JPH0223609B2 - - Google Patents
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- JPH0223609B2 JPH0223609B2 JP4342582A JP4342582A JPH0223609B2 JP H0223609 B2 JPH0223609 B2 JP H0223609B2 JP 4342582 A JP4342582 A JP 4342582A JP 4342582 A JP4342582 A JP 4342582A JP H0223609 B2 JPH0223609 B2 JP H0223609B2
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
本発明は糸条の長手方向に未解撚部と過解撚部
とを交互に有する特殊複合加工糸の製造方法に係
り、さらに詳しくは残留伸度が異なる糸条を引揃
えて仮撚加工した糸条に非定常仮撚加工を施すこ
とにより、未解撚部と過解撚部の撚密度及び撚の
安定性が向上し、かつ糸条間のずれが生じにくい
特殊複合加工糸の製造方法に関するものである。 従来、仮撚加工において仮撚スピンドルや仮撚
ノズル等の仮撚施撚体を間歇的に作動させる等の
非定常仮撚操作を施すことにより糸条の長手方向
に未解撚部と過解撚部とを交互に形成せしめる技
術としては特公昭39−12891号公報、特公昭40−
14615号公報、特公昭49−8414号公報、特開昭49
−108353号公報、特開昭51−49949号公報、特開
昭53−61745号公報などに提案されている。本発
明者らはこれら従来技術に共通した欠点である仮
撚加撚方向の撚を有する未解撚部が仮撚解撚方向
の撚を有する過解撚部のような嵩高性がないとい
う欠点を解消するために、熱可塑性合成繊維マル
チフイラメントの嵩高加工糸に非定常仮撚加工を
施すことによつて未解撚部と過解撚部の見掛けの
嵩高性を実質的に等しくする技術を昭和57年2月
9日付の特許出願にすでに提案済みであるが、捲
縮加工が施されていない原糸を供給糸とする場合
はもちろんのこと、同一捲縮波形の嵩高加工糸を
供給糸とする場合においても構成単糸間の撚形態
に差がないため交互撚の撚変換点で撚の伝播が発
生しやすくて撚の安定性が悪く、編織等の後加工
時に受ける張力で未解撚部と過解撚部の撚が相殺
されて布帛に糸条の持つ高度な撚密度を有効に具
現できないという欠点がある。 本発明は上記の点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは残留伸度が異なる糸
条を供給糸とする複合捲縮糸に非定常仮撚加工を
施すことにより未解撚部と過解撚部の撚密度はも
ちろんのこと撚の安定性が著しく向上し、かつ糸
条間のずれが生じにくい特殊複合加工糸の製造方
法を提供するにある。 すなわち、本発明は少なくとも1種が延伸糸で
他の1種が前記延伸糸より残留伸度が10%以上大
なる糸条からなる2種以上の熱可塑性合成繊維マ
ルチフイラメントを引揃えて仮撚捲縮加工を施
し、次いで得られた複合捲縮糸を仮撚施撚体によ
り同一撚方向に間歇的に加撚するか、又は異なる
撚方向に交互に間歇的もしくは連続的に加撚する
ことを特徴とする特殊複合加工糸の製造方法を要
旨とするものである。 以下、本発明を詳細に説明するが、非定常仮撚
加工を施す仮撚施撚体の一例として圧縮流体を用
いた施撚ノズル(以下ノズルと称す)による一方
向間歇施撚の場合について説明する。 まず、少なくとも1種が延伸糸で、他の1種が
前記延伸糸より残留伸度が10%以上大なる糸条
(以下高伸度糸と称す)からなる2種以上の熱可
塑性合成繊維マルチフイラメントを引揃えて加撚
一熱固定一解撚の定常仮撚加工工程に通し、延伸
糸と高伸度糸に異なつた波形の捲縮すなわち振
幅、波長などの異なる捲縮を付与すると同時に残
留伸度の小さな延伸糸を芯糸として高伸度糸が
SZ状に捲回した複合捲縮糸となす。次いで得ら
れた複合捲縮糸を非定常仮撚工程に通し、ノズル
に流体を間歇的に供給することによつて糸条の施
回停止を繰返し、糸条に仮撚の過渡現象を利用し
た交互撚を付与する。この場合、まずノズルに流
体を供給すると、ノズル通過以前の加撚ゾーンで
施撚された撚は熱固定装置によつて熱固定され、
次いで流体の供給を停止すると加撚ゾーンで熱固
定された撚はノズル通過以降の解撚ゾーンにおい
ては解撚作用を受けることなく通過し加撚方向の
撚を有する未解撚部が引出される。流体の停止に
よつて解撚ゾーンを通過する糸条部分の加撚撚が
減少してくるが、ここで流体の供給を再開すると
解燃ゾーンにおいて急激な解撚作用を受け、解撚
方向の撚を有する過解撚部が引出され、また未解
撚部から過解撚部に至る区間及び過解撚部から未
解撚部に至る区間において無撚部が引出される。 上記のように流体の停止時には未解撚部が、流
体の供給時には過解撚部が引出されるが、延伸糸
に高伸度糸がSZ状に捲回した複合捲縮糸に非定
常仮撚加工を施して交互撚を付与するので、得ら
れる特殊複合加工糸の未解撚部にあつては延伸糸
に未解撚方向の撚で捲回していた高伸度糸部分の
捲回密度が大となり、一方解撚方向の撚で捲回し
ていた高伸度糸部分は捲回密度が相対的に少さく
なり、加撚方向の撚を有する延伸糸に延伸糸とは
異なる撚密度で高伸度糸が捲回した形態を有す
る。同様にして過解撚部においても高伸度糸の捲
回密度が変化し、解撚方向の撚を有する延伸糸に
延伸糸とは異なる撚密度で高伸度糸が捲回した形
態となり、高伸度糸の捲回密度の変化によつて自
然な凹凸斑が形成される。 本発明で得られる特殊複合加工糸は未解撚部と
過解撚部の撚密度が高く、また撚安定性がよくて
撚の相殺が生じにくく、さらにしごきによる延伸
糸と高伸度糸間のずれも生じにくいという利点を
有する。 上記の利点を有する理由は明確ではないが、以
下の理由によるものと思われる。 すなわち、本発明はまず延伸糸と高伸度糸を引
揃えて定常仮撚加工を施すので、残留伸度が小さ
な延伸糸の張力が高くなつて芯糸となり、芯糸の
周りに残留伸度の大きな高伸度糸がSZ交互に捲
回した複合捲縮糸が得られるが、高伸度糸は繊維
構造が延伸糸より不安定で熱処理によつて撚が固
定されやすいため、複合捲縮糸に非定常仮撚加工
を施すと延伸糸と高伸度糸はずれることなく一体
として旋回し、施撚性が向上する。しかも高伸度
糸は定常仮撚加工で熱処理を受けたといえども依
然として繊維構造が延伸糸より不安定で非定常仮
撚時の熱処理によつて撚が固定されやすいため、
固定性のよい高度な撚密度を有する高伸度糸の捲
付きによつて延伸糸の撚も安定化し、高度な撚密
度を有する未解撚部と過解撚部を形成することが
できる。 また上記で得られる糸条の未解撚部と過解撚部
は捲縮を有する延伸糸を芯糸として、延伸糸とは
異なる捲縮波形を有し、かつ撚固定性のよい高伸
度糸が高密度の撚で捲回して形成されているた
め、延伸糸と高伸度糸間の捲縮波形差及び撚形態
差と撚固定性のよい高伸度糸の高密度な捲回が相
まつて編織等の加工時に受ける張力に対する撚の
安定性が著しく向上し、撚の相殺が生じにくいの
で、未解撚部と過解撚部が有する高度な撚密度を
布帛に効率よく具現できる。 さらに非定常仮撚加工への供給糸となる複合捲
縮糸のような芯さや状の糸条は一般に芯糸に撚が
なく、さや糸の撚密度も低いため捲縮が伸びやす
く、そのため編織等の加工時にガイド等のしごき
によつて糸条間にずれを生じやすいが、前記と同
様に延伸糸と高伸度糸間の捲縮波形差及び撚形能
差と撚固定性のよい高伸度糸の高密度な捲付によ
つて糸条安定性が向上し、しごき等による延伸糸
と高伸度糸間のずれを防止することができる。 以上のように本発明は延伸糸と高伸度糸を引揃
えて定常仮撚加工して得られた複合捲縮糸に非定
常仮撚加工を施すことにより、長手方向に高度な
撚密度の未解撚部と過解撚部とを交互に有し、か
つ撚の安定性が著しく向上し、しかも糸条間にず
