JPH0119915B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0119915B2
JPH0119915B2 JP28328785A JP28328785A JPH0119915B2 JP H0119915 B2 JPH0119915 B2 JP H0119915B2 JP 28328785 A JP28328785 A JP 28328785A JP 28328785 A JP28328785 A JP 28328785A JP H0119915 B2 JPH0119915 B2 JP H0119915B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
feed
feed dog
pulse motor
excitation state
dog
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP28328785A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62139695A (ja
Inventor
Fujio Horie
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP28328785A priority Critical patent/JPS62139695A/ja
Publication of JPS62139695A publication Critical patent/JPS62139695A/ja
Publication of JPH0119915B2 publication Critical patent/JPH0119915B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、ミシンの送り軸をパルスモータで直
接駆動する布送り装置においてパルスモータの脱
調を防止する機能を有したものに関する。
【従来技術】
従来、ミシンの布送り装置しては次の3種類の
装置が知られている。 第1の装置は、送り軸の回転力を針の上下運動
を司るさどるミシンモータによつて付与するもの
であり、その送り量と送り方向の制御は、送り力
を上軸から送り軸に伝達する連結機構に設けられ
た送り調節器を機械的に調節することにより上軸
の回転に対する連結機構の揺動振幅及びその位相
を制御するものである。 第2の装置は、送り軸の回転力はミシンモータ
によつて付与するものであり、その送り量と方向
は上軸と送り軸との間に介在する連結機構に設け
られた送り調節器をパルスモータ等で駆動するこ
とにより送り幅と方向を電気信号により制御する
ものである。 第3の装置は、送り軸の回転力、送り量及び送
り方向を直接ミシンモータとは別の独立した駆動
源であるパルスモータ等によつて制御するもので
ある。 上記第1及び第2の装置は、送り軸の回転力を
トルクの大きなミシンモータで付与している為、
大きな送り力を得ることが出来ると言う利点があ
る。しかし、上軸の回転をカム、二股リンク等の
機械的な連結機構により、ロツドの揺動運動に変
換し送り軸を回動させているため、上軸の回転位
相に対する送り軸の回転位相がカムの形状によつ
て一意的に決定され、しかもカムの圧力角の限界
等の機械的構成の為、上軸の狭い回転範囲に、送
り軸の大きな回転量を対応させる事が出来ない。
即ち、送り歯の水平運動の開始時における上軸の
位相は理想的な値より進み、終了時における上軸
の位相は遅れる傾向にある。このために、継目の
糸締りが充分に行われない内に布送り運動に移行
してしまう可能性があり、この時、所謂糸のわら
いが発生する。又、厚物地の縫製時においては針
が布に達しても完了しない可能性があり、この
時、針折損が生じる。またこれらの駆動力の伝達
機構は複雑である為、伝達によつて累積誤差が生
じ、又部品等の摩擦によりその誤差が拡大され、
模様の形状がずれたり不均一になる等の欠点があ
る。 これらの欠点を改良するため送り軸の回転を上
軸を回転させるミシンモータとは別の独立した駆
動源であるパルスモータによつて直接駆動する装
置が特公昭57―30026号広報に開示されている。
その装置は上軸の回転角位相を検出して、それに
同期してパルスモータをオープンループで直接駆
動することにより加工布の送りを自由に制御しよ
うとするものである。そして、送り軸を自由に制
御することにより、より複雑な模様の形成を可能
とするものである。 オープンループによるパルスモータの制御は、
相対的回転角をモータのステツプ数で指令するこ
とによつて行われている。したがつて、ミシンの
運動時に、一度送り軸の原点割り出しを行い、そ
の後は、指令パルスに正確に応答して回転するも
のとして指令パルス数が制御されている。
【発明が解決しようとする問題点】
ところが、オープンループによるパルスモータ
の駆動は、過負荷によつて、容易に脱調を生じる
と言う欠点がある。又、送り軸は、その回動範囲
が一定の角度範囲内に制限されている。従つて、
過負荷によつて、パルスモータが、一度脱調して
しまうと、送り軸の絶対角が不明となるととも
に、送り開始角、終了角が理想的な制御角に対し
て負荷の掛かつた方向に変移する。したがつて、
過負荷が取り去られた後においても、制御装置は
パルスモータが脱調しないものとして指令された
制御を継続するため、送り軸の指令されたステツ
プ数の正転または逆転の過程で送り軸が可動範囲
によつて制限され、送り軸はそれ以上は回転出来
ないので、パルスモータの脱調が生じる。また、
逆にパルスモータが脱調状態にあつて送り軸が可
動範囲の限界角で制限されている状態から、回転
可能な範囲に復帰しようとする時、パルスモータ
の励磁状態によつては、送り軸に掛かるトルクの
方向が可動方向と反対方向になり、制御装置が回
転指令パルスを出力しているにも拘わらず、それ
に同期して回転しないと言う現象が生じる。即
ち、励磁状態によつては、係る状態から可動方向
に回転させるための最初の数パルスには、パルス
モータは応答し得ず脱調する場合がある。このよ
うな理由のため、過負荷が取り去られた後におい
ても、再度、送り軸の原点割り出しが行われるま
で、パルスモータの脱調が送りサイクルの一部に
於いて間欠的に生じ、指令されたピツチの継目が
