JP5857897B2 - 電線に対する保護シート材の巻き付け方法及び電線に対する保護シート材の巻き付け用の治具 - Google Patents

電線に対する保護シート材の巻き付け方法及び電線に対する保護シート材の巻き付け用の治具 Download PDF

Info

Publication number
JP5857897B2
JP5857897B2 JP2012154191A JP2012154191A JP5857897B2 JP 5857897 B2 JP5857897 B2 JP 5857897B2 JP 2012154191 A JP2012154191 A JP 2012154191A JP 2012154191 A JP2012154191 A JP 2012154191A JP 5857897 B2 JP5857897 B2 JP 5857897B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet material
electric wire
protective sheet
jig
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012154191A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014017985A (ja
Inventor
友基 田中
友基 田中
聡 谷川
聡 谷川
智 亀川
智 亀川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP2012154191A priority Critical patent/JP5857897B2/ja
Publication of JP2014017985A publication Critical patent/JP2014017985A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5857897B2 publication Critical patent/JP5857897B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Indoor Wiring (AREA)

Description

本発明は、電線に対する保護シート材の巻き付け方法及びそれに用いられる治具に関する。
従来、車両に搭載されるワイヤハーネスにおいて、電線を保護するために、発泡成形された合成樹脂からなるシート状の部材又は合成樹脂の不織布などの保護シート材が、電線に巻き付けられる場合がある。例えば、特許文献1には、熱可塑性材料からなる保護シート材が巻き付けられた電線が示されている。
特開2011−138641号公報
ところで、保護シート材が、電線における比較的長い保護領域に対して多重に巻き付けられる場合がある。この場合、保護シート材を電線の保護領域全体に均一に巻き付けることが難しい。
例えば、1枚の矩形状の保護シートが電線における比較的長い領域に巻き付けられる場合、保護シートがねじれてしまい、電線の長手方向において、保護シート材の巻き数のばらつきが生じやすい。また、電線の周方向における保護シートの層の厚みのばらつきも生じやすい。
さらに、保護シート材が、例えば不織布のように伸縮性を有する部材である場合、保護シート材が部分的に大きく伸びてしまうことにより、電線の長手方向における保護シート材の巻き数のばらつき及び電線の周方向における保護シートの層の厚みのばらつきがより顕著となる。
本発明は、保護シート材を電線の保護領域全体に均一に巻き付けることを容易にする方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係る電線に対する保護シート材の巻き付け方法は、以下に示される各工程を有する。
(1)第1の工程は、上記保護シート材の第一の縁部を上記電線の保護領域に留める留め工程である。
(2)第2の工程は、上記電線の上記保護領域及びこれに留められた上記保護シート材の上記第一の縁部を、それぞれ開放端をなす両端を直線に沿って繋ぐ溝が形成された治具における上記溝内に挿入する挿入工程である。
(3)第3の工程は、上記保護シート材における上記第一の縁部の反対側の第二の縁部が上記治具の上記溝内に収まるまで上記治具を上記電線の周りに回転させることにより、上記保護シート材を上記電線の上記保護領域に巻き付ける回転工程である。
また、本発明の第態様に係る電線に対する保護シート材の巻き付け方法において、上記保護シート材が紫外線硬化樹脂からなり、上記治具が紫外線を透過する部材からなる。
本発明の第態様に係る電線に対する保護シート材の巻き付け方法は、第1態様に係る電線に対する保護シート材の巻き付け方法の一態様である。第態様に係る電線に対する保護シート材の巻き付け方法において、上記治具の上記溝における内側面の横断面形状が円弧である。
