JP2008178455A - ミシンの糸切断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】上糸と下糸の太さによらず、切断後に釜側に残る下糸端部を安定して保持する。
【解決手段】糸切り機構30は、水平釜11の近傍に設けられた固定メス32と、鉤状部31を有し、固定メス32の下方で針穴22と水平釜11との間を進退移動することにより針穴22と水平釜11との間に渡る上糸T1及び下糸T2を捕捉し、該捕捉した上糸T1及び下糸T2を固定メス32との協働により切断する動メス31と、切断後、ミシン100側に残る上糸T1と下糸T2とを動メス31との間で保持するクランプ板37と、クランプ板37における水平釜11寄りの部位を動メス31側に押圧する線ばね38と、この線ばね38による動メス31への押圧力を調節する線ばね土台39,39とを備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、ミシンの糸切断装置に関し、特に、水平釜と縫い針とで縫いを行うミシンの糸切断装置に関する。
従来、針板の下方で回転する水平釜(釜)と、針板を通過して往復上下動を行う縫い針(針)との協働で縫い目を形成するミシンに設けられた糸切断装置にあっては、水平釜の近傍に設けられた固定刃と、糸捕捉部を有し固定刃の下方で往復進退移動を行う可動刃で捕捉した上糸と下糸を、該可動刃と固定刃との協働により切断した後、釜側に残る下糸の切断端部を、次回縫製の際に上糸と円滑に絡ませて縫い目を形成することができるように、釜付近で保持するようになっている。
ところで、ミシンの縫製に用いられる上糸と下糸とは、常に同じ太さの糸が用いられるとは限らず、例えば、下糸が巻かれたボビンの交換頻度を少なくする目的で、限られた容積のボビンに巻装される下糸の長さをなるべく長く確保するために細い糸を使用するなど、結果として上糸に比べて細い下糸が用いられることがある。
このように上糸と下糸の太さが異なる場合であっても、次回縫製の際に上糸と下糸とを絡ませて円滑に縫い目を形成するためには、少なくとも切断後に釜側に残る下糸の切断端部を確実に保持しておくことが好ましい。一方、切断後に針側に残る上糸の切断端部は、縫製後に被縫製物たる布を取り出す際の妨げとならぬように、切断後に糸払い用のワイパーなどで速やかに布の上方に引き抜く必要がある。従って、針側に残る上糸の切断端部は、なるべく弱い力で保持されるか、若しくは、保持されないことが好ましいとされている。
ここで、この種の水平釜と縫い針とで縫いを行うミシンの糸切断装置においては、可動刃が、針板や送り歯に設けられた針穴と釜の下糸出口との間を通過して上糸と下糸を捕捉するため、該可動刃に対する上糸と下糸の配置は、それぞれ釜側に下糸、針穴側に上糸という具合に、自ずと一方に定まるようになっている。
かかる状況に鑑みて、板状のばね材からなる下糸保持体との対向面である可動刃の下面側に、上糸側と下糸側とで凹凸の段差を設け、主に下糸を保持する構成としたミシンの糸切断装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭60−220096号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されるミシンの糸切断装置では、可動刃の下面に、相対的に下糸側が凸となるように形成された凹凸は、可動刃を交換することなくその段差を調節することができないため、下糸と上糸の太さに応じて下糸の保持力を調節することができないという問題があった。このため、下糸と上糸との太さの差が当該凹凸の段差よりも大きい場合、下糸側の可動刃と下糸保持体との間に隙間が生じることとなり、下糸を確実に保持できない虞がある。このため、いわゆるクランプ不良を生じる虞があった。そして、このクランプ不良により、次回縫製の際に上糸と下糸とが円滑に絡まずに縫い目が形成されないいわゆる目飛びが発生するという問題が生じる。
