JPH1045309A - 紙葉のずれ重なった流れを紙葉処理機械へ搬送する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ずれ重なった紙葉の流れの搬送において、処
理されるべき最初の紙葉と最後の紙葉を確実に搬送す
る。 【解決手段】 給紙台１はその周りを走行するように駆
動される無端の搬送ベルト２を備えている。給紙台１の
下に、負圧が作用し、給紙台１にある複数の吸引開口を
経て搬送ベルト２の下側に連絡されている吸引ボックス
１８が配置されている。搬送ベルト２には、複数の貫通
した吸引孔が設けられている。搬送ベルト２の各々に、
単一の吸引チャンバー１７で成る吸引ボックス１８が一
つだけ付属している。吸引ボックス１８は、紙葉搬送方
向に見て相互に距離をおいた二つの吸引接続部１９，２
１を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、給紙台の周りを走
行するように駆動される少なくとも一つの無端の搬送ベ
ルトを備えている給紙台と、その給紙台の下に配置さ
れ、負圧が作用し、、給紙台にある複数の吸引開口を経
て搬送ベルトの下側に連絡されている吸引ボックスを有
し、搬送ベルトには複数の貫通した吸引孔が設けられて
いる、紙葉のずれ重なった流れを紙葉処理機械へ搬送す
る装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の装置、つまり、いわゆる吸引ベ
ルト型の台における一般的な問題は、最初の紙葉も最後
の紙葉も確実に搬送されねばならないということであ
る。吸引ベルト型の台の上での、ずれ重なった紙葉の流
れの搬送は、この場合、三つの段階に分けられる。

【０００３】第１の段階は、機械の運転開始に際して、
ばらし装置によって吸引ベルト上に押し出される最初の
紙葉が、可能な限り滑りなしに、孔あき搬送ベルト上に
吸着されねばならないことを特徴としている。しかし、
機械の運転のこの段階においては、搬送ベルトの特定の
１領域だけが最初の紙葉によって覆われており、そのた
めに、極めて多量の余計な空気が吸引され、したがっ
て、吸引作用が制限されることにより、吸引力が基本的
に低下している。

【０００４】第２の段階、すなわち、システムの静止し
た、つまり載ったままの状態に相当するずれ重なった紙
葉流れの搬送においては、一定の運転条件が支配してい
るので、この第２の段階は問題なしとされる。

【０００５】ずれ重なった紙葉流れの搬送の第３の段階
は、ずれ重なった紙葉流れの最後の紙葉の搬送に関係す
る。紙葉は、その全長さにわたって搬送ベルト上に吸引
され、その結果、ずれ重なった紙葉流れの部分的に重な
った紙葉よりも実質的に強く搬送ベルト上に固定され
る。この紙葉流れにおいて、個々の紙葉の重なりは、そ
れら紙葉が紙葉面積の一部分だけで搬送ベルトと接触
し、その結果、より少ない吸引作用を受ける。最後の紙
葉が、その搬送の際に前当てに当たって留まり、吸引ベ
ルト型の台で支配している負圧にさらされるならば、一
方で、その最後の紙葉の前縁が前当てに押し込められる
とか、他方で、横方向の揃えが少なからず阻害される。

【０００６】ドイツ特許出願公開明細書44 16 289 号に
より、特にずれ重なった紙葉の流れを紙葉処理機械へ搬
送する装置が公知になっている。このドイツ特許出願公
開明細書44 16 289 号で設けられている吸引ボックス
は、その中に配置された成形材によって個別の吸引チャ
ンバーに分割されていて、それにより、吸引源からずっ
と離れて配置された領域においても、漏れの影響を受け
ることのない有効な真空が発生し得る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、処理
されるべき最初の紙葉も処理されるべき最後の紙葉も、
確実に搬送されるような、特にずれ重なった紙葉の流れ
の搬送の装置を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的は、本発明によ
れば、搬送ベルトの各々に、単一の吸引チャンバーで成
る吸引ボックスが一つだけ付属しており、その吸引ボッ
クスは、紙葉搬送方向に見て相互に距離をおいた少なく
とも二つの吸引接続部を有していることによって達成さ
れる。

【０００９】本発明の利点は、特に、本発明による単一
チャンバー型の吸引ボックスの場合には小さくて所要ス
ペースを節減した構造の大きさが実現され得ることにあ
る。各々の搬送ベルトに付属した吸引ボックスの、この
簡単で容積の小さい構造により、より小さい出力の吸引
源（例えばブロワー）が用いられ得る。

【００１０】特別な利点は、吸引ボックスを、紙葉搬送
方向に見て相前後して配置された複数のチャンバーに分
割することが不要であることである。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００１２】給紙台１が、その周りを走行する互いに平
行に配置された２つの搬送ベルト２と共に、パイル４と
前当て７および／または横針８でなる揃え手段６の間に
配置されている。

