JPH0247391B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、浮き構造物に船室エレメントを備え
付ける方法及び浮き構造物、並びに船室エレメン
トに関する。

造船工業においては船の艤装が前もつて船の外
部で益々多く行われるようになつてきた。従つて
ある構成要素、たとえば標準寸法のプレハブユニ
ツトはこのユニツトを船に移す前に所要の設備を
有するものとなすことができる。これによつて船
の建造速度は相当上昇する。

部分的にまたは完全に装備されたプレハブユニ
ツトを船に移して乗客船室を作ることは周知であ
る。米国特許第3363597号にはいくつかの船室よ
りなるプレハブ空間エレメントを使用することが
開示されている。この空間エレメントはガーダー
の剛性マトリツクスの中に装架されていくつかの
床を形成し、それによつて前記エレメントはガー
ダー上に載置される。したがつて下方レベルのユ
ニツトは据え付けるのが困難である。ガーダーマ
トリツクスのコーナに位置するユニツトはガーダ
ーによりその二つの側部だけで支持される。した
がつてこの周知の構造においてはユニツトの装架
はむしろ複雑である。

スウエーデン国特許第377681号には普通の貨物
コンテナではなく船室コンテナによつて形成さ
れ、取外し及び再組立て可能な乗客室を有するコ
ンテナ船が示されている。このコンテナは一時的
な装置によつて船の中にある加熱、給水、エアコ
ン及び電気のネツトワークに接続される。ユニツ
トは上方デツキの開口を通して乗客室の中におろ
されるが、その組立方法は詳細に記載されていな
い。明らかに、その目的は乗客室として使用し得
る一時的な装置を形成することである。従つて、
複雑であると共に固定乗客室には適していない多
数の特別な解決方法および装置が必要とされる。

本発明の目的は、固定乗客室を形成すべく船に
船室エレメントを備え付けるための簡単な方法を
生み出すことである。他の目的はプレハブ構成要
素を使用することによつて合理化されたかつ経済
的な船室エレメントとそれを取り付けた浮き構造
物を提供することである。

本発明は前記船室エレメントを支えるためのデ
ツキ等の平らな平面を準備すること、及び前記船
室エレメントを壁と屋根によつて、前記船室エレ
メントを前記デツキ上において移動させることの
できる運搬装置を一時的に取付けるのに適する開
放底部を設けて形成することを特徴とする。船室
エレメントを自立性のものとすること、及び該エ
レメントを船のデツキの如き平らな支持体の上に
装備することによつて、補助的な補強材がなくて
も十分な強度が得られる。底のない船室エレメン
トをその適当な位置へ移動させることは、たとえ
ば該船室エレメントをその開放された内部から押
すことによつて行われる。したがつてこの船室エ
レメントはせまい場所へも容易に移動させること
ができる。この船室エレメントには補強的な部分
的底部材を備えることができる。たとえば壁の下
方部分から内部へ向つて突出する部材を備えるこ
とができる。船室エレメントには貯蔵および運搬
のための一時的装置を備えることも可能である。
このように一時的に取付けられる運搬装置は再使
用できるので経済的である。

船室エレメントの屋根及び／又は壁を、隔置さ
れた板面（この板面の間には適当な比較的堅い絶
縁材料が挿入されている）を有するカセツト状板
部材によつて形成することにより、十分な剛性が
経済的に得られる。このカセツト状板部材を規格
化することによつて、更なる節約が達成され得
る。この部材は船室エレメントの堅いフレームに
取付けることができる。

船室エレメントには、家具及び他の同様な備品
の固定部分品を前もつて備え付けておくことがで
きる。このような家具及び備品はある程度の剛性
を有している。本発明によればこのような性質
は、家具及び他の備品をそれらが船室エレメント
の構造上の剛性を増加するような態様で船室エレ
メントの壁に取付けることによつて利用される。

一時的に取付けられる運搬装置はその範囲が水
平方向に船室エレメントの外までほんのわずかだ
け及んでいるものであるか或いは全く及んでいな
いものであるべきである。船室エレメントはこの
ような運搬装置によつて容易に支持することがで
きる。各運搬装置は少なくとも一つの車輪、空気
クツシヨン装置、等を有し得る。

船室エレメントの開放された内部は運搬装置の
取付け及び制御に役立つ。

船室エレメントを運搬装置によつて確実に支持
させるためには、この装置を船室エレメントのコ
ーナに配置するのが好ましい。船室エレメントを
空気クツシヨン装置によつて移動すべき場合に
は、該船室エレメントにはその開放底部を覆う袋
状ユニツトが備えられ、この袋状ユニツトの中に
空気クツシヨンが形成される。前記袋状ユニツト
は船室エレメント壁の下方の縁に取付けるのが好
適である。

