JP4334710B2 - 環縫いミシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、環縫い目を形成する環縫いミシンに係り、特に、電気的な制御により、環縫い目の終わりにほつれにくい結び目を形成する環縫いミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
環縫い目は、縫い目の縫い終わり端側の糸を引張ると、次々とほつれてしまう。このような縫い糸のほつれを防止するため、例えば、特開平9−290081公報に開示されているように、針とルーパとの協動により結び目を形成する環縫いミシン及び結び目形成方法が開示されている。
【0003】
上記環縫いミシン及び上記結び目形成方法について簡単に説明する。
図21(A)から図23(C)は、この順に結び目の形成を段階を追って示すものであり、縫い目終了時における布の断面図である。
図21(A)から図23(C)に示すように、符号501は上下動する針、符号502は回転することにより糸507を捕捉するルーパ、符号503は揺動することにより糸507を掛ける糸掛部、符号504は揺動することにより糸を寄せる糸寄部、符号505は布、符号506はボタンである。
【0004】
図21(A)は、最終針落ち(結び目を形成して糸を切断する直前の針落ちを意味する)の二つ前の針落ち後に、針501が最も上昇した位置での縫いの状態を示したものである。ここで、最終針落ちの二つ前の針落ちで、ルーパ502が糸507を捕捉して第一の糸ループ507aを形成している。次いで、図21(B)に示すように、最終針落ちの一つ前の針落ち位置(別のボタンホール)上に針501が位置するとともに、第一の糸ループ507aをなす糸の部分を糸掛部503が捕捉する。次いで、図21(C)に示すように、最終針落ちの一つ前の針落ちがなされると、針501に掛かっている糸をルーパ502が捕捉し始めるとともに、糸掛部503の下部から糸寄部504が第一の糸ループ507aを糸掛部503の片側に手繰り寄せ、糸掛部503は第一の糸ループ507aを所定位置で保持する。この状態では、第一の糸ループ507aをなす糸の部分が糸掛部503と糸寄部504とにより折り返されるようになり、糸が撓んで第一の糸ループ507aを形成している。
【0005】
次に、図22(A)に示すように、針501が上昇し、糸寄部504は第一の糸ループ507から離れる。それと同時に、ルーパ502により捕捉された糸を第一の糸ループ507aにくぐらせて第二の糸ループ507bを形成し、第一の糸ループ507aはルーパ502から離脱する。この状態では、第一の糸ループ507aをなす糸と第二の糸ループ507bとが糸掛部503に掛けられている。その後、図22(B)に示すように、最終針落ちの一つ前の針落ちと同一のボタンホールに最終の針落ちがなされ、第二の糸ループ507bを糸寄部504が片側に手繰り寄せ、ルーパ502が針501に掛かっている糸507を捕捉し始める。この状態では、第二の糸ループ507bが糸掛部503と糸寄部504とにより折り返されるようになり、糸が撓んで第二の糸ループ507bを形成している。次いで、図22(C)に示すように、捕捉された糸507をルーパ502が第二の糸ループ507bにくぐらせて、同時に糸寄部504が第二の糸ループ507bから離れる。
【0006】
その後、図23(A)に示すように、第二の糸ループ507bがルーパ502から解放されて、第二の糸ループ507bが布505に引き寄せられるが、その前に糸掛部503に掛かっている第一のループ507a及び第二のループ507bを解放する。これにより、第三の糸ループ507cが形成され、この第三の糸ループ507cは第二の糸ループ507bにくぐっている。次いで、図23(B)に示すように、針501はさらに上昇して、第三の糸ループ507cは更に引き下げられる。そして、図23(C)に示すように、第一の糸ループ507aをなす一本の糸を掛けた状態で所定位置で保持して糸を撓めていて、かつ、第二の糸ループ507bを糸掛部503及び糸寄部504とで折り返して撓めているため、第三の糸ループ507cが引かれる際に、第三の糸ループ507cが第一の糸ループ507aを牽引して、第一の糸ループ507aが第二の糸ループ507bをくぐる。そして、このまま第三の糸ループ507cを引き下げ、第三の糸ループ507cが動メス508及び固定メス509により切断される。
【0007】
以上のように形成された結び目は、図24(A)に示すように、第一の糸ループ507aが形成する結び目部分が第二の糸ループ507bが形成される結び目部分により締結された結び目となる。図24(A)に示す結び目がほつれる際には、糸端部507dが第一の糸ループ507aから抜ける。すなわち、この結び目は、糸507の第一の糸ループ507aを形成した部分の先側の部分が、布505を一針分縫った状態で第一の糸ループ507aをくぐり抜けて、第一の糸ループ507aをくぐり抜けた糸507は、第二の糸ループ507bとなって第一の糸ループ507aをなす糸の二本を跨ってから、(即ち、第二の糸ループ507bが第一の糸ループ507aを囲んで締結している)、もう一度第一の糸ループ507aをくぐり抜けた結び目となっている。
この場合、糸507の第一の糸ループ507aより先端の部分が、第一の糸ループ507aを二度くぐり抜けた状態となっているとともに、一度くぐり抜けた後に第一の糸ループ507aの周囲を回って、一度目にくぐり抜けた側と同じ側から再び第一の糸ループ507aをくぐり抜けているので、第一の糸ループ507aから糸端部507dが一度抜けても、まだ、糸端部507aにより糸端部507d未だ結ばれた状態であり、結び目が完全にはほつれないようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の結び目を形成するためには、第三の糸ループ507cを第二の糸ループ507b内を通して引っ張った際に、第一の糸ループ507aが第三の糸ループ507cの基端側に引きずられて、第二の糸ループ507b内を通り、第一の糸ループ507aの周囲を第二の糸ループ507bが囲んだ状態とする必要があるが、この際に糸を撓めて糸が緩んだ状態となっていないと、第三の糸ループ507cを第二の糸ループ507b内に通すように引っ張っても、第一の糸ループ507aが第二の糸ループ507bを通ることができない。従って、糸を撓めるために、針501、ルーパ502、糸掛部503及び糸寄部504等を協動して駆動させていたが、これらを協動して駆動する機構が複雑な構造となっていた。また、非常に狭い空間で針501、ルーパ502、糸掛部503及び糸寄部504等が動作させていたため、これらを設置する構造が複雑となっていた。
【0009】
また、例えば、糸掛部503を省略したものとしたら、糸を撓めることができないため、図24(B)に示すような、第一の糸ループ507aが第二の糸ループ507bをくぐり抜けないような結び目が形成され、ほつれやすい結び目が形成されることになる。なお、図24(B)に示す結び目は、JIS(日本工業規格)−L−0120に規定されたクラス記号101,107に該当するものであり、糸端部513が最初に第二の糸ループ512を抜けるだけで、第二の糸ループ512は第一の糸ループ511から簡単に抜けてしまい、結び目が簡単にほつれてしまうという問題があった。