本発明は、上糸と下糸の太さによらず、切断後に釜側に残る下糸端部を安定して保持できるミシンの糸切断装置を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、水平釜の近傍に設けられた固定刃と、糸捕捉部を有し、前記固定刃の下方で針穴と前記水平釜との間を進退移動することにより前記針穴と水平釜との間に渡る上糸及び下糸を捕捉し、該捕捉した上糸及び下糸を前記固定刃との協働により切断する可動刃と、切断後、ミシン側に残る上糸と下糸とを前記可動刃との間で保持するクランプ板と、を有し、縫い針と前記水平釜との協働により縫い目を形成するミシンの糸切断装置において、前記クランプ板における前記水平釜寄りの部位を前記可動刃側に押圧する押圧手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記押圧手段による可動刃への押圧力を調節する押圧力調節手段を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記押圧手段は、前記クランプ板における前記水平釜寄りの部位を前記可動刃側に押圧する線ばねであることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項記載の発明において、前記クランプ板は、その先端が前記上糸を保持する針穴側と下糸を保持する水平釜側とに分割するように切り欠かれていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、クランプ板における水平釜寄りの部位が押圧手段によって可動刃側に押圧される。すなわち、針穴と水平釜との間を進退移動する可動刃により捕捉され、該可動刃と固定刃との協働によって切断された後、該可動刃とクランプ板とで保持される上糸及び下糸のうち、水平釜から繰り出されるため水平釜寄りの位置に保持される下糸が、可動刃とクランプ板との間においてより強い押圧力で挟持されることとなる。これにより、上糸には強い挟持力を付与することなく下糸のみを強い力で挟持することができる。従って、切断後に被縫製物の上方に上糸を引き抜く糸払い動作を妨げることなく、下糸を保持するクランプ動作の確実性を向上することができるため、下糸のクランプ不良を防止することができる。その結果、次回縫製時における目飛びの発生を効果的に防止することができ、美しい縫い目を形成することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる他、特に、押圧力調節手段を備えることにより、押圧手段によってクランプ板の水平釜寄りの部位に付与される押圧力を増減可能に調節することができる。これにより、上糸や下糸の太さに応じて適切な押圧力で下糸を保持することができる。
また、クランプ板は、押圧力調節手段によって当該クランプ板における水平釜側の端部ほど可動刃側に強く押圧することができるため、例えば、下糸に比べて上糸が大幅に太い場合であっても、下糸が保持される水平釜寄りの部位を可動刃側に強く押圧することで、クランプ板における該水平釜寄りの端部を少なくとも可動刃とクランプ板との間から下糸が落下しない程度に強く押圧することで、該下糸の落下を防止して確実に下糸を保持することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明と同様の効果を得ることができる他、特に、クランプ板における水平釜寄りの部位を可動刃側に押圧する線ばねからなる押圧手段を備えることにより、クランプばねにおける水平釜側の部位のうちでも、特に押圧力を付与したい部位に対して集中的に押圧力を付与することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1から請求項3の何れか一項記載の発明と同様の効果を得ることができる他、特に、先端が上糸を保持する針穴側と下糸を保持する水平釜側とに分割するように切り欠かれていることにより、該クランプばねの先端が連続して一体に形成されている場合に比べて下糸と上糸とに付与する押圧力(保持力)に容易に差をつけることができる。従って、上糸に付与する押圧力を増加しないまま、或いは、上糸を保持することなく下糸にのみ強い保持力を付与することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1から図7に基づき詳しく説明する。
本実施形態では、ミシンの糸切断装置として二本針本縫針送りミシンに搭載される糸切り機構を例に説明する。
二本針本縫針送りミシンは、例えば、送り動作に伴う被縫製物たる布地のずれを防止するために、二本の縫い針の針落ちと針送り機構及び送り機構とを同調させることで、針落ちと布送りとを同時に行うミシンである。
