JP3198812B2 - 引出しのラッチ装置 - Google Patents

引出しのラッチ装置

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JP3198812B2
JP3198812B2 JP18617594A JP18617594A JP3198812B2 JP 3198812 B2 JP3198812 B2 JP 3198812B2 JP 18617594 A JP18617594 A JP 18617594A JP 18617594 A JP18617594 A JP 18617594A JP 3198812 B2 JP3198812 B2 JP 3198812B2
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隆敏 神野
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株式会社イトーキクレビオ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐火キャビネット等の
引出しのラッチ装置に係わり、更に詳しくは解錠、施錠
何れの状態においても引出しの押し込み格納時に閂杆を
キャビネット等の本体に係合させることが可能な引出し
のラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の耐火キャビネット等の引
出しのラッチ装置は、各種提供されており、本出願人も
実公昭58−28120号公報にて既に開示している。
この公報記載のラッチ装置は、引出しの前板裏面側に突
設した箱体内に、把手に連動して上下動自在に主杆を縦
設するとともに、該箱体の上板の両側部と下板の主杆直
下部に、先端部背面側に傾斜面を有する上閂杆と下閂杆
をそれぞれガイド部材で摺動案内されて上下出没自在に
縦設し、主杆の上部両側にそれぞれ中央部を箱体内に上
下回動可能に枢着して横設した一対の副杆の一端を主杆
の上部に枢着し且つ他端を上閂杆の基端部に枢着する一
方、主杆の下端を下閂杆の基端部に連結し、前記把手に
手を掛けない状態では主杆は自重により下位置にあり、
下閂杆は下向きに突出し、上閂杆は副杆を介して上向き
に突出し、各閂杆が箱体から突出してキャビネット等の
引出し収容部の上下框部に設けた係止孔に係合する構造
のものである。
【0003】そして、手前へ引き出した状態の引出しを
キャビネット等の本体収納部内に押し込み格納すると、
各閂杆の傾斜面が引出し収納部の上下框部であって係止
孔の前方部分に当接し、主杆や把手の自重に抗して各閂
杆が引出しの前板裏面側に設けた箱体内に一旦引き込ん
だ後、主杆や把手の自重によって各閂杆が上下框部の係
止孔内に突出し、引出しは引き出し動不能に係合される
のである。
【0004】また、前述の各閂杆が係止孔に係合した状
態を強制的に維持するため、即ち施錠状態とするため、
キャビネット本体の上框部又は引出しの前板に設けた小
判錠等の錠前に連動して前記主杆を上動不能とする施錠
装置が設けられている。そこで、引出しを引き出した状
態で誤って施錠すると、もはや主杆は上動不能であるか
ら、押し込み格納時に各閂杆が引き込まれなくなり、引
出しの押し込み格納できなくなる。そのため、引出しを
引き出した状態で誤って施錠した場合には、再度解錠し
た後でなければ、押し込み格納する必要があり、操作上
不便である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が前述の状況に
鑑み、解決しようとするところは、耐火キャビネット等
の本体に引き出し可能に設けた引出しのラッチ装置であ
って、解錠、施錠何れの状態においても引出しの押し込
