JPH0322489B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、道路、地面等の掘削を行うことがで
き、その作業中において旋回範囲を狭くして、他
の作業を妨げたり、道路を占有することで車両の
進行を妨げたりすることを防ぐことができる掘削
機に関し、特に、旋回台と作業台とをそれぞれ別
個の油圧駆動手段で駆動させ、作業台上に固定し
た掘削機構の旋回の自由度を広大させることがで
きる掘削機の油圧回路に関する。

〔従来の技術〕

従来の掘削機では車体よりアームを突出させ、
このアーム先端に土砂を掘取るバケツトを取付け
る構成が一般的であつた。しかし、この構成では
掘取つた土砂を車体の後方に移送する際にアーム
やバケツトが車体側面より大きく飛び出すもので
あり、付近に立つている人に接触する危険がある
とともに、作業範囲を広く設定しなければならな
い欠点があつた。このため、車体上に旋回台と作
業台をその回転軸芯を偏位させて設けておき、バ
ケツトを車体の上方で通過させ、アーム、バケツ
トが車体の側面より大きく飛び出さないように構
成した掘削機が提案されている。

しかし、この新しい掘削機では旋回台と作業台
とをいずれも所定の方向で回転させなければなら
ず、しかもその回転を同期させなければバケツト
が確実に車体上方を通過せず、旋回機構は複雑に
ならざるを得ないものであつた。このため、従来
ではギヤー等を用いて機械的な駆動機構によつて
旋回台と作業台とを連動させ、かつ、同期させて
いたが、応力が一点に集中するため故障の原因と
なり易いとともに、摩擦等による動力損失が大き
く効率の悪いものであつた。

このため、旋回台と作業台をそれぞれ個別の原
動力で回転させる機構も提案されている。この機
構では旋回台と作業台はそれぞれ個別に回転、停
止することから自由度は大きくなるものである。
その反面、２つの原動力（油圧モーター）を制御
するのは、同期をとりにくくなり、それぞれ個別
に操作できにくいものであつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このため、二つの油圧モーターを同期して回転
させることができ、掘削機構を車体の側面から突
出しない掘削機でありながら、状況に応じてそれ
ぞれを単独で操作できることが望まれていた。特
に、油圧モーターは同期が取りにくく、旋回台と
作業台を一定の比率で回転させることが困難なも
のであるため、同期操作とその解除が自由にでき
るならば、掘削機の操作上で非常に便利なものと
なる。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、移動可能な車体と、この車体上面の
ほぼ中央にその回転中心を一致させて水平に全旋
回することができるように軸支させた旋回台と、
この旋回台上には旋回台の回転中心よりその回転
中心を離して水平に全旋回することができるよう
に回転自在に軸支させた作業台と、作業台上に載
置された掘削機構とから成る掘削機において、旋
回台を車体に対して回転させる第一の油圧駆動手
段と、作業台を旋回台に対して回転させる第二の
油圧駆動手段と、第一と第二の油圧駆動手段を直
列に接続して両者を同期して回転させる油圧供給
回路と、第一と第二の油圧駆動手段にそれぞれ設
けられて供給油圧をバイパスさせていずれか一方
の油圧駆動手段のみに圧力油を供給させないよう
にする油路切換手段とを有し、二つの油路切換手
段の操作の組合せにより、第一と第二の油圧駆動
手段を同期させて動作させるか、いずれか一つの
油圧駆動手段のみを選択的に動作させることがで
きることを特徴とする掘削機の油圧回路を提供す
るものである。

〔作用〕

本発明では、油圧ポンプから供給される圧力油
を第一と第二の油圧供給手段に直列それぞれ供給
され、両油圧供給手段は常に同期して作動するこ
とができる。このため、旋回台と作業台は常に一
定の比率で旋回し、掘削機構を車体の側面より突
出させずに前方から後方に移動させることができ
る。また、第一と第二の油圧供給手段の何れか一
方のバイパス油路を開放することで、何れか一方
の油圧供給手段のみを作動させることができ、掘
削機構を必要とする方向に向けることができる。
このため、掘削の作業範囲が広がり、作業性能が
向上するものである。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。

第１図は本実施例の斜視図、第２図は側面図、
第３図は正面図、第４図は平面図である。

この掘削機は自走できるものであり、平坦な車
体１０の下面にはその四隅に車輪１１が軸支させ
てあり、車体１０の両側の各一対の車輪１１間に
はそれぞれクローラー（無限軌道）１２が巻回し
てある。

この車体１０の上面中央には環状形をした支持
盤１３が固着してあり、この支持盤１３上には変
形八角形をした旋回台１４が水平方向に全周方向
に回転自在に軸支してある。この旋回台１４は正
三角形の各頂点を裁断した平面状をしており、旋
回台１４の後方の上部には（第２図、第４図左
側）その周辺に沿つてエンジン１５、燃料タンク
１６、作動油タンク１７が載置、固定してあり、
重量の分配を行つている。この旋回台１４の上面
中央より少し燃料タンク１６に接近した位置に
は、第一の油圧駆動手段である油圧モーター１８
がその駆動軸を下方に向けて固定してある。

この旋回台１４の前方（第２図、第４図右方）
の上部には環形状をした保持盤１９が載置、固定
してあり、前述の支持盤１３の中心軸とこの保持
盤１９の中心軸とは水平方向に偏位させ、かつ、
平行になるように位置させてある。この保持盤１
９上には円形をした作業台２０が保持盤１９に対
して全周方向に回転自在に軸支してあり、作業台
２０上には垂直に支持体２１が固着してあり、支
持体２１にはその上下に間隔を置いて連結具２２
が固着してある。

前記連結具２２の間には基端体２６が連結して
あり、この基端体２６にはく字形をしたブーム２
７が上下に揺動自在に連結してある。このブーム
２７の先端にはアーム２８が上下に揺動自在に連
結してあり、さらに、アーム２８の先端にはバケ
ツト２９が揺動自在に連結してある。そして、基
端体２６とブーム２７の中央の間、ブーム２７中
央とアーム２８の端部の間、アーム２８とバケツ
ト２９の間には、それぞれ油圧シリンダー３０，
３１，３２を介在させてある。これらのブーム２
７、アーム２８、バケツト２９等で掘削機構４８
が構成される。また、前記基端体２６の一側には
鋼板をＬ字形に折曲げた乗員台２３が固着してあ
り、この乗員台２３上にはシート２４と制御箱２
５が固着してある。

次に、第５図は本実施例における旋回機構を詳
しく示すもので、第４図中でＡ−Ａ矢視の断面図
に対応するものである。

前述の支持盤１３上には、外径がほぼ支持盤１
３と同じ外径を有してその内周に歯形を切削形成
した円形の原動歯車３３が固着してあり、この原
動歯車３３の外周にはベアリング３４を介して環
形状をしたスライダー３５が回転自在に嵌合させ
てある。このスライダー３５上面に前記旋回台１
４が固着してあり、旋回台１４はこの原動歯車３
３を中心に回転することができる。そして、前記
油圧モーター１８の出力軸３６にはピニオン３７
が軸着してあり、ピニオン３７は原動歯車３３の
内歯面に噛合せてる。

また、前記保持盤１９上には、この保持盤１９
とほぼ同じ外径の環形状をした軸支体３８が固着
してあり、軸支体３８の内周には環形状をした外
径をほぼ軸支体３８の内径とし、その内周に歯形
を切削形成した従動歯車３９を位置させてあり、
軸支体３８と従動歯車３９の間にはベアリング４
０を介在させてある。そして、前述の作業台２０
はこの従動歯車３９の上面に載置固定させてあ
り、作業台２０は軸支体３８の中心軸をその回転
中心として回転することができることになる。前
記旋回台１４の前方の上面で保持盤１９の内部に
位置して第二の油圧駆動手段である油圧モーター
４１が固定してあり、この油圧モーター４１の出
力軸４２にはピニオン４３が軸着してあり、ピニ
オン４３は従動歯車３９の内歯面に噛合せてあ
る。

なお、第６図はこの旋回機構の回転部材を分解
した斜視図であり、第７図は同上の回転部材の位
置関係を示す平面図である。

次に、第８図は本実施例における油圧系統の配
管図である。

図示しないエンジンによつて駆動される油圧ポ
ンプ５１の吸入側には作動油を蓄えるタンク５２
に連通してあり、油圧ポンプ５１の吐出側にはマ
ルチプル弁５３が接続してあり、マルチプル弁５
３の排出側にはタンク５２が連通させてある。こ
のマルチプル弁５３には流量制御部５４の内部に
設けた２つの絞り弁５５，５６に接続されてお
り、絞り弁５５は切換部５７内にあるコントロー
ル弁５９に接続され、絞り弁５６は切換部５８内
にあるコントロール弁６０に接続してある。

このコントロール弁５９，６０は供給された圧
力油を２系統に切換えることができるものであ
り、圧力油を油圧モーター１８，４１にそれぞれ
供給する作動と圧力油を折返して他のコントロー
ル弁５９か６０にそのまま供給する動作とするも
のである。このコントロール弁５９には圧力油の
流れ方向で自動的に油路方向が変わる自動切換弁
６３が接続してあり、自動切換弁６３には前述の
油圧モーター１８が接続してあり、コントロール
弁５９と油圧モーター１８の間にはそれぞれ圧力
油保持のための逆止弁６５，６６が逆方向に介在
させてあり、油圧モーター１８の両端間には一対
のリリーフ弁６９，７０が逆方向に向けて並列に
接続してある。

また、同様に、コントロール弁６０には圧力油
の流れ方向で自動的に油路方向が変る自動切換弁
６４が接続してあり、自動切換弁６４には前述の
油圧モーター４１が接続してあり、コントロール
弁６０と油圧モーター４１の間にはそれぞれ圧力
油保持のための逆止弁６７，６８が逆方向に介在
させてあり、油圧モーター４１の両端には一対の
リリーフ弁７１，７２が逆方向に並列に接続して
ある。

このようにして、流量制御部５４からは、コン
トロール弁５９、油圧モーター１８、コントロー
ル弁６０、油圧モーター４１の順に並んだ一連の
閉回路が形成されたことになる。

そして、前述の油圧ポンプ５１の出力の一部は
それぞれ油路制御部７３，７４内にある２ポート
のリリーフ弁７５，７６を介して電磁弁７７，７
８に伝えられている。この電磁弁７７の２つの出
力はそれぞれ絞り弁７９，８０を介してコントロ
ール弁５９の制御側に接続してあり、電磁弁７７
の排出側の一部は前述のリリーフ弁７５に接続し
てあり、他は油圧タンク５２に回収されている。
同様に、電磁弁７８の２つの出力にはそれぞれ絞
り弁８１，８２を介してコントロール弁６０の制
御側に接続してあり、電磁弁７８の排出側の一部
は前述のリリーフ弁７６に接続してあり、他は油
圧タンク５２に回収されている。

次に、本実施例の作用を説明する。

この掘削機において、ブーム２７、アーム２
８、バケツト２９を上下動させて道路、地面を掘
削する動作は従来から公知の動作であり、シート
２４に搭乗した操作者が制御箱を操作することに
より各油圧シリンダー３０，３１，３２をそれぞ
れ協同させることで行わせる。堀取つた土砂はバ
ケツト２９を第３図に示す様に水平になるまで持
上げ、バケツト２９の下面を旋回台１４上の機器
の上面より少し高くし、この状態でバケツト２９
を車体１０の後方に旋回させることで後方で待機
しているトラツク等に移すことができる。

次に、油圧モーター１８，４１による旋回台１
４、作業台２０の旋回動作に付いて説明する。こ
の旋回動作には３つの種類があるため、それぞれ
の場合についてその設定条件を区別して説明す
る。

(1) 旋回台１４と作業台２０の同期回転運動。

まず、電磁弁７７，７８をそれぞれオフに
し、電磁弁７７，７８を『正』側に設定して両
コントロール弁５９，６０を導通状態にしてお
く。このため、油圧ポンプ５１により発生させ
られた一部の油圧はリリーフ弁７５，７６、電
磁弁７７，７８を介してそれぞれコントロール
弁５９，６０の一方に伝達されて、コントロー
ル弁５９，６０をそれぞれ導通位置に保持させ
る。

この状態でマルチプル弁５３を『正』の位置
に切換えると、圧力油は絞り弁５５、コントロ
ール弁５９を介して駆動部６１に伝達され、自
動切換弁６３が中立より導通に切換わる。そし
て圧力油は逆止弁６６より油圧モーター１８に
流入し、切換つた自動切換弁６３を通過してコ
ントロール弁５９に戻る。この油圧モーター１
８を通過した圧力油はコントロール弁５９から
コントロール弁６０に入り、自動切換弁６４を
切換えると同時に逆止弁６８を通過して油圧モ
ーター４１に伝えられ、切換えられた自動切換
弁６４、コントロール弁６０を通過する。次い
で、絞り弁５６、マルチプル弁５３を介して油
圧タンク５２に回収される。このことから、マ
ルチプル弁５３を操作することで閉鎖した一順
の流路が形成され、油圧モーター１８，４１は
直列に接続されることになり、両油圧モーター
１８，４１は同期して回転する。

この油圧モーター１８が作動すると出力軸３
６、ピニオン３７は回転し、噛合つた原動歯車
３３の歯車を回転することからスライダー３５
は原動歯車３３に沿つて回転することになり、
旋回台１４は車体１０に対して全周方向に自由
に旋回することになる。同時に油圧モーター４
１が作動すると、油圧モーター４１の出力軸４
２及びピニオン４３は回転して噛合つた従動歯
車３９を軸支体３８に沿つて回転させる。この
ため、従動歯車３９上に載置した作業台２０、
支持体２１、掘削機構４８を旋回台１４に対し
て全周方向に自由に回転させる。ここにおい
て、油圧モーター１８，４１のそれぞれの回転
方向を逆向きに設定しておくことで旋回台１４
と作業台２０の回転方向はそれぞれ逆向きとな
り、作業台２０上に固定した掘削機構４８は旋
回台１４の上方を通過することになる。また、
油圧モーター１８，４１の容量及びピニオン３
７，４３、原動歯車３３、従動歯車３９の歯数
を予め設定しておき、作業台２０の回転速度を
旋回台１４の回転速度の２倍になるように設定
してある。

この２つの油圧モーター１８，４１の作動に
より旋回台１４と作業台２０の相対的な関連を
第１０図によつて説明する。

油圧モーター４１によつて作業台２０は図中
Ｘ方向に回転を始め、油圧モーター１８によつ
て旋回台１４は図中Ｙ方向に回転を始める（第
１０図イの状態）。前述の様に作業台２０と旋
回台１４はそれぞれの回転角度が油圧モーター
１８，４１の容量、ピニオン３７，４３の歯数
等で設定されているためにその回転速度は２対
１に規制されている。従つて、作業台２０は旋
回台１４の倍の速度で回転することになり、旋
回台１４が90度回転すると作業台２０は180度
回転し、両者は逆回転しているため作業台２０
は相対的に90度回転し、掘削機構は車体１０に
対して直角に位置して第９図ロの状態となる。
このため、作業台２０は車体１０の一方に最大
限に偏位し、掘削機構４８は旋回台１４の上方
に位置して車体１０の他方の側面より突出しな
くそのまま通過する。

さらに、旋回台１４が90度回転すると作業台
２０は180度回転し、作業台２０は車体１０の
右側にまで移動し、掘削機構４８は車体１０の
反対側に突出し、第９図イの状態と丁度反転し
た位置にまで移動する。この第９図ハの状態で
マルチプル弁５３を復帰すれば油圧モーター１
８，４１はその回転を停止する。

つまり、掘削機構４８は旋回台１４の車体１
０上での旋回運動と作業台２０の旋回台１４上
での逆方向に向けた旋回運動を受け、二重に旋
回することになる。掘削機構４８は車体１０の
前方から後方に向かつて回転するときには必ず
旋回台１４の上方を通過して回転し、掘削機構
４８を車体１０の側方より突出しないように最
大限の範囲で旋回することになる。この掘削機
構４８を第１０図中イの位置に反転させるに
は、マルチプル弁５３を再度操作して、さらに
旋回台１４を180度回転させれば前述と同様の
動作を行い、旋回台１４、作業台２０は一定の
比率で回転させられる。

(2) 旋回台１４のみの回転運動。

電磁弁７７をオフ、電磁弁７８をオンに設定
して、コントロール弁５９を導通状態にし、コ
ントロール弁６０を切換えて油路を折返しの状
態に設定しておく。

油圧ポンプ５１により発生させられた圧力油
一部のはリリーフ弁７５，７６を通過してコン
トロール弁５９，６０に伝達される。コントロ
ール弁５９は前述のように『正』側に保持され
ているが、コントロール弁６０は電磁弁７８の
ポートの変更により『逆』側に切換わつている
ため、コントロール弁６０は逆転している。こ
のため、コントロール弁６０はその内部で折返
しの油路を形成し、コントロール弁５９から流
動した圧力油はコントロール弁６０で折り返さ
れ、油圧モーター４１には圧力油を流さなくし
てしまう。この状態でマルチプル弁５３を『中
立』から『正』の位置に操作すると、油圧ポン
プ５１からの圧力油はマルチプル弁５３、絞り
弁５５、コントロール弁５９、逆止弁６６、油
圧モーター１８、自動切換弁６３、コントロー
ル弁５９、コントロール弁６０、絞り弁５６、
マルチプル弁５３の順に流れ、油タンク５２に
復帰することになり、油圧モーター１８のみが
作動する。このため、出力軸３６、ピニオン３
７のみが回転し、噛合つた原動歯車３３を回転
させるためにスライダー３５は原動歯車３３に
沿つて回転して旋回台１４のみを車体１０に対
して旋回させることになる。この旋回台１４に
載置してある回転台２０、掘削機構４８は前方
に向いたまま車体１０の側方に突出し、第１０
図に示す状態となる。このため、掘削機構４８
を車体１０の側方で上下動させ、車体１０の向
きとは直角の位置で掘削作業を行うことができ
る。

(3) 作業台２０のみの回転運動。

電磁弁７７をオン、電磁弁７８をオフに設定
して、コントロール弁５９を切換えて油路を折
り返しの状態にし、コントロール弁６０を導通
状態に設定しておく。

油圧ポンプ５１により発生させられた圧力油
の一部はリリーフ弁７５，７６を介してコント
ロール弁５９，６０に伝達される。コントロー
ル弁５９は電磁弁７８のポートの変更により切
換わり、コントロール弁５９はその内部で折返
しの油路を形成して油圧モーター１８には作動
油を流さなくしているが、コントロール弁６０
は導通の状態に保持される。この状態でマルチ
プル弁５３を『中立』から『正』の位置に操作
すると、油圧ポンプ５１からの圧力油はマルチ
プル弁５３、絞り弁５５、コントロール弁５
９、コントロール弁６０、逆止弁６８、油圧モ
ーター４１、自動切換弁６４、コントロール弁
６０、絞り弁５６、マルチプル弁５３の順に流
れ、油タンク５２に復帰することになり、油モ
ーター４１のみが作動する。

このため、出力軸４２、ピニオン４３は回転
し、噛合つた従動歯車３９を軸支体３８に沿つ
て回転させる。このため、従動歯車３９上に載
置した作業台２０、支持体２１、掘削機構４８
は旋回台１４に対して回転させられるが、油圧
モーター１８は作動しないため旋回台１４は回
転せず、掘削機構４８は旋回台１４に対して操
作しただけの角度を回転して首を振ることにな
る。この首を振つた状態が第１１図に示すもの
である。このとき、旋回台１４は車体１０の前
方を向いて停止しているが作業台２０のみが回
転し、掘削機構４８は車体１０の前方において
扇状に振ることができ、車体１０の前方中央の
みだけでなく、車体１０の前方両側を掘削する
ことができる。

〔発明の効果〕

本発明は上述の様に構成したので、掘削機構の
バケツトを極力偏心させて車体の先方から後方に
旋回させることができ、バケツトを車体の側面か
ら突出させることがない。このため、作業してい
るのとは他の車線を運行している車両に支障を生
じなく、掘削作業のために道路の二車線を占有さ
せることもなく、道路を効率良く使用させること
ができる。

また、油路の切換えにより旋回台と作業台の回
転を自由に変更でき、両者の同期回転、何れか一
方の単独回転のいずれも行うことができるので、
掘削作業を広い範囲で行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図、第２
図は同上の側面図、第３図は同上の正面図、第４
図は同上の平面図、第５図は旋回機構を詳しく示
す第４図中Ａ−Ａ矢視の断面図、第６図は同上の
旋回機構を示す分解斜視図、第７図は旋回機構の
配置を示す説明図、第８図は油圧系統の配管を示
す油圧回路、第９図は同期動作における旋回台と
作業台の回転の順序を示す説明図、第１０図は旋
回台を車体に対して所定角度偏位させて作業させ
る場合を示す説明図、第１１図は作業第を旋回台
に対して所定角度偏位させて作業させる場合を示
す説明図である。 １０……車体、１４……旋回台、２０……作業
台、１８……第一の油圧駆動手段としての油圧モ
ーター、４１……第二の油圧駆動手段としての油
圧モーター、５９，６０……コントロール弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 移動可能な車体と、この車体上面のほぼ中央
   にその回転中心を一致させて水平に全旋回するこ
   とができるように軸支させた旋回台と、この旋回
   台上には旋回台の回転中心よりその回転中心を離
   して水平に全旋回することができるように回転自
   在に軸支させた作業台と、作業台上に載置された
   掘削機構とから成る掘削機において、 旋回台を車体に対して回転させる第一の油圧駆
   動手段と、作業台を旋回台に対して回転させる第
   二の油圧駆動手段と、第一と第二の油圧駆動手段
   を直列に接続して両者を同期して回転させる油圧
   供給回路と、第一と第二の油圧駆動手段にそれぞ
   れ設けられて供給油圧をバイパスさせていずれか
   一方の油圧駆動手段のみに圧力油を供給させない
   ようにする油路切換手段とを有し、 二つの油路切換手段の操作の組合せにより、第
   一と第二の油圧駆動手段を同期させて動作させる
   か、いずれか一つの油圧駆動手段のみを選択的に
   動作させることができることを特徴とする掘削機
   の油圧回路。