【0010】
また、糸を撓めるために、結び目を形成する際に過剰の糸を供給するようにしたものとしても、結び目自体が緩くなり、非常に簡単に結び目がほつれてしまうという問題があった。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、容易にほつれることのない環縫いの終わりの結び目を形成するとともに、より簡単な構成でこのような結び目を形成することができる環縫いミシンを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決すべく請求項1に記載の発明は、糸を挿通して上下動する針と、
該針から糸を捕捉し、捕捉した糸を引張ることにより糸ループを形成する回転式ルーパと、
電気的な制御により、上記糸ループの撓みを調節するように糸張力を設定する糸調子装置とを備え、上記針と上記回転式ルーパとの協動により環縫い目を形成する環縫いミシンであって、
上記糸調子装置が、上記針に糸を供給する糸供給部と、
上記糸供給部から上記針までの経路上の糸に圧を与える糸調子と、
上記糸供給部から上記糸調子までの経路上の糸に圧を与える第二の糸調子と、
電気的な制御により上記糸調子の圧を変化させる圧調節手段と、を有し、
最終針落ちの一つ前に上記針が落ちだしてから最終針落ち後に上記針が上昇しだすまでの間では、上記圧調節手段が上記糸調子によって糸に圧を与えないことにより上記第二の糸調子のみで糸に圧を加えて、その後に上記針が上昇しだしてからでは、上記第二の糸調子によって糸に圧を加えるとともに上記圧調節手段が上記糸調子によって糸に圧を与えることによって、上記糸調子装置が、上記回転式ルーパが最終針落ちの一つ前の糸ループを形成する際には、その糸ループが撓むように糸張力を設定するとともに、上記回転式ルーパが最終針落ちの糸ループを形成する際には、その糸ループが撓まないように糸張力を設定することを特徴とするものである。
【0013】
例えば、この環縫いミシンでは、糸調子装置から導かれた糸を、針に設けられている針穴に挿通してある。そして、針が下降して、この針が被縫製物を貫通して、糸を被縫製物の下に導く。そして、回転式ルーパがこの針から糸を捕捉する。次いで、回転式ルーパが回転することにより糸を引張って糸ループを形成するとともに、糸調子装置から糸が供給される。この際に、糸調子装置で糸張力を設定することで、糸ループの撓みを調整する。そして、針が上昇し、その後再び下降して、糸を被縫製物の下に導いて、回転式ルーパが糸を再び捕捉する。そして、糸を引張ることにより、新たな糸ループを形成するとともに、この新たな糸ループを先ほど形成された糸ループにくぐらせる。これらを繰り返すことにより、環縫い目を形成する。
【0014】
以上のように、請求項1記載の発明によると、糸調子装置により、最終針の少なくとも一つ前に形成される糸ループを撓ませるように糸張力を設定し、かつ、最終針落ちで形成される糸ループ(以下、第三の糸ループと述べる)を上記回転式ルーパが引く際には、糸ループが撓まないように糸張力を設定するため、この第三の糸ループが最終針落ちの二つ前の針落ちで形成される糸ループ(以下、第一の糸ループと述べる)を牽引して、この牽引された第一の糸ループが最終針の一つ前に形成される糸ループ(以下、第二の糸ループと述べる)をくぐる。これにより、第一の糸ループが第二の糸ループで締結された結び目を形成することができる。
【0015】
そして、この第三の糸ループを切断したものとして、この切断した部分が結び目の糸端部となるが、この結び目がほつれる際に、この糸端部が第一の糸ループから抜けても、まだ糸端部が第一の糸ループをくぐっている状態となっているため、結び目が完全にほつれることがない。従って、以上のように形成された結び目は、糸端部が肌などと擦れるなどして引張られても、容易にほつれることがないものである。
【0016】
また、第三の糸ループを形成した際に、糸ループが撓まないように糸調子装置が糸張力を設定するため、結び目を形成する際に過剰の糸を供給することがないため、結び目自体が堅いものとなり、結び目が容易にほつれることがない。
【0017】
また、従来のように糸掛部503によって糸を撓めず、糸調子装置だけで糸を撓めているため、非常に簡単な構成で上記結び目を形成することができる。さらに、糸調子装置が電気的制御により糸ループの撓みを調整しているため、機械的制御によって糸ループの撓みを調整するより可動部(例えば、従来例の糸掛部503)が減少しているため、信頼性が向上する。
なお、糸ループが撓んだ状態とは、環縫い目となる糸(糸ループ)が被縫製物に引き寄せられず、被縫製物と糸の間に間隙があることをいう。
即ち、被縫製物の裏側に形成される環縫い目となる糸(糸ループ)が弛んだようになっている。つまり、通常の環縫い目より緩くなるように環縫い目を形成することである。
【0019】
ここで、圧調節手段とは、例えば、ソレノイド、モータ等の電気的駆動手段の駆動出力によって圧を調節するものである。
また、圧調節手段により糸調子から糸に与える圧を変化させることにより、糸張力を設定することができ、糸ループから糸を引張るか、若しくは、糸供給部から糸を引張るかを調整することができる。例えば、圧調節手段により糸調子から糸に与える圧をほぼゼロにしたものとしたら、糸供給部から糸を引張ることになり、糸ループが撓んだままであり、環縫い目となる糸が被縫製物に引き寄せられない。また、圧調整手段により糸調子から糸に与える圧をほぼゼロにしなくとも、通常の環縫い目をする際に糸調子から糸に与える圧より低い圧を与えることにより、糸張力が低くなり、撓んだ糸ループを形成する。即ち、回転式ルーパが最終針落ちの少なくとも一つ前の糸ループを形成する際には、以上のように糸調子から糸に圧を与えるようにして、糸ループが撓んだようになる。
また、圧調節手段により糸調子から糸に与える圧を非常に大きくしたものとしたら、糸ループ(環縫い目)から糸を引張ることになり、糸ループの撓みをなくし、糸が被縫製物に引き寄せられる。即ち、回転式ルーパが最終針落ちの糸ループを形成する際には、回転式ルーパが最終針落ちの少なくとも一つ前の糸ループを形成する際より強い圧(通常の環縫い目を形成する際に糸調子から糸に与える圧より強い圧)を糸調子から糸に与えるようにすることにより、糸ループ(環縫い目)から糸を強く引張り、最終針落ちの形成された糸ループが撓まないようになる。なお、糸調子から糸に与える圧が大きくなるにつれて糸張力が大きくなり、糸調子から糸に与える圧が小さくなるにつれて糸張力が小さくなる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の環縫いミシンであって、
縫製開始から最終針落ちの一つ前に上記針が落ちだすまでは、上記圧調節手段が上記糸調子によって糸に圧を与えないことにより上記第二の糸調子のみで糸に圧を加えることによって、縫製開始から最終針落ちの2つ前までに形成される糸ループを更に撓ませることを特徴とするものである。