み格納時にラッチを構成する複数の閂杆をキャビネット
等の本体に係合させることが可能な引出しのラッチ装置
を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、引出しの前板裏面側に突設した箱体内に、
把手に連動して上下動自在に主杆を縦設するとともに、
該箱体の上板の両側部と下板の主杆直下部に、先端部背
面側に傾斜面を有する上閂杆と下閂杆をそれぞれガイド
部材で摺動案内されて上下出没自在に縦設し、主杆の上
部両側にそれぞれ中央部を箱体内に上下回動可能に枢着
して横設した一対の副杆の一端を主杆の上部に連係し且
つ他端を両上閂杆の基端部に連係する一方、主杆の下端
を下閂杆の基端部に連係し、各閂杆が箱体から突出して
キャビネット等の引出し収容部の上下框部に設けた係止
孔に係合する方向へ該箱体と各副杆間に引張りコイルば
ねからなる主ばね体の両端を係着して弾性付勢してな
り、各閂杆の基端部と主杆下端部及び副杆端部の連結部
との連係構造は、該連結部に対して各閂杆の基端部を上
下動自在に係着し且つ連結部に対して各閂杆が箱体から
突出する方向へ副ばね体によって弾性付勢し、該副ばね
体より主ばね体の弾性付勢力を大きく設定してなる引出
しのラッチ装置を構成した。
【0007】ここで、前記各閂杆の基端部と主杆下端部
及び副杆端部の連結部との連係構造において、各閂杆の
中空基端部の両側壁に形成した縦溝に前記連結部を遊挿
し且つ縦溝の長さを連結部に対して該閂杆が前記係止孔
に係合した状態から係合が解除される状態まで箱体内方
へ没入可能な長さに設定するとともに、中空基端部内で
あって前記連結部と閂杆の先端部間に配した副ばね体に
よって該閂杆を連結部に対して箱体から突出する方向へ
弾性付勢してなることが好ましい実施例である。
【0008】具体的には、前記各閂杆を、背面側へ凹溝
を向けた断面コ字形の金属製殻体と、該殻体の凹溝内の
先端部に、前記傾斜面を先端に有し且つ殻体先端から傾
斜面が突出状態で固定した合成樹脂製のスライダーとで
形成し、殻体の基端部の両側壁に形成した縦溝に前記連
結部を遊挿し且つ凹溝内であって該連結部とスライダー
間に圧縮コイルばねからなる副ばね体を配してなるので
ある。
【0009】
【0010】
【作用】以上の如き内容からなる本発明の引出しのラッ
チ装置は、引出しの前板に設けた把手を操作して主杆を
上動させると、箱体と各副杆間に両端を係着して設けた
引張りコイルばねからなる主ばね体の弾性付勢力に抗し
て両副杆の主杆側が上動し且つその反対側の上閂杆との
連結部が下動し、それに伴って両上閂杆が下動して箱体
内へ引き込まれるとともに、主杆の下端部の下閂杆との
連結部が上動し、それに伴って下閂杆が上動して箱体内
へ引き込まれ、その結果、キャビネット等の引出し収容
部の上下框部に設けた係止孔との係合が解除され、引出
しの引き出し動作が行えるようになる。次に、引出しを
キャビネット等の本体から手前へ引き出した後、把手を
操作せずに本体内へ押し込み格納すると、各閂杆の傾斜
面が引出し収納部の上下框部であって係止孔の前方部分
に当接し、副ばね体の弾性付勢力に抗して各閂杆が、主
杆下端部及び副杆端部の連結部に対して箱体内へ押し込
まれ、各閂杆が引出し収納部の上下框部に設けた係止孔
に至ると、副ばね体の弾性付勢力によって主杆下端部及
び副杆端部の連結部に対して各閂杆が箱体から係止孔内
に突出し、引出しは引き出し動作不能に係合されるので
ある。この引出しの押し込み格納の一連の動作におい
て、各閂杆が箱体から突出する方向に対し、副ばね体よ
り主ばね体の弾性付勢力を大きく設定してなることで、
各閂杆が副ばね体の弾性付勢力に抗して箱体内へ押し込
まれても、主杆及び副杆は不動である。
【0011】そのため、キャビネット本体の上框部又は
引出しの前板に設けた小判錠等の錠前に連動して前記主
