JPH0155172B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ずり重ねられた枚葉紙流を給紙装置
から印刷機又はその他の枚葉紙加工機械へ見当正
しく連続的に搬送し、しかも枚葉紙をサクシヨン
空気によつて搬送装置上の所定位置に保持しつつ
搬送する方法と装置に関する。

〈従来技術〉 前記形式の方法乃至装置はドイツ国特許第
713529号明細書に基づいて公知になつている。

サクシヨン空気で負荷される搬送テーブルを用
いて枚葉紙は互にずり重ねた状態で印刷機に搬送
される。この場合の有利な点は、保持部材を備え
た装置が搬送テーブルの上側を封鎖乃至妨害する
ことがないことである。これによつて稼動中断時
にも搬送テーブル上の枚葉紙に充分接近すること
が可能になる。また事故の危険が避けられ、また
フレームのすべての要素を調整する必要もなくな
る。

前記ドイツ国特許第713529号明細書には、刷紙
印刷機及び類似機械用の給紙装置における枚葉紙
搬送装置が開示されている。この場合、サクシヨ
ン穴を有するエンドレスのベルトは搬送テーブル
のサクシヨンスリツトの上を走行する。該サクシ
ヨンスリツトから空気を吸出することによつて枚
葉紙は多穴ベルト上に確保されて前方へ向つて搬
送される。しかしながらサクシヨンスリツトの容
積が小であることとピストンポンプを配置してい
ることが不利である。これによつては装置の確実
な搬送作用は保証されない。更に又、搬送作用を
得るためには比較的高い負圧が必要であり、この
高い負圧によつて搬送テーブル上での多穴ベルト
の摩擦が高められることになる。

前記の公知の装置の欠点は、ドイツ連邦共和国
特許出願公開第2523482号明細書に開示されてい
るような、湿つたベニヤ板をベルト乾燥機又は円
筒乾燥機へ自動的に給装し、かつ前記乾燥機から
進出する乾燥したベニヤ板を卸して積重ねる装置
によつて避けられる。この場合穿穴された搬送ベ
ルトは大容積のサクシヨンボツクスをめぐつてガ
イドされている。該搬送ベルトは、前記サクシヨ
ンボツクスの下側では、このサクシヨンボツクス
の上面に平行に走行する。該上面は複数の開口を
有している。サクシヨンボツクスは前記開口に向
い合つた側に、サクシヨン空気源としての送風機
を備えている。これによつてサクシヨンボツクス
の下側の全面にわたつて、均一に分布した負圧が
発生し、かつ又、サクシヨンボツクスの大きな容
積によつて負圧の蓄圧作用が得られる。しかしな
がら、この公知の装置の顕著な欠点は、殊に該装
置を枚葉紙搬送装置として構成しようとする場合
には、ずり重ねた枚葉紙を時間的に正確に調和さ
せて所期のように搬送することができないことで
ある。なかんづく、前記の乾燥機の代替物である
印刷機の方向整正装置（つまり見当装置）への引
渡し範囲において個々の枚葉紙を所期のように移
送することが不可能である。枚葉紙の位置乃至姿
勢あるいは枚葉紙の時間的に正確な到来を考慮す
ることなく枚葉紙は最後まで固定的に保たれるの
である。

また、枚葉紙の方向整正を行なうことのできる
装置も公知になつている。例えばドイツ国特許第
836355号明細書に記載されている公知の枚葉紙用
給紙装置は、搬送ベルトと協働する搬送テーブル
の端部に付加的なサクシヨン部材を有しており、
該サクシヨン部材はサクシヨンローラとして構成
されており、かつ、フロントゲージへ搬送すべき
枚葉紙の端部に上側から作用する。この装置の欠
点は、サクシヨンローラがその運動並びにサクシ
ヨン空気の負荷について時間的に制御されねばな
らないことである。この公知技術では枚葉紙を過
度に搬送し、それによつてフロントゲージに支え
られて枚葉紙の中央が上反りを起すことがないよ
うにする保証はない。そればかりか装置全体が枚
葉紙端部の上に正確に設置されねばならず、給紙
台上に位置する枚葉紙へのアクセス（接近）を阻
止する。

