本発明は、並列配管された給湯管及び給水管の2本の管を同一の挿通口から内部に導くことが可能な継手収容ボックスを用いることにより、管の迂回配管の必要をなくして、配管作業を容易にすることを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、給湯管と給水管とがそれぞれ接続される2つの継手を収容するための2つの継手収容空間部を備える継手収容ボックスであって、当該各継手収容空間部の少なくとも一方には、当該各継手収容空間部の並び方向と略同一方向側から、給湯管及び給水管を並列配管した状態で当該各継手収容空間部内に挿通できる同一方向挿通口が、隣接する他方の継手収容空間部と反対側に設けられ、当該各継手収容空間部の間には、一方の継手収容空間部内に挿通された給湯管及び給水管の一方の管が、他方の継手収容空間部内に対して配管可能とする配管空間を形成する連通空間部が設けられ、前記各継手収容空間部に配置された継手の水栓取付部をボックス外方に臨ませる開口が各継手収容空間部にそれぞれ形成され、前記開口の中心は、前記同一方向挿通口から挿通される給湯管及び給水管の各管軸のいずれか一方の管軸側にずれた位置に形成されていることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、2つの継手収容空間部の並び方向と略同一方向から並列配管された給湯管及び給水管の2本の配管を挿通し、一方の管に接続された継手は、当該同一方向挿通口と接続する一方の継手収容空間部に収容され、他方の管は、連通空間部を通って他方の継手収容空間部に入り込むと共に、当該他方の管に接続された継手は、当該他方の継手収容空間部に収容される。従って、2つの継手収容空間部の並び方向と略同一方向に単に1つの挿通口が設けられている従来の継手収容ボックスでは、2本の管の一方を迂回配管させて、他の部分から内部に挿通させざるを得なかった不具合を解消でき、しかも並列配管された給湯管及び給水管を収容している保護カバーの延長線上に継手収容ボックスが配置されるため、全体としてすっきりした配管状態となる。
また、前記各継手収容空間部に配置された継手の水栓取付部をボックス外方に臨ませる開口が各継手収容空間部にそれぞれ形成され、前記開口の中心は、前記同一方向挿通口から挿通される給湯管及び給水管の各管軸のいずれか一方の管軸側にずれた位置に形成されているため、継手収容ボックス内において、給湯管及び給水管のいずれか一方又は双方をわん曲させる場合において、そのわん曲の程度が小さくなって、継手収容ボックス内における給湯管及び給水管の配管が容易となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記各継手収容空間部のいずれか一方には、前記各継手収容空間部の並び方向と略直交する方向から給湯管及び給水管を並列配管した状態で前記継手収容空間部内に挿通可能とする直交方向挿通口を備え、前記直交方向挿通口を備えた継手収容空間部に形成された前記開口は、前記同一方向挿通口から挿通される給湯管及び給水管のいずれか一方の管軸と、前記直交方向挿通口から挿通される給湯管及び給水管のいずれか一方の管軸との略交差位置に形成されていることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、並列配管される給湯管及び給水管は、水平方向、及び垂直方向のいずれの方向に沿っていても、2本の給湯管及び給水管を同一の挿通口から継手収容ボックス内に挿通できて、並列配管される給湯管及び給水管の2本の配管と継手収容ボックス内に収容される各継手との接続形態が2種類となる。この結果、給湯管及び給水管の2本の配管が水平配管、及び垂直配管のいずれの場合にも対応可能となって、継手収容ボックス外における配管の自由度が高まる対応範囲が広くなる。また、前記開口上に管軸を有する給湯管及び給水管のいずれか一方は、全くわん曲させることなく、湯水混合水栓の給湯管部又は給水管部に接続可能となる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記各継手収容空間部は、給湯管及び給水管を並列配管した状態で当該各継手収容空間部に収容可能とする前記同一方向挿通口、及び前記直交方向挿通口とをそれぞれ備えていることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、継手収容ボックスを基準にして左右のいずれの方向に給湯管及び給水管が並列配管されていても、当該2本の配管と継手収容ボックス内の各継手とを当該配管のいずれか一方を迂回配管することなく接続できると共に、2つの継手収容空間部の間隔に対応した間隔を有する2つの直交方向挿通口を備えているため、例えば、給湯管及び給水管とを湯水混合水栓に接続する場合には、当該湯水混合水栓に対する給湯管及び給水管の左右方向の配置位置に自由度が発生して、配管がし易くなる。
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記各継手収容空間部の一方のみに、前記各継手収容空間部の並び方向と略直交する方向から、給湯管及び給水管を並列配管した状態で前記各継手収容空間部内に挿通可能とする直交方向挿通口を備えていることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、継手収容ボックスを上下反転させることにより、当該継手収容ボックスに対して上方、及び下方のいずれに給湯管及び給水管が並列配管されていても、給湯管及び給水管と継手収容ボックス内の各継手とを接続できる。
請求項5の発明は、請求項2ないし4のいずれかの発明において、前記同一方向挿通口における前記直交方向挿通口側でない側に配管される給湯管又は給水管の管軸と、前記直交方向挿通口における前記同一方向挿通口側に配管される給湯管又は給水管の管軸との交差位置に開口が形成されていることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、継手収容ボックスの下部であって、しかも両側部である部分に開口が形成されるため、水栓を接続した状態において、継手収容ボックスの下部であって、しかも両側部の部分には、余った部分が殆どなくなって、圧迫感がなくなると共に、外観もすっきりする。
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記継手収容ボックスは、壁面に固定される固定部、及び収容された継手を固定配置させる固定配置部材を備えた基台と、当該基台の全体を覆うように前記基台に組み付けられる蓋体とから成ることを特徴としている。
請求項6の発明によれば、壁面に固定される基台と、当該基台を覆う蓋体とで継手収容ボックスが構成されるので、壁面に固定した基台に、固定配置部材により各継手を固定配置した状態で、各継手の全体を蓋体で覆うことができる。
請求項7の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記継手収容ボックスは、壁面に固定される固定部を備えた基台と、当該基台の全体を覆うように前記基台に組み付けられる蓋体とから成り、前記開口は基台のみに設けられていることを特徴としている。
請求項7の発明によれば、壁裏に継手収容ボックスを配置する場合に対応させたものであって、基台に形成された開口に挿入される各継手の水栓取付部は、壁板に形成された継手貫通孔に収容されて、湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部とそれぞれ接続される。このため、継手収容ボックスの蓋体には、開口の形成の必要がなくなる。
