JPH0138807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は車両用灯具に関し、更に詳しくは灯室
内の湿気を除去することによつてレンズ等にくも
りが生じるのを防止すべくなした通気手段を備え
た車両用灯具に関する。

〈従来の技術〉 一般にこの種の車両用灯具はハウジングの前面
にレンズを配設し、このハウジングとレンズとに
よつて画成された灯室内に電球を配設している。
しかし、電球交換が可能な構造のものは灯室を完
全に密閉することが困難であり、灯室内に外部か
ら水分が浸入する。即ちこのことは近年、ハウジ
ングと前面レンズとが完全に接着されて灯室内の
気密性が向上されており、灯室内の気密性が向上
されるほど電球を点灯すると灯具の内部圧が上昇
し、消灯時には灯室内の圧力が低下し、この点
灯・消灯をくりかえすと灯室内に水分が吸収さ
れ、この水分が灯室内の低温部分で露結すること
によつてレンズ又はリフレクタの反射面にくもり
が発生する。

この為、従来の車両用灯具にあつては、例えば
第４図イに示すようにハウジングａとその前面に
配設されるレンズｂとを熱可塑性樹脂によつて成
形し、そのハウジングａの開口部周縁とレンズｂ
の脚部とを接着してそれにより画成された灯室ｄ
内に電球ｃが配設されている。この電球ｃはハウ
ジングａの後方からソケツトホルダーｅを介して
装着されている。尚符号ｆはコードである。さら
には、ハウジングａの後部に上下位置に通気孔ｇ
を穿設して、この通気孔ｇの周縁に筒状のグロメ
ツトｈを挿入して取付けることによつて灯室ｄ内
の通気をなしており、さらにグロメツトの下部に
水はね防止用のリブｊをハウジングａの背面に突
設してある構造の灯具、あるいは、図ロに示すよ
うにグロメツトｈをハウジングａの後部の上下２
ケ所に通気孔ｇを有する取付筒ｉを突設し、この
取付筒ｉにグロメツトｈを取付けた構造のものが
ある。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながら、かかる従来の構造にあつてはハ
ウジングａの上下位置に通気孔ｇを穿設して、こ
の通気孔ｇに筒状のグロメツトｈを嵌め込んで取
付ける構造のものであるから、その通気孔ｇに筒
状のグロメツトｈを嵌め込むための作業性が悪
く、かつ通気孔ｇとグロメツトｈとの嵌合部分が
悪いと水が浸入する恐れがあり、耐水性が乏しく
なるなどの欠点がある。又図ロのようにハウジン
グａの後方に通気孔ｇを有する筒部ｉを突設形成
してその筒部ｉにグロメツトｈを嵌め込む構造の
ものにあつては図イのものに比較して耐水効果を
上げることができるがハウジングａの後方に筒状
のグロメツトｈが突出するため車体パネル（図示
せず）に干渉して不都合があるばかりかグロメツ
トが外れるなどの欠点があり、さらに従来のもの
にあつては、通気孔ｇ及びグロメツトｈの内径が
小さく設定してあるから十分な呼吸作用を減少さ
せるところまでは至つていない。即ち、従来のも
のは通気孔ｇ及びグロメツトｈの内径寸法を大き
くすれば空気の対流が良くなつて呼吸作用を少な
くすることができるが、反面グロメツトｈの内径
を大きく設定すると雨天時外のときは埃塵等が呼
吸作用に関係なく侵入し易くなり、侵入した埃塵
はリフレクターやレンズ内面を汚して配光性能を
減少させる重大な欠点となる。

本考案は上述の事情に鑑みてなされたもので通
気孔からの埃塵を防止し、しかも空気の対流を良
くして灯室内に水滴の侵入を防止し、リフレクタ
やレンズ内面の曇り現象を防止し配光性能を良好
にし得る車両用灯具を提供することを目的とす
る。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は前述した問題点を解決するために、ハ
ウジングとその前面に配設したレンズとにより画
成された灯室内に電球を配置し、前記ハウジング
に通気孔を形成すると共に該通気孔の周縁部に取
付部と呼吸部とを連続気泡性樹脂で一体成形した
キヤツプを覆着したことを特徴とする。