この形式の別の装置を開示しているのがドイツ
連邦共和国特許第1152707号明細書である。この
公知の枚葉紙減速兼方向整正装置は、搬送テーブ
ルの左右に配置されていて枚葉紙を減速してフロ
ントゲージに対して方向整正するのに適したサク
シヨン室をサクシヨンローラの形でか又は多穴搬
送ベルトの巻掛けられたサクシヨンボツクスの形
で有している。搬送ベルトの速度は、搬送テーブ
ルの搬送ベルトの速度より低い。この場合も搬送
装置は搬送テーブルに続いて印刷機の給紙台の手
前に配置されており、従つてフロントゲージまで
大きな距離を有しているため、この搬送装置の作
用は、枚葉紙がフロントゲージに支えられて方向
整正機構の搬送作用によつて上反りを起す危険を
孕んでいる。この場合、方向整正機構が給紙台の
上位に存在しているという前述の装置の欠点は避
けられはするが、制御に手間がかかるという欠点
はこの場合も依然として存続している。これに加
えてこの給紙装置の作業速度は、付加的な方向整
正機構の搬送速度の低下によつて遅くなる。

〈発明の課題〉 それゆえに本発明の課題は、印刷機の当てつけ
式見当合せを保証すると共に、サイドゲージが枚
葉紙を申し分なく引張りうるようにし、かつ又、
枚葉紙がフロントゲージから跳ね返らないように
する以外に、特に印刷時の最初の枚葉紙と最終枚
葉紙を見当正しく印刷機に供給しようとすること
である。

〈発明の方法上の構成〉 前記課題を解決する本発明の方法上の手段は、
搬送テーブルにおけるサクシヨン空気を、搬送す
べき枚葉紙に調和させ、枚葉紙が前縁及び側縁の
方向整正用フロントゲージ及びサイドゲージに達
すると前記枚葉紙を、サクシヨン空気で負荷され
た搬送テーブルから解放し、枚葉紙の中央に又は
中央近くに枚葉紙の走行方向に前記搬送テーブル
に接続して配置された単数又は複数の付加的な搬
送装置によつて、前記フロントゲージ（前当て）
及びサイドゲージ（横当て）に対して方向整正す
るために移送し、しかも該方向整正のために枚葉
紙の前縁及び側縁を可動に維持する点にある。

〈発明の装置上の構成〉 本発明の装置は、サクシヨンボツクスと、該サ
クシヨンボツクスをめぐつて循環しかつ該サクシ
ヨンボツクスの上側の複数の開口に沿つてガイド
されるエンドレスの多穴ベルトと、前記サクシヨ
ンボツクスの下側を閉鎖する送風機とから成る搬
送テーブルを備えた形式の、枚葉紙を見当正しく
印刷機へ搬送する装置を技術上の出発点とし、か
つ前記課題の解決手段は、フロントゲージと搬送
テーブルとの間の給紙板の範囲に付加的な搬送装
置が設けられており、サクシヨンボツクスには閉
塞可能な複数の開口が設けられており、しかも少
なくとも、前記搬送テーブルから離反した方の、
サクシヨンボツクス内の開口が閉塞機構を有し、
該閉塞機構は、給紙装置が停止し印刷機が稼働を
続けている場合に空気の吸出を遮断するように前
記給紙装置と接続されている点である。

