JP2015119563A - 電線保護構造 - Google Patents

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Tatsuhiko Uehara
建彦 上原
聖治 岩原
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Abstract

【課題】電線束のバラツキを省スペースで抑えると共に組付け作業性を向上させることができる電線保護構造を提供する。【解決手段】複数の被覆電線13が束ねられて所定形状に形成される電線束15と、テープ状に形成され、ガラス転移温度以下の雰囲気温度で電線束15の外周に巻き付けられた後に加熱により収縮硬化されて電線束15を所定形状に固定する熱収縮性樹脂部材37と、を備える電線保護構造。【選択図】図1

Description

本発明は、電線保護構造に関する。
本体と蓋体が互いに組み合わされることにより、電線の経路を規制し且つバラツキを抑えて収納する筒体である樹脂製のプロテクタが知られている(特許文献1等参照)。
図7に示すように、この種のプロテクタ501は、例えば本体503と蓋体505とを互いに組み合わせて形成される筒体の内部に電線束507が収納され、本体503と蓋体505とがロック部509により固定される。
また、電線束507のバラツキを抑えるものとして、熱収縮編組樹脂管(熱収縮チューブ)が知られている(特許文献2等参照)。
図8に示すように、この種の熱収縮チューブ511は、電線束507が挿通された後、加熱することにより縮径されて電線束507の外周に密着する。熱収縮チューブ511を用いると、収縮力により電線束507に密着するため、従来のテープ巻きによる構成に比較して組付け作業性を向上することができると共に、電線束507が綺麗に仕上がる。
特開2005−160222号公報 特開昭52−25290号公報
しかしながら、図7に示したプロテクタ501は、電線束収容率や本体503及び蓋体505の板厚、ロック部509の大きさ等により、必要な設置スペースが電線束径よりもかなり大きくなる。例えば、電線束507の直径が10mmの場合、図7の(b)に示すプロテクタ501における内寸aが16mm(収容率62.5%以下)、外寸bがa+ロックスペース=16mm+52mm=26mmとなり、電線束507の直径の2.5倍以上の設置スペースが必要になる。プロテクタ501は、このように必要な設置スペースが大きいため、スペース確保のために設計工数が大となる。また、プロテクタ501は、重量があり、大きい物となるため、車両組付け作業が困難となる。
一方、図8に示した熱収縮チューブ511は、電線束507に密着するので必要な設置スペースはさほど大きくならないが、挿通作業が必要になるため、多数の長尺な被覆電線からなる電線束507では組付け作業が容易でない。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、電線束のバラツキを省スペースで抑えると共に組付け作業性を向上させることができる電線保護構造を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 複数の被覆電線が束ねられて所定形状に形成される電線束と、テープ状またはシート状に形成され、ガラス転移温度以下の雰囲気温度で前記電線束の外周に巻き付けられた後に加熱により収縮硬化されて前記電線束を前記所定形状に固定する熱収縮性樹脂部材と、を備えることを特徴とする電線保護構造。
上記(1)の構成の電線保護構造によれば、ガラス転移温度以下の雰囲気温度において、テープ状またはシート状に形成された熱収縮性樹脂部材が電線束に巻き付けられる。そして、巻き付けられた熱収縮性樹脂部材と共に電線束が所定形状に形づけられた後、ガラス転移温度を超えて加熱されることで、熱収縮性樹脂部材が収縮硬化されて電線束が所定形状に固定される。つまり、電線束が所定形状に剛体化される。
熱収縮性樹脂を用いたテープ状またはシート状の熱収縮性樹脂部材は、熱収縮性樹脂が収縮硬化する前は柔らかく、他の外装部材と同様の方法により布線治具板上で電線束に巻き付けることが可能である。熱収縮性樹脂部材は、電線束の外周に密着し、一定肉厚で形成されており、必要な設置スペースが電線束の直径に対してほとんど変わらない(例えば、直径+2mm程度)配索経路どおりの形で電線束を固めることができ、複数の被覆電線のバラツキを抑えることができる。
その結果、電線束に巻き付けられたテープ状またはシート状の熱収縮性樹脂部材は、従来の筐体状のプロテクタと比較して省スペースとなる。また、省スペース化により車両搭載スペース確保のための設計工数の削減が可能となる。更に、テープ状またはシート状の熱収縮性樹脂部材が電線束に巻き付けられるだけの構成の電線保護構造となるため、従来よりも軽量・小型化され車両組付けが容易となる。