杆を上動不能とすべく設けた施錠装置を、引出しを引き
出した状態で誤って施錠して主杆を上動不能とした場合
でも、押し込み格納時に主杆と副杆とは関係なく各閂杆
が箱体内へ押し込まれるので、引出しの押し込み格納で
きる。つまり、引出しを引き出した状態で誤って施錠し
た場合にも、再度解錠することなく、押し込み格納でき
るのである。
【0012】また、前記各閂杆を、背面側へ凹溝を向け
た断面コ字形の金属製殻体と、該殻体の凹溝内の先端部
に、前記傾斜面を先端に有し且つ殻体先端から傾斜面が
突出状態で固定した合成樹脂製のスライダーとで形成
し、殻体の基端部の両側壁に形成した縦溝に前記連結部
を遊挿し且つ凹溝内であって該連結部とスライダー間に
圧縮コイルばねからなる副ばね体を配して構成した場
合、引出しの押し込み格納時にスライダーの傾斜面がキ
ャビネット等の引出し収容部の上下框部に摺接するの
で、上下框部を閂杆で傷付けたり、摺動音が発生するこ
とを防止し、閂杆本来の強度は金属製殻体で保有してい
る。
【0013】
【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本
発明の詳細を説明する。図1は本発明の引出しのラッチ
装置を示し、図2はその要部の分解斜視図、図3は耐火
キャビネット等の本体と引出しとの関係を示す断面図、
図4及び図5はラッチ装置の動作を示す説明図であり、
図中Aは耐火キャビネットの本体、Bは該本体Aに多段
に設けられた引出し、1は引出しBの前板、2は箱体、
3は把手、4は主杆、5は副杆、6は上閂杆、7は下閂
杆、8は主ばね体、9は副ばね体をそれぞれ示してい
る。
【0014】本発明は、引出しBの前板1裏面側に突設
した箱体2内に、把手3に連動して上下動自在に主杆4
を縦設するとともに、該箱体2の上板10の両側部と下
板11の主杆4直下部に、先端部背面側に傾斜面12を
有する上閂杆6,6と下閂杆7をそれぞれガイド部材1
3で摺動案内されて上下出没自在に縦設し、主杆4の上
部両側にそれぞれ中央部を箱体2内に上下回動可能に枢
着して横設した一対の副杆5,5の一端を主杆4の上部
に連係し且つ他端を両上閂杆6,6の基端部14に連係
する一方、主杆4の下端を下閂杆7の基端部14に連係
し、各閂杆6,7が箱体2から突出してキャビネット等
の引出し収容部15の上下框部16に設けた係止孔17
に係合する方向へ該箱体2と主杆4又は副杆5間に設け
た主ばね体8によって弾性付勢してなり、各閂杆6,7
の基端部14,…と主杆4下端部及び副杆5端部の連結
部18との連係構造は、該連結部18に対して各閂杆
6,7の基端部14を上下動自在に係着し且つ連結部1
8に対して各閂杆6,7が箱体2から突出する方向へ副
ばね体9によって弾性付勢し、該副ばね体9より主ばね
体8の弾性付勢力を大きく設定してなることを要旨とし
ている。
【0015】更に詳しくは、前記各閂杆6,7の基端部
14と主杆4下端部及び副杆5端部の連結部18との連
係構造は、各閂杆6,7の中空基端部14の両側壁1
9,19に形成した縦溝20,20に前記連結部18を
遊挿し且つ縦溝20の長さを連結部18に対して該閂杆
6,7が前記係止孔17に係合した状態から係合が解除
される状態まで箱体2内方へ没入可能な長さに設定する
とともに、中空基端部14内であって前記連結部18と
閂杆6,7の先端部21間に配した副ばね体9によって
該閂杆6,7を連結部18に対して箱体2から突出する
方向へ弾性付勢してなるものである。
【0016】ここで、前記上閂杆6と下閂杆7とは同一
形状のものであり、また副杆5の端部の連結部18と、
主杆4の下端部の連結部18も上下反転した以外は同一
形状である。具体的構造を上閂杆6と副杆5の連結部1
8とで以下に説明する。前記上閂杆6は、背面側へ凹溝
