JP3223088B2 - 係止装置およびそれを用いた家具 - Google Patents

係止装置およびそれを用いた家具

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JP3223088B2
JP3223088B2 JP32312495A JP32312495A JP3223088B2 JP 3223088 B2 JP3223088 B2 JP 3223088B2 JP 32312495 A JP32312495 A JP 32312495A JP 32312495 A JP32312495 A JP 32312495A JP 3223088 B2 JP3223088 B2 JP 3223088B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は固定部材に可動部
材が回動自在に設けられる場合に、その可動部材を上記
固定部材に回動不能に保持するための係止装置およびそ
れを用いた家具に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、洋服タンスなどの家具は、固
定部材としての前面が開放した箱型状の本体を有し、こ
の本体の前面開口部には、可動部材としての扉が開閉自
在に設けられている。
【0003】上記本体と扉には、この扉が閉じたときに
その閉状態を確実に保持するために係止装置が用いられ
ている。従来の係止装置は、上記扉の自由端側の側面に
突起がばねによって弾性的に突没自在に設けられている
とともに、上記本体の上記扉の突起が設けられた側面と
対応する内側面には凹部が設けられている。
【0004】したがって、上記扉を閉じれば、上記突起
が上記凹部に弾性的に係合して閉状態で保持され、上記
扉を開方向に回動させれば、上記突起と凹部との係合が
外れて保持状態が解除されるようになっている。
【0005】ところで、上記構成の係止装置によると、
上記扉は、上記突起が凹部に弾性的に係合して閉状態が
保持されているだけであるから、その扉に不用意な外力
が作用すると、上記突起と凹部との係合状態が外れて上
記扉が開いてしまうということがあった。とくに、地震
などで家具が揺れ、内部の荷物が扉側に崩れてくると、
その勢いで扉が開き、荷物が外に散乱してしまうという
こともある。
【0006】上記突起のばねによる付勢力を強くするこ
とで、上記突起と凹部との係合が不用意な外力によって
外れることがないようにすることは可能である。しかし
ながら、上記ばねによる上記突起の付勢力を強くする
と、扉を開閉したときに、上記突起が上記凹部に容易に
係脱しなくなるから、扉の開閉を円滑に行えなくなると
いうことが生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の係
止装置は不用意な外力によって可動部材の保持状態が外
れることがあり、それを防止するために保持力を強くす
ると、開閉操作がしにくくなるということがあった。
【0008】この発明の目的は、不用意な外力によって
外れることがなく、しかも係脱操作を円滑に行うことが
可能な係止装置を提供することにある。また、この発明
の目的は、本体に開閉自在に設けられた扉が不用意な外
力によって開くことなく保持され、しかもその扉の開閉
操作を円滑に行えるようにした家具を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、固定
部材に回動自在に設けられた可動部材を、上記固定部材
に回動不能に保持するための係止装置において、上記係
止装置は、上記固定部材に設けられる受け具と、上記可
動部材に設けられる係止軸とからなり、上記受け具は、
所定の厚さを有する板状体と、この板状体の内部に形成
された環状溝と、先端が上記板状体の一端面に開放し中
途部が一側面に開放するとともに上記環状溝と交差し、
後端が上記環状溝の径方向ほぼ中心部に位置するよう形
成された挿入溝と、上記板状体の内部で、上記挿入溝の
後端側に上記環状溝と連通して形成された逃げ部と、上
