JPH0348944Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、車両のフロントボデイ構造の改良
に関する。

【従来の技術】

従来の車両のフロントボデイ構造は、例えば、
第２図に示されるように、ダツシユパネル１から
車両前方へ突出されるフロントサイドメンバ２及
びその車体幅方向外側且つ上方位置に配置される
エプロンアツパメンバ３との間にフロントサスペ
ンシヨンサポート４が配置されて構成されてい
る。従つて、フロントサスペンシヨンからの車輪
の上下方向荷重を、フロントサスペンシヨンサポ
ート４を介しフロントサイドメンバ２とエプロン
アツパメンバ３とに伝達するようにしている。

【考案が解決しようとする問題点】

しかしながら、上記従来の車両のフロントボデ
イ構造は、フロントサイドメンバ２とエプロンア
ツパメンバ３との間に、単にフロントサスペンシ
ヨンサポート４を配置する場合には、フロントサ
スペンシヨンからの車輪の上下方向荷重により、
前記フロントサスペンシヨンサポート４が変形し
てしまい、このフロントサスペンシヨンサポート
４の変形が操縦安定性に悪影響を与えるという問
題点を有する。 これに対し、フロントサスペンシヨンサポート
４の剛性を向上すべく、このフロントサスペンシ
ヨンサポート４のパネルの板厚を増大する場合に
は、車両重量の増大につながり、フロントサスペ
ンシヨンサポート４の剛性を効率よく向上するこ
とができないという新たな問題点が生じる。 一方、構成簡素にしてフロントサスペンシヨン
サポート廻りのボデイ剛性を向上するものとし
て、実開昭57−19177号で開示されるように、ダ
ツシユパネルの前部両側に、エプロンアツパメン
バとの間で段部を形成し、この段部により上下方
向に伸びるフロントサスペンシヨンサポートを構
成するようにした車両のフロントボデイ構造が提
案されている。 しかながら、上記実開昭57−19177号で提案さ
れるフロントボデイ構造は、フロントサスペンシ
ヨンサポートがエンジンルームの後部のダシユパ
ネルに隣接して形成される場合に適用されるもの
であり、フロントサスペンシヨンサポートがダツ
シユパネルから前方へ離間した、フロントサイド
メンバの車両前後方向中央側に形成される場合に
は、適用することができないという問題点を有す
る。

【考案の目的】

この考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであつて、フロントサスペンシヨンサポー
トがダツシユパネルから前方へ離間した、フロン
トサイドメンバの車両前後方向中央側に形成され
る場合にも、フロントサスペンシヨンサポート廻
りのボデイ剛性を向上することのできる車両のフ
ロントボデイ構造を提供することを目的とする。

【問題点を解決するための手段】

この考案は、ダツシユパネルから車両前方へ突
出されるフロントサイドメンバ及びその車両幅方
向外側且つ上方位置に配置されるエプロンアツパ
メンバとの間にフロントサスペンシヨンサポート
が配置される車両のフロントボデイ構造におい
て、前記ダツシユパネルとフロントサスペンシヨ
ンサポートとフロントサイドメンバとを連結する
シアーパネルを設け、該シアーパネルの前端部は
前記フロントサスペンシヨンサポートの内側面に
固着され、且つ、シアーパネルの後端部は、前記
シアーパネル前端部固着位置より車両幅方向内側
にオフセツトした位置で前記ダツシユパネルに固
着されて配置されるようにするものである。 この考案の実施態様は、前記シアーパネルが、
車両幅方向に配置され、且つフロントサスペンシ
ヨンサポート及びフロントサイドメンバを連結す
るサブパネルと、該サブパネル及び前記ダツシユ
パネルを連結するメインパネルとにより構成され
るようにするものである。 又、この考案の他の実施態様は、前記メインパ
ネルが、車両前後方向に形成される補強溝を備え
て構成されるようにするものである。