また、請求項8の発明は、請求項6又は7の発明において、前記蓋体は、全体の端面が壁面に略当接するようなボックス状に形成されていることを特徴としている。
請求項8の発明によれば、蓋体の端面と壁面との間の隙間がなくなって、蓋体が外れにくくなると共に、基台全体が蓋体により覆い隠されて外観がすっきりする。
また、請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の継手収容ボックスと、給湯管及び給水管と、当該2本の管を並列配管して収容保護可能な管材保護ダクトと、当該2本の管と湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部とをそれぞれ接続する2つの継手とを備え、壁表側において前記湯水混合水栓と前記給湯管及び給水管とを接続する湯水混合水栓の配管構造であって、前記管材保護ダクトは、前記給湯管及び給水管を並列状態で保持可能な左右一対の保持部を備え、前記継手収容ボックスの同一方向挿通口に前記管材保護ダクトが接続され、前記管材保護ダクト内に並列状態で収容された給湯管及び給水管は、いずれも共通の挿通口を通って継手収容ボックス内の各継手収容空間部に導かれて、一方の管と湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部のいずれか一方とを接続する継手は、前記管材保護ダクトに接続された一方の継手収容空間部に収容されると共に、他方の管と湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部の他方とを接続する継手は、前記他方の管が前記一方の継手の脇を通過して継手収容ボックスの連通空間部を通ることにより、他方の継手収容空間部に収容される構成であることを特徴としている。
請求項9の発明によれば、給湯管及び給水管とを並列状態で保持可能な左右一対の保持部を備えた管材保護ダクトと、給湯管及び給水管との2本の管を並列状態で挿通可能な同一方向挿通口及び直交方向挿通口を備えた継手収容ボックスとを組み合わせて使用することにより、給湯管及び給水管とを並列状態で収容保持した管材保護ダクトと、継手収容ボックスの同一方向挿通口とを接続することにより、水平方向に配管されている当該給湯管及び給水管は、壁表側において迂回配管することなく湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部と接続できる。この結果、配管作業が容易になると共に、配管廻りがすっきりして見栄えが良くなる。
また、請求項10の発明は、請求項2ないし5のいずれかに記載の継手収容ボックスと、給湯管及び給水管と、当該2本の管を並列配管して収容保護可能な管材保護ダクトと、当該2本の管と湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部とをそれぞれ接続する2つの継手とを備え、壁表側において前記湯水混合水栓と前記給湯管及び給水管とを接続する湯水混合水栓の配管構造であって、前記管材保護ダクトは、前記給湯管及び給水管を並列状態で保持可能な左右一対の保持部を備え、前記継手収容ボックスの直交方向挿通口に前記管材保護ダクトが接続され、前記管材保護ダクト内に並列状態で収容された給湯管及び給水管は、いずれも共通の挿通口を通って継手収容ボックス内の各継手収容空間部に導かれて、一方の管と湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部のいずれか一方とを接続する継手は、前記管材保護ダクトに接続された一方の継手収容空間部に収容されると共に、他方の管と湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部の他方とを接続する継手は、前記他方の管が前記一方の継手収容空間部内で曲げられて、継手収容ボックスの連通空間部を通ることにより、他方の継手収容空間部に収容される構成であることを特徴としている。
請求項9の発明は、給湯管及び給水管が水平配管されているのに対して、請求項10の発明は、給湯管及び給水管が垂直配管されていて、継手収容ボックスの直交方向挿通口を通って当該ボックス内に収容される点が異なるのみであって、この点を除く作用効果は、請求項9の発明と同等である。
請求項11の発明は、給湯管と給水管とがそれぞれ接続される2つの継手を収容するための2つの継手収容空間部を備え、当該継手収容空間部の少なくとも一方には、当該各継手収容空間部の並び方向と略同一方向から、給湯管及び給水管を並列配管した状態で当該各継手収容空間部内に挿通できる同一方向挿通口が、隣接する他方の継手収容空間部と反対側に設けられ、当該各継手収容空間部の間には、一方の継手収容空間部内に挿通された給湯管及び給水管の一方の管が、他方の継手収容空間部内に対して配管可能とする配管空間を形成する連通空間部が形成され、前記各継手収容空間部内に配置された継手の水栓取付部をボックス外方に臨ませる開口が各継手収容空間部にそれぞれ形成された継手収容ボックスと、給湯管及び給水管と、当該2本の管と湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部とをそれぞれ接続する2つの継手とを備え、前記湯水混合水栓と前記給湯管及び給水管とを接続する湯水混合水栓の配管構造であって、前記2つの開口は、当該各開口の並び方向が各継手収容空間部の並び方向と平行となるように、各継手収容空間部にそれぞれ成形されており、前記給湯管及び給水管は、並列状態で、前記同一方向挿通口を通って一方の継手収容空間部に導かれ、前記一方の継手収容空間部に導かれた2本の管のうち一方の管は、一方の継手収容空間部の開口から継手の水栓取付部がボックス外方に臨むようにして、当該一方の継手収容空間部に収容される前記2つの継手のうちの一方の継手と接続され、前記一方の継手収容空間部に導かれた2本の管のうち、前記一方の継手収容空間部から連通空間部を通って他方の継手収容空間部内に配管される他方の管は、ボックス内で曲げ配管されて、他方の継手収容空間部の開口から継手の水栓取付部がボックス外方に臨むようにして、当該他方の継手収容空間部に収容される他方の継手と接続されていることを特徴としている。
請求項11の発明は、給湯管及び給水管が水平方向に配管されている請求項9の発明において、当該給湯管及び給水管を収容保護する管材保護ダクトを欠落された構成であるため、その実質的な作用効果は、請求項9の発明と同等である。
請求項12の発明は、給湯管と給水管とがそれぞれ接続される2つの継手を収容するための2つの継手収容空間部を備え、当該継手収容空間部の少なくとも一方には、当該各継手収容空間部の並び方向と略同一方向から、給湯管及び給水管を並列配管した状態で当該各継手収容空間部内に挿通できる同一方向挿通口が、隣接する他方の継手収容空間部と反対側に設けられ、前記各継手収容空間部の少なくとも一方には、前記各継手収容空間部の並び方向と直交する方向から給湯管及び給水管を並列配管した状態で当該継手収容空間部内に挿通可能とする直交方向挿通口を備え、前記各継手収容空間部の間に、一方の継手収容空間部内に挿通された給湯管及び給水管の一方の管が、他方の継手収容空間部内に対して配管可能とする配管空間を形成する連通空間部が設けられた継手収容ボックスと、給湯管及び給水管と、当該2本の管を並列配管して収容保護可能な管材保護ダクトと、当該2本の管と湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部とをそれぞれ接続する2つの継手とを備え、前記湯水混合水栓と前記給湯管及び給水管とを接続する湯水混合水栓の配管構造であって、前記管材保護ダクトは、前記給湯管及び給水管を並列状態で保持可能な左右一対の保持部を備え、前記継手収容ボックスの同一方向挿通口、及び直交方向挿通口のいずれか一方の挿通口と前記管材保護ダクトとが接続され、当該管材保護ダクト内に並列状態で収容された給湯管及び給水管は、いずれも共通の挿通口を通って継手収容ボックス内の各継手収容空間部に導かれて、一方の管の湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部のいずれか一方とを接続する継手は、前記管材保護ダクトが接続された一方の継手収容空間部に収容されると共に、他方の管と湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部の他方とを接続する継手は、前記他方の管が継手収容ボックスの連通空間部を通ることにより、他方の継手収容空間部に収容される構成であることを特徴としている。
