JP3025333U - 殊に鱗状に重ねられた枚葉紙の流れを枚葉紙処理機械へ搬送する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鱗状に重ねられて搬送される枚葉紙の、パイ
ル２からサクションベルト上に移される最初の枚葉紙が
サクションベルト上へ確実な吸着力で移され、しかも最
後の枚葉紙がフロントゲージ３のところで円滑に横方向
で位置修正可能であるようにする。 【解決手段】 搬送方向で３つのサクションチャンバー
を有し、第１のサクションチャンバー４には第１の負圧
源２３により、第２及び第３のサクションチャンバー
６，７には、第２の負圧源２７により、一緒に、負圧が
負荷される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、殊に鱗状に重ねられた枚葉紙の流れを枚葉紙処理機械へ搬送する装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

枚葉紙輪転印刷機の給紙装置の給紙テーブル上における鱗状に重ねられた枚葉 紙の流れの搬送は３つの搬送過程に分けられる。

【０００３】 第１の搬送過程は、印刷機始動時において個別化装置からサクションベルト上 へ移される最初の枚葉紙を出来るだけスリップなしに孔付きコンベヤベルト上へ 吸着させようとする搬送過程である。しかし印刷機運転時のこの搬送過程では、 最初の枚葉紙によってコンベヤベルトのたんにある範囲だけが覆われる過ぎず、 著しく多量の空気は枚葉紙に覆われていない範囲のコンベヤベルト孔を通過する ため吸着作用は限られており、枚葉紙吸着力は基本的に低い。この第１の搬送過 程は、鱗状に重ねられた長さが短く、かつ駆動ローラを用いて又は用いることな しに給紙テーブルの上端部にあるベルト駆動ローラで上記搬送作業が行われる場 合には特に問題である。

【０００４】 鱗状に重ねられた枚葉紙の流れの第２の搬送過程は、搬送系の運転状態がほぼ 定常的な安定した運転状態に入っていて、一定の運転条件が支配している搬送過 程であり、このためこの第２の搬送過程には問題はない。

【０００５】 鱗状に重ねられた枚葉紙流の第３の搬送過程は、鱗状に重ねられた枚葉紙の流 れの最後の枚葉紙の搬送に係わる搬送過程である。この最後の枚葉紙はその全長 に亙ってコンベヤベルト上に吸着され、従って、鱗状に重ねられた枚葉紙の流れ の中において互いに部分的に重ね合わされている中間の枚葉紙よりも著しく強く コンベヤベルト上に固定される。全面積のたんに一部でコンベヤベルトに接触し ているに過ぎない個々の枚葉紙は相応して比較的低い吸着力しか受けないが、こ れに対して最後の枚葉紙はフロントゲージまで搬送されたさい給紙テーブル中に 作用している負圧の作用を強く受け、その結果一方では、最終の枚葉紙の前縁は フロントゲージに強く押し付けられ、他方では横方向の位置修正移動が著しく妨 げられる。

【０００６】 ＤＥ−ＯＳ ３８３８０７８号明細書によれば、殊に鱗状に重ねられた枚葉紙 の流れを枚葉紙処理機械へ搬送する装置であって、２つの異なった吸引力を枚葉 紙に負荷するサクションボックスが搬送方向で順次に配置されている構成のもの が記載されている。

【０００７】 前記ＤＥ−ＯＳ ３８３８０７８号明細書により公知の装置の欠陥は、殊に、 枚葉紙パイルから最初に搬送される枚葉紙（前記搬送過程Ｉにおける枚葉紙に相 当する）がコンベヤベルトによって十分に保持されずかつ加速されないことにあ る。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、殊に鱗状に重ねられた枚葉紙の流れを枚葉紙処理機械へ搬送 する装置を改良することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この課題は本考案によれば請求項１記載の特徴を有する手段によって解決され ている。

