JPS645761Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用灯具の防水構造に関するもの
である。

第１図は従来一般に用いられている自動車用灯
具の一例の水平断面図、第２図は同垂直断面図で
ある。

１は電球、２はリフレクタ、３はランプハウジ
ングである。ランプハウジング３の後端部を防水
するため、ランプハウジング３の後部３ｃの後端
に円筒状部３ａを一体に連設し、その円筒状部３
ａの後端にフランジ状の突起３ｂを一体に成形し
てある。一方、上記のフランジ状の突起３ｂに外
嵌する円筒状部４ａを一体成形した防水カバー４
をゴムなどの柔軟な弾性材料で構成し、この防水
カバー円筒状部４ａの内面に、前記のフランジ状
突起３ｂに係合する段付部４ｂを形成して、防水
カバー４が脱落しないようにしている。なお、第
２図に現われている４ｄは通気兼水抜孔、４ｅは
通気孔である。これらの通気孔および水抜孔は、
温度変化によつてランプハウジング内で結露した
水分を外部に放出する作用をする。

この従来形防水構造は、ゴムなどの弾性材料製
防水カバー４の円筒状部４ａの先端にラツパ状に
拡開するリツプ４ｃを一体成形し、このリツプ４
ｃの先端をランプハウジング３の後部３ｃに弾性
的に密着せしめて防水機能を果たしている。

ところが最近、自動車の空気抵抗を減少させる
ために車体前面が低くなり、これに伴つて灯具取
付用の孔が小さくなると共に灯具も扁平になつて
きている。このためラツパ状のリツプを有する防
水カバーをランプハウジングに着脱する作業が次
第に因難になつてきた。

本考案は上述の事情に鑑み、車体側の灯具取付
用孔が小さくても容易に着脱することができ、し
かも防水機能に優れた自動車用灯具の防水構造を
提供しようとするものである。

上記の目的を達成するため、本考案は、ランプ
ハウジングの後端に防水カバーを嵌着した自動車
用灯具において、ランプハウジングの後端に円筒
状部を一体に連設し、その円筒状部の前後に少な
くとも２個の外フランジ状突起をその対向する後
側面と前側面とがある幅寸法Ｗを有するように形
成すると共に、その前端側の外フランジ状突起の
外径を少なくとも防水カバーの円筒状部の外径と
略々等しいように後端側の外フランジ状突起より
大径となし、前記ランプハウジングの円筒状部に
外嵌する円筒状部を有する防水カバーを構成し、
かつ、該防水カバーの円筒状部の内側に、前記ラ
ンプハウジングの円筒状部に形成された外フラン
ジ状突起のうち後端側の外フランジ状突起と係合
する内フランジ状の突起を形成すると共に、その
内フランジ状突起の後側面と円筒状部の前端面と
の間の寸法W′を前記ランプハウジングの外フラ
ンジ状突起間の幅寸法Ｗよりやや大きくし、か
つ、その円筒状部の前端面の肉厚を薄くし、前記
ランプハウジングの後端側の外フランジ状突起に
防水カバーの内フランジ状突起を嵌め合わせ、前
記２個の外フランジ状突起の対向する後側面と前
側面との間に防水カバーの円筒状部の前端面と内
フランジ状突起の後側面とを前記W′＞Ｗにより
圧縮させた状態で挾持せしめたこを特徴とする。

次に、本考案の一実施例を第３図乃至第７図に
ついて説明する。

第３図に示すランプハウジング５は本考案を適
用して構成したランプハウジングの１例で、その
後部５ａの後端に一体的に円筒状部５ｂを形成
し、その円筒状部５ｂの外周に３個の外フランジ
状の突起５ｃ，５ｄ，５ｅを設けてある。これら
の３個の外フランジ状突起の内、最後端の突起５
ｃは従来装置（第１図、第２図）におけるフラン
ジ状突起３ｂに対応する構成部分で、外フランジ
に内フランジを一体連設した形状に構成してあ
る。外フランジ状突起５ｄ，５ｅは本考案により
新設した構成部分であつて、最前端のフランジ状
突起５ｅは少なくとも後述の防水カバーの円筒状
部とほぼ等しい外径を有するように他のフランジ
状突起５ｃ，５ｄより大径となし、かつ、最後端
の外フランジ状突起５ｃと最前端のフランジ状突
起同５ｅとの対向する前側面と後側面との間の幅
寸法をある寸法Ｗに設定する。