【００１３】搬送ベルト２は、反転ローラ９とベルト駆
動ローラ１１によって走行方向を反転されていて、それ
らローラは、滑りにくい、例えばゴム引きの表面を有し
ている。搬送ベルト２は、複数の貫通開口１２と、摩擦
係数の小さいライニングされた下面１３を有している。
本実施形態は、フォーマットが大きい紙葉の搬送に必要
とされるように二つの搬送ベルト２を有する。本発明
が、フォーマットが小さい紙葉が処理される場合には、
一つだけの搬送ベルト２を有する給紙台１にも用いられ
得ることは自明である。

【００１４】搬送ベルト２の開口１２は、紙葉搬送方向
（矢印）に、給紙台１の上を、それら開口が給紙台１の
上側１６にある開口１４との重なりを実現させて行くよ
うに動く。開口１２と１４は、搬送ベルト２の上側を、
給紙台１の下方に配置された単一チャンバー型の吸引ボ
ックス１８の吸引チャンバー１７と連絡される。各吸引
ボックス１８は、紙葉搬送方向に見て互いに距離をおい
て設けられた二つの吸引接続部１９，２１を有してい
る。吸引接続部１９，２１の断面積Ａは、吸引ボックス
１８の断面積Ｂと正確に同じである。

【００１５】後方の、つまり紙葉搬送方向に見て第１の
吸引接続部１９の、タイミングローラ２２と組み合って
働くベルト駆動ローラ１１の形をした前方の搬送手段か
らの距離ａは、予め選択された最小の紙葉ずれ長さｌ
(例えば200 mm)に等しい。前方の、つまり紙葉搬送方向
に見て第２の吸引接続部２１の、前当て７からの距離ｂ
は、最大で、最小のフォーマット長さに相当している。
吸引接続部１９と２１は吸引ボックス１８の外側壁に取
り付けられ、空気用ホース２３〜２６でハウジング２７
と連絡している。このハウジング２７には、ラジアル型
ブロワー２８の形をした吸引源がフランジ結合されてい
る。ハウジング２７の中には、空気案内用板状体２９が
揺動可能に配置されていて、空気案内用板状体２９は、
第１の端位置Ｉから第２の端位置IIへ無段階に動かされ
得る。

【００１６】その目的のために、ピストン棒３２が空気
案内用板状体２９に係合している作動シリンダ３１の形
をした遠隔操作可能な位置決め要素が設けられてる。

【００１７】先ず、空気案内用板状体２９が第１の端位
置Ｉに回転させられ（図１）、その結果、ラジアル型ブ
ロワー２８のすべての吸引能力が後方の吸引接続部１９
に接続されている。それから、最初の紙葉３３が、タイ
ミングローラ２２およびそれと組み合って働くベルト駆
動ローラ１１によって、紙葉３３の先行縁が吸引接続部
１９を覆うまで紙葉搬送方向（矢印）に搬送される。そ
れにより、紙葉３３によって覆われた領域内に、吸引ボ
ックス１８の吸引チャンバー１７内の負圧が、図１内に
示すグラフに対応するように発生する。この負圧は、最
初に搬送される紙葉３３が既に搬送ベルト２上に確実に
吸着される働きをする。

【００１８】それから、第２および後続の紙葉３３が、
給紙台１、したがって搬送ベルト２の開口１２を完全に
覆うような、下側でずれ重なった紙葉３３で成る搬送流
れが形成されるに至るまで、搬送要素１１，２２から送
り出されて周期的に次々に搬送される。この場合、一定
の負圧が、吸引ボックス１８の吸引チャンバー１７全体
の中に、図２中のグラフで示されているように発生す
る。この場合、空気案内用板状体２９は、第１または第
２の位置Ｉ，IIのいずれの位置もとりうる。また、両方
の端位置の間の任意の他の位置に無段階に調整すること
も可能である。

【００１９】処理されるべき最後の紙葉３３の搬送に先
立って、空気案内用板状体２９が第２の端位置IIに回転
させられる（図３）。最後の紙葉３３が前当て７に当た
ると、吸引空気源の運転が停止される。それから、紙葉
３３の後縁にある周囲空気が吸引ボックス１８の吸引チ
ャンバー１７の中へ流入する。これによって、紙葉３３
の下側に作用する吸引力が減り、吸引接続部２１と吸引
ボックス１８の先端３４の間の小さな領域においてのみ
なお有効となる。このような、方策によって紙葉３３
は、搬送方向に対して側方向に容易に揃えられる。

【００２０】第２の実施形態（図５）においては、吸引
ボックス１８の前方領域に容積および断面が可変の吸引
チャンバー１７が設けられている。この場合、吸引ボッ
クス１８の底板が揺動可能な板状体３６で形成され、そ
の揺動中心は前方の吸引開口２１の領域内にある。この
板状体３６の長さＬは、前当て７と板状体３６の端３７
の間の距離ｃが、処理されるべき紙葉３３の最大のフォ
ーマット長さよりも大きくなるように決められている。

