JP2022071261A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】縫製のスピードを落とすことなく、針、天秤、釜、及び送り歯の動作タイミングを最適化させることが可能なミシンを提案する。【解決手段】本発明のミシンは、針10及び天秤13を駆動させる上軸6と、釜19及び送り歯27を駆動させる下軸15と、上軸6の回転と下軸15の回転を同期させる上下軸ベルト17と、アイドラ56を上下軸ベルト17に押し込んで張り側ベルト長を変化させるアイドラユニットと、を備え、アイドラユニットは、上軸6又は下軸15に連結する伝動機構と、アイドラ56が設けられるとともに伝動機構によって上軸6又は下軸15と同期して回転する回転体55を有する回転体機構とを備え、回転体55の回転に応じてアイドラ56による上下軸ベルト17への押し込み量を変化させることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、針及び天秤を駆動させる上軸と釜及び送り歯を駆動させる下軸との動作タイミングを調整することが可能なミシンに関する。
ミシンは、上糸を挿通させた針の上下運動と下糸を収納した釜の回転運動とによって上糸と下糸を絡ませて縫目を形成し、その後、天秤により上糸を引き締めて縫目を完成させるとともに、送り歯により次の縫目形成地点まで布を送って縫製を行う。これら針、天秤、釜、及び送り歯は、上軸又は下軸を介して原動機であるミシンモータに連結していて、ミシンモータを駆動させるとこれらは連動して動作する。またこれらの動作タイミングは、ミシンを組み立てる際に調整されている。
一方、縫い方や縫製する布地の種類によってミシンを構成する要素の最適な動作タイミングは異なるため、これを一義的に決定することは難しい。例えば、針が布送り方向に対して左右に動きながら縫製を行ういわゆるジグザグ縫いでは、針と釜との相対位置が変わるため、それに伴って針と釜が相互に近づくタイミングが変化することになる。また布厚が薄い布を縫う場合においては、布厚が厚い布と比較して天秤の移動に対する布送りのタイミングを早めることで、糸の絞まりに抵抗が加わって柔らかい縫目で縫うことができることが知られているが、そのためには布厚に応じて天秤と送り歯の動作タイミングを調整する必要がある。
ここで、下記の特許文献1では、針を駆動させる上軸と釜を駆動させる下軸とを連動して回転させる歯付きベルトに対してアイドラを移動させるように構成し、針と釜とが最接近するタイミングで歯付きベルトへのアイドラの押し込み量を変えて歯付きベルトの張り側ベルト長を変化させ、これにより上軸に対して下軸を相対的に回転させて上軸と下軸との間で回転角度の差(位相差)を生じさせて、針を左右に移動させた際の針と釜とのタイミングのずれを補正することが提案されている。
また下記の特許文献2では、天秤を駆動させる上軸と送り歯を駆動させる下軸とを連動して回転させる歯付きベルトに対してアイドラを移動させ、これにより布を送る際に歯付きベルトの張り側ベルト長を変化させることによって、天秤の上下運動に対して送り歯による布送りのタイミングを変更することが提案されている。
特開2019-154510号公報 特開2016-154776号公報
ところで、上軸を駆動させると針と天秤は連動して動作し、下軸を駆動させると釜と送り歯は連動して動作する。このため、例えば針と釜が最接近する際のタイミングのずれを補正するために上軸と下軸との間で位相差を生じさせると、天秤と送り歯の動作タイミングにも影響を及ぼすことになる。
天秤と送り歯の動作タイミングへの影響を避ける方法としては、針と釜が最接近したタイミングで上軸又は下軸の位相を変化させ、その後、送り歯によって布を送る前に変化させた位相を元に戻すことが考えられる。ここで特許文献1、2のミシンは、アイドラをステッピングモータで動かすことによって上軸又は下軸の位相を変化させていて、縫製のスピードを落とさずに位相を変化させ且つ変化させた位相を元に戻すには、ステッピングモータを高速で駆動させなければならない。しかし、ステッピングモータの高速駆動は技術的に困難であるため、特許文献1、2のミシンでこのような動作を実現させるには、縫製のスピードを落とさなければならない。
このような問題点に鑑み、本発明は、縫製のスピードを落とすことなく、針、天秤、釜、及び送り歯の動作タイミングを最適化させることが可能であって、これによりジグザグ縫いや厚みの異なる布地への縫製を高速で品質よく行うことができるミシンを提供することを目的とする。
本発明は、針及び天秤を駆動させる上軸と、釜及び送り歯を駆動させる下軸と、前記上軸と前記下軸とを連結し前記上軸の回転と前記下軸の回転を同期させる上下軸ベルトと、前記上下軸ベルトに接触するアイドラを有し前記アイドラを前記上下軸ベルトに押し込んで張り側ベルト長を変化させるアイドラユニットと、を備えるミシンにおいて、前記アイドラユニットは、前記上軸又は前記下軸に連結する伝動機構と、前記アイドラが設けられるとともに前記伝動機構によって前記上軸又は前記下軸と同期して回転する回転体を有する回転体機構とを備え、前記回転体の回転に応じて前記アイドラによる前記上下軸ベルトへの押し込み量を変化させるように構成している。