【0022】
以上のように請求項3記載の発明によると、最初の針落ちに形成される糸ループから第二の糸ループが形成されるまでは、糸ループが撓んだ状態であり、かつ、第三の糸ループを形成して糸を引く際に糸ループが撓まないようにしているため、第三の糸ループが第一の糸ループを牽引して、第一の糸ループが第二の糸ループをくぐるようになる。これにより、第一の糸ループが第二の糸ループで締結された結び目を形成することができる。
【0023】
また、第三の糸ループを形成して糸を引く際に糸ループが撓まないようにしているため、結び目自体が堅いものとなり、結び目が容易にほつれない。
【0024】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の環縫いミシンであって、
縫製開始から最終針落ちの一つ前に上記針が落ちだすまでは、上記第二の糸調子によって糸に圧を加えるとともに上記圧調節手段が上記糸調子によって糸に圧を与えることによって、縫製開始から最終針落ちの二つ前までに形成される糸ループを撓まないようにすることを特徴とするものである。
【0025】
以上のように請求項4記載の発明によると、最終針落ちの一つ前に針が落ちだしてから最終針落ち後に針が上昇しだすまでは、圧調節手段が糸調子から糸に与える圧を低下させているため、第二の糸ループが撓んだ状態で形成される。そして、第三の糸ループを形成して糸を引く際に糸ループが撓まないようにしているため、第三の糸ループが第一の糸ループを牽引して、第一の糸ループが第二の糸ループをくぐるようになる。これにより、第一の糸ループが第二の糸ループで締結された結び目を形成することができる。
【0026】
また、第三の糸ループを形成して糸を引く際に糸ループが撓まないようにしているため、結び目自体が堅いものとなり、結び目が容易にほつれない。
【0027】
【発明の実施の形態】
<第一の実施の形態例>
本発明に係る環縫いミシンの実施の一形態について、図面を参照して説明する。
なお、図面は発明が理解できる程度に概略的に示してあるにすぎず、従って発明を図示例に限定するものではない。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態の環縫いミシンを概略して示す斜視図である。また、図2は、図1に示す環縫いミシンの内部機構を示す概略斜視図であり、図3は同ミシンの内部機構の要部を示す概略斜視図であり、図4は同ミシンのミシンアーム上面部を概略して示す平面図である。
【0029】
図1〜図2に示すように、環縫いミシン1は、実質的に水平なベッド面を有するベッド部5と、このベッド部5上の後方部に起立する縦胴部4と、この縦胴部4の上部からベッド部5とほぼ平行に沿って前方に伸びるミシンアーム3とから構成される、側面視して略コ字状のミシンフレーム2を有する。
【0030】
縦胴部4の内部に、押え上げソレノイド12が設けられており、押え上げソレノイド12の出力であるプランジャ12aが前後に摺動するようになっている。そして、前後に延在する押え上げリンク13の一端にプランジャ12aが連結されており、押え上げリンク13の他端には押え上げレバー14の一端部が回動自在に連結されている。押え上げレバー14は中間部がミシンフレーム2に対して回動自在に支持されており、他端部に突出部14aが設けられている。また、この押え上げレバー14の一端部に引張バネ15が連結されており、この引張バネ15により押え上げレバー14の一端部が前方へ引かれるように付勢されている。そして、この押え上げレバー14の前方にストッパ16が配設されており、このストッパ16により押え上げレバーの一端部の前方への移動を抑止している。
【0031】
また、ベッド部5上につまみ装置10が配設されており、つまみ装置10は後端部において、送り台(図示略)に回転自在に支持されている。このつまみ装置10の前端部にはボタンクランプ17が連結されている。そして、つまみ装置10に圧縮バネ20が連結されており、この圧縮バネ20によりつまみ装置10は下方に付勢され、この付勢力によりボタンクランプ17と上記送り台に連結された下板11とで布(被縫製物)をクランプするようになっている。また、つまみ装置10はフック部10aを有しており、フック部10aと上記突出部14aとが遊びをもって係合している。そして、押え上げソレノイド12の駆動出力により、ボタンクランプ17が上昇して、ボタンクランプ17による布のクランプの解除が行えるようになっている。
【0032】
また、上記押え上げリンク13の中間部には糸切りレバー18の一端部が回動自在に連結している。この糸切りレバー18は、中間部においてミシンフレーム2に回動自在に支持されている。また、糸切り腕19が上下に延在しており、上端部がミシンフレーム2に回動自在に支持されている。この糸切り腕19の中間部にカム溝19aを有しており、このカム溝19aに糸切りレバー18の他端部に形成されているカムころ(図示略)が係合している。また、L字型の連結板21の一端部が糸切り腕19の他端部に回動自在に連結しており、該連結板21の他端部に前後に延在する糸切りリンク22の一端部が回動自在に連結している。そして、図5に示すように、糸切りリンク22の他端部には、動メス23が回動自在に連結している。この動メス23は、下板11の下方に配設されている針板24(図1に図示)に回動自在に支持されており、針板24に固定されている固定メス25とにより糸を切断できるようになっている。
【0033】
上述のような構成により、押え上げソレノイド12が作動すると、動メス23と固定メス25とにより糸を切断し、糸の切断に連動して、ボタンクランプ17によるボタン及び布の挟持を解除するようになっているが、フック部10aと上記突出部14aとの間に遊びがあるため、ボタンクランプ17による布のクランプの解除動作は、糸の切断動作より遅れて行われるようになっている。
【0034】
また、図3に示すように、ベルト26がミシンモータ(図示略)の駆動プーリと駆動プーリ27とに掛かっており、ミシンモータの回転力を駆動プーリ27に伝達する。駆動プーリ27は、左右に延在する駆動軸28に回転自在に軸支されており、遮断機構(図示略)の作動により駆動プーリ27が駆動軸28に固定的になる。駆動軸28に、遮断カム29、偏心カム30及びはすば歯車31が固定されている。
【0035】
また、遮断フレーム32がミシンフレーム2に回動自在に支持されており、遮断フレーム32の前端部には、クッション部材33を介して遮断フック34が前後に移動自在に設けられている。そして、遮断フック34の前端部34aが遮断カム29のカム部29aに係止されている。そして、遮断フレーム32の支点には、遮断軸35の一端部が固定されており、遮断軸35の他端部には遮断制御腕36が固定されている。遮断制御腕36の端部にころ37が設けられており、このころ37は後述する遮断制御カム38に当接している。
【0036】
