JPH0131796B2 - - Google Patents

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JPH0131796B2
JPH0131796B2 JP57217617A JP21761782A JPH0131796B2 JP H0131796 B2 JPH0131796 B2 JP H0131796B2 JP 57217617 A JP57217617 A JP 57217617A JP 21761782 A JP21761782 A JP 21761782A JP H0131796 B2 JPH0131796 B2 JP H0131796B2
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epoxy resin
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Yukio Nishama
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Description

【発明の詳細な説明】
この発明は常温粘着性であると共に加熱により
硬化する性質を持つた接着シートに関する。 各種の電気機器のコイル巻止めや電線結束など
の電気的用途に用いられる粘着シートでは、高温
時における粘着剤の軟化による剥脱あるいはワニ
ス、ワツクス、各種溶剤類への浸漬作業中に生じ
る粘着剤の溶解による剥れを防止する必要があ
り、そのため使用時加熱による粘着剤の硬化が行
なわれている。 従来、かかる熱硬化特性を有する粘着シートと
しては、天然ゴムや合成ゴムなどを主材としこれ
に熱反応性のアルキルフエノール樹脂を加えてな
る粘着剤を用いたものが知られている。しかる
に、この種の粘着剤はゴム成分を主材としたもの
であるため充分な熱硬化特性を発揮せず、硬化後
の接着特性として粘着剤の領域を脱しえない非常
に低い引張せん断強度、剥離強度および熱間強度
しか得られず、また耐溶剤性に欠ける問題があつ
た。さらに、コイル巻止めや電線結束などの電気
的用途では、硬化時に粘着剤成分が流動してコイ
ル間隙などに密に含浸充填されることが望まれる
が、上記従来の粘着シートではこの流動特性に劣
り満足できる含浸性が得られなかつた。 一方、エポキシ樹脂の如き熱硬化性樹脂にその
未硬化ないし半硬化状態での凝集力を高めるため
にブチラール樹脂、ホルマール樹脂、熱可塑性ポ
リエステル樹脂などの熱可塑性樹脂を配合してな
る常温粘着性を有する接着剤を用いた熱硬化性接
着シートが提案されている。このシートによれ
ば、常温粘着特性と共に硬化後の接着特性やコイ
ル含浸性などの面で前記従来のゴム成分を主材と
したものに較べて比較的良好な結果が得られる
が、加熱硬化時に熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂と
の間で相分離をおこしやすく、これが硬化後の接
着特性とくに耐熱特性や耐溶剤性を低下させる原
因となり、実用性の面でなお満足できるものとは
いえなかつた。 この発明は、上記の観点から、常温粘着性であ
ると共に加熱硬化により樹脂分相互の分離をきた
すことなく非常に良好な接着特性とくに耐熱性と
さらにすぐれた耐溶剤性とが得られる新規かつ有
用な熱硬化性接着シートを得ることを目的として
鋭意検討した結果、見い出されたものである。 すなわち、この発明は、常温で液状のエポキシ
樹脂100重量部にビスフエノールAとエピクロル
ヒドリンとから合成された平均分子量10000以上
の常温で固形のエポキシ樹脂5〜40重量部を溶融
混合してなる混合物、この混合物100重量部に対
して20〜150重量部の割合とされた3μ以下の平均
粒子径を有する充填剤、250メツシユパスの潜在
性硬化剤および硬化促進剤を含む常温粘着性を有
する無溶剤型の熱硬化性樹脂組成物を基材に未硬
化ないし半硬化状態に塗工含浸してなる常温粘着
性を有する熱硬化性接着シートに係るものであ
る。 このように、この発明の熱硬化性接着シートで
は、常温の液状のエポキシ樹脂に常温で固形の高
分子量エポキシ樹脂を溶融混合して接着剤として
の凝集力を持たせるようにしたものであり、これ
によれば良好な常温粘着性と共に硬化時の流動性
がゴム成分を主材とした従来の粘着シートに較べ