形成されないと言う欠点がある。 係るパルスモータの脱調を防止するために、送
り歯に係る過負荷を直接パルスモータに印加させ
ないために、逃がしバネを介して送り歯をパルス
モータの駆動軸と結合させる方法が考案されてい
る。しかし係る方法は、パルスモータがバネの最
大張力に対向して脱調することなく回転すること
が必要となる。このためには、バネの最大張力が
パルスモータの脱出トルクよりも小さいことが必
要となる。換言すれば、バネ定数を小さくするか
パルスモータの脱出トルクを大きくする必要があ
る。しかし、バネ定数を小さくするということ
は、送り歯が小さな外力で容易にパルスモータの
回転と同期しなくなることを意味し模様くずれの
原因となる。又、パルスモータのトルクが充分に
送り力として使用されていないことを意味する。
又脱出トルクを大きくすることは、パルスモータ
が大きくなり、重量、実装の点で問題となる。
【発明の目的】
本発明は、上記の欠点を改良するために成され
たものであり、その目的とするところは、送り軸
をオープンループ制御によるパルスモータで直接
駆動する布送り装置において、連続運転中であつ
ても、過負荷が取り除かれれば、パルスモータの
脱調からの回復が自動的に行われ、適性な継目の
形成の継続を可能とすることにある。
【問題点を解決するための手段】
上記問題点を解決するための発明の構成は、次
の通りであり、その概念が他の関連装置との関係
に於いて第1図に図示されている。 本発明は、ミシンのベツド面より上方に位置す
る間に布押さえ足14と協働して水平送り運動を
加工布に付与する送り歯13と、 該送り歯13の前記ベツド面に対する上昇及び
下降運動を針棒37の上下動と調時して行う送り
歯上下動駆動装置12と、 予め定められた数Pの励磁状態を有すると共に
各励磁状態の切換により単位量Sだけ移動するよ
うに構成され、前記送り歯13と作動的に連結さ
れたパルスモータ17と、 前記送り歯13の水平送り運動量に関する信号
に従つて前記パルスモータ17の励磁状態を開ル
ープ方式にて順次切り換えて、加工布の送り制御
を行う送り制御装置11と、を具備したミシンの
布送り装置10において、 前記送り歯13の水平送り運動範囲を規制する
2つの限界位置の少なくとも一方の位置またはそ
れに対応する位置の近傍において、前記送り歯1
3またはそれに作動連結された部材と当接可能に
設けられたストツパ15を具備し、 前記送り制御装置11は、 前記送り歯13が前記ベツド面より下方に存在
する期間において、前記パルスモータ17の励磁
状態を、前記ストツパ15と前記送り歯13又は
それに作動連結された部材とが当接した時に前記
パルスモータ17が位置する規制位置から(P・
S/2)の量だけ移動する間にパルスモータが励
磁される励磁状態中の予め定められた特定励磁状
態になるまで順次励磁制御して、前記送り歯13
を前記特定励磁状態に対応した位置として表され
る原位置へ位置決めする送り歯原位置設定手段1
8と、 継目形成の1周期毎に、前記送り歯原位置設定
手段18を作動させて、前記送り歯13が前記ベ
ツド面より下方に存在する時に、前記送り歯13
を原位置に設定し、その後、前記送り歯13が前
記ベツド面より下方に存在する期間に於いて、前
記送り歯13が加工布に送り力を付与する送り開
始位置に対応した励磁状態になるまで、前記パル
スモータ17の励磁を順次制御し、前記送り歯1
3を送り開始位置に位置決めする布送り開始位置
設定手段19と、 を含むことを特徴とするパルスモータを備えた布
送り装置である。 上記ストツパ15は、等価的に送り歯13の運
動範囲を規制する手段である。したがつて、送り
歯13の動作範囲を直接的に規制するものだけで
なく、送り歯13の動作と対応した動作を行う部
材即ち送り歯13と作動連結された部材の動作範
囲を規制する手段も含まれる。作動連結された部
材は、パルスモータ17の駆動軸やこの駆動軸の
駆動力を送り歯13の水平運動が可能となるよう
に変換する送り歯水平運動変換機構16等であ
る。又、送り制御装置に、ミシンへの電源投入
時、模様選択時、又は針の上下運動を付与するミ
シンモータの回転開始時に、送り歯がベツド面よ
り下方に存在する期間において、前記ストツパで
規制される前記規制位置まで前記パルスモータを
駆動し、その後、前記パルスモータの励磁状態を
前記特定励磁状態に初期設定する初期設定手段を
設けることにより、送り歯13の初期位置を設定
しパルスモータの原点割り出しを行うことが出来
る。 布送り装置10に関連した装置を説明すれば、
30は主制御装置であり、ミシンの全体の制御を
行う装置である。操作盤35の操作入力の状態に
応じて、ミシンモータ等を含む針棒上下動駆動装
置31を駆動して針棒37を介して針36の上下
運動を制御している。また、縫目模様を形成する
ための送り量、針振り量をデータ群として各縫目
模様毎に記憶しており、操作盤35で選択された
模様に応じて、送り制御装置11に水平送り運動
量に関する信号を出力し、針振り駆動装置32に
針振り量に関する信号を出力している。又、針棒
上下動駆動装置31から針の上下位置に関する位
相信号を入力して、送り制御装置11、針振り駆
動装置32に駆動のためのタイミング信号を出力
して全体の制御を行つている装置である。
【作用】
第3図は、送り歯の本発明に係る送り運動の態
様を概念的に示した図である。P1〜P11は送
り歯の水平位置であり、そのピツチがパルスモー
タの単位移動量Sと対応する。パルスモータの励
磁状態はa,b,c,dの4状態(P=4)とし
て示されている。送り限界点Aと送り限界点Bは
ストツパによりパルスモータの移動(以下回転型
のパルスモータを想定し「回転」という)が規制
された時に送り歯のとる位置である。送り歯が各
位置P1〜P11で停止しているとした時のパル
スモータの励磁状態は、図示するようになつてい
る。又最大送り量は10パルスである。 先ずa図の態様について説明する。先ず、ミシ
ンの電源が投入された当初、送り歯の位置は不明
であるから送り歯を工程C11で示すように、送
り歯がベツド面より下に存在する期間において、
送り歯を送り限界点Aの方向に移動させるため、
パルスモータを最大送り量10パルス分を越えて
回転させる(以下この方向の回転を「逆転」と言
う)。すると、ストツパによりパルスモータの回