〈作用〉 本発明の方法及び装置によつて、給紙装置と印
刷機との間における枚葉紙搬送のいかなる状況に
あつても良好な見当合せ状態を生ぜしめることが
可能になる。フロントゲージの手前において使用
される付加的な駆動ベルトに基づいて、枚葉紙が
フロントゲージから跳ね返ることはなく、斜向し
ている場合でもフロントゲージに向つて確実に搬
送される。これを生ぜしめるのは、フロントゲー
ジに枚葉紙が一方の側でしか当接していない場
合、枚葉紙が１つの枢支点を中心とするかの如く
に前記駆動ベルトを中心として振れ、こうしてす
べてのフロントゲージに対して完全に方向整正さ
れるという効果によるものである。駆動ベルトが
少なくとも搬送テーブルの多穴ベルトと同じ速度
を有し、かつサクシヨン空気が前記駆動ベルトに
連続的に作用することによつて、フロントゲージ
に到達する枚葉紙には常に等しい駆動力が加えら
れ、該駆動力は枚葉紙を充分迅速に方向整正し、
かつ又、フロントゲージに静止させるのである。
駆動ベルトにおける僅かな保持作用によつて左右
方向の整正も妨げられることはない。最終枚葉紙
が搬送テーブル上を走行する場合にはサクシヨン
空気源は遮断される。サクシヨンボツクスの容積
を搬送テーブルを稼働させるためのサクシヨン空
気溜めとして利用することによつて、サクシヨン
ボツクス内の負圧が徐々にしか低下せず、かつ搬
送テーブルの無負荷運転時に始めて除かれるよう
にサクシヨン空気流を適正時点に中断することが
可能になる。こうして最終枚葉紙は搬送テーブル
の多穴ベルト上にもはや保持されることがない。
これが望ましいのは、多穴ベルトの被覆を生ぜし
めることになる後続枚葉紙によるずり重なりが無
い場合である。こうして、枚葉紙パイル（堆積
体）の最終枚葉紙又は１刷り分の最終枚葉紙又は
所期の印刷中断前の最終枚葉紙も綺麗に印刷さ
れ、その場合給紙板上でトラブルが生じることは
全くない。サクシヨン空気を用いて枚葉紙を搬送
する搬送テーブルの利点は周知の通りである。こ
れは、搬送ベルトを有する従来の給紙台での枚葉
紙の搬送を確実にするためのころ及びブラシを支
承する保持フレームに起因する操作難及び事故の
危険がなくなるからである。

フロントゲージの近くに付加的な駆動ベルトを
配置したことによつて、フロントゲージと駆動ベ
ルトとの間で、枚葉紙が枚葉紙の搬送方向で圧縮
される危険が避けられる。駆動ベルトの作用面が
小さいことにより、サイドゲージとの関連におい
て枚葉紙の前縁及び側縁の正確な方向づけが保証
される。それというのは影響を受ける時点に枚葉
紙の後縁が自由になつているからである。ストツ
パが給紙装置を停止する場合、搬送テーブルの付
加的な装置は働かない。フロントゲージが遮断さ
れている場合に駆動ベルトが更に稼働を続けて
も、これは大したことではない。それというの
は、駆動ベルトはこの場合も標準運転時と同じよ
うに機能するからである。むしろ、枚葉紙を元の
ずり重ね状態のままで搬送テーブル上に保つため
には、搬送テーブル用の送風機を運転状態に保つ
のが好ましい。しかも給紙部には自由にアクセス
可能であるので、誤まつて２枚重なつた重複枚葉
紙あるいは前縁の波打つた又は損傷した枚葉紙を
除くことが可能である。

本発明の構成が特に単純になるのは、駆動ベル
トの運転のために特別の制御を必要としないこと
に依る。空気の吸出装置も駆動ベルトの駆動装置
も印刷機の稼働中には完全に連続的に働くことが
できる。空気所要量が僅かであるため付加的なサ
クシヨン空気源を設ける必要がなくなる。また搬
送テーブルにおけるサクシヨン空気を遮断するた
めの制御は大きな精度を要求されることがなく、
更に又、給紙装置の枚葉紙パイルが空になつた場
合のパイルストロークの遮断又は給紙装置の遮断
と結合することができる。搬送テーブル上に最終
枚葉紙が走入する場合に送風機を遮断し、同時に
絞り弁を閉じればよい。負圧のためのサクシヨン
ボツクスの容量が充分であるので、前記のように
送風機を遮断しても最終枚葉紙はなお搬送テーブ
ル上に確実に保持されるのである。

