JPH0354222Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は局部を衛生的かつ快適に洗浄すること
のできる衛生洗浄装置の改良に関する。

従来、人体局部洗浄用の衛生洗浄装置には、洗
浄水を噴出するノズルをを有した噴出部を便座下
面側に設け、このノズルを進退させることにより
洗浄位置への伸出及び収納部への縮退を行うよう
にしている。そしてノズルの先端には洗浄水噴出
用の孔を穿設した噴出孔部を設けて、同孔より洗
浄水を噴出させることにより洗浄を行うもので、
この噴出部は管状のノズル先端に単に噴出孔を穿
設したものか、または噴出孔部をノズル本体にビ
スで連結したり若しくは噴出孔部とノズル本体に
各々螺子を形成して螺合連結する構成となつてい
る。

しかし、噴出孔をノズル先端に穿設したもので
は噴出孔内部に水垢やゴミ等が堆積した場合、掃
除が行えず噴出孔が目詰りして洗浄が行えないと
いう欠点がある。またビスによる連結又は螺合に
よる噴出孔部とノズル本体との連結の場合、噴出
孔部を取外せば内部掃除が可能であるが、その取
外しがワンタツチでは行えず煩雑であるという欠
点がある。

本考案は、以上のような衛生洗浄装置のノズル
部分の問題を解消しようとするもので、噴出孔部
を容易に着脱できるように構成しノズル内流路及
び噴出孔部の噴出孔の掃除が簡単に行えるように
することを目的とするものである。

以下、添付図面に示す一実施例に基いて本考案
を具体的に説明する。

第１図に本考案に係る衛生洗浄装置の一実施例
を示す斜視図が示されており、図中１は便器、２
は同便器１の後方端に垂設連結される洗浄水タン
ク、３は便座、４は便蓋である。さらに５は便器
１の正面側から観て 状に同便器１後方端に連設
される給水加熱装置で、上記便座３、及び便蓋４
が回動自在に枢着されており、同給水加熱装置５
内には洗浄水を貯留するとともにシーズヒーター
等よりなる加熱体及び温水温度を検知する温度セ
ンサ等を備えた加熱器を構成する貯湯槽、同貯湯
槽内で加温される洗浄水温度を制御するとともに
後述する噴出部におけるノズルの挙動等、その他
電気的構成要素の全てを制御することのできる制
御部等が備えられており、また洗浄水を貯湯槽か
ら噴出部へ供給する配管系が所要の弁等を配して
設けられている。

６は便器１の略軸線位置に相当する部位の給水
加熱装置５に設けられ洗浄水を局部に噴出する噴
出部で、この噴出部６からの洗浄水噴出操作は給
水加熱装置５のパネル部５ａに設けられる回転ダ
イヤル式の洗浄スイツチ５ｂにより、停止、肛門
洗浄及びビデ洗浄の切換えが行え、また噴出時の
水量調整も同様に回転式の水量調節摘み５ｃによ
り行うことができる。

尚、給水加熱装置５への洗浄水の供給は水道に
直結する直接給水方式と、洗浄水タンク２から取
水する間接給水方式とがあるが、後者の場合に
は、一点鎖線で示すように洗浄水タンク２と給水
加熱装置５との間に給送管８を配管接続してお
く。

第２図及び第３図に噴出部６の要部が示されて
おり、同噴出部６は給水加熱装置５のケーシング
５ｄ内であつて便器１の略軸線近傍に位置するも
ので、給水加熱装置５の底板５ｅに垂設される機
枠６ａ、同機枠６ａに固着され便器１の便鉢１ａ
方向を指向し、かつ先端に角型のカバー部６ｂを
有するノズル支持体６ｃ、同ノズル支持体６ｃの
軸線方向に進退自在に装着されるノズル部をなす
ノズル本体６ｄ、同ノズル本体６ｄの進退駆動を
行うモータ６ｅ、及び同モータ６ｅの回転をノズ
ル本体６ｄの往復動に変換する板バネ６ｆ等を主
要素として構成されている。

ノズル支持体６ｃは機枠６ａに固着される第１
ノズル支持体６c₁と先端側に着脱可能に取付けら
れる第２ノズル支持体６c₂とにより構成される。
第４図に第２図の−矢視図であつて、第１ノ
ズル支持体６c₁の端面が示されており、６ｇは後
述するノズル本体が摺動自在に嵌装されるノズル
摺動孔であり、第１ノズル支持体６c₁の軸線方向
全長に亘つて貫設される。また６ｈはタツプ穴で
第５図で示すようにビス６ｉにより第２ノズル支
持体６c₂がこのタツプ穴６ｈに螺着されて連結さ
れる。尚、第４図において第１ノズル支持体６c₁
の側方は切欠されており、これは後述するノズル
本体６ｄ位置を検出するマグネツト・リードスイ
ツチ機構のマグネツトがノズル本体６ｄとともに
移動可能となるようにしたものである。