これに加え、熱収縮性樹脂部材は、熱硬化性樹脂部材と比較した場合、常温では硬化しないので、保管が容易となる(熱硬化性樹脂部材は冷蔵保存の必要がある)。また、熱収縮性樹脂部材は、熱収縮により、熱硬化性樹脂部材よりも電線束の外周へ密着しやすい。
その結果、熱収縮性樹脂部材は、熱硬化性樹脂部材よりも更に電線束に密着し綺麗に仕上がる。また、テープ状の熱収縮性樹脂部材は、従来の熱収縮チューブのような電線束の挿通作業が不要となる。熱収縮性樹脂部材は、電線束を締め上げるように収縮するため、電線束の密着度合いを高めることができる。
(2) 上記(1)の構成の電線保護構造であって、前記熱収縮性樹脂部材における前記電線束の外周と接する面には、ホットメルト層が設けられていることを特徴とする電線保護構造。
上記(2)の構成の電線保護構造によれば、加熱されることによって、熱収縮性樹脂部材が収縮硬化すると共にホットメルト層のホットメルトが軟化して被覆電線の間に入り込む。そして、被覆電線の間に入り込んだホットメルトは、冷えて硬化するので、電線保護構造の剛性を更に高めることができる。
(3) 複数の被覆電線が束ねられて所定形状に形成される電線束と、テープ状またはシート状に形成され、ガラス転移温度以下の雰囲気温度で前記電線束の外周に巻き付けられた後に加熱により硬化されて前記電線束を前記所定形状に固定する熱硬化性樹脂部材と、を備えることを特徴とする電線保護構造。
上記(3)の構成の電線保護構造によれば、ガラス転移温度以下の雰囲気温度において、テープ状またはシート状に形成された熱硬化性樹脂部材が電線束に巻き付けられる。そして、巻き付けられた熱硬化性樹脂部材と共に電線束が所定形状に形づけられた後、ガラス転移温度を超えて加熱されることで、熱硬化性樹脂部材が硬化されて電線束が所定形状に固定される。つまり、電線束が所定形状に剛体化される。
熱硬化性樹脂を用いたテープ状またはシート状の熱硬化性樹脂部材は、熱硬化性樹脂が硬化する前は柔らかく、粘着力もあるため、他の外装部材と同様の方法により布線治具板上で電線束に巻き付けることが可能である。熱硬化性樹脂部材は、電線束の外周に密着し、一定肉厚で形成されており、必要な設置スペースが電線束の直径に対してほとんど変わらない(例えば、直径+2mm程度)配索経路どおりの形で電線束を固めることができ、複数の被覆電線のバラツキを抑えることができる。
その結果、電線束に巻き付けられたテープ状またはシート状の熱硬化性樹脂部材は、従来の筐体状のプロテクタと比較して省スペースとなる。また、省スペース化により車両搭載スペース確保のための設計工数の削減が可能となる。更に、テープ状またはシート状の熱硬化性樹脂が電線束に巻き付けられるだけの構成の電線保護構造となるため、従来よりも軽量・小型化され車両組付けが容易となる。
本発明に係る電線保護構造によれば、電線束のバラツキを省スペースで抑えると共に組付け作業性を向上させることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の第1実施形態に係る電線保護構造を有したワイヤハーネスの斜視図である。 図1におけるA−A断面図である。 (a)は熱収縮性樹脂部材の巻き付け状況を表す手順説明図、(b)は熱収縮性樹脂部材がテープ巻きされた電線束の金型投入状況を表す手順説明図、(c)は成形金型の上下型が合わせられた熱成形時の状況を表した手順説明図である。 (a)は仮止具によるテープ押さえ状況を表す説明図、(b)は手指によるテープ押さえ状況を表す説明図、(c)は粘着層が設けられている場合のテープ押さえ状況を表す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネスの断面図であり、(a)は加熱前のワイヤハーネスの状態を示し、(b)は加熱後のワイヤハーネスの状態を示す。 本発明の第3実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネスの断面図である。 (a)は従来のプロテクタの斜視図、(b)は(a)の電線挿通方向に直交する方向の断面図である。 従来の熱収縮チューブを用いた電線挿通状況を表す斜視図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス11は、複数の被覆電線13が束ねられて所定形状(本実施形態においては、L字形状)に形成される電線束15と、熱収縮性樹脂によりテープ状に形成され、ガラス転移温度以下の雰囲気温度で電線束15の外周に巻き付けられた後に加熱により収縮硬化されて電線束15を所定形状に固定する熱収縮性樹脂部材37と、を備える。
本第1実施形態に係るワイヤハーネス11の製造手順は、先ず、図3の(a)に示すように、図示しない布線治具板上の電線束15の外周に、硬化前のテープ状の熱収縮性樹脂部材37を巻き付ける。本第1実施形態では、熱収縮性樹脂部材37がテープ状に形成されているが、矩形のシート状に形成した熱収縮性樹脂部材37を用いることもできる。ここまでは、通常の外装材(粘着テープ等)と同様の製造方法で加工が可能となる。
