JPH0352353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、バルコニー，ベランダ等の立上り
壁部に凹部状に開設した凹部状の開口部に附設す
る手摺りの笠木固定装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種のベランダ，バルコニー等の立上
り壁部に凹部状に開設した開口部に装着する手摺
りの笠木の固定構造としては笠木の両端部を凹部
状の開口部の側面に埋設状に設けたブラケツトを
介して取付ける構成のものであつた。

（考案が解決しようとする問題点） したがつて、上記従来の構成のものでは、手摺
りの笠木と立上り壁部に附設した立上り壁部用笠
木との間に段部を生じて外観を悪化するととも
に、ブラケツトの埋設する位置がずれると手摺り
笠木の取付けに極めて手数を要する等の問題点が
あつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記従来の問題点を解決すべくなされ
たもので、手摺りの取付け施工を極めて容易に行
うことのできるとともに、手摺りの笠木と立上り
壁部用笠木とが連続されて外観の良好な手摺りの
笠木固定装置を提供することを目的とし、その要
旨はベランダ、バルコニー等の立上り壁部に凹部
状に開設した開口部に装着する手摺りの笠木固定
装置であつて、前記立上り壁部の上面に取付金具
を介して立上り壁部用笠木を取付けるとともに、
前記凹部状の開口部寄りの取付金具の側面にねじ
受けを設け、該ねじ受けに取付けたブラケツトを
介して前記手摺りの笠木部材を連結固定する構成
とした手摺りの笠木固定装置に存する。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明すると、図中１は建屋の壁面より屋外側へ張出
し状に設けられたバルコニーであつて、この四周
には立上り壁部（胸壁）２が周設され、この立上
り壁部２の前面側には図示方形状の凹部状の開口
部３が形成されて同開口部３には手摺り５が附設
されるとともに、その側方の立上り壁部２の上部
側には立上り壁部用笠木２０が附設されている。

５は手摺りであつて、該手摺り５は立上り壁部
２の前面側に設けた開口部３の下部立上り壁部４
上に立設されるもので、該手摺り５は複数本の手
摺り支柱６（本例では３本の場合を例示した）と
上下の横桟７，１０と複数本の縦桟１１および手
摺り笠木部材１２と手摺り支柱６に挿通する通し
ボルト２２とより構成されている。

６は上記した手摺り支柱であつて、その断面形
状は内外縁６ａと左右の側縁６ｂとにより中空部
６ｃを有する断面略密封箱形状に形成され、左右
の側縁の内側面のほぼ中央部には先端に円弧状の
受片６ｅを有する支持片６ｄが対向状に設けられ
て後述の通しボルト２２を挿通する略円形状で直
径方向に開口する係止溝６ｇを有するボルト挿通
部６ｆが長手方向に沿つて形成されている。な
お、６ｈは手摺り支柱６の長手方向に沿つて形成
したビス受けである。

７は上桟であつて、該上桟７の断面形状は縦桟
１１の端面を嵌込み可能とする凹部７ｂを有する
断面略皿形状のウエブ７ａを主体とし、同ウエブ
７ａの両端には側縁７ｃが形成されている。

１０は下桟であつて、該下桟１０の断面形状は
上縁１０ａと側縁１０ｂとにより断面略Ｃ型状に
形成され、上縁１０ａは縦桟１１を取付ける段部
１０ｃが形成されている。また、縦桟１１の断面
形状は中空部１１ａを有する断面略密封箱形状に
形成され、その内側の長手方向にはビス受け１１
ｂが形成されている。

１２は手摺り笠木部材であつて、該笠木部材１
２は手摺り本体１３と取付枠１４との２部材より
構成されている。この手摺り本体１３はほぼ楕円
形の一部の形状を有する湾曲状の手摺り部１３ａ
を主体とし、同手摺り部１３ａの両端には対向状
に断面略くの字形状の係合片１３ｂが形成されて
いる。また、取付枠１４の断面形状は水平状の取
付けウエブ１４ａを主体とし、同取付けウエブ１
４ａの両側には本体１３の手摺り部１３ａの湾曲
形状に連続する湾曲状の縁片１４ｂが図示上下に
延出状に設けられてウエブ１４ａの下面には手摺
り支柱６および上桟７の呑込み部１４ｃが形成さ
れている。また、ウエブ１４ａには左右の縁片１
４ｂに近接して本体１３の係合片１３ｂと係合す
る弾性能を有する係止突起１４ｄが形成されてい
る。

