JPH0119914B2 - - Google Patents

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JPH0119914B2
JPH0119914B2 JP60283286A JP28328685A JPH0119914B2 JP H0119914 B2 JPH0119914 B2 JP H0119914B2 JP 60283286 A JP60283286 A JP 60283286A JP 28328685 A JP28328685 A JP 28328685A JP H0119914 B2 JPH0119914 B2 JP H0119914B2
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pulse motor
feed dog
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excitation
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Fujio Horie
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Brother Industries Ltd
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Publication of JPH0119914B2 publication Critical patent/JPH0119914B2/ja
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B27/00Work-feeding means
    • D05B27/22Work-feeding means with means for setting length of stitch
    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B19/00Programme-controlled sewing machines
    • D05B19/02Sewing machines having electronic memory or microprocessor control unit
    • D05B19/12Sewing machines having electronic memory or microprocessor control unit characterised by control of operation of machine
    • D05B19/16Control of workpiece movement, e.g. modulation of travel of feed dog

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ミシンの送り軸をパルスモータで直
接駆動する布送り装置においてパルスモータの脱
調を防止する機能を有したものに関する。
〔従来技術〕
従来、ミシンの布送り装置しては次の3種類の
装置が知られている。
第1の装置は、送り軸の回転力を針の上下運動
を司るさどるミシンモータによつて付与するもの
であり、その送り量と送り方向の制御は、送り力
を上軸から送り軸に伝達する連結機構に設けられ
た送り調節器を機械的に調節することにより上軸
の回転に対する連結機構の揺動振幅及びその位相
を制御するものである。
第2の装置は、送り軸の回転力はミシンモータ
によつて付与するものであり、その送り量と方向
は上軸と送り軸との間に介在する連結機構に設け
られた送り調節器をパルスモータ等で駆動するこ
とにより送り幅と方向を電気信号により制御する
ものである。
第3の装置は、送り軸の回転力、送り量及び送
り方向を直接ミシンモータとは別の独立した駆動
源であるパルスモータ等によつて制御するもので
ある。
上記第1及び第2の装置は、送り軸の回転力を
トルクの大きなミシンモータで付与している為、
大きな送り力を得ることが出来ると言う利点があ
る。しかし、上軸の回転をカム、二股リンク等の
機械的な連結機構により、ロツドの揺動運動に変
換し送り軸を回動させているため、上軸の回転位
相に対する送り軸の回転位相がカムの形状によつ
て一意的に決定され、しかもカムの圧力角の限界
等の機械的構成の為、上軸の狭い回転範囲に、送
り軸の大きな回転量を対応させる事が出来ない。
即ち、送り歯の水平運動の開始時における上軸の
位相は理想的な値より進み、終了時における上軸
の位相は遅れる傾向にある。このため、縫目の糸
締りが充分に行われない内に布送り運動に移行し
てしまう可能性があり、この時、所謂糸のわらい
が発生する。又、厚物地の縫製時においては針が
布に達しても布送りが完了しない可能性があり、
この時、針折損が生じる。またこれらの駆動力の
伝達機構は複雑である為、伝達によつて累積誤差
が生じ、又部品等の摩擦によりその誤差が拡大さ
れ、模様の形状がずれたり不均一になる等の欠点
がある。
これらの欠点を改良するため送り軸の回転を上
軸を回転させるミシンモータとは別の独立した駆
動源であるパルスモータによつて直接駆動する装
置が特公昭57―30026号広報に開示されている。
その装置は上軸の回転角位相を検出して、それに
同期してパルスモータをオープンループで直接駆
動することにより加工布の送りを自由に制御しよ
うとするものである。そして、送り軸を自由に制
御することにより、より複雑な模様の形成を可能
とするものである。
オープンループによるパルスモータの制御は、
相対的回転角をモータのステツプ数で指令するこ
とによつて行われている。したがつて、ミシンの
運転時に、一度送り軸の原点割り出しを行い、そ
の後は、指令パルスに正確に応答して回転するも
のとして指令パルス数が制御されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、オープンループによるパルスモータ