このようなミシンにおいて、前記押し込み量は、前記針の針孔が針板の下方に位置する際に最大となることが好ましい。
また上記のミシンにおいて、前記押し込み量は、前記送り歯が針板の上方に位置する際に最大となることが好ましい。
そして前記回転体機構の重心は、前記回転体の回転軸上に位置することが好ましい。
そして前記アイドラユニットは、前記上軸又は前記下軸を中心として揺動可能であって、前記回転体を前記上下軸ベルトに対して揺動させる揺動機構を備えることが好ましい。
本発明のミシンは、上軸又は下軸に連結する伝動機構によってアイドラを設けた回転体を上軸又は下軸と同期して回転させることができ、これによって、上軸と下軸とを連結する上下軸ベルトへのアイドラによる押し込み量を変化させることができる。従って、縫製のスピードを落とすことなく、針、天秤、釜、及び送り歯の動作タイミングを最適化させることが可能であり、ジグザグ縫いや厚みの異なる布地への縫製を高速で品質よく行うことができる。
本発明に係るミシンの第一実施形態及び第二実施形態に関する概略図である。 針の位置と上糸のループとの関係について示した説明図である。 図1に示したアイドラユニットの分解斜視図である。 図1に示したミシンのブロック図である。 第一実施形態のミシンに関し、天秤と送り歯の動作タイミングを調整可能とした場合における上軸の位相と、上軸と下軸の位相差との関係を示す図である。 図5に示す場合での上軸の位相と、針、天秤、釜、送り歯の移動量との関係を示す動作線図である。 図5に示す場合でのフローチャートである。 第二実施形態のミシンに関し、針と釜の動作タイミングを調整可能とした場合における上軸の位相と、上軸と下軸の位相差との関係を示す図である。 図8に示す場合での上軸の位相と、針、天秤、釜、送り歯の移動量との関係を示す動作線図である。 図8に示す場合でのフローチャートである。 本発明に係るミシンの他の実施形態に関する分解斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るミシンを具現化した第一実施形態のミシン1Aと第二実施形態のミシン1Bについて説明する。ミシン1Aと1Bは、後述するように上軸6と回転体55との位置関係は相違する一方、基本的な構成は共通している。以下の説明においては、ミシン1Aと1Bの基本的構成について図1~図4を参照しながら説明し、また図5~図7を参照しながらミシン1Aについて説明し、図8~図10を参照しながらミシン1Bについて説明する。また以下の説明においては、便宜上、図面に示した右、左、前、後、上、下の向きで説明する。
本実施形態のミシン1A、1Bは、上糸と下糸を絡ませることで縫目を形成する本縫いミシンである。ミシン1A、1Bは、図1に示すようにミシンモータ2を備えていて、ミシンモータ2の回転駆動力は、下側モータプーリ3、上側モータプーリ4、及びモータベルト5によって上軸6に伝達される。上軸6にはクランク機構7が設けられていて、上軸6の回転運動はクランク機構7によって直線運動に変換され、針棒8を上下方向に駆動させる。ミシン1A、1Bの基部(ミシンアームやミシンアームに対して不動のカバー等)には、この基部に対して揺動可能に支持される針棒支持体9が設けられていて、針棒8は、針棒支持体9に対して上下方向に移動可能に支持される。針棒8の下端には、針10が装着される。針10の先端には、上糸を挿通させる針孔が設けられている。また針棒支持体9は、針棒揺動リンク11を介して針棒揺動モータ12につながっている。針棒揺動モータ12を駆動させることによって、針棒8を布送り方向(前後方向)に対して直角方向(左右方向)に揺動させることができるため、ジグザグ縫いや模様縫いと称される縫製を行うことができる。
上述したクランク機構7は、上糸の引き締めを行う天秤13にも係合されており、上軸6の回転に伴って天秤13が上下方向に移動する。
また上軸6には、上軸プーリ14が設けられていて、上軸6の下方において上軸6と平行に配置される下軸15には、下軸プーリ16が設けられている。上軸プーリ14と下軸プーリ16には、上下軸ベルト17が巻き回されていて、上軸6が回転すると、それに連動して下軸15も回転する。
下軸15にはギヤ機構18が設けられている。下軸15の回転運動は、ギヤ機構18を介して釜19に伝達され、釜19は図示した矢印の向きに回転する。釜19は、下糸を収納した不図示のボビンを収納するものである。また釜19は、フック状になる剣先20を備えている。
釜19の上方には、図1において仮想線で示した針板21が設けられている。針板21の上方には、押さえ22が設けられている。押さえ22は、押さえ棒23の下方先端に設けられていて、押さえ棒23は、押さえ棒支持体24によって上下方向に移動可能に支持される。また押さえ棒23は、押さえばね25によって下方に向けて付勢される。なお、縫製される布は、針板21の上に置かれた状態で針板21と押さえ22で挟持される。また本実施形態のミシン1A、1Bは、押さえ棒支持体24の高さを検知することによって針板21と押さえ22で挟持される布厚を検出することが可能な布厚センサ26を備えている。