転は規制され、送り歯は送り限界点Aで動作が規
制され、パルスモータは、脱調状態となる。この
時、送り歯の位置は、パルスモータの回転がスト
ツパで規制された後の、励磁状態によつて異な
る。即ち、最終励磁状態がa又はb励磁状態の時
は、それぞれP1,P2点に位置決めされる。ま
た、c,d励磁状態の時は、送り限界点Aの方向
にトルクが掛かるため、送り歯は送り限界点Aに
位置決めされる。 次に、送り限界点Aに位置決めされた状態か
ら、特定励磁状態であるa励磁状態に励磁する
と、工程C12で示すように、送り歯P1点(原
位置)に位置決めされる。 次に、布送り量データの大きさに応じて、布送
り期間、送り歯が最適な位置から送りを開始し最
適な位置で送りを終了出来るように、布送り開始
位が求められる。次に送り歯がベツド面より下方
に存在する期間において、送り歯を送り限界点B
方向に移動させるようにパルスモータを回転(以
下この方向の回転を「正転」と言う)させるた
め、a励磁状態から順次パルスモータを正転させ
る順序で励磁する。すると、送り歯は工程C13
で示すように、布送り開始位置P3に位置決めさ
れる。 次に、送り歯がベツド面の上方に位置する期間
において、継目模様に対応して送り量データ分だ
け送り歯を送り限界点B方向に移動させるように
パルスモータを正転させる。すると、工程C14
に示すように布送りのための送り歯の水平送り運
動が開始される。その後、送り終わりの位置P6
から、送り歯ベツド面の下方に存在する時に、原
位置P1からのステツプ数の分だけ、パルスモー
タを逆転させて、原位置P1点まで送り歯を復帰
させる(工程C15)。このようにして、送り量
データにしたがつて、送り歯がベツド面より下方
にある期間に送り歯を布送り開始位置に位置決め
する布送り開始位置決め工程C13と、送り歯が
ベツド面より上方に位置する期間に今位置決めさ
れた布送り開始位置から送りを実行して加工布に
送り力を付与する布送り工程C14と、送り歯が
ベツド面より下方に存在している期間に特定励磁
状態で特定される原位置に位置決めする原位置位
置決め工程C15とを制御の1周期として繰り返
すことにより、連続して縫目を形成することが出
来る。 本発明の要部である送り制御装置の一態様は、
この原位置位置決め工程C15により、送り歯を
1サイクル毎に原位置に位置決めし、その後、布
送り開始位置に位置決めする工程C13を実行し
た後、適正に位置決めされた布送り開始位置から
布送り動作を開始することを特徴としている。そ
して、パルスモータを特定励磁状態(a又はb励
磁状態)とすることにより、原位置P1点又はP
2点を設定している。 このことを詳しく述べると、送り歯が、送り限
界点Aにあり、パルスモータがストツパで規制さ
れた位置にある時、その後、最初の励磁信号から
同期してパルスモータを回転させるためには、そ
の励磁状態の種類に制限が存在する。即ち、a励
磁状態に励磁すれば、パルスモータは、正転方向
のトルクを出力して、送り歯はP1点に位置決め
される。又b励磁状態に励磁すれば、パルスモー
タは、同様に正転方向のトルクを出力して、送り
歯は、P2点に正確に位置決めされる。しかしな
がら、c励磁状態またはd励磁状態で励磁した時
は、パルスモータは、逆転方向のトルクを生じる
ことになり、送り歯の位置は送り限界点Aを保持
することになる。パルスモータを正転させる励磁
状態の順序はa―b―c―d―aであるので、c
励磁状態から正転を開始すると、c,dと最初の
2の励磁状態に応答しなくなる。換言すれば、パ
ルスモータは最初の2パルスの信号に対して脱調
していることになり、指令されたパルス数の送り
を実行することが出来ない。 今、上記のような送り制御において、送り歯に
送り限界点A方向に過負荷が掛かつているとすれ
ば、布送り工程C14においてパルスモータは脱
調し、指令ステツプ数の送りが実行出来ない。し
たがつて、布送り工程C14の制御を終了した時
の送り歯の位置は、送り限界点Aに拘束されてい
るか、正規の送り終端点より手前の送り限界点A
に近い位置となる。したがつて、原位置位置決め
工程C15の実際のステツプ数は指令ステツプ数
より少なくなり、パルスモータの回転はストツパ
で規制され、脱調状態となる。 ところが、原位置位置決め工程C15を常に、
特定の励磁状態で終了していると、過負荷が取り
去られた後の最初の布送り開始位置位置決め工程
C13では、送り歯の開始位置が特定励磁状態に
対応した原位置(この例ではP1)に位置決めさ
れているので、パルスモータは最初の励磁信号か
ら完全に同期して回転することになり、工程C1
3と工程C14の全前進工程において、指令され
たステツプ数の送りを実行する事が出来、脱調か
ら自動的に復帰する事が出来る。 上記の説明から容易に理解されるように、特定
励磁状態は、パルスモータの回転がストツパによ
り、規制されている位置からパルスモータを励磁
した時その励磁状態に対応した位置にロータが正
確に位置決めされる励磁状態である。第3図に示
す配置関係の時は、a図の動作モードの時、特定
励磁状態はa,bの2励磁状態となる。一般的に
は、特定励磁状態とは、励磁状態の数をP、パル
スモータの回転ピツチをSとすれば、ストツパに
より規制された位置から、P・S/2だけ手前の
位置に位置決めするための励磁状態と言うことに
なる。この励磁状態の時パルスモータのロータ
は、ストツパにより規制された位置からその励磁
状態に対応した位置に引き込まれることになる。 他の送り制御の態様は、第3図bに示すよう
に、布送り工程C24を実行後に、送り歯がベツ
ド面より下方に存在する期間に、正転方向の送り
限界点Bに近接した位置に原位置を位置決めする
と原位置位置決め工程C25を実行し、その後、
布送り開始位置位置決め工程C23を実行するこ
とを特徴とするものである。この時の特定励磁状
態は、c又はb励磁状態である。又その時の原位
置はP11又はP10である。そして、常に布送
り開始位置位置決め工程C23の制御開始の励磁
状態を特定励磁状態としている。 このような、制御モードをとる時は、送り限界
点B方向に過負荷がかかつた時に有効である。即
ち、過負荷がかかつている時は、布送り工程C2
4で脱調するが、原位置位置決め工程C25が実
行されるで、負荷の掛からない布送り開始位置位
