JP2008144140A - 接着成形品、その製造方法及び半導体装置 - Google Patents

接着成形品、その製造方法及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成形中に硬化が過度に進行せず、かつボイドなどの欠陥の原因になりうる残存溶剤分をほとんど含まない接着シート、その製造方法及び半導体装置を提供する。
【解決手段】(I)熱硬化性樹脂、重量平均分子量1万以上の高分子量化合物及びフィラーを含む接着剤組成物を溶融混合する工程、(II)接着剤組成物を接着成形品として接着作業時に使用する温度以上の温度で、接着剤組成物を混合、撹拌して接着剤組成物中の揮発性成分を揮発させ低減する工程、(III)熱硬化性触媒の反応温度以下であり、かつ接着剤組成物が変形可能な温度以上に保った状態で、接着剤組成物に熱硬化性触媒を添加し、混合する工程、(IV)熱硬化触媒を含む接着剤組成物を所望の形状に成形する工程、を含む接着成形品の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、接着成形品、接着成形品の製造方法及び半導体装置に関する。
従来、熱硬化性接着シートは、溶剤に樹脂を溶解したワニスを基材フィルム上に塗工、乾燥してシート状にするなどして得ていたが、多量の溶剤を使用し、かつ、乾燥のために熱を多量に要していた(例えば、特許文献1、2参照。)。また、乾燥時に溶剤を完全に除去できないため、接着シートを加熱しながら流動させ接着に使用する場合、わずかに残る溶剤分が揮発して、接着シート中に発泡を生じることがあった。一方、このような接着シートは硬化後に架橋構造を形成するため高温での接着性に優れるという特長を有していた。
これに対して、熱可塑性樹脂からなる樹脂シートは押出成形やインフレーション成形で製造するため、溶剤乾燥が必要なく効率良く製造可能であった。しかしながら、熱可塑性樹脂を接着シートとして使用した場合、高温で溶融するため高温での接着性は満足できるものではなかった。また、放射線活性触媒を含む接着剤を溶剤を使用せずにシート状に押出成形した後、放射線を照射し熱硬化性を付与することにより、特に高温での高い接着性を付与したものがあるが、顔料やフィラーを含んでいるシートなど不透明な接着剤には適用が難しかった(例えば、特許文献3参照。)。
熱硬化性の接着剤組成物を、溶剤乾燥の必要なく効率良く製造しようとして、押出成形又はインフレーション成形で製造した場合、成形中に粘度が変化したり、硬化して接着シートの接着性が低下したり、装置内部で熱硬化するため、装置が破壊されうることがわかった。したがって、従来の方法では高温で成形可能で、成形中に硬化が過度に進行せず、かつ成形後は成形温度よりも低い温度で熱硬化可能な接着剤及び接着シートを得ることはできないことがわかった。
特開昭60−243180号公報 特開昭61−138680号公報 特開2004−189910号公報
本発明は、上記の課題に鑑み、高温で成形可能であり、成形中に硬化が過度に進行せず、かつ成形後は成形温度よりも低い温度で熱硬化可能で、ボイドなどの欠陥の原因になりうる残存揮発性成分をほとんど含まない接着成形品、その製造方法及び半導体装置を提供するものである。
即ち、本発明は、(1)(I)熱硬化性樹脂、重量平均分子量1万以上の高分子量化合物及びフィラーを含む接着剤組成物を溶融混合する工程、(II)接着剤組成物を接着成形品として接着作業時に使用する温度以上の温度で、接着剤組成物を混合、撹拌して接着剤組成物中の揮発性成分を揮発させ低減する工程、(III)熱硬化性触媒の反応温度以下であり、かつ接着剤組成物が変形可能な温度以上に保った状態で、接着剤組成物に熱硬化性触媒を添加し、混合する工程、(IV)熱硬化触媒を含む接着剤組成物を所望の形状に成形する工程、を含む接着成形品の製造方法に関する。
また、本発明は、(2)前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である前記(1)記載の接着成形品の製造方法に関する。
また、本発明は、(3)前記(1)または(2)に記載の接着成形品の製造方法で製造してなる接着成形品であって、揮発性成分の残存量が0.1重量%以下である接着成形品に関する。
また、本発明は、(4)前記接着成形品が厚さ1〜10000μmの接着シートである前記(3)に記載の接着成形品に関する。
また、本発明は、(5)前記(4)に記載の接着シートを用いて、半導体素子と支持部材とを、又は半導体素子同士を接着させた構造を有してなる半導体装置に関する。
本発明の製造方法によれば、溶剤を用いずに高温で成形可能であり、成形中に硬化が過度に進行せず、かつ成形後は成形温度よりも低い温度で熱硬化可能であるため、溶剤乾燥工程がなく、低コストで接着成形品が得られる。また、本発明の製造方法によれば、ボイドなどの欠陥の原因になりうる残存揮発性成分をほとんど含まない接着成形品が得られる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の接着成形品の製造方法において、接着剤組成物は熱硬化性樹脂、重量平均分子量1万以上の高分子量化合物及びフィラーを含んでなる。
本発明において用いられる熱硬化性樹脂としては、熱によって重合あるいは架橋する樹脂であれば特に制限はないが、例えば、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂などが挙げられるが、接着性に優れ、耐熱性が高い点でエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂など、一般に知られているものを適用することができる。これらのなかでも、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート807,815,825,827,828,834,1001,1004,1007,1009、ダウケミカル社製、商品名:DER−330,301,361、東都化成株式会社製、商品名:YD8125,YDF8170などが挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート152,154、日本化薬株式会社製、商品名:EPPN−201、ダウケミカル社製、商品名:DEN−438などが、また、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製、商品名:EOCN−102S,103S,104S,1012,1025,1027、東都化成株式会社製、商品名:YDCN701,702,703,704などが挙げられる。多官能エポキシ樹脂としては、例えば、油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:Epon 1031S、チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:アラルダイト0163、ナガセ化成株式会社製、商品名:デナコールEX−611,614,614B,622,512,521,421,411,321などが挙げられる。グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート604、東都化成株式会社製YH−434、三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X,TETRAD−C、住友化学株式会社製、商品名:ELM−120などが挙げられる。複素環含有エポキシ樹脂としては、例えば、チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:アラルダイトPT810、UCC社製、商品名:ERL4234,4299,4221,4206などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独でまたは2種類以上を組み合わせても、使用することができる。
本発明では、熱硬化性樹脂硬化剤を必要に応じて用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、エポキシ樹脂硬化剤としては、通常用いられている公知の硬化剤を使用することができる。たとえば、アミン類、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSのようなフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂などが挙げられる。特に吸湿時の耐電食性に優れる点で、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂が好ましい。好ましいフェノール樹脂硬化剤としては、たとえば、大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:フェノライトLF2882、フェノライトLF2822、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2149、フェノライトVH−4150、フェノライトVH4170、三井化学株式会社製、商品名:XLC−LLなどが挙げられる。
エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤の組み合わせとしては、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤を混合した場合でも、硬化反応が遅く、十分揮発性成分を除去できるものが好ましく、エポキシ樹脂とフェノール樹脂系硬化剤の組み合わせが好ましい。
エポキシ樹脂硬化剤の使用量は、硬化剤の種類によって適切に設定すればよい。たとえばフェノール樹脂を用いる場合、当量比(エポキシ樹脂中のエポキシ基数に対する硬化剤中の水酸基数の比)を考慮して適宜、配合量を設定すればよい。
本発明では、接着成形品としての強度を付与する、あるいは可とう性を付与する目的で重量平均分子量が1万以上である高分子量化合物を用いる。本発明で用いられる高分子量化合物としては、例えば、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ブタジエンゴム、アクリルゴム、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、及びそれらの混合物などが挙げられる。特に、官能性モノマーを含む重量平均分子量が5万以上である高分子量化合物、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなどの官能性モノマーを含有し、かつ重量平均分子量が5万以上であるエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体などが好ましい。低分子量成分を含まない点で、リビング重合したポリマが好ましく、このようなものとしては、クラレ株式会社製のアクリルメタクリル共重合ポリマ(商品名:LA1114)などが挙げられる。エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体は、例えば、エポキシ基含有(メタ)アクリルエステル共重合体、エポキシ基含有アクリルゴムなどを使用することができ、エポキシ基含有アクリルゴムがより好ましい。アクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分とし、主として、ブチルアクリレートとアクリロニトリルなどの共重合体や、エチルアクリレートとアクリロニトリルなどの共重合体などからなるゴムである。
このような重量平均分子量が5万以上であるエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体としては、たとえば、帝国化学産業株式会社製、商品名:HTR−860P−3などが挙げられる。エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体中のグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有反復単位の量は、0.5〜6.0重量%が好ましく、0.5〜5.0重量%がより好ましく、0.8〜5.0重量%が特に好ましい。前記エポキシ基含有反復単位の量が0.5〜6.0重量%であると、接着成形品の接着力が確保し易く、また、ゲル化を防止し易くなる。
本発明において用いる高分子量化合物の重量平均分子量は1万以上であり、好ましくは3万〜300万であり、より好ましくは5万〜200万である。高分子量化合物の重量平均分子量が1万以上であると、接着成形品がシート状またはフィルム状である場合の強度、可とう性、およびタック性が適当であり、また、フロー性が適当なため配線の回路充填性が確保できる。なお、本発明において、重量平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
本発明において高分子量化合物の使用量は、熱硬化性樹脂および必要に応じて用いられる熱硬化性樹脂硬化剤の合計量100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部である。配合量は所望の弾性率等を考慮して適宜調整することができる。
本発明では、接着成形品の取扱い性向上、熱伝導性向上、溶融粘度の調整およびチキソトロピック性付与などを目的として、フィラーを添加する。本発明で用いられるフィラーとしては、特に制限はなく、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等の無機フィラー;銀、銅、アルミニウムなどの金属フィラー;ゴム、ポリイミドなどの有機フィラー;などが挙げられる。また、フィラーの形状は特に制限されるものではない。これらのフィラーは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。これらのなかでも、熱伝導性向上の目的には、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカなどの無機フィラー、各種金属フィラーが好ましい。また、溶融粘度の調整やチキソトロピック性の付与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカなどの無機フィラーが好ましい。
フィラーの使用量は、接着剤組成物中の樹脂固形分100重量部に対して、好ましくは1〜1000重量部である。フィラーの使用量が1重量部未満である場合は、添加効果が得られない傾向があり、逆に1000重量部を超える場合は、接着剤層の貯蔵弾性率の上昇、接着性の低下、ボイド残存による電気特性の低下等の問題を起こす傾向がある。
また、本発明においては、上記の他に、光重合開始剤、光塩基発生剤、触媒、添加剤、カップリング剤等を含有していてもよい。
また、本発明の接着組成物には、異種材料間の界面結合を良くするために、各種カップリング剤を添加することもできる。カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタン系、アルミニウム系等が挙げられ、中でも効果が高い点でシラン系カップリング剤が好ましいが、加水分解によりアルコール類を生じ、発泡の原因になりうるため、発泡の低減のためには、添加量を少なくするか、添加しないことが好ましい。
なお、溶融粘度調整や表面の平滑性付与のために、発泡に影響のない範囲で少量の溶剤を接着剤組成物に加えても良い。溶剤としては、特に限定されないが、たとえば、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどの比較的低沸点の溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノンなどの比較的高沸点の溶剤を使用することもできる。これらの溶剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の接着成形品の製造方法は、(I)熱硬化性樹脂、重量平均分子量1万以上の高分子量化合物及びフィラーを含む接着剤組成物を溶融混合する工程、(II)接着剤組成物を接着成形品として接着作業時に使用する温度以上の温度で、接着剤組成物を混合、撹拌して接着剤組成物中の揮発性成分を揮発させ低減する工程、(III)熱硬化性触媒の反応温度以下であり、かつ接着剤組成物が変形可能な温度以上に保った状態で、接着剤組成物に熱硬化性触媒を添加し、混合する工程、(IV)熱硬化触媒を含む接着剤組成物を所望の形状に成形する工程、を含む。
まず、(I)の工程において、熱硬化性樹脂、重量平均分子量1万以上の高分子量化合物及びフィラーを含む接着剤組成物を溶融混合する。溶融混合する方法は特に限定されず、例えば、2本ロールやニーダー等を用いる方法が挙げられる。
なお、(I)の工程において、熱硬化性樹脂を予備乾燥した後、高分子量化合物及びフィラーと溶融混合することでも揮発性成分を低減できるが、熱硬化性樹脂、高分子量化合物及びフィラーを溶融混合した後に、次(II)の工程で揮発性成分の低減を行なった方が操作に要する時間を短縮できる上、フィラーと熱硬化性樹脂の混合時に発生する水などの揮発性成分、熱硬化性樹脂同士の反応により発生するアルコールや水などの揮発性成分を除去できる点で好ましい。
次いで、(II)の工程において、接着剤組成物を接着成形品として接着作業時に使用する温度以上の温度で、接着剤組成物を混合、撹拌して接着剤組成物中の揮発性成分を揮発させ低減する。前記接着成形品として接着作業時に使用する温度とは、接着成形品を用いて被接着体、例えば、半導体素子と支持部材とを、又は半導体素子同士を接着する際の温度を意味し、接着剤組成物の組成、接着成形品の形状、被接着体の種類等により適宜設定される。接着剤組成物中に揮発性成分が多量に残存すると成形品にボイドが発生してしまうので(II)の工程で低減する必要がある。揮発性成分の低減は上記所定の温度で接着剤組成物を混合撹拌することにより行われるが、この際の温度が接着成形品として接着作業時に使用する温度未満の温度である場合は、接着剤組成物中に揮発性成分が多量に残存し、成形品にボイドが発生してしまう。
である。混合撹拌は、揮発性成分が大気中に拡散可能な状態にて行われる。接着剤組成物中の揮発性成分は出来るだけ除去されることが好ましい。
次いで、(III)の工程において、熱硬化性触媒の反応温度以下であり、かつ接着剤組成物が変形可能な温度以上に保った状態で、接着剤組成物に熱硬化性触媒を添加し、混合する。熱硬化性触媒の反応温度以下とは、本発明の接着成形品の示差走査熱量計(以下「DSC」ともいう。)で昇温速度10℃/分で測定した発熱ピーク温度Aに対して、30℃以上低い温度であり、40℃以上低いことが好ましい。本発明で用いられる熱硬化性触媒としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等のイミダゾール類、ジシアンジアミド、0−トリルビグアニド、フェニルビグアニドおよびα−2,5−ジメチルビグアニド等のジシアンジアミド誘導体、コハク酸ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジドおよびp−オキシ安息香酸ヒドラジド等の有機酸ヒドラジド類、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等を用いることができ、なかでもイミダゾール類が好ましい。これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。熱硬化性触媒の使用量は、熱硬化性樹脂と必要に応じて用いられる熱硬化性樹脂硬化剤の合計100重量部に対して、好ましくは0.05〜3重量部である。なお、熱硬化性触媒の混合に1時間以上を要すると、熱硬化性触媒の反応温度以下でも硬化反応が進行することがあるので、混合は10分以内、好ましくは5分以内で終了することが好ましく、そのため、熱硬化性触媒は混合しやすい粉体状であることが好ましい。
次いで、(IV)の工程において、熱硬化触媒を含む接着剤組成物を所望の形状に成形する。前記形状としては、平滑面同士の接着に適している点でシート状が一般的であるが、繊維状、板状、パイプ状、ボール状などの形状にしても良い。このような形状に成形する方法としては、熱硬化性樹脂が溶融し、流動、成形ができれば特に制限はないが、プレス、インフレーション成形、射出成形、押し出し成形、カレンダーロール成形等があり、必要に応じて延伸などの処理を行っても良い。シート状に成形する場合は、シートの厚みは、好ましくは1〜10,000μmである。シートの厚みが1μm未満である場合は、応力緩和効果が乏しくなる傾向があり、逆に10,000μm超である場合は、経済的でなくなる上に、被着体が半導体装置などの場合にその小型化の要求に応えられない。
なお、成形時の温度は、用いられる熱硬化性触媒の反応温度以下であることが好ましく、また加熱時間は、好ましくは10分以内、より好ましくは5分以内である。
なお、本発明の接着成形品は、接着成形品同士の付着を防止するためなどの目的で、基材フィルムを併用することが好ましく、このような基材フィルムとしては、特に制限は無く、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポイエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルム等が挙げられる。
上記本発明の接着成形品の製造方法により得られる接着成形品は、揮発性成分の残存量が0.1重量%以下であるため、製品の欠陥となるボイドの発生を抑えることが出来る。
また、上記本発明の接着成形品の製造方法により得られる厚さが1〜10,000μmの接着シートを用いて、半導体素子と支持部材とを、又は半導体素子同士を接着させた構造を有してなる半導体装置を得ることができる。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
YDCN−703(東都化成株式会社製商品名、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)48重量部、XLC−LL(三井化学株式会社製商品名、キシレン変性フェノールノボラック樹脂)36.8重量部、LA1114(クラレ株式会社製商品名、アクリルゴム、分子量8万)50重量部、FB−35(電気化学工業株式会社製商品名、シリカフィラー)200重量部からなる接着剤組成物をステンレス容器中で200℃10分間で溶融混合し、その後、270℃で10分間混合、撹拌しながら、揮発性成分を除去した後、100℃に冷却した。その状態でキュアゾール2PZ−CN(四国化成工業株式会社製商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.6重量部を添加し、100℃で2分間よく混合し室温に冷却し後、その10gを厚さ75μmの離型処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製、ピューレックスS31)の離型処理した面の間においた後、平板プレスで100℃、圧力10MPa、20秒間プレスした後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して厚さ80μmの接着シート(1)を得た。
(実施例2)
LA1114 50重量部の替わりにHTR−860P−3(帝国化学産業株式会社製商品名、エポキシ基含有アクリルゴム、分子量80万)25重量部を用いること以外は実施例1と同様に操作して、厚さ80μmの接着シート(2)を得た。
(比較例1)
YDCN−703(東都化成株式会社製商品名、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)48重量部、XLC−LL(三井化学株式会社製商品名、キシレン変性フェノールノボラック樹脂)36.8重量部、LA1114(クラレ株式会社製商品名、アクリルゴム、分子量8万)50重量部、FB−35(電気化学工業株式会社製商品名、シリカフィラー)200重量部からなる組成物をシクロヘキサノンに溶解し、これを、厚さ75μmの離型処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製、ピューレックスS31)の離型処理した面の間に塗布し、80℃で10分間、140℃で5分間乾燥した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、厚さ80μmの接着シート(3)を得た。
(比較例2)
YDCN−703(東都化成株式会社)製商品名、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)48重量部、XLC−LL(三井化学株式会社製商品名、キシレン変性フェノールノボラック樹脂)36.8重量部、LA1114(クラレ株式会社製商品名、アクリルゴム、分子量8万)50重量部、FB−35(電気化学工業株式会社製商品名、シリカフィラー)200重量部、キュアゾール2PZ−CN(四国化成工業株式会社製商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.6重量部からなる組成物をステンレス容器中で200℃10分間で溶融混合し、その後、270℃で10分間混合、撹拌したところ、樹脂が硬化して接着シートを作製出来なかった。
上記実施例1〜2及び比較例1で得られた接着シート(1)〜(3)についての評価は下記の方法で行った。
(1)フロー量の測定
ポリエチレンテレフタレートフィルムに積層してなる接着シートを1cm×2cmの短冊片に打ち抜くことにより、寸法1cm×2cmの短冊状サンプルSを調製した。そして、熱圧着試験装置(テスター産業株式会社製)において、前記短冊状サンプルSを120℃に加熱したステージ上に置き、0.8MPaの圧力を18秒間付与した。その後、前記短冊状サンプルSを熱圧着試験装置から取出した後、前記短冊状サンプルSの長片(2cm辺)の端部からはみだした樹脂のうち、1番目と2番目に長いはみ出し距離(長手方向距離a)を光学顕微鏡で測定した。このような操作を4つの短冊状サンプルについて行い、それらのはみ出し距離の平均値、即ち合計8点の距離の平均値を求めフロー量とした。
(2)発泡性の測定
上記(1)で作製した短冊状サンプルSについて、無加重で170℃、230℃または260℃の熱板上に置き、1分放置した後の発泡の発生を調べた。1cm×2cmあたり、直径100μm以上の気泡が3個以上発生したものを×、2個以下のものを○とした。
(3)対金めっきピール強度(接着強度)の測定
120℃のホットプレート上で、接着シートにチップ(5mm角)及び金めっき基板(銅箔付フレキシブル基板電解金めっき(Ni:5μm、Au:0.3μm))を積層し、130℃30分+170℃1時間キュアした。この試料について250℃でのピール強度を測定した。
(4)耐湿性の評価
半導体ウエハ(厚み300μm)上に接着シートを貼り、130℃30分+170℃1h時間キュアした。このサンプルを温度121℃、湿度100%、2.03×10Paの雰囲気(プレッシャークッカ−テスト:PCT処理)で72時間処理後に剥離の有無を目視観察した。剥離の無かったものを○とし、剥離の有ったものを×とした。
(5)残存揮発分の測定
重さ約1gの接着シートを170℃で1時間加熱し、加熱前後の重量変化から揮発性成分の含有率(%)を求めた。
これらの評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 2008144140
表1から、実施例1、2で得られた接着シート(I)、(II)は、接着性に優れ、260℃の熱板上でも発泡しないことが分かった。比較例1の接着シート(III)は溶剤分を多く含むため、発泡しやすく、230℃の熱板上で発泡した。また、比較例2は、熱硬化性触媒の添加後に270℃の加熱工程を経たため、樹脂が硬化し、接着シートを作成できなかった。

Claims (5)

  1. (I)熱硬化性樹脂、重量平均分子量1万以上の高分子量化合物及びフィラーを含む接着剤組成物を溶融混合する工程、
    (II)接着剤組成物を接着成形品として接着作業時に使用する温度以上の温度で、接着剤組成物を混合、撹拌して接着剤組成物中の揮発性成分を揮発させ低減する工程、
    (III)熱硬化性触媒の反応温度以下であり、かつ接着剤組成物が変形可能な温度以上に保った状態で、接着剤組成物に熱硬化性触媒を添加し、混合する工程、
    (IV)熱硬化触媒を含む接着剤組成物を所望の形状に成形する工程、
    を含む接着成形品の製造方法。
  2. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項1記載の接着成形品の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の接着成形品の製造方法で製造してなる接着成形品であって、揮発性成分の残存量が0.1重量%以下である接着成形品。
  4. 前記接着成形品が厚さ1〜10000μmの接着シートである請求項3記載の接着成形品。
  5. 請求項4に記載の接着シートを用いて、半導体素子と支持部材とを、又は半導体素子同士を接着させた構造を有してなる半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS59108072A (ja) * 1982-12-11 1984-06-22 Nitto Electric Ind Co Ltd 常温粘着性を有する熱硬化性接着シ−ト
JPH1072575A (ja) * 1996-06-26 1998-03-17 Kobe Steel Ltd 熱硬化性構造用接着剤組成物

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