ここで図2を参照しながら、針10の針孔に挿通させた上糸と釜19に収納した下糸とを絡ませる方法について詳細に説明する。図2(a)は、針板21の上に2枚の布Cを置いた状態で針10を下降させ、針10が布Cを貫通して最下点(下死点)に達した状態を示している。なお便宜上、図2(a)では上糸は省略している。図2(a)の状態から針10が上昇し始めても、上糸Tは、布Cとの抵抗によって布に貫通した部分で留まっている。このため、図2(c)、図2(d)に示したように、針10が最下点からδ2~δ3まで上昇すると、上糸Tの一部は輪状になる(ループが形成される)。一方、釜19は図1に示した矢印の向きに回転している。従って、上糸にループが形成されるタイミングで剣先20をループにくぐらせて上糸を捕捉して牽引し、更に釜19に収納したボビンの下糸に上糸をくぐらせてこれを開放することで、上糸と下糸が絡んで縫目を形成することができる。なお、剣先20で捕捉可能なループのサイズは限られている。このため、図2(b)に示すように針10の上昇量が小さい(δ1<δ2)とループは形成されず、図2(e)に示すように針10の上昇量が大きい(δ3<δ4)とループが潰れてしまうため、針10の上昇量がδ2~δ3になるタイミングで剣先20が最接近するように、ミシン1A、1Bの構成要素の駆動タイミングを設定する。
図1に示すように針板21の下方には、布を前進させるための送り歯27が設けられている。送り歯27は、下軸15に設けた上下カム28と前後カム29によって駆動され、楕円状の軌跡で動作する。なお針板21は、送り歯27に対応する位置に不図示の貫通穴を備えていて、送り歯27は、楕円状の軌跡で動作することによって、針板21から上方に向けて突出して前進する状態と針板21の下方に埋没して後退する状態を繰り返す。なお、送り歯27は、針板21の上に置かれた布に針10が刺さって縫目を形成している間は針板21に対して埋没していて、針10が布から引き抜かれている間に針板21から突出して布を前進させる。すなわち送り歯27によって、縫製される布は間欠的に前進する。
ここで、図1に示した天秤13は、針10が縫目を形成する際は下方に移動して縫目形成に必要な上糸を供給し、縫目形成の後半においては上昇して上糸を引き締めるように動作する。
このようにして針10、釜19、天秤13、送り歯27を適切なタイミングで動作させることにより、布に対して連続した縫目を形成することができる。
本実施形態のミシン1A、1Bは、このような構成要素に加えて、図1、図3に示すアイドラユニット50を備えている。本実施形態のアイドラユニット50は、台板51、上側同期駆動プーリ52、下側同期駆動プーリ53、同期駆動ベルト54、回転体55、アイドラ56、変更量切替モータ57、変更量切替カム58、押付ばね59(図3では不図示)を備えている。なお、上側同期駆動プーリ52、下側同期駆動プーリ53、及び同期駆動ベルト54は、本明細書における「伝動機構」に相当し、回転体55、及びアイドラ56は、本明細書における「回転体機構」に相当し、台板51、変更量切替モータ57、変更量切替カム58、及び押付ばね59は、本明細書における「揺動機構」に相当する。
台板51は、図3に示すように本実施形態では板状の素材を略S字状に折り曲げた形態をなすものである。図示したように台板51には、上軸6に挿通される2つの穴51aが対向するように設けられていて、これにより台板51は上軸6に対して揺動可能に支持される。また台板51には、対向する2つの穴51bも設けられていて、穴51bには後述する回転体55の軸部55bが挿通され、回転体55は台板51に回転可能に支持される。また台板51には、円柱状の接触子51cが留めねじ51dによって固定されている。
上側同期駆動プーリ52は、上軸6に取り付けられていて、上軸6とともに回転する。上側同期駆動プーリ52の回転運動は、同期駆動ベルト54によって下側同期駆動プーリ53に伝達される。なお図3においては、便宜上、上軸6が台板51から分離した状態で上軸6に上側同期駆動プーリ52を取り付けて示しているが、上側同期駆動プーリ52は、台板51における対向する2つの穴51aの間に位置した状態(上側同期駆動プーリ52に同期駆動ベルト54が巻き回された状態)で上軸6に取り付けられる。
回転体55は、本実施形態では図3に示すように、円板部55aと、円板部55aの一面側において円板部55aの中心軸上に設けられた円柱状の軸部55bと、円板部55aの他面側において軸部55bの中心軸に対して対称に設けられた円柱状となる2本のシャフト部55cと、シャフト部55cの先端部に固定されるEリング55dとを備えている。軸部55bには、これを台板51の穴51bに挿通した状態で下側同期駆動プーリ53が取り付けられる。これにより、上軸6が回転すると回転体55も同期して回転する。またシャフト部55cには、円筒状をなすアイドラ56が挿通された後、Eリング55dが取り付けられる。これによりアイドラ56は、シャフト部55cに対して回転可能に支持される。アイドラ56は、上下軸ベルト17の張り側に対してこれに対向する位置に設けられている(図1参照)。
