JPH0241450B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、座席枠に固定的に結合される第１の
継手部分と、背もたれに固定的に結合される第２
の継手部分とが、第１の偏心輪を持つ揺動軸を介
して互いに揺動可能に結合され、第１の継手部分
が第１の内歯を持ち、この第１の内歯に沿つて、
第２の継手部分の外歯が転動可能で、この第１の
内歯と共に第１のサイクロイド歯車装置を構成
し、第１の継手部分が、さらに第１の内歯に対し
て軸線方向にずれかつこれに対して同心的な小さ
いピツチ円の第２の内歯を持ち、この第２の内歯
に沿つて、第２の継手部分の第１の外歯に対して
軸線方向にずれかつこれに対して同心的な小さい
ピツチ円の第２の外歯が転動可能で、この第２の
内歯と共に第２のサイクロイド歯車装置を構成
し、回転軸に結合される回転ハンドルの回転によ
り、２つのサイクロイド歯車装置を介して、座席
の座部分に対する背もたれの傾斜が調節され、座
席枠が、その前部範囲および後部範囲に設けられ
る連結棒を介して、座席枠の下にある座席支持片
に高さ調節可能に関節結合されている、調節可能
な座席に関する。

〔従来の技術〕

このような座席はドイツ連邦共和国特許出願公
開第3023684号明細書から公知であり、１つのハ
ンドルの操作により、背もたれの傾斜または座席
の高さが選択的に調節可能である。しかしこのた
めに多数の扇形歯車および戻り止め爪を必要と
し、また大きい摩耗を受け、それにより調節機構
の信頼性がそこなわれる。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の課題は、調節機構の構造を簡単化し、
それにより信頼性を高めることである。

〔課題を解決するための手段〕

この課題を解決するため本発明によれば、座席
枠の後部範囲にある連結棒が、座席支持片から遠
い方の端部を、第１の継手部分の形状に合わされ
かつ揺動軸により貫通される３段中空部材として
形成され、この中空部材の最大直径の第１の段部
分が第１の内歯を持ち、この第１の内歯に沿つ
て、第１の継手部分の第２の内歯に対して同心的
に設けられる第１の外歯が転動可能で、この第１
の内歯と共に第３のサイクロイド歯車装置を構成
し、中空部材の中間直径を持つ第２の段部分が第
２の内歯を持ち、この第２の内歯に沿つて、第１
の継手部分の第１の外歯に対して軸線方向にずれ
かつこれに対して同心的な小さいピツチ円の第２
の外歯が転動可能で、この第２の内歯と共に第４
のサイクロイド歯車装置を構成し、中空部材の最
小直径を持つ第３の段部分が、揺動軸に固定的に
結合される第２の偏心輪上に支持され、揺動軸上
にゆるくはまる第１の偏心輪上に第２の継手部分
が支持され、２つの軸線方向位置の切換え可能な
回転軸により、第１の偏心輪または第２の偏心輪
が選択的に回転駆動可能である。

〔発明の効果〕

本発明によれば、２組の内歯を持つ３段中空部
材を設けて、第１の継手部分に付加的に設けられ
る２組の外歯と共に、第３および第４のサイクロ
イド歯車装置を構成しているので、従来のものに
比べて部品点数が少なくなり、調節はこれらサイ
クロイド歯車装置の歯の相互転動を介して行なわ
れるので、これらの部分の摩耗が少なく、信頼性
も向上する。

〔実施例〕

本発明による座席の実施例を図面により以下に
説明する。

第１図に座席枠２を持つ座部分１が示され、座
席枠２の下にある座席支持片３は、車両の床に結
合されている。座席枠２は、前部範囲および後部
範囲に枢着される連結棒４および５を介して座席
支持片３に関節結合され、座席支持片３における
枢着点が符号６で示されている。

座部分１は１つまたは複数のばね７により支え
られ、これらのばねの両端が座部分１および座席
支持片３に枢着されている。座席におけるこのよ
うなばね特に空気ばねは公知なので、その説明を
省く。

座席枠２には第１の継手部分８が結合され、こ
の継手部分８には、これに対してほぼ平行に延び
る保持体９が結合されている。さらに背もたれ１
０に第２の継手部分１１が結合されている。両方
の継手部分８，１１は、偏心輪１２を持つ揺動軸
１３を介して互いに結合されている。

第１の継手部分８は第１の内歯８ａを持ち、こ
の内歯に沿つて転動する第２の継手部分１１の第
１の外歯１１ａは、この内歯と共にサイクロイド
歯車装置を構成している。

さらに第１の継手部分８は、第１の内歯８ａに
対して同心的に軸線方向へずれて設けられる小さ
いピツチ円の第２の内歯８ｂを持ち、この内歯に
沿つて転動する第２の継手部分１１の第２の外歯
１１ｂは、第１の外歯１１ａに対して同心的に軸
線方向へずれて設けられて、第２のサイクロイド
歯車装置を構成している。