また、駆動軸28に固定されたはすば歯車31に、はすば歯車39が噛み合っており、このはすば歯車39は前後に延在するルーパ軸40に固定されている。このルーパ軸40の前端部に、回転式ルーパ41が固定的に軸支されており、後端部にウオーム42が固定的に軸支されている。回転式ルーパ41は、図2に示すように、針板24及び後述する針6の下方に配置されている。
【0037】
ウオーム42にはウオームギア43が噛み合っており、このウオームギア43は左右に延在するカム軸44に固定的に軸支されている。このカム軸44に、左右送りカム45、前後送りカム46及び遮断制御カム38が固定されている。また、遮断制御カム38はカム部38a,38bを有しており、上記ころ37がこのカム部38a,38bに当接するようになっている。左右送りカム45の溝部45a及び前後送りカム46の溝部46aには、それぞれ別個のピン(図示略)が係合しており、これらのピンにはリンク機構が連結されており、このリンク機構にはつまみ装置に連結されている。そして、それぞれの溝部45a,46aの形状に沿ってこれらのピンが動き、これらのピンの動きに連動して上記リンク機構を介して上記つまみ装置10が作動するようになっている。そして、つまみ装置10の作動により、上記ボタンクランプ17と上記下板11とが同時に水平方向に移動し、ボタンクランプ17に挟持されたボタンに対する針落ち位置を調節するようになっている。
【0038】
また、上下に延在するクランクロッド47の下端部に偏心カム30が連結されていて、クランクロッド47の上端部に針駆動レバー48の一端部が回転自在に連結されている。この針駆動レバー48は前後に延在しており、針駆動レバー48の中間部においてミシンフレーム2に回動自在に支持されている。また、針駆動レバー48の他端部に、上下に延在する針棒49が設けられており、この針棒49の下端部に針6が設けられている。
【0039】
針棒49には、天秤8が連結されており、針棒49の上下動と同時にこの天秤8も上下動するようになっている。そして、図1に示すように、天秤8は、ミシンアーム3の内部からミシンアーム3の前方に突出するようになっている。また、針棒49は、ミシンアーム3の内部からミシンアーム3の前端部の下方に突出するようになっており、針6は平面視してボタンクランプ17に対応する位置に配置されている。
【0040】
また、図3に示すように、回転式ルーパ41の近傍のルーパ軸40には、外周カム50及び溝カム51が固定されている。ミシンフレーム2に固定されたガイド板52には糸寄部支え53が摺動自在に取り付けられ、糸寄部支え53の下部に設けられた二又部が外周カム50に嵌入されている。さらに、糸寄部支え53には糸寄部54が摺動自在に取り付けられている。また、ころ56が、ミシンフレーム2に回動自在に支持された前後腕55の一端に取り付けられている。そして、糸寄部54の一端には長孔を有し、この長孔にころ56が嵌入している。さらに、ころ56は溝カム51のカム部にも嵌入している。これにより、糸寄部54は外周カム50及び溝カム51により決められた平面運動を行うことができる。
【0041】
上述のような構成により、針6、回転式ルーパ41及び糸寄部54が協動して、糸ループを形成するとともに、該糸ループに新たな糸ループをくぐらせて、単環縫いが行えるようになっている。
【0042】
次に、糸の張力を調整する糸調子装置について説明する。
図1,図2及び図4に示すように、糸調子装置は、糸供給部(図示略)、天秤8、第一の糸調子58、第二の糸調子57、第三の糸調子59、糸たぐり60、糸案内61〜63及びソレノイド64等から構成されている。
【0043】
上記押え上げレバー14の押え上げリンク13が連結されている端部に糸たぐり60の一端部が連結されている。この糸たぐり60は、ミシンフレーム2内からミシンアーム3の上方に突出しており、その一端部が押え上げソレノイド12による動メス23の回動と連動して前後に揺動する。この糸たぐり60の前後に対応する位置でミシンアーム3の上部に前後に延在する糸案内61が設けられている。この糸案内61は、前端部及び後端部に、左右に貫通する貫通孔61a,61bをそれぞれ有する。
【0044】
また、ミシンアーム3の上部に第二の糸調子57及び第一の糸調子58が設けられており、ミシンアーム3の前部に第三の糸調子59が設けられている。また、第二の糸調子57は糸たぐり60の後方に配置されており、第一の糸調子58は糸たぐり60の前方に配置されている。第三の糸調子59は、上下動する天秤8の下死点より下方に配置されている。また、ミシンアーム3の上部の前端部に糸案内62が設けられており、上下動する天秤8の下死点近傍に糸案内63が設けられている。そして、第二の糸調子57の後方に糸供給部(図示略)が設けられている。
【0045】
そして、上記糸供給部から供給される糸は、順に、第二の糸調子57、糸案内61の貫通孔61b、糸案内61の貫通孔61a、糸たぐり60、第一の糸調子58、糸案内62、糸案内63、天秤8、第三の糸調子59と導かれ、最後に針6の穴に挿通されている。
【0046】
第二の糸調子57は調子皿を有しており、この調子皿から糸に与える押圧力を強弱させることにより、上記糸供給部と第二の糸調子57との間の糸、及び、第二の糸調子57と第一の糸調子58との間の糸に張力(糸張力)を調節することができるようになっている。なお、第二の糸調子57から糸に与える押圧力の調節はバネの変位を調節することにより行う。
【0047】
また、第一の糸調子58も調子皿を有しており、この調子皿から糸に与える押圧力を強弱させることにより、第二の糸調子57と第一の糸調子58との間の糸、及び、第一の糸調子58と第三の糸調子59との間の糸に張力(糸張力)を調節することができるようになっている。なお、ソレノイド64の推力により、第一の糸調子58から糸に与える縫製中の押圧力を連続的に変化させることが可能となっている。
【0048】
また、第三の糸調子59は、糸に押圧力を与えることにより、第一の糸調子58と第三の糸調子59との間の糸、及び、第三の糸調子59と布との間の糸に張力を与えるものであり、第三の糸調子59が糸に与える張力は一定である。
【0049】
天秤8は針6の上昇と同時に上昇するが、この際に天秤8が糸案内63から遠ざかるため、上記糸供給部と上記針との間の糸の経路が増大し、糸が引張られる。この際に、第一の糸調子58の押圧力を、ソレノイド64により調節することにより、天秤8が糸を上記糸供給部から引張るか、それとも、針6から糸を引張るかを調整することができる。
【0050】
また、図示しないが、環縫いミシン1は、ミシンの動作を制御する制御装置を備えている。この制御装置によって上記糸調子装置を制御して、糸に与える押圧力(糸の張力)の調整している。
この制御装置は、ミシンの回転状態を検出し、信号を出力する不図示のエンコーダと、CPU(Central Processing Unit)と、制御プログラムや制御データが記憶されているROM(Read Only Memory)と、上記CPUの作業領域となるRAM(Randam AccessMemory)、制御プログラム及び制御データに基づき押え上げソレノイド12及びソレノイド64を制御する駆動ドライバ等を備えて構成されている。そして、各部はデータバス等のバスによって接続されている。この制御装置により、ソレノイド64の駆動を制御して、第一の糸調子58から糸に与える押圧力を調節するようになっている。また、この制御装置により、ソレノイド64の作動タイミングを制御している。