【作用】

この考案において、ダツシユパネルとフロント
サスペンシヨンサポートとフロントサイドメンバ
とを連結するシアーパネルが設けられることによ
り、フロントサスペンシヨンサポートがフロント
サイドメンバとダツシユパネルとに剛に結合され
ることにより、フロントサスペンシヨンサポート
廻りのボデイ剛性を向上することができる。即
ち、フロントサスペンシヨンサポートがフロント
サイドメンバ及びエプロンアツパメンバの間に単
に配置される従来のフロントボデイ構造に比較し
て、フロントサスペンシヨンサポートがフロント
サイドメンバに剛に結合され、且つ、フロントサ
スペンシヨンサポートとフロントサイドメンバと
を剛に結合した部材を更にダツシユパネルに剛に
結合することができ、フロントサスペンシヨンサ
ポート廻りのフロントボデイの剛性を向上するこ
とができる。これにより、フロントサスペンシヨ
ンサポートの変形を防止して、操縦安定性の低下
を防止することができる。 特に、前記シアーパネルの前端部がフロントサ
スペンシヨンサポートの内側面に固着され、且
つ、シアーパネルの後端部が、前記シアーパネル
前端部固着位置より車両幅方向内側にオフセツト
した位置でダツシユパネルに固着されることによ
り、シアーパネルがフロントサスペンシヨンサポ
ートとダツシユパネルとの間で車両前後方向に対
し傾斜して配置されるものとなり、この斜めに配
置されるシアーパネルにより車両前後方向及び幅
方向の荷重に対し効率よく対処することができ、
より一層効果的にフロントサスペンシヨンサポー
ト廻りの剛性を向上することができる。

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明
する。 この実施例は、第１図に示されるように、ダツ
シユパネル１０から車両前方へ突出されるフロン
トサイドメンバ１２及びその車体幅方向外側且つ
上方位置に配置されるエプロンアツパメンバ１４
との間にフロントサスペンシヨンサポート１６が
配置される車両のフロントボデイ構造において、
前記ダツシユパネル１０とフロントサスペンシヨ
ンサポート１６とフロントサイドメンバ１２とを
連結するシアーパネル１８を設けて構成するもの
である。なお、図中の符号２０はカウルトツプを
示す。 前記シアーパネル１８は、該シアーパネル１８
の前端部が前記フロントサスペンシヨンサポート
１６の内側面に固着され、且つ、シアーパネル１
８の後端部が、前記シアーパネル前端部固着位置
より車両幅方向内側にオフセツトした位置で前記
ダツシユパネル１０に固着されて配置されてい
る。 又、前記シアーパネル１８は、フロントサスペ
ンシヨンサポート１６及びフロントサイドメンバ
１２を連結するサブパネル１８Ａと、該サブパネ
ル１８Ａ及び前記ダツシユパネル１０を連結する
メインパネル１８Ｂとにより構成されている。 前記サブパネル１８Ａは、前記フロントサスペ
ンシヨンサポート１６の車両内側面に車両幅方向
に鉛直面内で配置されており、このサブパネル１
８Ａは、フロントサスペンシヨンサポート１６に
は、車両幅方向外側端縁に延設された取付フラン
ジ１８Ｄにより、フロントサイドメンバ１２の上
面には下端縁に延設された取付フランジ１８Ｅに
より、スポツト溶接によつて固着されている。 前記メインパネル１８Ｂには、断面略コ字形状
の補強溝１８Ｃが車両前後方向に形成されてい
る。 この補強溝１８Ｃは、上下方向に離間して平行
に複数配置されている。 前記メインパネル１８Ｂの後端には、ダツシユ
パネル１０に取付けるための取付フランジ１８Ｆ
が延設されており、この取付フランジ１８Ｆによ
りメインパネル１８Ｂの後端はダツシユパネル１
０にスポツト溶接によつて固着されている。 本実施例によれば、フロントサスペンシヨンサ
ポート１６とフロントサイドメンバ１２とがシア
ーパネル１８のサブパネル１８Ａによつて剛に結
合され、このサブパネル１８Ａとダツシユパネル
１０とがメインパネル１８Ｂによつて剛に結合さ
れることによつて、フロントサスペンシヨンサポ
ート１６がフロントサイドメンバ１２とダツシユ
パネル１０とに剛に結合され、フロントサスペン
シヨンサポート１６廻りのフロントボデイの剛性
を向上することができる。これにより、フロント
サスペンシヨンサポート１６が補強され、フロン
トサスペンシヨンからの車輪の上下方向荷重によ
る変形を防止して、操縦安定性の低下を防止する
ことができる。 特に、本実施例においては、前記シアーパネル
１８の前端部がフロントサスペンシヨンサポート
１６の内側面に固着され、且つ、シアーパネル１
８の後端部が、前記シアーパネル前端部固着位置
より車両幅方向内側にオフセツトした位置でダツ
シユパネル１０に固着されることにより、シアー
パネル１８がフロントサスペンシヨンサポート１
６とダツシユパネル１０との間で車両前後方向に
対し傾斜して配置されるものとなり、この斜めに
配置されるシアーパネル１８により車両前後方向
及び幅方向の荷重に対し効率よく対処することが
でき、より一層効果的にフロントサスペンシヨン
サポート１６廻りの剛性を向上することができ
る。 又、本実施例においては、車両幅方向に配置さ
れ、且つフロントサスペンシヨンサポート１６及
びフロントサイドメンバ１２を連結するサブパネ
ル１８Ａと、該サブパネル１８Ａ及び前記ダツシ
ユパネル１０を連結するメインパネル１８Ｂとに
より、シアーパネル１８が一体的に形成されるこ
とにより、シアーパネル１８の重量増大をもたら
すことなく、構成簡素にして、フロントサスペン
シヨンサポート１６廻りのボデイ剛性を向上する
ことができる。 又、シアーパネル１８のメインパネル１８Ｂに
は、車両前後方向に補強溝１８Ｃが形成されるこ
とにより、シアーパネル１８自体の剛性を向上し
て、フロントサスペンシヨンサポート１６とダツ
シユパネル１０との結合剛性をより一層向上する
ことができる。 なお、前記実施例において、シアーパネル１８
は、サブパネル１８Ａとこのサブパネル１８Ａに
対し略垂直に延設されるメインパネル１８Ｂとに
より一体的に構成されたものであるが、この考案
はこれに限定されることなく、例えば、シアーパ
ネルは平板状に形成して、この平板状のシアーパ
ネルの前端縁フランジをフロントサスペンシヨン
サポートの車両内側面に溶着し、その下端縁フラ
ンジをフロントサイドメンバの上面に溶着し、そ
の後端縁フランジをダツシユパネルにそれぞれ溶
着して構成したものとしてもよい。