の駆動は、過負荷によつて、容易に脱調を生じる
と言う欠点がある。又、送り軸は、その回動範囲
が一定の角度範囲内に制限されている。従つて、
過負荷によつて、パルスモータが、一度脱調して
しまうと、送り軸の絶対角が不明となるととも
に、送り開始角、終了角が理想的な制御角に対し
て負荷の掛かつた方向に変移する。したがつて、
過負荷が取り去られた後においても、制御装置は
パルスモータが脱調しないものとして指令された
制御を継続するため、送り軸の指令されたステツ
プ数の正転または逆転の過程で送り軸が可動範囲
によつて制限され、送り軸はそれ以上は回転出来
ないので、パルスモータの脱調が生じる。また、
逆にパルスモータが脱調状態にあつて送り軸が可
動範囲の限界角で制限されている状態から、回転
可能な範囲に復帰しようとする時、パルスモータ
の励磁状態によつては、送り軸に掛かるトルクの
方向が可動方向と反対方向になり、制御装置が回
転指令パルスを出力しているにも拘わらず、それ
に同期して回転しないと言う現象が生じる。即
ち、励磁状態によつては、係る状態から可動方向
に回転させるための最初の数パルスには、パルス
モータは応答し得ず脱調する場合がある。このよ
うな理由のため、過負荷が取り去られた後におい
ても、再度、送り軸の原点割り出しが行われるま
で、パルスモータの脱調が送りサイクルの一部に
於いて間欠的に生じ、指令されたピツチの縫目が
形成されないと言う欠点がある。
係るパルスモータの脱調を防止するために、送
り歯に係る過負荷を直接パルスモータに印加させ
ないために、逃がしバネを介して送り歯をパルス
モータの駆動軸と結合させる方法が考案されてい
る。しかし係る方法は、パルスモータがバネの最
大張力に対向して脱調することなく回転すること
が必要となる。このためには、バネの最大張力が
パルスモータの脱出トルクよりも小さいことが必
要となる。換言すれば、バネ定数を小さくするか
パルスモータの脱出トルクを大きくする必要があ
る。しかし、バネ定数を小さくするということ
は、送り歯が小さな外力で容易にパルスモータの
回転と同期しなくなることを意味し模様くずれの
原因となる。又、パルスモータのトルクが充分に
送り力として使用されていないことを意味する。
又脱出トルクを大きくすることは、パルスモータ
が大きくなり、重量、実装の点で問題となる。
〔発明の目的〕
本発明は、上記の欠点を改良するために成され
たものであり、その目的とするところは、送り軸
をオープンループ制御によるパルスモータで直接
駆動する布送り装置において、連続運転中であつ
ても、過負荷が取り除かれれば、パルスモータの
脱調からの回復が自動的に行われ、適性な縫目の
形成の継続を可能とすることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を解決するための発明の構成は、次
の通りであり、その概念が他の関連装置との関係
に於いて第1図に図示されている。
本発明は、ミシンのベツド面より上方に位置す
る間に布押さえ足14と協働して水平送り運動を
加工布に付与する送り歯13と、 該送り歯13の前記ベツド面に対する上昇及び
下降運動を針棒37の上下動と調時して行う送り
歯上下動駆動装置12と、 予め定められた数Pの励磁状態を有すると共に
各励磁状態の切換により単位量Sだけ移動するよ
うに構成され、前記送り歯13と作動的に連結さ
れたパルスモータ17と、 前記送り歯13の水平送り運動量に関する信号
に従つて前記パルスモータ17の励磁状態を開ル
ープ方式にて順次切り換えて、加工布の送り制御
を行う送り制御装置11と、を具備したミシンの
布送り装置10において、 前記送り歯13の水平送り運動範囲を規制する
2つの限界位置の少なくとも一方の位置またはそ
れに対応する位置の近傍において、前記送り歯1
3またはそれに作動連結された部材と当接可能に
設けられたストツパ15を具備し、 前記送り制御装置11は、 前記送り歯13の水平送り運動の開始時または
終了時における前記パルスモータ17の励磁状態
が、前記送り歯13またはそれに作動連結された
部材と前記ストツパ15とが当接した時に前記パ
ルスモータ17が位置する規制位置から(P・
S/2)の量だけ移動する間にパルスモータが励
磁される励磁状態中の予め定められた特定励磁状
態となるように、前記パルスモータ17の励磁状
態を制御する励磁制御手段18を含むことを特徴
とするパルスモータを備えた布送り装置である。
上記ストツパ15は、等価的に送り歯13の運
動範囲を規制する手段である。したがつて、送り
歯13の動作範囲を直接的に規制するものだけで
なく、送り歯13の動作と対応した動作を行う部
材即ち送り歯13と作動連結された部材の動作範
囲を規制する手段も含まれる。作動連結された部
材は、パルスモータ17の駆動軸やこの駆動軸の
駆動力を送り歯13の水平運動が可能となるよう
に変換する送り歯水平運動変換機構16等であ
る。又、送り制御装置に、ミシンへの電源投入
時、模様選択時、又は針の上下運動を付与するミ
シンモータの回転開始時に、前記ストツパで規制
される前記規制位置まで前記パルスモータを回転
させ、その後、前記パルスモータの励磁状態を前
記特定励磁状態に初期設定する初期設定手段を設
けることにより、送り歯13の初期位置を設定し
パルスモータの原点割り出しを行うことが出来
る。
送り装置10に関連した装置を説明すれば、3
0は主制御装置であり、ミシンの全体の制御を行
う装置である。操作盤35の操作入力の状態に応
じて、ミシンモータ等を含む針棒上下駆動装置3
1を駆動して針棒37を介して針36の上下運動
を制御している。また、縫目模様を形成するため
の送り量、針振り量をデータ群として各縫目模様
毎に記憶しており、操作盤35で選択された模様
に応じて、送り制御装置11に水平送り運動量に
関する信号を出力し、針振り駆動装置32に針振
り量に関する信号を出力している。又、針棒上下
動駆動装置31から針の上下位置に関する位相信
号を入力して、送り制御装置11、針振り駆動装
