、損害は最小限に止めることもできるのであ
る。

そして、記憶装置１０には、あらかじめ製品Ｄ
の基準値としてのコントロールデータを設置して
おけば、次に製造される実際の製品Ｄとの比較装
置１１にて行い、それが不良品との判断ができた
場合には、制御信号発生装置１２によつて警報ラ
ンプを点灯させるなどして、本実施例装置を停止
させて不良品を排除できるように自動制御可能と
することができる。また、不良品を製品選別装置
１３によつて除去することができる。

エクストルーダ１および５の吐出量の経時状況
を測定する方法は、本実施例で説明されたものの
他、第３図で示したノズル内面にかかる圧力を圧
力センサー１４により測定して、これに実験的に
把握された一定係数を乗ずることによつて吐出量
の経時記録をとる方法、あるいは第４図で示した
ように、材料運搬コンベアのベルト下に計量機１
５を設置して、運搬される材料の重量の経時変化
を記録る方法、または材料の吐出口付近にセンサ
ーを置いて、吐出される材料の断面積と吐出速度
を測定して、これを経時的な吐出量データとして
用いる方法がある。

本発明における複数素材の場合は、実施例では
コンベアベルトの上でストリツプ状の素材を複合
するようにしているが、第５図に示すように、フ
イリング１６を連続生地１７の上に間欠的に複合
するものや、第６図に示すように、すでに分割さ
れた生地１８にレーズン等の粒状物１９を複合す
るものもあるが、いずれも本発明の方法および装
置が適用できる。また、第７図に示すように、複
合位置がパイプ状の中で行われる内部材料２０お
よび外部材料２１の複合であつても、第３図に示
すような圧力センサー１４によつて吐出量が測定
されるので、本発明の方法および装置が適用でき
る。

（発明の効果） 上記したように、本発明は、きわめて簡単な方
法によつて、連続的に製造される複合食品の製造
過程で、製品の味に関する品質管理を行うもので
あり、食品材料特有の粘性や弾性による、または
粉状、顆粒のために発生するブリツジ現象や、そ
のための障害によつてエクストルーダからの吐出
に一定を保ちにくい製品の製造においての不良品
の早期発見や、製造された不良品の所在の発見を
容易にすると共に、製造歩留りや製造工場の情報
を容易に常時把握できるようにしたものであり、
連続製造システムに用いて、大きな効果を挙げる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の全体側面図、第２図は
単位時間当たりの経時変化を示す説明図、第３図
は吐出量測定の他の実施例の側面図、第４図は吐
出量測定のさらに他の実施例の側面図、第５図、
第６図、第７図は複合材料の複合のそれぞれ他の
実施例を示す説明図、第８図は本発明の構成説明
図である。 １……エクストルーダ、２……計量機、３……
コンベア、４……成形装置、５……エクストルー
ダ、６……計量機、５……カツター、８……カツ
ト調節装置、９…記録装置、１０……記憶装置、
１１……比較装置、１２……制御信号発生装置、
１３……製品選別装置、１４……圧力センサー、
１５……計量機、１６……フイリング、１７……
連続生地、１８……分割された生地、１９……粒
状生地、２０……内部材料、２１……外部生地。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数個の食品材料をそれぞれ吐出装置より吐
   出した後、これらを複合一体化して複合食品を製
   造する方法にいて、各材料を複合一体化するまで
   の間に、それぞれの単位時間当たりの供給量を、
   各単位時間を同走する時間情報に同期させて各別
   に経時的に記録し、同期された各材料の供給量を
   合計して複合食品の単位時間当たりの供給量の比
   率を計算し、各単位時間に相当する複合食品部分
   の供給量およびそれを構成する各材料の供給量比
   率を所定の基準値に照合して、これが合致するも
   のを選別することを特徴とする複合食品の製造方
   法。 ２ 複数個の食品材料を材料吐出装置から吐出さ
   せ、これらを組合せて複合食品を製造する装置に
   おいて、各材料吐出装置に設けた単位時間当たり
   吐出量測定装置と、該測定装置により測定された
   単位時間当たりの吐出量を記録すると共に、複合
   された各材料の重量を合計して複合食品の単位時
   間当たりの比率を記録する記録装置と、複合比率
   の基準値を記憶する記憶装置、および前記複合食
   品の単位時間当たりの比率と前記複合比率の基準
   値との比較装置、さらに、該比較装置に基づく比
   較データにより警報、表示および所定の駆動装置
   の停止を指示する制御信号発生装置を設けたこと
   を特徴とする複合食品の製造装置。