【考案の効果】

この考案は、上記のように構成したので、フロ
ントサスペンシヨンサポートがダツシユパネルか
ら前方へ離間した、フロントサイドメンバの車両
前後方向中央側に形成される場合でも、フロント
サスペンシヨンサポート廻りのボデイ剛性を向上
することができるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る車両のフロントボデイ
構造の実施例を示す斜視図、第２図は従来の車両
のフロントボデイ構造を示す斜視図である。 １０……ダツシユパネル、１２……フロントサ
イドメンバ、１４……エプロンアツパメンバ、１
６……フロントサスペンシヨンサポート、１８…
…シアーパネル、１８Ａ……サブパネル、１８…
…メインパネル、１８Ｃ……補強溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ダツシユパネルから車両前方へ突出されるフ
   ロントサイドメンバ及びその車体幅方向外側且
   つ上方位置に配置されるエプロンアツパメンバ
   の間にフロントサスペンシヨンサポートが配置
   される車両のフロントボデイ構造において、前
   記ダツシユパネルとフロントサスペンシヨンサ
   ポートとフロントサイドメンバとを連結するシ
   アーパネルを設けてなり、該シアーパネルの前
   端部は前記フロントサスペンシヨンサポートの
   内側面に固着され、且つ、シアーパネルの後端
   部は、前記シアーパネル前端部固着位置より車
   両幅方向内側にオフセツトした位置で前記ダツ
   シユパネルに固着されて配置されたことを特徴
   とする車両のフロントボデイ構造。 ２ 前記シアーパネルは、車両幅方向に配置さ
   れ、且つフロントサスペンシヨンサポート及び
   フロントサイドメンバを連結するサブパネル
   と、該サブパネル及び前記ダツシユパネルを連
   結するメインパネルとにより構成される実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の車両のフロント
   ボデイ構造。 ３ 前記メインパネルは、車両前後方向に形成さ
   れる補強溝を備えるよう構成される実用新案登
   録請求の範囲第２項記載の車両のフロントボデ
   イ構造。