JPH0245233B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 本発明は、銀行等の金融機関において、金種の
異なつた硬貨を多量に入金あるいは選別処理を行
なうことのできる硬貨処理装置に関する。

Ｂ 従来技術 従来、この種の装置は、混合硬貨を整列させて
連続的に排出する回転円板と、その円板の排出口
の下流に設けられた選別軌道とより成り、その選
別軌道の底面に所定金種の硬貨径に対応した複数
の選別穴を形成し、選別軌道上を搬送された混合
硬貨をそれぞれ選別穴に落下させて選別処理をす
るものであつた。

ところがこの従来方式では選別穴の寸法のみで
混合硬貨を選別するため、損傷硬貨、偽貨、外国
硬貨等が混入された場合、いずれかの金種に選別
されてしまうという欠点があつた。

このような欠点に対し、特開昭61−60195号で
は、混合硬貨を整列させて連続的に排出する回転
円板と各種選別穴を形成した選別軌道との間に硬
化の真偽／金種を識別する識別部および識別不能
硬貨を排除するリジエクト部を設ける案が開示さ
れた。

ところが、この案は次のような欠点がある。

(イ) 混合硬貨を整列させて連続的に排出する回転
円板から硬貨をローラーにより１枚ずつ引出し
無端ベルトにより搬送する構造のため、直径、
厚さの異なる混合硬貨を投入した場合、搬送さ
れる硬貨の間隔はかなり変動する（±30〜40％
程度）ので、その装置における各機構がその変
動に十分対応し得るよう硬貨間隔を広く設定し
なければならず、単位時間当りの硬貨搬送枚
数、即ち処理能力は低下せざるをえない。

(ロ) 識別部とリジエクト部とを回転円板と選別軌
道とは別の直線部に設けなければならないので
装置が大型化してしまう。

Ｃ 発明が解決しようとする問題点 上記のような従来技術の欠点、即ち搬送時の広
い硬貨間隔による処理能力の低下、装置の大型化
がこの種の装置の問題点であつた。

Ｄ 問題点を解決するための手段 本発明の硬貨処理装置は、投入された硬貨を遠
心力によつて周辺に揃える第１回転円板と、前記
第１回転円板の周辺に揃えられた硬貨を１枚ずつ
排出する排出手段と、１枚の硬貨を収容し得る切
欠き部を周辺に形成された第２回転円板と、前記
排出手段により排出された硬貨に圧接して該硬貨
を前記切欠き部に押し込む圧接部材と、前記切欠
き部における硬貨を前記第２回転円板の周辺に沿
つて案内するように設けられたガイド部材と、前
記ガイド部材によつて案内された硬貨を受け取つ
て収納するための収納手段と、より成るものであ
る。

第２回転円板は切欠き部の間隔で硬貨を排出で
きるので排出硬貨の間隔を一定にすることがで
き、従つて硬貨間隔の変動を考慮した広い硬貨間
隔を設定する必要でないので従来技術に比し処理
能力を向上させることができる。

又、各硬貨は第２回転円板の周辺に沿つて一定
速度で案内されるので、硬貨判別装置等を第２回
転円板の周辺に配置することにより装置の小型化
が可能となる。

Ｅ 実施例 第１図および第２図を参照して本発明の実施例
を説明する。本発明の硬貨処理装置は銀行等の金
融機関における窓口の係員が顧客から預金等のた
めに入金された硬貨を自動的に真偽判別して収納
するためにおよびそのように入金された硬貨を金
種別に自動的選別するために利用される。以下の
説明では、このような入金処理および選別処理に
おける本発明の装置の動作を述べることにする。

(1) 入金処理 硬貨が混合状態で回転円板１の上部にある
投入口（図示されてない）より投入されると
回転円板１は矢印Ａ方向に、回転円板４は矢
印Ｂ方向に、ピツクローラ２には硬貨を矢印
Ｃ方向に押出す方向に、無端搬送ベルト１２
は硬貨を矢印Ｄ方向に搬送する方向に動き出
す。

回転円板１上にある混合硬貨は遠心力によ
り投入部下部に形成された硬貨ガイドの周縁
１４に沿つて連続的に並びピツクローラ２に
より順次矢印Ｃ方向に押出される。なおこの
ピツクローラ２にはトルクリミツターが設け
られており、硬貨がつかえて静止した時はロ
ーラが回転しないようにすることによつてロ
ーラの摩耗を防いでいる。また硬貨の円転円
板１からの排出部付近には押出される硬貨の
位置を規制するガイド３があり、硬貨はガイ
ド３と周縁１４の間を通つて矢印Ｃ方向に排
出される。なお、ガイド３と周縁１４との距
離は最大径硬貨の直径よりやや大きくし（最
大径硬貨直径＋１mm程度）大径硬貨の回転円
板４の切欠き部４ｂへの２枚投入を防止して
いる。またガイド３は硬貨の円滑な移動、ガ
イド３自身と硬貨の摩耗を防止するためにロ
ーラを用いた方が良い。

