JPH0223712Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は道路に面した駐車場における出入誘導
装置に関する。

駐車場から引き出した自動車の進行方向を変換
させる装置として、車を載せて回転するターンテ
ーブル式の誘導装置があるが、この誘導装置は駐
車スペース外に設けたもので、該誘導装置を設け
るスペースが、駐車スペースの外に必要である。

このため、駐車場または駐車スペースが道路に
面しているときには、このターンテーブル式の誘
導装置は設備できない。

第１図に示すよう道路に面して作られた駐車場
はその道路の巾が充分に広いときはよいが、同第
１図に示すように、車２の前後長さと略同じ位
の、通常の宅地の道路巾であるときは、駐車場１
の出入口の巾を前後に亘つて余裕をもつて広くし
ておかないと、出入庫の運転操作が円滑に行なえ
ない。

しかし、地価の高い住宅地などで、駐車場のた
めに、広い敷地を確保することは庶民にとつて困
難となつている。

そこで、そのような住宅地などで、車だけが駐
車できる最小限のスペースの駐車場と、そこに車
を出入れする操作が楽になる安価な設備とが要望
されている。

本考案は、このような要望に応えるべく鋭意研
究した結果完成されたもので、その目的とすると
ころは、狭い道路に面する駐車場に対する、車の
出入庫の作業が、その駐車場を車が入れられる最
小限のスペースとしながら、円滑かつ迅速に行な
える新規な誘導装置を提供することにある。

そして本考案においては、この目的を達成する
ために、駐車場の出入口の一側隅部にポストを立
設し、該ポストには入庫させる自動車の巾と略対
応する長さに張り出す横方向ブラケツトを水平回
動可能に支持し、該横方向ブラケツトには、自動
車の車体を載架支持する車台を、前後方向に水平
にスライド可能に支持してなる駐車場における出
入誘導装置を提起するものである。

次に実施の一例を図面に従い詳述する。なお図
面符号は同効の構成部材については従来手段と同
一の符号を用いるものとする。

第２図には、車２（第３図）の前後の長さｌよ
りやや狭い道巾l′の道路３に直交して面する駐車
場１が、該車２の左右の巾ｄと略等しい巾d′に区
劃されて示されている。

該駐車場１の道路３に面する一側隅部１ｂに
は、ポスト４が立設される。該ポスト４は、第５
図に示すように下端がコンクリート５内に埋め込
まれている。

該ポスト４は、第３図に示すように前記駐車場
１の巾d′と略等しい長さに張り出す横方向ブラケ
ツト６を水平に保持しつつ平面視において略90度
往復回動可能となるよう支持している。

該横方向ブラケツト６は、第８図に示すように
前記ポスト４に緊緩自在に嵌合するボス部７と、
該ボス部７から横方向に張り出す主体部６ａとか
らなる。該主体部６ａは前後に巾を有して内外の
両側縁が垂直の立上片６ｂ，６ｂとなつていて、
各立上片６ｂの前後にローラ８，８が軸支され、
そして、外部の立上片６ｂの前後のローラ８，８
の間には、ハンドル９を付設するロツク装置１０
が設けられている。

かくて、これら内外の各立上片６ｂの前後のロ
ーラ８には、車台１１が前後方向にスライド可能
に載置される。

該車台１１は、第９図に示すように、レールを
兼ねるフレーム１２を両側に具備し、これら両側
のフレーム１２，１２が台板１３で連結されて構
成されている。しかし、この台板１３の代りに、
連結用骨材（図示せず）を使用するなどして、車
台の構造を任意に選定することもできる。

前記フレーム１２，１２は、第９図に示すよう
に、縦断面コ字状及び逆コ字状をなしてレールを
兼ねる。即ち、該フレーム１２のコ字状及び逆コ
字状部分にローラ８，８が回転自在になるよう嵌
装され、そして、前後のローラ８，８の間のロツ
ク装置１０は、第７図に示すように、前記逆コ字
状部分の上片１２ａと下片１２ｂとに衝接して制
動するようになつている。なお、このロツク装置
１０に代え、ローラの回動を阻止するブレーキな
どの手段を選定することもある。

前記ポスト４は、前記横方向ブラケツト６を回
動するためそのボス部７を嵌装するに足りる背丈
の低いものとすることもできるが、第４図、第５
図に示すように、前記横方向ブラケツト６を上下
動するために背丈の高いものとすることもでき
る。

該ボス部７は、第５図に示すように、上方と下
方とに軸受１４，１４を内臓し、かつ、第６図に
示すように、軸方向に開裂部７ａのある環状体と
なつていて、その開裂部７ａに締付けと緩みとを
調整するハンドル１５が付設されている。そし
て、該ボス部７を緩めて旋回するとき、平面視で
90度の範囲を往復回動するようストツパー１６を
具備している。