置決め工程C23の最初の励磁状態が常に特定励
磁状態に設定される。したがつて、工程C23で
は、脱調しないので、正確に所定の布送り開始位
置に位置決めする事が出来る。よつて、過負荷が
取り去られた後の最初の布送り工程C24から脱
調から回復し、指令されたステツプ数の送りを実
行することが出来る。 他の送り制御の態様は、第3図c,dに示され
ている。この制御の態様は、a,b図に示す制御
態様の変形である。布送り工程C34の送り終了
点の励磁状態が特定励磁状態になるように、送り
開始位置を設定している。又布送り工程C44の
開始点の励磁状態を特定励磁状態になるように設
定している。これらの制御モードでは、送り歯に
負荷の掛からない原位置位置決め工程C35,C
43に於いて、その開始点と終了点で共に特定励
磁状態としているので、何れの方向に過負荷が掛
り脱調した場合でも、過負荷が取り去られれば直
ちに脱調から回復する事が出来る。 更に他の送り制御の態様が、第3図eに示され
ている。このモードでは、原位置を送り限界点A
の近傍と送り限界点Bの近傍の両方に設定してい
る。即ち両送り限界点に対して特定励磁状態を設
定している。原位置位置決め工程は、C56とC
55である。先ず工程C56で送り歯は第1の原
位置P1点に位置決めされ、その後、布送り開始
位置位置決め工程C53が実行される。そして、
布送り工程C54が実行された後工程C55が実
行され、送り歯は、第2の原位置P11に位置決
めされる。したがつて、送り歯に負荷の掛からな
い工程C56では、開始時にすでに工程C55で
特定励磁状態に励磁されており、終了時に特定励
磁状態に励磁するので、正確に指令されたステツ
プ数だけ移動する。よつて、何れの方向に過負荷
が掛かつて脱調した場合でも、過負荷が取り去ら
れれば、直ちに脱調から回復して、正規のステツ
プ数の送りを実行することができる。 このように、送り歯原位置設定手段は、原位置
位置決め工程C15,C25,C35,C45,
C56,C55,C56を制御して、その工程の
終了点の励磁状態を特定励磁状態とすることによ
り、送り歯を所定の原位置に設定する。又、布送
り開始位置設定手段は、布送り開始位置位置決め
工程C13,C23,C33,C43,C53を
制御して、パルスモータを特定励磁状態から励磁
して、送り歯を布送り開始位置に位置決めする。
又、送り歯原位置設定手段は、工程C11とC1
2、工程C21とC22、工程C31とC32、
工程C41とC42、工程C51とC52の原位
置の初期設定の工程を含んでいても良い。
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて詳述
する。 第2図は本発明の具体的な実施例に係る布送り
装置を搭載したミシンの全体の構成を示したブロ
ツクダイヤグラムである。 第1図に示す主制御装置30、送り制御装置1
1は、中央処理装置50(CPU1)と中央処理
装置70(CPU2)とによつて構成されている。
CPU2の出力ポートにはD/A変換器71が接
続されており、そのD/A変換器71にはドライ
バ72が、ドライバ72にはメインモータ73が
接続されている。そして、CPUからの制御信号
によりメインモータ73が指令された速度で駆動
されるようになつている。メインモータ73は上
軸74を回転駆動する。 上軸74には上軸の回転角位相を検出する回転
角センサ75が配設されており、その出力信号は
CPU2に入力されている。また上軸74の回転
力は、送り歯上下運動変換装置76により上下運
動力に変換され送り歯13に伝達され、送り歯1
3は上軸74の回転に同期してベツド面に対して
上下方向に駆動される。また上軸74には針上下
運動変換機構77が接続されており、その機構に
より上軸の回転力が針棒37の上下駆動力に変換
されて、針棒37が上下動するようになつてい
る。また上軸74には伝達機構78が接続されて
おり、その機構により、上軸74の回転力は、下
軸79に伝達され、その下軸79の回転力により
カマ39が上軸74の回転と同期して回転するよ
うになつている。 CPU2には縫製速度を調節するためのスピー
ドボリユーム80とその速度をフツトスイツチに
よつて制御するフツトコントローラ81が接続さ
れている。また縫目のピツチを制御する送りマニ
ユアルボリユーム82とジグザグ模様の針の振り
幅を調整する振り幅マニユアルボリユーム83が
接続されている。またCPU2には、上軸74に
配設され、針36の上下位置を検出する針位置セ
ンサ56の出力信号が入力され、各種の運転状態
を表示する表示器54が接続されている。 一方CPU1には模様を選択するための模様選
択スイツチ52、各種の操作入力を行うための操
作スイツチ群53、各種の操作状況を表示する表
示器54が接続されている。さらに一つの模様毎
に送り量と針振り量とのデータ群を記憶した縫目
データメモリ51が接続されており、CPU1は
アドレス信号を出力してそれらのデータを読み取
ることが出来るようになつている。またCPU1
には針位置センサ56と、上軸54に配設され、
その軸の特別な回転角位相においてタイミング信
号を出力するタイミングセンサ55が接続されて
いる。 CPU1の出力ポートにはパルスモータ駆動装
置57,58がそれぞれ接続されており、パルス
モータ駆動装置57はD0〜D3の4ビツト信
号、パルスモータ駆動装置58はD4〜D7の4
ビツト信号によつて制御されている。パルスモー
タ駆動装置57には、送り歯水平駆動用パルスモ
ータ17が接続されており、送り歯水平駆動用パ
ルスモータ17は送り歯水平運動変換機構16を
介して送り歯13を水平方向に駆動させる。送り
歯水平運動機構変換機構16はパルスモータ17
の回転力を送り歯の水平方向の運動力に変換する
カム、リンク、送り軸等で構成された機構であ
る。またパルスモータ駆動装置58には針振り駆
動用パルスモータ59が接続されており、針振り
駆動用パルスモータ59は、針振り運動変換機構
60を介して、針棒37を揺動駆動させる。針振
り運動変換機構60は、パルスモータ59の回転
力を針振り揺動運動力に変換して伝達するカム、
リンク等で構成された機構である。 第5図はミシン装置の機械的な構成を示した斜
視図である。図中1は筐体1であり、2はベツド
である。メインモータ73は、筐体1の内部下方