変更量切替モータ57は、ミシン1A、1Bの基部(ミシンアームやミシンアームに対して不動のカバー等)に取り付けられ、後述する制御装置62の信号に基づき変更量切替カム58を回転させる。変更量切替カム58は、外周面(カム面)が、台板51の接触子51cに当接する。また台板51は、図1に示す押付ばね59によって、接触子51cが変更量切替カム58に押し付けられる向きに付勢されている。変更量切替カム58のカム面は、変更量切替モータ57に取り付けられているカム回転中心からの距離が徐々に変わるように設定されているため、変更量切替モータ57を回転させて接触子51cに対する変更量切替カム58の角度が変わると、それに応じて上軸6を中心に揺動する台板51の角度が変更される。
このように構成されるアイドラユニット50では、上軸6が回転すると回転体55がそれに同期して回転し、回転体55に取り付けられているアイドラ56と上下軸ベルト17との距離が変化する。変更量切替カム58の回転角度にもよるが、上軸6が回転することによって、例えば上下軸ベルト17から離間していたアイドラ56が接触し、更に上下軸ベルト17を押し込み、再び上下軸ベルト17から離間するという動作が繰り返される。本実施形態ではアイドラ56は2つ設けられているため、アイドラ56による上記の動作は、回転体55が1回転する間に2回行われる。なお、本実施形態における上側同期駆動プーリ52と下側同期駆動プーリ53の直径比(歯数比)は1:2に設定している。従って、上軸6が1回転することで行われる1回の縫目形成中に、アイドラ56による上下軸ベルト17への接触、押し込み、離間の動作は、上軸6の回転に同期した状態で1サイクル実施される。
図1に示すように本実施形態のミシン1A、1Bは、上下軸ベルト17を基準とした場合に上軸6が駆動側で下軸15が従動側である。このため、アイドラ56によって上下軸ベルト17の張り側を押し込むと、張り側ベルト長が変化して、上軸6に対する下軸15の位相が進むことになる。上述したように、上軸6は針10と天秤13を動作させ、下軸15は釜19と送り歯27を動作させる。従って、上軸6が1回転する際の1回の縫目形成中に、針10と天秤13の動作に対して釜19と送り歯27の動作を、当初設定したタイミングから釜19と送り歯27の動作が早まるタイミングへずらし、再び当初のタイミングへ戻すことが可能となる。また、上軸6と回転体55は同期して回転するため、このタイミングの変更は高速で実現される。
またアイドラユニット50では、変更量切替モータ57の回転角度を変更することによって、上軸6を中心に揺動する台板51の角度を変更することができる。すなわち、アイドラ56によって上下軸ベルト17を押し込む際の押し込み最大量を変更することができるため、上軸6に対する下軸15の位相差の最大量を変更することが可能である。従って、変更量切替モータ57の回転角度に応じて、上述した針10と天秤13の動作タイミングに対する釜19と送り歯27の動作タイミングのずらし量を変更することができる。
上記のように上下軸ベルト17に対するアイドラ56の押し込みや離反が行われると、上下軸ベルト17のテンションが変動することになる。このため本実施形態のミシン1A、1Bは、図1に示すように、テンションばね60と、テンションばね60によって付勢されて上下軸ベルト17の緩み側に押し当てられるテンションアイドラ61を備えている。上下軸ベルト17のテンションが変化した場合は、テンションばね60の変位量がテンションの変化に応じて変わるため、上下軸ベルト17のテンションの変動を吸収することができる。
また本実施形態のミシン1A、1Bにおける電気的な接続は、図4のブロック図に示すように構成されている。ここで制御装置62は、ミシン1A、1Bの各種の動作を制御するものであって、上述したミシンモータ2、針棒揺動モータ12、布厚センサ26、変更量切替モータ57の他、作業者からの操作を受け付ける操作装置63、複雑な模様縫い等を行うための模様データを記憶する模様データ記憶装置64、及び閾値記憶装置65と電気的に接続されている。なお、閾値記憶装置65の詳細な説明については後述する。
以上の構成になるミシン1A、1Bによれば、例えば厚みが異なる布を縫製する際に布の厚みに応じて天秤13と送り歯27の動作タイミングを変更する場合でも、針10と釜19が最接近するタイミングへの影響は避けることができる。また、例えばジグザグ縫いのように針10を布送り方向に対して直角方向に揺動させる場合において、針10の左右位置に応じて釜19を最接近させるタイミングを調整しつつ、天秤13と送り歯27の動作には影響が及ばないようにすることができる。以下、これらの点について詳細に説明する。