記環状溝のほぼ全体にわたって転動自在に設けられてい
るとともに上記挿入溝の中途部と交差する箇所ではこの
挿入溝に突出した複数のボ−ルと、上記逃げ部に設けら
れ上記可動部材の回動によって上記係止軸が上記挿入溝
の先端から挿入されて上記挿入溝の中途部に突出したボ
−ルを押圧したときに弾性的に変形して上記逃げ部に対
向位置するボ−ルが上記逃げ部へ入り込むのを許容する
とともに、上記係止軸が上記挿入溝の先端まで挿入され
たときにその復元力で上記逃げ部に入り込んだボ−ルを
環状溝へ押し戻すばねとを具備したことを特徴とする係
止装置にある。
【0010】請求項2の発明は、開口部を有する本体
と、この本体に回動自在に設けられその開口部を開閉す
る扉と、この扉によって上記本体の開口部を閉じたとき
に上記扉を回動不能に保持する係止装置およびこの係止
装置による上記扉の保持状態を解除する解除装置とを具
備し、上記係止装置は、上記本体に設けられた受け具
と、上記扉に軸線方向にスライド自在に設けられた係止
軸とからなり、上記受け具は、所定の厚さを有する板状
体と、この板状体の内部に形成された環状溝と、先端が
上記板状体の一端面に開放し中途部が一側面に開放する
とともに上記環状溝と交差し、後端が上記環状溝の径方
向ほぼ中心部に位置するよう形成された挿入溝と、上記
板状体の内部で、上記挿入溝の後端側に上記環状溝と連
通して形成された逃げ部と、上記環状溝のほぼ全体にわ
たって転動自在に設けられているとともに上記挿入溝の
中途部と交差する箇所ではこの挿入溝に突出した複数の
ボ−ルと、上記逃げ部に設けられ上記扉を閉方向に回動
させることで上記係止軸が上記挿入溝の先端から挿入さ
れて上記挿入溝の中途部に突出したボ−ルを押圧したと
きに弾性的に変形して上記逃げ部に対向位置するボ−ル
が上記逃げ部へ入り込むのを許容するとともに、上記係
止軸が上記挿入溝の後端まで挿入されると復元力で上記
逃げ部に入り込んだボ−ルを環状溝へ押し戻すばねとか
らなり、上記解除装置は、上記扉に設けられたケ−ス
と、このケ−スにスライド自在に設けられたその操作に
よって上記係止軸を軸線方向にスライドさせてその係止
軸の先端部を上記受け具の挿入溝から抜出させる操作体
とからなることを特徴とする家具にある。
【0011】請求項1の発明によれば、係止軸の先端部
を挿入溝に沿わせてスライドさせ、その後端である、環
状溝の径方向中心部に位置させて受け具に上記係止軸を
係合させる際、上記挿入溝に突出したボ−ルが上記係止
軸に押圧されて転動し、逃げ部に対向するボ−ルがその
逃げ部に入り込むから、上記係止軸の先端部を上記挿入
溝の後端へスライドさせ、係合状態で保持することがで
きる。
【0012】係合状態においては、上記逃げ部に設けら
れたばねの復元力によってボ−ルが挿入溝の幅寸法を狭
くする状態に戻り、上記係止軸を挿入溝の後端から先端
側へスライドさせようとしても、挿入溝に突出したボ−
ルが係止軸の押圧力によって上記逃げ部に設けられたば
ねを圧縮する力とならないから、上記係止軸を挿入溝か
ら抜出することができない。
【0013】また、上記係止軸と挿入溝との係合状態を
外す場合には、係止軸を軸方向にスライドさせてその先
端部を挿入溝から外せばよいから、係合状態の解除を容
易にしかも軽い力で行うことができる。
【0014】請求項2の発明によれば、請求項1の係止
装置を家具に適用したことで、閉状態で保持された扉
は、不用意な外力が作用しても係止軸が挿入溝の後端か
ら先端側へスライドすることがないから、係合状態が外
れて扉が開くようなことがないが、解除装置によって係
止軸を軸方向にスライドさせれば、係止軸と受け具との
係合状態を容易に解除して扉を開くことができる。
【0015】
【実施形態】以下、この発明の一実施形態を図1乃至図
10を参照して説明する。図9は洋服タンスなどの家具
1を示し、この家具1は固定部材としての前面が開放し
た箱型状の本体2と、この本体2の前面開口部に開閉自
在に設けられた扉3とからなる。この扉3は、ヒンジ装
置を兼ねた係止装置4によって開閉自在かつ閉状態で保
持されるようになっているとともに、上記係止装置4に
