JPH0316379Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、レバー或は握玉により仮錠片を没
入させる形式の錠前に関するものである。

〔従来の技術〕

上記形式の錠前は、ドアの閉鎖にともないドア
枠の受金具により仮錠片を押し戻し、そして受金
具の貫孔に仮錠片を嵌入係合させ、またドアの開
放に際しレバー或は握玉の操作により仮錠片を引
き戻して係合を解除するようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ドアの開放に際しレバー或は握り玉を操作した
とき、同時にレバー或は握り玉を引つ張るので、
受金具の貫孔の縁に仮錠片を強く圧接することに
なる。

このため、仮錠片の円滑なスライドが阻害され
てドアを開放させることができない問題があつ
た。

特に、急いでドアを開放する場合顕著であつ
た。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記の問題点を解決するために取
付け錠箱と、この錠箱内に操作部材の操作により
バネを圧縮して引き戻されるよう組み込んだスラ
イダと、このスライダの先端部外側に嵌装すると
共に、上記スライダの引き戻しにともないバネを
圧縮して共に引き戻されるよう設けたスライド枠
と、錠箱の前端壁に上記スライド枠の先端と一致
させて設けた貫窓と、この貫窓に貫通させてスラ
イド枠の先端内側に末端を嵌入した仮錠片と、ス
ライド枠に上記仮錠片の末端部を回動自在に軸支
するピンと、スライダの先端と仮錠片の末端とに
上記スライダが引き戻されないかぎり互に係合し
て上記仮錠片が没入方向に回動するのを阻止する
よう設けた係合部と、仮錠片を復帰回動させるバ
ネとで構成したものである。

〔作用〕

ドアの開放に際し操作部材の操作によりスライ
ダを引き戻すと共に、開放方向にドアを押すの
で、受金具の貫孔の縁に仮錠片を圧接することに
なる。

その結果、スライダの単独引き戻しにともない
スライダと仮錠片との係合部の係合が外れるの
で、没入方向に仮錠片を回動させてスライド枠と
共にスライダが後退する。

〔実施例〕

図において、１は取付け錠箱であつて、この錠
箱１の前端壁２には、貫窓３が設けられている。

また、上記の錠箱１内には、レバー或は握玉等
の操作部材を操作したときバネ４を圧縮して引き
戻すスライダ５が組み込まれている。

上記操作部材によるスライダ５の引き戻しは、
図示の場合操作部材（図示省略）の操作によりレ
バー６を揺動させると、上記レバー６とスライダ
５の貫孔７とが係合して上記スライダ５を後退さ
せるようにしたが、その他の構造のものであつて
もよい。

また、スライダ５の先端外側には、上記スライ
ダ５の引き戻しにともないバネ８を圧縮して共に
引き戻されるスライド枠９が嵌装されている。

上記のスライド枠９は、スライダ５の上下面に
重なる対の板状体１０と、この両板状体１０を連
結する連結板１１とで構成され、スライダ５の先
端部から上下方向に突出する突片１２に設けてあ
る屈曲片１３と、スライド枠９の末端部上下面か
ら突出する屈曲片１４″とにバネ８の両端を嵌め
込み係止させてある。

さらに、スライド枠９の先端には、板状体１０
間に末端部を嵌入すると共に、ピン１４′を介し
上記板状体１０に末端を回動自在に取付けた仮錠
片１５が設けられている。

なお、図示の場合仮錠片１５の末端部に設けた
透孔１６にピン１７を挿通すると共に、このピン
１７の上下端を板状体１０，１０の弧状孔１８に
貫通させて仮錠片１５の回動時のガイドを行なう
ようにしたが、その他の構造によりガイドするよ
うにしてもよい。

また、仮錠片１５の末端面とスライダ５の先端
とには、上記スライダ５が引き戻されないかぎり
互に係合して上記仮錠片１５が没入方向に回動を
阻止する係合部１９，２０が設けられている。

