JPH0344864Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、水洗便器に取り付けて局部洗浄を行
う衛生洗浄装置に関する。

〔従来の技術〕

近来、局部洗浄機能を持つ衛生洗浄装置として
は、機能部を内蔵したケーシングを便器本体に固
定したものが一般に利用されている。

この衛生洗浄装置は、便器本体の後部側に一体
的に固定したケーシング内に、洗浄温水を貯溜す
るヒータ内蔵の温水タンク、この温水タンクから
の温水を局部に噴出するためのノズル装置等を内
蔵したものである。そして、洗浄温水の供給は、
外部に設けた操作盤により、バルブユニツト等を
含む洗浄水流路を開閉することによつて行い、こ
の他に乾燥用の温風フアンを作動させるための制
御系を備えることもある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、このような衛生洗浄装置は、一般の
便所に設備する仕様を有する製品として設計され
ているので、たとえば狭い空間を最大限に利用す
る必要がある洋風ユニツトバス等にはそのまま適
用することはできない。

このため、便器本体に付属する洗浄及び乾燥機
能部と、洗浄水供給及び全ての操作制御系等を含
む機能部とを分離することが一つの有効な手段と
して採用可能である。この場合、ノズル装置等を
内蔵したケーシングと、温水タンク、洗浄水供給
のためのバルブユニツト及び制御部等を内蔵した
機能部との間には、配管や配線を設ける必要があ
る。したがつて、このような配管や配線のため
に、ケーシングにはこれらの接続部を設けなけれ
ばならない。

ところが、各種仕様の洋風ユニツトバスや既設
のものに配置するにしても、便器の位置が周辺機
器との間で様々に異なり、その結果、便器側のケ
ーシングと機能部との相対位置も様々に変化する
ことが避けられない。このため、機能部の位置に
対応して配線や配管を狭いスペースで行い、しか
もユニツトとしての空間利用を損なわないように
することが必要となる。

そこで、本考案は、ノズル装置等を内蔵するケ
ーシングと機能部との相対位置に対応して、両者
間の配管及び配線を嵩張ることなくコンパクトに
行えるようにすることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、以上の目的を達成するために、洗浄
用のノズル装置等の機器を内蔵した装置本体の背
部左右の２個所に、前記機器への配管及び配線を
束ねて前記装置本体の内外に巡らすスリーブの固
定座を設けたことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を具
体的に説明する。

第１図は本考案に係る衛生洗浄装置のケーシン
グ内部を示す平面図、第２図は配管・配線接続部
の位置を変えたときの平面図、第３図は洋風ユニ
ツトバス内でのレイアウトを示す概略平面図であ
る。

第３図において、洋風ユニツトバスＡ内には、
浴槽Ｂ、洗面器Ｃ、及び水洗便器Ｄがユニツトと
して配置され、水洗便器Ｄの後部側には洗浄部Ｅ
を固定し、更にこの洗浄部Ｅへの洗浄水の供給及
び各機器の制御を行う機能部Ｆを洋風ユニツトバ
スＡの洗面器用キヤビネツト内に配置すればユニ
ツト内の狭いスペースを有効利用できる。また、
洋風ユニツトバスＡの各種仕様の中で、洗面器用
キヤビネツト内に収納できない場合には、水洗便
器Ｄの後方或いは側方の床面に配置する。同第３
図ａ及びｂとも、洗面器用キヤビネツト内に機能
部Ｆが収納される場合には破線Faのようにレイ
アウトされる。また、洗面器用キヤビネツト内に
収納できないとき及びキヤビネツトがない場合に
は、実線Fbで示すように水洗便器Ｄの側方に配
置する。なお、水洗便器Ｄと周囲の機器との位置
関係によつては、水洗便器Ｄの後方にレイアウト
することも可能である。

このように、水洗便器Ｄに対して機能部Ｆの据
え付け位置をキヤビネツト内や水洗便器Ｄの側方
又は後方としても、キヤビネツト内の収納位置、
外置きの場所によつて後述するスリーブの取付け
位置を洗浄部Ｅに対して自由に左右取り出しとし
て選択できる。

なお、機能部Ｆは、洗浄温水を貯溜する温水タ
ンク、洗浄水流路を開閉する電磁弁式のバルブユ
ニツト及び洗浄水の供給、ノズル装置の駆動、暖
房便座の加熱等全ての機器の制御を行う制御部を
内蔵した構成である。また、各機器の操作は洋風
ユニツトバスＡの壁面に設けた操作パネルＰによ
り行う。