まず、第一実施形態のミシン1Aを用いて厚みが異なる布を縫製する場合について、図5~図7を参照しながら説明する。ここで図5の上図は、変更量切替モータ57(図3参照)で変更量切替カム58の回転角度を変えると、それに応じて上下軸ベルト17に対するアイドラ56の押し込み最大量が変わることを示している。なお、図5に示した押付ばね59は、図示の都合上、引張ばねとして示していて、図1の押付ばね59(圧縮ばね)とは相違しているが、押付ばね59は台板51が変更量切替カム58に押し付けられるものであればよく、ばねの種類は問わない。また図5の下図は、上軸6を1回転させた際、これに同期して回転する回転体55によって上下軸ベルト17に対するアイドラ56の押し込み量が周期的に変化し、それに伴い、上軸6に対する下軸15の位相差が周期的に変化することを示している。なお図5の下図は、上軸6の位相を横軸にとり、上軸6と下軸15との位相差を縦軸にとった場合での位相差の周期的な変化を示している。また厚みが異なる布を縫製する場合において、上軸6と回転体55との位置関係は、図5の下図に示したように、上軸6の位相が約40°である場合に2つのアイドラ56が上下に(上下軸ベルト17に対して平行に)並び、上軸6の位相が約220°である場合に2つのアイドラ56が左右に(上下軸ベルト17に対して直角に)並ぶように設定されている。また、上述したように本実施形態における上側同期駆動プーリ52と下側同期駆動プーリ53の直径比(歯数比)は1:2であるため、上軸6が1回転(360°回転)する際に回転体55は半回転(180°回転)する。
図5の上図に示すように、カム位置αは、変更量切替カム58のカム回転中心から接触子51cに接触するまでの距離が最も長くなる状態であって、上下軸ベルト17に対するアイドラ56の押し込み最大量が最も大きくなる状態である。またカム位置αで上軸6が回転すると、これに同期して回転体55が回転するため、上下軸ベルト17はアイドラ56によって周期的に押し込まれる。このため、図5の下図に示すように、上軸6と下軸15との位相差も周期的に変化する。本実施形態では、上軸6の位相が約40°である場合に上軸6と下軸15との位相差は最小(位相差は0)になり、上軸6の位相が約220°である場合に上軸6と下軸15との位相差は最大になる。
一方、図5の上図におけるカム位置βに示したように、カム位置αから変更量切替カム58の回転角度を変えていくと、上下軸ベルト17に対するアイドラ56の押し込み最大量は次第に減少する。このため、図5の下図に示したように、カム位置βで上軸6が回転すると、上軸6と下軸15との位相差は、カム位置αと同様に周期的に変化するものの、位相差の最大値はカム位置αに比して小さくなる。なお、カム位置γまで変更量切替カム58の回転角度を変えた場合のアイドラ56は、回転体55が回転しても上下軸ベルト17に接触しない位置にある。このためカム位置γにおいては、図5の下図に示したように、上軸6が回転しても上軸6と下軸15との位相差は0のままである。
ここで図6は、上軸6の位相とミシン1Aの各要素(針10、天秤13、釜19、送り歯27)の移動量との関係を示した動作線図(モーションダイヤグラム)である。図6においては、カム位置αでミシン1Aを動作させた場合とカム位置γでミシン1Aを動作させた場合を重ねて示している。図6に示した針10の動作線図は、針10の先端部における上下方向の移動量を示していて、上軸6の位相が約80°~280°の範囲で針10の先端部は針板21の上面よりも上方に位置している。また天秤13の動作線図は、天秤13に上糸を挿通させる穴の上下方向の移動量を示している。そして釜19の動作線図は、剣先20の左右移動量を示していて、細線で示した部分はカム位置αでの移動量を示し、太線で示した部分はカム位置γでの移動量を示している。また送り歯27は、上下方向の移動量を示す動作線図と前後方向の移動量を示す動作線図を分けて示していて、細線で示した部分はカム位置αでの移動量を示し、太線で示した部分はカム位置γでの移動量を示している。また送り歯27は、図5の下図及び図6上の二点鎖線で示されているように、上軸6の位相が約140°~280°の範囲で針板21の上面よりも突出している。なお、針10と剣先20は、図5の下図及び図6上の一点鎖線で示すように上軸6の位相が約40°で交差(最接近)し、前述したように、この位相で剣先20が上糸のループを補足する。