置32に駆動のためのタイミング信号を出力して
全体の制御を行つている装置である。
〔作用〕
第3図は、送り歯の本発明に係る送り運動の態
様を概念的に示した図である。P1〜P11は送
り歯の水平位置であり、そのピツチがパルスモー
タの単位移動量Sと対応する。パルスモータの励
磁状態はa,b,c,dの4状態(P=4)とし
て示されている。送り限界点Aと送り限界点Bは
ストツパによりパルスモータの移動(以下回転型
のパルスモータを想定し「回転」という)が規制
された時に送り歯のとる位置である。送り歯が各
位置P1〜P11で停止しているとした時のパル
スモータの励磁状態は、図示するようになつてい
る。又最大送り量は10パルスである。
先ずa図の態様について説明するが、先ず、ミ
シンの電源が投入された当初、送り歯の位置は不
明であるから送り歯を工程C1で示すように、送
り歯がベツド面より下に存在する期間において、
送り歯を送り限界点Aの方向に移動させるため、
パルスモータを最大送り量10パルス分を越えて回
転させる(以下この方向の回転を「逆転」と言
う)。すると、ストツパによりパルスモータの回
転は規制され、送り歯は送り限界点Aで動作が規
制され、パルスモータは、脱調状態となる。この
時、送り歯の位置は、パルスモータの回転がスト
ツパで規制された後の、励磁状態によつて異な
る。即ち、最終励磁状態がa又はb励磁状態の時
は、それぞれP1,P2点に位置決めされる。ま
た、c,d励磁状態の時は、送り限界点Aの方向
にトルクが掛かるため、送り歯は送り限界点Aに
位置決めされる。
次に、送り限界点Aに位置決めされた状態か
ら、特定励磁状態であるa励磁状態に励磁する
と、工程C2で示すように、送り歯はP1点に位
置決めされる。
次に、送り歯がベツド面の上方に位置する期間
において、縫目模様に対応して送り量データ分だ
け送り歯を送り限界点B方向に移動させるように
パルスモータを回転(以下この方向の回転を「正
転」と言う)させるため、a励磁状態から順次パ
ルスモータを正転させる順序で励磁する。する
と、工程C3に示すように布送りのための送り歯
の水平送り運動が開始される。その後、送り終わ
りの位置P6から、送り歯がベツド面の下方に存
在する時に、先程の送り量分だけ、パルスモータ
を逆転させて、先程の送り開始位置P1点まで送
り歯を復帰させる(C4工程)。このようにして、
送り量データにしたがつて、工程C3の送り運動
と工程C4の戻し運動を繰り返すことにより、連
続して縫目を形成することが出来る。
本発明の要部である励磁制御手段の一態様は、
この送り工程C3を開始する励磁状態を特定励磁
状態(a又はb励磁状態)としてP1点又はP2
点から送り運動を開始することを特徴としてい
る。
このことを詳しく述べると、送り歯が、送り限
界点Aにあり、パルスモータがストツパで規制さ
れた位置にある時、その後、最初の励磁信号から
同期してパルスモータを回転させるためには、そ
の励磁状態の種類に制限が存在する。即ち、a励
磁状態に励磁すれば、パルスモータは、正転方向
のトルクを出力して、送り歯はP1点に位置決め
される。又b励磁状態に励磁すれば、パルスモー
タは、同様に正転方向のトルクを出力して、送り
歯は、P2点に正確に位置決めされる。しかしな
がら、c励磁状態またはd励磁状態で励磁した時
は、パルスモータは、逆転方向のトルクを生じる
ことになり、送り歯の位置は送り限界点Aを保持
することになる。パルスモータを正転させる励磁
状態の順序はa―b―c―d―aであるので、c
励磁状態から正転を開始すると、c,dと最初の
2の励磁状態に応答しなくなる。換言すれば、パ
ルスモータは最初の2パルスの信号に対して脱調
していることになり、指令されたパルス数の送り
を実行することが出来ない。
今、上記のような送り制御において、送り歯に
送り限界点A方向に過負荷が掛かつているとすれ
ば、送り工程C3においてパルスモータは脱調
し、指令ステツプ数の送りが実行出来ない。した
がつて、送り工程C3の制御を終了した時の送り
歯の位置は、送り限界点Aに拘束されているか、
正規の送り終端点より手前の送り限界点Aに近い
位置となる。したがつて、戻り工程C4の実際の
ステツプ数は指令ステツプ数より少なくなり、パ
ルスモータの回転はストツパで規制され、脱調状
態となる。
ところが、送り工程の開始を常に、特定の励磁
状態から開始していると、過負荷が取り去られた
後の最初の送り工程から、送り歯の送り開始位置
が特定励磁状態に対応した位置(この例ではP
1)に位置決めされ、パルスモータは最初の励磁
信号から完全に同期して回転することになり、指
令されたステツプ数の送りを実行する事が出来、
脱調から自動的に復帰する事が出来る。
上記の説明から容易に理解されるように、特定
励磁状態は、パルスモータの回転がストツパによ
り、規制されている位置からパルスモータを励磁
した時その励磁状態に対応した位置にロータが正
確に位置決めされる励磁状態である。第3図に示
す配置関係の時は、a,c図に示すように、特定
励磁状態はa,bの2励磁状態となる。一般的に
は、特定励磁状態とは、励磁状態の数をP、パル
スモータの回転ピツチをSとすれば、ストツパに
より規制された位置から、P・S/2だけ手前の
位置に位置決めするための励磁状態と言うことに
なる。この励磁状態の時パルスモータのロータ
は、ストツパにより規制された位置からその励磁
状態に対応した位置に引き込まれることになる。
他の送り制御の態様は、第3図b,dに示すよ
うに、常に送り工程C8の最後の励磁状態が特定
励磁状態の1つであるc,b励磁状態となるよう
に、送り工程の開始位置を次のサイクルの送り量
データから決定する制御である。この時の特定励
磁状態は、送り限界点Bで規制された位置から1
回の励磁で正確に位置決め出来る励磁状態であ
る。図の例では、b図がc励磁状態であり、d図
がb励磁状態である。このような、制御をとる時
は、送り限界点B方向に過負荷がかかつた時に有
効である。即ち、過負荷がかかつている時は、送
り工程C8で脱調するが、送り工程の最後が特定