ここで、以下の説明において、布送り方向(図1おける矢印F)に沿う方向をX軸方向(前後方向)、X軸方向と直交する図示しないミシンアーム部の長手方向をY軸方向(左右方向)、X軸方向とY軸方向の両方に直交する方向をZ軸方向(上下方向)と定義する。また、左右一対の部材は、番号に続いて、左側をL、右側をRとする。
(実施の形態の全体構成)
まず、本実施形態たる糸切り機構30R,30Lを搭載する二本針本縫いミシン100の全体構成について説明する。
二本針本縫い針送りミシン100(以下、単にミシン100とする)は、主軸(上軸)と連動して二本の縫い針に上下動を付与する針上下動機構(図示略)と、各縫い針を布送り方向に沿って揺動させる針送り機構(図示略)と、各縫い針と個別に協働して縫い目を形成する左右一対の釜機構10L,10Rと、図示しないミシンベッド部上に載置される布地に対して布送り方向に沿う搬送力を付与する送り機構と、縫製後に上糸T1及び下糸T2を切断する左右一対の糸切り機構30L,30Rとを備えている(図1参照)。
(針上下動機構)
図示しない針上下動機構は、二本針を構成する左右の縫い針と、各縫い針を下端部に保持する左右の針棒と、各針棒をその長手方向に沿って滑動可能に支持する支持枠と、各針棒をY軸方向に沿って並べて保持する針棒抱きとを備えている。そして、図示しないミシンモータの駆動により主軸(図示略)に全回転の回転駆動力が付与されると、当該主軸の一端に設けられた図示しない回転錘及びクランクロッドを介して各針棒にほぼZ軸方向に沿う往復移動成分が伝達され、各縫い針がその長手方向に沿って往復移動されて針落ちが行われる。
(針送り機構)
図示しない針送り機構は、上記二本の縫い針を支持する支持枠をY軸方向回りに揺動可能に支持する針送り揺動軸を備えている。そして、図示しないミシンモータによって駆動される主軸から下軸及び水平送り軸を介して針送り揺動軸に回動力が伝達されて、上述した針上下動機構による針落ちのタイミングに同期して針送り動作を行うようになっている。
(布送り機構)
図示しない布送り機構は、ミシンベッド部(図示略)の針板の下方側で長円運動を行うと共にその長円運動の上死点近傍において、針板に形成された開口部から当該針板の上方に出没して布地に搬送力を付与する送り歯21と、該送り歯21に対して布送り方向に沿う長円運動を付与する図示しない周知の伝達機構とを備えている。
送り歯21には、布送り方向と直交する方向(Y軸方向)に並んで左右二つの針穴22L,22Rが形成されている。
また、本実施形態における布送り機構は、周知の送り量調節機構(図示省略)により、当該布送り機構による一回ごとの送り動作における布送り量すなわち送りピッチを調節することができるようになっている。
そして、ミシン100には、上述した針上下動機構、針送り機構及び布送り機構が互いに協働することで、縫製中の布地を貫通した左右二本の縫い針が、上述した送り歯21の針穴22L,22Rを通って針落ちを行った状態で送り歯21が布送り方向の上流から下流に移動して布地を送る、いわゆる針送り機構が構成されている。この針送り機構は、例えば、厚手の布地を適正に送ったり、或いは上下に重ね合わせた布地のずれを防止したりしながら縫製を行うためのものである。
(釜機構)
釜機構10L,10Rは、ミシンベッド部内に配設されており、図1に示すように、各縫い針に個別に対応する左右二つの水平釜11L,11Rと、各水平釜11L,11Rの回転軸に設けられた図示しない釜歯車と、下軸に固定装備されて各釜歯車に個別に回転駆動力を付与する図示しない伝達歯車とを備えている。
各水平釜11L,11Rは、ミシンベッド部下方の針落ち位置近傍にそれぞれ配置され、布送り方向と直交する左右方向に沿って並設されている。また、各水平釜11L,11Rは、各縫い針から個別に縫い糸Tを捕捉してそれぞれループの形成を行う剣先12La、12Raを備えて回転する外釜12L,12Rと、各外釜12L,12Rに内嵌された内釜13L,13Rとを備えている。
外釜12L,12Rは、釜軸により回転駆動力が付与されて回転するようになっており、本実施形態における外釜12L,12Rは、それぞれの同じ方向である平面視時計回りの回転を行うようになっている。そして、外釜12L,12Rの回転による剣先12La,12Raの通過軌跡が、ちょうど、各縫い針の針落ち位置の脇をそれぞれ通過するようになっている。