〈実施例〉 次に図面につき本発明の実施例を詳説する。

第１図に示したように枚葉紙をずり重ね状態で
搬送する（いわゆるストリーム・フイーデイング
する）ための搬送テーブル１が印刷機２と給紙装
置３との間に配置されている。枚葉紙は給紙装置
３において積重ね体（パイル）から、互にずり重
なつた枚葉紙流にされ、かつ印刷機の給紙部にお
いて印刷胴ユニツトへ引渡される。前記給紙部に
おいて枚葉紙は個別的に給紙板４を経て走行す
る。前記搬送テーブル１は、サクシヨンボツクス
５と送風機６から成る。複数のエンドレスの多穴
ベルト７が前記サクシヨンボツクス５をめぐつて
配置されている。前記多穴ベルト７は軸８によつ
て駆動されかつ緊張ローラ９を介して張られる。
各多穴ベルト７には、多数のサクシヨン穴１０が
２列で穿設されており、該サクシヨン穴は搬送テ
ーブル１の上面をサクシヨンボツクス５と連通す
る。サクシヨンボツクス５の上側は多穴ベルト７
の側方で、エンボツシング（型押し）圧延加工の
施された板金から成る側方へ摺動可能なカバー１
１で覆われているので空気は多穴ベルト７を通つ
てしか吸込まれない。エンボツシング加工の施さ
れた板金上では枚葉紙の摩擦は特に小さい。サク
シヨンボツクス５の下側には、絞り弁１３を内蔵
したサクシヨン管１２が接続している。送風機６
の運転中、搬送テーブル１の上面から、サクシヨ
ン穴１０とサクシヨンボツクス５とを通り、更に
サクシヨン管１２を通つて絞り弁１３を擦過して
送風機６へ至る空気流が生じる。サクシヨンボツ
クス５を通る空気流は、加工すべき枚葉紙のサイ
ズに合わせて、側方摺動可能なカバー１１によつ
て、しかも該カバー１１を多穴ベルト７の各外側
列のサクシヨン穴１０の下へシフトすることによ
つて、制御可能であり、かつ又、送風機６の排気
ポートの断面積を変化することによつて調節され
る。

第２図から判るように給紙板４の範囲の両多穴
ベルト７間の中央でサイドゲージ１４の高さに、
しかもフロントゲージ１５の近くに付加的な搬送
装置が配置されている。該搬送装置は、多数のサ
クシヨン穴２０を有する駆動ベルト１６から成
り、該駆動ベルトはサクシヨン部材１７をめぐつ
てエンドレスに循環する。駆動ベルト１６は軸１
８を介して定速駆動されかつやはり緊張される。
前記サクシヨン部材１７にはサクシヨン空気接続
部１９が設けられており、該サクシヨン空気接続
部から空気が駆動ベルト１６のサクシヨン穴２０
を通つて吸込まれる。駆動ベルト１６は、多穴ベ
ルト７の速度と少なくとも等速度で循環する。サ
クシヨン部材１７のためのサクシヨン空気は時間
的に制御されるのではなく、連続的に発生せしめ
られる。これによつて駆動ベルト１６のサクシヨ
ン穴２０には常に同じ保持力が作用する。該保持
力は、枚葉紙を固持するのではなくて、軽く前方
に駆動する程度に設定されていなければならな
い。このようにすれば駆動ベルト１６は、フロン
トゲージ１５に当接している枚葉紙の下では常に
スリツプすることになる。しかも駆動ベルトがフ
ロントゲージ１５の近くに位置することによつて
枚葉紙はその搬送方向に圧縮されることはなく、
適当の当てつけ速度を惹起されることができる。
従つて又、枚葉紙は横方向位置整正のためにサイ
ドゲージ１４によつてサイドストツパ２１へ向つ
て困難なく引張られる。付加的な搬送装置は稼働
中に決して調節される必要がなく、その作用の点
でも、印刷中の状態についても常にコンスタント
に設定されている。勿論サクシヨン部材１７にお
けるサクシヨン作用は紙重量に関連して調整可能
でなければならず、また負圧は、サクシヨンボツ
クス５における負圧よりも強くなければならな
い。それというのはサクシヨンボツクスの作用面
はより大であるからである。更に又、サクシヨン
部材１７のサクシヨン空気接続部１９は印刷機２
のサクシヨン空気源と容易に接続され、この接続
による、該サクシヨン空気源の負荷は、サクシヨ
ン部材１７の空気消費量がきわめて僅少であるた
め、ごく僅かである。