請求項12の発明は、請求項9又は10の発明において、湯水混合水栓及び継手収容ボックスの双方が壁表に配置されていることを特定したものであって、実質的な作用効果は、請求項9の発明と同等である。
請求項13の発明は、給湯管と給水管とがそれぞれ接続される2つの継手を収容するための2つの継手収容空間部を備え、当該継手収容空間部の少なくとも一方には、当該各継手収容空間部の並び方向と略同一方向から、給湯管及び給水管を並列配管した状態で当該各継手収容空間部内に挿通できる同一方向挿通口が、隣接する他方の継手収容空間部と反対側に設けられ、前記各継手収容空間部の少なくとも一方には、前記各継手収容空間部の並び方向と直交する方向から給湯管及び給水管を並列配管した状態で当該継手収容空間部内に挿通可能とする直交方向挿通口を備え、前記各継手収容空間部の間に、一方の継手収容空間部内に挿通された給湯管及び給水管の一方の管が、他方の継手収容空間部内に対して配管可能とする配管空間を形成する連通空間部が設けられた継手収容ボックスと、給湯管及び給水管と、当該2本の管を並列配管して収容保護可能な管材保護ダクトと、当該2本の管と湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部とをそれぞれ接続する2つの継手とを備え、壁表側に設置される前記湯水混合水栓と前記給湯管及び給水管とを接続する湯水混合水栓の配管構造であって、前記管材保護ダクトは、前記給湯管及び給水管を並列状態で保持可能な左右一対の保持部を備え、壁裏側に前記継手収容ボックスが配置されて、前記継手収容ボックスの同一方向挿通口、及び直交方向挿通口のいずれか一方の挿通口と前記管材保護ダクトとが接続され、当該管材保護ダクト内に並列状態で収容された給湯管及び給水管は、いずれも共通の挿通口を通って継手収容ボックス内の各継手収容空間部に導かれて、一方の管の湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部のいずれか一方とを接続する継手は、前記管材保護ダクトが接続された一方の継手収容空間部に収容されて、その水栓取付部は、壁表側に臨むように壁板に形成された継手貫通孔に臨ませると共に、他方の管と湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部の他方とを接続する継手は、前記他方の管が継手収容ボックスの連通空間部を通ることにより、他方の継手収容空間部に収容され、その水栓取付部は、壁表側に臨むように壁板に形成された継手貫通孔に臨ませる構成であることを特徴としている。
請求項13の発明は、請求項9又は10の発明において、湯水混合水栓が壁表に配置され、継手収容ボックスが壁裏に配置されていることを特定したものであって、基台に形成された開口に挿入される各継手の水栓取付部は、壁板に形成された継手貫通孔に収容されて、湯水混合水栓の給湯管部及び給水管部とそれぞれ接続される。また、継手接続に係る実質的な作用効果は、請求項9の発明と同等である。
請求項14の発明は、請求項9ないし13のいずれかの発明において、前記継手収容ボックスの一方の継手収容空間部内に導かれた給湯管及び給水管のうち、少なくとも一方の管は、継手収容ボックス内においてわん曲させることにより配管経路を自在に変更可能な可撓性を有していて、前記一方の継手収容空間部内で可撓性を有する管がわん曲されると共に、前記連通空間部を通って他方の継手収容空間部に配管されていることを特徴としている。
請求項14の発明によれば、給湯管及び給水管の少なくとも一方が可撓性を有しているため、継手収容ボックス内においては、同一方向挿通口又は直交方向挿通口からボックス内に導かれた2本の管のうち配管経路の変更の必要のある管は、可撓性を有するものを選択することにより、狭いボックス内において自在に迂回配管等を行って配管経路を変更できる。この結果、管を加熱してわん曲させたり、或いは多種類の継手を予め用意しておいて、多種類の継手の選択により配管経路を定めるという面倒な作業を解消できて、配管作業の能率が高まる。また、最も緩やかな形状にわん曲させることが可能であるので、湯水の通管抵抗が小さくなると共に、ウォーターハンマー現象も軽減される。また、給湯・給水元から継手収容ボックスまでの配管経路においても管を自在に曲げて、自由な配管経路を選択できる。
本発明によれば、2つの継手収容空間部の並び方向と略同一方向から並列配管された給湯管及び給水管の2本の配管を挿通し、一方の管に接続された継手は、当該同一方向挿通口と接続する一方の継手収容空間部に収容され、他方の管は、連通空間部を通って他方の継手収容空間部に入り込むと共に、当該他方の管に接続された継手は、当該他方の継手収容空間部に収容される。従って、2つの継手収容空間部の並び方向と略同一方向に単に1つの挿通口が設けられている従来の継手収容ボックスでは、2本の管の一方を迂回配管させて、他の部分から内部に挿通させざるを得なかった不具合を解消でき、しかも並列配管された給湯管及び給水管を収容している保護カバーの延長線上に継手収容ボックスが配置されるため、全体としてすっきりした配管状態となる。
また、垂直方向に並列配管された給湯管及び給水管を一緒に挿通可能な直交方向挿通口を備えている場合には、給湯管及び給水管の2本の配管が水平配管、及び垂直配管のいずれの場合にも対応可能となって、継手収容ボックス外における配管の自由度が高まる。
実施例1は、縦方向に並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 を本発明に係る継手収容ボックス(以下、単に「ボックス」と略すこともある)B内に挿通して、当該ボックスB内で給湯管P1 及び給水管P2 を各水栓継手E1 ,E2 を介して湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82と接続配管する例である。図1は、縦方向に並列配管された給湯管P1 と給水管P2 と湯水混合水栓Aとが本発明に係るボックスBを介して接続された状態の斜視図であり、図2は、壁面Wに固定された基台V、各水栓継手E1 ,E2 が接続された給湯管P1 及び給水管P2 、押えカバーCの斜視図であり、図3は、第1及び第2の各継手収容空間部J1 ,J2 に配管された給湯管P1 、給水管P2 及び各水栓継手E1 ,E2 が押えカバーCにより固定された基台Vと、当該基台Vを覆う蓋体L1 と、2本の給湯管P1 及び給水管P2 を並列配管状態で収容する管材保護ダクトDとの斜視図であり、図4は、基台Vの斜視図であり、図5は、同じく正面図であり、図6(a),(b),(c)は、それぞれ図5のX1 −X1 線、X2 −X2 線及びX3 −X3 線断面図であり、図7及び図8は、それぞれ蓋体L1 を正面側及び背面側から見た斜視図であり、図9は、蓋体L1 の平面図であり、図10(a),(b)は、それぞれ図9のY1 −Y1 線及びY2 −Y2 線断面図であり、図11(a),(b)は、それぞれ押えカバーCを正面側及び背面側から見た斜視図であり、図12は、継手収容ボックスBと管材保護ダクトDの蓋体60との接続部の隙間を閉塞する隙間閉塞具Fの斜視図である。
