JP2510354Y2 - 水洗便所装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、便器を備えたバスルームユニットなどに使
用する防湿型の水洗便所装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来からホテルなどにおいてはバスルームユニットに
便器を備えたものが設置してある。そして、便器の後方
にロータンクが露出して配置してあった。一方、近年便
器に温水洗浄便座装置を取り付けて、人体の局部に洗浄
水を噴出して洗浄することが行なわれている。そして、
従来の温水洗浄便座装置は便座を回動自在に取り付けた
便器取付け用ベース部材を便器に取り付けるのである
が、この便器取付け用ベース部材の側部に温水タンクや
制御回路等の電気機器を収めたケースが取り付けてあっ
て該ケースが便器の外側方に突出するようになってい
た。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、バスルームユニットの便器のように水が直
接かかったりするおそれのある箇所においては従来の温
水洗浄便座装置をそのまま便器に取り付けても制御回路
を備えた電気機器等の防水の点で問題があった。更に、
ケースが便器の外側方に突出している状態で取り付けら
れるので、バスルームユニットのように側方に浴槽や洗
面ボール等が配設されるものにおいては便器の側方に突
出したケースが邪魔になるという問題があった。更に、
ロータンク、ロータンクへ給水する供給管、止水栓、分
岐水栓、分岐水栓から温水タンクに接続する給水パイプ
等が外部に直接露出して見苦しいという問題があった。

本考案は上記の従来例の問題点に鑑みて考案したもの
であって、その目的とするところは、ロータンク、ロー
タンクへ給水する供給管、止水栓、分岐水栓、分岐水栓
から温水タンクに接続する給水パイプ等が外部に露出せ
ずに外観が良く、しかも、防水性が確保され、また、ロ
ータンクと便器とを接続する給水管がすでに施工状態で
あってもカバーの取り付けが給水管に影響されず簡単に
でき、また、洗浄水供給用のホースと電気コードとのケ
ースへの接続部分及び給水パイプのケースへの接続部分
の点検、及び止水栓、分岐水栓の点検が簡単にできる水
洗便所装置を提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案の水洗便所装置は、カウンター35の下方にロー
タンク９を配設し、ロータンク９の下方に温水タンクや
電気機器を内装したケース３を配設し、便座１を回動自
在に取り付けた便器取付け用ベース部材２に人体の局部
を洗浄する洗浄水を噴出する洗浄ノズルを設け、ロータ
ンク９に給水する供給管12に止水栓11と分岐水栓13とを
設け、分岐水栓13から分岐した給水パイプ14をケース３
内の温水タンクに接続し、ロータンク９と便器Ａとを給
水管36にて接続し、カウンター35の下方において止水栓
11と分岐水栓13を有する供給管12、給水パイプ14を含む
ロータンク９からケース３までの前方及び側方をカバー
４で覆い、該カバー４に設けた下端部から上方に向けて
設けたスリット部37の上部に給水パイプ14が位置し、ス
リット部37をスリット覆い蓋38により覆い、ケース３と
便器取付け用ベース部材２とを接続する洗浄水供給用の
ホース５や電気コード６をカバー４に設けた孔29に通
し、洗浄水供給用のホース５と電気コード６とのケース
３への接続部分及び給水パイプ14のケース３への接続部
分をケース３の同一面に配置し、カバー４の洗浄水供給
用のホース５に電気コード６とのケース３への接続部分
に対応する部分に第１の点検口39を設け、カバー４の止
水栓11や分岐水栓13に対応する部分に第２の点検口40を
設け、第１の点検口39及び第２の点検口40にそれぞれ着
脱自在に第１及び第２の点検蓋41、42を設けて成るもの
であって、このような構成を採用することで上記した本
考案の目的を達成したものである。

