JPH0354481Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は躯体に固定したブラケツトによつて
支えるバルコニーに関するものである。

〔従来技術〕

垂直な固定板と、固定板下端から張り出す支持
アームから略Ｌ字状をなすブラケツトを、躯体の
開口部の左右柱に固定し、ブラケツトの支持アー
ムに妻梁を固定した妻梁先端部間に前桁を掛け渡
し、妻梁および前桁上に立設した支柱上に笠木を
掛け渡したバルコニーが開発されている。

バルコニーを躯体に固定したブラケツトによつ
てのみ支えるものである。

〔この考案が解決すべき問題点〕

このようなバルコニーにおいて問題となるのは
ブラケツトの腐食である。すなわちブラケツトは
鋼製であり、雨仕舞いが不良であるブラケツトに
雨水が触れてブラケツトが腐食し、バルコニーの
寿命を縮めることとなつていた。

特に既設建造物の外壁にブラケツトを当接して
固定する場合、ブラケツト全体が雨水にさらされ
ることとなり、特に雨仕舞いを考慮しなければな
らない。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案にかかるバルコニーは、下部に支持ア
ーム挿通孔が穿設され、左右両端部の躯体側面に
上下方向に連続して止水材が取付けられた竪枠
を、躯体表面に止水材を当接して、両止水材間に
ブラケツトの固定板を位置させて固定板を覆うよ
うに躯体に固定し、竪枠の上端をキヤツプによつ
て覆うとともに、竪枠の上端部を躯体側下面を切
欠いた中空状笠木の切欠き部から挿入して笠木の
中空部内に位置させ、竪枠の躯体側とは反対側で
ある面であつて、支持アーム挿通孔外周位置に貼
着したシーラーに中空状形材である妻梁の端面を
圧接し、妻梁中空部内にブラケツトの支持アーム
を位置させたものである。

〔実施例〕

以下、図に示す一実施例に基づき、この考案を
詳細に説明する。

図において１は鋼製のブラケツトであり、垂直
な固定板２の下端から張り出す支持アーム３によ
つてＬ型に形成されている。このブラケツト１，
１が躯体開口部の左右外壁４に固定板２，２が当
接されて固定されている。外壁４および柱５を貫
通してボルト挿通孔６が穿設され、固定板２のボ
ルト挿通孔７を挿通した長尺のボルト８を挿通
し、柱５の室内側面に当接した受圧板９のボルト
挿通孔１０に挿通してナツト１１を螺合して固定
するものである。他のボルト挿通孔７を挿通した
ボルト１２は柱５に螺入する。以上のようにして
左右から支持アーム３，３が室外方向に平行に張
り出すこととなる。支持アーム３は断面コ字状で
あつて、上面に緩衝材１３が貼着されている。

ブラケツト１の固定板２を竪枠１４が覆つてい
る。竪枠１４は略Ｈ状をなし躯体側左右両端部に
上下方向に連続するリツプ溝１５，１５が形成さ
れ、リツプ溝１５，１５に止水材１６が各々取付
けられている。竪枠１４の下端部にはコ字状の支
持アーム挿通孔１７が穿設されている。竪枠１４
の躯体側とは反対側の面であつて、下端部の支持
アーム挿通孔１７の外周位置には、挿通孔１７を
囲むようにシーラー１８が貼着されている。また
シーラー１８の上下左右にビス孔１９が各々穿設
されている。竪枠１４の躯体側とは反対側の面に
は、シーラー１８より上方において左右に上下方
向に連続する係止突片２０，２０が突設されてい
る。竪枠１４の上端には竪枠１４の上端部躯体側
に固定されたＬ型アングル２２に、キヤツプ２１
を貫通したビス２３が螺合されてキヤツプ２１が
固定されている。竪枠１４の下端にはキヤツプ２
４がビス２３によつて取付けられている。キヤツ
プ２４には水抜き孔２５，２５が穿設されてい
る。

以上のような構成を有する竪枠１４が止水材１
６，１６が外壁４に当接され、ブラケツト１の固
定板２が止水材１６，１６間に位置されて、ボル
ト２６によつて躯体に固定されている。ブラケツ
ト１の支持アーム３は竪枠１４の支持アーム挿通
孔１７に挿通されている。

支持アーム３は中空状形材からなる妻梁４５の
中空部４５ａ内に位置している。妻梁４５，４５
は互いに向き合う面に水平に連続する凹部２７が
各々凹設され、凹部２７底壁を貫通するボルト２
８によつて妻梁４５が支持アーム３に固定されて
いる。妻梁４５の中空部４５ａ内には上下左右に
ビス孔２９が各々形成されている。