また、該ボス部７には、第６図に示すように、
ポスト４の外周の上下方向に刻設せるラツクギア
１７（第５図）と係合するピニオン１８が軸支さ
れ、該ピニオン１８はウオームギア１９を介して
ハンドル軸２０に連繋して回動可能となつてい
る。そして、このピニオン１８を回動することに
より、第４図に示すように、横方向ブラケツト
６、従つて車台１１に搭載せる車２を上下動させ
るようにも構成することができる。

次に、上述のように構成された駐車場における
出入誘導装置の作用を説明する。

車を駐車場に入庫させるには、先ず、車台１１
を第３図で実線の如く駐車場１内から道路３へ引
き出しロツク装置１０により横方向ブラケツト６
に固定する。続いて、該横方向ブラケツト６のボ
ス部７を緩めた後、該横方向ブラケツト６をポス
ト４を中心に時計回りに90度回動すると、車台１
１も同時に90度回動し道路わきの二点鎖線の位置
に移動する。この場合、ボス部７はポスト４の最
下位に位置し、従つて、車台１１は路面に最も接
近しているので、その位置でボス部７をポスト４
に締付けることで、車台１１をその位置に固定す
る。そして、該車台１１上に車２を搭載する。

次に、前記ボス部７を緩めて、その横方向ブラ
ケツト６をポスト４を中心に反時計回りに90度回
動して、実線位置に戻すと車２を搭載した車台１
１も道路２わきの二点鎖線の位置から道路２に直
交する実線位置に戻る。ここで、ボス部７をポス
ト４に締付けると共に、車台１１の横方向ブラケ
ツト６に対する固定をロツク装置１０により解除
する。そして、該車台１１を駐車場１の奥方にロ
ーラ８を介して案内し、所定位置で該車台１１を
横方向ブラケツト６にロツク装置１０で固定す
る。かくて、車２の駐車場１への入庫作業は終
る。

なお、車２を駐車場１から出庫させるときに
は、前述の入庫作業と逆の操作を行なう。

なお、第４図に示すように、駐車場１に車２を
入庫した後に、車台１１を二点鎖線の如く上方に
移動させるときには、該車台１１の自由端を支柱
２１で支持すると安全である。

以上述べたように、本考案による駐車場におけ
る出入誘導装置は、駐車場の出入口の一側隅部に
ポストを立設し、該ポストには入庫させる自動車
の車体の巾と略対応する長さに張り出す横方向ブ
ラケツトを水平回動可能に支持し、該横方向ブラ
ケツトには、自動車の車体を載架支持する車台
を、前後方向に水平にスライド可能に支持して構
成しているので、地価の高い市街地で、かつ、車
庫入れのため道巾を充分にとれない住宅地などに
居住する者にとつて、車を入庫する最小限のスペ
ースの駐車場を、車の前後長さより狭い道巾の道
路に面して設けた場合でも、本考案の出入誘導装
置により円滑かつ迅速に車の出入庫の作業が行な
えることになり、また、設備費も駐車場を広くす
るために購入する宅地の地価より遥かに安価にな
るので合理的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の駐車場スペースの平面図、第２
図は本考案の駐車場スペースの平面図、第３図は
本考案の所定の設備を具備した駐車場の平面図、
第４図は同上設備を具備した駐車場の側断面図、
第５図は同上設備のうちポスト部分の縦断面図、
第６図は同上設備のうち横方向ブラケツトを保持
するボス部の平面図、第７図は同上設備のうち車
台部分の側面図、第８図は同上設備のうち横方向
ブラケツトの斜視図、第９図は同上設備の縦断正
面図である。 図面符号の説明、ｌ……長さ、ｌ……道巾、ｄ
……長さ、ｄ……巾、１……駐車場、１ａ……隅
部、１ｂ……隅部、１０……ロツク装置、１１…
…車台、１２……フレーム、１２ａ……上片、１
２ｂ……下片、１３……台板、１４……軸受、１
５……ハンドル、１６……ストツパー、１７……
ラツクギア、１８……ピニオン、１９……ウオー
ムギア、２……車、２０……ハンドル軸、２１…
…支柱、３……道路、４……ポスト、５……コン
クリート、６……ブラケツト、６ａ……主体部、
６ｂ……立上片、７……ボス部、７ａ……開裂
部、８……ローラ、９……ハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駐車場の出入口の一側隅部にポストを立設し、
   該ポストには、自動車の巾と略対応する長さに張
   り出す横方向ブラケツトを、水平回動可能に支持
   し、該横方向ブラケツトには、自動車の本体を載
   架支持する車台を、前後方向に水平にスライド可
   能に支持してなる駐車場における出入誘導装置。