第２図と第３図において、第２ノズル支持体６
c₂には給水加熱装置５内の貯湯槽からの洗浄水を
供給するためのホース（図示せず）を接続するエ
ルボ６ｊが一体的に連結され、同エルボ６ｊに連
通するように連絡路６ｋが中心方向に貫設され、
かつ同連絡路６ｋに連通するようにノズル本体６
ｄへの流路を形成する環状凹部６ｌが形成され
る。さらに６ｍは同環状凹部６ｌをはさむように
して配置されるＵ字状断面のパツキンである。

第６図と第７図に各々ノズル本体６ｄの断面図
と平面図が示されており、これは二つの洗浄位置
で異なる洗浄水噴出を行なうことができる二流路
系統のもので図示のように実質的に２重管構造を
なしている。図中２０は中空管状の筒体で、一端
開口に前述した板バネ６ｆとの連結用の連結金具
２１を嵌着して両者によりノズル本体６ｄを構成
する。この連結金具２１には筒体２０と同心的に
伸延するパイプ２２が取付けられている。またこ
のパイプ２２に連通するように連結金具２１には
半径方向に洗浄水の第１流入口２３が貫設されて
外部に連通するとともに、同様に筒体２０の中途
には第２流入口２４が貫設されており、第１流入
口２３からの洗浄水はパイプ２２内を、及び第２
流入口２４からのそれはパイプ２２と筒体２０と
によつて画成される環状流路F₁を各々独立して
流下することができる。２５は筒体２０の先端開
口側に着脱自在に嵌着されるとともに、パイプ２
２外径より所要量大きい内径を有して同パイプ２
２外周面との間に環状流路F₂を画成できるよう
なノズルキヤツプである。

ノズルキヤツプ２５は本実施例の場合例えば
ABS樹脂により製作され、第６図で示すように
接続された筒体２０とノズルキヤツプ２５の組合
体において、パイプ２２を介して第１流入口２３
に連通するように例えば５穴の第１噴出孔部２７
が、また環状流路F₁，F₂を介して第２流入口２
４に連通すように例えば３穴の第２噴出孔部２８
が各々形成される。この第１、第２噴出孔部２
７，２８は各々肛門洗浄及びビデ洗浄に適するよ
うな水勢が得られるように３穴及び５穴に形成し
たものである。２６は所要位置に設けられるシー
ルパツキンである。

尚、第１流入口２３と第２流入口２４間の距離
はビデ洗浄位置と肛門洗浄位置間の間隔よりやや
短めに形成しておく。さらにノズルキヤツプ２５
は筒体２０の取付端から第１、第２噴出孔部２
７，２８にかけて上下方向が縮小するように扁平
に形成する。

第８図に第６図の−線矢視による断面が示
されており、ノズルキヤツプ２５の開口側外周面
には、第９図に示すような開口端から軸線方向に
伸延し、かつ円周方向に屈曲するＬ字形の凹部２
９が凹設され、さらに同凹部２９に嵌入可能な突
部３０が筒体２０の内周面に突出して形成されて
いる。

従つて、ノズルキヤツプ２５を筒体２０に取付
けるにはノズルキヤツプ２５の凹部２９が筒体２
０の突部３０に係合するように挿入して回転させ
る。その時突部３０及び凹部２９の相対形成位置
を凹部２９の終端２９ａが突部３０により係止さ
れて回転不可となつた時点で第１，２噴出孔部２
７，２８が洗浄方向を指向できるように構成す
る。これによつてノズルキヤツプ２５は第１，２
噴出孔部２７，２８が適正洗浄水噴出方向を指向
するように位置決めすることが出来る。またノズ
ルキヤツプ２５の取外しは、ノズルキヤツプ２５
を凹部２９の終端２９ａが突部３０から離れる方
向に回転させて方向凹設部分の凹部２９に突部３
０が至つた時点で引き抜くことにより容易に行う
ことができ、ノズルキヤツプ２５の着脱はワンタ
ツチで簡単に行うことができる。

即ち、ノズルキヤツプ２５を筒体２０の先端に
挿入して、所定方向に回動させ突部３０と円周方
向部分の凹部２９との係合により抜き止めして固
定することができ、取外しは逆回転させて引き抜
けばよく、ノズルキヤツプ２５の着脱は容易に行
なうことができる。

このノズルキヤツプ２５は、筒体２０と別体に
形成されたものである。そのため、筒体２０の肉
厚に関係なく、厚肉のノズルキヤツプ２５を使用
することができる。したがつて、ノズルキヤツプ
２５の側面に形成された噴出口部２７，２８から
噴出される洗浄水の指向性を高め、局部の洗浄を
効率良く行うことができる。他方、筒体２０とし
て薄肉の管材を使用することができるため、ノズ
ルの伸縮動作がスムーズになり、また駆動に要す
る動力も軽減される。

以上の実施例では筒体２０の突部３０は１ヶ所
としたが、突部を複数個設け、これに嵌合するよ
うにノズルキヤツプ２５の凹部を設け、ノズルキ
ヤツプの着脱を容易にすることもできる。