よる閉状態での保持を解除装置5によって解除できるよ
うになっている。
【0016】すなわち、上記係止装置4は、上記本体2
の前面の幅方向両側の上下端部に設けられた受け具11
と、上記扉3の幅方向両側の上下端面に突没自在に設け
られ上記受け具11に係脱する係止軸12とからなり、
上記解除装置5は上記受け具11と係止軸12との係合
を解除できるようになっている。
【0017】上記受け具11は、図1と図2に示すよう
に所定の厚さ寸法を有する板状体21を有する。この板
状体21は下部材22と、この下部材22の上面に接合
固定された上部材23とからなる。上記板状体21には
その内部に環状溝24が形成されている。つまり、接合
された下部材22と上部材23の内面には、図2に示す
ように断面形状がそれぞれ円弧状の凹曲面からなる下部
溝24aと上部溝24bとが対応して形成され、これら
の溝24a、24bが上記環状溝24を形成している。
【0018】上記板状体21には挿入溝31が形成され
ている。この挿入溝31は、先端が板状体21の一端面
(先端面)に開放し、後端は上記環状溝24の中心部に
位置しているとともに、先端から後端にわたる中途部は
上記板状体21の上面に開放している。つまり、挿入溝
31はその中途部が上記環状溝24と交差している。
【0019】上記環状溝24の上記挿入溝31の後端側
に位置する外周部には、一端を連通させた凹状の逃げ部
32が径方向外方に向かって形成されている。また、板
状体21には一端を上記逃げ部32に連通させ、他端を
後端面に開放した保持孔33が形成されている。上記板
状体21の後端面には閉塞板34が接合固定され、上記
保持孔33の他端を閉塞している。
【0020】上記環状溝24には複数のボ−ル35、こ
の実施形態では5つのボ−ル35が転動自在に収容され
ている。環状溝24の下部溝24aと挿入溝31とが交
差する部分には、上記ボ−ル35が上記環状溝24から
外れるのを阻止する段部36が形成されている。
【0021】それによって、上記挿入溝31の両側に位
置する一対のボ−ル35は一部を上記挿入溝31に突出
させた状態となっている。つまり、上記一対のボ−ル3
5の間隔は挿入溝31の幅寸法よりも狭くなっている。
【0022】上記保持孔33にはばね37が挿入保持さ
れている。このばね37は上記逃げ部32に突出してい
る。それによって、上記環状溝24に設けられたボ−ル
35は上記ばね37によって上記逃げ部32に入り込む
のが阻止されている。
【0023】上記構成の受け具11は、挿入溝31の先
端を家具1の本体2の前面側に向けて上記本体2の天板
2aおよび底板2bの内面前端側の幅方向両端部に取付
け固定されている。つまり、受け具11が本体2の前面
側の上下四隅部に設けられている。
【0024】上記扉3は中空構造をなしていて、その内
部の上下四隅部には図7と図10に示すように立方体状
の保持部材41が設けられている。この保持部材41は
上記扉3の厚さ方向に沿って長い長孔42が上下方向に
貫通して形成されている。
【0025】各長孔42には図7に示すように上記係止
軸12がスライド自在に挿入され、上記長孔42内に設
けられたばね43によってこの長孔42の一端側、つま
り扉3の前面側に付勢されている。
【0026】各係止軸12の球形状の曲面をなした先端
は上記扉3の上下端面に形成された通孔3aから外方へ
突出し、後端には連結杆44の一端が枢着されている。
この連結杆44の他端は上記解除装置5に後述するごと
く連結される。
【0027】上記解除装置5は図4と図5に示すように
第1の板材51と第2の板材52とを接合してなるケ−
ス53を有する。これら板材51、52の接合面間には
幅方向に沿って貫通したスライド溝53aが形成されて
いる。このスライド溝53aには操作体としてのスライ
ダ54がスライド自在に設けられている。
【0028】上記スライダ54は把手孔55aが形成さ
れた把手部55と収納溝56aが形成されたスライド部
56とによってほぼT字状に形成されていて、そのスラ
イド部56には幅方向両側面に開放した一対の保持溝5