［作用］ ロータンク９と便器Ａとが給水管36によりすでに接続
が完了している状態で、カウンター35の下方の前方及び
側方を覆うカバー４を取り付けるに当たっては、スリッ
ト部37に給水管36を通して給水管36をスリット部37の上
部に位置させることで、給水管36がすでに施工してある
にもかかわらずカバー４の取り付けに当たり給水管36が
邪魔にならないようになっている。そして、カバー４に
よりロータンク９、ケース３、止水栓11、分岐水栓13、
供給管12、給水パイプ14等が外部に露出しないようにで
きる。また、洗浄水供給用のホース５と電気コード６と
のケース３への接続部分及び給水パイプ14のケース３へ
の接続部分をケース３の同一面に配置し、カバー４の洗
浄水供給用のホース５と電気コード６とのケース３への
接続部分に対応する部分に第１の点検口39を設け、カバ
ー４の止水栓11や分岐水栓13に対応する部分に第２の点
検口40を設け、第１の点検口39及び第２の点検口40にそ
れぞれ着脱自在に第１及び第２の点検蓋41、42を設けて
あるので、第１の点検蓋41を開とするとケース３の同一
面に位置する洗浄水供給用のホース５と電気コード６と
のケース３への接続部分及び給水パイプ14のケース３へ
の接続部分の点検ができ、また、第２の点検蓋42を開と
すると止水栓11や分岐水栓13部分の点検やあるいは止水
操作が簡単にできるようになった。

［実施例］ 以下、本考案を添付図面に示す実施例に基づいて詳述
する。

便器取付け用ベース部材２には人体の局部を洗浄する
洗浄水を噴出するための洗浄ノズル（図示せず）が設け
てある。この洗浄ノズルは従来から公知の種々のものを
用いることができる。便器取付け用ベース部材２には更
に便蓋31が回動自在に取り付けてある。便座１は暖房便
座となっており、内部に電気ヒータ（図示せず）が内装
してある。この便器取付け用ベース部材２は便器Ａの後
部の上面に取り付けられるものである。便器Ａはバスル
ームユニットＢの床23の一側部に設置してある。バスル
ームユニットＢの他側部には浴槽24が設置してあり、便
器Ａと浴槽24との間の壁22に沿って洗面ボール25及びシ
ャワー装置30が配設してある。また便器Ａの後方の上方
には壁22に沿ってカウンター35が配設してあり、このカ
ウンター35に側端部に前記洗面ボール25が設けてある。
ケース３内には温水タンク（図示せず）及び制御回路等
の電気機器（図示せず）が内装してある。上記ケース３
から洗浄水供給用のホース５と電気コード６とが導出し
てあり、ホース５、電気コード６は便器取付け用ベース
部材２側に接続してあり、ホース５によりケース３内の
温水タンクと便器取付け用ベース部材２に設けた洗浄ノ
ズル側とを接続してあり、また、電気コード６はケース
３内の電気機器と便器取付け用ベース部材２に内装した
電気機器（便座１の電気ヒータも含む）とを電気的に接
続してある。ここで、添付図面の実施例では電気コード
６がケース側コード6aと、ベース部材側コード6bと、接
続用コード６に分割してあって、それぞれのコードの端
部のコネクター部分を着脱自在に接続してある。また、
ケース側コード6aはケース３の側部から導出してあり、
このケース側コード6aの導出部分の近くのケース３の側
部に温水タンクに連通したホース接続口８が設けてあ
り、ホース５の端部がこのホース接続口８に接続してあ
る。便器Ａの後方の上方のカウンター35の下方にはロー