てよりすぐれたものとなつてコイル間隙などの含
浸性に好結果を得ることができる。 また、上記ふたつのエポキシ樹脂はその親和性
がよいことから、硬化時に樹脂分相互の分離をき
たすことがなく所定の加熱硬化条件で非常に良好
な接着特性とくに耐熱性が得られて大きな引張せ
ん断強度、剥離強度および熱間強度を有する硬化
接着層を与え、しかもこの層は耐溶剤性にすぐれ
たものとなる。また、常温で固形の高分子量エポ
キシ樹脂により硬化接着層に適度な可とう性が付
与され、この可とう性が硬化接着層の剥離強度向
上の一因ともなる。 さらに、この発明においては、上記ふたつのエ
ポキシ樹脂を主成分とした常温粘着性を有する熱
硬化性樹脂組成物を無溶剤型として基材に塗工含
浸させることにしたものであるため、有機溶剤溶
液型の粘着剤を用いた従来の粘着シートと比較し
て衛生的かつ経済的であるばかりでなく、接着層
の性能面からみても溶剤未揮発分による悪影響た
とえば溶剤揮発によるボイドの発生や耐湿性の劣
化がなく、また厚塗り塗工が可能であるといつた
利点が得られる。 しかも、上記無溶剤型としたことにより充填剤
の種類(とくに比重)に制限を受けず各種のもの
を比較的多量に使用することができる一方、この
充填剤の平均粒子径をとくに3μ以下と設定した
ことにより樹脂との濡れ性や分散性に好結果が得
られて前記すぐれた接着特性とくに剥離強度に悪
影響を与えることなく、その本来の機能としての
硬化接着層の機械的強度の向上や価格低減に大き
く寄与させることができる。加えて、かかる特定
粒子径の充填剤の使用は硬化接着層の可とう性に
好結果をもたらし、また硬化剤ないし硬化促進剤
の分散性の向上にも寄与し、これが前記接着特性
や耐溶剤性などにより好結果を与える。 この発明において用いられる常温で液状のエポ
キシ樹脂としては、液状ビスフエノールA系エポ
キシ樹脂、液状ノボラツク系エポキシ樹脂、液状
脂環族系エポキシ樹脂などの種々のタイプのもの
が1種もしくは2種以上用いられる。なお、これ
らの液状のエポキシ樹脂とともに必要なら常温で
固形のエポキシ樹脂を併用してもよい。この場合
混合物が液状を呈するような使用割合とされる。 常温で液状のエポキシ樹脂の市販品の代表例と
しては、油化シエル社製の液状ビスフエノール系
エポキシ樹脂としてはエピコート#827、エピコ
ート#828、エピコート#834など、ダウケミカル
社製の液状ノボラツク系エポキシ樹脂として
DEN431,438など、チバ社製の液状脂環族系エ
ポキシ樹脂としてアラルダイトCY―175などが挙
げられる。 この発明において用いられる常温で固形の高分
子量エポキシ樹脂とは、ビスフエノールAとエピ
クロルヒドリンとから合成される平均分子量
10000以上、好適には15000〜90000程度(平均重
合度としては50〜300)で、軟化点100℃以上の熱
可塑性の高分子量体である。かかるエポキシ樹脂
は、一般に水酸化ナトリウムの如きアルカリ溶液
を重合触媒として上記反応原料を当量重合反応さ
せることにより得ることができ、市販品としては
U.C.C社製のフエノキシ樹脂、油化シエル社製の
エポノール53などがある。 この発明においては上記の高分子量エポキシ樹
脂を前記の液状エポキシ樹脂に180〜210℃の高温
で溶融混合する。このときの混合割合としては液
状エポキシ樹脂100重量部に対して常温で固形の
高分子量エポキシ樹脂が5〜40重量部となるよう
にすべきである。5重量部より少ないと組成物の
凝集性が不足し常温粘着性が弱くなり、40重量部
より多くなると凝集性が逆に強くなりすぎて基材
への塗工含浸が難しくなつたり粘着性や硬化時の
流動性ないし被着体への濡れ性が悪くなり、接着
特性およびコイル間隙への充填性を損なう結果と
なる。 この発明では上記の溶融混合物にさらに3μ以
下の平均粒子径を有する充填剤と250メツシユパ
スの潜在性硬化剤および上記同様の粒子径とされ
た粉末ないし液状の硬化促進剤を配合する。上記
充填剤の平均粒子径が3μを超えてしまうと樹脂
との濡れ性ないし分散性を損なうばかりか上記硬
化剤および促進剤の分散性にも悪影響を与え、ま
た同様に潜在性硬化剤および硬化促進剤が250メ
ツシユオンになるとこれら硬化剤ないし促進剤の
分散性が悪くなり、いずれも接着特性とくに剥離
強度の低下をきたす。 3μ以下の平均粒子径を有する充填剤の具体例