7が形成されている。なお、スライダ54は同じ形状に
2枚の板材54aを接合して形成されている。
【0029】各保持溝57にはそれぞれア−ム58の一
端部が挿入され、その一端部は第1のピン59によって
回動自在に取付けられている。各ア−ム58の中途部に
はばか孔61が形成され、このばか孔61には上記ケ−
ス53に設けられた第2のピン62が挿入されている。
【0030】したがって、上記スライダ54をスライド
させれば、上記ア−ム58は第2のピン62を支点とし
て回動する。なお、上記ケ−ス53の第1の板材51に
はスペ−サ63が設けられている。このスペ−サ63が
第1の板材51と第2の板材51とを所定の間隔で保持
し、それによって上記スライド溝53が確保されてい
る。
【0031】上記スライダ54の収納溝56aにはばね
60が設けられているとともに、上記収納溝56aには
第3のピン60aが挿通されている。したがって、スラ
イダ54をケ−ス53から抜出させる方向へスライドさ
せると、上記ばね60は上記第3のピン60aによって
圧縮されるから、その復元力によってスライダ54を元
の位置に戻すことができるようになっている。
【0032】上記解除装置5は、図10に示すように上
記扉3の幅方向両側の高さ方向中途部にスライダ54の
把手部55を幅方向外側に向け、かつ扉3の外面に露出
させて取付けられている。この解除装置5の上記ア−ム
58の他端には上記連結杆44の他端が回動自在に連結
されている。
【0033】したがって、図10に矢印Aで示すように
上記スライダ54をケ−ス53から引き出す方向にスラ
イドさせて上記ア−ム58を同じく矢印Bで示す方向へ
回動させれば、そのア−ム58によって連結杆44が矢
印C方向へスライドするから、係止軸12は扉3の上下
端面から突出した先端部を没入させる方向へスライドす
る。なお、左右一対の解除装置5のスライダ54は中途
部にばね部64を有する杆状部材65によって連結さ
れ、スライダ54を復元方向に付勢している。なお、ス
ライダ54には、スライダ54を復元方向に付勢するば
ね60が設けられているから、上記杆状部材65はなく
ても差支えない。
【0034】つぎに、上記構成の家具1の扉2を開閉さ
せる場合について説明する。4本の係止軸12の扉3の
上下端面から突出した先端部は、上記受け具11の挿入
溝31の後端部、つまり環状溝24の中心部に位置して
いる。4本の係止軸12が上記挿入溝31に係合した状
態において、上記扉3を左右のどちらの方向に回動させ
ようとしても、上記係止軸12は挿入溝31の中途部に
突出したボ−ル35によって上記挿入溝31の先端側へ
スライドするのが阻止されるから、扉3を開方向へ回動
させることができない。
【0035】上記扉3をたとえば図9に示すように右側
を支点として開放する場合には、左側に設けられた解除
装置5のスライダ54を引く。それによって、扉3の左
側の上下端部に設けられた一対の係止軸12は、ア−ム
58および連結杆44を介して扉3内へ没入する方向へ
スライドさせられるから、それらの先端部が挿入溝31
から外れる。
【0036】したがって、その状態で扉3を開方向へ回
動させれば、この扉3は先端部を回動自在に係合させた
右側の上下一対の係止軸12を支点として開方向へ回動
させることができる。
【0037】上記扉3は所定の厚さを有し、しかも閉状
態ではその内面の周辺部が本体1の前端面に所定の幅寸
法で接合している。そのため、扉3をその右側の端部を
支点として開放する際、その右側の幅方向端部内面が本
体2の前端面に当たり、円滑に開放させることができな
い。
【0038】しかしながら、各係止軸12は扉3の内部
四隅に設けられた保持部材41の長孔42に挿入され、
ばね43によって上記長孔42の一方向に押し付けられ
ている。そのため、扉3を開ける際、その端部の内面が
本体2の前端面に当たると、その当接力によって上記ば
ね43が圧縮されるから、その圧縮量に応じて扉3の端
部が図8(a)に矢印で示すように係止軸12に沿って
本体2の前端面から離れる方向へスライドする。したが
って、閉状態において、扉3の内面が本体2の前面に接