船室エレメントには洗面所ユニツトを設けるこ
とができ、該ユニツトは衛生室に対する公衆衛生
規則によつてそれ自体の底部を有している。前記
洗面所ユニツトは船室エレメントにその剛性を増
加させるように取付けられ、それによつて組立体
全体の強度を増加させる。

次に添付図面により実施例について詳述する。

参照数字１は船室エレメントを示し、それは側
壁２、端壁３および屋根４より成つている。船室
エレメントの下方のコーナは５によつて表わされ
ている。壁の下方の縁には枠部材７があり、それ
にはカセツト状板部材８が取付けられている。

船室エレメントの一方の端壁３には、船室ドア
ー開口がそのドアー９を有して設けられている。
第２図に示された実施例においては船室エレメン
トには固定ベツド１０が備えられており、このベ
ツドは船室エレメントの剛性を向上させるために
壁２，３に固定されている。洗面所ユニツト１１
も設けられ、このユニツトはそれ自体の底部１２
を有しかつ壁に取付けられた固定衛生装置１３を
備えている。上水及び下水系並びに加熱及びエア
コン用のパイプのために、コーナ５ｂに垂直空間
１４が設けられている。

船室エレメントには固定家具が備えられてお
り、そのいくつかは外部支持部材１８によつて壁
に取付けられている。第２図には固定テーブル１
６及び衣装棚１７も示されている。椅子１５の如
き非固定家具は船室エレメントの移動中には、た
とえばベツド１０の上に置いておくことができ
る。

運搬装置を構成する取り外し自在の運搬部材、
たとえば車輪２０は船室エレメント下に設けられ
る。これら部材は、枠部材７を介して船室エレメ
ントを支持するためにコーナ５に嵌め込まれる本
体部材１９を含んでいる。

壁および屋根のカセツト状板部材８は適当な周
知の手段によつて相互に連結される。このカセツ
ト状板部材は補強絶縁体２２、たとえば堅い鉱質
綿ボードによつて形成されている。

第４図は上面２５及び側壁２４ａ，２４ｂを含
んでコーナ２３を形成する本体１９を有する運搬
ユニツトを含む運搬装置を示している。側壁２４
ａ，２４ｂの下方の縁は船室エレメントの枠部材
７の幅よりもわずかに大きい距離だけ側壁２４ａ
から隔てられている外側フランジ３０を有するＵ
字形支持部材２６ａ，２６ｂを形成すべく外に向
つて曲げられている。船室エレメントを運搬する
時の運搬ユニツトの位置が第２図に示されてい
る。運搬ユニツトの車輪２０はそれを軸２９上に
軸支している車輪支持体２７ａに取付けられた旋
回軸２７を有している。旋回軸２７は上面２５に
おいて回転自在に軸支されている。車輪２０を旋
回軸２７の軸線の回りで回転させるために、回転
アーム２８を旋回軸２７の端部に取付けることが
できる。

第５図に示された実施例においては、車輪支持
体２７ａと本体１９との間に支持板３３が設けら
れている。この構成は車輪の支持を一層可撓性に
富むものにする。支持板３３は案内部材３１及び
可撓性部材３２、たとえばゴムパツドによつて運
搬ユニツトの本体部材１９の上面２５に対して可
動である。鋼製車輪２０ａが小さな障害物３４
（第６図）に衝突すれば車輪２０ａの速度は一時
的に低下する。同時に本体部材１９は船室エレメ
ントの慣性に起因してその速度を維持する。その
結果、板３３は案内部材３１及び可撓性ゴムパツ
ド３２の案内の下でわずかに傾斜し、車輪２０ａ
は障害物３４を乗り越える。鋼製車輪２０ａと基
盤との間の接触面が小さい故に、該車輪２０ａは
容易に回転し、したがつてこの車輪機構には旋回
装置を取付ける必要はない。

クレーン等によつて船室エレメント１を引き揚
げるためには、該船室エレメントと関連させて別
個の引き揚げ部材（第７図中の十字形部材）を用
いることができ、これにより船室エレメントはク
レーンのフツク３５で支持されるべき引き揚げル
ープ３５ａと、側方フランジ４０（第８図）付き
支持面３９を有する引き揚げ爪３７（第７図）を
備えて引き揚げケーブル３６とによつて支持され
る。前記引き揚げ部材は船室エレメント１の側壁
２，３のほんのわずか外側にまで延在しているに
過ぎないので、該船室エレメント１はせまい開口
を通して船のデツキの上におろすことができる。
船室エレメントの重量は好ましくは0.5〜１トン
である。従つて、作業員はレバー（梃子）によつ
て船室エレメントの片側を持上げて引き揚げ爪３
７を取付けることができる。