次に、手摺り５を立設する開口部３の下部立上
り壁部４側について説明すると、この下部立上り
壁部４側の支柱６を立設する個所には木製のアン
カー部材１５が埋設されるとともに、この各アン
カー部材１５にはベースアンカー１６を介して取
付金具１７が取付けられている。このベースアン
カー１６は板状のベース板１６ａと同ベース板１
６ａ上には所定の間隔で所定の長さを有するねじ
１６ｂが溶着手段等により立上がり状に取付けら
れるとともに、ベース板１６ａの対応する隅角部
にはそれぞれ木製のアンカー部材１５に取付ける
木ビス用の長孔１６ｃと下部立上り壁部４にアン
カーボルトが埋設された場合に取付けるアンカボ
ルト用の長孔１６ｄとが貫設されている。また、
取付金具１７は短尺に形成されるもので、その断
面形状は水平状の取付け基板１７ａが設けられ、
この取付け基板のほぼ中心部を境として所定の間
隔で上端に水平状の受片１７ｃを有する対称形状
の断面略Ｔ字形状の支持片１７ｂが対設され、こ
の支持片１７ｂ間には開口幅T₁、係止幅T₂の断
面略逆Ｔ字形状の係止受け部１７ｄが形成されて
いる。また、取付け基板１７ａの両側には上方へ
立上る弾性能を有する係止突起１７ｅがそれぞれ
設けられ、また、取付け基板１７ａにはベースア
ンカー１６のねじ１６ｂを挿通する孔１７ｆが貫
設されている。また、基板１７ａの下面側にはね
じ受け１７ｇ，１７ｈがそれぞれ形成されてい
る。このように形成されたベースアンカー１６は
アンカー部材１５に木ねじ１８により止着される
とともに、ねじ１６ｂにナツト１９ｂが螺合さ
れ、さらに取付金具１７が挿入されて上方よりナ
ツト１９ａが螺合されて両ナツト１９ａ，１９ｂ
を螺進退して各取付金具１７を所定の高さ位置に
水平に調整してロツク固定される。このように取
付けられた取付金具１７間には立上り壁部用笠木
２０が冠状に取付けられている。

２０は上記した立上り壁部用笠木であつて、そ
の断面形状において、２０ａは天板であつて、そ
のほぼ中央部には所定幅（手摺り支柱６の下端面
を当接可能な幅）の水平ウエブ２０ｂが設けら
れ、同水平ウエブ２０ｂの屋内端には屋内側へや
や下傾して下部立上り壁部４の屋内面より若干屋
内側へ張出す屋内ウエブ２０ｃが形成され、ま
た、水平ウエブ２０ｂの屋外側には段部２０ｄが
形成されるとともに、同段部２０ｄより屋外側へ
やや下傾して下部立上り壁部４の屋外面より若干
屋外側へ張出す屋外ウエブ２０ｅが形成されてい
る。このように形成された天板２０ａの両端には
下方へ対応して等長の側縁２０ｆが垂設され、両
側縁２０ｆの下端部の内側面には断面略Ｃ形状で
気密部材２１の嵌着部２０ｇが形成されている。
また、天板２０ａの下面の所定位置には取付金具
１７に設けた係止突起１７ｅと係合する係止突起
２０ｈがそれぞれ垂設されている。また、天板２
０ａの水平ウエブ２０ｂの手摺り支柱６を取付け
る所定の位置にはその長手方向に幅T₁で長さT₂
の角孔２０ｊが取付金具１７の係止受け部１７ｄ
に整合状に貫設されている。このように形成され
た立上り壁部用笠木２０を取付金具１７の上方よ
り冠状にして押圧すると相互の係止突起１７ｅ，
２０ｈは弾性係合されて結合されて下部立上り壁
部４の屋内外面と立上り壁部用笠木２０の側縁２
０ｆとの間に隙間は気密部材２１により遮蔽され
て冠状に取付けられている。このように取付けら
れた立上り壁部用笠木２０の所定位置には手摺り
支柱６が通しボルト２２を介して立設されて手摺
り５が組付け施工される。