合していても、上記扉3の開閉を円滑に行うことができ
る。
【0039】上記扉3を閉じる場合には、解除装置5を
操作することなく扉3を閉方向へ回動させる。つまり、
係止軸12の先端部を扉3の上下端面から突出させた状
態でこの扉3を閉じる方向へ回動させる。
【0040】それによって、扉3が本体2の前端面に接
合する際、その上下端面から突出した係止軸12の先端
部が受け具11の挿入溝31に挿入される。挿入溝31
の中途部にはその両側に位置する一対のボ−ル35が突
出し、上記挿入溝31の幅寸法を小さくしている。そこ
を係止軸12の先端部が通過すると、図3(a)に矢印
で示すように上記ボ−ル35は環状溝24の左右方向へ
押圧される。
【0041】その押圧力によって、上記環状溝24に連
通して設けられた逃げ部32に対向位置するボ−ル35
は、この逃げ部32内に設けられたばね37を圧縮しな
がらその内部へ入り込む。それによって、上記挿入溝3
1に突出した一対のボ−ル35は環状溝24の左右方向
へ転動可能な状態となるから、上記係止軸12の押圧力
で移動して上記係止軸12を通過させる。つまり、係止
軸12を挿入溝31に沿って通過させることができる。
【0042】上記係止軸12が挿入溝31の中途部を通
過してその後端、つまり環状溝24の中心部に位置する
と、この係止軸12によるボ−ル35の押圧力が解除さ
れる。したがって、上記逃げ部32に入り込んだボ−ル
35はばね37の復元力によって環状溝24へ戻るか
ら、上記挿入溝31の中途部に一対のボ−ル35が突出
し、その部分の幅寸法を狭くする。
【0043】それによって、上記係止軸12の先端部は
上記挿入溝31の長手方向に沿ってスライドできない状
態となるから、扉3は本体2に対して回動不能に保持さ
れることになる。
【0044】同様に、扉の右側に設けられた解除装置5
を操作して係止軸12と受け具11との係合状態を解除
すれば、上記扉3を左側の端部の上下に設けられた係止
軸12を支点として開放することことができる。つま
り、本体2の四隅部に受け具11を設け、また扉3の四
隅部に係止軸12を設けたことで、上記扉3を左右いず
れの方向でも開閉することができる。
【0045】上記扉3に設けられた係止軸12は、上記
受け具11の挿入溝31に沿ってスライドさせることで
環状溝24に設けられたボ−ル35を押し動かして上記
挿入溝31へ挿入することはできるが、挿入された上記
係止軸12を上記挿入溝31に沿って抜出方向へスライ
ドさせることはできない。
【0046】したがって、上記係止軸12と挿入溝31
との係合によって閉状態に保持された扉3は、解除装置
5を操作しなければ開放されることがない。つまり、上
記扉3に不用意な外力が作用したり、地震などの揺れで
内部に収容された物品が扉3の方向へ崩れてきても、そ
れらの力で上記扉3が開くようなことがない。
【0047】しかも、扉3の開状態を確実なものとする
ために、逃げ部32に設けられたばね37を強くしなく
とも、挿入溝31の後端に係合位置する係止軸12がこ
の挿入溝31から抜け出る方向へスライドすることがな
い。つまり、ばね37を十分に弱くし、軽い力で係止軸
12を挿入溝31に挿入することができるから、扉3を
閉じるときの操作性を損なうことなく、閉状態での保持
力を確実なものにできる。
【0048】図11と図12はこの発明の第2の実施形
態を示す。この実施形態の家具1Aは扉3Aが本体2A
に対して片方にだけ開閉できる構造となっている。この
場合には、扉3の左側の端部が図示しない蝶番によって
上記本体2の幅方向左側の端部に回動自在に連結されて
いる。
【0049】上記本体2の右側の端部内面の上下端部に
は上記第1の実施形態と同じ構成の受け具11が挿入溝
31の先端を上記本体2の先端面に開放させて設けら
れ、上記扉3の内面の上下端部には係止軸12および解
除装置兼用の係止装置4Aが設けられている。
【0050】上記係止装置4Aはケ−ス71を有する。
このケ−ス71内には上記係止軸12がスライド自在に
設けられている。上記ケ−ス71内には上記係止軸12