【００１０】

【考案の効果】

本考案によれば、印刷速度が高い場合にも、有利な形式で最初の印刷枚葉紙も 最後の印刷枚葉紙も確実に枚葉紙パイルからフロントゲージへ搬送される。

【００１１】 本考案の有利な一構成によれば、枚葉紙パイルと第１のサクションチヤンバー との間にサクションローラが設けられており、該ローラに第１のサクションチヤ ンバーと同じ負圧源から負圧が負荷可能である。この手段によれば、通常は枚葉 紙パイルとコンベヤテーブルとの間に配置されるタイミングローラを省略するこ とができる。

【００１２】 本考案の有利な一構成によれば、第１のサクションチヤンバー及びサクション ローラにそれぞれ１つの固有の負圧源が所属している。この手段によれば、サク ション開口が覆われていないときに通過する空気の影響を小さくすることができ る。

【００１３】 有利な一構成によれば、サクションローラはまたコンベヤテーブルの単数又は 複数のコンベヤベルトの変向案内ローラとしても同時に働くことができる。

【００１４】 サクションローラとコンベヤベルトとの間で生じうるスリップによりサクショ ンローラのサクション孔の摩耗が生じないようにするために、これらのサクショ ン孔はそれぞれコンベヤベルトの側方に配置することができる。この場合にも無 駄に通過する空気の影響を小さく抑えるために、単数又は複数のコンベヤベルト が溝内で案内され、その結果コンベヤベルト上面とサクションローラの外周面と の間の間隔が小さく若しくは無くなるようにすることができる。

【００１５】 コンベヤベルトがサクションローラに対してスリップなしに駆動可能である、 例えば歯付きベルトとして構成された場合、このコンベヤベルトは、サクション ローラのサクション孔が該コンベヤベルトの貫通孔と重ね合わされるように、サ クションローラを介して案内され又はこのサクションローラにより駆動される。

【００１６】

【考案の実施の形態】

枚葉紙パイル２と枚葉紙処理機械（例えば印刷機）のフロントゲージ３との間 に配置されているコンベヤテーブル１は、枚葉紙５の搬送方向で見て、３つのサ クションチャンバー４，６，７を備えたサクションボックス１０を有し、前記３ つのサクションチャンバー４，６，７はテーブルプレート８の下側に配置されて いる。テーブルプレート８は少なくとも１列の順次に配列されたサクション孔９ を有している。コンベヤテーブル１の周りには搬送方向に、少なくとも１つのエ ンドレスの、コンベヤテーブル１を取り囲んで循環するように駆動されるコンベ ヤベルト１１が案内されており、この場合コンベヤベルト１１はコンベヤプレー ト８の上面上を又はそれぞれ１つの所定の溝（図示せず）内を滑動する。コンベ ヤベルト１１は多数の貫通孔１３から成るパーフォレーションを有し、該貫通孔 はテーブルプレート８の孔９に重なるように配置されている。コンベヤベルト１ １はコンベヤテーブル１１の印刷機側で変向案内ローラ１４を介して、またパイ ル２側ではサクションローラ１６を介して、かつまたコンベヤテーブル１の下側 では変向案内ローラ１７，１８を介して、案内されている。

【００１７】 変向案内ローラ１７，１８はサイドフレームに遊転可能に支承されており、こ の場合変向案内ローラ１７，１８の一方は該変向案内ローラ１７，１８の調節、 ひいてはコンベヤベルト１１の張力調節のための装置を備えている。変向案内ロ ーラ１４はサイドフレームに駆動可能に支承されている。サクションローラ１６ は遊転可能にサイドフレームに支承されている。勿論変向案内ローラ１４を遊転 可能に、サクションローラ１６を駆動可能に支承することも可能である。

【００１８】 サクションチャンバー４は底板１９に少なくとも１つの開口２１を有し、該開 口は導管接続部２２を介して第１の負圧源２３に接続している。サクションロー ラ１６は適宜の回転接続部（図示せず）を介して同じ負圧源２３に接続し、その 結果両者は同時に同じ負圧源２３から負圧を負荷される。