〈発明の方法による図示の装置の動作過程〉 第３Ａ図乃至第３Ｄ図には、枚葉紙２２〜２５
が給紙装置３から搬送テーブル１を経てフロント
ゲージ１５に達して印刷機２へ搬送される過程が
示されている。

第３Ａ図では枚葉紙２２はフロントゲージ１５
に丁度当接して駆動ベルト１６によつてそこに保
持される。この間、枚葉紙２３と２４は枚葉紙２
２の後方で搬送テーブル１上にずり重ねられてお
り、かつ枚葉紙２５は給紙装置３から枚葉紙２４
の下へシフトされる。

第３Ｂ図では最前位の枚葉紙２２が印刷機２内
へ丁度引出されるところであり、枚葉紙２３は搬
送テーブル１から給紙板４上へ走行するのに対し
て、枚葉紙２４と２５は搬送テーブル１上を更に
移送される。この場合枚葉紙２３，２４，２５は
その都度、ずり重ねられていない前方部分の部位
でだけ、搬送テーブル１のサクシヨン空気作用に
よつて保持されるにすぎない。

第３Ｃ図では最後から２番目の枚葉紙２４が丁
度フロントゲージ１５にまで走行した状態にあ
り、そこでは駆動ベルト１６によりサクシヨン部
材１７のサクシヨン作用を介して保持される。こ
の場合駆動ベルト１６は絶えず枚葉紙２４の下で
スリツプし、かつ摩擦によつて、フロントゲージ
１５へ向う方向の力を枚葉紙２４に伝達する。こ
れと同時に枚葉紙２５は搬送テーブル１の端部に
まで移動されている。枚葉紙２４の後部の下に枚
葉紙２５がずり重なつていることによつて、この
場合搬送テーブル１から枚葉紙２４に対してもは
やサクシヨン作用は及ぼさない。従つて枚葉紙２
４はサイドゲージ１４による側方引張り作用を自
由に受けることができる。

第３Ｄ図には、最後位の枚葉紙が印刷機の給紙
部へ進入する状態が示されている。この場合枚葉
紙２５は例えば印刷すべき最終枚葉紙であり、あ
るいは又、給紙装置３のパイルの最終枚葉紙であ
つてもよい。枚葉紙２５を無頓着に給紙部へ進入
させるならば、該枚葉紙の後部側の下に次の枚葉
紙がもはやずり重なつていないため、枚葉紙２５
はなお搬送テーブル１によつて保持されることに
なる。それというのは、この時点ではサクシヨン
ボツクス５になお負圧が供給されるからである。
このような場合には、サイドゲージ１４も枚葉紙
２５を申し分なく引張ることはもはやできない。
それゆえに本発明では、当該枚葉紙２５が給紙部
へ進入する前に、しかも、印刷すべき最終枚葉紙
が搬送テーブル１上へ進入する際にすでにサクシ
ヨン空気流を中断するような手段を講じた。要す
るに、枚葉紙２５が、第３Ｂ図に示したように搬
送テーブル１上に到達した場合に絞り弁１３が閉
じられる訳である。この閉弁は電磁石３０により
屈曲軸３１を回動することによりサクシヨン管１
２内で絞り弁１３に、第１図に示した実線位置を
占めさせることによつて行なわれる。絞り弁１３
の破線位置は開弁位置を示す。サクシヨンボツク
ス５の容積に基づいてサクシヨンボツクス５内の
負圧は徐々にしか低下せず、搬送テーブル１が枚
葉紙２３，２４から解放された時、すなわち、最
終枚葉紙２５がフロントゲージ１５に到達して、
その位置に駆動ベルト１６によつて保持される時
に始めて、充分に低下するのである。その場合サ
クシヨンボツクス５内の負圧は僅かであるので、
搬送テーブル１上になお載つている枚葉紙２５の
下面に作用する微小な保持力がサイドゲージ１４
による側方引張り作用を妨げることはない。従つ
て最終枚葉紙２５も見当合せの問題なしに申し分
なく印刷することができる。