即ち、上記エンコーダによりミシンの回転状態を検出して、その状態をCPUに出力する。これにより、CPUは針6の上下位置や回転式ルーパ41の回転位置を把握して、所定のタイミングでソレノイド64を作動させて、第一の糸調子58から糸に与える押圧力を調節する。
【0051】
詳細に説明すると、単環縫いを行っている際には、第一の糸調子58から糸に押圧力を与えないように、ソレノイド64を駆動制御する。そして、上記エンコーダによりミシンの回転状態を検出して、単環縫いの最終段階における糸結び動作で、最終針落ちが行われて針が上昇してから糸が切断するまでの際には、第一の糸調子58から糸に押圧力を与えるようにしている。この第一の糸調子58から糸に与える押圧力は、第二の糸調子57から糸に与える押圧力より高くなるように、ソレノイド64を駆動制御する。そして、最終針落ちが行われてから針6が上昇する際に、糸ループによって縫い目を締め上げるような押圧力を第一の糸調子58から糸に与えるように、ソレノイド64を駆動制御する。
【0052】
次に、以上の構成による環縫いミシン1の動作について説明する。
起動レバー(図示せず)を踏むと、遮断フレーム32がA方向に回動し、遮断フック34とカム部29aとの係合が解除され、前述の遮断機構により、駆動プーリ27と駆動軸28とが連結し、B方向に回動を始める。
【0053】
これにより、カム軸44もC方向に回動し、遮断制御カム38のカム部38bに遮断制御腕36のころ37が乗り上げ、前述の起動レバーから足を離しても、遮断フック34が反A方向に回動できなくなり、駆動軸28の回転は持続する。
【0054】
偏心カム30の作動により、クランクロッド47を介して針駆動レバー48が揺動し、針棒49及び天秤8は、上下方向に往復動する。そして、針の6の上下動、ルーパ軸40の先端に取り付けられた回転式ルーパ41のD方向の回動、さらに、糸寄部54の動作の協動により、単環縫いが形成される。
【0055】
すなわち、このような動作と、左右送りカム45、前後送りカム46の回転によるボタンクランプ17の動きにより布上のボタンのボタン孔に所定の順序で針6がボタン孔に落ちて単環縫いが形成される。
【0056】
遮断制御カム38のカム部38aに、ころ37がさしかかると、遮断フレーム32は反A方向に回転し、遮断フック34は遮断カム29に当接する。このとき、上述の遮断機構により、駆動プーリ27と駆動軸28の連係が解除され、この後、駆動軸28は慣性力で回動し、遮断フック34の前端部34aと遮断カム29のカム部29aが当接して停止する。これにより、針6及び天秤8の上下動も停止する。
【0057】
次いで、押え上げソレノイド12が作動して、押え上げリンク13が後方に揺動する。これにより、糸切りレバー18及び糸切り腕19が回動して、糸切りリンク22を前方に揺動する。そして、動メス23が回動して、動メス23と固定メス25とにより糸を切断する。これと同時に、押え上げレバー14が回動して、糸たぐり60が後方に揺動することにより、糸の経路が増大して、糸供給部から糸が引き出される。また、押え上げレバー14の回動で、突出部14aとフック部10aとが当接して、つまみ装置10及びボタンクランプ17が上昇するが、突出部14aとフック部10aとの間には遊びがあるため、糸の切断より遅れてつまみ装置10及びボタンクランプ17が上昇する。
【0058】
単環縫いの動作、及び、単環縫いの最終段階における糸結びの動作の詳細について図6〜図17を参照しながら説明する。図6は、第一の実施例に行われる単環縫いの状態を示すものである。また、図7は、針6、第一の糸調子58及び第二の糸調子57の動作を示すタイムチャートである。また、図8〜図17は、糸結びの動作における針6、回転式ルーパ41及び糸寄部54の協動関係、位置関係について、順に段階を追って示すもので、いずれの図面も、(A)は断面図、(B)は斜視図であり、符号100は糸、符号202はボタンである。なお、図6は、直線的に単環縫いを行ったものと仮定して示すものであり、実際は所定の順序でボタン孔に単環縫いが行われているため、直線的に単環縫いを行うわけではない。
【0059】
まず、第二の糸調子57により糸に与える押圧力を調節して、糸の張力を調節する。この第二の糸調子57による押圧力は、天秤8が上昇して、糸を引張る際に、糸ループが布201に完全に引き寄せられないような押圧力としている。また、制御装置によりソレノイド64を制御して、第一の糸調子58により糸に与える押圧力をゼロにして、第一の糸調子58からも糸に張力を与えないように調節する。
【0060】
それぞれの糸調子から糸に与える押圧力を調節し、不図示の起動レバーを踏むと、上述のように、上記遮断機構により駆動プーリ27と駆動軸28とが連結して、単環縫いが開始する(時刻0)。
針6がボタン孔に落ちて、布201の裏に貫通すると、回転式ルーパ41が針6から糸を捕捉して(時刻T1)、糸ループを形成する。そして、針6が上昇して、次の所定のボタン穴に針落ちが行われると、回転式ルーパ41が糸を捕捉して、新たな糸ループを形成する(時刻T2)。この新たな糸ループを先ほど形成された糸ループにくぐらせるとともに、回転式ルーパ41による先に形成された糸ループの捕捉を解除して、針6が上昇する(時刻T2〜時刻T3間)。この際に、天秤8の上昇により糸の経路が増大するため、糸が引張られるが、第二の糸調子57による押圧力の調節によって、先に形成された糸ループが撓んで、この糸ループが布201に完全に引き寄せられないようになっている(図6)。以上の動作を繰り返し(時刻T3〜時刻T5間)、図6に示すように、糸ループ200が撓んだ状態で、糸ループ200が完全に布201に引き寄せられない程のソフトな単環縫いが形成される。この単環縫いの縫い目は通常の単環縫いより緩い縫い目であり、縫い目を形成する糸ループ200(糸100)と布201の間に間隙が形成されいる。即ち、第二の糸調子57のみで糸に押圧力を与えており、この押圧力は通常の環縫いより弱い押圧力を与えているため、この縫い目を形成する糸ループ200(糸100)が弛んだ状態である。
【0061】
次いで、糸結び動作が行われる。時刻T4で第一の糸ループ100a(最終針落ちの二つ前の針落ちの際に形成される糸ループ)が形成され、針6が上昇した状態を示したものが図8である。なお、図8は時刻T5の状態を示すものである。
【0062】
次に、最終針落ちの一つ前の針落ち位置(別のボタンホール)上に針6が位置して、針6が下降し始める(図9)。さらに針6が下降してから上昇し始めると、この針6から糸を回転式ルーパ41が捕捉し始め、糸寄部54が第一の糸ループ100aと当接する(図10、図7の時刻T6)。
【0063】