22を向けた断面コ字形の金属製殻体23と、該殻体2
3の凹溝22内の先端部21に、前記傾斜面12を先端
に有し且つ殻体23先端から傾斜面12が突出状態で固
定した合成樹脂製のスライダー24とで形成し、殻体2
3の基端部14の両側壁19,19に形成した縦溝2
0,20に前記連結部18を遊挿し且つ凹溝22内であ
って該連結部18とスライダー24間に圧縮コイルばね
からなる副ばね体9を配してなるものである。前記スラ
イダー24の側面には凹部25,25を形成し、殻体2
3の側壁19の一部に設けた突片26,26を折り曲げ
て前記凹部25,25を抱き込むように係合させ、また
スライダー24の他側面に突設した凸部(図示せず)を
殻体23の凹溝22の底面に形成した開口27,27か
ら先端が若干突出するように嵌合し、殻体23に対する
スライダー24の固定を強固にするとともに、上閂杆6
の上下動に対する摺動を容易になしている。また、殻体
23にスライダー24を固定した状態で、スライダー2
4の傾斜面12から突出しないように両側壁19,19
の先端に傾斜縁28,28を形成している。
【0017】また、前記連結部18は、本実施例では板
状であり、前記殻体23の縦溝20,20に遊嵌する部
分の上下幅を狭くして上閂杆6の所定上下動を確保し、
またその中間部分の上下幅を広くして強度を確保し、更
にスライダー24に面する側に係合凸部29を突設し、
該係合凸部29に副ばね体9の一端を係合し、一方、副
ばね体9の他端はスライダー24の端面に形成した係合
凹部30内に係合している。
【0018】前記把手3は、操作部材31の中央部に背
後方向に向けて操作杆32を固定したものであり、操作
部材31は引出しBの前板1の前面側に設けた引手部3
3の内部上方に配設し、前板1を貫通して箱体2内に延
びた操作杆32の後端に前記主杆4の上端を固定してい
る。そして、主杆4は、前板1の裏面の上下に突設した
ガイドピン34,34に、該主杆4に形成した長孔3
5,35を遊挿し、上下動自在となしている。また、前
記副杆5は中央部を軸ピン36で前板1の裏面側に回動
可能に枢着し、副杆5の一端に端部中央部を切欠して連
係凹部37を形成し、該連係凹部37に主杆4の上端部
側縁を切起して形成した連係凸部38を係合して連係
し、副杆5の他端には前述の連結部18が形成されてい
る。
【0019】また、前記主ばね体8は、両副杆5の軸ピ
ン36による枢着部よりも主杆4側の中間部と箱体2と
の間に両端を係止し、副杆5,5を介して主杆4を下動
方向、即ち上閂杆6,6と下閂杆7が箱体2から突出す
る方向に弾性付勢している。尚、主ばね体8は、主杆4
と箱体2との間に設けても良いが、万一前記主杆4と副
杆5との連係が外れた場合、上閂杆6,6が箱体2から
突出する方向の弾性付勢力がなくなり、その自重によっ
て上閂杆6,6が下動し、本体Aの係止孔17,17か
ら外れる恐れもあり、従って本実施例の如く主ばね体8
を副杆5と箱体2間に設けることが好ましいのである。
【0020】ここで、前記箱体2は、前板1の裏面側に
固定した枠体39と、該枠体39に固定する前板裏カバ
ー40とから構成されている。そして、前記前板裏カバ
ー40には引出し本体41が固定されている。
【0021】次に、図4及び図5に基づいて、本発明の
引出しのラッチ装置の基本動作を説明する。通常の状態
では、各閂杆6,7は、副ばね体9の弾性付勢力によっ
て副杆5の連結部18に対して最も突出した位置に保持
されている。そして、図4に示すように、主ばね体8,
8の弾性付勢力によって、主杆4が最も下方に位置し、
上閂杆6,6及び下閂杆7が箱体2から突出した状態あ
る。箱体2から突出した上閂杆6,6及び下閂杆7の先
端部はキャビネット等の本体Aの上下框部16,16に
形成した係止孔17,…に係合している。この状態か