第１図は、第３図ａのレイアウトに対応する配
管・配線を示すもので、水洗便器Ｄに固定する取
付け基板１の略中央にはノズル装置２０を固定し
ている。このノズル装置２０は、シリンダ２１内
にノズル本体２２を摺動自在に内蔵し、駆動モー
タ２３によつてシリンダ２１内の収納位置と洗浄
水噴出位置間を往復動作する。

シリンダ２１の先端側には機能部Ｆの温水タン
クに連通する洗浄水供給管２４が接続され、ノズ
ル本体２２が洗浄水噴出位置に到達したときに流
路が連通して先端の噴出孔２２ａから洗浄水を局
部に向けて噴出する。また、不感水量対策として
設けた捨水管２５を機能部Ｆ内のバルブユニツト
に接続し、この捨水管２５の管端を取付け基板１
の前面側に位置させることにより、水を水洗便器
Ｄのボール部に排出する。

更に、ノズル装置２０の駆動モータ２３への通
電を行うノズルコード２６をコネクタ２７に接続
すると共に、ヒータを内蔵した暖房便座Ｇに接続
する便座コード２８を取付け基板１面上に配線し
ている。これらのノズルコード２６及び便座コー
ド２８は、機能部Ｆの制御部に結線され、操作パ
ネルＰによりノズル装置２０の駆動及び暖房弁座
Ｇの加熱を行う。

なお、便座コード２８は取付け基板１に固定し
たブツシユ２９を通過して下方に至り、暖房便座
Ｇの側部に設けた接続ブツシユ３０により内部の
ヒータ（図示せず）に接続される。

以上の洗浄水供給管２４、捨水管２５、ノズル
コード２６及び便座コード２８はいずれも屈曲自
在な素材とし、取付け基板１の背部に着脱可能に
取り付けたスリーブ３を挿通してそれぞれの配
管・配線を行う。

第４図は取付け基板１及びその上面を被覆する
ケーシング２の分解斜視図である。

図において、取付け基板１の左右両端には、ス
リーブ３を固定するための固定座５を同じ形状に
形成している。この固定座５は、縦壁６を取付け
基板１の背部側に立ち上げたもので、下端及び左
右に鍔部７を設けると共に、縦壁６には半円状の
切欠８を形成している。

スリーブ３は、上端を半円状とした逆Ｕ字形の
フランジ９と、このフランジ９から背面側に突出
する円筒部１０とから構成される。また、フラン
ジ９は、鍔部７内に位置する周囲部分を薄肉部１
１とし、この薄肉部１１を鍔部７に嵌合すること
によつて固定できると共に、フランジ９、塞板４
の上端形状を半円状として逆Ｕ字形のようにした
ことにより廻り止めの役目も果たしている。

更に、塞板４はスリーブ３を配置しない側の固
定座５に取り付ける盲板として用いられ、前記の
ようにスリーブ３のフランジ９と同形状をなし、
周囲には薄肉部１２を設けている。

一方、ケーシング２の背部の縦壁には、スリー
ブ３のフランジ９及び塞板４を嵌合する略逆Ｕ字
状の切欠１４を形成している。この切欠１４部分
の内壁には、第６図の断面図で示すように、フラ
ンジ９及び塞板４の薄肉部１１，１２を受ける段
部１５を設けている。この段差部のかぶりにより
外部からの水の浸入を防止でき、またフランジ９
及び塞板４が確実に納まるようにしているので位
置決めが簡単に行える。

これらのスリーブ３及び塞板４をそれぞれの固
定座５に取り付ける手順は、取付け基板１の縦壁
６にスリーブ３のフランジ９及び塞板４の背面側
を当接させ、それぞれの薄肉部１１，１２を左右
及び下端の鍔部７の間に挿入する。この操作によ
り、スリーブ３と塞板４を固定座５に位置決め固
定できる。次いで、ケーシング２を上方から取付
け基板１に被せ、切欠１４部分をスリーブ３のフ
ランジ９及び塞板４に嵌合する。これによつて、
第６図に示すように、ケーシング２内壁の段部１
５が薄肉部１１，１２の背面に重合し、スリーブ
３と塞板４を安定した状態に固定できる。

なお、組立て後には、スリーブ３の円筒部１０
にはゴム等を素材とするチユーブ１６を外嵌し、
機能部Ｆまでの洗浄水供給管２４、捨水管２５、
ノズルコード２６及び便座コード２８を被覆す
る。このとき、スリーブ３のフランジ９はケーシ
ング２の切欠１４と逆Ｕ字状に嵌まり合い、チユ
ーブ１６の挿入時のスリーブ３の回転防止の作用
をする。また、スリーブ３の円筒部１０の途中に
は、チユーブ１６の抜け止めのための段３１を外
周に一体に形成しているのでチユーブ１６の抜け
や脱落を生じることはない。そして、これらの配
管及び配線群を保護して、第７図のように、洗面
器用のキヤビネツトＨ内に機能部Ｆを収納する場
合には、チユーブ１６によつて配線及び配管をキ
ヤビネツＨ内に導き、フランジ３０でカバーして
機能部Ｆに接続する。