〈印刷機２のいわゆる紙当てつけ式見当合せのた
めに付加的な搬送装置を配置したことによる利
点〉 第４図には、フロントゲージ２７，２８に対し
て斜向枚葉紙２６が進入する状態が示されてい
る。図示を簡単にするために第４図では２つのフ
ロントゲージ２７，２８しか示されていない。斜
向枚葉紙２６はその斜向に基づいて先ずフロント
ゲージ２７に当接する。多穴ベルト７による駆動
力は後続枚葉紙（図示せず）によつて中断され、
かつ駆動ベルト１６がサクシヨン部材１７と共に
斜向枚葉紙２６の移送を引受ける。駆動ベルト１
６が給紙板４の真中に配置されていることによつ
て、斜向枚葉紙２６は駆動ベルト１６を中心とし
て、もしくは該駆動ベルト１６内のサクシヨン穴
２０の作用面を中心として、前記フロントゲージ
２７に支えられつつ回動し、フロントゲージ２８
に達するまで搬送される。これが可能になるのは
偏えに、枚葉紙と駆動ベルト１６との間に全く意
識的にスリツプを生ぜしめるようにしたためであ
り、つまり、駆動ベルト１６が斜向枚葉紙２６の
下でスリツプし、あるいは斜向枚葉紙２６が駆動
ベルト１６に対して相対運動できるからにほかな
らない。斜向枚葉紙２６が第２のフロントゲージ
２８にも当接して初めて正確な左右方向の整正が
保証される。しかも駆動ベルト１６が連続的に斜
向枚葉紙２６に作用するので、第２のフロントゲ
ージ２８に向つての前記方向整正は、側方引張り
動作中にも生じることになる。しかし印刷機速度
が高速度であることに基づいて駆動ベルト１６
は、方向整正動作を充分迅速に生ぜしめるため
に、少なくとも搬送テーブル１の枚葉紙走行速度
で走行しなければならない。サイドゲージ１４と
駆動ベルト１６との作用によつて、斜向枚葉紙２
６はサイドストツパ２１及びフロントゲージ２
７，２８に向つて当てつけ方向２９で対角線方向
に動かされる。これにより、印刷機２で印刷する
ために枚葉紙を申し分なく方向整正することが保
証される。この申し分のない方向整正位置が第４
図に破線で示されている。

更に又、種々異なつた種類の紙に合わせて装置
を調整するための調整可能性が、送風機６の排気
ポートを調節すること並びに枚葉紙の走行方向に
対して直角方向にカバー１１を多穴ベルト７の下
へシフトすることによつて得られる。この調整可
能性は、比較的重い紙を印刷する場合にも意味を
もつ。この場合は、付加的な搬送装置におけるサ
クシヨン作用の調整も必要である。しかし全体と
してはごく僅かな調整操作しか必要でなく、この
調整操作は、紙質が極端に異なつている場合にだ
け行なわれねばならない。本発明の装置はきわめ
てフレキシブルであり、また本発明の方法は、枚
葉紙処理装置全体の操作を著しく単純にし、かつ
僅かな所要時間で処理することが可能になる。

本発明の装置の以下の利点が、搬送テーブル１
内に送風機６を配置すること並びに駆動ベルト１
６とサクシヨン部材１７とを間断なく作用させる
ことによつて得られる。何らかの印刷トラブルが
発生したために、あるいは同時に２枚の枚葉紙が
印刷機給紙部へ進入したためにフロントゲージ１
５のロツクによつて給紙部が遮断されて印刷が中
断されるような場合、給紙装置３は印刷機２との
連結を解除される。しかし搬送テーブル１のサク
シヨンボツクス５内の負圧は依然として存続し、
かつ搬送テーブル１上の枚葉紙をその元の位置に
保持する。印刷中断の原因が印刷機２自体にある
場合には、その原因を排除したのち直ちに印刷を
続行することができる。それというのは、フロン
トゲージ１５に当接している枚葉紙は、特別の手
段を講じることなしに、その当接状態を維持する
からである。