励磁状態であるため、負荷の掛からない戻り工程
C7の開始点が正確に特定励磁状態に対応した所
定の位置に位置決めされるP11又はP10。こ
のため、脱調せずに戻り工程C7を実行出来るの
で、指令された送り開始位置を正確に位置決めす
ることが出来る。したがつて、過負荷が取り去ら
れた後の最初の送り工程C8から脱調から回復
し、指令されたステツプ数の送りを実行すること
が出来る。
他の送り制御の態様は、第3図eに示すよう
に、上述した2の送り制御を交互に繰り返す制御
である。即ち、その制御は、送り工程C22の送
り開始の励磁状態を特定励磁状態(a又はb励磁
状態)で開始し、その送り工程C22の終了後、
送り歯がベツド面より下方に存在している時に、
次の送り量のデータに基づき、次の送り工程C2
4の送り終了の励磁状態が特定励磁状態(c又は
b励磁状態)となるように、次の送り工程C24
の送り開始位置を決定し、その位置に位置決めし
(工程C23)、次に送り工程C24を実行し、次
に、C22の送り開始の特定励磁状態に対応した
位置まで、戻り工程C25を実行する工程を1サ
イクルとする制御である。この制御の時は、送り
限界点A,B何れの方向に過負荷が掛かつた場合
にも、過負荷が取り去られれば、次の制御サイク
ルでは、脱調から回復し、正規の送り量の送り制
御が継続される。
〔実施例〕
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて詳述
する。
第2図は本発明の具体的な実施例に係る布送り
装置を搭載したミシンの全体の構成を示したブロ
ツクダイヤグラムである。
第1図に示す主制御装置30、送り制御装置1
1は、中央処理装置50,CPU1と中央処理装
置70,CPU2とによつて構成されている。
CPU2の出力ポートにはD/A変換器71が接
続されており、そのD/A変換器71にはドライ
バ72が、ドライバ72にはメインモータ73が
接続さている。そして、CPUからの制御信号に
よりメインモータ73が指令された速度で駆動さ
れるようになつている。メインモータ73は上軸
74を回転駆動する。
上軸74には上軸の回転角位相を検出する回転
角センサ75が配設されており、その出力信号は
CPU2に入力されている。また上軸74の回転
力は、送り歯上下運動変換装置76により上下運
動力に変換され送り歯13に伝達され、送り歯1
3は上軸74の回転に同期してベツド面に対して
上下方向に駆動される。また上軸74には針上下
運動変換機構77が接続されており、その機構に
より上軸の回転力が針棒37の上下駆動力に変換
されて、針棒37が上下動するようになつてい
る。また上軸74には伝達機構78が接続されて
おり、その機構により、上軸74の回転力は、下
軸79に伝達され、その下軸79の回転力により
カマ39が上軸74の回転と同期して回転するよ
うになつている。
CPU2には縫製速度を調節するためのスピー
ドボリユーム80とその速度をフイツトスイツチ
によつて制御するフツトコントローラ81が接続
されている。また縫目のピツチを制御する送りマ
ニユアルボリユーム82とジグザグ模様の針の振
り幅を調整する振り幅マニユアルボリユーム83
が接続されている。またCPU2には、上軸74
に配設され、針36の上下位置を検出する針位置
センサ56の出力信号が入力され、各種の運転状
態を表示する表示器54が接続されている。
一方CPU1には模様を選択するための模様選
択スイツチ52、各種の操作入力を行うための操
作スイツチ群53、各種の操作状況を表示する表
示器54が接続されている。さらに一つの模様毎
に送り量と針振り量とのデータ群を記憶した縫目
データメモリ51が接続されており、CPU1は
アドレス信号を出力してそれらのデータを読み取
ることが出来るようになつている。またCPU1
には針位置センサ56と、上軸54に配設され、
その軸の特別な回転角位相においてタイミング信
号を出力するタイミングセンサ55が接続されて
いる。
CPU1の出力ポートにはパルスモータ駆動装
置57,58がそれぞれ接続されており、パルス
モータ駆動装置57はD0〜D3の4ビツト信
号、パルスモータ駆動装置58はD4〜D7の4
ビツト信号によつて制御されている。パルスモー
タ駆動装置57には、送り歯水平駆動用パルスモ
ータ17が接続されており、送り歯水平駆動用パ
ルスモータ17は送り歯水平運動変換機構16を
介して送り歯13を水平方向に駆動させる。送り
歯水平運動機構変換機構16はパルスモータ17
の回転力を送り歯の水平方向の運動力に変換する
カム、リンク、送り軸等で構成された機構であ
る。またパルスモータ駆動装置58には針振り駆
動用パルスモータ59が接続されており、針振り
駆動用パルスモータ59は、針振り運動変換機構
60を介して、針棒37を揺動駆動させる。針振
り運動変換機構60は、パルスモータ59の回転
力を針振り揺動運動力に変換して伝達するカム、
リンク等で構成された機構である。
第5図はミシン装置の機構的な構成を示した斜
視図である。図中1は筐体であり、2はベツドで
ある。メインモータ73は、筐体1の内部下方に
配設されており、駆動ベルト732を介してプー
リ731に回転力を付与する。プーリ731はク
ラツチ機構733を介して上軸74に接続されて
いる。上軸74には回転角センサ75、針位置セ
ンサ56、タイミングセンサ55がそれぞれ配設
されている。
回転角センサ75は、第7図に示す様に、微小
間隔毎にスリツトの刻まれた回転盤75aとこの
回転盤75aを通過する光を検出するホトインタ
ラプタ75bからなる。針位置センサ56は、所
定の角度に開口した扇型のシヤツタ56aと、そ
のシヤツタの両側に配設されそのシヤツタによつ
て遮光又は通過する光を検出するホトインタラプ
タ56bとから成る。同じくタイミングセンサ5
5は、2つのタイミング信号TS1,TS2を出力
するために2つの所定角に開口した扇型のシヤツ
タ551a,552aと、それらのシヤツタによ
り変調された光を受光するホトインタラプタ55
1b,552bとから成る。これらのホトインタ