また、本発明が、上記の各態様に係る方法に用いられる治具の発明として捉えられることも考えられる。即ち、本発明の第態様に係る電線に対する保護シート材の巻き付け用の治具は、以下に示される構成を備えている。当該治具は、それぞれ開放端をなす両端を直線に沿って繋ぎ、上記電線の保護領域及びこれに留められた上記保護シート材の第一の縁部を挿入可能な溝が形成された部材からなる。その溝は、当該治具が上記溝に挿入された上記電線の上記保護領域の周りに回転されたときに、上記電線の上記保護領域に巻き付いた上記保護シート材全体を収容可能である。当該治具は、紫外線を透過する部材からなる。
本発明が採用された場合、治具を電線の周囲に回転させるだけのごく簡易な工程(回転工程)が行われるだけで、治具の溝の部分から保護シート材への巻き付け力が、治具の溝の長手方向全体に亘る範囲において均一に作用する。従って、保護シート材を電線の保護領域に対して多重に巻き付けることが必要な場合に、容易に保護シート材を電線の保護領域全体に均一に巻き付けることが可能となる。なお、治具は、電線に巻き付けられた保護シート材から取り外される。
また、保護シート材が紫外線硬化樹脂からなり、治具が紫外線を透過する部材であれば、硬質な筒状の電線保護部材を容易に成形することが可能となる。即ち、紫外線が、治具の溝内に収容された状態の保護シート材に照射されるだけで、電線に巻き付けられた保護シート材は、硬化して硬質な筒状の電線保護部材になる。なお、治具は、硬化した筒状の電線保護部材から取り外される。
また、治具の溝における内側面の横断面形状が円弧であれば、回転工程において、保護シート材が電線を中心にしてより均一な厚みの円筒状に巻かれやすくなる。
本発明の実施形態に係る電線に対する保護シート材の巻き付け用の治具1の斜視図である。 本発明の実施形態に係る電線に対する保護シート材の巻き付け方法における留め工程を表す図である。 本発明の実施形態に係る電線に対する保護シート材の巻き付け方法における挿入工程を表す図である。 本発明の実施形態に係る電線に対する保護シート材の巻き付け方法における回転工程を表す図である。 回転工程の途中の治具及び保護シート材の側面図である。 回転工程終了時の治具及び保護シート材の側面図である。 本発明の実施形態に係る電線に対する保護シート材の巻き付け方法における治具抜き工程を表す図である。 保護シート材が紫外線硬化樹脂のシート材である場合に行われる紫外線照射工程を表す図である。 保護シート材の巻き付け領域が分岐している場合における挿入工程を表す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。以下に示される実施形態及びその応用例は、車両に搭載されるワイヤハーネスの製造工程の一部の工程である保護シート材の巻き付け工程及びその工程で用いられる治具に関する。
<治具>
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施形態に係る治具1について説明する。治具1は、後述する本発明の実施形態に係る電線に対する保護シート材の巻き付け方法において用いられる用具である。
図1に示されるように、治具1は、それぞれ開放端をなす両端111を直線に沿って繋ぐ溝11が形成された部材からなる。後述するように、この溝11は、電線の保護領域及びこれに留められた保護シート材の縁部を挿入可能に形成されている。即ち、溝11の開口12の幅Wは、保護シート材の巻き付け対象である1本もしくは複数本の電線及びそれに留められた保護シート材が通過可能な幅である。
後述するように、この治具1が溝11に挿入された電線の保護領域の周りに回転されると、一方の縁部が電線に留められた保護シート材は、電線の保護領域に巻き付く。治具1の溝11は、この治具1が溝11に挿入された電線の保護領域の周りに回転されたときに、電線の保護領域に巻き付いた保護シート材全体を収容可能な大きさで形成されている。
また、治具1の溝11の長さLは、例えば、電線に巻き付けられる保護シート材の幅と同じ長さ、あるいは保護シート材の幅とほぼ同じ長さで形成されている。
また、治具1の溝11における内側面の横断面形状は、円弧であることが望ましい。図1に示される例では、治具1は、円筒における一部の壁が軸心方向(長手方向)全体に亘って所定の幅Wで切り欠かれることにより得られる形状で形成されている。なお、治具1の外側表面が円周面であることについて特別な意味はない。
<保護シート材>
次に、図2を参照しつつ、保護シート材8について説明する。保護シート材8は、1本の電線9もしくは複数本の電線9の束における予め定められた保護領域91に巻き付けられるシート状の部材である。
保護シート材8は、例えば、合成樹脂の不織布、発泡成形された合成樹脂からなるシート状の部材又は紫外線硬化樹脂からなるシート状の部材などである。図2に示される例では、保護シート材8は、広げた状態において矩形状に形成されている。しかしながら、保護シート材8の形状は、必ずしも矩形状であるとは限らない。
以下の説明において、保護シート材8における電線9に対して最初に巻かれる側の縁部のことを第一縁部81と称し、保護シート材8における第一縁部81に対して反対側の縁部、即ち、電線9の周囲に最後に巻かれる終端側の縁部のことを第二縁部82と称する。
<電線に対する保護シート材の巻き付け方法>
次に図2〜7を参照しつつ、本発明の実施形態に係る電線9に対する保護シート材8の巻き付け方法について説明する。