ピツクローラ２により矢印Ｃ方向に押出さ
れた硬貨は回転円板４の外縁部４ａと揺動部
材５に突当たり、その結果、揺動部材５は押
し戻される。この時硬貨は揺動部材５のスプ
リング５ａの力とピツクローラ２の押圧力を
受けて回転円板４の周縁部４ａに圧接してい
る。なお揺動部材５の硬貨との接触部はロー
ラを用いた方が良い。

回転円板４がＢ方向に回転して切欠き部４
ｂが硬貨の前に来ると硬貨は揺動部材５とピ
ツクローラ２により押出されてその切欠き部
４ｂに入る。切欠き部４ｂは最大径硬貨が１
枚入り、最小径硬貨２枚が入らない形状・大
きさとなつている。この時、次に押出されて
いる硬貨は切欠き部４ｂには入れないので揺
動部材５を押し戻し、揺動部材５とピツクロ
ーラ２の力を受けながら回転円板４の周縁部
４ａに圧接しながら次の切欠き部４ｂが来る
のを待つ。以上を繰り返して硬貨は順次切欠
き部４ｂに１枚ずつ入り回転円板４により搬
送される。なお揺動部材５は使用する硬貨の
径により図示のように２段又はそれ以上或い
は１段だけ設けてもよい。又、切欠き部４ｂ
の数は任意であり、１つでもよい。回転円板
４の切欠き部４ｂの硬貨押出し面より力を受
けガイド部材６の円状ガイド面６ａに接しな
がら搬送される。

回転円板４の周辺下部には硬貨判別装置７
の判別開始検知器１５ａ、上流側の硬貨振分
け装置８の動作開始検知器１５ｂ、下流側の
硬貨振分け装置８ａの動作開始検知器１５ｃ
が設けられる。上流側の振分け装置８の下方
には硬貨の一時保留部１７が、さらにその下
方に硬貨受入れ部１８が、設けられる。また
下流側の振分け装置８ａの下方には損傷硬
貨、偽貨等を受け入れるリジエクト箱１９が
ある。

円状ガイド面６ａに接しながら搬送された
硬貨は硬貨判別装置７で真偽および金種を判
別され、真貨であると判別された場合上流側
の振分装置８により硬貨一時保留部１７へ振
分けられる。硬貨判別装置７により損傷ある
いは偽貨と判別された硬貨は上流側の振分け
装置８を通り過ぎ下流側の振分け装置８ａに
よりリジエクト箱１９に振分けられる。

硬貨一時保留部１７に貯えられた硬貨は金
額表示器（図示されない）により入金額、金
種等が表示され操作員の確認指示によりさら
に下方の硬貨受入れ部へ移動させて入金処理
は完了する。リジエクト箱１９に硬貨が入れ
られた場合は、それがランプ等で操作員に知
らされるので、操作員はその硬貨を取り出し
て自身の目で確認し処理することができる。

(2) 選別処理 入金処理時の〜までと同じ、 円状ガイド面６ａに接しながら搬送された
硬貨は硬貨判別装置７で真偽および金種を判
別され真貨であると判別された場合振分け装
置８，８ａを通過し、ガイド部材９のガイド
面９ａに接しながら無端搬送ベルト１２によ
り矢印Ｄ方向に搬送され、各金種に対応し形
成された硬貨落下穴１１に落下することによ
り選別される。

硬貨判別装置７により損貨、あるいは偽貨
と判別された硬貨は硬貨振分け装置８ａによ
り下方に振分けられリジエクト箱に貯えられ
る。

硬貨落下穴１１の下方には金種別の硬貨集
積部２０があり選別処理により硬貨集積部２
０が満杯になつた場合、その金種の硬貨を振
分け装置８により一時保留部１７に貯え、他
の金種の選別処理を続行させることも可能で
ある。

Ｆ 効果 本発明により、搬送路に送られる硬貨の間隔は
常に一定となるので、装置の処理能力の高い装置
の設計が可能となり、又硬貨が投入される回転円
板を硬貨集積部に隣接して設けることができるの
で装置の小型化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を具体化した硬貨処理装置の部
分的投影図、第２図はその硬貨処理装置の部分的
平面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 投入された硬貨を遠心力によつて周辺に揃え
   る第１回転円板と、 前記第１回転円板の周辺に揃えられた硬貨を１
   枚ずつ排出する排出手段と、 前記第１回転円板と実質的に同一の平面内にあ
   つて、１枚の硬貨を収容し得る切欠き部を周辺に
   形成された第２回転円板と、 前記排出手段により排出された硬貨が前記第２
   回転円板の周縁部に圧接するよう該硬貨にスプリ
   ング偏倚力を与えるための圧接部材と、 前記圧接部材により前記切欠き部に押し込まれ
   た硬貨を前記第２回転円板の周辺に沿つて案内す
   るように設けられたガイド部材と、 前記ガイド部材によつて案内された硬貨を受け
   取つて収納するための収納手段と、 を具備して成る硬貨処理装置。