ら、引手部33に手を入れて把手3の操作部材31を持
ち上げれば、図5に示すように、操作杆32を介して主
杆4が主ばね体8,8の弾性付勢力に抗して上動し、副
杆5,5が軸ピン36,36を中心に回転してその端部
の連結部18が上閂杆6,6を箱体2内へ引き込むとと
もに、主杆4の下端部の連結部18が下閂杆7を箱体2
内へ引き込み、各閂杆6,7と係止孔17,…との係合
が解除され、引手部33を手前に引けば、引出しBが本
体Aから引き出されるのである。そして、前記把手3の
操作部材31から手を離せば、前記主ばね体8,8の弾
性付勢力によって、各閂杆6,7が箱体2から突出する
のである。
【0022】そして、引出しBを引き出した状態で、把
手3を操作せずに前板1を押して本体A内へ押し込み格
納すると、上閂杆6は図6の状態から図7の状態を経て
図6の状態になり、一方、下閂杆7は図8の状態から図
9の状態を経て図8の状態になって、係止孔17,…に
係合するのである。即ち、上閂杆6は、通常は、図6に
示すように、副ばね体9の弾性付勢力によって副杆5の
連結部18が縦溝20の下端に当接した最も突出した状
態にあり、引出しBを押し込み格納する時に、框部16
の係止孔17より前方部分に傾斜面12が当接し、副ば
ね体9の弾性付勢力に抗して上閂杆6を押し込みながら
摺接し、図7に示すように、連結部18と縦溝20の位
置が相対変移して上閂杆6が箱体2内に押し込まれ、係
止孔17の位置まで来ると副ばね体9の弾性付勢力によ
って再度突出して該係止孔17に係合するのである。同
様に、下閂杆7も副ばね体9の弾性付勢力に抗して箱体
2内に押し込まれた後、再度突出して係止孔17に係合
するのである。ここで、前記副ばね体9よりも主ばね体
8の弾性付勢力が大きいので、各閂杆6,7が押し込ま
れて副ばね体9を圧縮しても、その圧縮力より主ばね体
8の引張り力が勝るので主杆4及び副杆5,5は不動の
ままである。
【0023】次に、本発明に係る耐火キャビネットの本
体Aに各段の引出しB,…を、同時に引き出し不能に施
錠する施錠装置について簡単に説明する。図10及び図
11に示すように、本体Aの側框の上部に、施錠時に押
し込み操作するシリンダー錠42を設け、シリンダー錠
42から後方に延びた施錠杆43が施錠時に後方へ突出
すると、本体Aの側板内面に回転可能に設けた変向板4
4が回転し、該変向板44の偏心位置に上端部を係止し
且つ本体Aの側板内面に上下動可能に取付けた伝導板4
5が上動し、該伝導板45の各段の引出しB,…に対応
した位置に固定したロックプレート46が上動する。前
記ロックプレート46には、前縁部に前下方へ傾斜した
斜片47とその後方に連続した水平な載置片48とを有
し、引出しBの前板1の裏面側には、回転可能に変向板
49を軸着し、該変向板49の偏心位置にはロックピン
50を後方突設し、引出しBの格納時に前記載置片48
上にロックピン50が載置される位置関係に設定し、施
錠時にロックピン50を押し上げて、変向板49を回転
させるのである。
【0024】そして、引出しBの変向板49は、引張り
コイルばね51によってロックピン50が下方へ移動す
る方向へ弾性付勢してあり、また変向板49の軸着部よ
りも下方には、前板1の箱体2内に横設した伝達棒52
の一端を連結し、該伝達棒52の他端に固定したスライ
ド板53を前記主杆4に交叉させ、該スライド板53の
先端に折曲形成した係合片54を、施錠時に主杆4の側
面に形成した切欠凹部55に係合し、主杆4の上動を規
制するのである。具体的には、前記スライド板53に形
成した横長の長孔56を下方の前記ガイドピン34にス
ライド可能に係合している。また、前記変向板49と伝
達棒52との連結は、図11及び図12に示すように、
変向板49に垂直板57を折曲形成し、該垂直板57に
