JP6099378B2 - ボタン付けミシン - Google Patents

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Description

本発明は、糸切り装置を備えるボタン穴かがりミシンに関する。
従来のミシンの糸切り装置は、針板と釜との間に設けられた動メスと、当該動メスとの協働により上糸及び下糸の切断を行う固定メスと、動メスに回動動作を付与するリンク機構と、駆動源となるステッピングモーターとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
動メスは、針板の下側において回動可能に支持されており、針穴の直下を通過するように往復回動可能となっている。固定メスは、針穴の直下近傍に設けられ、前後に往復回動を行う動メスの後退回動時に捕捉した上糸及び下糸を固定メスと動メスの刃先で挟んで切断を行う構造となっている。
リンク機構は、回動可能な動メスを含んで四節リンク機構を構成し、ステッピングモーターの出力により各リンク部材が回動して動メスに回動動作を伝達する。
そして、これらの構成により、縫製終了時に所定のタイミングでステッピングモーターが制御されて上糸及び下糸の切断が行われていた。
実公昭61−40296号公報
縫い品質の向上のためには、糸切り終了後の上糸及び下糸の残端は短くすることが好ましい。そして、上糸及び下糸の残端を短くするためには、針板上方の被縫製物から動メス及び固定メスの切断位置までの距離を短くすることが必須である。
従って、従来の糸切り装置では、針板の下側において、動メス及び固定メスを針板の下面に極力近接した配置とする、固定メスの刃先を前進させる配置として針穴に極力近接させる等の方法が採られていた。
一方、ボタン付けミシンは、針板の上側において布送り板及びボタンつまみ足により被縫製物及びボタンを保持し、複数のボタン穴に所定の順番により縫針が針落ちを行うように水平移動を行いつつ縫製を行う。このため、針板の上面に直接、被縫製物が載置されないことから、針板上方にある被縫製物から針板の下側にある動メス及び固定メスの切断位置までの距離を短くするには限界があり、上糸及び下糸の残端を短くすることが困難となるという問題があった。
本発明は、ボタン縫着縫製後の上糸及び下糸の残端をより短くすることをその目的とする。
本発明は、縫針が挿入される針穴が貫通形成された針板と、前記針板の上側で被縫製物及びボタンを保持する保持部と、前記保持部に保持された被縫製物及びボタンに対して前記縫針による針落ちを行う針上下動機構と、前記針板の下側で前記縫針から上糸を捕捉して下糸を絡める釜機構と、前記上糸及び下糸の切断を行う糸切り装置とを備えるボタン付けミシンにおいて、前記糸切り装置は、前記針板上面において前記針穴を通る前記上糸及び下糸に刃先が接触可能な配置で設けられた糸切りメスの刃先側に寄せる糸捌き機構と、前記糸切りメスの刃先を前記上糸及び下糸に対して遮蔽するメスカバーと、前記糸切りメス又は前記メスカバーに移動動作を付与して前記糸切りメスの遮蔽状態を解除する解除機構とを備えることを特徴とする。
また、発明は、前記糸切りメスは、前記針板上面において前記針穴に隣接する位置に固定され、前記解除機構は、前記メスカバーを前記糸切りメスの刃先よりも前記針穴から離間する方向に後退させることで前記糸切りメスの遮蔽状態を解除することとしても良い。
また、発明は、前記メスカバーは、前記針板上面に固定され、前記解除機構は、前記糸切りメスの刃先を前記メスカバーよりも前記針穴側に前進させることで前記糸切りメスの遮蔽状態を解除することとしても良い。
また、発明は、少なくとも遮蔽状態を解除した状態においては、前記糸切りメスの刃先は前記針穴の内縁部の外側に配置されると共に、前記針穴に連なって、前記糸切りメスの刃先まで前記上糸及び下糸を移動可能とするガイド穴を前記針板に貫通形成することとしても良い。
また、発明は、前記ガイド穴を前記針穴の直径より狭い幅で形成し、前記ガイド穴と前記針穴の境界に角部を形成することとしても良い。
また、発明は、前記糸捌き機構は、前記針穴の直下を通過するように往復移動動作を行う糸捌き部材を備え、当該糸捌き部材は、その往路において、前記上糸ループの縫針側部分と前記下糸及び前記上糸ループの被縫製物側部分とに選り分け、その復路において、前記上糸ループの縫針側部分を除いて前記下糸及び前記上糸ループの被縫製物側部分を前記糸切りメスの刃先側に寄せる動作を行うこととしても良い。
また、発明は、前記釜機構は、前記糸捌き部材が選り分ける前記上糸ループの縫針側部分と前記下糸及び前記上糸ループの被縫製物側部分のそれぞれが進入する経路を有する糸ガイド板を前記糸捌き機構の下側に備え、前記糸ガイド板の前記上糸ループの縫針側部分が進入する経路に、進入した前記上糸の逆行を抑える係止部を備えることとしても良い。