継手収容ボックスBは、壁面Wに固定される基台Vと、当該基台Vに覆蓋される蓋体L1 とで構成され、ボックスB内において、当該ボックスB内に挿入された給湯管P1 及び給水管P2 の各一端部と、湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82と接続配管するために、各水栓継手E1 ,E2 と押えカバーCとが使用される。基台Vは、図2〜図6に示されるように、並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 の各端部を並列配管状態を保持してそのまま挿通可能にして、給湯管P1 及び給水管P2 の各々の一端部と、当該各々の一端部と湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82と接続配管するための各水栓継手E1 ,E2 とを収容可能とする空間部を有している。即ち、基台Vは、長手方向の中央部が所定長だけ狭幅となった横長形状であって、幅方向の両端部に内周面が給湯管P1 及び給水管P2 の外径に対応した円弧状をした水平壁部1がそれぞれ長手方向に形成され、長手方向の両端部には、当該基台Vに蓋体L1 を覆蓋した状態において、前記各水栓継手E1 ,E2 をそれぞれ収容配置可能とする第1及び第2の各継手収容空間部J1 ,J2 がそれぞれ形成されて、各継手収容空間部J1 ,J2 の間は、給湯管P1 及び給水管P2 のいずれか一方が配管されて、当該各継手収容空間部J1 ,J2 を連通する連通空間部2となっている。
また、基台Vの長手方向の両端部には、第1及び第2の各継手収容空間部J1 ,J2 の並び方向(基台Vの長手方向)と略同一方向から、並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 を当該並列配管状態で第1及び第2の各継手収容空間部J1 ,J2 に挿通可能な一対(2個)一組の同一方向挿通口S1 がそれぞれ形成されている。同一方向挿通口S1 は、給湯管P1 及び給水管P2 の外径に対応した断面半円状をなしている。従って、一対一組の同一方向挿通口S1 の間には仕切壁部3が形成されている。基台Vの幅方向の両端部の各水平壁部1及び仕切壁部3の上端面は、同一平面状に配置される平面に形成されている。一方、2つの水平壁部1のうち一方の水平壁部1における前記連通空間部2の両側には、一対(2個)一組の直交方向挿通口S2 が前記同一方向挿通口S1 と直交する方向(垂直方向)に沿って形成されている。直交方向挿通口S2 の断面形状は、同一方向挿通口S1 の断面形状と同一の半円状であるが、異なる外径の管に対応可能なように半径は小さくなっている。一対一組の直交方向挿通口S2 の間には仕切壁部10が形成されている。なお、他方の水平壁部1には、直交方向挿通口S2 は形成されていない。
また、基台Vにおける壁面Wに当接する底壁部4には、一対一組の同一方向挿通口S1 における一対一組の直交方向挿通口S2 と反対側の管軸G1 と、一対一組の直交方向挿通口S2 における一対一組の同一方向挿通口S1 の側の管軸G2 との交差位置を中心とする円形の継手挿入開口5がそれぞれ貫通して形成されている。この継手挿入開口5は、壁体の裏面側(湯水混合水栓Aを配置する側と反対の側)に湯水混合水栓Aを配置する場合に、水栓継手E1 ,E2 の一部を挿入するために使用される孔であって、第1及び第2の各継手収容空間部J1 ,J2 にそれぞれ1個ずつ形成されている。一対一組の同一方向挿通口S1 は、基台Vの側端面から継手挿入開口5の部分まで達しているため、一対一組の直交方向挿通口S2 よりも長く形成されている。
また、基台Vの長手方向の中央部の幅が狭くなった部分は、蓋体L1 の各蓋体単体部21を連結している連結部22が嵌合される連結部嵌合凹部6であって、各連結部嵌合凹部6には、係合構造により基台Vと蓋体L1 とを解除可能に係合する係合部7が対向して形成されている。また、図4〜図6、及び図18に示されるように、連結部嵌合凹部6の水平壁部1’が平面視又は背面視で方形状に切り欠かれることにより、当該水平壁部1’には、背面側に貫通した拡開用空間部8が形成されて、当該拡開用空間部8を構成する外板部9には、底壁部4に対して垂直な溝部11が底面の直前の部分まで形成されていて、前記外板部9の内側面であって、しかも前記溝部11の上端開口部の両側に位置する部分には、一対の分割係合突起12が形成されている。前記係合部7は、拡開用空間部8と、当該拡開用空間部8を形成する外板部9に形成された溝部11と、前記一対の分割係合突起12とで構成される。なお、図6(b)及び図18において、12は、拡開用空間部8を形成する内板部13を示し、図4及び図18において、20は、水平壁部1’に設けられた方形状をした切欠き部を示す。また、基台Vの裏面側における長手方向の両端部には、当該基台Vに対して蓋体L1 を覆蓋させた状態において、当該蓋体L1 の係合凸部39と係合可能な係合凹部14(図4及び図14参照)が幅方向に形成されている。
また、基台Vの四隅部は、深い座ぐり状に形成されて、水平壁部1の端面1aと平行な各当接板部15に第1ビス挿通孔16がそれぞれ形成されていると共に、基台Vの第1及び第2の各継手収容空間部J1 ,J2 の各継手挿入開口5に接続して形成された各平面部17に第2ビス挿通孔18がそれぞれ形成されている。第1及び第2の各ビス挿通孔16,18は、いずれも基台Vを壁面Wに固定するビスを挿通するのに使用される。また、基台Vの幅方向の両端部に長手方向に形成された各水平壁部1の端面1aには、押えカバーCを固定するためのビスを入するビス下孔19が計4個で一組となって二組形成されている。計4個で一組となった各ビス下孔19が頂点となった方形は、後述の押えカバーCを90°反転させて使用可能にするために正方形となっている。
次に、図7〜図9を参照して、蓋体L1 について説明する。蓋体L1 は、同一方向挿通口S1 又は直交方向挿通口S2 を通して並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 の各々の一端部と、当該各々の一端部に連結された水栓継手E1 ,E2 とを第1及び第2の各継手収容空間部J1 ,J2 に収容した状態で、壁面Wに固定された基台Vに対して全体を覆う部材であって、左右一対の蓋体単体部21が連結部22で一体に連結されて、背面側の全体が開口されている。左右一対の蓋体単体部21は、正面形状が正方形状であって、蓋体L1 を左右に二分する左右分割線Mに対して対称形状であって、使用状態において上方及び側方の各側板部23,24は、ノックアウト可能(衝撃力により除去可能)な閉塞板部25がそれぞれ設けられている。閉塞板部25をノックアウト(衝撃的除去)して形成されたノックアウト孔26(図3参照)は管挿通孔として機能し、並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 が並列配管状態を維持して挿通可能な大きさに定められている。また、各蓋体単体部21の正面板部27には、基台Vに形成された左右一対の継手挿入開口5と対応する位置にそれぞれ接続開口28が形成されている。