第３図および第４図に示すように、座席枠２の
後部範囲にある連結棒５は、座席支持片６から遠
い方にある端部を、揺動軸１３の所における第１
の継手部分８の形状に合わせた３段中空部材１４
として形成され、揺動軸１３により貫通されてい
る。中空部材１４と第２の継手部分８とは、軸線
方向にずれた２つのサイクロイド歯車装置を構成
している。すなわち中空部材１４の最大直径をも
つ段部分１４ａは第１の内歯１４ｃを持ち、継手
部分８の第１の外歯８ｃがこの内歯１４ｃに沿つ
て転動し、この外歯８ｃは継手部分８の第２の内
歯８ｂに対して同心的に形成されている。

中空部材１４の中間直径を持つ段部分１４ｄは
第２の内歯１４ｅを持ち、継手部分８の第２の外
歯８ｄが内歯１４ｅに沿つて転動する。この第２
の外歯８ｄは、第２の内歯８ｂに対して同心的に
軸線方向へずれて設けられている。

符号１５で示す回転軸は、保持体９および座席
枠２に、軸線方向移動可能にかつ回転可能に支持
され、その一端が回転ハンドル１６と結合されて
いる。

前述した外歯の歯先円は対向する内歯の歯元円
より少なくとも１つの歯の高さだけ小さく、２つ
の偏心輪１２および１３ａの偏心距離は、内歯の
歯元円と対向する外歯の歯先円との差にほぼ等し
いので、それぞれの内歯と対向する外歯との自動
拘束が保証される。

中空部材１４の最小直径の段部分１４ｆを貫通
する偏心輪１３ａは揺動軸１３と一体で、歯車１
７に結合され、保持体９に回転可能に支持される
ピニオン１８を介して、回転軸１５上に支持され
る歯車１９により回転駆動される。

他方の偏心輪１２は、揺動軸１３上にゆるくは
まり、回転軸１５上に支持される歯車２２にかみ
合う環状歯車２１と一体の円筒部分２０に、同様
に一体に形成されている。両方の歯車１９および
２２は回転軸１５上にゆるくはまつている。

回転軸１５には連結部材２３が固定的に結合さ
れ、回転軸１５は軸線方向に２つの軸線方向位置
へ移動可能である。回転軸１５の軸線方向位置に
応じて、連結部材２３は回転軸１５を選択的に一
方の歯車１９（第４図）または他方の歯車２２
（第３図）に連結する。このため連結部材２３は、
両端面にピン２３ａ，２３ｂを持つ円板として構
成され、これらのピン２３ａまたは２３ｂが回転
軸１５の軸線方向位置に応じて歯車２２の切欠き
２２ａまたは歯車１９の切欠き１９ａにはまる。
軸線方向に移動可能に支持される回転軸１５は、
その軸線方向移動に抗して作用するばね２４の作
用を受けている。

環状歯車２１は、管２５を介して座席の反対側
の対応する環状歯車に結合している。揺動軸１３
は、中実軸を介して座席の反対側の対応する揺動
軸に結合されている。

ピン２６は両方の継手部分８および１１をまと
め、保持体９に揺動軸１３を支持することによ
り、この揺動軸の軸線方向移動が防止される。

図面の第３図は、背もたれ１０の調節を可能に
する個々の部分の位置を示している。この位置に
おいて連結部材２３がピン２３ａにより回転軸１
５を歯車２２に連結し、この歯車２２を介して回
転ハンドルしたがつて回転軸１５の回転運動が環
状歯車２１へ伝達され、さらに偏心輪１２へも伝
達される。偏心輪１２が回転する結果、背もたれ
１０には固定的に結合される継手部分１１の外歯
１１ａ，１１ｂは、座席枠２に結合される継手部
分８の内歯８ａ，８ｂに沿つて転動するので、継
手部分１１したがつて背もたれ１０は、継手部分
８したがつて座席枠２に対して所望の方向に揺動
運動を行なう。