を突出方向に付勢したばね72が収容されている。それ
によって、係止軸12は先端部を上記ケ−ス71の一端
面から突出させている。
【0051】上記ケ−ス71の開放した前面は、上記扉
3の内面に接合固定された取付板73に取り付けられて
いる。この取付板73には上記係止軸12のスライド方
向に沿う長孔74が形成されている。この長孔74には
操作体としての操作軸75がスライド自在に設けられて
いる。この操作軸75の後端は上記ケ−ス71内に挿入
されて上記係止軸12の中途部に連結され、先端部は上
記扉3の外面に突出し、その突出端には摘み76が取り
付けられている。
【0052】上記扉3を閉じると、ケ−ス71の端面か
ら突出した上記係止軸12の先端部が上記受け具11の
挿入溝31に沿ってスライドし、その後端で係合保持さ
れる。それによって、上記扉3は開方向へ回動不能とな
る。
【0053】扉3を開放させる場合には、摘み76を介
して操作軸75を取付板73の長孔74に沿ってスライ
ドさせる。この操作軸75のスライドに上記係止軸12
が連動して上記挿入溝31と直交する軸方向にスライド
するから、係止軸12の先端部を挿入溝31から抜出す
ることができる。それによって、受け具11と係止軸1
2との係合を外すことができるから、上記扉3を開方向
へ回動させることができる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように請求項1の発明によれ
ば、係止軸の先端部を挿入溝に沿わせてスライドさせ、
その後端である、環状溝の径方向中心部に位置させて受
け具に上記係止軸を係合させる際には、挿入溝に突出し
たボ−ルが上記係止軸に押圧されて転動し、逃げ部に対
向するボ−ルがその逃げ部に入り込むから、上記係止軸
の先端部を上記挿入溝の後端に係合位置させることがで
きる。
【0055】係合状態においては、上記逃げ部に設けら
れたばねの復元力によってボ−ルが挿入溝の幅寸法を狭
くする状態に戻り、上記係止軸を挿入溝の後端から先端
側へスライドさせようとしても、挿入溝に突出したボ−
ルが係止軸の押圧力によって上記逃げ部に設けられたば
ねを圧縮する力とならないから、上記係止軸を挿入溝か
ら抜出することができない。
【0056】つまり、係止軸を挿入溝に沿ってスライド
させ、その後端に挿入させることはできるが、逆方向へ
スライドさせることはできない。したがって、このよう
な係止装置によれば、固定部材に対して可動部材を、不
用意な外力などによって係合状態が外れるようなことな
く確実に保持することができる。
【0057】また、上記係止軸と挿入溝との係合状態を
外す場合には、係止軸を軸方向にスライドさせてその先
端部を挿入溝から外せばよいから、係合状態の解除を容
易にしかも軽い力で行うことができる。
【0058】請求項2の発明によれば、請求項1の係止
装置を家具に適用したことで、閉状態で保持された扉
は、不用意な外力が作用しても係止軸が挿入溝の後端か
ら先端側へスライドすることがないから、係合状態が外
れて扉が開くようなことがない。上記係止軸を解除装置
によって軸方向にスライドさせれば、この係止軸と受け
具との係合状態を容易に解除できるから、上記扉を開く
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す係止装置の受
け具の分解斜視図。
【図2】同じく受け具の組み立て状態の断面図。
【図3】(a)は同じく受け具の係止軸を挿入溝に沿っ
て挿入する途中の状態の説明図、(b)は同じく係止軸
が挿入された状態の説明図。
【図4】同じく解除装置の分解斜視図。
【図5】(a)は同じく解除装置の組み立て状態の平面
図、(b)は側面図、(c)は正面図。
【図6】同じく解除装置の一方の板材を除去した平面
図。
【図7】同じく扉端部の係止軸が設けられた部分の断面
図。
【図8】(a)は同じく扉が閉じたときの支点側となる
係止軸の状態図、(b)は同じく扉を所定角度開いたと
きの係止軸の状態図、(c)は同じく扉を90度開いた
状態における係止軸の状態図。
【図9】同じく家具の斜視図。