伝達棒52の端部を遊挿し且つ該垂直板57を伝達棒5
2に固定した一対のストッパーリング58,58間に配
し、先端側のストッパーリング58と垂直板57間に圧
縮コイルばね59を介装し、その弾性力によって通常は
内側のストッパーリング58に垂直板57が当接した状
態とする。
【0025】このような施錠装置を施錠状態にすると、
前記伝導板45が上方位置に固定され、ロックプレート
46の載置片48上に各段の引出しBの変向板49に突
設したロックピン50が持ち上げられ、該変向板49が
引張りコイルばね51の弾性付勢力に抗して回転し、伝
達棒52を側方へ変移させ、その内端に設けたスライド
板53の係合片54が主杆4の切欠凹部55に係合し且
つ圧縮コイルばね59が若干押し縮められた状態にな
り、各段の引出しB,…を同時に引き出し不能にロック
することができる。また、ある一つの引出しBを引き出
した状態で、誤って或いは作為的に施錠状態とした場
合、格納状態にある引出しB,…は前述の如くロックさ
れ、そこで引き出した引出しBを押し込み格納すると、
前記ロックピン50が上方位置にあるロックプレート4
6の斜片47に案内されて載置片48上に乗り上げ、そ
れに伴って変向板49が回転し、伝達棒52を側方へ変
移して、係合片54が主杆4の切欠凹部55に係合し、
更に圧縮コイルばね59を若干押し縮め、この引出しB
もロック状態となる。
【0026】最後に、本実施例の耐火キャビネットにお
いて、同時に二つの引出しB,Bを引き出すことができ
ないように規制する、いわゆる二重引き出し防止のため
の機構を図13及び図14に基づいて説明する。本体A
の背板60の中央部に回転可能に連動杆61を縦設し、
該連動杆61には各段の引出しB,…の後板62に対応
してフック体63,…を固定している。ここで、フック
体63は先端部の両側面に互いに鋭角となして第1摺動
縁64と第2摺動縁65を形成し、該第1摺動縁64の
基部にフック部66を形成したものであり、各フック体
63,…は平面視同一位置に連動杆61に固定されてい
る。また、引出しBの後板62には、所定間隔を置いて
第1ピン67と第2ピン68を垂設し、第1ピン67は
前記連動杆61よりもやや側方に変位した位置に設け、
第2ピン68は第1ピン67よりも更に側方且つ後方に
設けている。また、図示しないが、第1ピン67と第2
ピン68に対応する後板62には前記フック体63を受
け入れることができる開口を形成している。ここで、特
定の段の引出しをB1とし、他の引出しをB2とする。
【0027】先ず、全ての引出しB,…を本体Aに格納
した状態では、図13に示すように、フック体63が横
方向に向き、第2摺動縁65の後方に第2ピン68が位
置し、フック部66には第1ピン67が接触しない位置
に設定されている。その状態で、特定の引出しB1を引
き出すと、第2ピン68によってフック体63の第2摺
動縁65が前方へ押され、第2ピン68が第2摺動縁6
5を摺動しながらフック体63が回転し、連動杆61を
介して他の全てのフック体63,…が回転して縦方向に
向き、第2ピン68が第2摺動縁65を離れると同時
に、図14に示すように、フック部66が他の引出しB
2の第1ピン67に引っ掛かる。この状態で、他の引出
しB2を引き出そうとしても、フック部66が第1ピン
67に係止されているから引き出し動作は不可能であ
る。そこで、引き出した特定の引出しB1を押し込み格
納すると、引出しB1の第2ピン68はフック体63の
先端に接触せず通過し、第1ピン67によってフック体
63の第1摺動縁64が後方へ押され、第1ピン67が
第1摺動縁64を摺動しながらフック体63が横向きに
なるように回転させ、他の引出しB2の第1ピン67か
らそれに対応するフック体63のフック部66が離れ、