回転軸１５がばね２４の力に抗して第４図に示
す位置へ移動せしめられると、連結部材２３がピ
ン２３ｂにより回転軸１５を歯車１９に連結す
る。回転軸１５の回転運動がピニオン１８を介し
て歯車１７へ伝達され、この歯車と共に揺動軸１
３の偏心輪１３ａも回転する。その結果連結棒５
の中空部材１４の内歯１４ｃ，１４ｅは、継手部
分８の外歯８ｃ，８ｄに沿つて転動し、したがつ
て連結棒５は座席枠２に結合される継手部分８に
対して揺動運動を行なう。連結棒５が点６におい
て座席支持片３に枢着されているので、連結棒５
の中空部材１４の揺動運動の結果、座部分１が回
転軸１５の回転方向に応じて座席支持片３に対し
て上昇または下降せしめられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による自動車用座席の側面図、
第２図は本発明による継手の拡大側面図、第３図
は第２図の−線に沿う断面図、第４図は第２
図の−線に沿う断面図である。 ２…座席枠、３…座席支持片、５…連結棒、８
…第１の継手部分、８ａ，８ｂ，１４ｃ，１４ｅ
…内歯、８ｃ，８ｄ，１１ａ，１１ｂ…外歯、１
０…背もたれ、１１…第２の継手部分、１２，１
３ａ…偏心輪、１３…揺動軸、１４…３段中空部
材、１４ａ，１４ｄ，１４ｆ…段部分、１５…回
転軸、１６…回転ハンドル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 座席枠２に固定的に結合される第１の継手部
   分８と、背もたれ１０に固定的に結合される第２
   の継手部分１１とが、第１の偏心輪１２を持つ揺
   動軸１３を介して互いに揺動可能に結合され、第
   １の継手部分８が第１の内歯８ａを持ち、この第
   １の内歯８ａに沿つて、第２の継手部分１１の外
   歯１１ａが転動可能で、この第１の内歯８ａと共
   に第１のサイクロイド歯車装置を構成し、第１の
   継手部分８が、さらに第１の内歯８ａに対して軸
   線方向にずれかつこれに対して同心的な小さいピ
   ツチ円の第２の内歯８ｂを持ち、この第２の内歯
   ８ｂに沿つて、第２の継手部分１１の第１の外歯
   １１ａに対して軸線方向にずれかつこれに対して
   同心的な小さいピツチ円の第２の外歯１１ｂが転
   動可能で、この第２の内歯８ｂと共に第２のサイ
   クロイド歯車装置を構成し、回転軸１５に結合さ
   れる回転ハンドル１６の回転により、２つのサイ
   クロイド歯車装置を介して、座席の座部分１に対
   する背もたれ１０の傾斜が調節され、座席枠２
   が、その前部範囲および後部範囲に設けられる連
   結棒４および５を介して、座席枠２の下にある座
   席支持片３に高さ調節可能に関節結合されている
   ものにおいて、座席枠２の後部範囲にある連結棒
   ５が、座席支持片３から遠い方の端部を、第１の
   継手部分８の形状に合わされかつ揺動軸１３によ
   り貫通される３段中空部材１４として形成され、
   この中空部材１４の最大直径を持つ第１の段部分
   １４ａが第１の内歯１４ｃを持ち、この第１の内
   歯１４ｃに沿つて、第１の継手部分８の第２の内
   歯８ｂに対して同心的に設けられる第１の外歯８
   ｃが転動可能で、この第１の内歯１４ｃと共に第
   ３のサイクロイド歯車装置を構成し、中空部材１
   ４の中間直径を持つ第２の段部分１４ｄが第２の
   内歯１４ｅを持ち、この第２の内歯１４ｅに沿つ
   て、第１の継手部分８の第１の外歯８ｃに対して
   軸線方向にずれかつこれに対して同心的な小さい
   ピツチ円の第２の外歯８ｄが転動可能で、この第
   ２の内歯１４ｅと共に第４のサイクロイド歯車装
   置を構成し、中空部材１４の最小直径を持つ第３
   の段部分１４ｆが、揺動軸１３に固定的に結合さ
   れる第２の偏心輪１３ａ上に支持され、揺動軸１
   ３上にゆるくはまる第１の偏心輪１２上に第２の
   継手部分１１が支持され、２つの軸線方向位置へ
   切換え可能な回転軸１５により、第１の偏心輪１
   ２または第２の偏心輪１３ａが選択的に回転駆動
   可能であることを特徴とする、調節可能な座席。 ２ ３段中空部材１４の最小直径の段部分１４ｆ
   を貫通する第２の偏心輪１３ａが、座席枠２に支
   持されるピニオン１８を介して、回転軸１５に設
   けられる歯車１９にかみ合うことを特徴とする、
   特許請求の範囲第１項に記載の座席。 ３ 第１の偏心輪１２が、回転軸１５に設けられ
   る歯車２２にかみ合う環状歯車２１と一体な円筒
   部分２０に一体に形成されていることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項に記載の座席。 ４ 回転軸１５に連結部材２３が固定的に結合さ
   れて、回転軸１５の軸線方向位置に応じてこの回
   転軸１５により、一方の歯車２２または他方の歯
   車１９を介して第１の偏心輪１２または第２の偏
   心輪１３ａが駆動可能であることを特徴とする、
   特許請求の範囲第１項に記載の座席。 ５ 連結部材２３が両端面にピン２３ａ，２３ｂ
   を持つ円板であり、これらのピン２３ａまたは２
   ３ｂが回転軸１５の軸線方向位置に応じて一方の
   歯車２２または他方の歯車１９の対応する切欠き
   ２２ａまたは１９ａにはまることを特徴とする、
   特許請求の範囲第４項に記載の座席。 ６ 座席枠２と第１の継手部分８に結合される保
   持体９とに軸線方向移動可能に支持される回転軸
   １５が、ばね２４の作用を受ていることを特徴と
   する、特許請求の範囲第１項に記載の座席。