ノズル本体６ｄはその収納位置から肛門洗浄位
置若しくはビデ洗浄位置へと移動するが、この移
動ストロークは肛門洗浄時にはノズル本体６ｄの
第２流入口２４が第１０図で示すように第２ノズ
ル支持体６c₂の環状凹部６ｌに達するように、一
方ヒデ洗浄時には第１１図で示すように第１流入
口２３が環状凹部６ｌに達するようにして、各洗
浄のための流路を形成する。即ち、エルボ６ｊ、
連絡路６ｋ、環状凹部６ｌと第１、第２噴出孔部
２７，２８のいずれか一方が連通する形態をなす
のである。このノズル本体６ｄのストロークを決
定するものは、モータ６ｅの回動量に基くが、本
実施例ではリードスイツチを用してモータ６ｅの
駆動および停止を行うように構成する。即ち、第
３図において伸縮ノズル６ｄと板バネ６ｆとの接
続部分には取付金具４０によつてマグネツトＭが
固着され、同マグネツトＭに対向する側に第１ノ
ズル支持体６c₁に連結される支持枠Ｆにリードス
イツチS₁，S₂，S₃が設けられており、この両者に
よりモータ６ｅの駆動及び停止を行うように制御
回路を構成するもので、リードスイツチS₂，S₃の
位置を適当になすことにより第２図においてL₁
で示す肛門洗浄位置及びL₂で示すビデ洗浄位置
に達するようにノズル本体６ｄのストロークを確
実に得ることができるものである。そして、前述
のように第１、第２噴出孔部２７，２８のいずれ
か一方から洗浄水が噴出され、ビデ洗浄又は肛門
洗浄を行うことができる。

以上の実施例ではノズル本体６ｄを二流路系統
となして、２洗浄位置での洗浄を行うようにした
が、第１２図に示すように一流路系統のノズル本
体６d′として構成することもできる。同図のもの
は前述のノズル本体６ｄからパイプ２２を取除く
とともに、連結金具２１′は単に筒体２０′の一端
を閉塞するもので第１流入口は形成されない。従
つて、第２流入口２４′は筒体２０′及びノズルキ
ヤツプ２５′の中空部によつて第１、第２噴出孔
部２７′，２８′に連通するものである。この第
１、第２噴出孔部２７′，２８′は図示のような３
穴及び５穴のものに限らず、所要形態の洗浄水噴
出が行えるように形成してもよい。

また、ノズルキヤツプ２５′と筒体２０′との着
脱は上記実施例と同様に凹部２９′と突部３０′と
により行うことができる。

更に噴出部は上述の実施例の様に伸縮式にする
必要はなく、例えば筒体を便器あるいは機枠に固
定し、この固定された筒体にノズルキヤツプを嵌
着した固定式の噴出部であつてもよい。

以上のように本考案によれば、ノズルキヤツプ
をノズル本体に容易に着脱することができるの
で、ノズル本体内流路及びノズルキヤツプの噴出
孔部の掃除が必要に応じて行えるので、ノズル内
の目詰りを防止できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る衛生洗浄装置の斜視図、
第２図は噴出部の要部を示す断面図、第３図は同
一部切欠平面図、第４図は第２図の−線矢視
図、第５図は第２図の−線矢視図、第６図は
ノズル本体の縦断面図、第７図は同ノズル本体の
平面図、第８図は第６図の−線による断面
図、第９図は筒体とノズルキヤツプの斜視図、第
１０図はノズル本体の第２流入口と第２ノズル支
持体の環状凹部が整合して流路が連通した状態を
示す断面図、第１１図は伸縮ノズルの第１流入口
と第２ノズル支持体の環状凹部が整合して流路が
連通した状態を示す断面図、第１２図はノズル本
体の他の実施例を示す断面図である。 １……便器、１ａ……便鉢、５……給水加熱装
置、６……噴出部、６ｃ……ノズル支持体、６ｄ
……ノズル本体、２０……筒体、２３……第１流
入口、２４……第２流入口、２５……ノズルキヤ
ツプ、２７……第１噴出孔部、２８……第２噴出
孔部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 温水を噴出して局部を洗浄する噴出部と、同噴
   出部へ温水を供給する給水加熱装置とを備え、前
   記噴出部は便器の便鉢方向を指向するとともに上
   記給水加熱装置内の給湯源に連通する洗浄水通路
   を形成したノズル支持体と、同ノズル支持体内に
   同様に便鉢方向を指向して摺動可能に装着される
   ノズル本体とからなる衛生洗浄装置において、 前記ノズル支持体は、給水加熱装置にビス止め
   によつて取付けられ、且つ前記ノズル本体に通じ
   る連絡路を有すると共に、同連絡路に通じる環状
   凹部を挟み込むようにして配置された２つの防水
   パツキンを有してなり、 さらに、前記ノズル本体は、一端開口でかつ洗
   浄位置伸張時に前記ノズル支持体の洗浄水流路と
   連通する流入口と、開口部内周面に突出する突部
   を有する中空の筒体と、先端部が閉塞されており
   該先端部近傍の側壁に異なつた形態で噴出する複
   数の洗浄水の噴出孔部を有し、且つ開口側外周面
   には開口端から軸線方向に伸延し円周方向に屈曲
   するＬ字形に形成して前記筒体の突部と係合する
   凹部を有するノズルキヤツプとよりなる衛生洗浄
   装置。