れを生じにくい特殊複合加工糸を提供できるもの
であるが、かかる効果を奏するためには供給糸と
して少なくとも1種は延伸糸で他の1種は前記延
伸糸より残留伸度が10%以上、好ましくは30%以
上大なる2種以上の熱可塑性合成繊維マルチフイ
ラメントを引揃えた糸条を用いる点が重要であ
り、残留伸度差が10%未満の場合には高伸度糸の
性状が延伸糸の性状に近づき、定常仮撚加工にお
ける芯さや構造が不明瞭になるとともに定常仮撚
加工時の熱処理によつて高伸度糸の繊維構造が安
定化して非定常仮撚加工時の撚固定性が低下する
ので上記効果は得られない。 本発明における供給糸としては延伸糸としては
ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性合成繊維
マルチフイラメントの延伸糸を使用することがで
き、また高伸度糸としては前記延伸糸と同種又は
異種の熱可塑性合成繊維マルチフイラメントの延
伸糸もしくは高配向未延伸糸で、前記延伸糸より
残留伸度が10%以上大なる糸条を使用することが
でき、さらに延伸糸及び/又は高伸度糸として残
留伸度の異なる2本以上の糸条を組合せてもよ
い。また延伸糸と高伸度糸に加えて延伸糸と高伸
度糸の中間の残留伸度を有する糸条を併用しても
よい。 また定常仮撚加工及び非定常仮撚加工で使用す
る仮撚施撚体としては前述したような圧縮流体を
用いた施撚ノズルの他にベルト駆動によるスピン
ドル式施撚体、摩擦式施撚体、空気スピンドル式
施撚体等を使用することができる。 さらに非定常仮撚加工を行う方法としては、仮
撚施撚体によりS方向又はZ方向に間歇的に加撚
する方法、S方向及びZ方向交互にかつ間歇的に
加撚する方法、S方向及びZ方向交互にかつ連続
的に加撚する方法等を採用することができる。S
方向及びZ方向に交互に連続的に加撚する場合、
1つの仮撚施撚体の撚方向を変える他に糸条の走
行方向に沿つて施撚方向の異なる2個以上の仮撚
施撚体を設けて加撚するようにしてもよい。 なお、定常仮撚加工と後続する非定常仮撚加工
は連続して行つても非連続に行つてもよく、また
加撚方向は同方向でも異なる方向でもよい。 次に本発明の一実施態様を図面により説明す
る。第1図において、延伸糸1と高伸度糸2をフ
イードローラ3で引揃えて定常仮撚工程に供給
し、第1ヒータ4と定速回転するスピンドル5に
より定常仮撚加工を施して延伸糸1に高伸度糸2
がS,Z状に捲回した複合捲縮糸となす。次いで
複合捲縮糸を第1デリベリローラ6で引出して非
定常仮撚工程に供給し、第2ヒータ7と流体の供
給、停止により間歇的に施撚作用を施す施撚ノズ
ル8により非定常な仮撚加工を施した後、第2デ
リベリローラ9により引取り、第2図のように延
伸糸1に高伸度糸2が捲回した状態で長手方向に
高度な撚密度の未解撚部12と過解撚部13とを
交互に有する特殊複合加工糸10をパツケージ1
1に捲取る。第2図中14は未解撚部12から過
解撚部13に至る間に形成される無撚部、15は
過解撚部13から未解撚部12に至る間に形成さ
れる無撚部である。 本発明においては上記のような構成を採取した
ので、未解撚部と過解撚部の撚密度が高く、撚の
安定性がよくしかも構成糸条間のずれが生じにく
い複合加工糸を得ることができる。 以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1〜3、比較例1〜3 表1に示したように各種組合せの延伸糸と高伸
度糸を引揃えて第1図に示す工程でスピンドルに
よる定常仮撚加工とノズルによつて一方向間歇施
撚を行なう非定常仮撚加工を連続して行い、延伸
糸に高伸度糸が捲回した状態で長手方向に未解撚
部と過解撚部とを交互に有する特殊複合加工糸を
得た。
とを交互に有する特殊複合加工糸の製造方法に係
り、さらに詳しくは残留伸度が異なる糸条を引揃
えて仮撚加工した糸条に非定常仮撚加工を施すこ
とにより、未解撚部と過解撚部の撚密度及び撚の
安定性が向上し、かつ糸条間のずれが生じにくい