その後、針6がさらに上昇して、糸寄部54が第一の糸ループ100aから離れ、回転式ルーパ41に捕捉された糸100が、第二の糸ループ100bを形成するとともに、第二の糸ループ100bを第一の糸ループ100aにくぐらせて、第一の糸ループ100aは回転式ルーパ41から離脱する(図11)。この状態では、第二の糸調子57から糸に与える押圧力が、第一の糸ループ100aが完全に布まで引き寄せられないような押圧力としているため、天秤8が糸を上記糸供給部から引張るため第一の糸ループ100aを形成する糸の長さが長くなり、第一の糸ループ100aが撓んでいる。
【0064】
ここで、最終針が一つ前の針落ちボタンホールと同一のボタンホールに落ち始め、第二の糸ループ100bを糸寄部54が片側に寄せ、回転式ルーパ41が針6から糸を補足し始める(図12)と、ソレノイド64が作動して、第一の糸調子58から糸に押圧力を加える(図7の時刻T7)。この際に、第一の糸調子58から糸に与える押圧力は、第二の糸調子57から糸に与える押圧力より大きくなるようにする。次に、回転式ルーパ41がこの捕捉した糸を第二の糸ループ100bにくぐらせ始め、糸寄部54は第二の糸ループ100bから離れる(図13)。この状態では、第一の糸調子58から糸に押圧力を与えているため、同様に第二の糸ループ100bと糸寄部54とが当接して、糸の経路が増大し、それまでに行われた単環縫いの縫い目(つまり、糸ループ200)から糸を引くようになる。これにより、糸寄部54が第二の糸ループ100bから離れた際には、第二の糸ループ100bを形成する糸の長さが長くなり、第二の糸ループ100bが撓んでいる。
【0065】
この後、第二の糸ループ100bをくぐった第三の糸ループ100cが形成される(図14)。さらに、針6は上昇し、第三の糸ループ100cが引き下げられる(図15)。上述のように、第一の糸ループ100a及び第二の糸ループ100bが撓んでおり、第三の糸ループ100cを引き寄せる際に第一の糸調子58から糸に押圧力を与えているため、第三の糸ループ100cとともに第一の糸ループ100aも牽引されて第二の糸ループ100bをくぐる(図16)。
【0066】
このまま第三の糸ループ100cを引き下げ、上述のように、遮断機構により、駆動プーリ27と駆動軸28の連係が解除され、針6及び天秤8の上下動が停止する(図7に示すT8)。次いで、押え上げソレノイド12が作動して、動メス23、固定メス25が動作し(図16)、これにより第三の糸ループ100cが切断されて(図17、図7の時刻T9)、次いで、ボタンクランプ17が上昇して、布のクランプを解除する(図7の時刻T10)。この際に、糸たぐり60が後方に揺動することにより、糸の経路が増大して、次の縫製動作のために糸が引き出されるが、第一の糸調子58から糸に与える押圧力が、第二の糸調子57から糸に与える押圧力よりも大きくなっているため、針6に挿通されている糸が針6から抜けることなく、上記糸供給部から糸が引き出される。
【0067】
以上のように形成された結び目は、第一の糸ループ100aが形成する結び目部分が第二の糸ループ100bが形成する結び目部分により締結された結び目である。言い換えると、この結び目は、糸の端部100dが第一の糸ループ100aをくぐり抜けて、第一の糸ループ100aをくぐり抜けた糸の端部100dは、第一の糸ループ100aをなす糸の二本をまたがってから(即ち、第二の糸ループ100bが第一の糸ループ100aを締結している)、もう一度第一の糸ループ100aをくぐり抜けた状態の結び目となっている。すなわち、糸100の第一の糸ループ100aより先端の部分が、第一の糸ループ100aを二度くぐり抜けた状態となっているとともに、一度くぐり抜けた後に第一の糸ループ100aの周囲を回って、一度目にくぐり抜けた側と同じ側から再び第一の糸ループ100aをくぐり抜けているので、第一の糸ループ100aから糸端部100dが一度抜けても、まだ、糸ループ100aにより糸端部100dは未だ結ばれた状態であり、結び目が完全にはほつれないようになっている。
【0068】
図18を参照して、このように形成された結び目の糸の端部100d(図18(A))は、まず、第一のループ100aから抜ける(図18(B))。この場合でも、第一の糸ループル100aから抜けた糸の端部100dは、第一のループ100aをくぐり抜けた状態にある(図18(C))。
【0069】
従って、糸の端部が肌などと擦れるなどして引っ張られても、糸の端部100dが第一の糸ループ100aから抜けることはなく、容易に糸がほどけることがない結び目を形成することができる。
【0070】
また、第三の糸ループ100cを形成した後に、第一の糸調子58により押圧力を調整して、天秤8によって糸を引張るため、堅い結び目が形成され、容易にほつれることない結び目が形成される。さらに、この実施例では、ソレノイド64の駆動出力により、糸の撓みを調節しているため、上述の従来の環縫いミシンのように、糸掛部503を設けなくてもすむ。従って、非常に簡単な構成で上記結び目を形成することができる。さらに、従来の環縫いミシンのように、糸掛部503で機械的に撓みを調節しないで、ソレノイド64を電気的に制御することにより、糸ループの撓みを調節しているため、従来の環縫いミシンより可動部が比較的少なくなり、ミシンの信頼性が向上する。
【0071】
<第二の実施の形態例>
本発明に係る糸調子装置の第二の実施の形態例について説明する。
まず構成について説明する。この実施の形態では、図1〜図5に示すような第一の実施例と同一の構成を備えており説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0072】
図示しないが、第二の実施の形態例の環縫いミシン1は、ミシンの動作を制御する制御装置を備えている。上記糸調子装置は、糸の張力の調整を制御する制御装置を備えている。
この制御装置は、ミシンの回転状態を検出し、信号を出力する不図示のエンコーダと、CPU(Central Processing Unit)と、制御プログラムや制御データが記憶されているROM(Read Only Memory)と、上記CPUの作業領域となるRAM(Randam AccessMemory)、制御プログラム及び制御データに基づき押え上げソレノイド12及びソレノイド64を制御する駆動ドライバ等を備えて構成されている。そして、各部はデータバス等のバスによって接続されている。この制御装置により、ソレノイド64の駆動を制御して、第一の糸調子58から糸に与える押圧力を調節するようになっている。また、この制御装置により、ソレノイド64の作動タイミングを制御している。
即ち、上記エンコーダによりミシンの回転状態を検出して、その状態をCPUに出力する。これにより、CPUは針6の上下位置や回転式ルーパ41の回転位置を把握して、所定のタイミングでソレノイド64を作動させて、第一の糸調子58から糸に与える圧を調節する。
【0073】
詳細に説明すると、第一の実施の形態例と異なり、単環縫いを行っている際には、第一の糸調子58から糸に押圧力を与えるように、ソレノイド64を駆動制御する。そして、最終針落ちの二つ前の針落ちが行われて、針6が上昇して後に針6が上死点に達してからは、第一の糸調子58から糸に押圧力を与えないように、ソレノイド64を駆動制御する。また、最終針落ちが行われてから糸が上昇する際に、糸ループによって縫い目を締め上げるような押圧力を第一の糸調子58から糸に与えるように、ソレノイド64を駆動制御する。