タンク９が配設してある。ロータンク９と便器Ａとは給
水管36により接続してある。ロータンク９の下方にケー
ス３が配置してあって空間の有効利用をしてある。添付
図面の実施例においてはケース３の脚部を床23に載置す
ると共にケース３の上面後部に設けた固定部20を固着具
21により壁22に固着して取り付けてある。ロータンク９
へは水道管10に接続した止水栓11を介して供給管12によ
り給水されるようになっている。止水栓11部分の下流側
には更に分岐水栓13が設けてあり、この分岐水栓13に接
続した給水パイプ14がケース３内に設けた温水タンクに
接続されるが、この場合、温水タンクに連通するケース
３の側部に設けた給水口15に給水パイプ14の端部が接続
される。上記給水口15はケース３のホース接続口８を設
けた側部と同じ面に設けてある。更にこのケース３のホ
ース接続口８を設けた側部には温水タンクに連通した水
抜き栓16が設けてある。カウンター35の下方において止
水栓11と分岐水栓13を有する供給管12、給水パイプ14を
含むロータンク９からケース３までの前方及び側方をカ
バー４で覆ってある。このカバー４はカウンター35に設
けた固定金具43にねじ具により着脱自在に取り付けてあ
る。カバー４は第８図に示すように前面片18と側面片19
とで構成してあるが、実施例においては一方の側部にの
み側面片19が設けてあって横断面Ｌ字状をしている。つ
まり側面片19は浴槽24、洗面ボール25に向く方の側面に
側面片19が設けてある。カバー４の前面片18の略中央部
には凹部45が設けてあり、前面片18の下端縁からこの凹
部45にかけて切り込んでスリット部37が形成してある。
凹部45はこの部分に便器Ａの後部に取り付けられる便器
取付け用ベース部材２の後部が嵌まり込んで位置するよ
うになっている。スリット部37は既に給水管36が施工済
みの状態においてカバー４を給水管36に邪魔されずに取
り付けられるようにするためのものであり、スリット部
37を既に施工済みの給水管36にはめ込んで給水管36をス
リット部37の上部に位置させることで既に給水管36施工
済みであっても支障なくカバー４を取り付けることがで
きる。前面片18には第４図に示すようなスリット覆い蓋
38を着脱自在に取り付けてスリット部37の給水管36を通
した部分以外の部分を閉塞することができるようになっ
ている。ケース３と便器取付け用ベース部材２とを接続
する洗浄水供給用のホース５や電気コード６はカバー４
に設けた孔29に通してある。ここで、カバー４と便器取
付け用ベース部材２との間には第６図に示すような可撓
性を有するカバー用ホース体７内に挿通してあり、カバ
ー用ホース体７の一端部はカバー４の前面片18の孔29部
分に接続され、他端部は便器取付け用ベース部材２に接
続される。洗浄水供給用のホース５と電気コード６との
ケース３への接続部分及び給水パイプ14のケース３への
接続部分をケース３の同一面（実施例では一方の側面）
に配置してあって、カバー４の洗浄水供給用のホース５
と電気コード６とのケース３への接続部分に対応する部
分に第１の点検口39を設けてあり、この第１の点検口39
には第１の蓋41が着脱自在に取り付けてある。また、カ
バー４の止水栓11や分岐水栓13に対応する部分に第２の
点検口40が設けてあり、この第２の点検口40に第２の点
検蓋42が着脱自在に取り付けてある。