に配設されており、駆動ベルト732を介してプ
ーリ731に回転力を付与する。プーリ731は
クラツチ機構733を介して上軸74に接続され
ている。上軸74には回転角センサ75、針位置
センサ56、タイミングセンサ55がそれぞれ配
設されている。 回転角センサ75は、第7図に示す様に、微小
間隔毎にスリツトの刻まれた回転盤75aとこの
回転盤75aを通過する光を検出するホトインタ
ラプタ75bからなる。針位置センサ56は、所
定の角度に開口した扇型のシヤツタ56aと、そ
のシヤツタの両側に配設されそのシヤツタによつ
て遮光又は通過する光を検出するホトインタラプ
タ56bとから成る。同じくタイミングセンサ5
5は、2つのタイミング信号TS1,TS2を出力
するために2つの所定角に開口した扇型のシヤツ
タ551a,552aと、それらのシヤツタによ
り変調された光を受光するホトインタラプタ55
1b,552bとから成る。これらのホトインタ
ラプタの出力信号は矩形波としてCPU1及び
CPU2に入力している。 第5図に戻り、上軸74には針棒クランク77
1とそれに接続された針棒クランクロツド772
が接続されており、針棒クランクロツド772は
針棒抱き773に接続され、針棒抱き773は針
棒37を支持している。また上軸74には天秤ク
ランク331が接続され、それにより天秤(図示
略)の上下動が行われる。主に上記の構成から成
る針上下運動変換機構77の作用により、メイン
モータ73により駆動さた上軸74の回転運動
は、針棒37の上下運動に変換される。 又、針棒37は、針棒台604に、摺動自在に
支持されており、針棒台604には針振りロツド
600が接続されている。針振りロツド600の
端末にはセクターギア601が接続されており、
セクターギア601はパルスモータ59の回転軸
に軸支されたギア602と歯合している。このセ
クターギア601の揺動範囲はV字状のストツパ
603によつて規制されている。パルスモータ5
9の回転によりセクターギア601が揺動し、そ
の揺動に伴つて針振りロツド600を介して針棒
台604は支点604aを中心として揺動運動を
する。主に上記の構成から成る針振り運動変換機
構60の作用により、パルスモータ59の回転運
動は、針の揺動運動に変換され、針36の針振り
制御が行われる。 また上軸74にはクランクロツド760が係合
しており、上軸74の回転力は、クランクロツド
760により大振子761に伝達される。大振子
761の揺動回転力は、それに係合しているカム
762を介して二股腕766を有した上下送り軸
763に伝達される。上下送り軸763には上下
送り腕764が接続しており、その上下送り腕7
64は二股腕を有した送り台765と係合してい
る。送り歯上下運動変換装置76は主に上記の構
成から成るものである。このような機構により上
軸74の回転運動は、上下送り軸763の揺動回
動運動に変換され、送り台765が上下動するよ
うになつている。 送り台765の上には、送り歯13が配設され
ており、送り歯13はロツド161を介して水平
送り軸160に接続されている。水平送り軸16
0の一端にはセクターギア162が係合してお
り、セクターギア162はパルスモータ17の回
転軸に軸支されたギア163と歯合している。ま
たセクターギア162の揺動範囲を規制するため
にV字形状をしたストツパ164が配設されてい
る。送り歯水平運動変換機構16は、主に上記構
成から成るものである。パルスモータ17の回転
はセクターギア162により、水平送り軸160
の揺動回動運動に変換され、この作用により、送
り歯13は水平方向に移動される。 これらの送り歯上下運動変換装置76及び送り
歯水平運動変換機構16により、送り歯13は第
6図に示す様なサイクルで送り運動を行う。この
結果送り歯13は第8図に示す様に、送り足14
と共動してその間に介在する加工布を所定の方向
に送る作用をする。 次に本実施例装置の作用について第4図に示す
モーシヨンダイヤグラム、第3図に示す送り歯の
運動モードを模式的に示した動作説明図及び第9
図〜第12図のCPUの処理手順を示したフロー
チヤートに基づいて説明する。 まず本装置の電源が投入されると、ステツプ1
00で各種の初期セツトが行われる。例えば模様
選択は直線縫いに選択され、縫目データを読出す
ためのアドレスカウンタは直線模様のデータ群を
記憶した領域の先頭のアドレスに設定される。次
にステツプ102で針位置センサ56の出力信号
を読取りそのレベルが判定される。針位置センサ
の出力は第4図cに示される波形となつており針
の布面に対する上下位置を検出している。ステツ
プ102で信号レベルが1と判定された時には、
針が上位置の状態にあるため、ステツプ104に
移行して、針振り駆動用パルスモータ59を原点
方向に回転させ、セクターギア601がストッパ
603に当接するまでパルス分配処理が行われ
る。次にステツプ106で、ストツパに当接後パ
ルスモータは所定の予め定められた特定励磁状態
に励磁される。その後ステツプ108で、模様選
択スイツチ52の操作状況が判定され、模様選択
が実効された時はステツプ110へ移行し、アド
レスカウンタを選択された模様データを記憶した
領域の先頭アドレスに初期設定する。次に、上記
ステツプ104,106と同様に針振り駆動を行
い針36を原点位置に設定しパルスモータ59を
所定相に励磁する。次にステツプ116で、ミシ
ンが運転されているかどうかが判定される。これ
は、上軸74の回転を検出する回転角センサ75
の出力信号によつて判定される。即ち、CPU1
はCPU2からデータを入力して、上軸74が回
転しているかどうかが判定される。ミシンが運転
状態にある場合には、次のステツプ118へ移行
して針位置センサ56の信号を入力しその信号レ
ベルが0になるまで待機する。第4図cに図示す
る時刻t3でレベル0になつたことが判定され、
針が下位置の状態になつたことが検出される。送
り歯13は第4図aに示すように、この時以降、
ベツド面2に対して下方に存在することになる。
従つて、ステツプ120で、送り歯を後退させる
方向にパルスモータ17を逆転させ、セクターギ
ア162がストツパ164に当接するまでパルス
分配を行う(工程C11)。その後ステツプ12
2で所定の特定励磁状態にパルスモータを励磁す
る。このステツプにより、送り歯の原位置の初期
