JPH0234695Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、感光体を用いて画像を形成する機
器、例えば静電複写機およびフアクシミリ、レー
ザビームプリンタ等の現像部において、トナーと
キヤリアとからなる現像剤を撹拌混合する現像剤
拌裄装置の改良に関するものである。

（従来技術） 上記機器は、現像剤が撹拌ローラで撹拌されて
摩擦帯電された後、現像ローラに向けて搬送さ
れ、この現像ローラを介して感光体に供給される
ように構成されている。そして現像剤中のトナー
が感光体上の静電潜像に吸着されて現像が行なわ
れ、かつトナーの消費量に応じて適宜トナーが補
給されてトナー濃度が一定に保たれる。上記感光
体の全幅に亘つて均一な濃度の画像を形成するた
めに上記撹拌ローラにスパイラル羽根を形成し、
ローラの軸方向に現像剤を搬送して撹拌すること
によりトナーとキヤリアとの混合むらを減少させ
るようにした撹拌装置が知られている。この撹拌
装置では、撹拌ローラの軸方向の撹拌作用が充分
得られるという利点がある反面、撹拌ローラの軸
と直角方向の撹拌作用が不足するとともに上記現
像ローラに対する搬送力が不充分になるという欠
点がある。また、実開昭53−4946号公報に示すよ
うに撹拌ローラの回転軸に、現像剤をその軸方向
に移動させるためのスパイラル羽根を形成すると
ともに、このスパイラル羽根の搬送面の背面とこ
れに対向する搬送面との間に、その全域に亘るフ
ラツト羽根を形成し、このフラツト羽根によつて
軸と直角方向に現像剤を移動させるようにした装
置が提案されている。しかし、この撹拌装置で
は、上記フラツト羽根によつてスパイラル羽根の
搬送作用が完全に分断されているため、スパイラ
ル羽根を設けたにも拘らずその搬送作用をほとん
ど期待することができないという欠点があつた。

（考案の目的） この考案は、上記の点に鑑みてなされたもので
あり、スパイラル羽根による現像剤の軸方向の搬
送作用を確保しつつ、その軸と直角方向の搬送作
用をも充分に発揮することができる現像剤撹拌装
置を提供するものである。

（考案の構成） この考案は、トナーとキヤリアとからなる現像
剤を現像剤容器内において撹拌ローラにより撹拌
混合する現像剤撹拌装置において、上記撹拌ロー
ラの回転軸には螺旋状に形成されたスパイラル羽
根と、軸の放射方向および長手方向に伸びる面に
形成された複数個のフラツト羽根とが設けられ、
各フラツト羽根がスパイラル羽根の搬送面の背面
側に記憶され、かつこのフラツト羽根の長さがス
パイラル羽根のピツチ間隔よりも短く形成されて
なるものである。

（実施例） 第１図は複写機等の現像部の構成を示す断面図
であり、同図において、１は感光体ドラム、２は
現像剤容器、３はトナーホツパーである。上記現
像剤容器２の内部には現像ローラ４および撹拌ロ
ーラ５，６が互いに平行に配置され、この現像ロ
ーラ４および撹拌ローラ５，６は図外の駆動源に
よつて回転駆動されるように構成されている。ま
た、トナーホツパー３にはトナー搬送チエーン機
構３０と、トナーセンサ２０からの指示に基づい
てトナーを現像剤容器２内に補給するトナー補給
ローラ３１とが設けられている。

上記撹拌ローラ５の回転軸５０には、第２図に
示すように、その軸方向に現像剤を搬送するよう
に螺旋状に形成されたスパイラル羽根５１と、回
転軸５０の回転方向に現像剤を搬送するように軸
の放射方向と長手方向に伸びる面に形成された多
数のフラツト羽根５２とが設けられている。各フ
ラツト羽根５２は、それぞれスパイラル羽根５１
の1/2ごとに配置され、かつスパイラル羽根５１
の非搬送面（撹拌ローラ５の回転に伴つて被搬送
物に接触して推進力を付与する搬送面５３の背
面）５４に当接した状態で固着されている。ま
た、フラツト羽根５２の長さＬはスパイラル羽根
５１のピツチ間隔Ｐよりも短く形成され、フラツ
ト羽根５２の先端面５５と、これに対向する搬送
面５３との間に所定の間隙が形成されている。ま
た、他方の撹拌ローラ６は、上記撹拌ローラ５と
同様にスパイラル羽根６１と多数のフラツト羽根
６２とを具備している。