本考案の温水洗浄便座装置の操作スイッチ等を有する
操作盤を壁に取り付けられる。そして、操作スイッチを
操作して温水を洗浄水供給用のホース５から供給して洗
浄ノズルから噴出して人体の局部の洗浄をするものであ
る。

ところで、浴槽24、洗面ボール25、シャワー装置30等
を使用した場合生じる水が温水洗浄便座装置側にかかっ
ても、カバー４の存在によりケース３内の電気機器に水
がかかるのを防止できる。なお、カバー用ホース体７を
設けると電気コード６に水がかかるのを防止している。

そして、第１の点検蓋41を取り外すと、第１の点検口
39が開放されてこの第１の点検口39よりホース接続口
８、水抜き栓16、給水口15、ケース側コード6aのコネク
ター部分等が見えてこの部分の接続作業や点検等ができ
るようになっている。

また、第２の点検蓋42を取り外すと、第２の点検口40
が開放されてこの第２の点検口40より止水栓11や分岐水
栓13が見えて、止水栓11や分岐水栓13の操作、接続作
業、点検等ができるようになっている。

［考案の効果］ 本考案にあっては、叙述のように構成したので、ロー
タンクと便器とが給水管によりすでに接続が完了してい
る状態であっても、給水管をスリット部を通すことで給
水管を避けてカバーを取り付けることができるものであ
る。また、カバーによりロータンク、ケース、止水栓、
分岐水栓、供給管、給水パイプ等が外部に露出しないよ
うにできて外観を向上することができるものである。ま
た、電気機器を内装したケースをカバーにより覆うこと
になるので、ケース内の電気機器の防水性が確保される
ものである。しかも、洗浄水供給用のホースと電気コー
ドとのケースへの接続部分及び給水パイプのケースへの
接続部分をケースと同一面に配置し、カバーの洗浄水供
給用のホースと電気コードとのケースへの接続部分に対
応する部分に第１の点検口を設け、カバーの止水栓や分
岐水栓に対応する部分に第２の点検口を設け、第１の点
検口及び第２の点検口にそれぞれ着脱自在に第１及び第
２の点検蓋を設けてあるので、第１の点検蓋を開とする
とケースの同一面に位置する洗浄水供給用のホースと電
気コードとのケースへの接続部分及び給水パイプのケー
スへの接続部分の点検ができ、また、第２の点検蓋を開
とすると止水栓や分岐水栓部分の点検やあるいは止水操
作が簡単にできるものである。更に、ケースをロータン
クの下方に配置することで、ロータンクの下方のデッド
スペースを有効に利用できるとともに便器の外側方にケ
ースが飛び出して邪魔になるというようなことがないも
のである。

【図面の簡単な説明】 第１図（ａ）（ｂ）（ｃ）は本考案の斜視図、カバーを
取り付ける前の斜視図及び第１の点検口を開いた状態の
斜視図、第２図は同上の一部分解斜視図、第３図はケー
ス、ロータンク部分の斜視図、第４図は同上のカバーの
斜視図、第５図（ａ）（ｂ）は同上の便器取付け用ベー
ス部材の平面図及び側面図、第６図（ａ）（ｂ）（ｃ）
（ｄ）は同上のカバー用ホース体の平面図、正面図、右
側面図及び左側面図、第７図（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）
（ｅ）は同上のケースの平面図、正面図、右側面図、背
面図及び左側面図、第８図（ａ）（ｂ）（ｃ）は同上の
カバーの正面図、側面図及び断面図、第９図（ａ）
（ｂ）は同上の第１の点検蓋の正面図及び第２の点検蓋
の正面図であって、１は便座、２は便器取付け用ベース
部材、３はケース、４はカバー、５はホース、６は電気
コード、９はロータンク、11は止水栓、12は供給管、13
は分岐水栓、14は給水パイプ、35はカウンター、36は給
水管、37はスリット部、38はスリット覆い蓋、39は第１
の点検口、40は第２の点検口、41は第１の点検蓋、42は
第２の点検蓋である。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カウンターの下方にロータンクを配設し、
   ロータンクの下方に温水タンクや電気機器を内装したケ
   ースを配設し、便座を回動自在に取り付けた便器取付け
   用ベース部材に人体の局部を洗浄する洗浄水を噴出する
   洗浄ノズルを設け、ロータンクに給水する供給管に止水
   栓と分岐水栓とを設け、分岐水栓から分岐した給水パイ
   プをケース内の温水タンクに接続し、ロータンクと便器
   とを給水管にて接続し、カウンターの下方において止水
   栓と分岐水栓を有する供給管、給水パイプを含むロータ
   ンクからケースまでの前方及び側方をカバーで覆い、該
   カバーに設けた下端部から上方に向けて設けたスリット
   部の上部に給水管が位置し、スリット部をスリット覆い
   蓋により覆い、ケースと便器取付け用ベース部材とを接
   続する洗浄水供給用のホースや電気コードをカバーに設
   けた孔に通し、洗浄水供給用のホースと電気コードとの
   ケースへの接続部分及び給水パイプのケースへの接続部
   分をケースの同一面に配置し、カバーの洗浄水供給用の
   ホースと電気コードとのケースへの接続部分に対応する
   部分に第１の点検口を設け、カバーの止水栓や分岐水栓
   に対応する部分に第２の点検口を設け、第１の点検口及
   び第２の点検口にそれぞれ着脱自在に第１及び第２の点
   検蓋を設けて成る水洗便所装置。