なお、テープ状の熱収縮性樹脂部材37は、粘着層が設けられていない場合には、図4の(a)に示すように、巻き初めが仮止具19等により押さえられることが望ましい。電線束15への巻き付けは、図4の(b)に示すように、熱収縮性樹脂部材37を手指で押さえながら、テープ幅の半分ずつを重ねて電線束15に巻きつける所謂ハーフ巻きとされる。なお、熱収縮性樹脂部材37における電線束15の外周と接する面に粘着層が設けられているものであれば、図4の(c)に示すように、通常の粘着テープの場合と同様に、テープが緩んだり弛んだりすることのない容易なハーフ巻きが可能となる。なお、テープ状の熱収縮性樹脂部材37は、図4の(c)に示すハーフ巻きに限定されるものではなく、収縮硬化した際に電線束15を所定形状に固定することができれば、巻きつけた熱収縮性樹脂部材37の間に隙間が生じてもよい。
次いで、テープ状の熱収縮性樹脂部材37が巻き付けられた電線束15を加熱する。加熱には、例えば図3の(b),(c)に示す成形金型23を用いることができる。成形金型23は、下型25と上型27からなる。上型27と下型25には、熱収縮性樹脂部材37が巻き付けられた電線束15を所定形状(L字形状)に形づけするための成形溝26が形成されている。この成形金型23には、加熱手段としてのヒーター(図示略)が設けられる。
図3の(b)に示すように、熱収縮性樹脂部材37を巻き付けた電線束15が、成形金型23の下型25にセットされる。この際、熱収縮性樹脂部材37は収縮硬化前で柔らかく、下型25の成形溝26内には、熱収縮性樹脂部材37が巻き付けられた電線束15を容易にセットすることができる。
図3(c)に示すように、下型25の成形溝26内に電線束15をセットし、上型27を合わせた後、熱収縮性樹脂のガラス転移温度を超える温度で所定時間加熱した後、電線束15を成形金型23から取り出す。これにより、熱収縮性樹脂部材37が収縮硬化され、電線束15が所定形状(L字形状)に固定された図1に示すワイヤハーネス11の製造が完了する。
次に、本第1実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス11の作用を説明する。
本第1実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス11では、熱収縮性樹脂のガラス転移温度以下の雰囲気温度において、テープ状に形成された熱収縮性樹脂部材37が電線束15に巻き付けられる。そして、巻き付けられた熱収縮性樹脂部材37と共に電線束15が所定形状に形づけられた後、ガラス転移温度を超えて加熱されることで、熱収縮性樹脂部材37が収縮硬化されて電線束15が所定形状に固定される。つまり、電線束15が剛体化されて、所定形状のワイヤハーネス11が形成される。
ここで、電線束15の所定形状は、上記L字形状の他、直線形状、U字形状、S字形状、Z字形状、螺旋形状、或いはこれらの組合せ形状等の任意の形状であってよい。この所定形状への電線束15の形づけは、治具や成形型を使用しなくてもよいが、好ましくは所定形状の形づけ空間(成形溝26)を有する成形金型23等の成形型を用いることが好ましい。
本第1実施形態に係る熱収縮性樹脂は、所定の温度(熱収縮温度)以上に加熱されることにより収縮する性質を有する。熱収縮性樹脂は、常温の状態で軟らかいため、この状態で金型に押し込み、加熱収縮後、冷し固化させて目的の形状に成形することができるので、常温の状態で硬い熱可塑性樹脂(Thermoplastic resin)とは異なる。
一般的に熱可塑性樹脂は、加温によらなければテープ巻き等の作業がしにくい。これに対し、熱収縮性樹脂からなる熱収縮性樹脂部材37は、常温(25℃程度)でのテープ巻きを容易にできる。加熱硬化条件は、例えば120℃、0.5Hrで設定される。熱収縮性樹脂としては、例えばポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等が挙げられる。フィルム状の熱収縮性樹脂としては、無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績株式会社製;品番P1153)等が挙げられる。
このように、熱収縮性樹脂を用いたテープ状の熱収縮性樹脂部材37は、熱収縮性樹脂が収縮硬化する前は柔らかく、他の外装部材と同様の方法により布線治具板上で電線束15に巻き付けることが可能である。熱収縮性樹脂部材37は、電線束15の外周に密着し、一定肉厚で形成されている。そこで、ワイヤハーネス11は、必要な設置スペースが電線束15の直径に対してほとんど変わらない(例えば、直径+2mm程度)配索経路どおりの形で電線束15を固めることができ、複数の被覆電線13のバラツキを抑えることができる。
その結果、電線束15に巻き付けられたテープ状の熱収縮性樹脂部材37は、従来の筐体状のプロテクタ501(図7参照)と比較して省スペースとなる。
