JP2004065846A - 縫製機におけるルーパ - Google Patents
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Abstract
【課題】針ぶれ規制と上糸のループ形成を適切に図り、上糸と下糸とを確実に他糸ルーピングさせることで、縫目の目飛びに起因した製品ロスの発生を確実に防止できる縫製機におけるルーパを提供する。
【解決手段】ルーパ軸25に対してルーパ支持体23を介して固定されたルーパ本体24は、下糸28を通して進退移動するブレード部27を備えている。正面から見て、ブレード部27の左側方斜め下方には第1アーム30が前方へ突出されると共に、ブレード部27の右斜め下方には第2アーム31が前方へ突出されている。第2アーム31は平面視においてブレード部27との間に上糸を通して上下動する針の径に略等しい隙間を隔てて位置している。従って、針が下死点位置近傍で上下方向へ往復移動する際には、当該針がブレード部27から離れる方向へ位置ぶれ(針ぶれ)することを第2アーム31が規制する。
【選択図】 図2
【解決手段】ルーパ軸25に対してルーパ支持体23を介して固定されたルーパ本体24は、下糸28を通して進退移動するブレード部27を備えている。正面から見て、ブレード部27の左側方斜め下方には第1アーム30が前方へ突出されると共に、ブレード部27の右斜め下方には第2アーム31が前方へ突出されている。第2アーム31は平面視においてブレード部27との間に上糸を通して上下動する針の径に略等しい隙間を隔てて位置している。従って、針が下死点位置近傍で上下方向へ往復移動する際には、当該針がブレード部27から離れる方向へ位置ぶれ(針ぶれ)することを第2アーム31が規制する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、縫製機におけるルーパに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えばキルティングマシン等の縫製機には、縫製時に針板上を所定方向へ搬送される縫製用生地に対して所定の縫目を形成するために、針板よりも上方の上死点位置と針板よりも下方の下死点位置との間で上糸を通して往復移動する針が設けられている。また、前記針板の下方で前記針の下死点位置近傍には下糸を通したブレード部が前記針の往復移動時に当該針の一側方を前記針の往復移動方向と交差するように進退移動するルーパが設けられている。また、前記針板の下方でルーパと略対峙する前方位置には、前記針が上死点位置から縫製用生地を刺し通して下死点位置へ向け下降を開始する際に、前記ブレード部の前端から延出された下糸とブレード部に捕捉されている上糸のループを一時的に係止して所定の閉ループ運動を繰り返すスプレッダが設けられている。
【0003】
そして、縫製時には、前記針とルーパ及びスプレッダの協働により縫製用生地に対して二重環縫い等の各種縫目が形成されるようにしていた。即ち、針が下死点位置から上昇する際に形成される上糸のループを前進移動するブレード部で捕捉する一方、針が上死点位置から下降する際にスプレッダに係止されて横方向へ張り形成される下糸等の三角形状のスペース内へ針を下降させることにより上糸と下糸とを他糸ルーピングさせていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、縫製時間の短縮化要請に応えるべく、近時は、縫製機における生地送り速度が高速化しており、それに伴い針の上下移動速度も著しく高速化することになった。そのため、縫製時に、下死点位置から上昇し始めた針の一側方に形成されるべき上糸のループが、前進移動するルーパのブレード部によって捕捉できない位置、即ち、前記針の他側方に形成される場合があった。従って、このような場合には、上糸と下糸とを他糸ルーピングできないことになり、縫製された製品の縫目には目飛びが生じる結果、製品ロスを生み出してしまうという問題があった。
【0005】
また、縫製パターンの多様化要請にも応えるべく、近時は、縫製用生地を搬送方向である前後方向と交差する方向(左右方向等)にも展張状態を維持したまま小刻みに移動させるということが行われている。そのため、縫製時に上死点位置と下死点位置との間を往復移動する針が、特に、縫製用生地に刺し通された状態にあるときに、当該生地の高速で小刻みな左右方向等への動きに引っ張られて振動し、位置ぶれ(針ぶれともいう)を起こすことがあった。
【0006】
従って、この場合は、たとえ上糸のループが針の一側方に適切に形成されたとしても、ルーパのブレード部と針との位置関係が崩れてしまうため、当該上糸のループをルーパのブレード部により捕捉できないことがあった。また、この場合は、スプレッダの閉ループ運動にて形成される下糸及び上糸のループ等からなる三角形状のスペース内へ針を下降できないこともあり得た。そのため、このように針が位置ぶれを起こした場合にも、縫製された製品の縫目には目飛びを生じさせることになり、やはり製品ロスを生み出してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、その目的は、針ぶれ規制と上糸のループ形成を適切に図り、上糸と下糸とを確実に他糸ルーピングさせることで、縫目の目飛びに起因した製品ロスの発生を確実に防止できる縫製機におけるルーパを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1に記載の発明は、針板よりも上方の上死点位置と針板よりも下方の下死点位置との間で上糸を通して往復移動する針と位置対応するように前記針板よりも下方に配置され、下糸を通したブレード部が前記針の往復移動時に当該針の一側方を前記針の往復移動方向と交差するように進退移動することにより、前記針板上を摺動する縫製用生地に対して上糸と下糸とが絡み合った所定の縫目を前記針と協働して形成する縫製機におけるルーパにおいて、前記ブレード部との間に前記針の径と略等しい隙間を隔てて配置され、前記針が下死点位置近傍を往復移動する際には、当該針の一側方を進退移動するブレード部と共に当該針の他側方を進退移動し、当該針をブレード部と協働して両側から挟み込むようにする針ぶれ規制部材を備えたことを要旨とした。
【0009】
また、本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の縫製機におけるルーパにおいて、前記針ぶれ規制部材は、前記ブレード部の他側方斜め下方に設けられていることを要旨とした。
【0010】
また、本願請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の縫製機におけるルーパにおいて、前記針ぶれ規制部材は、その進退移動方向における前端がブレード部の前端よりも前方へ突出した構成とされていることを要旨とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を縫製機の一種であるキルティングマシンのルーパに具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係るキルティングマシン10において、薄いシート状の綿からなる中生地11は、ロール状に巻回された状態でキルティングマシン10の一端部に配置されている。この中生地11は、前記キルティングマシン10の中央部に所定間隔をおいて配設された複数のフィードローラ12と、前記キルティングマシン10の他端部側に位置する巻取りローラ13とを経て、前記キルティングマシン10の他端部に配設された図示しない製品受取部へと送り込まれる。下生地14は、前記フィードローラ12により中生地11の下面側からフィードされるとともに、前記巻取りローラ13を経由して製品受取部へと送り込まれる。上生地15は、前記フィードローラ12により中生地11の上面側からフィードされるとともに、前記巻取りローラ13を経由して製品受取部へと送り込まれる。