上述したようにカム位置γでは、回転体55が回転してもアイドラ56は上下軸ベルト17に接触せず、上軸6と下軸15との位相差は0である。これに対してカム位置αでは、回転体55の回転に伴って上下軸ベルト17へのアイドラ56の押し込み量が周期的に変化するため、上軸6と下軸15との位相差も周期的に変化する。ここで、図6の釜19における上下軸ベルト17が押し込まれていないカム位置γでの動作線図(太線)に基づいて説明する。仮に上下軸ベルト17へのアイドラ56の押し込み量が変化せずに一定であって、上軸6と下軸15との位相差も一定であれば、その際の動作線図は、釜19の動作線図である太線が押し込み量に応じた分全体的に図の左へ移動した曲線として表される。一方、本実施形態では押し込み量、つまり上軸6と下軸15との位相差が周期的に変化しているため、図6の釜19におけるカム位置αの動作線図(細線)のように、動作線図(太線)と一部が異なり、太線に対して重なる部分とずれる部分が生じる。すなわち図6において、釜19の細線が太線に対して重なる部分においては、カム位置αにした状態でも、釜19を上軸6と下軸15との位相差が0の場合と同じタイミングで動作させることができ、また細線が太線に対してずれる部分においては、釜19を、上軸6と下軸15との位相差が0の場合とは異なるタイミングで動作させることができるといえる。
ここで図6において、送り歯27の上下方向の移動量を示す動作線図を参照すると、送り歯27が針板21から突出する上軸6の位相が約140°~280°の範囲、すなわち送り歯27による布送りが有効である範囲では、送り歯27の前後方向の移動量を示す動作線図は、カム位置αの方がカム位置γよりも、上軸6の位相で約10°早い状態にある。一方、その他の範囲、特に針10と剣先20が交差する上軸6の位相が約40°では、両者の動作線図は重なっている。従ってカム位置αの状態に設定して上下軸ベルト17へのアイドラ56の押し込み量が周期的に変化するようにすれば、送り歯27による布送りが有効である範囲においてのみ、天秤13に対して送り歯27の動作タイミングを早めることができる。従って、布厚が薄い布を縫う場合においては、カム位置αの状態にして天秤13に対する送り歯27の動作タイミングを早めることで、柔らかい縫目で縫うことができる。
なお、図5の下図に示すように、カム位置βにおける上下軸ベルト17へのアイドラ56の押し込み量は、カム位置αと同様に周期的に変化する一方、押し込み最大量はカム位置αよりも小さくなる。すなわち、カム位置βにおいても、送り歯27による布送りが有効である範囲においてのみ、送り歯27の動作タイミングを天秤13の動作タイミングよりも早めることが可能であるが、早められる動作タイミングはカム位置αよりも小さくなる。従って、変更量切替モータ57で変更量切替カム58の回転角度を変更することによって、天秤13に対する送り歯27の動作タイミングを、布厚に応じて最適化することができる。
図7は、厚みが異なる布を縫製する場合におけるミシン1Aのフローチャートである。本実施形態においては、布厚の閾値を2つ(t1とt2、t1<t2)設定し、図4に示す閾値記憶装置65に閾値t1、t2を記憶させておく。そして作業者が操作装置63からスタート操作を実行すると(図7のS1)、縫製開始時に押さえ22で挟持している布の布厚hを布厚センサ26で検出し(図7のS2)、布厚hが閾値t1以下であるか判断する(図7のS3)。そして布厚hが閾値t1以下であれば、制御装置62からの指令に基づいて変更量切替モータ57を回転させ、変更量切替カム58をカム位置αへ変位させる(図7のS4)。上述したように、カム位置αの状態においては、天秤13に対して送り歯27の動作タイミングを最大限早めることができる。従って、ミシンモータ2が駆動して縫製が実施されると(図7のS5)、上述したように薄い布であっても柔らかい縫目で縫うことができる。その後は作業者が操作装置63からストップ操作を実行する(又は模様データ記憶装置64に記憶させたデータに基づく縫製が終了する)ことによって(図7のS6)、ミシンモータ2が停止する(図7のS7)。なお、布厚hが閾値t1よりも大きい場合は、布厚hが閾値t2以下であるか判断する(図7のS8)。そして布厚hが閾値t2以下であれば、変更量切替モータ57を回転させ変更量切替カム58をカム位置βへ変位させて(図7のS9)、引き続きS5からのステップを実行し、布厚hが閾値t2より大きければ、変更量切替モータ57を回転させ変更量切替カム58をカム位置γへ変位させて(図7のS10)、引き続きS5からのステップを実行する。従って、厚い布であっても、天秤13によって上糸を引き締めて最適な縫目で縫製することができる。
次に、針10と剣先20との動作タイミングを調整可能とした、本発明に係るミシンの第二実施形態であるミシン1Bについて図8~図10を参照しながら説明する。第二実施形態のミシン1Bは、図1、図3及び図4に示すような構成要素としては第一実施形態のミシン1Aと同一である。一方、ミシン1Bは、上軸6と回転体55との位置関係が第一実施形態のミシン1Aとは異なっており、図8の下図に示すように、上軸6の位相が約40°である場合に2つのアイドラ56が左右に(上下軸ベルト17に対して直角に)並び、上軸6の位相が約220°である場合に2つのアイドラ56が上下に(上下軸ベルト17に対して平行に)並ぶように設定されている。なおここで図8の上図は、図5の上図と同様に、変更量切替モータ57(図3参照)で変更量切替カム58の回転角度を変えると、それに応じて上下軸ベルト17に対するアイドラ56の押し込み最大量が変わることを示している。また図8の下図も、図5の下図と同様に、上軸6を1回転させた際に上下軸ベルト17に対するアイドラ56の押し込み量が上軸6に同期して周期的に変化し、それに伴って上軸6に対する下軸15の位相差が周期的に変化することを示している。