本発明の実施形態に係る電線9に対する保護シート材8の巻き付け方法は、留め工程、挿入工程、回転工程及び治具抜き工程を含む。図2〜4及び図7は、それぞれ留め工程、挿入工程、回転工程及び治具抜き工程を表す図である。また、図5は、回転工程の途中の治具1及び保護シート材8の側面図であり、図6は、回転工程終了時の治具1及び保護シート材8の側面図である。なお、図2〜4及び図7は、直線に沿って保持された電線9の側方から見た各工程の図である。また、図5,6は、直線に沿って保持された電線9の長手方向から見た治具1等の図である。
<留め工程>
図2に示される留め工程は、保護シート材8の第一縁部81を電線9の保護領域91に留める工程である。留め工程において、保護シート材8の巻き付け対象である1本又は複数本の電線9における2つの部位が、間隔を空けて2箇所に固定された2つの電線把持具2によって固定される。これにより、電線9は、直線に沿って架設された状態に保持される。電線9における架設された部分に保護領域91が含まれる。
図2に示される例では、接着剤7が、保護シート材8の第一縁部81及び第二縁部82の各々に予め形成されている。また、図2に示される例では、接着剤7は、いわゆる両面粘着テープであり、接着剤7の表面は被覆テープ6で覆われている。
従って、図2に示される留め工程においては、まず、保護シート材8の第一縁部81の被覆テープ6が剥がされ、続いて、保護シート材8の第一縁部81が電線9の保護領域91に押しつけられる。これにより、保護シート材8の第一縁部81が、電線9の保護領域91に接着剤7によって留められる。
以上に示された留め工程は、保護シート材8の第一縁部81を電線9の保護領域91に接着剤7によって接着する工程である。しかしながら、留め工程が接着剤7を用いない工程であることも考えられる。例えば、保護シート材8の巻き付け対象が電線9の束である場合、留め工程が、保護シート材8の第一縁部81を複数の電線9の間に挟み込む工程であることも考えられる。
<挿入工程>
図3に示される挿入工程は、電線9の保護領域91及びこれに留められた保護シート材8の第一縁部81を、治具1の溝11内に挿入する工程である。挿入工程は、留め工程の後に行われる。図3に示される例では、電線9の保護領域91及びこれに留められた保護シート材8の第一縁部81は、治具1における溝11の開口12を通じて溝11内に挿入される。
挿入工程終了時点においては、保護シート材8の第一縁部81は、治具1の溝11内に位置するが、保護シート材8における第一縁部81よりも第二縁部82寄りの部分は、治具1における溝11の開口12から溝11の外側へはみ出た状態である。
なお、挿入工程において、まず、電線9における保護領域91以外の部分が、治具1における溝11の開口12を通じて溝11内に挿入され、その後、治具1が電線9の長手方向に沿ってスライド移動されることも考えられる。この場合、電線9の保護領域91及びこれに留められた保護シート材8の第一縁部81は、治具1における溝11の端111(開放端)を通じて溝11内に挿入される。
また、治具1の溝11の長さL、即ち、電線9の長手方向における治具1の長さが、電線9に巻かれるべき保護シート材8の幅とほぼ同じ長さで形成されていることが望ましい。この場合、挿入工程において、溝11の長さと保護シート材8の幅との比較により、正しい寸法の保護シート材8が用いられているか否かの判定が容易となる。なお、保護シート材8の幅は、保護シート材8の第一縁部81の長さである。
また、電線9に巻かれるべき保護シート材8における幅方向の両端の位置に対応するマークが、治具1に記されていることが考えられる。この場合、そのマークが、透明な部材からなる治具1に記されていることも考えられる。治具1の溝11の長さLが保護シート材8の幅よりも大きい場合であっても、そのようなマークが記された治具1が使用されれば、正しい寸法の保護シート材8が用いられているか否かの判定が容易となる。
<回転工程>
図4〜6に示される回転工程は、保護シート材8の第二縁部82が治具1の溝11内に収まるまで治具1を電線9の周りに回転させる工程である。回転工程が、挿入工程に続いて行われることにより、図5に示されるように、保護シート材8は、第二縁部82寄りの部分が第一縁部81寄りの部分に順次重なるように、電線9の保護領域91に巻き付く。即ち、回転工程は、治具1を回転させることによって保護シート材8を電線9の保護領域91に巻き付ける工程である。
図5に示されるように、回転工程において、治具1における溝11の開口12の縁部121が、保護シート材8における溝11の開口12を通過する部分に対して接触する。このとき、治具1における溝11の開口12の縁部121から保護シート材8への巻き付け力が、治具1の溝11の長手方向全体に亘る範囲において均一に作用する。
従って、回転工程により、保護シート材8は、電線9の保護領域91全体において、ねじれることなく均一に巻き付けられるとともに、周方向においても、電線9を中心にしてほぼ均一な厚みの円筒状に巻き付けられる。
また、保護シート材8の第一縁部81が、留め工程によって予め電線9の保護領域91に留められているため、保護シート材8が電線9の周囲に空回りすることはない。