内釜13L,13Rは、一端がミシンベッド部に固定された内釜押さえの他端部と係合されることで軸周り方向の回転が規制されている。
また、内釜13L,13Rの内部には、下糸を供給するボビンを収納するボビンケースが設けられている。さらに、この内釜13L,13R及び上述した外釜12L,12Rの側壁には、下糸が繰り出される開口部である下糸出口12Lb,12Rbがそれぞれ形成されている。
そして、ミシンモータにより下軸が回転駆動されると、伝達歯車を介して釜歯車に回転駆動力が伝達され、さらに、釜軸を介して外釜12L,12Rがそれぞれ回転されるようになっている。また、各水平釜11L,11Rは、縫い針の先端部が針板の下側まで下降したときに、縫い針から縫い糸Tを捕捉した状態で回転することで縫い糸のループに内釜13L,13Rをくぐらせて下糸を挿通させ、縫い糸Tと下糸とを絡ませる作業を行う。
このように、縫い針と水平釜11L,11Rとの協働により縫いが行われる。
(糸切り機構)
ここで、本実施形態たる糸切り機構30の構成について詳しく説明する。
糸切り機構30L,30Rは、水平釜11L,11Rの近傍に設けられた固定刃たる固定メス32L、32Rと、糸捕捉部としての鉤状部31La,31Raを有し、固定メス32L、32Rの下方で針穴22L、22Rと水平釜11L、11Rとの間を進退移動することにより針穴22L、22Rと水平釜11L、11Rとの間に渡る上糸T1及び下糸T2を捕捉し、該捕捉した上糸T1及び下糸T2を固定メス32L、32Rとの協働により切断する可動刃たる動メス31L、31Rと、切断後、ミシン100側に残る上糸T1と下糸T2とを動メス31L、31Rとの間で保持するクランプ板37,37と、クランプ板37,37における水平釜11L、11R寄りの部位を動メス31L、31R側に押圧する押圧手段としての線ばね38,38と、この線ばね38,38による動メス31L、31Rへの押圧力を調節する押圧力調節手段としての線ばね土台39,39と、を備えている。
固定メス32L,32Rは、上記各水平釜11L,11Rの近傍であって後述する動メス31L,31Rの進退移動経路に各々設けられており、各水平釜11L,11Rの釜軸の中間点を中心に点対称に配置されている。つまり、図1に示すように、一方の固定メス32Lは布送り方向の下流側に向けて切刃部が設けられており、他方の固定メス32Rは布送り方向の上流側に向けて切刃部が設けられている。また、各固定メス32L,32Rは、布地に縫着された縫い糸Tの、糸切り後における端部長さを可能な限り短くするために、各縫い針がZ軸方向に沿って垂直に針落ちを行う際に各縫い針の先端に可能な限り近接する位置、即ち、各釜軸の中心を結ぶ線分に切刃部が近接するようにそれぞれ配設されている。
動メス31L,31Rは、各水平釜11L,11Rの釜軸の中間点を中心に点対称に配置されており、各動メス31L,31Rの一端(先端)には、フック状の鉤状部31La,31Raがそれぞれ形成されている。
この鉤状部31La,31Raは、動メス31L,31Rが前進したのち後退する際に縫い糸Tを捕捉することができるように、先端側が動メス31L,31Rの後退方向に向かって尖鋭に形成されている。また、動メス31L,31Rの前進方向先端部31Lc,31Rcは、縫い糸Tの捌き部として前方に向かって先鋭に形成され、上述した水平釜11L,11Rの剣先12La,12Raに捕捉されてループ状に拡げられた上糸T1の間にそれぞれ容易に突入可能な形状となっている。
鉤状部31La,31Raは、動メス31L,31Rが布送り方向に沿って後退方向Xbに移動する際に、送り歯21の針穴22L,22Rと水平釜11L,11Rの下糸出口12Lb,12Rbとの間の縫い糸Tを捕捉すると共に、動メス31L,31Rの後退移動に伴いその縫い糸Tを当該動メス31L,31Rの基端部側に位置する固定メス32L,32Rに導くためのものである。
鉤状部31La,31Raの内側の縁部には切刃部31Lb,31Lbが設けられており、各動メス31L,31Rが後退移動を行う際に上述した固定メス32L,32Rの切刃部と共にそれぞれ縫い糸Tを切断するようになっている。
各動メス31L,31Rの他端には、それぞれ上面に凸部33La,31Raを有するスライダー33L,33Rが連結されており、各スライダー33L,33Rは、布送り方向に沿うガイド溝34L,34Rに滑動自在に嵌合されている。これにより、各動メス31L,31Rは布送り方向(X軸方向)に沿って前後にスライド移動可能となっている。