最終枚葉紙が搬送テーブル１を経て走行しサク
シヨン空気流が絞り弁１３によつて中断される場
合、駆動ベルト１６を機能させるためにはサクシ
ヨン部材１７にサクシヨン空気がなお存続してい
ることが重要である。これは、サクシヨン部材１
７を印刷機２のなお中断されていない負圧源に接
続しておくことによつて可能になる。しかし他面
において、印刷機２が遮断される場合には負圧源
も断たれるので、サクシヨン部材１７のサクシヨ
ン空気も停止される。これによつて、フロントゲ
ージ１５及びサイドゲージ１４を、ルーズに挿入
された枚葉紙と共に調節することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置実施例のサクシヨンベル
ト式搬送テーブルとフロントゲージ手前の付加的
な搬送ベルトの側面図、第２図は印刷機の紙当て
つけ範囲の平面図、第３Ａ図、第３Ｂ図、第３Ｃ
図及び第３Ｄ図は搬送テーブルを経てフロントゲ
ージに至るまでの枚葉紙の搬送経過を示す略示
図、第４図は１枚の枚葉紙をフロントゲージ及び
サイドゲージにおいて方向修正する状態を示す略
示図である。 １……搬送テーブル、２……印刷機、３……給
紙装置、４……給紙板、５……サクシヨンボツク
ス、６……送風機、７……多穴ベルト、８……
軸、９……緊張ローラ、１０……サクシヨン穴、
１１……カバー、１２……サクシヨン管、１３…
…絞り弁、１４……サイドゲージ、１５……フロ
ントゲージ、１６……駆動ベルト、１７……サク
シヨン部材、１８……軸、１９……サクシヨン空
気接続部、２０……サクシヨン穴、２１……サイ
ドストツパ、２２，２３，２４，２５……枚葉
紙、２６……斜向枚葉紙、２７，２８……フロン
トゲージ、２９……当てつけ方向、３０……電磁
石、３１……屈曲軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ずり重ねられた枚葉紙流を給紙装置から印刷
   機又はその他の枚葉紙加工機械へ見当正しく連続
   的に搬送し、しかも枚葉紙をサクシヨン空気によ
   つて搬送装置上の所定位置に保持しつつ搬送する
   方法において、搬送テーブル１におけるサクシヨ
   ン空気を、搬送すべき枚葉紙に調和させ、枚葉紙
   が前縁及び側縁の方向整正用フロントゲージ１５
   及びサイドゲージ１４に達すると前記枚葉紙を、
   サクシヨン空気で負荷された搬送テーブル１から
   解放し、枚葉紙の中央に又は中央近くに枚葉紙の
   走行方向に対して直角に前記搬送テーブル１に接
   続して配置された単数又は複数の付加的な搬送装
   置１６，１７，１８によつて、前記フロントゲー
   ジ１５及びサイドゲージ１４に対して方向整正す
   るために移送し、しかも該方向整正のために枚葉
   紙の前縁及び側縁を可動に維持することを特徴と
   する、枚葉紙を見当正しく印刷機へ搬送する方
   法。 ２ もはやずり重なり状態にない枚葉紙に対して
   は、搬送テーブル１の容量を考慮して該搬送テー
   ブル１における空気吸出を中断し、しかも、なお
   ずり重なつた枚葉紙は搬送テーブル１を介して確
   実に搬送されるが、ずり重なつていない枚葉紙
   は、枚葉紙の走行方向に対して横方向の方向整正
   運動のために、サクシヨン空気で負荷された前記
   搬送テーブル１から解放されるような適正時点に
   前記空気吸出を中断する、特許請求の範囲第１項
   記載の方法。 ３ 搬送テーブル１における空気流入口又は送風
   機６における空気流出口の横断面積を減少するこ
   とによつて、搬送テーブル１内のサクシヨン空気
   の流過量を制御する、特許請求の範囲第１項記載
   の方法。 ４ 搬送テーブル１における枚葉紙搬送速度に等
   しい速度又は該枚葉紙搬送速度よりも速い速度で