また、保護シート材8の第二縁部82における接着剤7の表面の被覆テープ6は、少なくとも回転工程の途中までに剥がされる。そして、図6に示されるように、回転工程が、保護シート材8における予め接着剤7が形成された第二縁部82が治具1の溝11内に収まるまで進むと、保護シート材8における第二縁部82とこれが重なる部分とが接着剤7により接着する。
即ち、本実施形態における回転工程は、保護シート材8における予め接着剤7が形成された第二縁部82が治具1の溝11内に収まるまで治具1を電線9の周りに回転させることにより、保護シート材8を電線9の保護領域91に巻き付けるとともに、保護シート材8における第二縁部82とこれが重なる部分とを接着する工程である。
<治具抜き工程>
図7に示される治具抜き工程は、治具1を保護シート材8及び電線9から取り外す工程である。治具抜き工程は、回転工程が終了した後に行われる。
図7に示される治具抜き工程では、治具1は、まず、電線9の長手方向に沿ってスライド移動される。これにより、電線9の保護領域91に巻き付けられた保護シート材8が、治具1の溝11の端111を経て溝11の内側から外側へ抜け出る。次に、治具1は、溝11の開口12の反対側へ移動される。その際、溝11内の電線9は、溝11の開口12を経て溝11の外へ出る。これにより、治具1が保護シート材8及び電線9から外れる。
なお、治具1が可撓性を有する場合、治具1が、溝11の開口12の反対側へ引き外されることも考えられる。この場合、治具1における溝11の開口12が押し広げられ、電線9に巻き付けられた保護シート材8は、治具1の溝11内から溝11の開口12を経て溝11の外へ出る。
<不織布>
保護シート材8が不織布である場合、その保護シート材8が、柔らかな不織布のままの状態で緩衝材として用いられる場合と、その保護シート材8が、後述するホットプレス工程によってある程度の剛性を有する筒状の電線保護部材へ成形される場合とが考えられる。
ここで、電線保護部材へ成形される保護シート材8として採用される不織布について説明する。保護シート材8としての不織布は、例えば、絡み合う基本繊維とバインダと称される接着樹脂とを含む不織布が採用される。接着樹脂は、基本繊維の融点よりも低い融点(例えば、110[℃]〜150[℃]程度)を有する樹脂である。このような不織布は、基本繊維の融点よりも低く、かつ、接着樹脂の融点よりも高い温度に加熱されることにより、接着樹脂が溶融して基本繊維の隙間に溶け込む。その後、不織布の温度が、接着樹脂の融点よりも低い温度まで下がると、接着樹脂は、周囲に存在する基本繊維を結合した状態で硬化する。これにより、不織布の形状は、加熱前の状態よりも硬くなり、加熱時に型枠によって成形された形状で維持される。
接着樹脂は、例えば、粒状の樹脂又は繊維状の樹脂などである。また、接着樹脂は、芯繊維の周囲を覆うように形成されることも考えられる。このように、芯繊維が接着樹脂で被覆された構造を有する繊維は、バインダ繊維などと称される。芯繊維の材料は、例えば、基本繊維と同じ材料が採用される。
また、基本繊維は、接着樹脂の融点において繊維状態が維持されればよく、樹脂繊維の他、各種の繊維が採用され得る。また、接着樹脂は、例えば、基本繊維の融点よりも低い融点を有する熱可塑性樹脂繊維が採用される。不織布を構成する基本繊維と接着樹脂との組合せとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)を主成分とする樹脂繊維が基本繊維として採用され、PET及びPEI(ポリエチレンイソフタレート)の共重合樹脂が接着樹脂として採用されることが考えられる。そのような不織布において、基本繊維の融点は概ね250[℃]であり、接着樹脂の融点は110[℃]〜150[℃]程度である。そのような不織布は、型枠内で110[℃]〜250[℃]程度の温度に加熱された後に冷却されると、接着樹脂が溶融して周囲の基本繊維を結合するため、型枠の内面に沿う形状に成形され、型枠に接触した面が硬化する。
回転工程により電線9に巻き付けられた不織布(保護シート材8)は、金型を用いた加熱成形によって硬化し、元の状態よりは硬質の電線保護部材となる。この電線保護部材は、その部材自体ある程度の可撓性を有しているが、筒状に形成されることにより、長手方向における形状を保持する硬さが強化される。以下、加工対象である不織布(保護シート材8)を金型の間に挟み込んで加圧しつつ、その不織布を加熱することにより、不織布を金型の内面形状に成形することをホットプレス成形と称する。
ホットプレス成形工程では、不織布は、ヒータにより、不織布に含まれる基本繊維の融点よりも低く、かつ、不織布に含まれる接着樹脂の融点よりも高い温度に加熱される。加熱の温度及び時間は、成形後の保護部材に要求される堅さ及び可撓性に応じて適宜設定される。
一般に、ホットプレス成形工程において、加熱の温度が高いほど、加熱の時間が長いほど、また、加える圧力が高いほど、不織布は、より堅く、形状保持の性能の高い部材に成形される。一方、ホットプレス成形工程において、加熱の温度が低いほど、加熱の時間が短いほど、また、加える圧力が低いほど、不織布は、より柔らかく、可撓性及び緩衝性に優れた部材に成形される。