２２は上記した通しボルトであつて、手摺り支
柱６の挿通部６ｆに挿通可能な径を有して取付金
具１７の係止受け部１７ｄに係合し、かつ支柱６
の上端側に手摺り笠木部材１２を取付け可能とす
る長さを有するボルト体２２ａを主体とし、その
上端側には所定長さのねじ部２２ｂが形成され、
下端側には係止部２２ｃが水平状に取付けられて
いる。この係止部２２ｃは立上り壁部笠木２０に
貫設して角孔２０ｊに挿通可能な幅t₁で長さt₂の
板状に形成され、この係止部２２ｃの図示ボルト
体２２の軸心を中心として時計方向側へ回動する
対向角部にはＲ部が附されて、同係止部２２ｃを
立上り壁部笠木２０の角孔２０ｊより取付金具１
７の係止受け部１７ｄ内に挿入して時計方向へ回
動すると係止部２２ｃの幅t₁の水平縁２２ｄが係
止受け部１７ｄの幅T₂の縁面に当接されて廻り
止めされるように形成されている。また、ボルト
体２２ａの下端部より所定の高さ位置には係止部
２２ｃの幅t₁方項の中心線に沿う直径方向に手摺
り支柱６の挿通部６ｆに形成された係合溝６ｇと
係合挿通可能とする係止凸部２２ｅがつぶし状に
形成されている。

かくして形成された通しボルト２２はその係止
部２２が立上り壁部用笠木２０の角孔２０ｊより
取付金具１７の係止受け部１７ｄ内に挿入して時
計方向へ回動して廻り止めして立設し、この通し
ボルト２２の上方より手摺り支柱６の挿通部６ｆ
に通しボルト２２を挿入して行き、通しボルト２
２に形成した係止凸部２２ｅを係合溝６ｇに係合
挿通することで支柱６は立上り壁部笠木２０上に
正規の方向に載置される。この状態で各支柱６の
上端部間に手摺り笠木部材１２の取付枠１４が横
架され、ねじ部２０ｂにナツト２３を螺着するこ
とで手摺り支柱６は立上り壁部用笠木２０上に立
設される。このように立設された支柱６間には上
桟７と下桟１０との間に所定の間隔で縦桟１１が
取付けられて柵体が形成され、同柵体は取付け部
材２４を介して支柱６に取付けられ、上桟７は取
付枠１４の呑込み部１４ｃに納められて止着され
ている。また、取付枠１４には手摺り本体１３が
相互の係合片１３ｂと係止突起１４ｄとが弾性係
着されて立上り壁部２の開口部３には手摺り５が
附設されている。このように附設された手摺り５
の手摺り笠木部材１２の左右の端部側は立上り壁
部２の上部に配設された立上り壁部用笠木２０に
連結されている。

この立上り壁部２の上面側に取付けられる立上
り壁部用笠木２０は下部立上り壁部４と同様に取
付けられるもので、同立上り壁部２の上面側には
所定の間隔で木製のアンカー部材１５が埋設され
るとともに、この各アンカー部材１５にはベース
アンカー１６を介して取付金具１７が取付けら
れ、この取付金具１７間には立上り壁部用笠木２
０が下部側と同様に冠状に弾性係着され、この笠
木２０の開口部３側の端面には同端面形状に形成
され、かつ取付金具１７のねじ受け１７ｇ，１７
ｈと対応する貫設孔を有する遮蔽板２５が開口部
３寄りに配設されて取付金具１７に設けたねじ受
け１７ｇにねじ２６ａにより止着されるととも
に、同遮蔽板２５にはブラケツト２７が当接さ
れ、ねじ２６ｂにより取付金具１７のねじ受け１
７ｈに螺着されて、手摺り笠木部材１２の端部は
ブラケツト２７を介して連結固定されている。