としては、酸化チタン、タルク、シリカ、炭酸カ
ルシウムなどの無機系充填剤が挙げられ、場合に
より金属粉なども使用できる。使用量は、前記の
エポキシ樹脂溶融混合物100重量部に対して20〜
150重量部であり、あまり多くしすぎると常温粘
着性やさらに硬化後の接着特性上望ましくない。 潜在性硬化剤および硬化促進剤としては、組成
物を通常60〜100℃の温度で基材に塗工含浸する
際には硬化せず(半硬化であればよい)、使用時
通常100℃を超える高温に加熱したときに速やか
に硬化するものであれば各種のものを使用でき
る。 このような潜在性硬化剤の具体例としては、ジ
シアンジアミド、4・4′―ジフエニルジアミノス
ルフオン、フエノール系樹脂、有機酸のヒドラジ
ド誘導体、ポリアミンとジカルボン酸とからなる
各種アミン塩が挙げられ、また硬化促進剤として
は2―n―ヘプタデシルイミダゾールのようなイ
ミダゾール誘導体、N・N―ジアルキル尿素誘導
体、N・N―ジアルキル尿素誘導体などが挙げら
れる。これら成分の添加量は一般的な使用量でよ
く、エポキシ樹脂溶融混合物100重量部に対して
潜在性硬化剤で通常2〜25重量部、硬化促進剤で
通常0.2〜5重量部である。 この発明においては、このような配合成分とさ
らに必要に応じて顔料その他の公知の添加剤を加
えてなる常温粘着性を有する無溶剤型の熱硬化性
樹脂組成物を、通常60〜100℃に加温しながら基
材に未硬化ないし半硬化状態に塗工含浸して常温
粘着性を有する熱硬化性接着シートとする。 上記の基材としては、ガラス、アスベストなど
の無機質繊維布や不織布、綿、ナイロン、ポリエ
ステル、ビニロンなどの有機質繊維布や不織布、
ナイロン、ポリエステルなどのフイルムが挙げら
れる。これらのなかでもポリエステル系不織布や
フイルムがもつとも好適である。またフイルムの
使用は耐電圧が必要な場合にとくに望ましい。 基材への塗工厚みとしては通常0.05〜1mm程度
である。塗工含浸は、バーコータ、ナイフココー
タ、ロール塗工、押出し塗工などの適宜の手段で
基材上に直接塗工する方式で行なつてもよいし、
一旦セパレータ上に上記手段で塗設したのちこれ
を基材上に転写する方式で行なつてもよい。 このようにして得られるこの発明の常温粘着性
を有する熱硬化性接着シートは、そのすぐれた接
着特性、耐熱性および耐溶剤性などの特性によ
り、コイル巻止め、電線結束などの電気的用途に
非常に有利に応用できるほか、いわゆる準構造用
の接着シートやその他の一般的な用途にも広く使
用できる。 以下に、この発明の実施例を記載する。なお、
以下において部とあるは重量部を意味するものと
する。 実施例 1 常温で液状のエポキシ樹脂としてのエピコート
#828(油化シエル社製;エポキシ当量182〜194)
80部とエピコート#154(油化シエル社製;エポキ
シ当量175〜180)20部と、さらに常温で固形の高
分子量エポキシ樹脂としてのフエノキシ樹脂(ユ
ニオンカーバイド社製;平均分子量30000)25部
とを、混合釜に入れ180〜200℃で1時間溶融混合
した。三成分が完全に相溶したことを確認したの
ち、120〜130℃まで温度を下げ、平均粒子径0.3μ
のチタン白R―650(堺化学社製)50部を添加し、
同温度で30分間加熱混合した。 その後、90〜100℃まで温度を下げ、ジシアン
ジアミド(250メツシユパスの再粉砕品)5部を
加えて30分間加熱撹拌したのち、イミダゾール
C17Z(四国化成社製)0.3部を添加してさらに5分
間加熱混合した。混合後すみやかに混合釜から取
り出し、室温まで冷却して常温粘着性を有する無
溶剤型の熱硬化性樹脂組成物とした。 この組成物を、芳香族ポリアミド不織布にKH
―3003CT(日本バイリーン社製;密度27g/m2
からなる基材とセパレータとを介した熱ロール
(温度90〜100℃)上に導入して、上記基材上に
120g/m2の塗工量で塗工含浸してこの発明の常
温粘着性を有する熱硬化性接着シートとした。 実施例 2 エピコート#827(油化シエル社製の液状エポキ
シ樹脂、エポキシ当量180〜190) 60部 DEN431(ダウケミカル社製の液状エポキシ樹
脂、エポキシ当量172〜179) 40部 エポノール53(油化シエル社製の高分子量エポ
キシ樹脂、平均分子量80000) 15部 チタン白SR―1(堺化学社製;平均粒子径