ラプタの出力信号は矩形波としてCPU1及び
CPU2に入力している。
第5図に戻り、上軸74には針棒クランク77
1とそれに接続された針棒クランクロツド772
が接続されており、針棒クランクロツド772は
針棒抱き773に接続され、針棒抱き773は針
棒37を支持している。また上軸74には天秤ク
ランク331が接続され、それにより天秤(図示
略)の上下動が行われる。主に上記の構成から成
る針上下運動変換機構77の作用により、メイン
モータ73により駆動さた上軸74の回転運動
は、針棒37の上下運動に変換される。
又、針棒37は、針棒台604に、摺動自在に
支持されており、針棒台604には針振りロツド
600が接続されている。針振りロツド600の
端末にはセクターギア601が接続されており、
セクターギア601はパルスモータ59の回転軸
に軸支されたギア602と歯合している。このセ
クターギア601の揺動範囲はV字状のストツパ
603によつて規制されている。パルスモータ5
9の回転によりセクターギア601が揺動し、そ
の揺動に伴つて針振りロツド600を介して針棒
台604は支点604aを中心として揺動運動を
する。主に上記の構成から成る針振り運動変換機
構60の作用により、パルスモータ59の回転運
動は、針の揺動運動に変換され、針36の針振り
制御が行われる。
また上軸74にはクランクロツド760が係合
しており、上軸74の回転力は、クランクロツド
760により大振子761に伝達される。大振子
761の揺動回転力は、それに係合しているカム
762を介して二股腕766を有した上下送り軸
763に伝達される。上下送り軸763には上下
送り腕764が接続しており、その上下送り腕7
64は二股腕を有した送り台765と係合してい
る。送り歯上下運動変換装置76は主に上記の構
成から成るものである。このような機構により上
軸74の回転運動は、上下送り軸763の揺動回
動運動に変換され、送り台765が上下動するよ
うになつている。
送り台765の上には、送り歯13が配設され
ており、送り歯13はロツド161を介して水平
送り軸160に接続されている。水平送り軸16
0の一端にはセクターギア162が係合してお
り、セクターギア162はパルスモータ17の回
転軸に軸支されたギア163と歯合している。ま
たセクターギア162の揺動範囲を規制するため
にV字形状をしたストツパ164が配設されてい
る。送り歯水平運動変換機構16は、主に上記構
成から成るものである。パルスモータ17の回転
はセクターギア162により、水平送り軸160
の揺動回動運動に変換され、この作用により、送
り歯13は水平方向に移動される。
これらの送り歯上下運動変換装置76及び送り
歯水平運動変換機構16により、送り歯13は第
6図に示す様なサイクルで送り運動を行う。この
結果送り歯13は第8図に示す様に、送り足14
と共動してその間に介在する加工布を所定の方向
に送る作用をする。
次に本実施例装置の作用について第4図に示す
モーシヨンダイヤグラム、第3図に示す送り歯の
運動モードを模式的に示した動作説明図及び第9
図〜第11図のCPUの処理手順を示したフロー
チヤートに基づいて説明する。
まず本装置の電源が投入されると、ステツプ1
00で各種の初期セツトが行われる。例えば模様
選択は直線縫いに選択され、縫目データを読出す
るためのアドレスカウンタは直線模様のデータ群
を記憶した領域の先頭のアドレスに設定される。
次にステツプ102で針位置センサ56の出力信
号を読取りそのレベルが判定される。針位置セン
サの出力は第4図cに示される波形となつており
針の布面に対する上下位置を検出している。ステ
ツプ102で信号レベルが1と判定された時に
は、針が上位置の状態にあるため、ステツプ10
4に移行して、針振り駆動用パルスモータ59を
原点方向に回転させ、セクターギア601がスト
ツパ603に当接するまでパルス分配処理が行わ
れる。次にステツプ106で、ストツパに当接後
パルスモータは所定の予め定められた特定励磁状
態に励磁される。その後ステツプ108で、模様
選択スイツチ52の換作状況が判定され、模様選
択が実効された時はステツプ110へ移行し、ア
ドレスカウンタを選択された模様データを記憶し
た領域の先頭アドレスに初期設定する。次に、上
記ステツプ104,106と同様に針振り駆動を
行い針36を原点位置に設定しパルスモータ59
を所定相に励磁する。次にステツプ116で、ミ
シンが運転されているかどうかが判定される。こ
れは、上軸74の回転を検出する回転角センサ7
5の出力信号によつて判定される。即ち、CPU
1はCPU2からデータを入力して、上軸74が
回転しているかどうかが判定される。ミシンが運
転状態にある場合には、次のステツプ118へ移
行して針位置センサ56の信号を入力しその信号
レベルが0になるまで待機する。第4図cに図示
する時刻t3でレベルが0になつたことが判定さ
れ、針が下位置の状態になつたことが検出され
る。送り歯13は第4図aに示すように、この時
以降、ベツド面2に対して下方に存在することに
なる。従つて、ステツプ120で、送り歯を後退
させる方向にパルスモータ17を逆転させ、セク
ターギア162がストツパ164に当接するまで
パルス分配を行う。その後ステツプ122で所定
の特定励磁状態にパルスモータを励磁する。
またステツプ102で針の位置が下位置の状態
と判定された時には、ステツプ124に移行して
ステツプ120,122と同様にパルスモータ1
7を逆転させて、ストツパで規制した後、特定励
磁状態に励磁して、送り歯13を水平送りの原点
に設定する。即ち、第3図aで示す様に、セクタ
ーギアがストツパに当接した位置に対応する送り
限界点A方向に、送り歯は移動し(工程C1)、
次に特定励磁状態aに励磁することにより、送り
歯13は、P1点に位置決めされる(工程C2)。
次にステツプ128で、ミシンが運転状態になる
まで待機した後、運転状態に入るとステツプ13
0に移行して、針位置センサ56の出力信号のレ
ベルが1の状態になるまで待機する。その信号レ