【0013】
前記フィードローラ12と巻取りローラ13との間にはミシン部16が配設されており、当該ミシン部16において、前記フィードローラ12からフィードされた下生地14と中生地11及び上生地15が重合されてなる縫製用生地Cは、接合状態で縫着(縫製)され、キルティング(製品)に加工される。前記ミシン部16には製品受取り部方向へ搬送される前記縫製用生地Cを上下から挟持する押さえ板17と針板18及び図示しない針駆動機構により上下移動させられる複数の針19が設けられている。前記針板18には針糸ともいう上糸20を通して上下方向へ往復移動する針19の通過を許容する縦断面テーパ形状の針挿通孔21が各針19と位置対応するように形成されている。なお、図示はしないが、前記押さえ板17にも同様の針挿通孔が、針板18における各針挿通孔21と位置対応するように形成されている。
【0014】
また、前記ミシン部16において、針板18よりも下方には各針19と個別に対応する複数のルーパ22が配置されている。図1及び図2(a)(b)に示すように、前記ルーパ22は厚板状をなすルーパ支持体23の上面にルーパ本体24を固定した構成とされている。前記ルーパ支持体23は、前記各針19の配列方向に沿って架設されたルーパ軸25に固定されており、このルーパ軸25は、前記針19の上下移動に合わせて図示しない駆動機構により所定角度範囲で往復回動される。従って、このルーパ軸25の往復回動に伴い、前記ルーパ支持体23の上面に固定されたルーパ本体24は所定角度範囲で揺動することになる。
【0015】
前記ルーパ本体24は、ブロック状をなす基部26と、当該基部26の後部から前方へ突出するように延びる尖端形状のブレード部27とからなり、ブレード部27の先端(前端)はルーパ支持体23の前端面よりも前方まで延びている。また、ブレード部27の内部にはルーパ糸ともいう下糸28を通すための糸通し孔29が貫通形成されており、図示しない下糸供給部から繰り出された下糸28が前記糸通し孔29の前端開口から引き出され、前記針板18の針挿通孔21内へ導かれている。
【0016】
また、図2(a)及び図3(a)(b)に示すように、前記ルーパ本体24の基部26からは、ループ形成支援部材としての第1アーム30と、針ぶれ規制部材としての第2アーム31が、それぞれの先端部(前端部)を前方へ延ばすようにして突設されている。同図からも理解されるように、第1アーム30は、前記ブレード部27の前端よりも少し前方まで略直線状に延びた後、下方へ略直角に屈曲された形状をなしている。そして、ルーパ22を正面から見た場合、第1アーム30は、ブレード部27の左側方(一側方)斜め下方にあって、ブレード部27と略平行をなすように、且つより詳しくは、図3(a)(b)に示すように、ブレード部27に対して前端側ほどブレード部27に近接するように斜めに設けられている。また、第1アーム30における屈曲された前端部分の前記ブレード部27と対向する右側方(他側方)の側面部は右斜め上方に向けて滑らかな凸形状をなすループ形成支援面30aとして形成されている。
【0017】
一方、前記第2アーム31は、前記第1アーム30の前端よりも更に前方まで当該第1アーム30及び前記ブレード部27と略平行をなすように延びた後、下方へ鈍角に屈曲された形状をなしている。そして、ルーパ22を正面から見た場合、第2アーム31は、ブレード部27の右側方(他側方)斜め下方にあって、ブレード部27の左側方(一側方)に位置する前記第1アーム30よりは、上方に位置するように設けられている。なお、より詳しくは、図3(a)(b)に示すように、第2アーム31は、丸棒材からなる略中央部分が前記ブレード部27に対して当該ブレード部27との間に前記針19の径と略等しい隙間を隔てて位置するように右側方(他側方)へ少しだけ曲げ形成されている。そして、この第2アーム31は、丸棒材からなる構成であるため、前記ブレード部27と対向する左側方(一側方)の側面部が滑らかな凸形状をなす針ぶれ規制面31aとして形成されている。
【0018】
また、図2(b)に示すように、前記ルーパ本体24における基部26の後端面には左右一対のネジ穴40が前方へ向けて形成されている。また、前記基部26の上面には前記第1アーム30及び第2アーム31の各基端部をそれぞれ挿入可能な左右一対の支持穴41が下方へ向けて形成されている。そして、基部26内において前記各ネジ穴40と各支持穴41は互いに連通する構成とされている。なお、図2(b)には第2アーム31の基端部を挿入した支持穴41と当該支持穴41に連通した第2アーム側のネジ穴40のみしか図示していないが、これらの手前側にも第1アーム30用の支持穴41及び当該支持穴41に連通した第1アーム側のネジ穴40が形成されている。
【0019】
さて、前記左右一対の各ネジ穴40内にはそれぞれ押しネジ42が螺入されており、その先端が各ネジ穴40の内奥部において支持穴41内に挿入された各アーム(第1アーム30及び第2アーム31)の基端部側面に圧接されている。即ち、前記第1アーム30及び第2アーム31は、前記ネジ穴40内を各溝42aにドライバー等の治具を押し当てて螺進させられた押しネジ42に押接されることにより、それぞれ対応する支持穴41に支持固定されている。従って、第1アーム30及び第2アーム31がルーパ22のブレード部27に対し離れすぎていたり近づきすぎていたりした場合には、前記ネジ穴40内の押しネジ42を螺退させて各アーム30,31に対する圧接状態を解除し、アーム先端側の振れ角を微調整してブレード部27との相対的位置関係を微調整できる。
【0020】
次に、上記のように構成された本実施形態のキルティングマシン10におけるルーパ22の作用について図4〜図7を参照しながら説明する。
さて、図4(a)(b)は、上糸20を通した針19が針板18よりも下方の下死点位置まで下降した後、これから針板18よりも上方の上死点位置に向けて上昇を開始する直前の状態を示したものである。同図に示すように前記針19が下死点位置にあるとき、ルーパ22のブレード部27は一連の進退移動の途中で最も後方(図4(a)において左方)の後退位置にある。そして、前記針19は針板18上にある縫製用生地Cに一方端が縫着された上糸20に対して最も張力を付与した状態にある。また、図4(a)(b)に示すように、下死点位置まで下降した針19の右側方(他側方)には第2アーム31の前端部分が針19に殆ど擦れ合うように位置している。また、針板18の下側にあって係止凹部(図示略)が形成された先端部が針挿通孔21の直下位置を周回軌跡の一部に含むように上方から見て時計回り方向へ閉ループ運動するスプレッダ32はルーパ22から最も離れた後退位置にある。
【0021】
いま、この図4(a)(b)の状態から前記針19が上昇を開始すると、図5(a)(b)に示すように、当該針19に通されている上糸20に弛みが生じる結果、当該針19の左側方(一側方)に上糸20のループ20aが形成される。すると、この上糸20のループ20aが形成されるタイミングに合わせてルーパ22のブレード部27が前進し、その先端(前端)が上糸20のループ20a内に挿入される。即ち、上糸20のループ20aが下糸28を通したルーパ22のブレード部27により捕捉される。その後、前記針19は更に上昇して針板18の針挿通孔21内へ没入するが、上糸20のループ20aは更に前進するルーパ22のブレード部27に捕捉された状態を継続する。また、スプレッダ32は、図4(a)(b)の後退位置から斜め左前方へ前進する。