0.3μ) 50部 ジアミノジフエニルスルフオン(250メツシユ
パスの再粉砕品) 20部 BF3モノエチルアミン 0.5部 上記組成からなる常温粘着性を有する熱硬化性
樹脂組成物を実施例1と同様の方法で調製し、こ
れを実施例1と同様の手法で基材に塗工含浸して
この発明の常温粘着性を有する熱硬化性接着シー
トとした。なお、基材としてはガラスクロス(旭
シユエーベル社製;密度49g/m2)を使用し、ま
た塗工量は140g/m2とした。 実施例 3 エピコート#828(前出) 80部 エピコート#1001(油化シエル社製の液状エポ
キシ樹脂、エポキシ当量450〜500) 20部 フエノキシ樹脂(前出、平均分子量30000)
26部 シリカ(平均粒子径1μの再粉砕品) 100部 ジシアンジアミド(250メツシユパスの再粉砕
品) 6部 D.P.ハードナー(デユポン社製、250メツシユ
パス) 2部 上記組成からなる常温粘着性を有する熱硬化性
樹脂組成物を実施例1と同様の方法で調製し、こ
れを実施例1と同様の手法で基材に塗工含浸して
この発明の常温粘着性を有する熱硬化性接着シー
トとした。なお、基材としてはポリエステル不織
布H―8103(日本バイリーン社製;密度30g/m2
を使用し、また塗工量は130g/m2とした。 比較例 1 エピコート#828(前出)60部とエピコート
#1002(油化シエル社製の常温で固形の低分子量
エポキシ樹脂;エポキシ当量600〜700)40部と
を、混合釜に投入して120℃で溶融混合し、これ
に平均粒子径13μのシリカを50部加えて混合し
た。ついで、90〜100℃の温度に下げ、40メツシ
ユパス品のジシアンジアミドを6部入れ、さらに
C17Z(前出のイミダゾール)を0.3部加え、再び加
熱混合して熱硬化性樹脂組成物とした。この組成
物を用いて以下実施例1と同様にして熱硬化性接
着シートを得た。 比較例 2 エピコート#828(前出)100部とフエノキシ樹
脂(前出、平均分子量30000)50部とを、混合釜
に入れて180〜200℃で溶融混合し、ついで120℃
に温度を下げて40メツシユパス品のジシアンジア
ミド6部とC17Z(前出のイミダゾール)0.2部とを
加え、同温度で加熱混合して熱硬化性樹脂組成物
とした。 この組成物を用いて以下実施例1と同様にして
熱硬化性接着シートを得た。ただし、熱ロール温
度を実施例1と同じ90〜100℃にしたのでは溶融
粘度が高すぎて塗工できなかつたため、ここでは
120〜130℃の熱ロール温度とした。なお、かかる
高温塗工では30分も経過しないうちに樹脂組成物
がゲル化し始め、連続塗工はできなかつた。 比較例 3 トルエン140部に素練り天然ゴム100部、熱反応
性アルキルフエノール樹脂(荒川林産社製のタマ
ノール510)20部、テルペン系石油樹脂(ピコ社
製のピコライトS―115)40部および老化防止剤
1部を添加し、均一に混合溶解して粘着剤溶液と
した。この溶液をポリエステル不織布H―8103
(前出)に塗布乾燥して粘着シートを得た。 以上の実施例1〜3および比較例1〜3に係る
熱硬化性接着シートないし粘着シートにつき、そ
の性能を調べた結果は、つぎの表に示されるとお
りであつた。
【表】 以上の試験結果から明らかなように、この発明
の熱硬化性接着シートは、常温粘着性を有してい
ると共に加熱硬化後の接着特性、耐熱特性、耐溶
剤性および含浸充填性にいずれもすぐれているこ
とがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 常温で液状のエポキシ樹脂100重量部にビス
    フエノールAとエピクロルヒドリンとから合成さ
    れた平均分子量10000以上の常温で固形のエポキ
    シ樹脂5〜40重量部を溶融混合してなる混合物、
    この混合物100重量部に対して20〜150重量部の割
    合とされた3μ以下の平均粒子径を有する充填剤、
    250メツシユパスの潜在性硬化剤および硬化促進
    剤を含む常温粘着性を有する無溶剤型の熱硬化性
    樹脂組成物を基材に未硬化ないし半硬化状態に塗
    工含浸してなる常温粘着性を有する熱硬化性接着
    シート。
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