更にフック体63の先端が引出しB1の後板62によっ
て押されて、図13に示した初期状態に復帰する。この
状態では、何れの引出しB,…も引き出し動作が可能で
ある。
【0028】
【発明の効果】以上にしてなる本発明の引出しのラッチ
装置によれば、以下に示す顕著な効果を奏するのであ
る。
【0029】請求項1及び2によれば、主ばね体の弾性
付勢力によって各閂杆が突出した状態で、把手を操作せ
ずに引出しを本体内へ押し込み格納すると、各閂杆の傾
斜面が引出し収納部の上下框部であって係止孔の前方部
分に当接し、副ばね体の弾性付勢力に抗して各閂杆が、
主杆下端部及び副杆端部の連結部に対して箱体内へ押し
込まれ、各閂杆が引出し収納部の上下框部に設けた係止
孔に至ると、副ばね体の弾性付勢力によって主杆下端部
及び副杆端部の連結部に対して各閂杆が箱体から係止孔
内に突出し、引出しを押し込み格納と同時に引き出し動
作不能に係合させることができる。そして、この引出し
の押し込み格納の一連の動作において、各閂杆が箱体か
ら突出する方向に対し、副ばね体より主ばね体の弾性付
勢力を大きく設定してなることで、各閂杆が副ばね体の
弾性付勢力に抗して箱体内へ押し込まれても、主杆及び
副杆は不動であり、それにより主杆が施錠装置によって
上動不能にロックされている場合でも、引出しを押し込
み格納することができる。従って、引出しを引き出した
状態で誤って施錠して主杆をロックした場合でも、解錠
することなく引出しを押し込み格納することができるの
であり、操作性に優れている。更に、各閂杆が箱体から
突出してキャビネット等の引出し収容部の上下框部に設
けた係止孔に係合する方向へ該箱体と各副杆間に引張り
コイルばねからなる主ばね体の両端を係着して弾性付勢
しているので、万一、主杆と副杆との連係が外れた場合
でも、副杆に主ばね体が作用しているので、上閂杆が箱
体から突出する方向の弾性付勢力がなくなる恐れはな
く、防盗性に優れている。
【0030】請求項3によれば、引出しの押し込み格納
時にスライダーの傾斜面がキャビネット等の引出し収容
部の上下框部に摺接するので、上下框部を閂杆で傷付け
たり、摺動音が発生することを防止し、スムーズに引出
しの押し込み可能ができ、また閂杆本来の強度は金属製
殻体で保有しているので、強度的には全く問題がなく、
しかも火災等でスライダーが溶損した場合でも金属製殻
体で係合状態を維持し、防盗性にも優れている。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の引出しのラッチ装置を示す簡略斜視図
である。
【図2】同じく要部の分解斜視図である。
【図3】耐火キャビネット等の本体に引出しを格納した
状態の断面図である。
【図4】ラッチ装置の係合状態を一部断面で示した要部
背面図である。
【図5】同じくラッチ装置の係合解除状態を示す要部背
面図である。
【図6】上閂杆が突出した状態の要部背面図である。
【図7】同じく上閂杆が押し込まれた状態の要部背面図
である。
【図8】下閂杆が突出した状態の要部背面図である。
【図9】同じく下閂杆が押し込まれた状態の要部背面図
である。
【図10】施錠装置の本体側の機構を示す簡略側面図で
ある。
【図11】施錠装置の連動機構を示す説明用斜視図であ
る。
【図12】施錠装置の引出し側の機構を示す簡略背面図
である。
【図13】二重引き出し防止機構を示し、全ての引出し
を格納した状態を示す要部断面図である。
【図14】同じく特定の引出しを引き出した状態を示す
要部断面図である。
【符号の説明】