即ち、左右一対の継手挿入開口5は、一対一組の同一方向挿通口S1 における一対一組の直交方向挿通口S2 と反対側の管軸G1 と、一対一組の直交方向挿通口S2 における一対一組の同一方向挿通口S1 の側の管軸G2 との交差位置を中心とする円形に形成されているため、各蓋体単体部21の正面板部27に形成された接続開口28は、蓋体単体部21の中心(正面視における正方形状の正面板部27の各対角線の交点位置)に対して下方であって、しかも外側方にずれた位置に形成されている。このため、ボックスB内において給湯管P1 及び給水管P2 の各々の一端部と、湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82とを水栓継手E1 ,E2 を介して接続配管した状態において、蓋体L1 における湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82の各立上り部よりも下方に存在する部分が殆どなくなって、使用時において圧迫感がなくなる利点がある。なお、上方の側板部23と対向する下方の側板部40には、閉塞板部は設けられていない。
また、各蓋体単体部21の連結部22における上下方向に対向する各側板部31,32の内側面には、基台Vの係合部7を構成する分割係合突起12と係合可能な被係合部33が形成されている。被係合部33は、側板部31,32の内側面に固定された第1及び第2の各連結板部34,35を介して被係合板部36が各側板部31,32と所定間隔をおいて当該各連結板部34,35と平行に配置された構成である。第1連結板部34は、蓋体L1 の背面の開口37と平行に配置され、第2連結板部35は、前記開口37に対して垂直であって、しかも前記第1連結板部34の板面方向(蓋体L1 の長手方向)の中央部に配置されている。被係合板部36には、前記開口37に対して垂直な方向に沿って所定間隔をおいて2本の被係合溝38が前記開口37と平行に設けられている。2本の被係合溝38の長手方向の中央部に第2連結板部35が配置されているため、2本の被係合溝38は、第2連結板部35により分断された形態となっている。また、各蓋体単体部21の側方の側板部24に形成された閉塞板部25の内側面における前記開口37に臨む部分には、基台Vの係合凹部14と係合可能な係合凸部39が蓋体L1 の幅方向に沿って形成されている。
ここで、同一方向挿通口S1 が使用される場合には、蓋体L1 の側板部24に形成された閉塞板部25はノックアウトされて、係合凸部39の使用が不能となるので、基台Vと蓋体L1 とは、当該基台Vの側の係合部7と蓋体L1 の側の被係合部33との係合により連結される。また、直交方向挿通口S2 が使用される場合には、蓋体L1 の側の係合凸部39の使用は可能であるので、基台Vと蓋体L1 とは、当該基台Vの前記係合部7と蓋体L1 の被係合部33との係合と、基台Vの係合凹部14と蓋体L1 の係合凸部39との係合とにより、二重に係合される。
また、押えカバーCは、図3に示されるように、基台Vの同一方向挿通口S1 又は直交方向挿通口S2 から並列配管状態で内部に挿入された給湯管P1 及び給水管P2 の各々の一端部、及び当該各々の一端部と湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82と接続配管するための各水栓継手E1 ,E2 を当該基台Vに対して固定状態にするための部材であって、正方形状の正面形状を有していて、ボックスBの基台Vの上下の各水平壁部1の端面1aに当接する正方形状の当接板部46の四隅部にビス挿通孔41がそれぞれ形成されている。押えカバーCは、90°廻して基台Vに固定することにより、並列配管状態で基台V内に挿入された2本の管の挿入部をそれぞれ収容可能であると共に、当該2本の管のいずれか一方が90°だけわん曲又は屈曲された場合に、当該わん曲部又は屈曲部を収容可能なように、直交する2方向の各管収容部42,43が2本分並列して設けられ、更に各水栓継手E1 ,E2 を挿入可能な継手挿入開口44が形成された構成である。従って、正面形状が方形状をした各辺部に、それぞれ並列配管された2本の管を挿入可能な管挿入口45が形成されている。
また、図1〜図3に示されるように、並列配管される給湯管P1 及び給水管P2 を収容保護する管材保護ダクトDは、壁面Wに固定される基台50と、当該基台50に覆蓋される蓋体60とから成る。基台50には、給湯管P1 と給水管P2 とを並列配管可能なように、固定板部51に2本の管保持部52が並列して設けられ、管保持部52は、弾性変形可能な一対の保持片53が所定間隔をおいて対向して配置された構成であって、一対の保持片53の間の空間は、給湯管P1 及び給水管P2 を収容保持する保持空間54となっている。一方、蓋体60は、基台50の各管保持部52に給湯管P1 及び給水管P2 をそれぞれ収容保持した状態において、当該給湯管P1 及び給水管P2 の全体を覆う部材であって、一対の側板部61が天板部62で連結された構成であって、各側板部61の開口側の端部の内側には、前記基台50を構成する一対の管保持部52の外側の保持片53の基端部に形成された係合凹部55と係合可能な係合凸部63が設けられた構成である。
また、前記管材保護ダクトDのボックスBの側の端部と、当該ボックスBに設けられたノックアウト孔26の間には、所定の隙間101(図2及び図15参照)が形成された状態で配管せざるを得ないため、当該隙間101を閉塞するのに隙間閉塞具Fが使用される。隙間閉塞具Fは、図1、図12及び図15に示されるように、管材保護ダクトDの蓋体60の端部の外側を覆うようにして、ボックスBを構成する蓋体L1 のノックアウト孔26に嵌着される。即ち、隙間閉塞具Fは、管材保護ダクトDの蓋体60の端部の外側を覆う閉塞具本体71の一方の端面に第1フランジ板部72が形成されて、当該第1フランジ板部72の内周端に隙間形成板部73が当該第1フランジ板部72に対して垂直となって全周に亘って形成されて、更に、前記隙間形成板部73の端面には、周方向の両端部を除く中央部分に第2フランジ板部74が前記第1フランジ板部72と所定間隔をおいて平行に設けられて、第1及び第2の各フランジ板部72,74の間の嵌合隙間75には、蓋体L1 の側板部23に形成されたノックアウト孔26に臨む被嵌合部23a(図3及び図15参照)が嵌合される。このため、図3に示されるように、蓋体L1 に形成されたノックアウト孔26に臨む被嵌合部23aに隙間閉塞具Fを取り付けておいて、基台Vに対して蓋体L1 を覆蓋させると、隙間閉塞具Fの閉塞具本体71が管材保護ダクトDの蓋体60の端部の外側に嵌着されて、管材保護ダクトDの蓋体60と基台Vとの間に形成される隙間101が閉塞される(図1参照)。
次に、図1〜図18、特に図1〜図3及び図13〜図18を参照して、壁表側の壁面Wに本発明に係るボックスBを固定して、垂直方向に並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 と湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82とをそれぞれ連結して配管する順序について説明する。図13は、基台Vの第1及び第2の各継手収容空間部J1 ,J2 に水栓継手E1 ,E2 がそれぞれ収容された状態の正面図であり、図14は、各水栓継手E1 ,E2 が収容された基台Vに蓋体L1 が覆蓋された状態の縦断面図であり、図15及び図16は、それぞれ図14のY1 −Y1 線及びY2 −Y2 線断面図であり、図17は、基台Vに収容された各水栓継手E1 ,E2 が押えカバーCで押えられた状態の平面図であり、図18は、基台Vの係合部7と蓋体L1 の被係合部33との部分拡大斜視図である。