竪枠１４の下端部のビス孔１９へ竪枠１４の躯
体側から挿通されたビス３０が、妻梁４５のビス
孔２９に螺合されている。これによつて妻梁４５
が竪枠１４側に引き寄せられて妻梁４５端面がシ
ーラー１８に圧着し、妻梁４５端面と竪枠１４間
の止水性が保たれる。

左右妻梁４５，４５の先端部間には前桁３１が
掛け渡され、妻梁４５，４５および前桁３１上に
は適宜間隔離れて複数本の支柱３１ａが立設され
ている。

支柱３１ａ上には中空状の笠木３２が水平に掛
け渡されている。笠木３２は躯体から左右に張り
出す左右笠木３２ａ，３２ａと、左右笠木３２
ａ，３２ａ先端を連結する前下笠木３２ｂよりコ
字状に組まれている。笠木３２は断面略方形状で
あつて、左右笠木３２ａ，３２ａの下面３３躯体
側端が切欠かれている。この切欠き部３４に躯体
に固定した竪枠１４，１４の上端部が嵌合され
て、笠木３２ａ，３２ａの中空部３５，３５内に
竪枠１４，１４の上端部が位置している。竪枠１
４と笠木３２はＬ型のアングル３６によつて固定
する。

竪枠１４の躯体側の裏面には、笠木３２と妻梁
４５間にカバー３７が固定されている。カバー３
７は躯体側面の左右に上下方向に連続する係止片
３はち、３８が突設されており、竪枠１４の係止
突片２０，２０に係止されて、取付けられてい
る。

笠木３２上に束３９を介して上笠木４０が水平
に掛け渡されている。４１はバルコニー外周を覆
うパネルである。

前桁３１から躯体に固定した根太掛け４２に
は、適宜間隔離して複数本の根太４３が掛け渡さ
れ、根太４３上にデツキ材４４が載置されてい
る。

〔考案の効果〕

この考案にかかるバルコニーは以上のような構
成を有し、ブラケツトの固定板を止水材を有する
竪枠によつて覆うため、竪枠の左右から雨水が浸
入することがない。また該竪枠の上端にはキヤツ
プを被せるとともに、竪枠の上端部を笠木の中空
部内に位置させたため、上端からも雨水が浸入す
ることなく、固定板には雨水が触れることがな
い。

ブラケツトの支持アームは妻梁の中空部内に位
置させ、妻梁端面を竪枠のシーラーに圧接したた
め、支持アームに雨水が触れることがない。

従ってブラケツトは腐食することなく、バルコ
ニーの寿命を短くすることがない。

また腐食によるサビが雨により外部に流出する
ことなく外観も良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すもので、バ
ルコニーの縦断面図、第２図は竪枠の横断面図、
第３図は妻梁の縦断面図、第４図は笠木内に竪枠
を挿入する状態の分解斜視図、第５図は竪枠と妻
梁の連結状態の分解斜視図、第６図は躯体にブラ
ケツトを固定する状態の分解斜視図、第７図はバ
ルコニーの斜視図である。 １……ブラケツト、２……固定板、３……支持
アーム、５……柱、８……ボルト、９……受圧
板、１４……竪枠、１５……リツプ溝、１７……
支持アーム挿通孔、１８……シーラー、１９……
ビス孔、２１……キヤツプ、２２……アングル、
２３……ビス、２４……キヤツプ、３２……笠
木、３３……下面、３４……切欠き部、３５……
中空部、４５……妻梁、４５ａ……中空部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直な固定板２と、固定板２の下端より張り出
   す支持アーム３よりなる略Ｌ字状のブラケツト１
   を、躯体開口部の左右に各々固定し、ブラケツト
   １，１の左右支持アーム３に妻梁４５を固定し、
   左右妻梁４５先端部間を前桁３１によつて連結
   し、妻梁４５、前桁３１上に笠木３２を掛け渡し
   たバルコニーにおいて、下部に支持アーム挿通孔
   １７が穿設され、左右両端部の躯体側面に上下方
   向に連続して止水材１６が取付けられた竪枠１４
   を、躯体表面に止水材１６を当接して、両止水材
   １６間にブラケツト１の固定板２を位置させて固
   定板２を覆うように躯体に固定し、竪枠１４の上
   端をキヤツプ２１によつて覆うとともに、躯体側
   下面を切欠いた中空状笠木３２の切欠き部３４か
   ら竪枠１４の上端部を挿入して笠木３２の中空部
   ３５内に位置させ、竪枠１４の躯体側とは反対側
   である面であつて、支持アーム挿通孔１７外周位
   置に貼着したシーラー１８に中空状形材である妻
   梁４５の端面を圧接し、妻梁４５の中空部４５ａ
   内にブラケツト１の支持アーム３を位置させてあ
   ることを特徴とするバルコニー。