A 本体 B 引出し 1 前板 2 箱体 3 把手 4 主杆 5 副杆 6 上閂杆 7 下閂杆 8 主ばね体 9 副ばね体 10 上板 11 下板 12 傾斜面 13 ガイド部材 14 基端部 15 引出し収納部 16 框部 17 係止孔 18 連結部 19 側壁 20 縦溝 21 先端部 22 凹溝 23 殻体 24 スライダー 25 凹部 26 突片 27 開口 28 傾斜縁 29 係合凸部 30 係合凹部 31 操作部材 32 操作杆 33 引手部 34 ガイドピン 35 長孔 36 軸ピン 37 連係凹部 38 連係凸部 39 枠体 40 前板裏カバー 41 引出し本体 42 シリンダー錠 43 施錠杆 44 変向板 45 伝導板 46 ロックプレート 47 斜片 48 載置片 49 変向板 50 ロックピン 51 引張りコイルばね 52 伝達棒 53 スライド板 54 係合片 55 切欠凹部 56 長孔 57 垂直板 58 ストッパーリング 59 圧縮コイルばね 60 背板 61 連動杆 62 後板 63 フック体 64 第1摺動縁 65 第2摺動縁 66 フック部 67 第1ピン 68 第2ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05C 9/02 E05B 65/44 A47B 88/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引出しの前板裏面側に突設した箱体内
    に、把手に連動して上下動自在に主杆を縦設するととも
    に、該箱体の上板の両側部と下板の主杆直下部に、先端
    部背面側に傾斜面を有する上閂杆と下閂杆をそれぞれガ
    イド部材で摺動案内されて上下出没自在に縦設し、主杆
    の上部両側にそれぞれ中央部を箱体内に上下回動可能に
    枢着して横設した一対の副杆の一端を主杆の上部に連係
    し且つ他端を両上閂杆の基端部に連係する一方、主杆の
    下端を下閂杆の基端部に連係し、各閂杆が箱体から突出
    してキャビネット等の引出し収容部の上下框部に設けた
    係止孔に係合する方向へ該箱体と各副杆間に引張りコイ
    ルばねからなる主ばね体の両端を係着して弾性付勢して
    なり、各閂杆の基端部と主杆下端部及び副杆端部の連結
    部との連係構造は、該連結部に対して各閂杆の基端部を
    上下動自在に係着し且つ連結部に対して各閂杆が箱体か
    ら突出する方向へ副ばね体によって弾性付勢し、該副ば
    ね体より主ばね体の弾性付勢力を大きく設定してなるこ
    とを特徴とする引出しのラッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記各閂杆の基端部と主杆下端部及び副
    杆端部の連結部との連係構造において、各閂杆の中空基
    端部の両側壁に形成した縦溝に前記連結部を遊挿し且つ
    縦溝の長さを連結部に対して該閂杆が前記係止孔に係合
    した状態から係合が解除される状態まで箱体内方へ没入
    可能な長さに設定するとともに、中空基端部内であって
    前記連結部と閂杆の先端部間に配した副ばね体によって
    該閂杆を連結部に対して箱体から突出する方向へ弾性付
    勢してなる請求項1記載の引出しのラッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記各閂杆を、背面側へ凹溝を向けた断
    面コ字形の金属製殻体と、該殻体の凹溝内の先端部に、
    前記傾斜面を先端に有し且つ殻体先端から傾斜面が突出
    状態で固定した合成樹脂製のスライダーとで形成し、殻
    体の基端部の両側壁に形成した縦溝に前記連結部を遊挿
    し且つ凹溝内であって該連結部とスライダー間に圧縮コ
    イルばねからなる副ばね体を配してなる請求項1又は2
    記載の引出しのラッチ装置。
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