【００１９】 別の実施の形態（図示せず）によれば、サクションローラ１６及びサクション チャンバー４はそれぞれ別の固有の負圧源に接続されている。この手段によれば 、サクションチャンバー４の範囲の孔９を通る空気の流れは、サクションチャン バー４の孔９が覆われていない状態におけるサクションローラ１６における負圧 レベルにいかなる影響も与えない。

【００２０】 中間のサクションチャンバー６は底板１９に開口２４を有し、該開口は導管接 続部２６を介して第２の負圧源２７に接続されている。

【００２１】 サクションチャンバー７は底板１９に少なくとも１つの開口２８を有し、該開 口は外気に接続されている。該開口を閉鎖可能に配置されているスライド弁２９ はサクションチャンバー７の負圧レベルを調節するために設けられている。

【００２２】 サクションチャンバー６及び７間の共通の隔壁３１は少なくとも１つの開口３ ２を有し、該開口によりサクションチャンバー７に負圧源２７からの負圧が負荷 される。

【００２３】 サクションローラ１６は外周に分配された多数の、１列に配列されたサクショ ン孔３３を有し、該孔は有利にはそれぞれコンベヤベルト１１の側方に配置され ている。サクションローラ１６は搬送される枚葉紙側の周範囲３４に負圧を負荷 される。

【００２４】 本考案の別の実施の形態では、コンベヤベルト１１はスリップなしにサクショ ンローラ１６のサクション孔３３上へガイドされ、その結果サクション孔３３が コンベヤベルト１１の貫通孔１３に重ね合わされるように設けられている。この 場合例えばコンベヤベルト１１が下側に歯を有し、該歯が用いられるその都度の 駆動ローラの対応する歯に噛合されるようにすることができる。

【００２５】 印刷機への給紙のために、第１の枚葉紙５は単数又は複数の給紙サッカー３６ により枚葉紙前側範囲がサクションローラ１６に達するところまで搬送される。 枚葉紙５は範囲３４における負圧によりコンベヤベルト１１に当て付けられる。

【００２６】 枚葉紙５はサクションローラ１６からコンベヤベルト１１により第１のサクシ ョンチャンバー４の作業範囲へ達する。サクションローラ１６及びサクションチ ャンバー４に生じる高い負圧レベルにより、枚葉紙５はコンベヤベルト１１に対 して問題になるようなスリップを生じることなく搬送速度に達しかつサクション チャンバー６の作業範囲に達する。枚葉紙５はこの範囲では一定の搬送速度を有 するから、この範囲は問題がない。

【００２７】 特にフロントゲージ３に沿った横方向の位置修正のためには、サクションチャ ンバー７の範囲において枚葉紙を保持固定する力が発生することを避けねばなら ない。この目的で、スライド弁２９により大気圧が開口２８を介してサクション チャンバー７内に導入される。この手段により、サクションチャンバー７内の圧 力レベルはサクションチャンバー６内の圧力レベルに対して変えられ、即ちサク ションチャンバー７内の負圧はサクションチャンバー６内よりも弱くされる。

【００２８】 全面をもってコンベヤテーブル１上に載置され、従って相応して強く吸着され る最後の枚葉紙５もフロントゲージ３の範囲で横方向で位置修正されるようにす るため、第１の負圧源２３及び第２の負圧源２７も該枚葉紙の搬送中遮断される 。必要な場合にはサクションチャンバー６に通気する手段を設けることも可能で ある。サクションチャンバー４，６及び７の範囲だけになお十分な負圧レベルが 維持されていることにより、枚葉紙５は横方向位置修正中負圧によりコンベヤベ ルト１１に当て付けられかつフロントゲージ３に対して送られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】給紙装置のコンベヤテーブルを側面からみた略
示断面図