凸部33La,33Raは、当該凸部33La,33Raを介して動メス31L,31Rに前後方向に移動するための駆動力を付与する揺動腕35L,35Rの一端側に形成された溝部35La,35Ra内に摺動自在に係合されている。
揺動腕35L,35Rは、その支点軸36L,36Rを軸に回動自在に設けられている。また、各揺動腕35L,35Rの他端には、図示しない周知の連結リンクの両端がそれぞれ回動自在に連結されている。これにより、各動メス31L,31Rは、連結リンクを介して連動し、互いに同じ方向に回転するようになっている。
そして、図示しない操作ペダルからの糸切り信号が検出されると、連結リンクが駆動され、各揺動腕35L,35Rが同時に同じ方向に回転することにより、各動メス31L,31Rが布送り方向に沿って互いに逆方向に往復動を行う。また、動メス31L,31Rが上糸T1及び下糸T2を捕捉した後は、当該動メス31L,31Rの鉤状部31La,31Raの内側に形成された切刃部31Lb,31Rbと固定メス32L,32Rとの協働により上糸T1及び下糸T2が切断される。
クランプ板37は、図2に示すように、最後退位置に配置された動メス31の下側に配設されている。このクランプ板37は、可撓性を有する板材であって、その上面が、最後退位置に配置された動メス31の下面に当接されるようになっている。かかるクランプ板37は、図2に示すように、ミシンベッドに固定された支持台に基端部が固定されており、先端部には水平釜11寄りに幅広く形成された延設部37aが設けられている(図3参照)。そして、このクランプ板37の先端部は、延設部37aを含めたY軸方向の幅が動メス31の先端部と同程度か僅かに広く形成されている。
線ばね38は、図2及び図3に示すように、ほぼX軸方向に沿うように設けられた細い棒状のばね材であり、その一端である基端部が線ばね土台39(後述する)にねじ固定されている。この線ばね38は、基端部側がクランプ板37の基端部側とほぼ平行に延設されるとともに、長手方向の途中から斜め上方、つまり、クランプ板37に接近するように上方、且つ、該クランプ板37における水平釜11寄りの部位に向けて屈曲されている(図3(a)参照)。そして、線ばね38の先端部(他端)側は、クランプ板37の下面に沿うようにして該クランプ板37の下面に当接されている(図3(b)参照)。
かかる線ばね38は、後述する線ばね土台39が軸39aを中心に回動されることで、クランプ板37先端の下面に当接された当該線ばね38の先端部の高さを上下に調節できるようになっている。つまり、線ばね38は、その先端部でクランプ板37の先端部を上方に押圧することで、該クランプ板37を、そのさらに上方に設けられた動メス31の下面側に向けて押圧するようになっている。
ここで、本実施形態における線ばね38は、図3(a)に示すように、クランプ板37の先端部における水平釜11寄りの端縁に沿って該クランプ板37の下面を上方に向けて押圧するため、例えば、図6に示すように、クランプ板37における片側の端縁、すなわち、水平釜11に近接する延設部37a(図3参照)側の端縁にのみ上方に向かう押圧力を作用させるようになっている。つまり、本実施形態では、この線ばね38が押圧手段を構成している。そして、この押圧力は、後述する線ばね土台39を軸39a中心に回動させることで大小調節することができるようになっている。
線ばね土台39は、Y軸方向に沿う軸39aに一体的に取り付けられており、図2に示すように、ミシンベッド内に固定された支持台に該軸39aを中心として回動可能に取り付けられている。この線ばね土台39は、所定位置において軸39aをねじ39bで固定することにより、軸39aを中心として所望の傾斜角度に位置決め可能になっている。つまり、この線ばね土台39とねじ39bとにより、本実施形態の押圧力調節手段が構成されている。また、線ばね土台39の上部には、線ばね38の基端部がねじ固定されている。
(二本針針送りミシンの糸切り動作)
次に、本実施形態たる糸切り機構30L、30Rの動作説明を行う。