【0022】
なお、前記針19の下死点位置からの上昇時において上糸20のループ20aがルーパ22のブレード部27により適切に捕捉されるためには前記第1アーム30及び第2アーム31が有効に関与している。即ち、針19の上下移動速度が高速化すると、図5(b)に二点鎖線で示すように、上糸20のループ20aが本来形成されるべき針19の左側方(一側方)ではなく右側方(他側方)に形成されることがあり得る。また、針板18上の縫製用生地Cに刺し通された状態にある針19は、当該生地の小刻みな左右方向等への動きによって位置ぶれ(針ぶれ)を起こし、針19の左側方(一側方)において針19とルーパ22のブレード部27との相対的位置関係を崩してしまうことがある。
【0023】
しかし、本実施形態の場合には、針19が上昇開始前の下死点位置にあるとき当該針19の右側方(他側方)には第2アーム31の前端部分が殆ど擦れ合うように位置しており、当該第2アーム31が針19の上昇時には当該針19の右側方(他側方)を殆ど擦れ合うように下降することになる。従って、針19の右側方(他側方)に上糸20のループ20aが形成されそうになった場合には、第2アーム31の滑らかな凸形状をなす針ぶれ規制面31aが当該ループ20aの形成を規制するように針19の右側方(他側方)から干渉する。また、縫製用生地Cからの小刻みな左右方向等への動きにより引っ張られて針19が位置ぶれをしそうになっても、第2アーム31が常に当該針19の右側方(他側方)から干渉して位置ぶれ(針ぶれ)を規制する。
【0024】
一方、針19の右側方(他側方)ではなく左側方(一側方)において上糸20のループ20aが形成される場合でも、当該ループ20aが広がった形状をしていないと、当該ループ20aをルーパ22のブレード部27で捕捉できないことがあり得る。しかし、本実施形態の場合は、針19が下死点位置から上昇を開始して上糸20のループ20aが形成され始めた際に、ブレード部27よりも先に第1アーム30の前端が上昇途中にある針19とブレード部27の左側方(一側方)斜め下方位置で交差することになる。しかも、その第1アーム30の前端には右斜め上方に向けて滑らかな凸形状をなすループ形成支援面30aが形成されていた。従って、針19の左側方(一側方)で上糸20のループ20aが広がり形成されないような場合には、第1アーム30のループ形成支援面30aが当該ループ20aに左斜め下側から持ち上げるように当接して、当該ループ20aの適切な広がり形成を支援する。
【0025】
次に、図6(a)(b)に示すように、前記針19が針板18よりも上方の上死点位置まで上昇すると、針板18の下方では前記上糸20のループ20aを捕捉したままのルーパ22が最も前進した位置まで移動すると共に、針板18の針挿通孔21の直下位置をスプレッダ32の先端部が通過する。すると、そのスプレッダ32の先端部(係止凹部)により、ルーパ22のブレード部27の糸通し孔29から引き出されている下糸28とブレード部27に捕捉されている上糸20のループ20aが引っ掛けられる。そして、その状態においてスプレッダ32の更なる閉ループ運動により横方向(即ち、本実施形態では左側方(一側方))へ引っ張られて、ブレード部27と共に上から見て三角形状のスペースを形成する。
【0026】
そして次に、図7(a)〜(c)に示すように、前記針19が針板18の下方へ下降してくると、当該針19は、スプレッダ32により下糸28と上糸20のループ20aが横方向へ引っ張られてブレード部27と共に形成している三角形状のスペースS内へ降下する。その結果、上糸20と下糸28とが他糸ルーピングされる。そして、その際において、降下してくる針19が前記生地の小刻みな動きにより位置ぶれ(針ぶれ)を起こしそうになると、第2アーム31の左側方(一側方)に向かって滑らかな凸形状をなす針ぶれ規制面31aが針19をガイドして当該位置ぶれ(針ぶれ)を規制する。なお、図7(a)〜(c)の状態において、ルーパ22は後退移動中であり、前記三角形状のスペースS内へ針19が降下すると、それまでブレード部27により捕捉していた上糸20のループ20aを解放する。また、その際、スプレッダ32も先端部(係止凹部)に引っ掛けていた下糸28と上糸20のループ20aを解放して後退する。そして、再び図4(a)(b)の状態に至り、以後、同様の動作を繰り返す。
【0027】
従って、本実施形態のキルティングマシン10のルーパ22によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、針19が針板18よりも下方の下死点位置近傍で上下方向へ往復移動する際に、当該針19の左側方(一側方)を進退移動するルーパ22のブレード部27と共に針ぶれ規制部材としての第2アーム31が前記針19の右側方(他側方)を進退移動する。そして、その第2アーム31とブレード部27とが協働して針19を両側から挟み込むようにする構成とされている。
【0028】
そのため、針19が下死点位置から上昇し始める際に、針19の右側方(他側方)に上糸20のループ20aが形成されそうになっても、第2アーム31が針19の右側方(他側方)にあって上糸20を左側方(一側方)へ押し戻すため、針19の左側方(一側方)に上糸20のループ20aを形成できる。従って、針19の左側方(一側方)を進退移動するルーパ22のブレード部27により上糸20のループ20aを確実に捕捉できる。
【0029】
また、針19が針板18上の縫製用生地Cから受ける小刻みな横方向への動きにより位置ぶれ(針ぶれ)を起こしそうになった場合にも、前記第2アーム31が当該針19に殆ど擦れ合うように位置しているため、かかる位置ぶれ(針ぶれ)を規制する。従って、針19とルーパ22のブレード部27との相対的位置関係を適切に保て、針19の左側方(一側方)で上糸20のループ20aをルーパ22のブレード部27により適切に捕捉できる。
【0030】
また、針19が上死点位置から下死点位置へ下降してきた際にも、当該針19が前記縫製用生地Cから受ける小刻みな横方向への動きにより位置ぶれ(針ぶれ)を起こしそうになると、前記第2アーム31の滑らかな凸形状をなす針ぶれ規制面31aが当該針19をブレード部27の方向へガイドする。従って、スプレッダ32により横方向へ張り形成されている下糸28等からなる三角形状のスペースS内へ針19を適切に降下させることができ、上糸20と下糸28との他糸ルーピングを確実になし得る。
【0031】
(2)また、本実施形態において、針ぶれ規制部材としての第2アーム31はルーパ22におけるブレード部27の右側方(他側方)斜め下方に設けられている。そのため、針19がブレード部27の右側方(他側方)を上昇移動する際には、当該右側方(他側方)に上糸20のループ20aが形成されるのを、ブレード部27がルーピングを開始する前段階で規制でき、針19の左側方(一側方)での適切なルーピングを図ることができる。
【0032】
(3)また、本実施形態において、針ぶれ規制部材としての第2アーム31はルーパ22のブレード部27よりも前端が前方へ突出した構成とされている。そのため、その前進時にはブレード部27がルーピングを開始する前段階で針19が位置ぶれ(針ぶれ)を起こすことを確実に規制できる。
【0033】
(4)また、本実施形態において、針ぶれ規制部材としての第2アーム31はルーパ22のブレード部27と対向する左側方(一側方)の側面部が当該左側方(一側方)に向かって滑らかな凸形状の針ぶれ規制面31aとして形成されている。そのため、位置ぶれ(針ぶれ)を起こしそうになって下降してくる針19をルーパ22のブレード部27の方向へ適切にガイドできる。また、本来は形成されてはいけない針19の右側方(他側方)に形成されつつある上糸20のループ20aを適切に押し戻して、針19の左側方(一側方)における適切なループ20aの形成に貢献できる。
【0034】
(5)また、本実施形態では、ブレード部27の左側方(一側方)斜め下方に当該ブレード部27と略平行に第1アーム30を設け、当該第1アーム30が針19の上昇開始時には、当該針19の左側方(一側方)に形成される上糸20のループ20aの適切な形成を支援するようにした。即ち、当該第1アーム30の前端部分のブレード部27と対向する右側方(他側方)の側面部が右斜め上方に向けて滑らかな凸形状をなすループ形成支援面30aとされており、当該支援面30aが上糸20のループ20aを下側から持ち上げるように当接して当該ループの広がり形成を支援するようにした。従って、針19の左側方(一側方)におけるルーパ22のブレード部27による上糸20のループ20aの捕捉を確実に行うことができる。
【0035】
(6)また、本実施形態では、ネジ穴40内の押しネジ42を螺退させることにより、ルーパ本体24における基部26の支持穴41に挿入支持された第1アーム30及び第2アーム31のルーパ22のブレード部27に対する相対的位置関係を微調整することができる。
【0036】
なお、上記実施形態は以下のような別例に変更して具体化してもよい。
○ 上記実施形態では、ルーパ22にループ形成支援部材としての第1アーム30を設けたが、この第1アーム30は省略してもよい。
【0037】
○ 上記実施形態では、第1アーム30の屈曲された前端部分の右側方(他側方)の側面部にループ形成支援面30aを形成したが、第1アーム30全体を略直線状をなす丸棒材により構成し、当該丸棒材の外周面をループ形成支援面として機能させてもよい。
【0038】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31の左側方(一側方)の側面部が滑らかな凸形状となるように形成されていたが、ブレード部27との間に針19の径と略等しい隙間を隔てて配置されるものならば、その側面部は斜面であっても又は垂直面であってもよい。
【0039】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31の前端部分が下方へ鈍角に曲げ形成されていたが、前端まで真っ直ぐに延びた直線状をなすものであってもよい。
【0040】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31が丸棒材からなり、当該丸棒材の先端部が前方へ突出するように片持ち支持された構成となっていたが、当該丸棒材は先端部及び基端部が共にルーパ本体24の基部26に支持され、その途中の折曲部分が前方へ突出するものであってもよい。
【0041】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31をルーパ22のブレード部27と略平行をなすように設けたが、必ずしも略平行でなくてよい。即ち、ブレード部27とは異なる例えばV字状やW字状の形状をしたものであってもよい。
【0042】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31は、その前端がルーパ22のブレード部27の前端よりも前方へ突出していたが、第2アーム31の前端はブレード部27の前端と前後方向で同じ位置にあってもよい。また、第2アーム31は、針19の下死点位置近傍での往復移動時に当該針19の右側方(他側方)に殆ど擦れ合うように位置しているならば、ブレード部27の前端よりも第2アーム31の前端は後方に位置していてもよい。
【0043】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31は、ブレード部27の右側方(他側方)斜め下方に位置していたが、ブレード部27と略同じ高さ位置にあってもよい。又は、ブレード部27の右側方(他側方)斜め上方に位置していてもよい。
【0044】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31は、丸棒材からなる中央部分が右側方(他側方)へ少しだけ曲げ形成されていたが、ブレード部27との間に針19の径と略等しい隙間を隔てて配置されるならば、直線状の丸棒材であってもよい。
【0045】
○ 上記実施形態では、縫製機の一種であるキルティングマシン10におけるルーパ22に具体化したが、他の縫製機としてのミシン等におけるルーパに具体化してもよい。
【0046】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ) 前記針ぶれ規制部材は少なくとも前記ブレード部と対向する一側方の側面部が滑らかな凸形状となるように形成されている請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の縫製機におけるルーパ。このように構成すれば、下死点位置への下降途中で位置ぶれを起こしそうな針を適切にブレード部の方向へガイドできると共に、下死点位置から上昇途中の針の他側方で形成されそうになっている上糸のループを針の一側方へ適切に押し戻すことができる。
【0047】
(ロ) 前記ブレード部の一側方斜め下方には、前記針が下死点位置から上死点位置に向けて移動を開始した際に、当該針の一側方に形成される上糸のループに対して下側から持ち上げるように当接して当該ループの広がり形成を支援するループ形成支援部材を備えた請求項1〜請求項3のうち何れか一項又は上記技術的思想(イ)に記載の縫製機におけるルーパ。このように構成すれば、針の一側方で形成される上糸のループを適切に広がり形成させることができる。
【0048】
(ハ) 前記針ぶれ規制部材は、前記ルーパのブレード部に対する相対的位置関係を微調整可能に設けられている請求項1〜請求項3のうち何れか一項又は上記技術的思想(イ)又は(ロ)に記載の縫製機におけるルーパ。このように構成すれば、針の径の違いや針ぶれ規制部材の組み付け誤差等があっても適宜に解消することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、針ぶれ規制と上糸のループ形成を適切に図り、上糸と下糸とを確実に他糸ルーピングさせることで、縫目の目飛びに起因した製品ロスの発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のキルティングマシンの概略構成図。
【図2】(a)はルーパの斜視図、(b)はルーパの一部破断面図。
【図3】(a)はルーパの平面図、(b)はルーパの正面図。
【図4】針が下死点位置にある状態時のルーパ等の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【図5】針が下死点位置から上昇開始状態時のルーパ等の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【図6】針が上死点位置にある状態時のルーパ等の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【図7】針が下死点位置へ降下直前状態時のルーパ等の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【符号の説明】
10…縫製機としてのキルティングマシン、11…縫製用生地を構成する中生地、14…縫製用生地を構成する下生地、15…縫製用生地を構成する上生地、18…針板、19…針、20…上糸、20a…上糸のループ、22…ルーパ、27…ブレード部、30…ループ形成支援部材としての第1アーム、30a…ループ形成支援面、31…針ぶれ規制部材としての第2アーム、31a…針ぶれ規制面、C…縫製用生地。
【発明の属する技術分野】
本発明は、縫製機におけるルーパに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えばキルティングマシン等の縫製機には、縫製時に針板上を所定方向へ搬送される縫製用生地に対して所定の縫目を形成するために、針板よりも上方の上死点位置と針板よりも下方の下死点位置との間で上糸を通して往復移動する針が設けられている。また、前記針板の下方で前記針の下死点位置近傍には下糸を通したブレード部が前記針の往復移動時に当該針の一側方を前記針の往復移動方向と交差するように進退移動するルーパが設けられている。また、前記針板の下方でルーパと略対峙する前方位置には、前記針が上死点位置から縫製用生地を刺し通して下死点位置へ向け下降を開始する際に、前記ブレード部の前端から延出された下糸とブレード部に捕捉されている上糸のループを一時的に係止して所定の閉ループ運動を繰り返すスプレッダが設けられている。
【0003】
そして、縫製時には、前記針とルーパ及びスプレッダの協働により縫製用生地に対して二重環縫い等の各種縫目が形成されるようにしていた。即ち、針が下死点位置から上昇する際に形成される上糸のループを前進移動するブレード部で捕捉する一方、針が上死点位置から下降する際にスプレッダに係止されて横方向へ張り形成される下糸等の三角形状のスペース内へ針を下降させることにより上糸と下糸とを他糸ルーピングさせていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、縫製時間の短縮化要請に応えるべく、近時は、縫製機における生地送り速度が高速化しており、それに伴い針の上下移動速度も著しく高速化することになった。そのため、縫製時に、下死点位置から上昇し始めた針の一側方に形成されるべき上糸のループが、前進移動するルーパのブレード部によって捕捉できない位置、即ち、前記針の他側方に形成される場合があった。従って、このような場合には、上糸と下糸とを他糸ルーピングできないことになり、縫製された製品の縫目には目飛びが生じる結果、製品ロスを生み出してしまうという問題があった。
【0005】
また、縫製パターンの多様化要請にも応えるべく、近時は、縫製用生地を搬送方向である前後方向と交差する方向(左右方向等)にも展張状態を維持したまま小刻みに移動させるということが行われている。そのため、縫製時に上死点位置と下死点位置との間を往復移動する針が、特に、縫製用生地に刺し通された状態にあるときに、当該生地の高速で小刻みな左右方向等への動きに引っ張られて振動し、位置ぶれ(針ぶれともいう)を起こすことがあった。
【0006】
従って、この場合は、たとえ上糸のループが針の一側方に適切に形成されたとしても、ルーパのブレード部と針との位置関係が崩れてしまうため、当該上糸のループをルーパのブレード部により捕捉できないことがあった。また、この場合は、スプレッダの閉ループ運動にて形成される下糸及び上糸のループ等からなる三角形状のスペース内へ針を下降できないこともあり得た。そのため、このように針が位置ぶれを起こした場合にも、縫製された製品の縫目には目飛びを生じさせることになり、やはり製品ロスを生み出してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、その目的は、針ぶれ規制と上糸のループ形成を適切に図り、上糸と下糸とを確実に他糸ルーピングさせることで、縫目の目飛びに起因した製品ロスの発生を確実に防止できる縫製機におけるルーパを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1に記載の発明は、針板よりも上方の上死点位置と針板よりも下方の下死点位置との間で上糸を通して往復移動する針と位置対応するように前記針板よりも下方に配置され、下糸を通したブレード部が前記針の往復移動時に当該針の一側方を前記針の往復移動方向と交差するように進退移動することにより、前記針板上を摺動する縫製用生地に対して上糸と下糸とが絡み合った所定の縫目を前記針と協働して形成する縫製機におけるルーパにおいて、前記ブレード部との間に前記針の径と略等しい隙間を隔てて配置され、前記針が下死点位置近傍を往復移動する際には、当該針の一側方を進退移動するブレード部と共に当該針の他側方を進退移動し、当該針をブレード部と協働して両側から挟み込むようにする針ぶれ規制部材を備えたことを要旨とした。
【0009】
また、本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の縫製機におけるルーパにおいて、前記針ぶれ規制部材は、前記ブレード部の他側方斜め下方に設けられていることを要旨とした。
【0010】
また、本願請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の縫製機におけるルーパにおいて、前記針ぶれ規制部材は、その進退移動方向における前端がブレード部の前端よりも前方へ突出した構成とされていることを要旨とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を縫製機の一種であるキルティングマシンのルーパに具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係るキルティングマシン10において、薄いシート状の綿からなる中生地11は、ロール状に巻回された状態でキルティングマシン10の一端部に配置されている。この中生地11は、前記キルティングマシン10の中央部に所定間隔をおいて配設された複数のフィードローラ12と、前記キルティングマシン10の他端部側に位置する巻取りローラ13とを経て、前記キルティングマシン10の他端部に配設された図示しない製品受取部へと送り込まれる。下生地14は、前記フィードローラ12により中生地11の下面側からフィードされるとともに、前記巻取りローラ13を経由して製品受取部へと送り込まれる。上生地15は、前記フィードローラ12により中生地11の上面側からフィードされるとともに、前記巻取りローラ13を経由して製品受取部へと送り込まれる。
【0013】
前記フィードローラ12と巻取りローラ13との間にはミシン部16が配設されており、当該ミシン部16において、前記フィードローラ12からフィードされた下生地14と中生地11及び上生地15が重合されてなる縫製用生地Cは、接合状態で縫着(縫製)され、キルティング(製品)に加工される。前記ミシン部16には製品受取り部方向へ搬送される前記縫製用生地Cを上下から挟持する押さえ板17と針板18及び図示しない針駆動機構により上下移動させられる複数の針19が設けられている。前記針板18には針糸ともいう上糸20を通して上下方向へ往復移動する針19の通過を許容する縦断面テーパ形状の針挿通孔21が各針19と位置対応するように形成されている。なお、図示はしないが、前記押さえ板17にも同様の針挿通孔が、針板18における各針挿通孔21と位置対応するように形成されている。
【0014】
また、前記ミシン部16において、針板18よりも下方には各針19と個別に対応する複数のルーパ22が配置されている。図1及び図2(a)(b)に示すように、前記ルーパ22は厚板状をなすルーパ支持体23の上面にルーパ本体24を固定した構成とされている。前記ルーパ支持体23は、前記各針19の配列方向に沿って架設されたルーパ軸25に固定されており、このルーパ軸25は、前記針19の上下移動に合わせて図示しない駆動機構により所定角度範囲で往復回動される。従って、このルーパ軸25の往復回動に伴い、前記ルーパ支持体23の上面に固定されたルーパ本体24は所定角度範囲で揺動することになる。
【0015】
前記ルーパ本体24は、ブロック状をなす基部26と、当該基部26の後部から前方へ突出するように延びる尖端形状のブレード部27とからなり、ブレード部27の先端(前端)はルーパ支持体23の前端面よりも前方まで延びている。また、ブレード部27の内部にはルーパ糸ともいう下糸28を通すための糸通し孔29が貫通形成されており、図示しない下糸供給部から繰り出された下糸28が前記糸通し孔29の前端開口から引き出され、前記針板18の針挿通孔21内へ導かれている。
【0016】
また、図2(a)及び図3(a)(b)に示すように、前記ルーパ本体24の基部26からは、ループ形成支援部材としての第1アーム30と、針ぶれ規制部材としての第2アーム31が、それぞれの先端部(前端部)を前方へ延ばすようにして突設されている。同図からも理解されるように、第1アーム30は、前記ブレード部27の前端よりも少し前方まで略直線状に延びた後、下方へ略直角に屈曲された形状をなしている。そして、ルーパ22を正面から見た場合、第1アーム30は、ブレード部27の左側方(一側方)斜め下方にあって、ブレード部27と略平行をなすように、且つより詳しくは、図3(a)(b)に示すように、ブレード部27に対して前端側ほどブレード部27に近接するように斜めに設けられている。また、第1アーム30における屈曲された前端部分の前記ブレード部27と対向する右側方(他側方)の側面部は右斜め上方に向けて滑らかな凸形状をなすループ形成支援面30aとして形成されている。
【0017】
一方、前記第2アーム31は、前記第1アーム30の前端よりも更に前方まで当該第1アーム30及び前記ブレード部27と略平行をなすように延びた後、下方へ鈍角に屈曲された形状をなしている。そして、ルーパ22を正面から見た場合、第2アーム31は、ブレード部27の右側方(他側方)斜め下方にあって、ブレード部27の左側方(一側方)に位置する前記第1アーム30よりは、上方に位置するように設けられている。なお、より詳しくは、図3(a)(b)に示すように、第2アーム31は、丸棒材からなる略中央部分が前記ブレード部27に対して当該ブレード部27との間に前記針19の径と略等しい隙間を隔てて位置するように右側方(他側方)へ少しだけ曲げ形成されている。そして、この第2アーム31は、丸棒材からなる構成であるため、前記ブレード部27と対向する左側方(一側方)の側面部が滑らかな凸形状をなす針ぶれ規制面31aとして形成されている。
【0018】
また、図2(b)に示すように、前記ルーパ本体24における基部26の後端面には左右一対のネジ穴40が前方へ向けて形成されている。また、前記基部26の上面には前記第1アーム30及び第2アーム31の各基端部をそれぞれ挿入可能な左右一対の支持穴41が下方へ向けて形成されている。そして、基部26内において前記各ネジ穴40と各支持穴41は互いに連通する構成とされている。なお、図2(b)には第2アーム31の基端部を挿入した支持穴41と当該支持穴41に連通した第2アーム側のネジ穴40のみしか図示していないが、これらの手前側にも第1アーム30用の支持穴41及び当該支持穴41に連通した第1アーム側のネジ穴40が形成されている。
【0019】
さて、前記左右一対の各ネジ穴40内にはそれぞれ押しネジ42が螺入されており、その先端が各ネジ穴40の内奥部において支持穴41内に挿入された各アーム(第1アーム30及び第2アーム31)の基端部側面に圧接されている。即ち、前記第1アーム30及び第2アーム31は、前記ネジ穴40内を各溝42aにドライバー等の治具を押し当てて螺進させられた押しネジ42に押接されることにより、それぞれ対応する支持穴41に支持固定されている。従って、第1アーム30及び第2アーム31がルーパ22のブレード部27に対し離れすぎていたり近づきすぎていたりした場合には、前記ネジ穴40内の押しネジ42を螺退させて各アーム30,31に対する圧接状態を解除し、アーム先端側の振れ角を微調整してブレード部27との相対的位置関係を微調整できる。
【0020】
次に、上記のように構成された本実施形態のキルティングマシン10におけるルーパ22の作用について図4〜図7を参照しながら説明する。
さて、図4(a)(b)は、上糸20を通した針19が針板18よりも下方の下死点位置まで下降した後、これから針板18よりも上方の上死点位置に向けて上昇を開始する直前の状態を示したものである。同図に示すように前記針19が下死点位置にあるとき、ルーパ22のブレード部27は一連の進退移動の途中で最も後方(図4(a)において左方)の後退位置にある。そして、前記針19は針板18上にある縫製用生地Cに一方端が縫着された上糸20に対して最も張力を付与した状態にある。また、図4(a)(b)に示すように、下死点位置まで下降した針19の右側方(他側方)には第2アーム31の前端部分が針19に殆ど擦れ合うように位置している。また、針板18の下側にあって係止凹部(図示略)が形成された先端部が針挿通孔21の直下位置を周回軌跡の一部に含むように上方から見て時計回り方向へ閉ループ運動するスプレッダ32はルーパ22から最も離れた後退位置にある。
【0021】
いま、この図4(a)(b)の状態から前記針19が上昇を開始すると、図5(a)(b)に示すように、当該針19に通されている上糸20に弛みが生じる結果、当該針19の左側方(一側方)に上糸20のループ20aが形成される。すると、この上糸20のループ20aが形成されるタイミングに合わせてルーパ22のブレード部27が前進し、その先端(前端)が上糸20のループ20a内に挿入される。即ち、上糸20のループ20aが下糸28を通したルーパ22のブレード部27により捕捉される。その後、前記針19は更に上昇して針板18の針挿通孔21内へ没入するが、上糸20のループ20aは更に前進するルーパ22のブレード部27に捕捉された状態を継続する。また、スプレッダ32は、図4(a)(b)の後退位置から斜め左前方へ前進する。
【0022】
なお、前記針19の下死点位置からの上昇時において上糸20のループ20aがルーパ22のブレード部27により適切に捕捉されるためには前記第1アーム30及び第2アーム31が有効に関与している。即ち、針19の上下移動速度が高速化すると、図5(b)に二点鎖線で示すように、上糸20のループ20aが本来形成されるべき針19の左側方(一側方)ではなく右側方(他側方)に形成されることがあり得る。また、針板18上の縫製用生地Cに刺し通された状態にある針19は、当該生地の小刻みな左右方向等への動きによって位置ぶれ(針ぶれ)を起こし、針19の左側方(一側方)において針19とルーパ22のブレード部27との相対的位置関係を崩してしまうことがある。
【0023】
しかし、本実施形態の場合には、針19が上昇開始前の下死点位置にあるとき当該針19の右側方(他側方)には第2アーム31の前端部分が殆ど擦れ合うように位置しており、当該第2アーム31が針19の上昇時には当該針19の右側方(他側方)を殆ど擦れ合うように下降することになる。従って、針19の右側方(他側方)に上糸20のループ20aが形成されそうになった場合には、第2アーム31の滑らかな凸形状をなす針ぶれ規制面31aが当該ループ20aの形成を規制するように針19の右側方(他側方)から干渉する。また、縫製用生地Cからの小刻みな左右方向等への動きにより引っ張られて針19が位置ぶれをしそうになっても、第2アーム31が常に当該針19の右側方(他側方)から干渉して位置ぶれ(針ぶれ)を規制する。
【0024】
一方、針19の右側方(他側方)ではなく左側方(一側方)において上糸20のループ20aが形成される場合でも、当該ループ20aが広がった形状をしていないと、当該ループ20aをルーパ22のブレード部27で捕捉できないことがあり得る。しかし、本実施形態の場合は、針19が下死点位置から上昇を開始して上糸20のループ20aが形成され始めた際に、ブレード部27よりも先に第1アーム30の前端が上昇途中にある針19とブレード部27の左側方(一側方)斜め下方位置で交差することになる。しかも、その第1アーム30の前端には右斜め上方に向けて滑らかな凸形状をなすループ形成支援面30aが形成されていた。従って、針19の左側方(一側方)で上糸20のループ20aが広がり形成されないような場合には、第1アーム30のループ形成支援面30aが当該ループ20aに左斜め下側から持ち上げるように当接して、当該ループ20aの適切な広がり形成を支援する。
【0025】
次に、図6(a)(b)に示すように、前記針19が針板18よりも上方の上死点位置まで上昇すると、針板18の下方では前記上糸20のループ20aを捕捉したままのルーパ22が最も前進した位置まで移動すると共に、針板18の針挿通孔21の直下位置をスプレッダ32の先端部が通過する。すると、そのスプレッダ32の先端部(係止凹部)により、ルーパ22のブレード部27の糸通し孔29から引き出されている下糸28とブレード部27に捕捉されている上糸20のループ20aが引っ掛けられる。そして、その状態においてスプレッダ32の更なる閉ループ運動により横方向(即ち、本実施形態では左側方(一側方))へ引っ張られて、ブレード部27と共に上から見て三角形状のスペースを形成する。
【0026】
そして次に、図7(a)〜(c)に示すように、前記針19が針板18の下方へ下降してくると、当該針19は、スプレッダ32により下糸28と上糸20のループ20aが横方向へ引っ張られてブレード部27と共に形成している三角形状のスペースS内へ降下する。その結果、上糸20と下糸28とが他糸ルーピングされる。そして、その際において、降下してくる針19が前記生地の小刻みな動きにより位置ぶれ(針ぶれ)を起こしそうになると、第2アーム31の左側方(一側方)に向かって滑らかな凸形状をなす針ぶれ規制面31aが針19をガイドして当該位置ぶれ(針ぶれ)を規制する。なお、図7(a)〜(c)の状態において、ルーパ22は後退移動中であり、前記三角形状のスペースS内へ針19が降下すると、それまでブレード部27により捕捉していた上糸20のループ20aを解放する。また、その際、スプレッダ32も先端部(係止凹部)に引っ掛けていた下糸28と上糸20のループ20aを解放して後退する。そして、再び図4(a)(b)の状態に至り、以後、同様の動作を繰り返す。
【0027】
従って、本実施形態のキルティングマシン10のルーパ22によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、針19が針板18よりも下方の下死点位置近傍で上下方向へ往復移動する際に、当該針19の左側方(一側方)を進退移動するルーパ22のブレード部27と共に針ぶれ規制部材としての第2アーム31が前記針19の右側方(他側方)を進退移動する。そして、その第2アーム31とブレード部27とが協働して針19を両側から挟み込むようにする構成とされている。
【0028】
そのため、針19が下死点位置から上昇し始める際に、針19の右側方(他側方)に上糸20のループ20aが形成されそうになっても、第2アーム31が針19の右側方(他側方)にあって上糸20を左側方(一側方)へ押し戻すため、針19の左側方(一側方)に上糸20のループ20aを形成できる。従って、針19の左側方(一側方)を進退移動するルーパ22のブレード部27により上糸20のループ20aを確実に捕捉できる。
【0029】
また、針19が針板18上の縫製用生地Cから受ける小刻みな横方向への動きにより位置ぶれ(針ぶれ)を起こしそうになった場合にも、前記第2アーム31が当該針19に殆ど擦れ合うように位置しているため、かかる位置ぶれ(針ぶれ)を規制する。従って、針19とルーパ22のブレード部27との相対的位置関係を適切に保て、針19の左側方(一側方)で上糸20のループ20aをルーパ22のブレード部27により適切に捕捉できる。
【0030】
また、針19が上死点位置から下死点位置へ下降してきた際にも、当該針19が前記縫製用生地Cから受ける小刻みな横方向への動きにより位置ぶれ(針ぶれ)を起こしそうになると、前記第2アーム31の滑らかな凸形状をなす針ぶれ規制面31aが当該針19をブレード部27の方向へガイドする。従って、スプレッダ32により横方向へ張り形成されている下糸28等からなる三角形状のスペースS内へ針19を適切に降下させることができ、上糸20と下糸28との他糸ルーピングを確実になし得る。
【0031】
(2)また、本実施形態において、針ぶれ規制部材としての第2アーム31はルーパ22におけるブレード部27の右側方(他側方)斜め下方に設けられている。そのため、針19がブレード部27の右側方(他側方)を上昇移動する際には、当該右側方(他側方)に上糸20のループ20aが形成されるのを、ブレード部27がルーピングを開始する前段階で規制でき、針19の左側方(一側方)での適切なルーピングを図ることができる。
【0032】
(3)また、本実施形態において、針ぶれ規制部材としての第2アーム31はルーパ22のブレード部27よりも前端が前方へ突出した構成とされている。そのため、その前進時にはブレード部27がルーピングを開始する前段階で針19が位置ぶれ(針ぶれ)を起こすことを確実に規制できる。
【0033】
(4)また、本実施形態において、針ぶれ規制部材としての第2アーム31はルーパ22のブレード部27と対向する左側方(一側方)の側面部が当該左側方(一側方)に向かって滑らかな凸形状の針ぶれ規制面31aとして形成されている。そのため、位置ぶれ(針ぶれ)を起こしそうになって下降してくる針19をルーパ22のブレード部27の方向へ適切にガイドできる。また、本来は形成されてはいけない針19の右側方(他側方)に形成されつつある上糸20のループ20aを適切に押し戻して、針19の左側方(一側方)における適切なループ20aの形成に貢献できる。
【0034】
(5)また、本実施形態では、ブレード部27の左側方(一側方)斜め下方に当該ブレード部27と略平行に第1アーム30を設け、当該第1アーム30が針19の上昇開始時には、当該針19の左側方(一側方)に形成される上糸20のループ20aの適切な形成を支援するようにした。即ち、当該第1アーム30の前端部分のブレード部27と対向する右側方(他側方)の側面部が右斜め上方に向けて滑らかな凸形状をなすループ形成支援面30aとされており、当該支援面30aが上糸20のループ20aを下側から持ち上げるように当接して当該ループの広がり形成を支援するようにした。従って、針19の左側方(一側方)におけるルーパ22のブレード部27による上糸20のループ20aの捕捉を確実に行うことができる。
【0035】
(6)また、本実施形態では、ネジ穴40内の押しネジ42を螺退させることにより、ルーパ本体24における基部26の支持穴41に挿入支持された第1アーム30及び第2アーム31のルーパ22のブレード部27に対する相対的位置関係を微調整することができる。
【0036】
なお、上記実施形態は以下のような別例に変更して具体化してもよい。
○ 上記実施形態では、ルーパ22にループ形成支援部材としての第1アーム30を設けたが、この第1アーム30は省略してもよい。
【0037】
○ 上記実施形態では、第1アーム30の屈曲された前端部分の右側方(他側方)の側面部にループ形成支援面30aを形成したが、第1アーム30全体を略直線状をなす丸棒材により構成し、当該丸棒材の外周面をループ形成支援面として機能させてもよい。
【0038】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31の左側方(一側方)の側面部が滑らかな凸形状となるように形成されていたが、ブレード部27との間に針19の径と略等しい隙間を隔てて配置されるものならば、その側面部は斜面であっても又は垂直面であってもよい。
【0039】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31の前端部分が下方へ鈍角に曲げ形成されていたが、前端まで真っ直ぐに延びた直線状をなすものであってもよい。
【0040】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31が丸棒材からなり、当該丸棒材の先端部が前方へ突出するように片持ち支持された構成となっていたが、当該丸棒材は先端部及び基端部が共にルーパ本体24の基部26に支持され、その途中の折曲部分が前方へ突出するものであってもよい。
【0041】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31をルーパ22のブレード部27と略平行をなすように設けたが、必ずしも略平行でなくてよい。即ち、ブレード部27とは異なる例えばV字状やW字状の形状をしたものであってもよい。
【0042】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31は、その前端がルーパ22のブレード部27の前端よりも前方へ突出していたが、第2アーム31の前端はブレード部27の前端と前後方向で同じ位置にあってもよい。また、第2アーム31は、針19の下死点位置近傍での往復移動時に当該針19の右側方(他側方)に殆ど擦れ合うように位置しているならば、ブレード部27の前端よりも第2アーム31の前端は後方に位置していてもよい。
【0043】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31は、ブレード部27の右側方(他側方)斜め下方に位置していたが、ブレード部27と略同じ高さ位置にあってもよい。又は、ブレード部27の右側方(他側方)斜め上方に位置していてもよい。
【0044】
○ 上記実施形態では、針ぶれ規制部材としての第2アーム31は、丸棒材からなる中央部分が右側方(他側方)へ少しだけ曲げ形成されていたが、ブレード部27との間に針19の径と略等しい隙間を隔てて配置されるならば、直線状の丸棒材であってもよい。
【0045】
○ 上記実施形態では、縫製機の一種であるキルティングマシン10におけるルーパ22に具体化したが、他の縫製機としてのミシン等におけるルーパに具体化してもよい。
【0046】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ) 前記針ぶれ規制部材は少なくとも前記ブレード部と対向する一側方の側面部が滑らかな凸形状となるように形成されている請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の縫製機におけるルーパ。このように構成すれば、下死点位置への下降途中で位置ぶれを起こしそうな針を適切にブレード部の方向へガイドできると共に、下死点位置から上昇途中の針の他側方で形成されそうになっている上糸のループを針の一側方へ適切に押し戻すことができる。
【0047】
(ロ) 前記ブレード部の一側方斜め下方には、前記針が下死点位置から上死点位置に向けて移動を開始した際に、当該針の一側方に形成される上糸のループに対して下側から持ち上げるように当接して当該ループの広がり形成を支援するループ形成支援部材を備えた請求項1〜請求項3のうち何れか一項又は上記技術的思想(イ)に記載の縫製機におけるルーパ。このように構成すれば、針の一側方で形成される上糸のループを適切に広がり形成させることができる。
【0048】
(ハ) 前記針ぶれ規制部材は、前記ルーパのブレード部に対する相対的位置関係を微調整可能に設けられている請求項1〜請求項3のうち何れか一項又は上記技術的思想(イ)又は(ロ)に記載の縫製機におけるルーパ。このように構成すれば、針の径の違いや針ぶれ規制部材の組み付け誤差等があっても適宜に解消することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、針ぶれ規制と上糸のループ形成を適切に図り、上糸と下糸とを確実に他糸ルーピングさせることで、縫目の目飛びに起因した製品ロスの発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のキルティングマシンの概略構成図。
【図2】(a)はルーパの斜視図、(b)はルーパの一部破断面図。
【図3】(a)はルーパの平面図、(b)はルーパの正面図。
【図4】針が下死点位置にある状態時のルーパ等の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【図5】針が下死点位置から上昇開始状態時のルーパ等の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【図6】針が上死点位置にある状態時のルーパ等の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【図7】針が下死点位置へ降下直前状態時のルーパ等の動作説明図であり、(a)は左側面から見た状態を示す図、(b)は正面から見た状態を示す図。
【符号の説明】
10…縫製機としてのキルティングマシン、11…縫製用生地を構成する中生地、14…縫製用生地を構成する下生地、15…縫製用生地を構成する上生地、18…針板、19…針、20…上糸、20a…上糸のループ、22…ルーパ、27…ブレード部、30…ループ形成支援部材としての第1アーム、30a…ループ形成支援面、31…針ぶれ規制部材としての第2アーム、31a…針ぶれ規制面、C…縫製用生地。
Claims (3)
- 針板よりも上方の上死点位置と針板よりも下方の下死点位置との間で上糸を通して往復移動する針と位置対応するように前記針板よりも下方に配置され、下糸を通したブレード部が前記針の往復移動時に当該針の一側方を前記針の往復移動方向と交差するように進退移動することにより、前記針板上を移動する縫製用生地に対して上糸と下糸とが絡み合った所定の縫目を前記針と協働して形成する縫製機におけるルーパにおいて、
前記ブレード部との間に前記針の径と略等しい隙間を隔てて配置され、前記針が下死点位置近傍を往復移動する際には、当該針の一側方を進退移動するブレード部と共に当該針の他側方を進退移動し、当該針をブレード部と協働して両側から挟み込むようにする針ぶれ規制部材を備えた縫製機におけるルーパ。 - 前記針ぶれ規制部材は、前記ブレード部の他側方斜め下方に設けられている請求項1に記載の縫製機におけるルーパ。
- 前記針ぶれ規制部材は、その進退移動方向における前端がブレード部の前端よりも前方へ突出した構成とされている請求項1又は請求項2に記載の縫製機におけるルーパ。
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2002
- 2002-08-09 JP JP2002232949A patent/JP2004065846A/ja active Pending
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