【符号の説明】

１ コンベヤテーブル ２ 枚葉紙パイル ３ フロントゲージ ４ 第１のサクションチャンバー ５ 枚葉紙 ６ 第２のサクションチャンバー ７ 第３のサクションチャンバー ８ テーブルプレート ９ 孔 １０ サクションボックス １１ コンベヤベルト １２ 上面 １３ 貫通孔 １４ 変向案内ローラ １６ サクションローラ １７ 変向案内ローラ １８ 変向案内ローラ １９ 底板 ２１ 開口 ２２ 導管接続部 ２３ 第１の負圧源 ２４ 開口 ２６ 導管接続部 ２７ 第２の負圧源 ２８ 開口 ２９ スライド弁 ３１ 隔壁 ３２ 開口 ３３ サクション孔 ３４ 範囲 ３６ 給紙サッカー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ゲルハルト ポリヒ ドイツ連邦共和国 ハイデルベルク アド ラーシュトラーセ ５アー

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 殊に鱗状に重ねられた枚葉紙の流れを枚
   葉紙処理機械へ搬送する装置であって、回りを取り囲ん
   で循環するエンドレスのコンベヤベルトを備えたコンベ
   ヤテーブルと、コンベヤテーブルの下側に配置されたサ
   クションボックスとを有し、該サクションボックスがコ
   ンベヤテーブル中のサクション開口を介して、貫通孔を
   備えたコンベヤベルトの下側に接続している形式のもの
   において、サクションボックス（１０）が搬送方向で見
   て第１，第２及び第３の３つのサクションチャンバー
   （４，６，７）を有しており、枚葉紙処理機械側にある
   第３のサクションチャンバー（７）及び中間にある第２
   のサクションチャンバー（６）に、第２の負圧源（２
   ７）により、一緒に、負圧が負荷され、かつ第１のサク
   ションチャンバー（４）に第１の負圧源（２３）により
   負圧が負荷されることを特徴とする、殊に鱗状に重ねら
   れた枚葉紙の流れを枚葉紙処理機械へ搬送する装置。
2. 【請求項２】 サクションローラ（１６）が枚葉紙パイ
   ル（２）とコンベヤテーブル（１）との間に設けられて
   おり、該サクションローラ（１６）に、第１のサクショ
   ンチャンバー（４）と一緒に、第１の負圧源（２３）に
   より負圧が負荷されることを特徴とする、請求項１記載
   の装置。
3. 【請求項３】 サクションローラ（１６）及びサクショ
   ンチャンバー（４）がそれぞれ固有の負圧源に接続され
   ていることを特徴とする、請求項１記載の装置。
4. 【請求項４】 サクションローラ(１６)が周囲に分配さ
   れた多数のサクション孔（３３）を有し、該サクション
   ローラの枚葉紙側の範囲（３４）に負圧が負荷されるこ
   とを特徴とする、請求項１から３までのいずれか１項記
   載の装置。
5. 【請求項５】 サクションローラ（１６）がコンベヤベ
   ルト（１１）の変向案内ローラであることを特徴とす
   る、請求項１から４までのいずれか１項記載の装置。
6. 【請求項６】 サクションローラ（１６）が駆動可能に
   支承されていることを特徴とする、請求項５記載の装
   置。
7. 【請求項７】 サクション孔（３３）がそれぞれ、単数
   又は複数のコンベヤベルト（１１）の側方に配置されて
   いることを特徴とする、請求項１から６までのいずれか
   １項記載の装置。
8. 【請求項８】 コンベヤベルト（１１）がサクションロ
   ーラ（１６）の溝内でガイドされていることを特徴とす
   る、請求項７記載の装置。
9. 【請求項９】 コンベヤベルト（１１）がサクションロ
   ーラ（１６）のサクション孔（３３）上をスリップなし
   にガイドされ、かつコンベヤベルト（１１）の貫通孔
   （１３）がサクションローラ（１６）のサクション孔
   （３３）に重なり合うように配置されていることを特徴
   とする、請求項１から８までのいずれか１項記載の装
   置。