ベルが1の状態になると(時刻t5)、ステツプ
132に移行する。即ち針36が上位置の状態に
なつたため、ステツプ104,106と同様に針
の原点位置が設定されることになる。
次にミシンが連続運転状態に入ると、ステツプ
136〜146のループを繰り返すことになる。
ミシンが針の上状態で停止した場合には、ステツ
プ146でそのことが判定されて、ステツプ10
8へ復帰して模様選択の有無が判定される。
ミシンの運転中において、ステツプ136でタ
イミングセンサ55の出力信号TS1の立下りが
検出されるまで待機し、検出された時(時刻t
1,t6)は、ステツプ138に移行する。この
時、送り歯13はベツド面よりも上方向に位置す
る。ステツプ138で縫目データメモリ51から
縫目データを入力する。第10図は、縫目データ
入力プログラムを示したフローチヤートである。
ステツプ200でアドレスカウンタの示すアドレ
スからデータが入力される。ステツプ202で
は、データ終了コードが判定され、そのコードが
判定された時は、ステツプ204でアドレスカウ
ンタを選択されている模様の縫目データ群の先頭
アドレスに初期設定し、ステツプ200へ復帰し
て、そのアドレスの内容が読み取られる。このよ
うにして縫目データが一定の周期で順次読み出さ
れる。ステツプ140に戻り、今読み出されたデ
ータに基づいて、針振り及び布送りのための制御
が行われる。
針振り及び布送り制御のプログラムは、第11
図に示されている。縫目データとして、針振りの
ためのパルスモータの駆動ステツプ数と、布送り
のためのパルスモータの駆動ステツプ数が1縫目
毎に記憶されている。ステツプ300及び302
で、針振り駆動用パルスモータ59と送り歯水平
駆動用パルスモータ17を縫目データの指示する
ステツプ数だけ回転させるための励磁信号データ
が生成される。両パルスモータは4相励磁方式で
あり、励磁信号は励磁相に対応して4ビツト信号
で構成され、励磁相を「1」で与えるようにして
いる。この励磁信号データは第15図に示すよう
に、データ番号1〜nにそれぞれ分配されて生成
される。後述するようにこの励磁信号データは、
上軸74の一定角の回転毎に出力され、nのデー
タは上軸の一定の角度範囲に対応している。した
がつて、励磁信号データをnの領域を自由に使つ
て生成すれば、上軸の回転角位相に対する送り歯
の水平方向の位置及び針の針振り位置を自由に対
応させることが出来、上軸の回転速度に対する送
り歯の相対送り速度も調整することができる。例
えば、加工布が厚い場合には、送り歯水平駆動用
パルスモータの励磁信号をデータ番号の大きい所
から生成する様にすれば、送りのタイミングを布
厚に応じて変化させることが出来る。またデータ
番号の変化に対して励磁信号の変化を大きくすれ
ば、上軸の回転速度に対する送り歯の相対送り速
度を大きくすることが出来る。第15図のデータ
例では、最高速度で駆動するように励磁信号の周
期が最も短く設定されている。
送り歯水平駆動用パルスモータの励磁を開始す
るタイミングは、針振り駆動用パルスモータの励
磁を開始するタイミングより遅らせてあり、その
特定励磁状態aからの励磁開始は、通常の送り制
御に於いてタイミングセンサの出力TS1の立ち
上がりに同期するようにしている。即ち充分に糸
締りが行われた後に布の送り制御をするようにし
ている。
このようにして生成された励磁信号データは、
以下のステツプでパルスモータ駆動装置57,5
8に出力される。ステツプ304でパラメータ
を初期設定し、ステツプ306で、回転角センサ
75の信号により上軸が一定角回転するまで待機
し、一定角度回転した時に、ステツプ308で第
15図に示す生成された励磁信号データS()
は1ブロツク、パルスモータ駆動装置57、及び
58に出力される。そしてステツプ310で全て
の励磁信号データの出力が終了したかを判定し、
終了していない場合にはステツプ312での値
を1更新させステツプ306へ戻る。このように
して1ブロツクづつパルスモータ駆動装置に励磁
信号が出力されることによつてパルスモータは、
上軸の回転と同期して回転することになる。全て
のデータの出力が終わつた時はステツプ314
で、アドレスカウンタが次の縫目データを記憶し
たアドレスに更新される。このようにして一つの
縫目の送り制御が完了する(工程C3)。
次に第9図に戻り、ステツプ142で針位置セ
ンサの出力信号が判定され、信号レベルが0にな
つた時(時刻t8)、ステツプ144へ移行する。
この時は送り歯はベツド面よりも下方に存在する
ので、先程のステツプにより送り処理が成された
ステツプ数だけ、送り歯水平駆動用パルスモータ
17を逆転させ、送り歯を原位置P1に復帰させ
る(工程C4)。
以上の処理の繰り返しにより、送り歯は、送り
工程C3と戻り工程C4を繰り返し、加工布は送
られる。この時、送り始めのパルスモータの励磁
状態は、常に、特定励磁状態aに設定している。
この結果、送り限界点A方向に過負荷が掛かつ
て、パルスモータが脱調しても、過負荷が取り去
られれば、送りの最初の励磁信号からパルスモー
タは、応答し直ぐに同期運転になる。したがつ
て、縫目模様の乱れを最小限に食い止めることが
出来る。
次に第2実施例について説明する。
第2実施例は第3図bで示す様に、送り歯の送
り終りの励磁状態を特定励磁状態cで終わるよう
に励磁信号データを生成するものである。第12
図はその処理手順を示したフローチヤートであ
る。針の原位置の設定については第1実施例と同
じであるからその説明を省略する。第1実施例と
異なるステツプは、まずステツプ420である。
本実施例では、送り歯の送り終わりの位置P11
に原位置を設定するようにしている。そのため送
り歯がベツド面より下方に存在する時に、ステツ
プ420が実行され、送り歯が前進するようにパ
ルスモータが正転され、セクターギア162がス
トツパ164に当接するまでパルス分配が行われ
る(工程C5)。次にステツプ422で所定の励
磁状態、即ち送り歯が送り限界点Bで規制された
後、引き込まれる位置P11又はP10に対応し