また、省スペース化により車両搭載スペース確保のための設計工数の削減が可能となる。更に、テープ状の熱収縮性樹脂部材37が電線束15に巻き付けられるだけの構成の電線保護構造となるため、従来のプロテクタ501よりも軽量・小型化され車両組付けが容易となる。
これに加え、熱収縮性樹脂部材37は、後述する第3実施形態に係る熱硬化性樹脂部材57と比較した場合、常温では硬化しないので、保管が容易となる(熱硬化性樹脂部材57は冷蔵保存の必要がある)。また、熱収縮性樹脂部材37は、熱収縮により、熱硬化性樹脂部材57よりも電線束15へ密着しやすい。
その結果、熱収縮性樹脂部材37は、熱硬化性樹脂部材57よりも更に電線束15に密着し綺麗に仕上がる。また、テープ状の熱収縮性樹脂部材37は、従来の熱収縮チューブ511(図8参照)のような電線束507の挿通作業が不要となる。熱収縮性樹脂部材37は、電線束15を締め上げるように収縮するため、電線束15の密着度合いを高めることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス41を説明する。
図5の(a)に示すように、本第2実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス41では、上記第1実施形態で用いた熱収縮性樹脂部材37に代えて、電線束15の外周と接する面にホットメルト層20が設けられた熱収縮性樹脂部材47が用いられた以外は、上記第1実施形態のワイヤハーネス11と製造手順も同様である。
本第2実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス41は、複数の被覆電線13が束ねられて所定形状に形成される電線束15と、熱収縮性樹脂によりテープ状に形成されると共に電線束15の外周と接する面にホットメルト層20が設けられ、ガラス転移温度以下の雰囲気温度で電線束15の外周に巻き付けられた後に加熱により収縮硬化されて電線束15を所定形状に固定する熱収縮性樹脂部材47と、を備える。
次に、本第2実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス41の作用を説明する。
本第2実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス41では、図5の(a)に示すように、熱収縮性樹脂のガラス転移温度以下の雰囲気温度において、テープ状に形成された熱収縮性樹脂部材47が電線束15に巻き付けられる。そして、巻き付けられた熱収縮性樹脂部材47と共に電線束15が所定形状に形づけられた後、ガラス転移温度を越えて加熱される。
すると、図5の(b)に示すように、熱収縮性樹脂部材47が収縮硬化されると共にホットメルト層20のホットメルト20Aが軟化して被覆電線13の間に入り込む。そして、被覆電線13の間に入り込んだホットメルト20Aは、冷えて硬化するので、電線束15の剛性が更に高められた所定形状のワイヤハーネス41が形成される。
次に、本発明の第3実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス51を説明する。
図6に示すように、本第3実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス51では、上記第1実施形態で用いた熱収縮性樹脂部材37に代えて、テープ状の熱硬化性樹脂部材57が用いられた以外は、上記第1実施形態のワイヤハーネス11と製造手順も同様である。
本第3実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス51は、複数の被覆電線13が束ねられて所定形状に形成される電線束15と、熱硬化性樹脂によりテープ状に形成され、ガラス転移温度以下の雰囲気温度で電線束15の外周に巻き付けられた後に加熱により硬化されて電線束15を所定形状に固定する熱硬化性樹脂部材57と、を備える。
第3実施形態に係るワイヤハーネス51の製造手順は、上述した第1実施形態に係るワイヤハーネス11と略同じである。
次に、本第3実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス51の作用を説明する。
本第3実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス51では、熱硬化性樹脂のガラス転移温度以下の雰囲気温度において、テープ状に形成された熱硬化性樹脂部材57が電線束15に巻き付けられる。そして、巻き付けられた熱硬化性樹脂部材57と共に電線束15が所定形状に形づけられた後、ガラス転移温度を越えて加熱されることで、熱硬化性樹脂部材57が硬化されて電線束15が所定形状に固定される。つまり、電線束15が剛体化されて、所定形状のワイヤハーネス51が形成される。
本第3実施形態に係る熱硬化性樹脂(Thermosetting resin)は、ガラス転移温度まで加熱することによって重合を起こして高分子の網目構造を形成し(ポリマーが架橋し)、硬化して元の形状に戻らなくなる。熱硬化性樹脂は、常温の軟らかい状態で金型に押し込み、加熱により固化させて目的の形状に成形することができるので、常温で硬い熱可塑性樹脂(Thermoplastic resin)とは異なる。