上記の係合部１９，２０は、図示の場合仮錠片
１５の末端段部と、スライダ５の先端上下縁から
突出する突片とで構成したが、その他の構造であ
つてもよい。

図中２１は仮錠片１５及びスライド枠９に設け
たピン１４の挿通孔、２２は錠箱１とスライダ５
とに設けたバネ４の両端係合突部、２３は仮錠片
１５を復帰回動させるバネである。

次に作用を説明する。

ドアＡの閉鎖時にあつては、第３図で示したよ
うにバネ４によりスライダ５を押し戻すと共に、
係合部１９，２０の係合状態を保つて仮錠片１５
を共に押し戻しているので、貫窓３から突出した
仮錠片１５は、受金具２４の貫孔に嵌入してい
る。

このとき、係合部１９，２０の係合により、仮
錠片１５の没入方向の回動が阻止され、ドアＡの
閉鎖状態を維持している。

次にドアＡを開放する場合、操作部材の操作に
よりスライダ５を引き戻しながら、ドアＡの開放
方向に操作部材を押すので、受金具２４の貫孔の
縁に仮錠片１５を押し付けることになり、スライ
ド枠９の引き戻しが遅れぎみとなつて仮錠片１５
の係合部１９からスライダ５の係合部２０が外
れ、ドアＡに作用する押す力により仮錠片１５が
第４図で示したように没入方向に回動する。

このため、受金具２４と仮錠片１５の係合がな
くなり、ドアＡを開放させることができる。

なお、没入方向に仮錠片１５を回動させたと
き、スライダ５と同方向にスライド枠９がスライ
ドすると共に、バネ８を圧縮してスライド枠９の
スライド量よりもスライダ５のスライド量が多く
なる。

そして受金具２４の貫孔から仮錠片１５の先が
外れると、バネ２３により仮錠片１５を復帰回動
させるので、バネ８によりスライド枠９をスライ
ド５の引き戻し方向に押し戻して係合部１９，２
０を係合状態とする。

〔効果〕

以上のように、この考案に係る錠前によれば、
操作部材の操作によりスライダを引き戻してスラ
イダの係合部と仮錠片の係合部との係合を解く
と、ドアに作用する押す力により仮錠片を没入さ
せるので、スムースにドアを開放させることがで
きる。

また受金具から仮錠片の先が外れると、バネに
より仮錠片を復帰回動させると共に、スライダと
スライド枠との間のバネによりスライド枠をスラ
イダの引き戻し方向に押し戻すので、仮錠片の係
合部とスライド枠の係合部とを自動的に係合させ
ることができる。

このため、操作部材による引き戻しを解除する
と、仮錠片とスライド枠との係合状態を保つてス
ライダと共にスライド枠を押し出すことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る錠前の一部切欠正面
図、第２図及び第３図は同上の横断平面図、第４
図は仮錠片を没入させた状態の横断平面図、第５
図は分解斜視図である。 １……錠箱、２……前端壁、３……貫窓、４…
…バネ、５……スライダ、６……レバー、７……
貫孔、８……バネ、９……スライド枠、１０……
板状体、１１……連結板、１２……突片、１３…
…屈曲片、１４″……屈曲片、１５……仮錠片、
１６……透孔、１７……ピン、１８……弧状孔、
１９……係合部、２０……係合部、２１……挿通
孔、２２……係合突部、２３……バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付け錠箱と、この錠箱内に操作部材の操作に
   よりバネを圧縮して引き戻されるよう組み込んだ
   スライダと、このスライダの先端部外側に嵌装す
   ると共に、上記スライダの引き戻しにともないバ
   ネを圧縮して共に引き戻されるよう設けたスライ
   ド枠と、錠箱の前端壁に上記スライド枠の先端と
   一致させて設けた貫窓と、この貫窓に貫通させて
   スライド枠の先端内側に末端を嵌入した仮錠片
   と、スライド枠に上記仮錠片の末端部を回動自在
   に軸支するピンと、スライダの先端と仮錠片の末
   端とに上記スライダが引き戻されないかぎり互に
   係合して上記仮錠片が没入方向に回動するのを阻
   止するよう設けた係合部と、仮錠片を復帰回動さ
   せるバネとから成る錠前。