た励磁状態(c又はb励磁状態)を特定励磁状態
として、この励磁状態に励磁する。その結果、送
り歯はP11又はP10〔(d)図〕に正確に位
置決めされる(工程C6)。
次に、ステツプ423で、タイミングセンサの
出力TS2の立上りが検出されるまで待機した後、
この立ち上りが検出されると(時刻t4)、ステ
ツプ424に移行し、送り歯の送り位置設定制御
プログラムが実行される。この送り歯の送り開始
位置設定制御プログラムは第13図に示されてい
る。ステツプ500で、次のサイクルの縫目デー
タが入力され、ステツプ502で送り歯の現在位
置と次のサイクルでの送り量から、送り終了位置
をP11とするに必要な送り歯の送り開始位置が
算定される。例えば、送り開始位置がP6と決定
されると、ステツプ504で送り歯を現位置から
P6に位置決めするために送り歯水平駆動用パル
スモータの励磁信号データが生成される。その後
ステツプ506、508、510のループによ
り、前述した針振り、布送り制御のプログラムの
対応するステツプと同様な処理が行われて、送り
歯は、送り開始位置に位置決めされる(工程C
7)。ステツプ426、430はステツプ420、
424と同様である。
次にステツプ440から448で連続した縫製
処理が行われる。ステツプ440ではタイミング
センサの出力TS1が立下るまで待機した後、そ
の信号の立ち下がりが検出されると(時刻t6)、
ステツプ443の針振り、布送り制御プログラム
が実行され、送り歯は、工程C8のように送ら
れ、針は所定の位置に位置決めされ、その後、針
が加工布を貫通して1縫目の縫製処理が完了す
る。この時の送り歯水平駆動用パルスモータ17
と針振り駆動用パルスモータ59を駆動する励磁
信号は、第16図に示されている。次にステツプ
444で、タイミングセンサの出力TS2が立上
るまで待機し、TS2の信号が立上つた時t9に、
ステツプ446へ移行する。ステツプ446は、
送り歯を次の送り開始位置に位置決めするための
ステツプである(工程C7)。この工程C8とC
7の繰り返しにより、連続した縫製処理が実行さ
れる。
このような制御において、送り限界点B方向に
過負荷が加わつた場合、送り工程C8で脱調し、
送り工程のパルス分配の終了前に、セクターギア
162はストツパ164に当接してしまう。従つ
て、送り歯13は送り限界点Bに拘束される。と
ころが、本発明では、常に、送り工程C8の終了
時の励磁状態を特定励磁状態cにしている。この
ため、送り歯がベツド面より下方に存在し、負荷
の掛からない状態の戻し工程C7では、特定励磁
状態cから励磁が開始されるため、最初の特定励
磁状態cにパルスモータは応答し、正確にその特
定励磁状態に対応した位置P11から脱調するこ
となく指令ステツプ数だけ逆転することになる。
したがつて、常に、送り開始位置は正確に位置決
めされるので、過負荷が取り去られると直ちに脱
調から復帰して、指令された送り工程C8を実行
することになる。
次に第3実施例について説明する。第3実施例
では、第3図eに示す様に、送りの励磁を特定励
磁状態aから開始する送り工程C22と、送りの
励磁を特定励磁状態cで終了する送り工程C24
とを交互に繰り返している。この処理により何れ
の方向に係る過負荷によつて生じた脱調からも有
効に復帰することができる。
この処理を実行するためのフローチヤートは第
9図及び第14図を参照して説明される。即ち第
9図の結合子A,B間の処理ステツプを第14図
の処理ステツプに置き換えたものが本実施例装置
の処理手順を示すフローチヤートとなる。
ステツプ600以降は、連続縫いの処理ルーチ
ンである。ステツプ600でパラメータSの値が
初期設定される。パラメータSが1の時には特定
励磁状態aで送りを開始する第1サイクルを実行
し、Sの値が2の時には特定励磁状態cで送りを
終了する第2サイクルを実行する。ステツプ60
2でまず縫目データが入力され、ステツプ604
でタイミングセンサの出力TS1の立下がりが検
出されるまで待機する。立下りが検出された時t
1には、ステツプ606で針振り、布送り制御
(第11図)が行われる。その結果、送り工程C
22が完了する。次にステツプ608でタイミン
グセンサの出力TS2の立上りが検出されるまで
待機し、立上りが検出された時t4には、ステツ
プ610で、パラメータSの値が判定される。S
が1の場合には、第1サイクルの送りが完了した
ので、ステツプ612に移行して、第2サイクル
の送り開始位置を設定すべく、送り歯の送り開始
位置設定制御プログラム(第13図)が実行され
る。即ち、第13図、第3図eを参照して説明す
れば、現在の送り歯の位置は、P8であり、次の
第2サイクルの送り工程C24の送りステツプ数
7が縫目データとして読み取られ(ステツプ50
0)、その結果ステツプ502で第2サイクルの
送り工程C24の送り開始位置P4が算定され
る。ステツプ504以下の処理で、送り歯は、ベ
ツド面より下方に存在する期間にその位置に位置
決めされる(工程C23)。
第14図に戻り、次にステツプ613でSの値
を2に設定しステツプ618へ移行し、針位置が
上位置の状態でミシンの運転が停止しているかが
判定され、条件を満たしていない時は、ステツプ
604に戻る。そしてステツプ606で、時刻t
6から第2サイクルの送り工程C24の送り処理
が実行される。その後ステツプ610でSの値が
2と判定され、ステツプ614へ移行し、送り歯
がベツド面より下方位置となる時刻t9より、パ
ルスモータを送り歯の最大送り量である10ステツ
プだけ逆転させ、送り歯を原位置P1に設定する
(工程C25)。その後、ステツプ616で次の縫
目データを入力し、ステツプ617でSの値を1
に設定してステツプ618に移行する。
以上の処理によつて第3図eに示す様に、特定
励磁状態から送りを開始する第1サイクルの送り
工程C22と、特定励磁状態で送りを終了する第
2サイクルの送り工程C24とを交互に繰り返す
ことが出来る。この時の励磁信号は、第15図、
第16図と類似のものとなる。この結果、第1実
施例、第2実施例で説明したことから明らかなよ