設定が行われたことになる(工程C12)。次に
ステツプ123で、タイミング信号TS2の立ち
上がりが検出されるまで待機した後、立ち上がり
が検出されると(時刻t4)、ステツプ124で、
送り歯の送り開始位置設定制御プログラムが実行
される。この送り歯の送り開始位置設定制御プロ
グラムは第12図に示されている。ステツプ50
0で、次のサイクルの縫目データが入力される。 第10図は、縫目データ入力プログラムを示し
たフローチヤートである。ステツプ200でアド
レスカウンタの示すアドレスからデータが入力さ
れる。ステツプ202では、データ終了コードが
判定され、そのコードが判定された時は、ステツ
プ204でアドレスカウンタを選択されている模
様の縫目データ群の先頭アドレスに初期設定し、
ステツプ200へ復帰して、そのアドレスの内容
が読み取られる。このようにして縫目データが一
定の周期で順次読み出される。 第12図に戻り、ステツプ502で送り歯の現
在位置と次のサイクルでの送り量から、布送り工
程C14を全送り区間のほぼ中央部に位置させる
よう、その工程の適性な開始位置を算定する。例
えば、送り開始位置がP3と決定されると、ステ
ツプ504で送り歯を現位置からP3に位置決め
するために送り歯水平駆動用パルスモータの励磁
信号データが生成される。その後ステツプ50
6,508,510のループにより、後述する針
振り、布送り制御のプログラム(第11図)の対
応するステツプと同様な処理が行われて、送り歯
は、送り開始位置に位置決めされる(工程C1
3)。 またステツプ102で針の位置が下位置の状態
と判定された時には、ステツプ126,128に
移行してステツプ120,122と同様にパルス
モータ17を逆転させて、所定の特定励磁状態に
励磁することにより、送り歯は原位置に初期設定
されるC11,C12。次にステツプ124と同
様に、ステツプ130で、送り歯は送り開始位置
に位置決めされる(工程C13)。次にステツプ
132で、ミシンが運転状態になるまで待機した
後、運転状態に入るとステツプ134に移行し
て、、針位置センサ56の出力信号のレベルが1
の状態になるまで待機する。その信号レベルが1
の状態になると(時刻t5)、ステツプ136に
移行する。即ち針36が上位置の状態になつたた
め、ステツプ104,106と同様に針の原点位
置が設定されることになる。 次にミシンが連続運転状態に入ると、ステツプ
140〜156のループを繰り返すことになる。
ミシンが針の上状態で停止した場合には、ステツ
プ156でそのことが判定されて、ステツプ10
8へ復帰して模様選択の有無が判定される。 ミシンの運転中において、ステツプ140でタ
イミングセンサ55の出力信号TS1の立下りが
検出されるまで待機し、検出された時(時刻t
1,t6)は、ステツプ142に移行する。この
時、送り歯13はベツド面よりも上方向に位置す
る。ステツプ14では、読み出されたデータに基
づいて、針振り及び布送りのための制御が行われ
る。 針振り及び布送り制御のプログラムは、第11
図に示されている。縫目データとして、針振りの
ためのパルスモータの駆動ステツプ数と、布送り
のためのパルスモータの駆動ステツプ数が1縫目
毎に記憶されている。ステツプ300及び302
で、針振り駆動用パルスモータ59と送り歯水平
駆動用パルスモータ17を縫目データの指示する
ステツプ数だけ回転させるための励磁信号データ
が生成される。両パルスモータは4相励磁方式で
あり、励磁信号は励磁相に対応して4ビツト信号
で構成され、励磁相を「1」で与えるようにして
いる。この励磁信号データは第14図に示すよう
に、データ番号1〜nにそれぞれ分配されて生成
される。後述するようにこの励磁信号データは、
上軸74の一定角の回転毎に出力され、nのデー
タは上軸の一定の角度範囲に対応している。した
がつて、励磁信号データをnの領域を自由に使つ
て生成すれば、上軸の回転角位相に対する送り歯
の水平方向の位置及び針の針振り位置を自由に対
応させることが出来き、上軸の回転速度に対する
送り歯の相対送り速度も調整することができる。
例えば、加工布が厚い場合には、送り歯水平駆動
用パルスモータの励磁信号をデータ番号の大きい
所から生成する様にすれば、送りのタイミングを
布厚に応じて変化させることが出来る。またデー
タ番号の変化に対して励磁信号の変化を大きくす
れば、上軸の回転速度に対する送り歯の相対送り
速度を大きくすることが出来る。第14図に示す
例では、最高速度でパルスモータを駆動するよう
に励磁信号の周期は最も短く設定されている。 送り歯水平駆動用パルスモータの励磁を開始す
るタイミングは、針振り駆動用パルスモータの励
磁を開始するタイミングより遅らせてあり、その
特定励磁状態aからの励磁開始は、通常の送り制
御に於いてタイミングセンサの出力TS1の立ち
上がりに同期するようにしている。即ち充分に糸
締りが行われた後に布の送り制御をするようにし
ている。 このようにして生成された励磁信号データは、
以下のステツプでパルスモータ駆動装置57,5
8に出力される。ステツプ304でパラメータI
を初期設定し、ステツプ306で、回転角センサ
75の信号により上軸が一定角回転するまで待機
し、一定角度回転した時に、ステツプ308で第
14図に示す生成された励磁信号データS(I)
は1ブロツク、パルスモータ駆動装置57、及び
58に出力される。そしてステツプ310で全て
の励磁信号データの出力が終了したかを判定し、
終了していない場合にはステツプ312でIの値
を1更新させステツプ306へ戻る。このように
して1ブロツクづつパルスモータ駆動装置に励磁
信号が出力されることによつてパルスモータは、
上軸の回転と同期して回転することになる。全て
のデータの出力が終わつた時はステツプ314
で、アドレスカウンタが次の縫目データを記憶し
たアドレスに更新される。このようにして1の縫
目の送り制御が完了する(工程C14)。 次に第9図に戻り、ステツプ144で針位置セ
ンサの出力信号が判定され、信号レベルが0にな
つた時(時刻t8)、ステツプ146へ移行する。
この時は送り歯はベツド面よりも下方に存在する
ので、先程のステツプにより送り処理が成された
ステツプ数と、布送り開始位置とから、原位置に
復帰させるのに必要なパルス数を演算し、ステツ