本発明は図示の実施例に制限されるものではな
く特許請求の範囲内においていくつかの変更を行
うことができる。船室エレメントは、例えば、カ
セツト状板部材から作られる側壁が二つの隣接船
室に対して共通のものであるように並んで配置さ
れた幾つかの船室から成るものであつてもよい。
したがつて船室エレメントは該エレメントの外側
コーナと、二つの船室によつて隣接されるコーナ
との両者を当然有し、これらコーナの下方開放部
分には運搬装置を取付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による船室エレメントの斜視
図；第２図は本発明による船室エレメントの水平
断面図；第３図は第２図の部分の拡大図；第４
図は運搬ユニツトの斜視図；第５図及び第６図は
他の運搬ユニツトの側面図；第７図は船室エレメ
ントに対する引き揚げ装置の概略図；第８図は第
７図の部分の断面図である。 １……船室エレメント、２……側壁、３……端
壁、４……屋根、１９……運搬ユニツトの本体、
２０，２０ａ……車輪、２８……回転アーム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 船舶などの浮き構造物に、壁と屋根と開放さ
   れた底部とを有する複数の自立箱状船室エレメン
   トを備え付ける方法であつて、前記船室エレメン
   トは浮き構造物のデツキなどの支持表面上に置か
   れて、運搬装置によつて前記支持表面上の所望の
   位置まで移動され、前記運搬装置は前記船室エレ
   メントに装着されており且つ前記船室エレメント
   を前記支持表面上で横方向に移動させることを可
   能ならしめる程度に前記船室エレメントの重量を
   支持しており、前記船室エレメントは前記開放さ
   れた底部を経て、該船室エレメントの内側から作
   動することによつて移動させられ、また、前記運
   搬装置の前記船室エレメントに対する装着の解除
   が該船室エレメントの内側から行なわれることを
   特徴とする、浮き構造物に船室エレメントを備え
   付ける方法。 ２ 前記船室エレメントが前記支持表面上の所望
   の位置に移動される前に、前記船室エレメントの
   壁に、該船室エレメントの剛性を増大させるよう
   に、固定家具及び他の設備が取り付けられる、特
   許請求の範囲第１項記載の方法。 ３ 前記運搬装置は取り外し可能の運搬ユニツト
   を含み、この運搬ユニツトは前記船室エレメント
   の壁の下端縁に前記運搬ユニツトを一時的に連結
   するための手段を含んでいる、特許請求の範囲第
   １項又は第２項記載の方法。 ４ 前記運搬装置は、前記船室エレメントの外側
   に実質的な距離にわたつて突出してしまうエレメ
   ントを含んでいない、特許請求の範囲第１項から
   第３項までのいずれか１つに記載の方法。 ５ 前記運搬装置を所望の方向に向かつて操縦す
   ることが前記船室エレメントの内側から制御され
   る特許請求の範囲第１項から第４項までのいずれ
   か１つに記載の方法。 ６ 前記運搬装置は前記船室エレメントのコーナ
   に配置される、特許請求の範囲第１項から第５項
   までのいずれか１つに記載の方法。 ７ 船室エレメントがそのデツキ上に配置されて
   いる、少なくとも１つのデツキを有する船舶など
   の浮き構造物であつて、前記船室エレメントを取
   り付ける間は、該船室エレメントは壁と屋根と開
   放された底部とを有する運搬可能な自立船室エレ
   メントで成り、且つ前記開放された底部の近くに
   おける前記船室エレメントの壁の下端縁に一時的
   に連結されるべき運搬装置のための支持面を含ん
   でおり、更に、前記船室エレメントは前記運搬装
   置によつて前記開放された底部を経て、該船室エ
   レメントの内側から作動されることによつて前記
   デツキ上を移動されるようになつていることを特
   徴とする浮き構造物。 ８ 船舶などの浮き構造物のデツキ上に取り付け
   られる船室エレメントであつて、前記船室エレメ
   ントを取り付ける間は、該船室エレメントは壁と
   屋根と開放された底部とを有する運搬可能な自立
   船室エレメントで成り、且つ前記解放された底部
   の近くにおける前記船室エレメントの壁の下端縁
   に一時的に連結されるべき運搬装置のための支持
   面を含んでおり、更に、前記船室エレメントは前
   記運搬装置によつて前記開放された底部を経て、
   該船室エレメントの内側から作動されることによ
   つて前記デツキ上を移動されるようになつている
   ことを特徴とする船室エレメント。