【図10】同じく受け具と解除装置との配置状態を示す
扉の縦断面図。
【図11】この発明の第2の実施形態を示す家具の斜視
図。
【図12】同じく受け具と解除装置兼用の係止装置の斜
視図。
【符号の説明】
2…本体(固定部材)、3…扉(可動部材)、4…係止
装置、5…解除装置、11…受け具、12…係止軸、2
1…板状体、24…環状溝、31…挿入溝、32…逃げ
部、35…ボ−ル、37…ばね。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05C 19/02 E05B 65/02 E05C 19/04 E05C 21/00 E05C 21/02 E05C 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材に回動自在に設けられた可動部
    材を、上記固定部材に回動不能に保持するための係止装
    置において、 上記係止装置は、上記固定部材に設けられる受け具と、
    上記可動部材に設けられる係止軸とからなり、 上記受け具は、所定の厚さを有する板状体と、 この板状体の内部に形成された環状溝と、 先端が上記板状体の一端面に開放し中途部が一側面に開
    放するとともに上記環状溝と交差し、後端が上記環状溝
    の径方向ほぼ中心部に位置するよう形成された挿入溝
    と、 上記板状体の内部で、上記挿入溝の後端側に上記環状溝
    と連通して形成された逃げ部と、 上記環状溝のほぼ全体にわたって転動自在に設けられて
    いるとともに上記挿入溝の中途部と交差する箇所ではこ
    の挿入溝に突出した複数のボ−ルと、 上記逃げ部に設けられ上記可動部材の回動によって上記
    係止軸が上記挿入溝の先端から挿入されて上記挿入溝の
    中途部に突出したボ−ルを押圧したときに弾性的に変形
    して上記逃げ部に対向位置するボ−ルが上記逃げ部へ入
    り込むのを許容するとともに、上記係止軸が上記挿入溝
    の後端まで挿入されると復元力で上記逃げ部に入り込ん
    だボ−ルを環状溝へ押し戻すばねとを具備したことを特
    徴とする係止装置。
  2. 【請求項2】 開口部を有する本体と、この本体に回動
    自在に設けられその開口部を開閉する扉と、この扉によ
    って上記本体の開口部を閉じたときに上記扉を回動不能
    に保持する係止装置およびこの係止装置による上記扉の
    保持状態を解除する解除装置とを具備し、 上記係止装置は、上記本体に設けられた受け具と、上記
    扉に軸線方向にスライド自在に設けられた係止軸とから
    なり、 上記受け具は、所定の厚さを有する板状体と、 この板状体の内部に形成された環状溝と、 先端が上記板状体の一端面に開放し中途部が一側面に開
    放するとともに上記環状溝と交差し、後端が上記環状溝
    の径方向ほぼ中心部に位置するよう形成された挿入溝
    と、 上記板状体の内部で、上記挿入溝の後端側に上記環状溝
    と連通して形成された逃げ部と、 上記環状溝のほぼ全体にわたって転動自在に設けられて
    いるとともに上記挿入溝の中途部と交差する箇所ではこ
    の挿入溝に突出した複数のボ−ルと、 上記逃げ部に設けられ上記扉を閉方向に回動させること
    で上記係止軸が上記挿入溝の先端から挿入されて上記挿
    入溝の中途部に突出したボ−ルを押圧したときに弾性的
    に変形して上記逃げ部に対向位置するボ−ルが上記逃げ
    部へ入り込むのを許容するとともに、上記係止軸が上記
    挿入溝の後端まで挿入されると復元力で上記逃げ部に入
    り込んだボ−ルを環状溝へ押し戻すばねとからなり、 上記解除装置は、 上記扉に設けられたケ−スと、 このケ−スにスライド自在に設けられたその操作によっ
    て上記係止軸を軸線方向にスライドさせてその係止軸の
    先端部を上記受け具の挿入溝から抜出させる操作体とか
    らなることを特徴とする家具。
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