２７は上記したブラケツトであつて、手摺り笠
木部材１２の端部対し、手摺り本体１３と取付枠
とにより形成される中空部１２ａに納められて取
付けられるもので、このブラケツト２７は手摺り
本体１３の手摺り部１３ａの下面に沿う円弧状の
上縁２７ａと左右の側縁２７ｂと下縁２７ｃと当
接片２７ｄとにより略有底箱形状に形成され、下
縁２７ｃは若干延出されて取付片２７ｅが形成さ
れ、当接片２７ｄには取付金具１７のねじ受け１
７ｈと対応してねじ２６ｂを挿通する長孔２７ｆ
が貫設されている。このように形成されたブラケ
ツト２７はその当接片２７ｄが遮蔽板２５に当接
されてねじ２６ｂによりねじ受け１７ｈに螺着さ
れるとともに、取付片２７ｅは取付枠１４のウエ
ブ１４ａに重合状に当接されて連結固定され、こ
の取付枠１４の上方より手摺り本体１３が弾性係
着されて立上り壁部笠木２０と手摺り笠木部材１
２とは同位に連結固定されている。

なお、図中２８は下部立上り壁部４に嵌着した
立上り壁部用笠木２０と立上り壁部２との間の充
填したコーキング部材である。

次に、上記のように構成された本実施例の作用
および効果について説明する。

さて、本実施例は、バルコニー１の立上り壁部
２に凹部状に開設した開口部３に装着する手摺り
５の笠木部材１２の固定装置であつて、立上り壁
部２の上面に取付金具１７を介して立上り壁部用
笠木２０を取付けるとともに、凹部状の開口部３
寄りの取付金具１７の側面にねじ受け１７ｇ，１
７ｈを設け、該ねじ受け１７ｈに取付けたブラケ
ツト２７を介して手摺りの笠木部材１２を連結固
定する構成としたものである。したがつて、手摺
り５の笠木部材１２の左右端部の取付けは立上り
壁部２に冠状に取付ける立上り壁部用笠木２０の
取付金具１７を利用して確実、かつ強固に簡単に
取付けることができて安全を確保することがで
き、また、立上り壁部用笠木２と手摺り笠木部材
１２とを同位に連続するので外観を向上すること
ができる等多くの特長がある。

なお、上記実施例においては、バルコニーに手
摺りを附設する場合で例示したが、例えばベラン
ダ手摺りに適用し得るものである。また、上記各
部材はアルミニウム等の軽合金材を押出し成形し
た型材により形成されている。

（考案の効果） さて、本考案はベランダ、バルコニー等の立上
り壁部に凹部状に開設した開口部に装着する手摺
りの笠木固定装置であつて、前記立上り壁部の上
面に取付金具を介して立上り壁部用笠木を取付け
るとともに、前記凹部状の開口部寄りの取付金具
の側面にねじ受けを設け、該ねじ受けに取付けた
ブラケツトを介して前記手摺りの笠木部材を連結
固定する構成としたことにより、手摺りの笠木部
材の左右端部の取付けは立上り壁部に冠状に取付
ける立上り壁部用笠木の取付金具を利用して確
実、かつ強固に簡単に取付けることができて安全
を確保することができ、また、立上り壁部用笠木
と手摺り笠木部材とを同位に連続するので外観を
向上することができるので、手摺りの笠木固定装
置として極めて実用性に優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はバル
コニーの正面図、第２図は手摺り支柱部の正面
図、第３図は第２図の−線縦断面図、第４図
は手摺り支柱の断面図、第５図は縦桟の断面図、
第６図はベースアンカーの平面図、第７図は通し
ボルトの正面図、第８図は第７図の−線断面
図、第９図はブラケツトの正面図、第１０図は同
じく側面図である。 １……バルコニー、２……立上り壁部、３……
開口部、５……手摺り、１２……手摺り笠木部
材、１７……取付金具、１７ｄ……係止受け部、
１７ｈ……ねじ受け、２０……立上り壁部用笠
木、２６ｂ……ねじ、２７……ブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベランダ、バルコニー等の立上り壁部に凹部状
   に開設した開口部に装着する手摺りの笠木固定装
   置であつて、前記立上り壁部の上面に取付金具を
   介して立上り壁部用笠木を取付けるとともに、前
   記凹部状の開口部寄りの取付金具の側面にねじ受
   けを設け、該ねじ受けに取付けたブラケツトを介
   して前記手摺りの笠木部材を連結固定する構成と
   したことを特徴とする手摺りの笠木固定装置。