特殊複合加工糸の製造方法に関するものである。 従来、仮撚加工において仮撚スピンドルや仮撚
ノズル等の仮撚施撚体を間歇的に作動させる等の
非定常仮撚操作を施すことにより糸条の長手方向
に未解撚部と過解撚部とを交互に形成せしめる技
術としては特公昭39−12891号公報、特公昭40−
14615号公報、特公昭49−8414号公報、特開昭49
−108353号公報、特開昭51−49949号公報、特開
昭53−61745号公報などに提案されている。本発
明者らはこれら従来技術に共通した欠点である仮
撚加撚方向の撚を有する未解撚部が仮撚解撚方向
の撚を有する過解撚部のような嵩高性がないとい
う欠点を解消するために、熱可塑性合成繊維マル
チフイラメントの嵩高加工糸に非定常仮撚加工を
施すことによつて未解撚部と過解撚部の見掛けの
嵩高性を実質的に等しくする技術を昭和57年2月
9日付の特許出願にすでに提案済みであるが、捲
縮加工が施されていない原糸を供給糸とする場合
はもちろんのこと、同一捲縮波形の嵩高加工糸を
供給糸とする場合においても構成単糸間の撚形態
に差がないため交互撚の撚変換点で撚の伝播が発
生しやすくて撚の安定性が悪く、編織等の後加工
時に受ける張力で未解撚部と過解撚部の撚が相殺
されて布帛に糸条の持つ高度な撚密度を有効に具
現できないという欠点がある。 本発明は上記の点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは残留伸度が異なる糸
条を供給糸とする複合捲縮糸に非定常仮撚加工を
施すことにより未解撚部と過解撚部の撚密度はも
ちろんのこと撚の安定性が著しく向上し、かつ糸
条間のずれが生じにくい特殊複合加工糸の製造方
法を提供するにある。 すなわち、本発明は少なくとも1種が延伸糸で
他の1種が前記延伸糸より残留伸度が10%以上大
なる糸条からなる2種以上の熱可塑性合成繊維マ
ルチフイラメントを引揃えて仮撚捲縮加工を施
し、次いで得られた複合捲縮糸を仮撚施撚体によ
り同一撚方向に間歇的に加撚するか、又は異なる
撚方向に交互に間歇的もしくは連続的に加撚する
ことを特徴とする特殊複合加工糸の製造方法を要
旨とするものである。 以下、本発明を詳細に説明するが、非定常仮撚
加工を施す仮撚施撚体の一例として圧縮流体を用
いた施撚ノズル(以下ノズルと称す)による一方
向間歇施撚の場合について説明する。 まず、少なくとも1種が延伸糸で、他の1種が
前記延伸糸より残留伸度が10%以上大なる糸条
(以下高伸度糸と称す)からなる2種以上の熱可
塑性合成繊維マルチフイラメントを引揃えて加撚
一熱固定一解撚の定常仮撚加工工程に通し、延伸
糸と高伸度糸に異なつた波形の捲縮すなわち振
幅、波長などの異なる捲縮を付与すると同時に残
留伸度の小さな延伸糸を芯糸として高伸度糸が
SZ状に捲回した複合捲縮糸となす。次いで得ら
れた複合捲縮糸を非定常仮撚工程に通し、ノズル
に流体を間歇的に供給することによつて糸条の施
回停止を繰返し、糸条に仮撚の過渡現象を利用し
た交互撚を付与する。この場合、まずノズルに流
体を供給すると、ノズル通過以前の加撚ゾーンで
施撚された撚は熱固定装置によつて熱固定され、
次いで流体の供給を停止すると加撚ゾーンで熱固
定された撚はノズル通過以降の解撚ゾーンにおい
ては解撚作用を受けることなく通過し加撚方向の
撚を有する未解撚部が引出される。流体の停止に
よつて解撚ゾーンを通過する糸条部分の加撚撚が
減少してくるが、ここで流体の供給を再開すると
解燃ゾーンにおいて急激な解撚作用を受け、解撚
方向の撚を有する過解撚部が引出され、また未解
撚部から過解撚部に至る区間及び過解撚部から未
解撚部に至る区間において無撚部が引出される。 上記のように流体の停止時には未解撚部が、流
体の供給時には過解撚部が引出されるが、延伸糸
に高伸度糸がSZ状に捲回した複合捲縮糸に非定
常仮撚加工を施して交互撚を付与するので、得ら
れる特殊複合加工糸の未解撚部にあつては延伸糸
に未解撚方向の撚で捲回していた高伸度糸部分の
捲回密度が大となり、一方解撚方向の撚で捲回し
ていた高伸度糸部分は捲回密度が相対的に少さく
なり、加撚方向の撚を有する延伸糸に延伸糸とは
異なる撚密度で高伸度糸が捲回した形態を有す
る。同様にして過解撚部においても高伸度糸の捲
回密度が変化し、解撚方向の撚を有する延伸糸に
延伸糸とは異なる撚密度で高伸度糸が捲回した形
態となり、高伸度糸の捲回密度の変化によつて自
然な凹凸斑が形成される。 本発明で得られる特殊複合加工糸は未解撚部と
過解撚部の撚密度が高く、また撚安定性がよくて
撚の相殺が生じにくく、さらにしごきによる延伸
糸と高伸度糸間のずれも生じにくいという利点を
有する。 上記の利点を有する理由は明確ではないが、以
下の理由によるものと思われる。 すなわち、本発明はまず延伸糸と高伸度糸を引
揃えて定常仮撚加工を施すので、残留伸度が小さ
な延伸糸の張力が高くなつて芯糸となり、芯糸の
周りに残留伸度の大きな高伸度糸がSZ交互に捲
回した複合捲縮糸が得られるが、高伸度糸は繊維
構造が延伸糸より不安定で熱処理によつて撚が固
定されやすいため、複合捲縮糸に非定常仮撚加工
を施すと延伸糸と高伸度糸はずれることなく一体
として旋回し、施撚性が向上する。しかも高伸度
糸は定常仮撚加工で熱処理を受けたといえども依
然として繊維構造が延伸糸より不安定で非定常仮
撚時の熱処理によつて撚が固定されやすいため、
固定性のよい高度な撚密度を有する高伸度糸の捲
付きによつて延伸糸の撚も安定化し、高度な撚密
度を有する未解撚部と過解撚部を形成することが
できる。 また上記で得られる糸条の未解撚部と過解撚部
は捲縮を有する延伸糸を芯糸として、延伸糸とは
異なる捲縮波形を有し、かつ撚固定性のよい高伸
度糸が高密度の撚で捲回して形成されているた
め、延伸糸と高伸度糸間の捲縮波形差及び撚形態
差と撚固定性のよい高伸度糸の高密度な捲回が相
まつて編織等の加工時に受ける張力に対する撚の
安定性が著しく向上し、撚の相殺が生じにくいの
で、未解撚部と過解撚部が有する高度な撚密度を
布帛に効率よく具現できる。 さらに非定常仮撚加工への供給糸となる複合捲
縮糸のような芯さや状の糸条は一般に芯糸に撚が
なく、さや糸の撚密度も低いため捲縮が伸びやす
く、そのため編織等の加工時にガイド等のしごき
によつて糸条間にずれを生じやすいが、前記と同
様に延伸糸と高伸度糸間の捲縮波形差及び撚形能
差と撚固定性のよい高伸度糸の高密度な捲付によ
つて糸条安定性が向上し、しごき等による延伸糸
と高伸度糸間のずれを防止することができる。 以上のように本発明は延伸糸と高伸度糸を引揃
えて定常仮撚加工して得られた複合捲縮糸に非定
常仮撚加工を施すことにより、長手方向に高度な
撚密度の未解撚部と過解撚部とを交互に有し、か
つ撚の安定性が著しく向上し、しかも糸条間にず
れを生じにくい特殊複合加工糸を提供できるもの
であるが、かかる効果を奏するためには供給糸と
して少なくとも1種は延伸糸で他の1種は前記延
伸糸より残留伸度が10%以上、好ましくは30%以
上大なる2種以上の熱可塑性合成繊維マルチフイ
ラメントを引揃えた糸条を用いる点が重要であ
り、残留伸度差が10%未満の場合には高伸度糸の
性状が延伸糸の性状に近づき、定常仮撚加工にお
ける芯さや構造が不明瞭になるとともに定常仮撚
加工時の熱処理によつて高伸度糸の繊維構造が安
定化して非定常仮撚加工時の撚固定性が低下する
ので上記効果は得られない。 本発明における供給糸としては延伸糸としては
ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性合成繊維
マルチフイラメントの延伸糸を使用することがで
き、また高伸度糸としては前記延伸糸と同種又は
異種の熱可塑性合成繊維マルチフイラメントの延
伸糸もしくは高配向未延伸糸で、前記延伸糸より
残留伸度が10%以上大なる糸条を使用することが
でき、さらに延伸糸及び/又は高伸度糸として残
留伸度の異なる2本以上の糸条を組合せてもよ
い。また延伸糸と高伸度糸に加えて延伸糸と高伸
度糸の中間の残留伸度を有する糸条を併用しても
よい。 また定常仮撚加工及び非定常仮撚加工で使用す
る仮撚施撚体としては前述したような圧縮流体を
用いた施撚ノズルの他にベルト駆動によるスピン
ドル式施撚体、摩擦式施撚体、空気スピンドル式
施撚体等を使用することができる。 さらに非定常仮撚加工を行う方法としては、仮
撚施撚体によりS方向又はZ方向に間歇的に加撚
する方法、S方向及びZ方向交互にかつ間歇的に
加撚する方法、S方向及びZ方向交互にかつ連続
的に加撚する方法等を採用することができる。S
方向及びZ方向に交互に連続的に加撚する場合、
1つの仮撚施撚体の撚方向を変える他に糸条の走
行方向に沿つて施撚方向の異なる2個以上の仮撚
施撚体を設けて加撚するようにしてもよい。 なお、定常仮撚加工と後続する非定常仮撚加工
は連続して行つても非連続に行つてもよく、また
加撚方向は同方向でも異なる方向でもよい。 次に本発明の一実施態様を図面により説明す
る。第1図において、延伸糸1と高伸度糸2をフ
イードローラ3で引揃えて定常仮撚工程に供給
し、第1ヒータ4と定速回転するスピンドル5に
より定常仮撚加工を施して延伸糸1に高伸度糸2
がS,Z状に捲回した複合捲縮糸となす。次いで
複合捲縮糸を第1デリベリローラ6で引出して非
定常仮撚工程に供給し、第2ヒータ7と流体の供
給、停止により間歇的に施撚作用を施す施撚ノズ
ル8により非定常な仮撚加工を施した後、第2デ
リベリローラ9により引取り、第2図のように延
伸糸1に高伸度糸2が捲回した状態で長手方向に
高度な撚密度の未解撚部12と過解撚部13とを
交互に有する特殊複合加工糸10をパツケージ1
1に捲取る。第2図中14は未解撚部12から過
解撚部13に至る間に形成される無撚部、15は
過解撚部13から未解撚部12に至る間に形成さ
れる無撚部である。 本発明においては上記のような構成を採取した
ので、未解撚部と過解撚部の撚密度が高く、撚の
安定性がよくしかも構成糸条間のずれが生じにく
い複合加工糸を得ることができる。 以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1〜3、比較例1〜3 表1に示したように各種組合せの延伸糸と高伸
度糸を引揃えて第1図に示す工程でスピンドルに
よる定常仮撚加工とノズルによつて一方向間歇施
撚を行なう非定常仮撚加工を連続して行い、延伸
糸に高伸度糸が捲回した状態で長手方向に未解撚
部と過解撚部とを交互に有する特殊複合加工糸を
得た。
【表】
得られた各糸条の特性を表2に示す。
表2から明らかなように実施例1〜3の糸条は
残存撚数,撚の安定性,糸条間のずれ防止性とも
平均してよく特に延伸糸と高伸度糸間の残留伸度
差が30%以上ある実施例2,3はその傾向が大で
あつた。
残存撚数,撚の安定性,糸条間のずれ防止性とも
平均してよく特に延伸糸と高伸度糸間の残留伸度
差が30%以上ある実施例2,3はその傾向が大で
あつた。
【表】
ただし、×:悪い、△:普通、○
:よい、◎:非常によい
なお、残存撚数は糸条に2mg/dの緊張を付与
し、任意の未解撚部、過解撚部各5カ所において
各部の全長にわたり5cm間隔で検撚して各撚部で
の最大撚数をもつて未解撚部又は過解撚部の撚数
(T/Mに換算)とし、各糸条間の撚数を比較し
て撚数の大なる糸条ほどよいとした。撚の安定性
は糸条に0.3/dの緊張を付与して吊下げ、無撚
部を境として未解撚部と過解撚部間の撚の伝播
(相殺)状態を観察し、糸条間における撚の伝播
状態を比較して伝播しにくい糸条ほどよいとし
た。糸条間のずれは前田機械(株)製抱合力試験機を
用い、50゜,80゜,50゜の三角形の頂点部に配置され
た3つの筬羽に糸条を通して0.1g/dの緊張下
に糸条の両端を固定し、3つの筬羽を一体として
糸条の長手方向に摺動させ、300回摺動後の糸条
間のずれを比較した。ただし試料の両端間の距離
は250mm、摺動長は27mm、摺動回転数は100回/分
とした。
:よい、◎:非常によい
なお、残存撚数は糸条に2mg/dの緊張を付与
し、任意の未解撚部、過解撚部各5カ所において
各部の全長にわたり5cm間隔で検撚して各撚部で
の最大撚数をもつて未解撚部又は過解撚部の撚数
(T/Mに換算)とし、各糸条間の撚数を比較し
て撚数の大なる糸条ほどよいとした。撚の安定性
は糸条に0.3/dの緊張を付与して吊下げ、無撚
部を境として未解撚部と過解撚部間の撚の伝播
(相殺)状態を観察し、糸条間における撚の伝播
状態を比較して伝播しにくい糸条ほどよいとし
た。糸条間のずれは前田機械(株)製抱合力試験機を
用い、50゜,80゜,50゜の三角形の頂点部に配置され
た3つの筬羽に糸条を通して0.1g/dの緊張下
に糸条の両端を固定し、3つの筬羽を一体として
糸条の長手方向に摺動させ、300回摺動後の糸条
間のずれを比較した。ただし試料の両端間の距離
は250mm、摺動長は27mm、摺動回転数は100回/分
とした。
第1図は本発明の一実施態様を示す概略製造工
程図、第2図は同上で得られる特殊複合加工糸の
一例の概略側面図であり、1は延伸糸、2は高伸
度糸、4は第1ヒータ、5はスピルドル、7は第
2ヒータ、8は施撚ノズルである。
程図、第2図は同上で得られる特殊複合加工糸の
一例の概略側面図であり、1は延伸糸、2は高伸
度糸、4は第1ヒータ、5はスピルドル、7は第
2ヒータ、8は施撚ノズルである。
Claims (1)
- 1 少なくとも1種が延伸糸で他の1種が前記延
伸糸より残留伸度が10%以上大なる糸条からなる
2種以上の熱可塑性合成繊維マルチフイラメント
を引揃えて仮撚捲縮加工を施し、次いで得られた
複合捲縮糸を仮撚施撚体により同一撚方向に間歇
的に加撚するか、又は異なる撚方向に交互に間歇
的もしくは連続的に加撚することを特徴とする特
殊複合加工糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4342582A JPS58163734A (ja) | 1982-03-17 | 1982-03-17 | 特殊複合加工糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4342582A JPS58163734A (ja) | 1982-03-17 | 1982-03-17 | 特殊複合加工糸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58163734A JPS58163734A (ja) | 1983-09-28 |
JPH0223609B2 true JPH0223609B2 (ja) | 1990-05-24 |
Family
ID=12663340
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4342582A Granted JPS58163734A (ja) | 1982-03-17 | 1982-03-17 | 特殊複合加工糸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58163734A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH076108B2 (ja) * | 1986-02-17 | 1995-01-25 | ユニチカ株式会社 | 嵩高加工糸の製造方法 |
-
1982
- 1982-03-17 JP JP4342582A patent/JPS58163734A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58163734A (ja) | 1983-09-28 |
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