まず、壁面Wにおける湯水混合水栓Aの設置位置にボックスBの基台Vを配置して固定する。即ち、ボックスBの基台Vの各四隅部に形成された第1ビス挿通孔16と、基台Vの内部に形成された左右一対の第2ビス挿通孔18にそれぞれ挿通したビス102を壁面Wに螺入して、当該壁面Wに基台Vを固定する。なお、計4個の第1ビス挿通孔16と2個の第2ビス挿通孔18とは、必要なビス挿通孔のみを適宜選択して、基台Vを壁面Wに固定することは可能である。本実施例1では、湯水混合水栓Aの配置位置よりも上方から給湯管P1 及び給水管P2 が垂直に配管されているため、基台Vの左右にそれぞれ設けられた2個一組となった二組の直交方向挿通口S2 のうち、いずれか一方側を選択して、当該部分に給湯管P1 及び給水管P2 の管材保護ダクトDの基台50を固定する(図2、図3及び図13参照)。管材保護ダクトDの基台50の端部(下端部)とボックスBの上方の水平壁部1との間には所定の隙間101が形成された状態で、ボックスBに対して管材保護ダクトDの基台50が壁面Wに垂直に固定される。なお、基台50は、ビス(図示せず)を介して壁面に固定される。
次に、管材保護ダクトD内に収容保護される給湯管P1 及び給水管P2 の一端にエルボ状の各水栓継手E1 ,E2 をそれぞれ連結した状態にて、給湯管P1 及び給水管P2 の一端部(下端部)を2個一組の直交方向挿通口S2 を通してボックスB内に挿入させて、当該ボックスB内の所定位置に各水栓継手E1 ,E2 を収容配置させる。給湯管P1 は、その下端部に連結された水栓継手E1 の湯水混合水栓Aの給湯管部81と接続される側の中心が、基台Vの底壁部4に貫通して形成された継手挿入開口5の中心とほぼ合致するように配置される。一方、給水管P2 の下端部は必要長だけ直角に屈曲されて水平配管部P2aとなっていて、当該水平配管部P2aは、2個一組の同一方向挿通口S1 のうち2個一組の直交方向挿通口S2 の反対の側の管軸G1 上に配置されると共に、給水管P2 の水平配管部P2aの一端に連結された水栓継手E2 の湯水混合水栓Aの給水管部82と接続される側の中心が、基台Vの底壁部4に貫通して形成された別の継手挿入開口5の中心とほぼ合致するように配置される。これにより、給湯管P1 の一端部(下端部)に側面視で略L字状となって連結された水栓継手E1 及び給水管P2 の一端部(先端部)に平面視で略L字状となって連結された水栓継手E2 は、基台Vの内部の第1及び第2の各継手収容空間部J1 ,J2 にそれぞれ配置される。なお、給湯管P1 及び給水管P2 は、いずれも樹脂管で形成されているため、バーナー等により必要部分を加熱することにより容易に屈曲又はわん曲される。なお、本実施例では、給水管P2 の水平配管部P2aを形成するのに、樹脂管を屈曲又はわん曲させているが、水平配管部P2aとなる短い樹脂管と、直交方向挿通口S2 に挿通された給水管とをエルボを介して接続することにより、屈曲した配管経路を形成することも可能である。
次に、図2、図3及び図15に示されるように、基台Vの内部の第1及び第2の各継手収容空間部J1 ,J2 にそれぞれ収容された各水栓継手E1 ,E2 を基台Vに対して前後方向に移動(微動)しないように押えカバーCを用いて固定することにより、各水栓継手E1 ,E2 と湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82との連結を確実にしている。即ち、給湯管P1 の水栓継手E1 は、第1継手収容空間部J1 に対応する部分の上下一対の水平壁部1の端面1aに形成された計4個のビス下孔19の位置で形成される方形の左右方向の中心よりも左側にずれて配置されるので、当該水栓継手E1 を押えカバーCの継手挿入開口44に挿通可能にするには、押えカバーCは、当該継手挿入開口44が水平方向を向くように配置する必要がある。一方、給水管P2 の水栓継手E2 は、第2継手収容空間部J2 に対応する部分の上下一対の水平壁部1の端面1aに形成された計4個のビス下孔19の位置で形成される方形の左右方向の中心よりも右側にずれて配置されるので、当該水栓継手E2 を押えカバーCの継手挿入開口44に挿通可能にするには、押えカバーCは、当該継手挿入開口44が垂直方向を向くように配置する必要がある。
そして、各水栓継手E1 ,E2 に対応する左右の各押えカバーCを上記したように配置させて、各押えカバーCの当接板部46を基台Vの各水平壁部1の端面1aに当接させると、第1継手収容空間部J1 に収容された給湯管P1 の水栓継手E1 は、押えカバーCの水平に配置された継手挿入開口44に挿入されて手前側に突出すると共に、第2継手収容空間部J2 に収容された給水管P2 の水栓継手E2 は、押えカバーCの垂直に配置された継手挿入開口44に挿入されて手前側に突出する。この状態で、押えカバーCの四隅部に設けられたビス挿通孔41に挿通されたビス103を、基台Vの各水平壁部1の端面1aに設けられたビス下孔19に螺入させると、いずれの水栓継手E1 ,E2 においても、押えカバーCのいずれかの部分が当該水栓継手E1 ,E2 に当接した状態で、各押えカバーCは、水平壁部1の端面1aに固定される。なお、図15及び図18に示されるように、給湯管P1 の側においては、水栓継手E1 の外径が給水管P2 の側の水栓継手E2 の外径よりも僅かに大きいために、押えカバーCの当接板部46と水平壁部1の端面1aとの間には所定の隙間が形成されて、基台Vに対して水栓継手E1 が完全固定状態となるが、給水管P2 の側においては、水栓継手E2 が前後方向(壁面Wに対して垂直な方向)に大きく動くことが阻止される。
次に、各水栓継手E1 ,E2 を収容した基台Vに対して蓋体L1 を覆蓋させると、基台Vの底壁部4の長手方向の両端部の裏面側の部分に形成された各係合凹部14と、蓋体L1 の長手方向の両端部の各側板部24の内面側における開口37に臨む部分に形成された各係合凸部39とが互いに係合される(図14参照)。このように、基台Vの係合凹部14と蓋体L1 の係合凸部39とが互いに係合されると同時に、蓋体L1 の被係合板部36が基台Vの拡開用空間部8に挿入される途中において、当該被係合板部36が一対の分割係合突起12に圧接することにより、蓋体L1 の連結部22を構成する各側板部31,32がそれぞれ僅かに内方に弾性変形された後に、蓋体L1 の各分割係合突起12が蓋体L1 の被係合溝38に入り込んで互いに係合することにより、連結部22を構成する各側板部31,32は原形状に復元して、係合状態が維持される。実施例では、蓋体L1 の開口37に対して垂直な方向に沿って所定間隔をおいて2本の被係合溝38が形成されているが、蓋体L1 の蓋体単体部21の側板部23,40及び連結部22の側板部31,32の各端面がそれぞれ壁面Wに当接した状態において、開口37を基準にして奥側の被係合溝38に各分割係合突起12が入り込んで係合する(図16参照)。なお、壁面Wに固定された基台Vの周辺部に小突起類が存在していて、蓋体L1 の蓋体単体部21の側板部23,40及び連結部22の側板部31,32のいずれかの部分の端面が前記小突起類に当接して、当該端面が壁面Wに達しない場合には、開口37を基準にして手前側の別の被係合溝38に各分割係合突起12が入り込んで係合する構造になっていて、壁面Wに固定された基台Vの周辺部に小突起類が存在していても、基台Vの係合部7と蓋体L1 の被係合部33とが係合可能となっている。