そして図9は、第二実施形態におけるミシン1Bの上軸6と各要素(針10、天秤13、釜19、送り歯27)の移動量との関係を、図6と同様の状態で示した動作線図(モーションダイヤグラム)である。
図9において一点鎖線で示す、針10と剣先20が交差(最接近)する上軸6の位相が約40°では、釜19の動作線図は、カム位置αの方がカム位置γよりも、上軸6の位相で約10°早い状態にある。一方、その他の範囲(例えば二点鎖線で示す送り歯27が針板21から突出して布送りが有効である上軸6の位相が約140°~280°の範囲)では、両者の動作線図は重なっている。従ってカム位置αの状態に設定して上下軸ベルト17へのアイドラ56の押し込み量が周期的に変化するようにすれば、針10と剣先20が交差する状態においてのみ、針10に対する剣先20の動作タイミングを変更する(早める)ことができる。
なお、図8の下図に示すように、カム位置βにおける上下軸ベルト17へのアイドラ56の押し込み量は、カム位置αと同様に周期的に変化する一方、押し込み最大量はカム位置αよりも小さくなる。すなわち、カム位置βにおいても、針10と剣先20が交差する状態においてのみ、針10に対して剣先20の動作タイミングを早めることが可能であるが、早められる動作タイミングはカム位置αよりも小さくなる。図1に示すように本実施形態の釜19は、平面視において反時計回りに回転しているため、針10が布を貫通する位置(針落ち位置)が右側に移動する場合には、針10が左右に傾かずに針落ちする状態に対して釜19の動作タイミングを遅くし、針10が針落ち位置する位置が左側に移動する場合には釜19の動作タイミングを早くすることによって、針10と剣先20を一律に交差させることができる。従って、針10が針落ちする位置が最も右側になる場合にカム位置γの状態で針10と剣先20が交差するように設定すれば、変更量切替モータ57で変更量切替カム58の回転角度を変更することによって、針10に対する剣先20の動作タイミングを次第に早めることができるため、針10を左右に移動させても、針10に対して剣先20を一律に交差させることができる。
図10は、第二実施形態のミシン1Bにおいて、針10を布送り方向に対して直角方向に揺動させて縫製する場合のフローチャートである。本実施形態においては、針10が針落ちする位置(釜19に対する針10の左右位置)の閾値を2つ(t3とt4)設定し、図4に示す閾値記憶装置65に閾値t3、t4を記憶させておく。そして作業者が操作装置63からスタート操作を実行すると(図10のS21)、針10が次の縫目を形成するために布に針落ちする位置pを、模様データ記憶装置64に記憶させた模様データから取得し(図10のS22)、針落ち位置pが閾値t3以下であるか(針落ち位置pが閾値t3よりも左側か)判断する(図10のS23)。そして針落ちする位置pが閾値t3以下であれば、制御装置62からの指令に基づいて変更量切替モータ57を回転させて、変更量切替カム58をカム位置αへ変位させ(図10のS24)、また制御装置62からの指令に基づいて針棒揺動モータ12を駆動させて、針10を針落ちする位置pに移動させる(図10のS25)。従って、ミシンモータ2を一針分駆動させると(図10のS26)、針10を左側に移動させても、針10が形成する上糸のループに剣先20をくぐらせてこれを確実に捕捉することが可能であるため、不具合なく縫目を形成することができる。その後は、模様データ記憶装置64に記憶させた模様データに基づく縫製が終了したか(ストップ操作となったか)が判断され(図10のS27)、ストップ操作であればミシンモータ2が停止し(図10のS28)、ストップ操作でなければ次の縫目形成を実行する。なお、布針落ちする位置pが閾値t3よりも大きい場合は、針落ちする位置pが閾値t4以下であるか判断する(図10のS29)。そして針落ちする位置pが閾値t4以下であれば、変更量切替モータ57を回転させ変更量切替カム58をカム位置βへ変位させて(図10のS30)、引き続きS25からのステップを実行し、針落ちする位置pが閾値t4より大きければ、変更量切替モータ57を回転させ変更量切替カム58をカム位置γへ変位させて(図10のS31)、引き続きS25からのステップを実行する。従って、針10を左右に移動させても、針10に対して剣先20を一律に交差させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