<第1の応用例>
次に、図8を参照しつつ、第1の応用例について説明する。第1の応用例は、保護シート材8が紫外線硬化樹脂のシート材である場合の例である。紫外線硬化樹脂は、紫外線の光エネルギーに反応して柔軟性を有する状態から硬化する合成樹脂である。そのような合成樹脂(紫外線硬化樹脂)は、各種考えられるが、例えば、アクリルレート、不飽和ポリエステル、エポキシ、オキセタン又はビニルエーテルなどを主成分とする樹脂である。
保護シート材8が紫外線硬化樹脂のシート材である場合、保護シート材8は、紫外線が照射されることによって硬質な筒状の電線保護部材へ成形される。保護シート材8が紫外線硬化樹脂のシート材である場合、治具1が紫外線を透過する部材で構成されることが考えられる。
紫外線を透過する部材としては、例えば、ポリメチルペンテンなどの紫外線透過率の高い材料からなる部材の他、網目状に多数の孔が形成された部材などが考えられる。
図8は、保護シート材8が紫外線硬化樹脂のシート材である場合に行われる紫外線照射工程を表す図である。治具1が紫外線を透過する部材である場合、硬質な筒状の電線保護部材を容易に成形することが可能となる。即ち、図8に示されるように、紫外光源3からの紫外線が、治具1の溝11内に収容された状態の保護シート材8に照射されるだけで、電線9に巻き付けられた保護シート材8は、硬化して硬質な筒状の電線保護部材になる。なお、治具1は、図7に示された治具抜き工程により、硬化した筒状の電線保護部材から取り外される。
保護シート材8が紫外線硬化樹脂のシート材であり、かつ、治具1が紫外線を透過する部材である場合、図8に示される紫外線照射工程により、保護シート材8は、硬質な筒状の電線保護部材へ変質する。そのため、保護シート材8の第二縁部82に接着剤7が形成されている必要はない。
<第2の応用例>
次に、図9を参照しつつ、第2の応用例について説明する。第2の応用例は、保護シート材8の巻き付け領域が分岐している場合の例である。図9は、保護シート材の巻き付け領域が分岐している場合における挿入工程を表す図である。
例えば、図9に示されるように、電線9の束に電線9の分岐部92が形成されている場合、一対の保護領域91が、電線9の束における分岐部92の両側に分離して位置することがある。この場合、一対の保護領域91のうちの一方に巻き付けられる領域と他方に巻き付けられる領域との間に欠け部83が形成された保護シート材8Aが用いられることが考えられる。
図9に示される例では、その前段の留め工程において、図2に示されるように、保護シート材8Aの第一縁部81が、電線9における一対の保護領域91に対して接着剤7を用いることなどによって留められる。
そして、挿入工程、回転工程及び治具抜き工程は、一対の保護領域91の各々について個別に行われる。この場合、挿入工程、回転工程及び治具抜き工程は、一対の保護領域91の各々において順番に行われてもよいし、或いは、一対の保護領域91の各々において並行して行われてもよい。
<効果>
以上に示された実施形態及び応用例によれば、治具1を電線9の周囲に回転させるだけのごく簡易な工程(回転工程)が行われるだけで、治具1の溝11の部分から保護シート材8への巻き付け力が、治具1の溝11の長手方向全体に亘る範囲において均一に作用する。従って、保護シート材8を電線9の保護領域91に対して多重に巻き付けることが必要な場合に、容易に保護シート材8を電線9の保護領域91全体に均一に巻き付けることが可能となる。
また、接着剤7が、予め保護シート材8の第二縁部82(終端側の縁部)に形成されていれば、治具1が回転工程の後に電線9から取り外されても、保護シート材8が電線9に対して均一に巻き付けられた状態で保持される。そのため、回転工程の後に、電線9に巻き付いた保護シート材8の緩みを防ぐ特別な作業、例えば手又はその他の治具によって保護シート材8を押さえるなどの作業を行う必要がない。
また、前述の実施形態が、不織布のように伸縮性を有する保護シート材8の巻き付けに適用されれば、保護シート材8の巻き付けの均一化の効果がより顕著となる。
また、保護シート材8が紫外線硬化樹脂からなり、治具1が紫外線を透過する部材であれば、硬質な筒状の電線保護部材を容易に成形することが可能となる。即ち、紫外線が、治具1の溝11内に収容された状態の保護シート材8に照射されるだけで、電線9に巻き付けられた保護シート材8は、硬化して硬質な筒状の電線保護部材になる。
また、治具1の溝11における内側面の横断面形状が円弧であれば、回転工程において、保護シート材8が電線9を中心にしてより均一な厚みの円筒状に巻かれやすくなる。
なお、本発明の実施形態に係る電線9に対する保護シート材8,8Aの巻き付け方法は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは実施形態及び応用例を適宜、変形又は省略することによって構成されることも可能である。
1 治具
2 電線把持具
3 紫外光源
6 被覆テープ
7 接着剤
8,8A 保護シート材
9 電線
11 溝
12 溝の開口
81 第一縁部
82 第二縁部
83 欠け部
91 保護領域
92 分岐部
111 溝の端
121 溝の開口の縁部