〈実施例〉 以下、添付図面を参照して本考案にかかわる実
施例を説明する。第１図は要部断面図で、第２図
は第１図のＡ部拡大図である。符号１は合成樹脂
製のハウジングで、このハウジング１はその開口
部周縁に溝部１１を設け、この溝部１１に接着剤
５を塗布し、その前面に配設されるレンズ２の脚
部２１を接着し気密に固定されている。そして、
ハウジング１とレンズ２とにより画成された灯室
１０内にハウジング１の挿通孔１２を通してソケ
ツト４に支持された電球３が配置されている。
尚、ハウジング１の内面にはリフレクタ（不図
示）が設けられているものである。

さらに、前記ハウジング１には電球３の上下に
通気孔１３が形成されており、この通気孔１３に
連続気泡性樹脂製キヤツプ６を覆着されている。

連続気泡性樹脂製キヤツプ６は、第２図に示す
ようにハウジング１の通気孔１３の周縁部にぴつ
たり嵌着するように形成され、キヤツプ６本体は
呼吸部６ａとその外周にフランジ部６１と係合爪
６２との取付部を形成し、フランジ部６１と通気
孔１３のハウジング１の周縁部に係合する係合爪
６２を備えた連続気泡性樹脂、本例では空気ガス
は勿論、蒸気の分子も透過するが、水滴は透過し
ない性質を有し、強い撥水性を示す四フツ化エチ
レン樹脂（PTFE）を素材とする多孔質材料によ
り一体に成形されているものである。

尚、通気孔１３の周縁部に水密にするため周縁
部に接着剤を塗布するか或は溶着するなどしてキ
ヤツプ６を取付けされている。また、第３図の図
示例はハウジング１の通気孔１３にはその外周縁
を背面方向に筒部１４を突設し、その筒部１４の
外周を覆うように取付部である外周壁６３を設け
たキヤツプ６０が連続気泡性樹脂により一体成形
され前記筒部１４にキヤツプ６０の外周壁６３を
接着又は溶着されて覆着されているものである。

〈考案の効果〉 以上の実施例から明らかなように、本考案の車
両用灯具は通気孔の周縁部に取付部と呼吸部とを
連続気泡性樹脂で一体成形したキヤツプで覆着し
てあるので通気孔を大きく形成しても埃塵、水滴
の侵入を防止することが出来ると共に他の個所か
ら灯室内に侵入した水分はランプの点灯により対
流現象を起こし蒸気となつて通気孔を介してキヤ
ツプの呼吸部を通過して外部に排出されるので灯
室内の湿気は極めて減少し、従つてレンズ内面や
反射面の結露による曇り現象を防止することがで
き、配光性能が良好で、しかもキヤツプ面が平面
的であるから車体等との干渉が極めて少なくなり
キヤツプは連続気泡性樹脂で取付部と呼吸部とを
一体であるから、通気孔の周縁部に取付が容易で
作業性も良好であると共に気密性が保持できる効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の実施例を示し、第
１図は車両用灯具の要部断面図、第２図は第１図
のＡ部拡大図、第３図はキヤツプの変形例を示
し、その取付け状態を示す断面図、第４図イ及び
ロは従来例を示し、図イは車両用灯具の要部断面
図、同図ロはグロメツトの変形例と、その取付状
態を示す断面図である。 １……ハウジング、２……レンズ、３……電
球、１３……通気孔、６……連続気泡性樹脂製キ
ヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジングとその前面に配設したレンズとによ
   り画成された灯室内に電球を配置し、前記ハウジ
   ングに通気孔を形成すると共に該通気孔の周縁部
   に取付部と呼吸部とを連続気泡性樹脂で一体成形
   したキヤツプを覆着したことを特徴とする車両用
   灯具。