このように、直交方向挿通口S2 を使用した場合には、蓋体L1 の長手方向の両端の各側板部24に設けられた閉塞板部25が残ったままであるので、基台Vと蓋体L1 とは、長手方向の両端部と中央部との計3箇所で係合されることになって、基台Vと蓋体L1 とがしっかりと連結される。また、後述するように、同一方向挿通口S1 を使用する場合には、給湯管P1 及び給水管P2 が挿通される側の閉塞板部25は除去されてノックアウト孔26が形成されるので、基台Vと蓋体L1 とは、2箇所で連結される。
また、ボックスBの基台Vに蓋体L1 を覆蓋させることにより、未使用の一対(2個)一組の直交方向挿通口S2 及び一対(2個)一組となった二組の同一方向挿通口S1 は、それぞれ蓋体L1 の側板部23及び同24によりそれぞれ閉塞される。
最後に、湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82と、ボックスB内に収容されて蓋体L1 の各接続開口28に臨んでいる各水栓継手E1 ,E2 の水栓接続部91とをそれぞれ連結すると、図1に示されるように、並列配管状態で同一の管材保護ダクトD内に収容された給湯管P1 及び給水管P2 と、湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82とが、それぞれボックスB内に収容された各水栓継手E1 ,E2 を介して連結された状態で、湯水混合水栓Aが壁面Wに取付けられる。なお、図1において、83,84は、それぞれ給水湯、及びその停止を行うレバー、及び蛇口管を示す。
ここで、蓋体L1 の各蓋体単体部21の正面板部27に形成された接続開口28は、蓋体単体部21の中心(正面視における正方形状の正面板部27の各対角線の交点位置)に対して下方であって、しかも外側方にずれた位置に形成されているため、ボックスB内において給湯管P1 及び給水管P2 の各々の一端部と、湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82とを水栓継手E1 ,E2 を介して接続配管した状態において、蓋体L1 における湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82の各立上り部よりも下方に存在する部分が殆どなくなると共に、前記各立上り部よりも外方に存在する部分も少なくなって、使用時における圧迫感がなくなる。また、給湯管P1 及び給水管P2 の2本の管を使用しているにもかかわらず、当該給湯管P1 及び給水管P2 を収容する管材保護ダクトDは1個(1本)であり、しかもボックスBの長手方向の中央部ではなくて、長手方向の一端部に大きく偏在した位置に立ち上がっているので、全体配置がすっきりして見栄えが良くなる。
次に、図19〜図24を参照して、水平方向に並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 と湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82とを、ボックスB内に収容された各水栓継手E1 ,E2 を介して接続して配管する場合について説明する。図19は、ボックスBの基台Vと管材保護ダクトDの基台50とが壁面Wに固定された状態の斜視図であり、図20は、壁面Wに固定された管材保護ダクトDの基台50に収容された給湯管P1 及び給水管P2 が、ボックスBの基台Vの同一方向挿通口S1 を通して内部に導かれて、当該給湯管P1 及び給水管P2 の先端部にそれぞれ水栓継手E1 ,E2 が接続された状態の斜視図であり、図21は、同様の状態の正面図であり、図22は、ボックスBの基台V内に収容された各水栓継手E1 ,E2 が押えカバーCにより基台Vに対して固定された状態の斜視図であり、図23は、同様の状態の側面図であり、図24は、ボックスBの基台Vに蓋体L1 が覆蓋されて、湯水混合水栓Aが給湯管P1 及び給水管P2 に接続された状態の斜視図である。
まず、図19に示されるように、湯水混合水栓Aの設置位置にボックスBの基台Vを複数本のビス102を介して固定すると共に、当該基台Vの一方の側方(実施例2では左方)に管材保護ダクトDの基台50を所定の隙間104を介して固定する。断面半円形の同一方向挿通口S1 の半径は、断面円形の直交方向挿通口S2 の半径よりも大きいので、実施例1と同一外径の給湯管P1 及び給水管P2 を使用して、当該給湯管P1 及び給水管P2 を押えカバーCを用いて基台Vに固定した場合には、給湯管P1 及び給水管P2 の一端部(先端部)に接続した各水栓継手E1 ,E2 と押えカバーCとの間に前後方向の隙間が生じて、各水栓継手E1 ,E2 、ひいては給湯管P1 及び給水管P2 を基台Vにしっかりと固定できない。このため、給湯管P1 及び給水管P2 の一端部(先端部)に接続した各水栓継手E1 ,E2 における給湯管P1 及び給水管P2 に接続した側の部分に第1及び第2の各拡径リングR1 ,R2 を二重にして嵌め込んで、各水栓継手E1 ,E2 のうち壁面Wに平行に配置される部分を拡径しておく。
次に、図20に示されるように、給湯管P1 に関しては、その一端部に接続した水栓継手E1 の湯水混合水栓Aに接続される側の部分の軸心が、その背後に配置された継手挿入開口5の中心と一致するようにして、基台Vの一対(2個)一組の同一方向挿通口S1 のうち下方の同一方向挿通口S1 を通して給湯管P1 を基台Vの内部に導いて、水栓継手E1 を基台Vの第1継手収容空間部J1 に収容する。一方、給水管P2 に関しては、上方の同一方向挿通口S1 を通して基台V内に導かれる給水管P2 の基台V内に配置される部分を加熱してわん曲させることにより当該給水管P2 に曲げ癖を付けて、一端に接続された水栓継手E2 の湯水混合水栓Aに接続される側の部分の軸心が、その背後に配置された継手挿入開口5の中心と一致するように、当該水栓継手E2 を基台Vの第2継手収容空間部J2 に収容する。これにより、給水管P2 は、第1及び第2の各継手収容空間部J1 ,J2 を連通する連通空間部2を通って基台Vの内部において下方に緩やかにわん曲されることにより、管軸G3 (図5参照)から管軸G1 に緩やかに移行して、当該給水管P2 の先端部分は管軸G1 上に配置される。なお、給湯管P1 の水栓継手E1 に拡径用に嵌め込んだ拡径リングR1 は、同一方向挿通口S1 の部分に配置される(図21参照)。
次に、実施例1の場合と同様にして、2個の押えカバーCを互いに90°反転された状態にして、基台Vの上下の各水平壁部1の端面1aに各押えカバーCをビス103を介して固定すると、図22及び図23に示されるように、各水栓継手E1 ,E2 の拡径リングR2 が各押えカバーCの裏面に接近した状態で、押えカバーCの当接板部46が 基台Vの上下の各水平壁部1の端面1aに当接して固定される。これにより、各水栓継手E1 ,E2 は、湯水混合水栓Aと接続する際において、壁面Wに対して垂直な方向の微動端が規制されて、各水栓継手E1 ,E2 は、押えカバーCの裏面に当接することにより、基台Vに固定されているのと同様の状態となる。
次に、管材保護ダクトDの基台50に蓋体60を覆蓋させておいて、第1及び第2の各継手収容空間部J1 ,J2 に各水栓継手E1 ,E2 が収容されて、当該各水栓継手E1 ,E2 が押えカバーCで押えられた状態の基台Vに対して蓋体L1 を覆蓋させる。蓋体L1 の管材保護ダクトDの側の側板部24に取付けられている閉塞板部25はノックアウトされてノックアウト孔26が形成されており、当該ノックアウト孔26に隙間閉塞具Fを嵌め込んだ状態で、基台Vに対して蓋体L1 を覆蓋させると、隙間閉塞具Fの閉塞具本体71が管材保護ダクトDの蓋体60の外側に嵌着されて、前記隙間104が閉塞される(図24参照)。最後に、蓋体Lの各接続開口28に臨んでいる水栓継手E1 ,E2 の各水栓接続部91と、湯水混合水栓Aの給湯管部81と給水管部82とを接続すると、水平方向に並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 と、湯水混合水栓Aの給湯管部81と給水管部82とが各水栓継手E1 ,E2 を介して接続される(図24参照)。