まず、糸切り動作について説明すると、糸切り動作は、縫製動作の最終針における針落ち及び布送り動作の終了後に行われる。すなわち、針送り機構を備えるミシン100では、二本の縫い針がそれぞれ針落ちを行い、送り歯21の針穴22L,22Rに各縫い針の先端が挿通された状態で、送り機構と針送り機構とが協働することにより、各縫い針の先端が布地の下方側に貫通した状態のまま送り歯21が下流側に移動する。そして、かかる送り動作の終点近傍に接近するにつれて各縫い針は針上下動機構によって上昇され、当該各縫い針の先端が布地から引き抜かれる。また、各縫い針が引き抜かれた後には、各縫い針の先端に挿通された上糸T1が送り歯21の針穴22L,22Rから下方側に垂れ下がった状態となる。
次に、水平釜11L,11Rの回転により外釜12L,12Rの剣先12La,12Raに縫い糸Tが掛けられ、さらに外釜12L,12Rが回転することで、縫い糸Tのループが押し広げられて縫い糸Tの環状部が形成される。
次に、縫製動作の終了に伴ってオペレータにより操作ペダルが踏み込まれると、その糸切り信号が図示しない制御部において検知され、糸切り駆動源が駆動される。これにより、連結リンクが駆動され、当該連結リンクに接続されている各揺動腕35L,35Rが、それぞれ支点軸36L,36Rを中心に回動される。揺動腕35L,35Rが回動されると、溝部35La,35Raに係合された凸部33La,33Raを介して、ガイド溝34L,34Rに係合されたスライダー33L,33Rには当該ガイド溝34L,34Rの形成方向すなわち布送り方向への移動力が付与される。その結果、動メス31L,31Rが駆動されて各動メス31L,31Rの先端部即ち鉤状部31a,31aの先端が上記環状部内に突入する。
そして、図4(a)及び図4(b)に示すように、各動メス31L,31Rが戻り動作を行い布送り方向とは逆方向に移動する際に、鉤状部31Laの爪の先端が送り歯21の針穴22Lと水平釜11Lの下糸出口12Lbとの間に掛け渡された下糸T2と上糸T1とを捕捉する。その後、動メス31L,31Rの切刃部31bと固定メス32L,32Rとによって縫い糸Tの切断が行われる。
ここで、図5に示すように、動メス31の鉤状部31Laで捕捉される上糸T1と下糸T2とは、水平釜11、針穴22及び動メス31の配置により、概ね上糸T1が動メス31Lにおける針穴22L側(図5における右側)に、下糸T2が動メス31Lにおける水平釜11L側(図5における左側)にそれぞれ捕捉される。そして、本実施形態では、クランプ板37の先端部における水平釜11L寄りの下面を線ばね38が上方に押圧しているため、該水平釜11L側の端縁(図5及び図6における左側の端縁)が上方の動メス31L側に強く押圧されることとなる。一方、クランプ板37における上糸T1を保持する側(図5及び図6における右側)の端縁には直接的に上方に向かう押圧力が作用しないため、上糸T1を強く保持することがない。つまり、本実施形態たる糸切り機構30によれば、動メス31によって捕捉された上糸T1及び下糸T2の各々に対する保持力(挟持力)に差をつけて、下糸T2側により強い押圧力すなわち保持力が作用することとなる。従って、図6に示すように、上糸T1に比べて細い下糸T2が使用される場合であっても、動メス31とクランプ板37との間に下糸T2が安定して保持されることとなり、且つ、上糸T1には緩やかな保持力のみが作用することとなる。
(実施形態の効果)
以上のように、本実施形態たる二本針ミシン100によれば、クランプ板37における水平釜11寄りの部位を線ばね38によって動メス31側に押圧することができる。これにより、上糸T1には強い挟持力を付与することなく下糸T2のみを強い力で挟持することができる。従って、切断後に布の上方に上糸T1を引き抜く糸払い動作を妨げることなく、下糸T2を保持するクランプ動作の確実性を向上することができるため、下糸T2のクランプ不良を防止することができる。その結果、次回縫製時における目飛びの発生を効果的に防止することができ、美しい縫い目を形成することができる。
また、角度調節可能な線ばね土台39を備えることにより、線ばね38によってクランプ板37の水平釜11寄りの部位に付与される押圧力を増減させて調節することができる。これにより、上糸T1や下糸T2の太さに応じて適切な押圧力で下糸T2を保持することができる。
また、クランプ板37は、線ばね土台39によって当該クランプ板37における水平釜11側の端部ほど動メス31側に強く押圧することができるため、例えば、下糸T2に比べて上糸T1が大幅に太い場合であっても、下糸T2が保持される水平釜11寄りの部位を動メス31側に強く押圧することで、クランプ板37における該水平釜11寄りの端部を少なくとも動メス31とクランプ板37との間から下糸T2が落しない程度に強く押圧することで、確実に下糸T2を保持することができる。