例えば、第一実施形態のミシン1Aにおいて厚みが異なる布を縫製する場合(図5~図7参照)、布厚を布厚センサ26で検出し、それに基づいて変更量切替モータ57で変更量切替カム58の回転角度を変更し、上下軸ベルト17に対するアイドラ56の押し込み最大量を調整したが、図11に示すように構成して、作業者が手動で調整できるようにしてもよい。図11に示すミシン1Cにおいては、変更量切替カム58に手動ダイヤル70を設けていて、作業者が布厚に応じて手動ダイヤル70を回転させることにより、変更量切替カム58の回転角度を変更するように構成している。この場合も、布厚に応じて天秤13に対する送り歯27の動作タイミングを調整することができる。なお、ミシン1Cにおいて、台板51、手動ダイヤル70、変更量切替カム58、及び押付ばね59が、本明細書における「揺動機構」に相当する。
また上述したアイドラユニット50は、上軸6に取り付けた上側同期駆動プーリ52によって駆動していたが、上側同期駆動プーリ52に相当するものを下軸15に取り付けて、下軸15によって駆動させてもよい。
そして、上述した厚みが異なる布を縫製する場合において、図5、図6に示した例では、送り歯27が針板21から上方に向けて最も突出する付近(上軸6の位相が約220°)で、上下軸ベルト17に対するアイドラ56の押し込み量が最大になるように設定したが、送り歯27による布送りが有効である範囲において、天秤13に対する送り歯27の動作タイミングを早めることができればよく、送り歯27が針板21の上方に位置する際に押し込み量が最大となるように設定してもよい。
また、第二実施形態のミシン1Bにおいて上述した針10を布送り方向に対して直角方向に揺動させる場合において、図8、図9に示した例では、針10が上昇しはじめる付近(上軸6の位相が約40°)で、上下軸ベルト17に対するアイドラ56の押し込み量が最大になるように設定したが、針10の針孔に挿通させた上糸を剣先20で捕捉できればよく、針10の針孔が針板21の下方に位置する際に押し込み量が最大となるように設定してもよい。
上述した回転体55とアイドラ56で構成される回転体機構は、回転体55の重心は軸部55bの回転軸(中心軸)上にあり、2つのアイドラ56は、軸部55bの中心軸に対して対称となる位置に設けられている。すなわち、回転体機構の重心は軸部55bの回転軸上にあるため、回転体55が回転した際の振動や騒音を抑えることができる。また本実施形態では、2つのアイドラ56を設けることによって、上軸6が1回転する際に回転体55を半回転するように設定して、回転体55の回転数を減らしているため、振動や騒音をより抑えることができる。なお、アイドラ56は3つ以上でもよいが、この場合も回転体機構の重心は軸部55bの回転軸上にあることが好ましい。またアイドラ56は1つでもよいが、この場合は例えば回転体55にバランサーを設けて回転体機構の重心を回転軸上に位置させることが好ましい。
また、図2で説明したように、剣先20が上糸のループを補足し確実に縫目を形成させるには、針10が下死点よりδ2からδ3上昇する範囲のいずれかのタイミングで剣先20が最接近できれば良い。したがって、第二実施形態のミシン1Bにおいてアイドラ56の働きにより、針10を左右に移動させても、針10に対して剣先20を一律に交差させることができる、と記載したが、針10に対して剣先20が最接近するタイミングが厳密に一律でなくともこのδ2からδ3の範囲に収まるように調節できれば良い。
また本実施形態では、台板51等で構成される揺動機構によって、図5、図8に示したように上下軸ベルト17に対するアイドラ56の押し込み最大量を変更することが可能であったが、例えば構成の簡素化を優先することを目的として揺動機構を廃止してもよい。
1A、1B:ミシン
6:上軸
10:針
13:天秤
15:下軸
17:上下軸ベルト
19:釜
21:針板
27:送り歯
50:アイドラユニット
55:回転体
56:アイドラ

Claims (5)

  1. 針及び天秤を駆動させる上軸と、釜及び送り歯を駆動させる下軸と、前記上軸と前記下軸とを連結し前記上軸の回転と前記下軸の回転を同期させる上下軸ベルトと、前記上下軸ベルトに接触するアイドラを有し前記アイドラを前記上下軸ベルトに押し込んで張り側ベルト長を変化させるアイドラユニットと、を備えるミシンにおいて、
    前記アイドラユニットは、
    前記上軸又は前記下軸に連結する伝動機構と、
    前記アイドラが設けられるとともに前記伝動機構によって前記上軸又は前記下軸と同期して回転する回転体を有する回転体機構とを備え、
    前記回転体の回転に応じて前記アイドラによる前記上下軸ベルトへの押し込み量を変化させるミシン。
  2. 前記押し込み量は、前記針の針孔が針板の下方に位置する際に最大となる請求項1に記載のミシン。
  3. 前記押し込み量は、前記送り歯が針板の上方に位置する際に最大となる請求項1に記載のミシン。
  4. 前記回転体機構の重心は、前記回転体の回転軸上に位置する請求項1~3の何れか一項に記載のミシン。
  5. 前記アイドラユニットは、前記上軸又は前記下軸を中心として揺動可能であって、前記回転体を前記上下軸ベルトに対して揺動させる揺動機構を備える請求項1~4の何れか一項に記載のミシン。
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