JP4247197B2 - ハンドドライヤー設備ユニット - Google Patents

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本発明は、洗面所などに設置されるハンドドライヤーに係り、特に、電気配線及び洗面所におけるハンドドライヤーの使い勝手に好適なハンドドライヤー設備ユニットに関する発明である。
従来のハンドドライヤーは、手洗い器または洗面器が設置されている壁と垂直な壁に設置されている(例えば、特許文献1参照。)。
従来洗面所等に設置される電源を必要とする機器の機能部(例:手洗い器または洗面器に温水を供給するための機能部、手洗い器または洗面器に水を供給するための機能部など)は、手洗い器または洗面器の真下に設置されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2000-29380号公報(第5頁、第5図、洗面器-1-) 特開2004-324972号公報(第6頁、第4図)
しかしながら、上述した従来のハンドドライヤーの設置構造においては以下のような問題がある。図1から図3で発明が解決しようとする課題について説明する。図1は、貯湯式温水器とハンドドライヤーを従来の設置位置に設置した時の電気配線である。(A)は貯湯式温水器とハンドドライヤーの取り付け壁が違う場合の図、(B)貯湯式温水器とハンドドライヤーの取り付け壁が同じ場合の図である。図2は、洗面器とハンドドライヤーを連立して設けた場合のハンドドライヤーを使用する際の動線を示したものである。図3は、複数の洗面器が設置されている壁と垂直な壁にハンドドライヤーを設けた場合のハンドドライヤーを使用する際の動線を示したものである。
従来の技術を用いて、トイレ空間内に手洗い器または洗面器、ハンドドライヤー、その他の電源を必要とする機器(例えば貯湯式温水器)を設置する場合は主に以下に示す2つのパターンに分けられる。1つめのパターンとして図1(A)のように、貯湯式温水器とハンドドライヤーの取り付け壁が違う場合は貯湯式温水器2が壁7に取り付けられ、ハンドドライヤー3は壁6に取り付けられている。そのことで、ハンドドライヤーの電気配線5Aを壁6内に、貯湯式温水器2への電気配線5Bを壁7内に施工しなくてはならない。
また、2つめのパターンとして図1(B)のように貯湯式温水器とハンドドライヤーの取り付け壁が同じ場合においても、図1(B)に示すようにそれぞれの貯湯式温水器の設置位置がばらばらであるため、壁7内に電気配線5A、5Bを取り回しが必要で、且つコンセント4をそれぞれの機器別に設置しなければならない。
このように、貯湯式温水器の取り付け位置がばらばらであると、電気配線の取りまわしが複雑となり施工がしにくいという問題があった。
また、手洗い器または洗面器に連立してハンドドライヤーを設置する場合は、図2のように、手洗い器または洗面器1に連立してハンドドライヤー3が同じ壁に直接取り付けてあると、手を乾かす際に、奥に手を伸ばさなければならなくなり、手の移動距離が長くなる、腰を曲げなければならないなどの理由から、手を乾かし難いという問題があった。また、腰を曲げてハンドドライヤーに手を伸ばす際に、洗面器に服等がかかり、使用者の服が濡れてしまう場合もあった。また、ハンドドライヤー使用時に次の人が手洗いをすると水跳ねによって、ハンドドライヤー使用者が濡れるという問題点もあった。
手洗い器または洗面器が複数連立している場合は、図3のように、複数の手洗い器または洗面器1が壁7に設置され、ハンドドライヤー3が壁6に設置されているので、左側の手洗い器または洗面器1で手を洗った人は右側の手洗い器または洗面器1の前を通って、ハンドドライヤー3に行かなくてはならず、右側の手洗い器または洗面器1に人が並んでいた場合、それを横切らなくてはならず、混雑の原因となるという問題があった。また、左側の洗面器の使用者はハンドドライヤーに向かう途中に水が床に垂れてしまうなどの問題点もある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、ハンドドライヤーとその他の複数の電気機器が設置されるトイレ空間において、電気配線の簡略化とハンドドライヤーの使い勝手を向上させることを目的としている。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、トイレ空間内に設置されるハンドドライヤーの設備ユニットにおいて、トイレ内の壁に水平方向に連立して、手洗い器または洗面器と、貯湯式温水器を収納するための収納部とが設けられ、前記収納部内または近傍に電源差込口が備えられ、前記収納部の前面にハンドドライヤーが設置され、前記壁から前記手洗い器または前記洗面器の先端までの距離と、壁から前記ハンドドライヤーの先端までの距離がほぼ同じになるように設置したことを特徴としている。
上記目的を達成するために請求項2記載の発明によれば、トイレ空間内に設置されるハンドドライヤーの設備ユニットにおいて、トイレ内の壁に水平方向に連立して、複数の手洗い器または洗面器が設けられ、前記複数の手洗い器または洗面器の間に貯湯式温水器を収納するための収納部が設けられ、前記収納部内または近傍に電源差込口が設けられ、前記収納部の前面にハンドドライヤーが設置され、前記壁から前記手洗い器または前記洗面器の先端までの距離と、壁から前記ハンドドライヤーの先端までの距離がほぼ同じになるように設置したことを特徴としている。
上記目的を達成するために請求項3記載の発明によれば、前記ハンドドライヤーは上方から手を差し込み手を乾かすことを特徴としている。
このような構成にすることで、トイレ内の電源を必要とする機器を一箇所に集約することで、電源配線の簡略化ができるだけでなく、貯湯式温水器を収納部で覆うことにより、洗面器等からの水はねにより貯湯式温水器自体に防水処理を施す必要がなくなる。また、その収納部の前面にハンドドライヤーを設置することで、直接壁にハンドドライヤーが設置されていた場合は、ハンドドライヤーまでの距離が遠いため、腰を曲げなければならないなどの理由から、手を乾かし難いという問題も同時に解決することができる。
また、壁から手洗い器または洗面器の先端までの距離と、壁からハンドドライヤーの先端までの距離がほぼ同じになるように設置したことで、手を洗った後にハンドドライヤーの前に移動し、ハンドドライヤーに手を差し込み手を乾かすという移動距離を最小限に抑えることができる。したがって、ほぼ水滴を落さずにハンドドライヤーで手を乾かすことができる。また、手を乾かす際に、奥に手を伸ばさなくてもよく腰に負担もかからない、洗面器に服等がかかり濡れることもなく、洗面器からの水跳ねもなくなる。
また、ハンドドライヤーを直接壁に取り付けた場合は、ハンドドライヤーを使用する時に、手を差し込むと頭部が壁に接触するために使用しづらいが、本発明のように壁から手洗い器または洗面器の先端までの距離と、壁からハンドドライヤーの先端までの距離がほぼ同じになるようにハンドドライヤー設備ユニットを設置することで、このようなことが生じず使い勝手がよくなる。
本発明によれば、ハンドドライヤーとその他の複数の電気機器が設置されるトイレ空間において、電気配線が簡略化できるとともにハンドドライヤーの使い勝手を向上させることができる。
以下、添付図面を参照して本発明のハンドドライヤー設備ユニットの実施形態について説明する。図4は、本発明による洗面器、ハンドドライヤー、収納部の設置構造である。また、その時の電気配線と手洗い時の人の動作距離も示している。(A)は平面図、(B)正面図である。図5は、図4における収納部の内部の納まりである。(A)は正面図、(B)側面図である。
図4(A)のように、手洗い器または洗面器1を2台連立させ、その間に収納部9を設け、その中に図5(A)のようにコンセント4が上部に設置され、その下に貯湯式温水器2が縦方向に2台設置され、その2台の貯湯式温水器2の間に止水栓10を設置し、図5(B)のように、上部貯湯式温水器2の前方に水石けん入れ11を2台設置した。収納部9の前面にはハンドドライヤー3を1台設置し、図4(B)のように、収納部9の上面にはドライカウンター8を設置した形態となっている。また、図4(A)のように、ハンドドライヤー3が収納部9の前面についていることでハンドドライヤー3の位置が前方にでており、壁から手洗い器または洗面器1の先端までの距離と、壁からハンドドライヤー3の先端までの距離がほぼ同じになるようにする。
図4(A)のように、壁に水平方向に連立して、手洗い器または洗面器1と、貯湯式温水器を収納する収納部9が設置され、収納部9の中に、図5(A)のように、電源を必要とする貯湯式温水器2が収納され、前記収納部9の前面にハンドドライヤー3を設置することで、複数の電気差込口4を収納部9内に設けることができるため電気配線5Bのみの施工でよくなる。このことで、電気配線工事を簡略化することができる。また、手洗い器等からの水はねに対しても収納部9内にコンセント4が収納されているため、水がかかることがなく、コンセント自体に防水処理を施す必要もない。
ここで、コンセント4は図8に示すように、請求項1で示している前記収納部近傍とは、収納部の周り約100mm以内(a)に設置すればよい。この程度の範囲内であれば図4(A)のように電気配線5Bのみの配線の取り回しで対応できるため、別途電源配線を取りまわす必要がない。また、特に図8中に示すようにコンセント4が収納部の下面にあれば、手洗い器1から水はねした水が収納部9により遮断され、コンセントにかかることがないため、コンセント自体に防水処理を施す必要がなくなる。
また図4(A)のように、壁に水平方向に連立して、手洗い器または洗面器1と、貯湯式温水器を収納する収納部9が設置され、収納部9の中に、図5(A)のように、給水口10を必要とする貯湯式温水器2が2台収納されていることで、給水口10が一箇所となる。このことで、配管の施工が簡単になる。
図4(A)のように、ハンドドライヤー3(前出約190mm)が収納部9(前出約220mm)の前面についていることでハンドドライヤー3の位置が壁面に対して前方にでており(壁から約410mm)、壁から手洗い器または洗面器1の先端までの距離(約450mm)と、壁からハンドドライヤー3の先端までの距離がほぼ同じ(±50mm以内)になるように設置すれば、手洗い器または洗面器1とハンドドライヤー3の壁からの距離が近くなるので、手を洗った後にハンドドライヤー3の前に移動し、ハンドドライヤーに手を差し込み手を乾かすという移動距離を最小限に抑えることができる。したがって、ほぼ水滴を落さずにハンドドライヤー3で手を乾かすことができる。また、手を乾かす際に、奥に手を伸ばさなくてもよく腰に負担もかからない、洗面器に服等がかかり濡れることもなく、洗面器からの水跳ねもなくなる。
また、図6は、ハンドドライヤー使用時の人の状態を示した図である。(A)はハンドドライヤーを壁に取り付けた場合、(B)はハンドドライヤーを収納部に取り付けた場合である。
図6(A)のように、ハンドドライヤー3を直接壁に取り付けた場合は、ハンドドライヤー3を使用する時に、手を差し込むと頭部が壁7に接触するために使用しづらいが、図4に示すように収納部9の前面にハンドドライヤー3を配設することで使い勝手がよくなる。
図4(B)のように、壁に水平方向に連立して、手洗い器または洗面器1と、貯湯式温水器を収納する収納部9を設置し、収納部9上面にドライカウンター8を設けた。このことで、ドライカウンター8があふれ面18(手洗い器または洗面器1に水を溜め、一番はじめにあふれるフチを含む水平な面)よりも高くなるように設置されているので、手洗いによる水跳ねもほぼなく、水濡れのない物置として使用することができる。
図4(A)のように、2連の手洗い器または洗面器1の中間に収納部9及びハンドドライヤー3を設置する。このことで、両方の手洗い器または洗面器1からハンドドライヤー3及びドライカウンター8までの距離が等しく短くなり、移動距離が短くなる。したがって、荷物をドライカウンター8に置き、手洗い器または洗面器1で手を洗い、ハンドドライヤー3で手を乾かし、ドライカウンター8に置いた荷物をとるという行動時間が短縮される。また、本発明では、手洗い器または洗面器1が2つに対して、ハンドドライヤー3は1つで対応できるため、各手洗い器または洗面器1に対してハンドドライヤー3を1つずつ設置する必要がなくなる。
図7のように、収納部9は前板13、天板12、収納部本体17から構成されている。また、前板13、および天板12は収納部本体17から着脱(開閉)可能に構成されている。このように、天板12が開閉できるようになっていることで、コンセント4が天板12のすぐ下に設置されていて、コンセント4の抜差しが容易にできる。また、水石けん入れ11が天板12のすぐ下に設置されていることで、水石けんの補給が容易になる。また、前板13が開閉できるようになっていることで、内部に収納されている貯湯式温水器のメンテナンスを行うことができる。前板13が開閉不可能では、貯湯式温水器のメンテナンス時に、天板を開けて貯湯式温水器を取り外さなければならないが、開閉できることで、貯湯式温水器を取り外すことなくメンテナンスできる。
図5(A)のように、コンセント4が収納部9内の上部にあることで、貯湯式温水器2からの水漏れがあった場合でも貯湯式温水器2より上部にコンセント4があるためにコンセント4に水がかからなく、また、天板12を開けることで、すぐに電源を抜差しすることができる。
図5(A)のように、水石けん入れ11を上部貯湯式温水器2の前方に置くことで、天板を開け、水石けん入れ11を取り出し、水石けんの補給を行うことができる。
図4(B)のように、手洗い器または洗面器が設置されている側の収納部9の側面には、センサーコード、水石けんホース、給水給湯ホースを隠蔽するために化粧管14が設けられている。このことで、外観には前記ホース類がほぼ現れず、美観を損なわない。
本発明では、電源コード、水石けんホース、給水給湯ホースを外部を通し、手洗い器または洗面器1下から接続しなければならない。そのため収納部には、図4(B)のように、そのホース類を隠蔽するために化粧管14が設けられており、手洗い器または洗面器1の下方にまで伸ばしている。前記化粧管14の固定方法は、図9(A)のように、化粧管14(ツバの付いた管)を収納部本体に空いた穴に通し、図9(B)のように、管固定板15で収納部の内側からビスで固定する方法を用いている。また、化粧管14の先端部は横受16で固定されている。この固定方法を用いることで、美観を損なわず、固定強度も保たれる。
図10は二連の手洗い器または洗面器1の間に収納部9を設置した場合の、収納部周りに最低限必要なスペースを示した図である。図10のように、収納部9の左右には50mmから200mmのスペース(b)が確保されていて、収納部9の下には50mmから150mmのスペース(c)が確保されていることが好ましい。これは、収納部9の左右は拭き掃除、下はモップ掃除を想定した場合に最低限必要な空間を確保した結果である。
図7のように、天板12と収納部9をワイヤー19で繋ぐことで天板12の盗難防止の効果がある。
図1は、貯湯式温水器とハンドドライヤーを従来の設置位置に設置した時の電気配線である。(A)は貯湯式温水器とハンドドライヤーの取り付け壁が違う場合の図、(B)は貯湯式温水器とハンドドライヤーの取り付け壁が同じ場合の図である。
符号の説明
1:洗面器
2:貯湯式温水器
3:ハンドドライヤー
4:コンセント
5:電気配線、5Aは壁6内の電気配線、5Bは壁7内の電気配線
6:壁
7:壁
8:ドライカウンター
9:収納部
10:止水栓
11:水石けん入れ
12:天板
13:前板
14:化粧管
15:管固定板
16:横受
17:収納部本体
18:あふれ面
19:ワイヤー
a:寸法標記、100mm
b:寸法標記、50mm〜200mm
c:寸法標記、50mm〜150mm

Claims (3)

  1. トイレ空間内に設置されるハンドドライヤーの設備ユニットにおいて、トイレ内の壁に水平方向に連立して、手洗い器または洗面器と、貯湯式温水器を収納するための収納部とが設けられ、前記収納部内または近傍に電源差込口が備えられ、前記収納部の前面にハンドドライヤーが設置され、前記壁から前記手洗い器または前記洗面器の先端までの距離と、壁から前記ハンドドライヤーの先端までの距離がほぼ同じになるように設置したことを特徴とするハンドドライヤー設備ユニット。
  2. トイレ空間内に設置されるハンドドライヤーの設備ユニットにおいて、トイレ内の壁に水平方向に連立して、複数の手洗い器または洗面器が設けられ、前記複数の手洗い器または洗面器の間に貯湯式温水器を収納するための収納部が設けられ、前記収納部内または近傍に電源差込口が設けられ、前記収納部の前面にハンドドライヤーが設置され、前記壁から前記手洗い器または前記洗面器の先端までの距離と、壁から前記ハンドドライヤーの先端までの距離がほぼ同じになるように設置したことを特徴とするハンドドライヤー設備ユニット。
  3. 前記ハンドドライヤーは上方から手を差し込み手を乾かすことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のハンドドライヤー設備ユニット。
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