プ148で、そのステツプ数だけパルスモータを
逆転させて送り歯を原位置P1に復帰させる(C
15)。 以上の処理の繰り返しにより、送り歯は、布送
り開始位置位置決め工程C13、布送り工程C1
4、原位置位置決め工程C15を繰り返し、加工
布は送られる。この時、原位置でのパルスモータ
の励磁状態は、常に、特定励磁状態aに設定して
いる。この結果、送り限界点A方向に過負荷が掛
かつて、パルスモータが脱調しても、過負荷が取
り去られれば、正転のための最初の励磁信号から
パルスモータは、応答し直ぐに同期運転になる。
したがつて、継目模様の乱れを最小限に食い止め
ることが出来る。 上記説明に於いて、特定励磁状態は、a励磁状
態、原位置はP1として説明したが、b励磁状態
を特定励磁状態とし、原位置をP2とすることも
出来る。又、原位置を送り限界点Aの側に設定し
ているが、送り限界点Bの側に設定しても良い。
この時の送り歯の動作モードは第3図bのように
なる。即ち、原位置位置決め工程はC25であ
り、布送り開始位置位置決め工程はC23であ
り、布送り工程は、C24である。この制御は、
布送り工程の終了後に正転方向で原位置位置決め
工程が実行されることを特徴としている。この制
御の場合には、送り限界点B方向の過負荷が掛か
つて脱調した場合の復旧に有効である。 更に、第3図cに示すように、布送り工程C3
4の終了点を特定励磁状態とするように、布送り
開始位置を位置決めすることもできる。又これと
逆に、第3図dに示すように、布送り開始点が常
に特定励磁状態から始まるように制御することも
出来る。これらの場合には、送り限界点A,Bの
両点の近傍で、特定励磁状態に一度励磁されて位
置決めされるので、両方向に掛かる過負荷に対す
る脱調対策に有効である。 次に第2実施例について説明する。 第2実施例は第3図eで示す様に、原位置位置
決め工程がC55とC56との2段階に分かれて
おり、送り限界点A,Bの両点近傍で特定励磁状
態に励磁し原位置の設定を2回行つていることを
特徴としている。第13図はその処理手順を示し
たフローチヤートである。針の原位置の設定、送
り歯の原位置の初期設定、布送り用開始位置の位
置決めについては第1実施例と同じであるからそ
の説明を省略する。第1実施例と異なるステツプ
は、連続した縫製処理のループに於けるステツプ
446〜ステツプ450である。即ち、布送り工
程C54で実行後、送り歯がベツド面より下方に
存在する期間において、第2の原位置P11に位
置決めする為、現在の送り歯の位置から正転ステ
ツプ数を求め、そのステツプ数だけパルスモータ
を正転させ、その後、ステツプ450でパルスモ
ータを特定励磁状態cに励磁している。この結
果、送り歯はP11に位置決めされる(工程C5
5)。次に、ステツプ451と452で、全送り
量分のステツプ数10だけ、パルスモータを逆転
させて、その後特定励磁状態aに励磁して第1の
原位置P1に送り歯を位置決めしている(工程C
56)。 このような処理の場合には、送り限界点の両端
近傍で、特定励磁状態に一旦励磁して2の原位置
に位置決めしているので、両方向に掛かる過負荷
による脱調からの復旧に有効であると共に、布送
り工程C54を全送り工程の中央部に設定するこ
とが出来るので、布送り効率が良いと言う利点が
ある。 第2実施例では、送り限界点A近傍の特定励磁
状態はa励磁状態、送り限界点B近傍の特定励磁
状態はc励磁状態として説明したが、第3図の配
置構成では、それらをb励磁状態とすることも可
能である。
【発明の効果】
本発明は、送り歯がベツド面より下方に存在す
る期間において、1送りサイクル毎に、パルスモ
ータの励磁状態が、パルスモータの移動位置がス
トツパで規制された位置から、励磁状態で特定さ
れた位置に引き込まれるための特定励磁状態に、
なるように制御して原位置の位置決めを行い、そ
の後、送り歯がベツド面より下方に存在する同期
間に於いて、布送り開始位置に位置決めして、そ
の位置から布送り工程を実行するものである。 したがつて、送りの各サイクル毎に、特定励磁
状態で特定された原位置に位置決めされるので、
脱調がこの点で解消され、常に布送り開始位置を
正規の位置に位置決めすることが出来る。よつて
過負荷が取り去れた時は、直ちに所定ステツプ数
の布送りを実行する事が出来き、負荷変動による
縫目模様の乱れを最小限に食い止めることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の概念を関連装置と共に示
したブロツクダイヤグラム、第2図は本発明の具
体的な一実施例装置の構成を他の関連装置と共に
示したブロツクダイヤグラム、第3図は、本発明
装置の送り歯の動作制御を示した動作説明図、第
4図は実施例装置の動作を示すための動作説明
図、第5図は実施例装置を搭載したミシンの機構
を示す斜視図、第6図は送り歯の送り動作を説明
した説明図、第7図は回転角センサ、針位置セン
サ、タイミングセンサの構成を示した斜視図、第
8図は加工布の送り機構を示した側面図である。
第9図、第10図、第11図、第12図は、第1
実施例装置に用いたCPUの処理手順を示したフ
ローチヤートである。第13図は第2実施例装置
に用いたCPUの処理手順を示したフローチヤー
トである。第14図は実施例装置で生成された励
磁信号データを示した説明図である。 1…筐体、2…ベツド、13…送り歯、14…
押さえ足、37…針棒、17…送り歯水平駆動用
パルスモータ、59…針振り駆動用パルスモー
タ、55…タイミングセンサ、56…針位置セン
サ、73…メインモータ、74…上軸、75…回
転角センサ、160…水平送り軸、162,60
1…セクターギヤ、164,603…ストツパ、
604…針棒台、760…クランクロツド、73
2…駆動ベルト、763…上下送り軸、771…
針棒クランク、772…針棒クランクロツド。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ミシンのベツド面より上方に位置する間に布
    押さえ足と協働して水平送り運動を加工布に付与
    する送り歯と、 該送り歯の前記ベツド面に対する上昇及び不降
    運動を針棒の上下動と調時して行う送り歯上下動
    駆動装置と、 予め定められた数Pの励磁状態を有すると共に