   付加的な搬送装置１６，１７，１８を運転し、か
   つ該付加的搬送装置１６，１７，１８における保
   持力を全体として、左右方向整正のために設けた
   サイドゲージの引張力よりも小さくする、特許請
   求の範囲第１項記載の方法。 ５ 付加的な搬送装置１６，１７，１８をコンス
   タントな速度でかつコンスタントな保持作用を以
   て運転し、しかも該付加的搬送装置１６，１７，
   １８を、枚葉紙前縁のためのフロントゲージ１５
   に当接して枚葉紙走行方向では静止している枚葉
   紙の下でスリツプさせると共に、前記付加的搬送
   装置によつて枚葉紙に前進力を生ぜしめ、該前進
   力が、枚葉紙を枚葉紙搬送方向に圧縮させること
   なく前記フロントゲージ１５に保持する程度の大
   きさにすぎない、特許請求の範囲第１項記載の方
   法。 ６ サクシヨンボツクスと、該サクシヨンボツク
   スをめぐつて循環しかつ該サクシヨンボツクスの
   上側の複数の開口に沿つてガイドされるエンドレ
   スの多穴ベルトと、前記サクシヨンボツクスの下
   側を閉鎖する送風機とから成る搬送テーブルを備
   えた形式の、枚葉紙を見当正しく印刷機へ搬送す
   る装置において、フロントゲージ１５；２７，２
   ８と搬送テーブル１との間の給紙板４の範囲に付
   加的な搬送装置１６，１７，１８が設けられてお
   り、サクシヨンボツクス５には閉塞可能な複数の
   開口が設けられており、しかも少なくとも、前記
   搬送テーブル１から離反した方の、サクシヨンボ
   ツクス５内の開口が閉塞機構１３，３０，３１を
   有し、該閉塞機構は、給紙装置３が停止し印刷機
   ２が稼働を続けている場合に空気の吸出を遮断す
   るように前記給紙装置３と接続されていることを
   特徴とする、枚葉紙を見当正しく印刷機へ搬送す
   る装置。 ７ 付加的な搬送装置が、複数のサクシヨン穴２
   ０を有していてサクシヨン部材１７をめぐつてガ
   イドされるエンドレスの駆動ベルト１６から成
   り、該駆動ベルトは軸１８によつて駆動され、し
   かも前記サクシヨン部材１７には、給紙板４の平
   面内を走行する前記駆動ベルト部分のサクシヨン
   穴２０を通して空気を吸出させるサクシヨン空気
   接続部１９が設けられている、特許請求の範囲第
   ６項記載の装置。 ８ サクシヨンボツクス５の多穴ベルト７の傍
   で、エンボツシング圧延加工の施された板金から
   成るカバー１１が搬送テーブル１上にルーズに載
   設されており、かつ前記多穴ベルト７の下へ差込
   み可能に構成されており、しかもこの差込み時に
   前記サクシヨンボツクス５が他の個所で開かれる
   ことはない、特許請求の範囲第６項記載の装置。 ９ 空気吸出を中断するための閉塞機構が、サク
   シヨンボツクス５と送風機６との間のサクシヨン
   管１２内に配置された電磁式に制御される絞り弁
   １３として構成されており、しかも該絞り弁１３
   が電磁石３０によつて軸３１を中心として旋回可
   能に配置されている、特許請求の範囲第６項記載
   の装置。 １０ 絞り弁１３を制御するための電磁石３０及
   び送風機６の駆動装置が給紙装置３の駆動装置と
   制御接続されており、給紙装置の標準運転中には
   前記絞り弁１３の開弁位置で前記送風機６が回転
   し、印刷機に起因した印刷中断中にもやはり前記
   送風機６は回転するが、枚葉紙パイルが空になつ
   たため、印刷が終了したため、あるいは印刷機に
   帰因しない印刷中断が生じたために給紙装置３が
   停止する場合には前記絞り弁１３が閉弁されかつ
   前記送風機６が遮断されるようになつている、特
   許請求の範囲第６項記載の装置。