以上のように、固定座５の一方に配管・配線用
のスリーブ３を配置し、他方には塞板４を取り付
けることによつて、洗浄部Ｅを組み立てることが
できる。そして、左右の固定座５に対し、スリー
ブ３及び塞板４のいずれも取り付けできるように
フランジ９と塞板４の外形を形成しているので、
第２図のようにスリーブ３と塞板４の位置を互い
に変えることができる。したがつて、スリーブ３
を取付け基板１の左側又は右側に位置させること
ができ、第３図ｂのように水洗便器Ｄの左側に機
能部Ｆが配置されているとき、又は機能部Ｆが洗
面器用のキヤビネツトＨ内に配置され左側取り出
しの必要があるときは、スリーブ３を左側の固定
座５に設ける配管・配線を行うことにより狭いユ
ニツト空間を有効に利用することができる。（第
２図の状態）。

このように、取付け基板１の背部左右に同一形
状の固定座５を設け、配管・配線のためのスリー
ブ３及び塞板４をこれらの固定座５に取り付け可
能なので、洗浄部Ｅの据え付け状況に応じて、配
管・配線を各種仕様の洋風ユニツトバスＡに対し
嵩張ることなくコンパクトに行うことができる。

なお、第８図に示すように、機能部Ｆを洋風ユ
ニツトバスＡ内の洗面器Ｃと一体化したキヤビネ
ツトＨの内部に配置することもできる。このよう
に、機能部Ｆを床面上に設けないようにすれば、
浴槽Ｂや洗面器Ｃからの水はねに対して防水で
き、足をつまずくことなく使用できる。また、前
記のように、キヤビネツトＨ内に組み込むことに
より、ユニツトバスＡの狭い空間を有効利用でき
るものともなる。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案の衛生洗浄装置
においては、装置本体の背部左右の固定座に、配
管・配線のためのスリーブを選択的に取り付け可
能としている。したがつて、衛生洗浄装置の据え
付け状況に応じて、配管・配線に最適となるよう
に固定座のいずれか一方を選択してスリーブを配
置でき、機能部との配置が様々に変化しても、据
え付けを支障なく行うことができると共に、廻り
止め機構を有しているのでチユーブ接続作業が容
易に行える。また、特に洋風ユニツトバス等に配
置する場合には、機能部の位置に対応して配線や
配管を狭いスペースで行うことが可能となり、ユ
ニツトとしての空間利用を損なうこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る衛生洗浄装置の内部を示
す平面図、第２図は第１図の状態から接続スリー
ブの位置を変えたときの平面図、第３図はユニツ
トバス内のレイアウトを示す概略平面図、第４図
は要部を分解して示す斜視図、第５図は第１図の
スリーブ位置においてケーシングを連結したとき
の背面図、第６図は第５図の−線矢視による
断面図、第７図は洗面器用のキヤビネツト内に配
置した機能部と衛生洗浄装置のケーシングとの接
続を示す概略断面図、第８図はユニツトバスの洗
面器用キヤビネツトの内部に機能部を収納したレ
イアウトを示す斜視図である。 １……取付け基板、２……ケーシング、３……
スリーブ、４……塞板、５……固定座、６……縦
壁、７……鍔部、８……切欠、９……フランジ、
１０……円筒部、１１……薄肉部、１２……薄肉
部、１４……切欠、１５……段部、１６……チユ
ーブ、２０……ノズル装置、２１……シリンダ、
２２……ノズル本体、２３……駆動モータ、２４
……洗浄水供給管、２５……捨水管、２６……ノ
ズルコード、２７……コネクタ、２８……便座コ
ード、Ａ……洋風ユニツトバス、Ｂ……浴槽、Ｃ
……洗面器、Ｄ……水洗便器、Ｅ……洗浄部、Ｆ
……機能部、Ｇ……暖房便座、Ｈ……キヤビネツ
ト、Ｐ……操作パネル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 洗浄用のノズル装置等の機器を内蔵した装置
   本体の背部左右の２箇所に、前記機器への配管
   及び配線を束ねて前記装置本体の内外に巡らす
   スリーブの固定座を設けたことを特徴とする衛
   生洗浄装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置本
   体及びスリーブは、互いに嵌合する逆Ｕ字状の
   切欠及びフランジをそれぞれ有することを特徴
   とする衛生洗浄装置。