【００２１】板状体３６の揺動によって、前方領域の吸
引チャンバーが大きくなり、処理されるべき最後の紙葉
の搬送の際の吸引ボックス１８の通気が容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の吸引ベルト型給紙台の、処理されるべ
き最初の紙葉の流入の際の様子を断面で示す概略側面図
である。

【図２】本発明の吸引ベルト型給紙台の、給紙台が完全
に覆われたときの様子を断面で示す概略側面図である。

【図３】本発明の吸引ベルト型給紙台の、最後に処理さ
れるべき紙葉が前当てに当たった状態を断面で示す概略
側面図である。

【図４】吸引ベルト型給紙台の平面図である。

【図５】他の実施形態を示す図である。

【符号の説明】

１ 給紙台 ２ 搬送ベルト ４ 紙葉パイル ６ 揃え手段 ７ 前当て ８ 横針 ９ 反転ローラ １１ ベルト駆動ローラ １２ 搬送ベルト２の開口 １３ 搬送ベルト２の下側 １４ 給紙台１の上側の開口 １６ 給紙台１の上側 １７ 吸引ボックス１８の吸引チャンバー １８ 吸引ボックス １９，２１ 吸引接続部 ２２ タイミングローラ ２３〜２６ 空気用ホース ２７ ハウジング ２８ ラジアル型ブロワー ２９ 空気案内用板状体 ３１ 作動シリンダ ３２ ピストン棒 ３３ 紙葉 ３４ 吸引ボックス１８の先端 ３６ 板状体 ３７ 板状体３６の端

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390009232 Ｋｕｒｆｕｅｒｓｔｅｎ−Ａｎｌａｇｅ 52−60，Ｈｅｉｄｅｌｂｅｒｇ，Ｆｅｄｅ ｒａｌ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒ ｍａｎｙ (72)発明者 ヘイネル ルクセム ドイツ連邦共和国 69259 ヴィルヘルム スフェルト オーベレール ランゲレイン 26

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給紙台の周りを走行するように駆動され
   る少なくとも一つの無端の搬送ベルトを備えている給紙
   台と、その給紙台の下に配置されて、負圧が作用し、前
   記給紙台にある複数の吸引開口を経て前記搬送ベルトの
   下側に連絡されている吸引ボックスを有し、前記搬送ベ
   ルトには複数の貫通した吸引孔が設けられている、紙葉
   のずれ重なった流れを紙葉処理機械へ搬送する装置にお
   いて、 前記搬送ベルト（２）の各々に、単一の吸引チャンバー
   （１７）で成る吸引ボックス（１８）が一つだけ付属し
   ており、その吸引ボックス（１８）は、紙葉搬送方向に
   見て相互に距離をおいた少なくとも二つの吸引接続部
   （１９，２１）を有していることを特徴とする、紙葉の
   ずれ重なった流れを紙葉処理機械へ搬送する装置。
2. 【請求項２】 前方の、つまり紙葉処理機械の方の前記
   吸引接続部（２１）が、揃え手段（７，８）から距離
   （ｂ）をおいて配置されていて、その距離（ｂ）は、最
   大で、処理される紙葉の最小のフォーマット長さに相当
   している、請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】 後方の、つまり紙葉処理機械と反対の方
   の領域内部に配置された前記吸引接続部（１９）が、紙
   葉パイル（４）との間に距離（ａ）をおいて配置されて
   いて、その距離（ａ）は、最小で、処理されるべき紙葉
   のずれ長さ（ｌ）に相当している、請求項１または２記
   載の装置。
4. 【請求項４】 前記吸引接続部（１９，２１）は吸引空
   気の作用を受け、いずれか一方が遮断され得る、請求項
   １から３のいずれか１項に記載の装置。
5. 【請求項５】 オン／オフ可能な空気案内用板状体（２
   ９）が設けられている、請求項１から４のいずれか１項
   に記載の装置。
6. 【請求項６】 前記吸引ボックス（１８）は吸引接続部
   （１９，２１）の断面積（Ａ）に相当している断面積
   （Ｂ）を有している、請求項１から５のいずれか１項に
   記載の装置。
7. 【請求項７】 前記吸引ボックス（１８）の前方領域
   に、断面積も容積も大きくされた吸引チャンバーを有し
   ている、請求項１から６のいずれか１項に記載の装置。
8. 【請求項８】 前記吸引チャンバーを大きくするため
   に、揺動可能な板状体（３６）が設けられている、請求
   項７記載の装置。
9. 【請求項９】 前記の大きくされた吸引チャンバーが、
   処理されるべき紙葉のフォーマット長さより大きい距離
   （ｃ）だけ前記前当て（７）から離れて設けられてい
   る、請求項８記載の装置。