【0074】
単環縫いの動作、及び、単環縫いの最終段階における糸結びの動作の詳細について図8〜図17、図19及び図20を参照しながら説明する。図19は、針6、第二の糸調子57及び第一の糸調子58の動作を示すタイムチャートである。また、図20は、第二の実施例に行われる単環縫いの状態を示すものである。なお、図20は、直線的に単環縫いを行ったものと仮定して示すものであり、実際は所定の順序でボタン孔に単環縫いが行われているため、直線的に単環縫いを行うわけではない。
【0075】
まず、図19に示すように、第二の糸調子57によって糸に与える押圧力を調節して、糸の張力を調節する。また、制御装置によりソレノイド64を制御して、第一の糸調子58によって糸に与える押圧力を負荷し、第一の糸調子58から糸に張力を与える。なお、第二の糸調子57の押圧力と第一の糸調子58との押圧力により、単環縫いの時の糸が引かれる際に糸ループが布201に完全に引き寄せられて、糸ループが撓まないような押圧力としている。また、第二の糸調子57の押圧力は、第一の糸調子58から糸に押圧力を与えていない場合に、天秤8が糸を引張ると糸ループが布201に完全に引き寄せられないで、糸ループが撓むような押圧力とする。
【0076】
それぞれの糸調子から糸に与える押圧力を調節し、不図示の起動レバーを踏むと、上記遮断機構により駆動プーリ27と駆動軸28とが連結して、単環縫いが開始する(時刻0)。
針6がボタン孔に落ちて、布201の裏に貫通すると、回転式ルーパ41が針6から糸を捕捉して(時刻T11)、糸ループを形成する。そして、針6が上昇して、次の所定のボタン穴に針落ちが行われると、回転式ルーパ41が糸を捕捉して、新たな糸ループを形成する(時刻T12)。この新たな糸ループを先ほど形成された糸ループにくぐらせるとともに、回転式ルーパ41による先に形成された糸ループの捕捉を解除して、針6が上昇する(時刻T12〜時刻T13間)。この際に、天秤8の上昇により糸の経路が増大するため、糸が引張られるが、第二の糸調子57及び第一の糸調子58による押圧力の調節によって、先に形成された糸ループが布201に完全に引き寄せられている(図20)。以上の動作を繰り返し(時刻T13〜時刻T15間)、図20に示すように、糸ループ200が完全に布201に引き寄せられる程の硬めな単環縫いが形成される。この際に、縫い目を形成する糸ループ200は撓んでいない状態である。
【0077】
次いで、糸結び動作が行われる。時刻T14で第一の糸ループ100a(最終針落ちの二つ前の針落ちの際に形成される糸ループ)が形成され、針6が上昇した状態を示したものが図8である。なお、図8は時刻T15の状態を示すものである。この時刻T15で、制御装置によりソレノイド64を制御して、第一の糸調子58から糸に与える押圧力をゼロにして、第二の糸調子57だけから糸に押圧力を与えるようにする。
【0078】
次に、最終針落ちの一つ前の針落ち位置(別のボタンホール)上に針6が位置して、針6が下降し始める(図9)。さらに針6が下降してから上昇し始めると、この針6から糸を回転式ルーパ41が捕捉し始め、糸寄部54が第一の糸ループ100aと当接する(図10、図19の時刻T16)。
【0079】
その後、針6がさらに上昇して、糸寄部54が第一の糸ループ100aから離れ、回転式ルーパ41に捕捉された糸100が、第二の糸ループ100bを形成するとともに、第二の糸ループ100bを第一の糸ループ100aにくぐらせて、第一の糸ループ100aは回転式ルーパ41から離脱する(図11)。この状態では、第二の糸調子57だけで押圧力を与えているため、第一の糸ループ100aを形成する糸の長さが長くなり、第一の糸ループ100aが撓んでおり、第一の糸ループ100aが布201に完全に引き寄せられないようになっている。
【0080】
ここで、最終針が一つ前の針落ちボタンホールと同一のボタンホールに落ち始め、第二の糸ループ100bを糸寄部54が片側に寄せ、回転式ルーパ41が針6から糸を補足し始める(図12)と、ソレノイド64が作動して、第一の糸調子58から糸に押圧力を加える(図19の時刻T17)。この際に、第一の糸調子58から糸に与える押圧力は、先ほど(時刻0〜時刻T15までに)第一の糸調子58から糸に与える張力より大きくなっているとともに、第二の糸調子57から糸に与える押圧力より大きくなっている。次に、回転式ルーパ41がこの捕捉した糸を第二の糸ループ100bにくぐらせ始め、糸寄部54は第二の糸ループ100bから離れる(図13)。この状態では、同様に第二の糸ループ100bと糸寄部54が当接して、糸の経路が増大して、糸が引かれるが、糸寄部54が第二の糸ループ100bから離れた際に、先ほどの第一の糸ループ100aの撓んだ糸の分の一部が、第二の糸ループ100bに引かれるため、第二の糸ループ100bを形成する糸の長さが長くなり、第二の糸ループ100aが撓んでいる。
【0081】
この後、第二の糸ループ100bをくぐった第三の糸ループ100cが形成される(図14)。さらに、針6は上昇し、第三の糸ループ100cが引き下げられる(図15)。上述のように、第一の糸ループ100a及び第二の糸ループ100bが撓んでおり、第三の糸ループ100cを引き寄せる際に第一の糸調子58から糸に張力を与えているため、第三の糸ループ100cとともに第一の糸ループ100aも牽引されて第二の糸ループ100bをくぐる(図16)。
【0082】
このまま第三の糸ループ100cを引き下げ、上述のように、遮断機構により、駆動プーリ27と駆動軸28の連係が解除され、針6及び天秤8の上下動が停止する(図19の時刻T18)。次いで、押え上げソレノイド12が作動して、動メス23、固定メス25が動作し(図16)、これにより第三の糸ループ100cが切断されて(図17、図19の時刻T19)、次いで、ボタンクランプ17が上昇して、布のクランプを解除する(図19の時刻T20)。この際に、糸たぐり60が後方に揺動することにより、糸の経路が増大して、糸が引き出されるが、第一の糸調子58から糸に与える押圧力が、第二の糸調子57から糸に与える押圧力よりも大きくなっているため、針6に挿通されている糸が針6から抜けることなく、糸供給部から糸が引き出される。
【0083】
以上のように形成された結び目は、第一の糸ループ100aが形成する結び目部分が第二の糸ループ100bが形成する結び目部分により締結された結び目である。言い換えると、この結び目は、糸の端部100dが第一の糸ループ100aをくぐり抜けて、第一の糸ループ100aをくぐり抜けた糸の端部100dは、第一の糸ループ100aをなす糸の二本をまたがってから(即ち、第二の糸ループ100bが第一の糸ループ100aを締結している)、もう一度第一の糸ループ100aをくぐり抜けた状態の結び目となっている。この結び目は、上述の第一の実施例と同様の結び目である。