第４図は本考案を適用して構成したゴム製の防
水カバーの一例の断面図、第５図は同正面図であ
る。前記のランプハウジング５に形成した円筒状
部５ｂに外嵌する円筒状部６ａを形成し、その内
側に内フランジ状の突起６ｂ，６ｃを設ける。そ
して、後端側の突起６ｂの後側面と、円筒状部６
ａの前端側６a_-1との間の寸法W′を、前記の幅Ｗ
に対して適宜の締代を有する程度に大きく構成
し、かつ、その前端面６a_-1の内径部の肉を削除
して前端面６a_-1の付近の肉厚を他の部分より肉
薄とする。６ｄは通気兼水抜孔である。

第６図は上記のランプハウジング５に防水カバ
ー６を装着した状態を示す水平断面図、第７図は
同垂直断面図である。第３図および第４図に示す
単品図と対照して理解できるように、防水カバー
６の内フランジ状突起６ｂの後側面と、円筒状部
の前端面６a_-1との間は自由長はW′であるが、円
筒状部６ａは２個の外フランジ状突起５ｃ，５ｅ
の間に挟まれて寸法Ｗに圧縮された状態である。
この場合、円筒状部の前端面６a_-1の部分が肉薄
であるから円筒状部の前端面６a_-1と内フランジ
状突起６ｂの後端面とを外フランジ状突起５ｃと
５ｅとの間に圧縮させた状態で容易に挾持するこ
とができ、これにより極めて良好な水密性が得ら
れる。本例のごとく、２個のフランジ状突起５
ｃ，５ｅの間に更にフランジ状突起５ｄを設けて
防水カバーの内フランジ状突起に嵌め合わせる
と、更に優れた水密機能を発揮し得る。

第７図に示す７は車体の一部で、７ａは灯具取
付用の孔である。本例のように取付用の孔７ａが
小さいと、従来の防水構造におけるようなラツパ
状のリツプ４ｃを有する防水カバーは装着できな
いが、本考案を適用して構成したランプハウジン
グ５においては、その円筒状部５ｂを上記の取付
孔７ａから突出させれば、該円筒状部５ｂに防水
カバー６の円筒状部６ａを嵌着して防水機能を果
たすことができる。その上、防水カバーにラツパ
状のリツプ４ｃを形成する必要が無いので防水カ
バーの製造コストを低減することもできる。ま
た、最前端の外フランジ状突起５ｅの外径を少な
くとも防水カバーの円筒状部とほぼ等しい外径に
したので、雨水がハウンジングをつたつて流下し
てきた際、外フランジ状突起５ｅが遮水壁として
作用してハウンジング内を防水することができ
る。

以上詳述したように、本考案の自動車用灯具の
防水構造は、簡単な構成により優れた防水機能が
得られ、しかも、灯具の取付孔が少さくても容易
に取付、取外しすることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の自動車用灯具の防水
構造を示し、第１図は水平断面図、第２図は垂直
断面図である。第３図乃至第７図は本考案の一実
施例を示し、第３図はランプハウジングの垂直断
面図、第４図は防水カバーの断面図、第５図は同
正面図、第６図は組立状態の水平断面図、第７図
は同垂直断面図である。 １……電球、２……リフレクタ、５……ランプ
ハウジング、５ａ……同後部、５ｂ……同円筒状
部、５ｃ，５ｄ，５ｅ……同外フランジ状突起、
６……防水カバー、６ａ……同円筒状部、６ｂ，
６ｃ……同内フランジ状突起、６ｄ……通気孔兼
水抜孔、７……車体、７ａ……灯具取付用の孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ランプハウジングの後端に防水カバーを嵌着し
   た自動車用灯具において、ランプハウジングの後
   端に円筒状部を一体に連設し、その円筒状部の前
   後に少なくとも２個の外フランジ状突起をその対
   向する後側面と前側面とがある幅寸法Ｗを有する
   ように形成すると共に、その前端側の外フランジ
   状突起の外径を少なくとも防水カバーの円筒状部
   の外径と略々等しいように後端側の外フランジ状
   突起より大径となし、前記ランプハウジングの円
   筒状部に外嵌する円筒状部を有する防水カバーを
   構成し、かつ、該防水カバーの円筒状部の内側
   に、前記ランプハウジングの円筒状部に形成され
   た外フランジ状突起のうち後端側の外フランジ状
   突起と係合する内フランジ状の突起を形成すると
   共に、その内フランジ状突起の後側面と円筒状部
   の前端面との間の寸法W′を前記ランプハウジン
   グの外フランジ状突起間の幅寸法Ｗよりやや大き
   くし、かつ、その円筒状部の前端面の肉厚を薄く
   し、前記ランプハウジングの後端側の外フランジ
   状突起に防水カバーの内フランジ状突起を嵌め合
   わせ、前記２個の外フランジ状突起の対向する後
   側面と前側面との間に防水カバーの円筒状部の前
   端面と内フランジ状突起の後側面とを前記W′＞
   Ｗにより圧縮させた状態で挾持せしめたことを特
   徴とする自動車用灯具の防水構造。