次に、図28〜図30を参照して、壁板110の裏面側に水平に配管された給湯管P1 及び給水管P2 と、壁板110の壁表側に配置された湯水混合水栓Aとを、ボックスB内に収容された水栓継手E1 ,E2 を用いて壁裏側で接続する場合について説明する。図28は、壁板110の裏面側に配置されるボックスB、水平に並列配管される給湯管P1 及び給水管P2 、左右一対の押えカバーC、並びに管材保護ダクトDの分離状態の斜視図であり、図29は壁体110の裏面に固定したボックスB内に水平並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 の各々の一端部に接続された各水栓継手E1 ,E2 が収容されて、押えカバーCにより当該ボックスBに固定された状態を壁板110の裏面側から見た斜視図であり、図30は、壁板110の裏面側に水平並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 と、壁板110の前面側に配置された湯水混合水栓Aとが水栓継手E1 ,E2 を介して接続された状態を壁板110の裏面側から見た斜視図である。実施例4の配管例は、実施例2の配管例に比較して、開口37を有しない蓋体L2 を使用すること、及び壁板110に穿孔された一対の継手貫通孔111に各水栓継手E1 ,E2 の湯水混合水栓Aとの接続部を貫通させて配管することの2点が異なるのみで、残りの全ての使用する部材、及び配管工程は、実施例2の場合と同一であるので、実施例2と異なる部分についてのみ簡単に説明する。
まず、図28及び図29に示されるように、実施例3の配管の場合と同様にして、壁板110の裏面側に穿孔された一対の継手貫通孔111と、基台Vの底壁部4に形成された左右一対の継手挿入開口5とを合致させて、壁板110の裏面側に複数本のビス102を介して基台Vを固定し、当該基台Vとの間に所定の隙間101を有して管材保護ダクトDの基台50を水平にして固定する。次に、給湯管P1 及び給水管P2 の各一端部を一対(2個)一組の同一方向挿通口S1 を通して基台Vの内部に導くのであるが、実施例4では、一対一組の同一方向挿通口S1 のうち上方の同一方向挿通口S1 に給湯管P1 を通して、加熱により緩やかにわん曲された当該給湯管P1 の一端部を、下方の同一方向挿通口S1 を通る管の管軸G1 に配置することにより、当該給湯管P1 の端部に接続された水栓継手E1 を基台Vの第2継手収容空間部J2 に収容する。一方、給水管P2 は、下方の同一方向挿通口S1 を通して、当該給水管P2 の端部に接続された水栓継手E2 を基台Vの第1継手収容空間部J1 に収容させる。このような配管にするのは、水平並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 が、壁板110の裏面側から見て基台Vの左側に配管されていること、及び上記したように湯水混合水栓Aは使用者から見て左側が給湯管部であることに基づくものである。
次に、図29に示されるように、給湯管P1 及び給水管P2 の端部に接続した各水栓継手E1 ,E2 の部分にあてがった押えカバーCを基台Vの各水平壁部1の端面1aに固定することにより、給湯管P1 及び給水管P2 の各水栓継手E1 ,E2 の部分を基台Vに固定する。その後に、管材保護ダクトDの基台50に蓋体60を覆蓋して、左側の側板部におけるノックアウト孔に臨む被嵌合部(いずれも図示せず)に隙間閉塞具Fを嵌合させた状態にして、壁板110の裏面側に固定された基台Vに蓋体L2 を覆蓋させると、図30に示されるように、基台Vの全体が蓋体L2 により覆われて、未使用の三組の同一方向挿通口S1 及び直交方向挿通口S2 は、いずれも蓋体L2 により閉塞される。最後に、壁板110の壁表側において、左右一対の継手貫通孔111に臨んでいる各水栓継手E1 ,E2 と、湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82とを接続すると、壁板110の壁裏側に水平並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 と、湯水混合水栓Aの給湯管部81及び給水管部82とが、壁裏側に設置したボックスB内に収容された各水栓継手E1 ,E2 を介して壁裏側で接続された状態で、壁板110の壁表側に湯水混合水栓Aが設置される。なお、図26等において、29は、基台Vの係合部7と蓋体L2 の被係合部33との係合位置を示すために、蓋体L2 の連結部31の側板部32に形成された目印である。
また、実施例1〜4においては、いずれも給湯管P1 及び給水管P2 は樹脂管で形成してあって、実施例1,4において給水管P2 を直角に屈曲させたり、或いは実施例2における給水管P2 及び実施例4における給湯管P1 を緩やかにわん曲させるには、樹脂管を加熱して屈曲させたり、或いはわん曲させたりして、配管経路を変更させている。
このため、配管経路に屈曲部、或いはわん曲部を有する管において、当該管として可撓性を備えた可撓管を使用すると、狭隘なボックスB内においても配管経路を自在に変更できる。この結果、管を加熱して屈曲、或いはわん曲させたり、或いは多種類の継手を予め用意しておいて、多種類の継手の選択により配管経路を定めるという面倒な作業を解消できて、配管作業の能率が高まる。また、可撓管であるために、最も緩やかな形状にわん曲させることが可能であるので、湯水の通管抵抗が小さくなると共に、ウォーターハンマー現象も軽減される。また、給湯・給水元から継手収容ボックスまでの配管経路においても可撓管を自在に曲げて、自由な配管経路を選択できる。この場合において、ボックス内において管が撓めば、当該ボックス内における配管経路を変更するという目的を達成できるので、管の全体を可撓性を有する構造にする必要はなく、保護ダクト内においては可撓性を有してない管を用い、保護ダクト内の途中、又はボックス内において継手を介して可撓性を有する管を接続することにより、ボックス内において管の配管経路を容易に変更できる。
また、実施例の基台Vには、一対(2個)一組の直交方向挿通口S2 が左右に二組形成されているが、当該直交方向挿通口S2 は、左右のいずれかの端部に一組設けられているのみで、基台Vを上下反転させることにより、垂直並列配管が基台Vの上方及び下方のいずれに存在していても対応可能となる。
上記実施例では、継手収容ボックスBは、板状の基台Vと、当該基台Vに覆蓋されるボックス状の蓋体L1 ,L2 とで構成され、ボックス状の蓋体L1 ,L2 の側板部23に形成された閉塞板部25のノックアウトによりノックアウト孔26が形成されて、蓋体L1 ,L2 に形成された当該ノックアウト孔26に、水平又は垂直の各方向に並列配管された給湯管P1 及び給水管P2 を挿通している。しかし、基台をボックス状に形成して、当該ボックス状の基台の開口を覆う蓋体を板状に形成することも可能であって、この場合には、ボックス状の基台の側壁部に閉塞板部が形成されて、当該閉塞板部をノックアウトすることにより、水平又は垂直に並列配管された給湯管、及び給水管を挿通するためのノックアウト孔が形成される。