【0084】
なお、上記各実施の形態例において、具体的な細部構造等についても、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは勿論である。
【0085】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によると、糸調子装置により、最終針の少なくとも一つ前に形成される糸ループを撓ませていて、かつ、最終針落ちで形成される第三の糸ループを引く際には、糸ループが撓まないように糸張力を設定するため、この第三の糸ループが最終針落ちの二つ前の針落ちで形成される第一の糸ループを牽引して、この牽引された第一の糸ループが最終針の一つ前に形成される第二の糸ループをくぐり、これにより、第一の糸ループが第二の糸ループで締結された結び目を形成することができる。この結び目は、非常に結び目がほつれにくいものであり、環縫い目がほつれなくなる。また、堅い結び目が形成されるため、結び目がほつれにくく、環縫い目がほつれにくくなる。また、電気的制御により結び目を形成しているため、機械的制御により結び目を形成するより可動部が減少し、信頼性が向上する。
【0087】
また、請求項2に記載の発明によると、第一の糸ループが第二の糸ループで締結された結び目を形成することができる。従って、第一の糸ループが第二の糸ループで締結された結び目を形成することができ、環縫い目がほつれにくくなる。
【0088】
また、請求項3に記載の発明によると、第一の糸ループが第二の糸ループで締結された結び目を形成することができる。従って、第一の糸ループが第二の糸ループで締結された結び目を形成することができ、環縫い目がほつれにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としての環縫いミシンの外観を示す斜視図である。
【図2】上記環縫いミシンの内部の概略示す斜視図である。
【図3】上記環縫いミシンの内部の概略を示す斜視図である。
【図4】上記環縫いミシンのミシンアーム上面部を示す平面図である。
【図5】上記環縫いミシンの糸を切断する主要部を示す斜視図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態例の環縫いミシンが形成する環縫い目を説明するための図面である。
【図7】本発明の第一の実施の形態例の環縫いミシンの動作を示すタイムチャートである。
【図8】本発明の第一の実施の形態例及び第二の実施の形態例における結び目の形成過程を示す図面である。
【図9】本発明の第一の実施の形態例及び第二の実施の形態例における結び目の形成過程を示す図面である。
【図10】本発明の第一の実施の形態例及び第二の実施の形態例における結び目の形成過程を示す図面である。
【図11】本発明の第一の実施の形態例及び第二の実施の形態例における結び目の形成過程を示す図面である。
【図12】本発明の第一の実施の形態例及び第二の実施の形態例における結び目の形成過程を示す図面である。
【図13】本発明の第一の実施の形態例及び第二の実施の形態例における結び目の形成過程を示す図面である。
【図14】本発明の第一の実施の形態例及び第二の実施の形態例における結び目の形成過程を示す図面である。
【図15】本発明の第一の実施の形態例及び第二の実施の形態例における結び目の形成過程を示す図面である。
【図16】本発明の第一の実施の形態例及び第二の実施の形態例における結び目の形成過程を示す図面である。
【図17】本発明の第一の実施の形態例及び第二の実施の形態例において形成される結び目を示す図面である。
【図18】本発明の第一の実施の形態例及び第二の実施の形態例において形成される結び目を説明するための図面である。
【図19】本発明の第二の実施の形態例の環縫いミシンの動作を示すタイムチャートである。
【図20】本発明の第二の実施の形態例の環縫いミシンが形成する環縫い目を説明するための図面である。
【図21】従来の環縫いミシンにおける結び目の形成過程を示す図面である。
【図22】従来の環縫いミシンにおける結び目の形成過程を示す図面である。
【図23】従来の環縫いミシンにおける結び目の形成過程を示す図面である。
【図24】従来の環縫いミシンにおいて形成される結び目を説明するための図面である。
【符号の説明】
1 環縫いミシン
6 針
8 天秤
12 押え上げソレノイド
41 回転式ルーパ
57 第二の糸調子(糸調子装置)
58 第一の糸調子(糸調子、糸調子装置)
59 第三の糸調子
60 糸たぐり
61 糸案内
62 糸案内
63 糸案内
64 ソレノイド(圧調節手段、糸調子装置)
100 糸
100a 第一の糸ループ(最終針落ちの二つ前の針落ちに形成される糸ループ)
100b 第二の糸ループ(最終針落ちの一つ前の針落ちに形成される糸ループ)
100c 第三の糸ループ(最終針落ちに形成される糸ループ)
100d 糸の端部
200 糸ループ
201 布
Claims (3)
- 糸を挿通して上下動する針と、
該針から糸を捕捉し、捕捉した糸を引張ることにより糸ループを形成する回転式ルーパと、
電気的な制御により、上記糸ループの撓みを調節するように糸張力を設定する糸調子装置とを備え、上記針と上記回転式ルーパとの協動により環縫い目を形成する環縫いミシンであって、
上記糸調子装置が、上記針に糸を供給する糸供給部と、
上記糸供給部から上記針までの経路上の糸に圧を与える糸調子と、
上記糸供給部から上記糸調子までの経路上の糸に圧を与える第二の糸調子と、
電気的な制御により上記糸調子の圧を変化させる圧調節手段と、を有し、
最終針落ちの一つ前に上記針が落ちだしてから最終針落ち後に上記針が上昇しだすまでの間では、上記圧調節手段が上記糸調子によって糸に圧を与えないことにより上記第二の糸調子のみで糸に圧を加えて、その後に上記針が上昇しだしてからでは、上記第二の糸調子によって糸に圧を加えるとともに上記圧調節手段が上記糸調子によって糸に圧を与えることによって、上記糸調子装置が、上記回転式ルーパが最終針落ちの一つ前の糸ループを形成する際には、その糸ループが撓むように糸張力を設定するとともに、上記回転式ルーパが最終針落ちの糸ループを形成する際には、その糸ループが撓まないように糸張力を設定することを特徴とする環縫いミシン。 - 請求項1に記載の環縫いミシンであって、
縫製開始から最終針落ちの一つ前に上記針が落ちだすまでは、上記圧調節手段が上記糸調子によって糸に圧を与えないことにより上記第二の糸調子のみで糸に圧を加えることによって、縫製開始から最終針落ちの2つ前までに形成される糸ループを更に撓ませることを特徴とする環縫いミシン。 - 請求項1に記載の環縫いミシンであって、
縫製開始から最終針落ちの一つ前に上記針が落ちだすまでは、上記第二の糸調子によって糸に圧を加えるとともに上記圧調節手段が上記糸調子によって糸に圧を与えることによって、縫製開始から最終針落ちの二つ前までに形成される糸ループを撓まないようにすることを特徴とする環縫いミシン。
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