また、クランプ板37における水平釜11寄りの部位を動メス31側に押圧する線ばね38を備えることにより、クランプ板37における水平釜11側の部位のうちでも、特に押圧力を付与したい部位に対して集中的に押圧力を付与することができる。
(その他)
なお、クランプ板37は、例えば、その先端が図7(a)及び図7(b)に示すように、上糸T1を保持する針穴22側と下糸T2を保持する水平釜11側とに分割するように切り欠かれていてもよい。つまり、クランプ板37を、その幅方向中心線を通って先端側から所定長さ切断してもよい。このようにすれば、クランプ板37の先端が連続して一体に形成されている場合に比べて下糸T2と上糸T1とに付与する押圧力(保持力)に容易に差をつけることができる。従って、上糸T1に付与する押圧力を増加しないまま、或いは、上糸T1を保持することなく下糸T2にのみ強い保持力を付与することができる。
また、線ばね38は、クランプ板37における水平釜11寄りの部位を上方(つまり動メス31側)に押圧できればよく、例えば、図3(a)に示す延設部37aの範囲で当接箇所を左右に適宜設定することができる。
本実施形態たるミシンの糸切り機構の周辺構成を示す平面図である。 本実施形態における押圧手段と押圧力調節手段とを示す概略斜視図である。 本実施形態におけるクランプ板と線ばねとの接触状態を示す概略図である。(a)は平面図、(b)は側面図である。 (a)は本実施形態における糸切り動作の際の縫い糸と動メスとの配置を示す概略図、(b)は本実施形態における糸切り動作の際の縫い糸と動メスとの配置を示す概略図である。 本実施形態における動メスと上糸及び下糸との配置を示す概略図である。 図5におけるX−X断面図である。 本発明を適用したその他の例を示す概略図である。(a)は線ばねの当接部位を示し、(b)は上糸及び下糸とクランプ板との関係を示す。
符号の説明
10L,10R 釜機構
11L,11R 水平釜
12L,12R 外釜
12La,12Ra 剣先
12Lb,12Rb 下糸出口
13L,13R 内釜
21 送り歯
22L,22R 針穴
30L,30R 糸切り機構
31L,31R 動メス(可動刃)
31La,31Ra 鉤状部(糸捕捉部)
31Lb,31Rb 切刃部
32L,32R 固定メス(固定刃)
33L,33R スライダー
33La,33Ra 凸部
34L,34R ガイド溝
35L,35R 揺動腕
35La,35Ra 溝部
36L,36R 支点軸
37 クランプ板
38 線ばね(押圧手段)
39 線ばね土台(押圧力調節手段)
39a 軸
39b ねじ
100 二本針本縫い針送りミシン(ミシン)
F 布送り方向
T1 上糸
T2 下糸

Claims (4)

  1. 水平釜の近傍に設けられた固定刃と、
    糸捕捉部を有し、前記固定刃の下方で針穴と前記水平釜との間を進退移動することにより前記針穴と水平釜との間に渡る上糸及び下糸を捕捉し、該捕捉した上糸及び下糸を前記固定刃との協働により切断する可動刃と、
    切断後、ミシン側に残る上糸と下糸とを前記可動刃との間で保持するクランプ板と、を有し、
    縫い針と前記水平釜との協働により縫い目を形成するミシンの糸切断装置において、
    前記クランプ板における前記水平釜寄りの部位を前記可動刃側に押圧する押圧手段と、を備えることを特徴とするミシンの糸切断装置。
  2. 前記押圧手段による可動刃への押圧力を調節する押圧力調節手段を備えることを特徴とする請求項1記載のミシンの糸切断装置。
  3. 前記押圧手段は、前記クランプ板における前記水平釜寄りの部位を前記可動刃側に押圧する線ばねであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のミシンの糸切断装置。
  4. 前記クランプ板は、その先端が前記上糸を保持する針穴側と下糸を保持する水平釜側とに分割するように切り欠かれていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項記載のミシンの糸切断装置。
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