Claims (3)

  1. 電線に対する保護シート材の巻き付け方法であって、
    前記保護シート材の第一の縁部を前記電線の保護領域に留める留め工程と、
    前記電線の前記保護領域及びこれに留められた前記保護シート材の前記第一の縁部を、それぞれ開放端をなす両端を直線に沿って繋ぐ溝が形成された治具における前記溝内に挿入する挿入工程と、
    前記保護シート材における前記第一の縁部の反対側の第二の縁部が前記治具の前記溝内に収まるまで前記治具を前記電線の周りに回転させることにより、前記保護シート材を前記電線の前記保護領域に巻き付ける回転工程と、を有し、
    前記保護シート材が紫外線硬化樹脂からなり、
    前記治具が紫外線を透過する部材からなる、電線に対する保護シート材の巻き付け方法。
  2. 請求項1に記載の電線に対する保護シート材の巻き付け方法であって、
    前記治具の前記溝における内側面の横断面形状が円弧である、電線に対する保護シート材の巻き付け方法。
  3. 電線に対する保護シート材の巻き付け用の治具であって、
    それぞれ開放端をなす両端を直線に沿って繋ぎ、前記電線の保護領域及びこれに留められた前記保護シート材の第一の縁部を挿入可能な溝が形成された部材からなり、
    前記溝は、当該治具が前記溝に挿入された前記電線の前記保護領域の周りに回転されたときに、前記電線の前記保護領域に巻き付いた前記保護シート材全体を収容可能であり、
    紫外線を透過する部材からなる、電線に対する保護シート材の巻き付け用の治具。
JP2012154191A 2012-07-10 2012-07-10 電線に対する保護シート材の巻き付け方法及び電線に対する保護シート材の巻き付け用の治具 Expired - Fee Related JP5857897B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012154191A JP5857897B2 (ja) 2012-07-10 2012-07-10 電線に対する保護シート材の巻き付け方法及び電線に対する保護シート材の巻き付け用の治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012154191A JP5857897B2 (ja) 2012-07-10 2012-07-10 電線に対する保護シート材の巻き付け方法及び電線に対する保護シート材の巻き付け用の治具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014017985A JP2014017985A (ja) 2014-01-30
JP5857897B2 true JP5857897B2 (ja) 2016-02-10

Family

ID=50112186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012154191A Expired - Fee Related JP5857897B2 (ja) 2012-07-10 2012-07-10 電線に対する保護シート材の巻き付け方法及び電線に対する保護シート材の巻き付け用の治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5857897B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5942903B2 (ja) * 2013-03-14 2016-06-29 住友電装株式会社 ワイヤハーネス保護シート巻き機
JP6225083B2 (ja) * 2014-08-05 2017-11-01 矢崎総業株式会社 外装チューブ製造用金型及び外装チューブ製造方法
JP6950202B2 (ja) 2016-04-18 2021-10-13 株式会社オートネットワーク技術研究所 外装部材付電線
JP6673156B2 (ja) * 2016-11-16 2020-03-25 株式会社オートネットワーク技術研究所 ワイヤーハーネス用外装部材の製造方法及び製造装置
DE102021133426A1 (de) * 2021-12-16 2023-06-22 Tesa Se Verfahren zur Ummantelung von strangförmigen Elementen

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2795176B2 (ja) * 1994-06-20 1998-09-10 住友電装株式会社 ワイヤハーネス外装シート用治具および該治具を用いた外装シートのワイヤハーネス取付方法
JP5541083B2 (ja) * 2010-10-26 2014-07-09 住友電装株式会社 電線保護構造部の製造方法及び電線保護構造部

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014017985A (ja) 2014-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5857897B2 (ja) 電線に対する保護シート材の巻き付け方法及び電線に対する保護シート材の巻き付け用の治具
US9306378B2 (en) Method for producing wire harness, and wire harness
JP5353801B2 (ja) 電線保護具
JP5573477B2 (ja) 電線保護構造部及び電線保護構造部の製造方法
JP5847008B2 (ja) 光ファイバケーブル
US9349509B2 (en) Wire harness and manufacturing method for wire harness
US9576700B2 (en) Binding tape member and wire harness
JP6002401B2 (ja) ワイヤハーネス及びワイヤハーネスの製造方法
WO2021157334A1 (ja) 光ファイバケーブルおよび光ファイバケーブルの製造方法
WO2013132570A1 (ja) 電線保護構造部の製造方法及び電線保護構造部
JP5541083B2 (ja) 電線保護構造部の製造方法及び電線保護構造部
JP5705576B2 (ja) ケーブル
CN110088654B (zh) 光纤单元、光纤电缆以及光纤单元的制造方法
JP5630343B2 (ja) ワイヤハーネス
JP2015097432A (ja) ワイヤハーネス
JP5803283B2 (ja) ワイヤーハーネス配索構造及びその製造方法
JP5829978B2 (ja) 光ユニット及び光ファイバケーブル
CN103814416A (zh) 线束的制造方法及线束
JP2010187439A (ja) ワイヤハーネス保護材
JP6163227B1 (ja) 光ケーブルの分割方法
WO2013190724A1 (ja) ワイヤーハーネス外装体及びワイヤーハーネス保護構造
WO2017077844A1 (ja) ワイヤハーネス用の樹脂シートおよび該樹脂シートの製造方法
JP2011207567A (ja) 巻芯
JP6133123B2 (ja) 光ファイバユニット
JP2013183597A (ja) ワイヤーハーネス、その製造方法及び電線保護用不織材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141030

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5857897

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees