JP4296560B2 - 二重環縫いミシンの針糸案内装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二重環縫いミシンの針糸案内装置に関するもので、詳しくは、縫製進行方向に対し直交する方向に並設された2本以上の複数本の針がその上下方向往復運動経路の下死点から生地の下部に針糸ループを作りながら上昇していく過程で複数の針糸ループの中へルーパーを順次進入させることにより二重環縫い目を形成するように構成されている二重環縫いミシンの針糸案内装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数本針を備えたこの種の従来の二重環縫いミシンの針糸案内装置の一例として、図7に示す2本針を備えた二重環縫いミシンの針糸案内装置を例示して以下に説明する。この2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置は、縫製進行方向Yに対して直交する方向に並設されて針棒2を介し上下方向Zに往復駆動運動自在に支持された2本の針1R,1L、即ち、右針1Rと左針1Lの上下往復運動に同期連動して矢印u−dで示す上下方向に往復駆動揺動することにより糸調子器4R,4L及び定置針糸道5並びに針糸道案内部材7を経て右針1R,左針1Lへ供給される針糸6R,6Lの繰出しを制御する可動針糸繰り糸道3と、この可動針糸繰り糸道3の先端近傍位置のミシンアーム部(図示省略する)に固定設置され、右針1R,左針1Lが下死点に位置し可動針糸繰り糸道3が下方へ揺動したとき、図8に示すように、該可動針糸繰り糸道3の先端部に形成されている第1の針糸繰り孔3aとそれよりも揺動基端側に形成されている第2の針糸繰り孔3bとの間の針糸部分を下方から受止め支持する針糸受け8とを備えており、この針糸受け8の前方箇所には針糸繰りガード9が設けられている。
【0003】
ここで、上記針糸受け8は図7及び図8で示されているとおり、ミシンアーム部に固定された針糸道案内部材7に長孔11及びネジ12を介して上下高さ位置調整自在に取り付けられる取付板部8aと両針糸6R,6Lを同一平面上に受止め支持するバー状の糸受面8bとにより形成されている。また、図7において、10はルーパーで、ミシンベッド部(図示省略する)内に設けられており、糸調子器4Aを経てルーパー糸10Nが供給され、両針1R,1Lが下死点から上昇していく過程で両針1R,1Lの並設方向の一方から他方に向けて、つまり、図7の右方から左方に向けて前進することにより、後述する2つの針糸ループの中に順次進入するように構成されている。
【0004】
上記のように構成されている従来の2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置による針糸案内作用(動作)について図9〜図11を参照しながら説明する。なお、図9〜図11において、(a)は可動針糸繰り糸道3の先端部と針糸受け8との相対位置関係を説明する図、(b)は針糸受け8による針糸受止め状態を説明する図、(c)は針糸ループの状態を分かりやすく説明するために右針1Rと左針1Lを少しずらせて表示した図、図10,図11において、(d)は右針1Rと左針1Lを縫製進行方向から見た図である。
【0005】
図9に示すように、両針1R,1Lが下死点に位置し、可動針糸繰り糸道3が下方へ揺動している状態にあるとき、右針糸6R,左針糸6Lは可動針糸繰り糸道3の第1の針糸繰り孔3aと第2の針糸繰り孔3bとの間の部分が針糸受け8の糸受面8bにより、図9(c)に示すように、下方から受止め支持されている。
【0006】
この状態から図10(c)に示すように、右針1R,左針1Lが針糸ループ6Rr,6Lrを作りながら上昇するとともに、ルーパー10が前進して、図10(d)に示すように、その先端が右の針糸ループ6Rrの中に進入する。このとき、可動針糸繰り糸道3の上方への揺動に伴い右針糸6R,左針糸6Lは、図10(b)に示すように、針糸受け8の糸受面8bより離れて真っ直ぐ上方へ移動される。
【0007】
続いて、図11(d)に示すように、ルーパー10の先端が左の針糸ループ6Lrの中に進入しルーパー糸10Nが針糸6R,6Lをキャッチする。このときも、右針糸6R,左針糸6Lは、図11(b)に示すように、針糸受け8の糸受面8bより離れて真っ直ぐ上方へ移動される。その後、生地の送り、両針1R,1Lの下降、ルーパー10の復帰といった周知の縫い動作が行われることにより所定の二重環縫い目が形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような複数本針及び針糸案内作用を有する従来の二重環縫いミシンの針糸案内装置においては、ルーパーが複数の針糸ループの中に進入するタイミングにずれがあるために、すなわち、上述した2本針二重環縫いミシンを例にとって説明すると、ルーパーは右針糸ループの中を進入通過した後に左針糸ループに進入するといったように、針糸ループに対する進入タイミングに時間差があるために、その時間差分に対応して左針糸ループが右針糸ループよりも大きくなる。このように針糸ループが大きくなると、その針糸の撚り具合や性質等が原因で針糸ループが図11(c)の矢印方向に倒れたり、重さで下方へ垂れ下がったりしてルーパーの先端がうまく進入できず、その結果、ルーパー糸による針糸の掬いが不完全で目飛びを生じ、所定の二重環縫い目を形成することができないという問題があった。
【0009】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、針糸受けに対し簡単な構造改良を施すことにより複数の針糸ループに対するルーパーの進入ミスを防いで目飛びなどを発生することなく、所定の縫い目を確実に形成することができる二重環縫いミシンの針糸案内装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る二重環縫いミシンの針糸案内装置は、縫製進行方向に対し直交する方向に並設された上下方向に往復運動自在な複数本の針と、これら針が下死点から針糸ループを作りながら上昇していく過程で複数本の針の並設方向の一方から他方に向けて前進して複数の針糸ループの中へ順次進入するルーパーと、ミシンアーム部の外側部に配置され、針の上下往復運動に連動して上下方向に往復駆動揺動することにより糸調子器及び定置針糸道を経て針へ供給される針糸の繰出しを制御する可動針糸繰り糸道と、この可動針糸繰り糸道の先端近傍位置のミシンアーム部に固定設置され、上記針が下死点に位置し可動針糸繰り糸道が下方へ揺動したとき、該可動針糸繰り糸道の先端部に形成されている針糸繰り孔とこの先端針糸繰り孔及び定置針糸道間に掛け渡しされる針糸の途中部分を屈曲案内するように可動針糸繰り糸道の揺動基端側に形成された針糸繰り孔との間の針糸部分を下方から受止め支持する針糸受けとを備えている二重環縫いミシンの針糸案内装置において、上記針糸受けの糸受面近くの位置に、針の下死点からの上昇運動に連動する可動針糸繰り糸道の上方への揺動に伴い、ルーパーの進入が速い側の針に供給される針糸は針糸受けの糸受面から離れて真っ直ぐ上方へ移動される一方、上記ルーパーの進入が遅い側の針へ供給される針糸は上記針糸受けの糸受面の下部傾斜面に当接し、この傾斜面に擦られながら斜め上方へ移動されてその針糸ループへのルーパーの進入直前に針糸に引張り力を付与し、その引張り力付与状態をルーパーが針糸ループに進入するまで維持するようなカム面が設けられており、このカム面は、針糸ループへのルーパーの進入後にも針糸に糸締めのための引張り力を引き続いて付与するような形状に形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
上記構成の本発明によれば、針が下死点から針糸ループを作りながら上昇運動するとき、これに連動する可動針糸繰り糸道の上方への揺動に伴い複数本の針糸のうち、少なくともルーパーの進入が遅い側の針に供給される針糸に対してその針糸ループへのルーパーの進入直前にカム面を介して引張り力を付与することによって、ルーパーの進入が遅い側の針の上昇に伴って作られる針糸ループの大きさがルーパー進入が速い側の針の上昇に伴って作られる針糸ループよりも大きくなり、それが原因で針糸ループが倒れたり、垂れ下がったりすることを抑制することが可能である。これによって、複数の針糸ループへのルーパーの進入ミスがなくなり、目飛び等を発生することなく、所定の二重環縫い目を確実に形成することができる。
しかも、針糸ループへのルーパーの進入後にも前記カム面によって針糸に糸締めのための引張り力を引き続いて付与することになるので、ルーパー糸が針糸ループを掬った後の針糸を緊張させて針糸を糸締めすることができ、生地の伸縮に追随する縫い目を形成することができる。
なお、ルーパーの進入が遅い針(2本針の場合の左針)へ供給される針糸に引張り力を付与するタイミングは、その針糸ループへのルーパーの進入直前、つまり、針が下死点から上昇を開始した時点からルーパーの進入が遅い針糸ループへルーパーの先端が進入するまでの間であればよく、本明細書では、この間をルーパーの進入直前と記載する。
【0012】
上記構成の二重環縫いミシンの針糸案内装置において、針糸に引張り力を付与するためのカム面は、針糸受けと別体に設けてもよいが、請求項2に記載のように、針糸受けの取付板部の折曲げにより針糸受けと一体に形成することにより、部品の統一化、つまり、一部品化が図れてミシンアーム部への取付けが容易になるとともに、引張り力付与タイミングを適正なものとすることができる。
【0013】
また、上記カム面を、請求項3に記載のように、上記針糸受けと別体で針糸に対して付与する引張り力を調整可能であるように上下に移動固定自在に構成することにより、針糸の撚り具合や糸材の性質等に応じて引張り力を適切に調整し、どのような針糸を使用する場合でも所定の機能を正常確実に発揮させることができる。
【0014】
【0015】
また、本発明は、複数本針を備えた二重環縫いミシンに最も有効であるが、二重環縫い目に上飾り糸を縫い込む複数本針を備えた偏平縫いミシンにも適用可能であることはもちろんである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明を適用した2本針二重環縫いミシン全体の一部切欠き正面図、図2は図1の要部の拡大正面図であり、これら各図において、21はミシンアーム部で、その先端部21Aには上下の軸受(図示省略する)を介して針棒2が上下方向に往復運動可能に支持されていると共に、該針棒2に隣接させて生地押え機構(周知であるため、詳細な説明は省略する)が設けられている。上記針棒2の下端部には針止め22を介して2本の針、すなわち、右針1Rと左針1Lが取り付けられているとともに、上記ミシンアーム部21の基端部の下部から該ミシンアーム部21に対して平行状態で左側方へ向けて延設されたミシンベッド部23の先端部には針板、押え機構、ルーパー10や送り機構等の縫いを構成する部品(周知であるため、詳細な説明は省略する)が収容されており、このミシンベッド部23と上記ミシンアーム部21とにより二重環縫いミシンのミシンフレーム24が構成されている。
【0017】
上記2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置として、ミシンフレーム24には、基本的に図7及び図8と同様な構成のものが配備されている。代表的な構成としては、糸調子器4R,4L,4Aと、定置針糸道5と、針糸道案内部材7と、針糸6R,6Lの繰り出しを制御するように右針1R,左針1Lの上下往復運動に同期連動して上下方向に往復駆動揺動する可動針糸繰り糸道3と、該可動針糸繰り糸道3の先端部側に形成されている第1の針糸繰り孔3aと揺動基端側に形成されている第2の針糸繰り孔3bとの間の針糸部分を下方から受止め支持する針糸受け8とを備えており、これらの配置及び機能は図8で示したものと同一であるため、該当部分に同一の符号を付してそれらの詳しい説明を省略する。
【0018】
上記の構成以外に、定置針糸道5にはここを通過する針糸6R,6Lに潤滑油を塗布することで合成繊維の縫糸や生地を使用する場合の糸切れや目飛び等のトラブルの発生を防止する針糸給油装置14が装備されている。また、上記可動針糸繰り糸道3は、図2に明示しているように、駆動主軸(図示省略する)に連動されて上記ミシンフレーム24におけるミシンアーム部21の外側部に露出された針糸繰り軸15の正逆往復回転により針糸繰り台16を介して矢印u−dで示す上下方向に往復駆動揺動自在に構成されている。
【0019】
上記構成の2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置における針糸受け8は、図2及び図3で示されているとおり、ミシンアーム部21に固定された針糸道案内部材7に長孔11及びネジ12を介して上下高さ位置調整自在に取り付けられる取付板部8aと両針糸6R,6Lを同一平面上に受止め支持するバー状の糸受面8bとにより形成されているとともに、その糸受面8b近くの位置には、可動針糸繰り糸道3の上方への揺動に伴い糸受面8bに受止め支持されている右針糸6R,左針糸6Lのうち、ルーパー10の進入が遅い左針糸6Lに対してそれの針糸ループ6Lrへのルーパー10の進入直前に引張り力を付与することが可能なカム面8cが取付板部8aの折曲げにより一体に形成されている。
【0020】
次に、上記のような構成を有する2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置による針糸案内作用(動作)について図4〜図6を参照しながら説明する。なお、図4〜図6は、従来の針糸案内装置による針糸案内作用を説明する図9〜図11にそれぞれ対応しており、各図において、(a)は可動針糸繰り糸道3の先端部と針糸受け8との相対位置関係を説明する図、(b)は針糸受け8による針糸受止め状態を説明する図、(c)は針糸ループの状態を分かりやすく説明するために右針1Rと左針1Lを少しずらせて表示した図、図5及び図6(d)は右針1R,左針1Lを縫製進行方向から見た図である。
【0021】
図4に示すように、両針1R,1Lが下死点に位置し、可動針糸繰り糸道3が下方へ揺動している状態にあるとき、右針糸6R,左針糸6Lは可動針糸繰り糸道3の第1の針糸繰り孔3aと第2の針糸繰り孔3bとの間の部分が図4(b)に示すように、針糸受け8の糸受面8bにより下方から受止め支持されている。
【0022】
この状態から図5(c)に示すように、両針1R,1Lが針糸ループ6Rr,6Lrを作りながら上昇するとともに、ルーパー10が前進してその先端が右の針糸ループ6Rrの中に進入する。このとき、可動針糸繰り糸道3の上方への揺動に伴い右針糸6R,左針糸6Lは同時に持ち上げられて図5(b)に示すように、針糸受け8の糸受面8bより離れて右針糸6Rは真っ直ぐ上方へ移動される一方、左針糸6Lはカム面8cの下部傾斜面8c1に当接し、この傾斜面8c1に擦られながら右斜め上方へ移動され、これによって、左針1Lに係合されている左針糸6Lに引張り力が付与されることになり、その左の針糸ループ6Lrが大きくなることが抑制される。
【0023】
続いて、図6(d)に示すように、ルーパー10の先端が左の針糸ループ6Lrの中に進入する。このとき、左針糸6Lは、図6(b)に示すように、カム面8cの頂部張出面8c2に当接して引張られており、その針糸ループ6Lrが一定大きさに保たれて倒れや垂れ下がりを生じないために、ルーパー10の先端は左の針糸ループ6Lrの中に確実に進入することになり、これによって、ルーパー糸10Nが右針糸6R,左針糸6Lを確実にキャッチし、その後、生地の送り、両針1R,1Lの下降、ルーパー10の復帰といった周知の縫い動作が行われることにより所定の二重環縫い目が形成される。
【0024】
そして、両針1R,1Lの上昇に伴う可動針糸繰り糸道3の上方への揺動時にも左針糸6Lは上下方向に直線状の頂部張出面8c2に沿って移動することになり、左の針糸ループ6Lrへのルーパー10の進入後にも引き続いて左針糸6Lには引張り力が付与されて糸締めが施されるために、伸縮性のある生地を縫製対象とする場合でも、生地の伸縮などに追随させて所定の二重環縫い目を確実に形成することが可能である。
【0025】
また、両針1R,1Lの上昇に伴い可動針糸繰り糸道3がそれの揺動上死点に達した後、下方へ揺動を開始したとき、左針糸6Lは上記カム面8cの上部傾斜面8c3に擦れながら頂部張出面8c2に向かって下降移動し、ルーパー10の腹部に褂かっている左針糸6Lに引張りを付与して縫い目の背の三角形を安定させ、目飛びの発生を防止することが可能である。
【0026】
なお、上記実施の形態では、カム面8cを針糸受け8と一体に形成して部品の絖一化を図ったものにりいて説明したが、カム面8cを針糸受け8と別体に設けてもよい。また、カム面8cを、例えば図4のx方向に移動固定自在にして左針糸6Lに対して付与する引張り力を調整可能に構成してもよく、この左針糸6Lの撚り具合や糸材の性質等に応じて適切な引張り力に調整して用いることで、どのような針糸を使用する場合でも所定の機能を正常確実に発揮させることができる。
【0027】
また、上記実施の形態では、2本針を備えた二重環縫いミシンに適用したが、3本以上の針を備えた二重環縫いミシンでも、あるいは、二重環縫い目に上飾り糸を縫い込む複数本針を備えた偏平縫いミシンに適用しても同様な効果を奏することができるのはもちろんである。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、針糸受けの糸受面に受止め支持される複数本の針糸のうち、少なくともルーパーの進入が最も遅い側の針に供給される針糸に対してその針糸ループへのルーパーの進入直前に引張り力を付与するカム面を設けるといった簡単な構造改良を施すだけで、ルーパーの進入が遅い側の針に対応する針糸ループが大きくなり、それが原因で針糸ループが倒れたり、垂れ下がったりすることを抑制することができるので、複数の針糸ループへのルーパーの進入ミスによる目飛び等の発生を無くして、所定の二重環縫い目を確実に形成し縫製品質の向上を達成することができる。しかも、ルーパー糸が針糸ループを掬った後の針糸を緊張させて針糸を糸締めすることができ、生地の伸縮に追随する縫い目を形成することができるという効果を奏する。
【0029】
また、請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加えて、部品の統一化、つまり、一部品化を図れミシンアーム部への取付けを容易にするとともに、引張り力付与タイミングを適正なものとすることができる。
【0030】
また、請求項3に記載の発明によれば、針糸の撚り具合や糸材の性質等にかかわらず、所定の機能を正常確実に発揮させることができる。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した2本針二重環縫いミシンの一部切欠き正面図である。
【図2】 図1の要部の拡大正面図である。
【図3】 同上2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置の要部の斜視図である。
【図4】 同上2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置による針糸案内作用(動作)の第1状態を示す説明図であり、(a)は可動針糸繰り糸道の先端部と針糸受けとの相対位置関係を説明する図、(b)は針糸受けによる針糸受止め状態を説明する図、(c)は針糸ループの状態を分かりやすく説明するために右針と左針を少しずらせて表示した図である。
【図5】 同上2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置による針糸案内作用(動作)の第2状態を示す説明図であり、(a)は可動針糸繰り糸道の先端部と針糸受けとの相対位置関係を説明する図、(b)は針糸受けによる針糸受止め状態を説明する図、(c)は針糸ループの状態を分かりやすく説明するために右針と左針を少しずらせて表示した図、(d)は右針,左針を縫製進行方向から見た図である。
【図6】 同上2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置による針糸案内作用(動作)の第3状態を示す説明図であり、(a)は可動針糸繰り糸道の先端部と針糸受けとの相対位置関係を説明する図、(b)は針糸受けによる針糸受止め状態を説明する図、(c)は針糸ループの状態を分かりやすく説明するために右針と左針を少しずらせて表示した図、(d)は右針,左針を縫製進行方向から見た図である。
【図7】 従来の2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置を例示する斜視図である。
【図8】 同上従来の2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置の要部の斜視図である。
【図9】 同上2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置による針糸案内作用(動作)の第1状態を示す説明図であり、(a)は可動針糸繰り糸道の先端部と針糸受けとの相対位置関係を説明する図、(b)は針糸受けによる針糸受止め状態を説明する図、(c)は針糸ループの状態を分かりやすく説明するために右針と左針を少しずらせて表示した図である。
【図10】 同上2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置による針糸案内作用(動作)の第2状態を示す説明図であり、(a)は可動針糸繰り糸道の先端部と針糸受けとの相対位置関係を説明する図、(b)は針糸受けによる針糸受止め状態を説明する図、(c)は針糸ループの状態を分かりやすく説明するために右針と左針を少しずらせて表示した図、(d)は右針,左針を縫製進行方向から見た図である。
【図11】 同上2本針二重環縫いミシンの針糸案内装置による針糸案内作用(動作)の第3状態を示す説明図であり、(a)は可動針糸繰り糸道の先端部と針糸受けとの相対位置関係を説明する図、(b)は針糸受けによる針糸受止め状態を説明する図、(c)は針糸ループの状態を分かりやすく説明するために右針と左針を少しずらせて表示した図、(d)は右針,左針を縫製進行方向から見た図である。
【符号の説明】
1R 右針
1L 左針
3 可動針糸繰り糸道
3a 第1の針糸繰り孔3a
3b 第2の針糸繰り孔3b
4R,4L,4A 糸調子器
5 定置針糸道
6R 右針糸
6Rr 右の針糸ループ
6L 左針糸
6Lr 左の針糸ループ
8 針糸受け
8a 取付板部
8b 糸受面
8c カム面
8c1 下部傾斜面
10 ルーパー
Claims (3)
- 縫製進行方向に対し直交する方向に並設された上下方向に往復運動自在な複数本の針と、これら針が下死点から針糸ループを作りながら上昇していく過程で複数本の針の並設方向の一方から他方に向けて前進して複数の針糸ループの中へ順次進入するルーパーと、ミシンアーム部の外側部に配置され、針の上下往復運動に連動して上下方向に往復駆動揺動することにより糸調子器及び定置針糸道を経て針へ供給される針糸の繰出しを制御する可動針糸繰り糸道と、この可動針糸繰り糸道の先端近傍位置のミシンアーム部に固定設置され、上記針が下死点に位置し可動針糸繰り糸道が下方へ揺動したとき、該可動針糸繰り糸道の先端部に形成されている針糸繰り孔とこの先端針糸繰り孔及び定置針糸道間に掛け渡しされる針糸の途中部分を屈曲案内するように可動針糸繰り糸道の揺動基端側に形成された針糸繰り孔との間の針糸部分を下方から受止め支持する針糸受けとを備えている二重環縫いミシンの針糸案内装置において、
上記針糸受けの糸受面近くの位置に、針の下死点からの上昇運動に連動する可動針糸繰り糸道の上方への揺動に伴い、ルーパーの進入が速い側の針に供給される針糸は針糸受けの糸受面から離れて真っ直ぐ上方へ移動される一方、上記ルーパーの進入が遅い側の針へ供給される針糸は上記針糸受けの糸受面の下部傾斜面に当接し、この傾斜面に擦られながら斜め上方へ移動されてその針糸ループへのルーパーの進入直前に針糸に引張り力を付与し、その引張り力付与状態をルーパーが針糸ループに進入するまで維持するようなカム面が設けられており、このカム面は、針糸ループへのルーパーの進入後にも針糸に糸締めのための引張り力を引き続いて付与するような形状に形成されていることを特徴とする二重環縫いミシンの針糸案内装置。 - 上記カム面が、針糸受けの取付板部の折曲げにより針糸受けと一体に形成されている請求項1に記載の二重環縫いミシンの針糸案内装置。
- 上記カム面は、上記針糸受けと別体で針糸に対して付与する引張り力を調整可能であるように上下に移動固定自在に構成されている請求項1または2に記載の二重環縫いミシンの針糸案内装置。
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