一般的に熱可塑性樹脂は、加温によらなければテープ巻き等の作業がしにくい。これに対し、熱硬化性樹脂からなる熱硬化性樹脂部材57は、常温でのテープ巻きを容易にでき、テーピングの際の巻きほぐれが生じにくい。加熱硬化条件は、例えば140〜180℃、5〜2Hrで設定される。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(ユリア樹脂;UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、 アルキド樹脂、ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)等が挙げられる。
このテープ状の熱硬化性樹脂部材57としては、テトロン−ガラス交織布に耐熱エポキシ樹脂を塗布し、セミキュアー状態とした電気絶縁用熱硬化性接着プリプレグテープ(日東シンコー株式会社製;品番P−EGT14)や、商品名 熱硬化アクリルフォームテープ(3M製)等が挙げられる。
このように、熱硬化性樹脂を用いたテープ状の熱硬化性樹脂部材57は、熱硬化性樹脂が硬化する前は柔らかく、粘着力もあるため、他の外装部材と同様の方法により布線治具板上で電線束15に巻き付けることが可能である。熱硬化性樹脂部材57は、電線束15の外周に密着し、一定肉厚で形成されている。そこで、ワイヤハーネス51は、必要な設置スペースが電線束15の直径に対してほとんど変わらない(例えば、直径+2mm程度)配索経路どおりの形で電線束15を固めることができ、複数の被覆電線13のバラツキを抑えることができる。
その結果、電線束15に巻き付けられたテープ状の熱硬化性樹脂部材57は、従来の筐体状のプロテクタ501(図7参照)と比較して省スペースとなる。具体的には、電線束15の直径が10mmの場合、熱硬化性樹脂部材57の厚みを1mmとすると、10mm+1.02mm=12mmとなり、必要な設置スペースが従来のプロテクタ501の場合の半分以下となる。
また、省スペース化により車両搭載スペース確保のための設計工数の削減が可能となる。更に、テープ状の熱硬化性樹脂部材57が電線束15に巻き付けられるだけの構成の電線保護構造となるため、従来のプロテクタ501よりも軽量・小型化され車両組付けが容易となる。
ここで、上述した本発明に係る電線保護構造の実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。
[1] 複数の被覆電線13が束ねられて所定形状に形成される電線束15と、テープ状またはシート状に形成され、ガラス転移温度以下の雰囲気温度で前記電線束15の外周に巻き付けられた後に加熱により収縮硬化されて前記電線束15を前記所定形状に固定する熱収縮性樹脂部材37と、を備えることを特徴とする電線保護構造。
[2] 上記[1]の構成の電線保護構造であって、前記熱収縮性樹脂部材47における前記電線束15の外周と接する面には、ホットメルト層20が設けられていることを特徴とする電線保護構造。
[3] 複数の被覆電線13が束ねられて所定形状に形成される電線束15と、テープ状またはシート状に形成され、ガラス転移温度以下の雰囲気温度で前記電線束15の外周に巻き付けられた後に加熱により硬化されて前記電線束15を前記所定形状に固定する熱硬化性樹脂部材57と、を備えることを特徴とする電線保護構造。
従って、本実施形態に係る電線保護構造を備えたワイヤハーネス11,41,51によれば、電線束15のバラツキを省スペースで抑えると共に組付け作業性を向上させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
11…ワイヤハーネス
13…被覆電線
15…電線束
37…熱収縮性樹脂部材

Claims (3)

  1. 複数の被覆電線が束ねられて所定形状に形成される電線束と、
    テープ状またはシート状に形成され、ガラス転移温度以下の雰囲気温度で前記電線束の外周に巻き付けられた後に加熱により収縮硬化されて前記電線束を前記所定形状に固定する熱収縮性樹脂部材と、
    を備えることを特徴とする電線保護構造。
  2. 請求項1記載の電線保護構造であって、
    前記熱収縮性樹脂部材における前記電線束の外周と接する面には、ホットメルト層が設けられていることを特徴とする電線保護構造。
  3. 複数の被覆電線が束ねられて所定形状に形成される電線束と、
    テープ状またはシート状に形成され、ガラス転移温度以下の雰囲気温度で前記電線束の外周に巻き付けられた後に加熱により硬化されて前記電線束を前記所定形状に固定する熱硬化性樹脂部材と、
    を備えることを特徴とする電線保護構造。
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