なお、この実施例では両撹拌ローラ５，６が同
方向に回転して搬送物を互いに左右逆方向に搬送
するように、スパイラル羽根６１の捩れ方向が上
記スパイラル羽根５１と逆方向に形成されてい
る。そしてこのスパイラル羽根６１の搬送面６３
とフラツト羽根６２の先端面６５との間に所定の
間隔が形成されるようにフラツト羽根６２がスパ
イラル羽根６１の非搬送面６４側に固着されてい
る。

上記現像剤容器２内にはトナーとキヤリアとか
らなる現像剤Ａが収容されている。この現像剤Ａ
は上記撹拌ローラ５，６により撹拌混合されて摩
擦帯電されつつ、現像ローラ４に向けて順次搬送
される。そして、現像ローラ４に内蔵された磁石
の磁力によつて現像剤Ａが吸引されて現像ローラ
４の外周面に磁気ブラシが形成される。この磁気
ブラシは現像ローラ４とともに回転して感光体ド
ラム１上の静電潜像と接触し、これを現像した
後、スクレーパ２１によつて掻き落される。

上記現像によつて消費されたトナー量に応じ、
上記トナーホツパー３から適宜トナーを補給する
ようにトナーセンサ２０から信号が出力される。
そして新しく補給されたトナーは、撹拌ローラ
５，６によりその軸方向および軸と直角方向に撹
拌され、容器２内の現像剤Ａと充分に混合される
こととなる。すなわち、上記トナーおよび現像剤
Ａが撹拌ローラ５，６に形成されたスパイラル羽
根５１，６１によつてローラ５，６の軸方向に搬
送されつつ撹拌混合されるとともに、フラツト羽
根５２，６２によつて回転方向に搬送されつつ撹
拌混合される。また、上記フラツト羽根５２，６
２がスパイラル羽根５１，６１の非搬送面５４，
６４側に配置され、搬送面５３，６３側には障害
物がないため、フラツト羽根５２，６２を設けた
にも拘らず、スパイラル羽根５１，６１による現
像剤の搬送作用は何ら妨げられることなく充分に
発揮される。

したがつて現像剤Ａをむらなく撹拌混合するこ
とができ、上記感光体ドラム１の全幅に亘つて均
一な濃度の画像を形成することができる。また、
現像剤Ａを効果的に摩擦帯電させることができる
とともに、現像ローラ４に対する現像剤の搬送力
を充分に確保することができる。

上記撹拌ローラ５，６のフラツト羽根５２，６
２の形状および配置間隔等は、上記実施例に限定
されることなく、ローラ５，６の回転速度等に応
じて種々の変更が可能である。例えば、フラツト
羽根５２，６２をスパイラル羽根５１，６１の1/
４ピツチごとに配置してフラツト羽根５２，６２
の個数を増やして軸と直角方向の搬送力を増強し
てもよく、逆にフラツト羽根５２，６２の個数を
減らしてもよい。また、第３図に示すように、フ
ラツト羽根５２′の先端面５５′を先下がりの傾斜
面に形成してもよい。さらに、この考案における
フラツト羽根５２，６２は、必ずしも正確な平坦
面に形成する必要はなく、撹拌ローラ５，６の回
転方向に現像剤Ａを搬送するのに充分な程度の搬
送面を具備していればよい。

（考案の効果） 以上説明したように、この考案によれば、スパ
イラル羽根による軸方向の搬送力を低下させるこ
となく、フラツト羽根によつて現像剤を撹拌ロー
ラの軸と直角方向にも搬送することができるた
め、現像剤をむらなく撹拌混合することができ、
感光体上に均一な濃度の画像を形成することがで
きる。しかも現像剤を効果的に摩擦帯電させるこ
とができるとともに、現像ローラに向けて現像剤
を充分に搬送することができるという利点を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す断面図、第２
図は撹拌ローラの構成を示す正面図、第３図は撹
拌ローラの他の実施例を示す正面図である。 ２……現像剤容器、５，６……撹拌ローラ、５
０，６０……回転軸、５１，６１……スパイラル
羽根、５２，６２……フラツト羽根、Ａ……現像
剤、Ｌ……フラツト羽根の長さ、Ｐ……スパイラ
ル羽根のピツチ間隔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トナーとキヤリアとからなる現像剤を現像剤容
   器内において撹拌ローラにより撹拌混合する現像
   剤撹拌装置において、上記撹拌ローラの回転軸に
   は螺旋状に形成されたスパイラル羽根と、軸の放
   射方向および長手方向に伸びる面に形成された複
   数個のフラツト羽根とが設けられ、各フラツト羽
   根がスパイラル羽根の搬送面の背面側に配置さ
   れ、かつこのフラツト羽根の長さがスパイラル羽
   根のピツチ間隔よりも短く形成されてなることを
   特徴とする現像剤撹拌装置。