    各励磁状態の切換により単位量Sだけ移動するよ
    うに構成され、前記送り歯と作動的に連結された
    パルスモータと、 前記送り歯の水平送り運動量に関する信号に従
    つて前記パルスモータの励磁状態を開ループ方式
    にて順次切り換えて、加工布の送り制御を行う送
    り制御装置と、を具備したミシンの布送り装置に
    おいて、 前記送り歯の水平送り運動範囲を規制する2つ
    の限界位置の少なくとも一方の位置またはそれに
    対応する位置の近傍において、前記送り歯または
    それに作動連結された部材と当接可能に設けられ
    たストツパを具備し、 前記送り制御装置は、 前記送り歯が前記ベツド面より下方に存在する
    期間において、前記パルスモータの励磁状態を、
    前記ストツパと前記送り歯又はそれに作動連結さ
    れた部材とが当接した時に前記パルスモータが位
    置する規制位置から(P・S/2)の量だけ移動
    する間にパルスモータが励磁される励磁状態中の
    予め定められた特定励磁状態になるまで順次励磁
    制御して、前記送り歯を前記特定励磁状態に対応
    した位置として表される原位置へ位置決めする送
    り歯原位置設定手段と、 継目形成の1周期毎に、前記送り歯原位置設定
    手段を作動させ、前記送り歯が前記ベツド面より
    下方に存在する時に、前記送り歯を原位置に設定
    し、その後、前記送り歯が前記ベツド面より下方
    に存在する期間に於いて、前記送り歯が加工布に
    送り力を付与する送り開始位置に対応した励磁状
    態になるまで、前記パルスモータの励磁を順次制
    御し、前記送り歯を送り開始位置に位置決めする
    布送り開始位置設定手段と、 を含むことを特徴とするパルスモータを備えた布
    送り装置。 2 前記送り原位置設定手段は、ミシンへの電源
    投入時、模様選択時、又は針の上下運動を付与す
    るミシンモータの回転開始時に、前記送り歯が前
    記ベツド面より下方に存在する期間において、前
    記ストツパで規制される前記規制位置まで前記パ
    ルスモータを駆動させ、その後、前記パルスモー
    タの励磁状態を前記特定励磁状態に初期設定する
    初期設定手段を含むことを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載のパルスモータを備えた布送り装
    置。
JP28328785A 1985-12-16 1985-12-16 パルスモ−タを備えた布送り装置 Granted JPS62139695A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28328785A JPS62139695A (ja) 1985-12-16 1985-12-16 パルスモ−タを備えた布送り装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28328785A JPS62139695A (ja) 1985-12-16 1985-12-16 パルスモ−タを備えた布送り装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62139695A JPS62139695A (ja) 1987-06-23
JPH0119915B2 true JPH0119915B2 (ja) 1989-04-13

Family

ID=17663489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28328785A Granted JPS62139695A (ja) 1985-12-16 1985-12-16 パルスモ−タを備えた布送り装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS62139695A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62139695A (ja) 1987-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5331909A (en) Presser foot and needle drive device in an embroidery machine
JPS625388A (ja) ミシンにおける布端部の定寸縫い装置
US5088429A (en) Sewing machine individually driving needle bar and looper
JPH0119914B2 (ja)
JP3149889B2 (ja) ミシンの布送り制御装置
JP2503431B2 (ja) パルスモ−タを備えた布送り装置
JPS61109591A (ja) ミシン
US5771828A (en) Sewing or embroidering machine with a thread-cutting device
JPH0119915B2 (ja)
JPS6112712B2 (ja)
JP2559573B2 (ja) ミシンにおけるステツピングモ−タの初期セツト方法
JP2001000764A (ja) 刺繍縫製可能なミシン
JPH05137862A (ja) ミシンの天秤駆動装置
JP2623522B2 (ja) ミシンにおける縫目ピツチ制御装置
JPH0667431B2 (ja) ミシンにおける定寸縫い装置
JP2778138B2 (ja) 針棒釈放装置付ミシンの針位置反転装置
JP2002301284A (ja) ミシンの布送り装置
JPH09299668A (ja) ミシン
JPH0337960B2 (ja)
JP2583786B2 (ja) ミシンの端縫い装置
JPH01212591A (ja) 電子制御式ジグザグミシン
JPH03272797A (ja) ミシンの停止縫い制御装置
JP2871839B2 (ja) 刺繍機における方向制御軸の回転制御装置
JPH0357482A (ja) 縫目欠落防止機能を有するミシン
JPS6363237B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees