WO2013190724A1 - ワイヤーハーネス外装体及びワイヤーハーネス保護構造 - Google Patents

ワイヤーハーネス外装体及びワイヤーハーネス保護構造 Download PDF

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伊藤 武治
園田 哲也
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    • H02G3/0462Tubings, i.e. having a closed section
    • H02G3/0481Tubings, i.e. having a closed section with a circular cross-section

Abstract

 本発明は、費用負担を抑えながら、適用範囲を広くでき、大量生産可能なワイヤーハーネス外装体を得ること目的とする。そして、本発明において、ワイヤーハーネス外装体(5)の主要部となる本体部(1)は長手方向に沿って形成され、内部にワイヤーハーネスを配置可能なワイヤーハーネス収納領域(6)を有している。ワイヤーハーネス収納領域(6)にワイヤーハーネスを配置することにより、本体部(1)はワイヤーハーネスの外周を覆って保護することができる。本体部(1)は上記長手方向に沿って形成されたスリット(2)を有している。このスリット(2)を介してワイヤーハーネスの少なくとも一部をワイヤーハーネス収納領域(6)内に収納することができる。本体部(1)は不織布が加熱成型されることにより形成される。

Description

ワイヤーハーネス外装体及びワイヤーハーネス保護構造
 この発明は、ワイヤーハーネスを保護するワイヤーハーネス外装体及びワイヤーハーネス保護構造に関する。
 電線束からなるワイヤーハーネスの外周に装着され、ワイヤーハーネスを保護するワイヤーハーネス外装体として不織布(シンプル3D)を用いたワイヤーハーネス外装体が考えられる。このような不織布を用いたワイヤーハーネス外装体として、例えば特許文献1で開示された電線保護構造部がある。
 図3は不織布を用いた従来のワイヤーハーネス外装体20によってワイヤーハーネス10を保護したワイヤーハーネス外装構造を示す説明図である。
 同図に示すように、長手方向に延びて形成されるワイヤーハーネス外装体20の中心領域の外周にワイヤーハーネス外装体20が装着されている。なお、図3ではワイヤーハーネス外装体20の外部に存在するワイヤーハーネス10の両端部の電線束が分散しないように固定用テープ11によって固定されている。
 ワイヤーハーネス外装体20は、例えば、シート状の不織材料を保護対象のワイヤーハーネス10に巻きつけてワイヤーハーネス10を覆った後、シート状の不織材料を、加熱及び圧縮(ホットプレス)して成形した後、冷却することより得られる。
 図4はワイヤーハーネス外装体の使用例を模試的に示す説明図である。同図に示すように、コルゲートチューブ等の他の部材を用いて保護される連結ワイヤーハーネス群31,32等に混在する形で、着目領域R1及びR2にワイヤーハーネス外装体21及び22が選択的に用いられる。なお、30はワイヤーハーネス間を連結するコネクタである。
特開2012-94327号公報
 従来のワイヤーハーネス外装体20は以上のように構成されており、製造段階において、シート状の不織布(不織材料)を保護対象のワイヤーハーネス10に巻きつける必要があったため、以下で述べる4つの問題点が生じる。
 (1)製造後のワイヤーハーネス外装体20に成型不良が発生した場合、ワイヤーハーネス外装体20が巻き付いた保護対象のワイヤーハーネス外装体20をも廃棄しなければならず、その分、費用負担が増大するという問題点があった。
 (2)仮結束後の状態のワイヤーハーネスに対して製造する、実際に使用される設備条件を考慮する等の制約から、比較的形成長が短いワイヤーハーネス外装体20しか製造することができず、適用範囲が狭いという問題点があった。
 (3)ワイヤーハーネス外装体20は保護対象のワイヤーハーネス10の径に対して、シート状の不織布のサイズ(幅)が決まってしまう。したがって、ワイヤーハーネス10の仕様変更があった場合、不織布のサイズの変更や成型用の金型の種別変更を行う必要があるため、ワイヤーハーネス10の仕様変更への対応が困難であるという問題点があった。なぜなら、不織布のサイズ変更、成型用の金型の変更に要する手間及びコストの増加を招いてしまうからである。
 (4)原則、保護対象となるワイヤーハーネスに対する一品仕様となるため、大量生産ができず、ワイヤーハーネス外装体20の製造に時間を要してしまうという問題点があった。
 この発明は上記問題点(1)~(4)を解決するためになされたもので、少なくとも、費用負担を抑えながら、適用範囲を広くでき、大量生産可能なワイヤーハーネス外装体及びワイヤーハーネス保護構造を得ることを目的とする。
 この発明に係る請求項1記載のワイヤーハーネス外装体は、ワイヤーハーネスを保護するワイヤーハーネス外装体であって、長手方向に沿って形成され、前記ワイヤーハーネスの外周を覆って保護可能なワイヤーハーネス収納領域を内部に有する本体部と、前記長手方向に沿って前記本体部に形成されたスリットとを備え、前記本体部は不織布が加熱成型されることにより形成され、前記スリットを介して前記ワイヤーハーネスの少なくとも一部を前記ワイヤーハーネス収納領域に配置可能であることを特徴とする。
 この発明に係る請求項2記載のワイヤーハーネス保護構造は、ワイヤーハーネスと、請求項1記載のワイヤーハーネス外装体とを備え、前記ワイヤーハーネスは、その中心領域が前記ワイヤーハーネス収納領域に配置された状態で前記ワイヤーハーネス外装体によって保護されるとともに、その両端部領域が前記ワイヤーハーネス外装体の外部に配置され、前記ワイヤーハーネス外装体及び前記ワイヤーハーネスの前記両端部領域を外周に沿って巻きつけることにより、前記ワイヤーハーネスを前記ワイヤーハーネス外装体に固定する固定用テープをさらに備える。
 この発明における請求項1記載の本願発明であるワイヤーハーネス外装体は、本体部は不織布が加熱成型されることにより形成され、スリットを介してワイヤーハーネスの少なくとも一部をワイヤーハーネス収納領域に配置可能にしている。したがたって、請求項1記載の本願発明は、完成後にワイヤーハーネスをワイヤーハーネス収納領域に配置して保護することができるため、その適用箇所を広げることができる。
 加えて、ワイヤーハーネス外装体に成型不良が発生しても、この段階ではワイヤーハーネスに装着されていないため、保護対象のワイヤーハーネスを併せて廃棄する必要がなくなる分、費用負担の低減を図ることができる。
 さらに、請求項1記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体はワイヤーハーネスとは完全に独立して製造することができるため、大量生産が可能となり、製造コストの低減化を図ることができる。
 請求項2記載の本願発明のワイヤーハーネス保護構造において、ワイヤーハーネスの収納後にワイヤーハーネス外装体のスリットが多少縮められたり拡げられたりしても、ワイヤーハーネス外装体の外周に沿って巻きつけられた固定用テープによって、ワイヤーハーネスをワイヤーハーネス収納領域内に透き間無く配置しながら、ワイヤーハーネス外装体に安定性良く固定することができる。
 その結果、請求項2記載の本願発明は、スリット及び固定用テープの組合せにより、ワイヤーハーネスの保護機能を損ねることなく、ワイヤーハーネス収納領域に配置して保護可能なワイヤーハーネスの範囲を拡げることにより、汎用性を高めることができる。
 この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本実施の形態のワイヤーハーネス外装体の構造を示す説明図である。 本実施の形態のワイヤーハーネス外装体を用いてワイヤーハーネス10を保護するワイヤーハーネス保護構造を示す説明図である。 従来の不織布を用いたワイヤーハーネス保護構造を示す説明図である。 従来のワイヤーハーネス外装体の使用例を模試的に示す説明図である。
 図1はこの発明の実施の形態であるワイヤーハーネス外装体5の構造を示す説明図である。同図(a)は全体構造を示す斜視図、同図(b)はワイヤーハーネス外装体5の形成方向である長手方向に垂直な方向における断面構造を示す断面図、同図(c)は同図(b)のA-A断面を示す断面図、すなわち、上記長手方向に沿ってスリット2形成部分を切断とした際の断面構造を示す断面図である。
 同図(a),(c)に示すように、ワイヤーハーネス外装体5の主要部となる本体部1は長手方向に沿って形成され、同図(b),(c)に示すように、内部にワイヤーハーネスを配置可能なワイヤーハーネス収納領域6を有している。ワイヤーハーネス収納領域6にワイヤーハーネスを配置することにより、本体部1はワイヤーハーネスの外周を覆って保護することができる。
 さらに、本体部1は上記長手方向に沿って形成されたスリット2を有している。このスリット2を介してワイヤーハーネスの少なくとも一部をワイヤーハーネス収納領域6内に収納することができる。
 本体部1は不織布(不織材料)が加熱成型(ホットプレス)されることにより形成されている。ワイヤーハーネス外装体5は例えば以下のステップ(A)~(C)を実行することにより製造することができる。
 (A)まず、ダミー線やパイプなどの芯材にシート状の不織布(不織材料)を巻きつけた後、加熱成型(ホットプレス)することよりチューブ状の構造である本体部1を得る。
 (B)その後、芯材を除去する。
 (C)そして、カッター等を用いて上記チューブ構造の外周の一部を長手方向に沿って、一方端から他方端にかけて切断することにより、チューブ状の構造であった本体部1にスリット2を設ける。
 その結果、図1で示す、本体部1及びスリット2からなるワイヤーハーネス外装体5が完成する。なお、ステップ(B)は、ステップ(C)の実行後に行っても良い。また、ステップ(A)で得られるチューブ状の構造は一体構造であるため、加熱成型用の金型は一つで済ますことができる。
 このように、本実施の形態のワイヤーハーネス外装体5において、本体部1は不織布が加熱成型されることにより形成され、スリット2を介してワイヤーハーネスの少なくとも一部をワイヤーハーネス収納領域に配置可能にしている。したがたって、本実施の形態のワイヤーハーネス外装体5は、完成後にワイヤーハーネスをワイヤーハーネス収納領域6内に配置して保護することができるため、その適用範囲を広げることができる。
 したがって、比較的形成長が長いワイヤーハーネス外装体5を形成することができ、仮結束を行う必要がなく、実際に仕様される設備条件などを考慮する必要もない。
 加えて、ワイヤーハーネス外装体5に成型不良が発生しても、この段階ではワイヤーハーネスに装着されていないため、保護対象のワイヤーハーネスを併せて廃棄する必要がなくなる分、費用負担の低減を図ることができる。
 さらに、本実施の形態のワイヤーハーネス外装体5はワイヤーハーネスとは完全に独立して製造することができるため、大量生産が可能となり、製造コストの低減化を図ることができる。
 (ワイヤーハーネス保護構造)
 図2は本実施の形態のワイヤーハーネス外装体5によるワイヤーハーネス保護構造を示す説明図である。同図(a)が斜視図、同図(b)が一部を上記長手方向に沿った断面図として示す斜視・断面図である。
 同図に示すように、ワイヤーハーネス保護構造8は、ワイヤーハーネス10、ワイヤーハーネス外装体5及び固定用テープ11から構成される。
 ワイヤーハーネス10は、その中心領域RCがワイヤーハーネス収納領域6に配置された状態でその外周を本体部1で覆われることによりワイヤーハーネス外装体5によって保護される。そして、ワイヤーハーネス10の両端の端部領域RE1,RE2がそれぞれワイヤーハーネス外装体5の外部に配置される。
 なお、ワイヤーハーネス10の中心領域RCのワイヤーハーネス外装体5のワイヤーハーネス外装体5への装着は、スリット2を拡げながらスリット2を介して行うことができるため、専用の治具等を用いて比較的容易に行うことができる。
 固定用テープ11はワイヤーハーネス外装体5及びワイヤーハーネス10の両端における端部領域RE1,RE2の外周に沿って巻きつけられることにより、中心領域RCにおけるワイヤーハーネス10と本体部1との密着性を高めながら、ワイヤーハーネス10をワイヤーハーネス外装体5に固定している。
 図2で示したワイヤーハーネス保護構造において、ワイヤーハーネス10の収納後にワイヤーハーネス外装体5のスリット2が多少縮められたり拡げられたりしても、本体部1の外周に沿って巻きつけられた固定用テープ11によって、ワイヤーハーネス10をワイヤーハーネス収納領域6内に透き間無く配置しながら、ワイヤーハーネス外装体5に安定性良く固定することができる。
 その結果、本実施の形態のワイヤーハーネス保護構造は、スリット2及び固定用テープ11の組合せにより、ワイヤーハーネス10の保護機能を損ねることなく、ワイヤーハーネス収納領域6に配置して保護可能なワイヤーハーネスの範囲を拡げることにより、汎用性を高めることができる。このように、本実施の形態のワイヤーハーネス外装体5は、ワイヤーハーネス10の仕様変更に柔軟に対応することができる。
 また、本体部1は不織布の加熱成型により得られているため、ワイヤーハーネス収納領域6を形成する内面は比較的柔らかである。したがって、ワイヤーハーネス収納領域6内に配置するワイヤーハーネス10を傷つけることもない。
 なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
 この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
 1 本体部
 2 スリット
 5 ワイヤーハーネス外装体
 6 ワイヤーハーネス収納領域
 8 ワイヤーハーネス保護構造
 10 ワイヤーハーネス
 11 固定用テープ

Claims (2)

  1.  ワイヤーハーネス(10)を保護するワイヤーハーネス外装体(5)であって、
     長手方向に沿って形成され、前記ワイヤーハーネスの外周を覆って保護可能なワイヤーハーネス収納領域(6)を内部に有する本体部(1)と、
     前記長手方向に沿って前記本体部に形成されたスリット(2)とを備え、
     前記本体部は不織布が加熱成型されることにより形成され、前記スリットを介して前記ワイヤーハーネスの少なくとも一部を前記ワイヤーハーネス収納領域に配置可能であることを特徴とする、
    ワイヤーハーネス外装体。
  2.  ワイヤーハーネス(10)と、
     請求項1記載のワイヤーハーネス外装体(5)とを備え、前記ワイヤーハーネスは、その中心領域(RC)が前記ワイヤーハーネス収納領域(6)に配置された状態で前記ワイヤーハーネス外装体によって保護されるとともに、その両端部領域(RE1,RE2)が前記ワイヤーハーネス外装体の外部に配置され、
     前記ワイヤーハーネス外装体及び前記ワイヤーハーネスの前記両端部領域を外周に沿って巻きつけることにより、前記ワイヤーハーネスを前記ワイヤーハーネス外装体に固定する固定用テープ(11)をさらに備える、
    ワイヤーハーネス保護構造(8)。
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