うに、第3実施例装置では、送り歯に送り限界点
A,Bの何れの方向に過負荷が掛かり、パルスモ
ータが脱調した場合でも、過負荷が取り去られる
と、少なくともその後の2の送り工程以内で、脱
調から回復し、正規の指令されたステツプ数の送
りを継続することが出来る。したがつて、過負荷
による模様の乱れを最小限に食い止める事が出来
る。
送り開始の特定励磁状態はa励磁状態、送り終
わりの励磁状態はc励磁状態として説明したが、
第3図の配置構成では、送り開始と送り終わりの
特定励磁状態をb励磁状態とすることも可能であ
る。
〔発明の効果〕
本発明は、送り歯の水平送り開始時又は終了時
におけるパルスモータの励磁状態が、パルスモー
タの移動位置がストツパで規制された位置から、
励磁状態で特定された位置に引き込まれるための
特定励磁状態に、なるように制御するものであ
る。したがつて、各送り工程の送り開始位置又は
終了位置を特定励磁状態で特定された位置に位置
決めすることが出来る。このため、過負荷が取り
去れた時は、最初の励磁信号にパルスモータは応
答し、正確に特定励磁状態で特定された位置に設
定されるので、その後の指令信号に対して脱調す
ることなく指定されたステツプ数だけ移動するこ
とが出来る。よつて、負荷変動による縫目模様の
乱れを最小限に食い止めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の概念を関連装置と共に示
したブロツクダイヤグラム、第2図は本発明の具
体的な一実施例装置の構成を他の関連装置と共に
示したブロツクダイヤグラム、第3図は、本発明
装置の送り歯の動作制御を示した動作説明図、第
4図は実施例装置の動作を示すための動作説明
図、第5図は実施例装置を搭載したミシンの機構
を示す斜視図、第6図は送り歯の送り動作を説明
した説明図、第7図は回転角センサ、針位置セン
サ、タイミングセンサの構成を示した斜視図、第
8図は加工布の送り機構を示した側面図である。
第9図、第10図、第11図は、第1実施例装置
に用いたCPUの処理手順を示したフローチヤー
トである。第12図、第13図は第2実施例装置
に用いたCPUの処理手順を示したフローチヤー
トである。第14図は第3実施例装置に用いた
CPUの処理手順を示したフローチヤートである。
第15図は第1実施例装置で生成される励磁信号
データを示した説明図である。第16図は、第2
実施例装置で生成される励磁信号データを示した
説明図である。 1…筐体、2…ベツド、13…送り歯、14…
押さえ足、37…針棒、17…送り歯水平駆動用
パルスモータ、59…針振り駆動用パルスモー
タ、55…タイミングセンサ、56…針位置セン
サ、73…メインモータ、74…上軸、75…回
転角センサ、160…水平送り軸、162,60
1…セクターギア、164,603…ストツパ、
604…針棒台、760…クランクロツド、73
2…駆動ベルト、763…上下送り軸、771…
針棒クランク、772…針棒クランクロツド。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ミシンのベツド面より上方に位置する間に布
    押さえ足と協働して水平送り運動を加工布に付与
    する送り歯と、 該送り歯の前記ベツド面に対する上昇及び下降
    運動を針棒の上下動と調時して行う送り歯上下動
    駆動装置と、 予め定められた数Pの励磁状態を有すると共に
    各励磁状態の切換により単位量Sだけ移動するよ
    うに構成され、前記送り歯と作動的に連結された
    パルスモータと、 前記送り歯の水平送り運動量に関する信号に従
    つて前記パルスモータの励磁状態を開ループ方式
    にて順次切り換えて、加工布の送り制御を行う送
    り制御装置と、を具備したミシンの布送り装置に
    おいて、 前記送り歯の水平送り運動範囲を規制する2つ
    の限界位置の少なくとも一方の位置またはそれに
    対応する位置の近傍において、前記送り歯または
    それに作動連結された部材と当接可能に設けられ
    たストツパを具備し、 前記送り制御装置は、 前記送り歯の水平送り運動の開始時または終了
    時における前記パルスモータの励磁状態が、前記
    送り歯またはそれに作動連結された部材と前記ス
    トツパとが当接した時に前記パルスモータが位置
    する規制位置から(P・S/2)の量だけ移動す
    る間にパルスモータが励磁される励磁状態中の予
    め定められた特定励磁状態となるように、前記パ
    ルスモータの励磁状態を制御する励磁制御手段を
    含むことを特徴とするパルスモータを備えた布送
    り装置。 2 前記励磁制御手段は、送り歯の水平送り運動
    に於ける前記パルスモータの励磁を前記特定励磁
    状態から開始する第1の送り工程と、送り歯の水
    平送り運動に於ける前記パルスモータの励磁を前
    記特定励磁状態で終了する第2の送り工程とを交
    互に繰り返して制御することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載のパルスモータを備えた布送
    り装置。 3 前記送り制御装置は、ミシンへの電源投入
    時、模様選択時、又は針の上下運動を付与するミ
    シンモータの回転開始時に、前記ストツパで規制
    される前記規制位置まで前記パルスモータを駆動
    させ、その後、前記パルスモータの励磁状態を前
    記特定励磁状態に初期設定する初期設定手段を含
    むことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    パルスモータを備えた布送り装置。
JP60283286A 1985-12-16 1985-12-16 パルスモ−タを備えた布送り装置 Granted JPS62139694A (ja)

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