また、発明は、前記針穴よりも前記糸切りメス側に配置され、前記糸捌き部材の下部に摺接する糸切りクランプ部材を備え、当該糸切りクランプ部材と前記糸捌き部材とにより前記下糸及び前記上糸ループの被縫製物側部分をクランプした状態で、前記糸捌き部材は、前記下糸及び前記上糸ループの被縫製物側部分を前記糸切りメスの刃先側に寄せる動作を行うこととしても良い。
また、発明は、前記糸捌き部材が前記糸切りクランプ部材との摺接を生じる移動範囲内で前記下糸及び前記上糸ループの被縫製物側部分の切断を行うように、前記糸切りクランプ部材を配置すると共に、
前記糸捌き部材の前記往復移動動作の復路の移動範囲について、前記糸切りクランプ部材との摺接状態から離れる位置まで移動可能とすることとしても良い。
本発明は、糸切りメスを針板上面に設けたので、従来のように針板の下側にメスを設けた場合に比べて切断後の上糸及び下糸の残端を短くすることが可能である。
従って、糸切り後に上糸及び下糸の残端を切断する手作業を不要とし、縫製作業の効率向上及び負担軽減を図ることが可能となる。
さらに、本発明において、針穴から糸切りメスの刃先まで延びるガイド穴を針板に貫通形成した場合には、縫製中の上糸及び下糸から糸切りメス及びメスカバーを離して配置することができ、これらが上糸及び下糸に接触することによる影響を排除することが可能である。
さらに、本発明において、ガイド穴を針穴の直径よりも狭い幅で形成した場合には、針穴とガイド穴の境界位置に角部を形成することができ、これにより、上糸ループを縫針側部分と被縫製物側とに分離して一方のみを切断する場合に、切断しない上糸ループである縫針側部分が糸切りメス側に寄せられないように角部で保持することができる。
なお、角部は面取り加工或いは丸みを帯びた形状に形成しても良い。
さらに、本発明において、糸捌き部材を設けた場合には、上糸ループの縫針側部分と下糸及び上糸ループの被縫製物側部分とを積極的に選り分けるので、上糸及び下糸の残端をより確実に短くすることが出来る。また、上糸ループの縫針側部分を切断することを回避し、縫針からの上糸の抜け落ちをより効果的に防止することが可能である。
さらに、本発明において、糸ガイド板の上糸ループの縫針側部分が進入する経路に係止部を設けた場合には、糸切断時に上糸ループの縫針側部を糸切りメス側に寄せられることをより効果的に抑止し、上糸ループの縫針側部分及び下糸のみをより確実に切断することが出来る。
さらに、本発明において、糸捌き部材の下部に摺接する糸切りクランプ部材を備える構成とした場合には、往復動作の復路において針穴を通過した糸捌き部材がクランプ部材と摺接することでこれらの間に下糸及び上糸ループの被縫製物側部分を挟み込んだ状態となる。その結果、下糸及び上糸ループの被縫製物側部分が糸切りメスの刃先に到達したときに、これらにテンションを付与した状態とすることが出来、より確実な切断を実現することが出来る。
さらに、本発明において、糸捌き部材の往復移動動作の復路の移動範囲について、クランプ部材から離れる位置まで移動可能とした場合には、下糸及び上糸ループの被縫製物側部分の切断した後に、これらをクランプ状態から解放することが可能となる。
従って、次の縫製にすぐに移行することができ、縫製作業の効率向上を図ることが可能となる。
本発明の実施形態であるミシンの概要を示す全体図である。 ミシンベッド部の斜視図である。 保持機構の図示を省略した状態のミシンベッド部の斜視図である。 針穴ガイドの平面図である。 釜機構の斜視図である。 中釜の剣先により上糸が下方に引き込まれてループを形成した時の上糸及び下糸の状態をY軸方向の一方から見た説明図である。 針板の下側に配置された糸切り装置の一部の構成について図示した底面図である。 糸捌き部材の糸捌き動作を示す動作説明図である。 図8に続く糸捌き部材の糸捌き動作を示す動作説明図である。 図9に続く糸捌き部材の糸捌き動作を示す動作説明図である。 図10に続く糸捌き部材の糸捌き動作を示す動作説明図である。 図10のW−W線に沿った断面図である。 図11のW−W線に沿った断面図である。 ブラケット部材の斜視図である。 ボタン付けミシンの制御系を示すブロック図である ボタン付けミシンによる糸切り動作のフローチャートである。 針穴ガイドの他の例を示す平面図である。 メスカバーを針穴ガイドの上面に固定し、糸切りメスをY軸方向に沿って移動させる糸切り装置の他の例を示す斜視図である。
[ボタン付けミシンの全体的な概略構成]
以下、図1乃至図16に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施形態たるミシン100は、図示しないメモリに記憶されている所定の縫製パターンに従ってボタン及び被縫製物である布地を縫針に対して相対的に移動して、ボタンの各穴に決められた順番で決められた回数の針落ちを行うものである。
図1は本発明の実施形態であるミシン100の概要を示す全体図である。かかるミシン100は、下部に位置するミシンベッド部101と、ミシンベッド部101の一端部から上方に立ち上げられたミシン立胴部102と、ミシン立胴部102の上方からミシンベッド部101に沿うように延設されたミシンアーム部103とからなるミシンフレームにより全体構成を支持している。
なお、ミシン100の構成を説明するにあたって、後述する縫針11の上下動方向をZ軸方向とし、これと直交する方向であってミシンベッド部101及びミシンアーム部103の長手方向をY軸方向とし、Z軸方向及びY軸方向の双方に直交する方向をX軸方向とする。なお、ミシン100を水平面上に設置した場合に、Z軸方向は鉛直上下方向となり、X軸方向及びY軸方向は水平方向となる。
ミシン100は、縫針11を上下動させる針上下動機構と、図示しない上糸供給源と縫針11との間で上糸Uに糸張力を付与する糸調子装置12と、この糸調子装置12と縫針11との間で周期的に上糸の引き上げを行う天秤13と、縫針11が挿入される針穴51が貫通形成された針穴ガイド50と、針穴ガイド50を保持する針板14と、ボタン及び布地を保持する保持部としての保持機構30と、針板14の下側で縫針11から上糸Uを捕捉して下糸Dを絡める釜機構40と、上糸U及び下糸Dの切断を行う糸切り装置60と、上記各構成の動作制御を行う制御装置90とを備えている。
なお、糸調子装置12及び天秤13についてはミシン全般に搭載されている周知の物であるため詳細な説明は省略する。
[針上下動機構]
針上下動機構は、図1に示すように、ミシン立胴部102の上部に設けられたサーボモーターからなるミシンモーター21と、このミシンモーター21の出力軸に接続されて回転を行う上軸と、当該上軸の面部側の端部に固定装備された針棒クランクと、針棒クランクにおいて上軸による回転中心から偏心した位置に一端部が連結されたクランクロッドと、針棒抱きを介してクランクロッドの他端部に連結された針棒22とを備えている。
針棒22は、その下端部に縫針11を保持すると共にZ軸方向に沿って往復可能にミシンアーム部103に支持されている。
そして、ミシンモーター21の駆動により上軸が回転を行うと、針棒クランクも回転し、クランクロッドは一端部が針棒クランクと共に周回運動を行い、他端部はその上下方向の変位のみを針棒抱きを介して針棒22に伝達する。これにより、針棒22に支持された縫針11はミシンモーター21の回転速度に応じて上下動動作を行う。
ミシンモーター21はサーボモーターであり、エンコーダー211を備えている(図15参照)。そして、制御装置90がエンコーダー211からミシンモーター21の回転速度、上軸位置等の検出を行い、ミシンモーター21に対する動作制御を実施するようになっている。
なお、針棒クランク、クランクロッド、針棒抱き等の構成は、周知のものと同じであるため図示及び詳細な説明は省略する。
[針板]
図2及び図3はミシンベッド部101の斜視図である。図1〜3に示すように、針板14は、ミシンベッド部101の上部に水平に設けられた平板であり、縫針11の下方となる位置には円形の針穴ガイド50を保持している。
針穴ガイド50は、図4に示すように、円板状であってその上面が針板14の上面と同一平面となるように当該針板14に装備されている。そして、この針穴ガイド50は、中心に円形の針穴51が貫通形成されており、当該針穴51は、針穴ガイド50が針板14に取り付けられた状態において、縫針11の真下に位置する状態となっている。
そして、針穴ガイド50の上面には針穴51に対してY軸方向に隣接する配置で後述する糸切り装置60の糸切りメス66がその刃先を針穴51側に向けて固定装備されている。さらに、針穴ガイド50には、糸切りメス66の刃先まで上糸U及び下糸Dを移動可能とするためのガイド穴52が針穴51に連なって糸切りメス66側に向かって形成されている。
このガイド穴52は、針穴51の直径よりもX軸方向における幅の狭い長穴状を呈しており、針穴51とガイド穴52とが一体をなって略鍵穴状となっている。このため、針穴51とガイド穴52との境界には角部52a,52aが形成される。また、後述する糸切りメス66の刃先は、針穴51の内縁部(内円周)の外側に位置しており、針穴51からガイド穴52に上糸U及び下糸Dに進入してから切断が行われるようになっている。
また、針穴51とガイド穴52との境界には角部52a,52aが形成されているので、糸切り装置60が上糸Uの縫針側部分U1を針穴51内に残して、上糸Uの布地側部分U2(被縫製物側部分)及び下糸Dのみをガイド穴52に送り込み、糸切りメス66により切断を行う際に、上記の角部52a,52aで上糸Uの縫針側部分U1を係止させることにより、上糸Uの縫針側部分U1がガイド穴52に入り込むことを阻止し、誤って切断されることを防止する機能を有している。
また、針穴51の周囲のガイド穴52とは反対側の部分には、略半円筒状の壁部53が上方に向かって立設されている。
縫製時において、布地は後述する保持機構30の布載置板31に載置されるので、針板14及び針穴ガイド50の上面から幾分離れた状態で保持されるが、この壁部53が布地を下方から支えるために、針落ちの際に布地が下方に撓むことが防止される。
[保持機構]
保持機構30は、布地が載置される布載置板31と、布載置板31の上側でボタンを挟持する一対のボタン保持腕32,32と、一対のボタン保持腕32,32の先端部を手動操作により開かせる解除レバー33と、一対のボタン保持腕32,32の先端部が閉じる方向に相互に付勢する図示しない弾性体と、一対のボタン保持腕32,32、解除レバー33を支持する土台34とを備えている。土台34は、その一端部で一対のボタン保持腕32,32を支持し、他端部側の基部は土台34が上下方向に回動可能となるように布載置板31に取り付けられている。そして、一対のボタン保持腕32,32の下降時には、当該一対のボタン保持腕32,32が布載置板31に載置された布地を上方から押さえつけて保持し、一対のボタン保持腕32,32の上昇時には布地を解放する構造となっている。
なお、一対のボタン保持腕32,32の昇降動作は制御装置90が制御するエアシリンダである布押さえシリンダ35(図15参照)により実行される。
また、布載置板31における一対のボタン保持腕32,32側の端部には矩形の切り欠き31aが形成されており、当該矩形の切り欠き31aの上に布地が載置保持され、その範囲内で針落ちが行われる。
針落ちの際には、前述した針穴ガイド50の壁部53が矩形の切り欠き31aの内側に入った状態となる。なお、布載置板31の厚さと壁部53の高さはおおむね一致しており、布載置板31上の布地は壁部53により下方から適正な高さで支持される。
上記布載置板31と土台34とは、X軸方向及びY軸方向への移動が可能となるようにミシンベッド部101に支持されており、X軸方向の移動動作をX軸モーター36から付与され、Y軸方向の移動動作をY軸モーター37から付与される(図15参照)。
これら、X軸モーター36及びY軸モーター37の動作は、制御装置90によって制御される。
これにより、布載置板31の上で一対のボタン保持腕32,32により、ボタンを上にした状態で当該ボタン及び布地が保持される。そして、かかる状態で、X軸モーター36及びY軸モーター37が制御装置90に制御されて、ボタンのそれぞれの糸通し穴に対して、任意の順番で運針が行われる。
なお、布載置板31と土台34とは、いわゆるR−θ系の移動機構によって矩形の切り欠き31a側の端部を任意に針落ち可能としても良い。
[釜機構]
図5は釜機構40の斜視図である。図1及び図5に示すように、釜機構40は、往復半回転を行い、図示しない剣先により縫針11から上糸Uのループを捕捉する中釜41と、中釜41を回転自在に支持する大釜42と、大釜42の上部に設けられた糸ガイド板43と、図示しない駆動装置を介して中釜41に往復半回転駆動力を付与する釜軸45とを有している。
上記中釜41は、大釜42によりY軸回りに回動可能に支持されており、その内側には回動を抑止された状態のボビン及びボビンケースを擁している。そして、駆動装置から往復回動が付与されると、中釜41はその剣先により縫針11から上糸ループを補足し、当該中釜41全体を上糸ループにくぐらせて上糸Uと下糸Dとを絡める動作を行う。
図6は中釜41の剣先により上糸Uが下方に引き込まれてループを形成した時の上糸U及び下糸Dの状態をY軸方向の一方(ミシンの面部側)から見た説明図である。図6においてU1は上糸Uの中釜41の剣先から縫針11に連なる部分である縫針側部分を示し、U2は上糸Uの中釜41の剣先から布地に連なる部分である布地側部分(被縫製物側部分)を示している。
釜機構40の中釜41は、図6に示すように、縫製時において上糸Uのループを捕捉して縫針側部分U1と布地側部分U2とに分離する。
糸ガイド板43は、上糸U及び下糸Dの挙動を適正にガイドするために表裏に貫通したガイド穴を有する板状の部材であり、当該ガイド穴には図5に示すように上糸Uのループの縫針側部分U1を案内する経路431と上糸Uのループの布地側部分U2を案内する経路432とが形成されている。また、符号433は下糸Dを案内する経路である。
また、糸ガイド板43には、上糸Uのループの縫針側部分U1を案内する経路431の深部に、進入した上糸Uの逆行を防止する係止部としてのフック441を備えるフック部材44が装備されている。
通常の縫製時には、糸ガイド板43の経路431の最深部まで上糸Uのループの縫針側部分U1は進入しないが、糸切りの際には、後述する糸切り装置60の糸捌き部材67により最深部まで押し込まれ、フック441により捕捉され、当該縫針側部分U1の切断が回避される構造となっている。
[糸切り装置]
図1及び図7〜図14により糸切り装置60について説明する。図7は針板14の下側に配置された糸切り装置60の一部の構成について図示した底面図である。この図7では後述する糸捌き部材67について他の部材に遮蔽されずに全体を図示するために、その最後退位置よりも後退させた状態で図示している(図8が最後退位置)。
糸切り装置60は、駆動源となる糸切りモーター61と、当該糸切りモーターに併設された溝カムである糸切りカム62と、糸切りカム62により揺動する第一揺動腕63と、第一揺動腕63の揺動により前後移動を行う伝達桿64と、伝達桿64の前後移動により揺動を行う第二揺動腕65と、針板14に設けられた針穴ガイド50の上面において針穴51に刃先を向けて配置された糸切りメス66と、針穴51を通る上糸Uの布地側部分U2及び下糸Dを糸切りメス66の刃先側に寄せる糸捌き部材67と、第二揺動腕65と糸捌き部材67とを連結するリンク体68と、針穴51よりも糸切りメス66側に配置され、糸捌き部材67の下面に摺接する糸切りクランプ部材69と、糸切りメス66の刃先を上糸U及び下糸Dに対して遮蔽状態とするメスカバー70と、メスカバー70に移動動作を付与して糸切りメス66の遮蔽状態を解除する解除機構としてのエアシリンダ71とを備えている。
糸切りカム62は、糸切りモーター61により回転駆動される溝カムであって、第一揺動腕63の上端部は糸切りカム62のカム溝に沿って移動するコロ631を介して糸切りカム62と連結されている。従って、第一揺動腕63は、糸切りカム62のカム溝形状に応じて揺動を行うようになっている。
第一揺動腕63は、その中間部でミシンフレームに回動可能に軸支されており、おおむねZ軸方向に沿うように配設されている。そして、その上端部は前述したように糸切りカム62に連結されており、下端部は伝達桿64の後端部に連結されている。これにより、第一揺動腕63の上端部が糸切りカム62により揺動せしめられると、伝達桿64に対してY軸方向の往復動作の付与が行われる。
第二揺動腕65は、その長手方向中間部で針板14の下面に回動可能に軸支されており、その一端部は伝達桿64の前端部と連結されている。また、第二揺動腕65の他端部はリンク体68を介して糸捌き部材67と連結されており、糸切りモーター61は、第一揺動腕63と伝達桿64と第二揺動腕65とリンク体68を経て最終的に糸捌き部材67の往復回動を付与することとなる。
即ち、糸切りモーター61、糸切りカム62、第一揺動腕63、伝達桿64、第二揺動腕65、糸捌き部材67及びリンク体68により「糸捌き機構」を構成している。
図8〜図11は糸捌き部材67の糸捌き動作を順番に示しており、図12,図13は図10,図11のW−W線に沿った断面を示している。これらの図により糸捌き部材67の構造について動作説明を兼ねて説明する。なお、図8〜11では便宜上、部品構成を一部省略して図示している。
糸捌き部材67は、縫製中は図8に示す退避位置で待機している。即ち、この糸捌き部材67は、糸切りの際には針穴51に対して糸切りメス66側に待機しており、ここを開始位置として往復回動動作を実行する。なお、当該開始位置から針穴51側に向かう回動動作(図8〜図11における反時計回り)を前進回動又は往路の回動といい、逆方向の回動動作(図8〜図11における時計回り)を後退回動又は復路の回動というものとする。
糸捌き部材67は、一端部が針板14の下面にZ軸回りに回動可能に支持され、他端部には往路の回動方向に向かって突出した突起部671を備えている。この突起部671は、往路の回動時に針穴51の直下を通過すると共に、針穴51から釜機構40に渡る上糸ループの縫針側部分U1と下糸D及び上糸ループの布地側部分U2とに選り分ける。その際、糸捌き部材67は、突起部671により上糸ループの縫針側部分U1のみを半径方向内側に巻き取るように捕捉して往路の最前進位置まで回動を行うと、図9に示すように、上糸ループの縫針側部分U1を糸ガイド板43の経路431の最深部にあるフック441に係止させる。また、下糸D及び上糸ループの布地側部分U2(図9では図示略)は突起部671の回動半径領域の外側に配置されているため、糸捌き部材67の前進回動の際には逸れて捕捉されないようになっている。
そして、糸捌き部材67は、最前進位置から復路の回動を開始すると、凹状に形成された糸捕捉部672により下糸D及び上糸ループの布地側部分U2を捕捉し、これらを針穴51から糸切りメス66側(図8〜図11における上側)に向かって寄せる。
この時、図10及び図12に示すように、糸捌き部材67の下面に糸切りクランプ部材69の上面が摺接し、捕捉された下糸D及び上糸ループの布地側部分U2はこれらの間にクランプされた状態となる(なお、図10では、便宜上、下糸Dの図示を省略すると共にフック441を黒点で図示している)。
さらに、糸切りクランプ部材69は、下糸D及び上糸ループの布地側部分U2が切断される回動角度範囲内において、当該糸切りクランプ部材69と糸捌き部材67とが摺接を生じるように、その配置が設定されている。
このため、下糸D及び上糸ループの布地側部分U2が糸切りメス66の刃先まで寄せられたときに、これら下糸D及び上糸ループの布地側部分U2は布地から糸捌き部材67までの間で一定の張力で張られた状態で糸切りメス66の刃先に押しつけることが出来、切断をより確実に行うことが可能となる。
さらに、糸捌き部材67は、その下面における回動端部の前進回動方向側のほぼ半分が凹部673を設けることによって薄肉化されている。このため、下糸D及び上糸ループの布地側部分U2の切断完了後に復路の回動により最後退位置まで糸捌き部材67が到達すると、図11及び図13に示すように、糸捌き部材67は凹部673によって糸切りクランプ部材69の上面から離れて隙間を生じた状態となる。従って、切断を終えた下糸D及び上糸ループの布地側部分U2の端部をクランプ状態から解放することができる。
メスカバー70は、図2及び図3に示すように、全体的に平板状であって、糸切りメス66から針穴51側に向かって延出された遮蔽部701と、エアシリンダ71との連結を行うためのブラケット部材73に支持された支持部702とを備えている。
上記遮蔽部701は、糸切りメス66の上から覆い被さるように遮蔽を行う構造の為、その下面側が糸切りメス66の厚さ分だけ薄く形成されている。また、当該遮蔽部701と糸切りメス66との合計の厚さが布載置板31の厚さと略一致しており、遮蔽部701及び糸切りメス66が布載置板31に載置された布地の下側に入り込んだ状態でも段差を生じないようになっている。
また、遮蔽部701及び糸切りメス66のX軸方向の幅はいずれも、針穴ガイド50の壁部53のX軸方向の幅と略一致しており、布載置板31の矩形の切り欠き31aの範囲内に遮蔽部701及び糸切りメス66の先端部が入り込んだ状態でも、布載置板31のX−Y移動動作の妨げとならないようになっている。
また、メスカバー70の遮蔽状態における遮蔽部701の先端部のY軸方向における位置は、糸切りメス66の先端部と一致するか或いは幾分遮蔽部701の先端部の方が針穴51側に突出するように設定されている。これにより、遮蔽状態での上糸U及び下糸Dの不慮の切断はもとより、刃先との接触により上糸U及び下糸Dを傷つけることも防止している。
また、遮蔽状態を解除する為にメスカバー70を針穴51から離間する方向に移動させた場合(図3の状態)の遮蔽部701の先端部は、糸切りメス66の先端部よりも針穴51から離間し、且つ、糸切りメス66の後端部(刃先と逆側の端部)よりも針穴51側となる位置で停止するように設定されている。
これら遮蔽状態及び遮蔽状態を解除した状態(解除状態)における遮蔽部701の先端位置は、エアシリンダ71のシリンダストロークを適宜選択することで設定しても良いが、メスカバー70又はブラケット部材73の移動を規制するストッパーを設けることにより設定してもよい。
エアシリンダ71は、進退動作を行うプランジャの動作方向がY軸方向に平行となるように針板14の下面側に固定装備されており、メスカバー70を遮蔽状態とする移動動作と遮蔽状態を解除した状態(解除状態)とする移動動作は、制御装置90に制御される図示しない電磁弁により切り替えられるようになっている。
針板14には、メスカバー70の遮蔽状態とその解除状態への切り替え移動をガイドするためにY軸方向に沿った長穴141が上下に貫通形成されている。
ブラケット部材73は、図14に示すように、メスカバー70の支持部702の下面部側にネジ止めにより固定装備されており、X軸方向について長穴141の内部に嵌合する嵌合部731がX軸方向について長穴141と略一致する幅とされている。また、嵌合部731の下側にはX軸方向の両側に向かって延出された延出部732が形成されており、ブラケット部材73が上方に外れることを阻止している。これらにより、ブラケット部材73は、メスカバー70が針板14の上面に摺接しつつY軸方向に沿って移動可能とする。
さらに、ブラケット部材73の下面には、エアシリンダ71のプランジャに連結される連結部733が設けられており、エアシリンダ71から上記長穴141に沿った進退動作が付与される構造となっている。
なお、メスカバー70はモーター等の駆動源による回転動作によって移動動作させて遮蔽状態と解除状態を切り替える構成にしても良い。
[ボタン付けミシンの制御系]
図15はボタン付けミシン100の制御系を示すブロック図である。制御装置90は、詳細には図示しないが、各種演算処理を行うCPUと、制御、判断等各種処理用の各種プログラムが記憶、格納されたROMと、各種処理におけるワークメモリとして使用されるRAMと、各種の縫製データを格納したEEPROMとで概略構成されている。そして、制御装置90には、システムバス及び駆動回路等を介してミシンモーター21,そのエンコーダー211,布押さえシリンダ35,糸切りモーター61,ミシン100のS/S(スタートストップ)スイッチ91,縫製の設定条件入力や縫製データ選択を行う操作パネル92,メスカバー70の遮蔽状態切り替えを行うエアシリンダ71,被縫製物の移動を行うX軸モーター36,Y軸モーター37等が接続されている。
なお、布押さえシリンダ35及びエアシリンダ71は、電磁弁を介してその動作が制御されるが、ここでは図示を省略する。
また、ミシンモーター21、X軸モーター36及びY軸モーター37は、それぞれドライバー回路を介して制御されるがこれらも図示を省略する。
[ボタン付けミシンの糸切り動作]
上記構成からなるボタン付けミシン100による糸切り動作について図16のフローチャートにより説明する。
縫製データに従ってボタン付け縫製を行った後、最終針の針落ちにより上糸Uが中釜41の剣先で捕捉され、縫針11が針穴51から抜けるタイミングで糸切りモーター61が駆動を開始する。これにより、糸捌き部材67が退避位置(図8参照)から往路の回動を開始する(ステップS1)。
そして、糸捌き部材67は突起部671により上糸の縫針側部分U1と布地側部分U2及び下糸Dとに選り分けを行い、最前進位置で上糸の縫針側部分U1のみをフック441に係止させる(図9参照)。その後、糸捌き部材67は復路の回動を開始して、糸捕捉部672により布地側部分U2及び下糸Dを捕捉し、これらが糸切りメス66の刃先に達する手前の位置で糸切りモーター61を停止させる(ステップS3)。この状態で、糸捌き部材67は糸切りクランプ部材69との摺接を開始しており、布地側部分U2及び下糸Dはこれらの間にクランプされる(図10及び図12参照)。
そして、天秤13が上昇し、上糸ループが中釜41をくぐって上糸ループが解消される所定の上軸角度でミシンモーター21を停止させる(ステップS5)。
そして、エアシリンダ71を作動させてメスカバー70を針穴51から離間する方向に移動させ、糸切りメス66の遮蔽状態を解除状態にする(ステップ7)。
次いで、糸切りモーター61の駆動を再開する(ステップS9)。これにより、上糸ループの布地側部分U2及び下糸Dは糸捌き部材67及び糸切りクランプ部材69にクランプされたまま糸切りメス66側に運ばれ、糸切断が行われる。
その後、糸捌き部材67が退避位置まで復路の回動動作を行い、糸切りモーター61の駆動を停止させる(ステップS11)。糸捌き部材67が退避位置に至る途中で、上糸ループの布地側部分U2及び下糸Dは凹部673と糸切りクランプ部材69の上面との隙間部分に位置することになるため、糸捌き部材67と糸切りクランプ部材69とによる摺接状態が解かれ、切断された上糸ループの布地側部分U2及び下糸Dはクランプ状態から解放される(図11及び図13参照)。
そして、エアシリンダ71を作動させてメスカバー70を糸切りメス66の遮蔽状態に復帰させる(ステップS13)。
さらに、布押さえシリンダ35を作動させて一対のボタン保持腕32,32を上昇させることで布地を保持状態から解放して、糸切り動作を終了する(ステップS15)。
[発明の実施形態の効果]
上記構成からなるボタン付けミシン100は、糸切りメス66を針板14に設けられた針穴ガイド50の上面に設けたので、針板の下側にメスを設けた場合に比べて切断位置を布地により近接させることが出来、布地に残る切断後の上糸U及び下糸Dの残端を短くすることが可能である。
このため、糸切り後に上糸U及び下糸Dの残端を切断する為の別の作業を不要とし、縫製作業の効率向上及び負担軽減を図ることが可能となる。
さらに、ボタン付けミシン100は、針穴51から糸切りメス66の刃先に向かって開口するガイド穴52を有し、糸切りの際には糸捌き部材67が上糸Uの布地側部分U2及び下糸Dをガイド穴52に沿って移動させながら糸切りメス66の方へ導くので、糸切りメス66を針穴51から離して配置することができ、縫製中の上糸U及び下糸Dの糸切りメス66に対する不慮の接触を回避することが出来、不慮の切断や糸を傷つけることを防止することができる。
また、ガイド穴52は針穴51の直径よりも狭い幅で形成しているので、針穴51とガイド穴52との境界位置に角部52a,52aを形成することができ、これにより、上糸ループの布地側部分U2及び下糸Dを糸切りメス66に寄せる際に、上糸ループの縫針側部分U1がつられて糸切りメス66側に引き寄せられることを防止することができる。
また、糸切り装置60は、糸捌き部材67を備えるので、上糸ループの縫針側部分U1と下糸D及び上糸ループの布地側部分U2とを積極的に選り分けることができ、誤って上糸ループの縫針側部分U1を切断することを効果的に低減することが可能である。
また、糸ガイド板43の上糸ループの縫針側部分U1が進入する経路431にフック441を設けているので、誤って上糸ループの縫針側部分U1を切断することをさらに効果的に低減することが可能である。
さらに、糸切り装置60が糸切りクランプ部材69を備えるので、往復動作の復路の回動において針穴51を通過した糸捌き部材67が糸切りクランプ部材69と摺接することで下糸D及び上糸ループの布地側部分U2をクランプすることができ、糸切りメス66の刃先に運んだときに下糸D及び上糸ループの布地側部分U2にテンションを付与した状態で張らせることができ、より確実な糸切断を行うことが可能である。
また、糸捌き部材67に凹部673を設けたことにより、糸捌き部材67が退避位置まで復路の回動動作によって、上糸ループの布地側部分U2及び下糸Dが凹部673に位置すると、該凹部673部分では糸捌き部材67と糸切りクランプ部材69の上面との間に隙間ができるため、下糸D及び上糸ループの布地側部分U2を切断した後にクランプ状態から解放することが可能となる。
これにより、布地をミシンからすぐに取り払うことが出来、次の縫製にすぐに移行することができ、縫製作業の効率向上を図ることが可能となる。
[その他]
針穴ガイド50は針板14と別部材で形成しているが、これらは一体的に形成しても良い。
また、図17に示すように、前述した糸ガイド板43とフック部材44のフック441とは一体的に形成しても良い。
また、上記糸切り装置60では、糸切りメス66を針穴ガイド50の上面に固定し、メスカバー70をY軸方向に沿って移動させる構成としているが、メスカバー70を針穴ガイド50の上面に固定し、糸切りメス66をY軸方向に沿って移動させる構成としても良い。
例えば、図18に示すように、針穴ガイド50の上面に糸切りメス66Aの刃先661AがY軸方向に沿って移動可能な通路701Aを有するメスカバー70Aを設け、糸切りメス66Aをブラケット部材73を介してエアシリンダ71のプランジャに連結する構造とする。そして、非切断時には、糸切りメス66Aの刃先661Aをメスカバー70Aよりも退避させ、切断時にはエアシリンダ71により糸切りメス66Aの刃先661A針穴51側に移動させる。
これにより、糸切りメス66を針穴ガイド50の上面に固定し、メスカバー70をY軸方向に沿って移動させる構成と同様にして下糸D及び上糸ループの布地側部分U2を切断することが可能となる。
また、針穴ガイド50に、針穴51に連なるガイド穴52を設け、ガイド穴52内に糸切りメス66の刃先を配置する構成を例示したが、ガイド穴52を設けなくとも良い。例えば、針穴51の内縁部の一部が糸切りメス66の刃先となっており、メスカバー70が刃先を遮蔽する構成としても良い。
また、針穴51を長穴状に形成し、通常の縫製時には針穴51の一端部を上糸U及び下糸Dが通過し、切断時には、針穴51の他端部側に配置された糸切りメス66の刃先に対して上糸U及び下糸Dが糸捌き部材67によって寄せられて切断される構成としても良い。
11 縫針
13 天秤
14 針板
21 ミシンモーター
22 針棒
30 保持機構(保持部)
31 布載置板
40 釜機構
43 糸ガイド板
431 経路(上糸ループの縫針側部分U1が進入する経路)
44 フック部材
441 フック(係止部)
50 針穴ガイド
51 針穴
52 ガイド穴
52a,52a 角部
53 壁部
60 糸切り装置
66,66A 糸切りメス
67 糸捌き部材
671 突起部
672 糸捕捉部
673 凹部
69 糸切りクランプ部材
70,70A メスカバー
71 エアシリンダ(解除機構)
90 制御装置
100 ボタン付けミシン
D 下糸
U 上糸
U1 上糸ループの縫針側部分
U2 上糸ループの布地側部分(被縫製物側部分)

Claims (10)

  1. 縫針が挿入される針穴が貫通形成された針板と、
    前記針板の上側で被縫製物及びボタンを保持する保持部と、
    前記保持部に保持された被縫製物及びボタンに対して前記縫針による針落ちを行う針上下動機構と、
    前記針板の下側で前記縫針から上糸を捕捉して下糸を絡める釜機構と、
    前記上糸及び下糸の切断を行う糸切り装置とを備えるボタン付けミシンにおいて、
    前記糸切り装置は、
    前記針板上面において前記針穴を通る前記上糸及び下糸に刃先が接触可能な配置で設けられた糸切りメスと、
    前記針穴を通る前記上糸及び下糸を前記糸切りメスの刃先側に寄せる糸捌き機構と、
    前記糸切りメスの刃先を前記上糸及び下糸に対して遮蔽するメスカバーと、
    前記メスカバーに移動動作を付与して前記糸切りメスの遮蔽状態を解除する解除機構とを備え、
    前記糸切りメスは、前記針板上面において前記針穴に隣接する位置に固定され、
    前記解除機構は、前記メスカバーを前記糸切りメスの刃先よりも前記針穴から離間する方向に後退させることで前記糸切りメスの遮蔽状態を解除することを特徴とするボタン付けミシン。
  2. 少なくとも遮蔽状態を解除した状態においては、前記糸切りメスの刃先は前記針穴の内縁部の外側に配置されると共に、
    前記針穴に連なって、前記糸切りメスの刃先まで前記上糸及び下糸を移動可能とするガイド穴を前記針板に貫通形成したことを特徴とする請求項1記載のボタン付けミシン。
  3. 縫針が挿入される針穴が貫通形成された針板と、
    前記針板の上側で被縫製物及びボタンを保持する保持部と、
    前記保持部に保持された被縫製物及びボタンに対して前記縫針による針落ちを行う針上下動機構と、
    前記針板の下側で前記縫針から上糸を捕捉して下糸を絡める釜機構と、
    前記上糸及び下糸の切断を行う糸切り装置とを備えるボタン付けミシンにおいて、
    前記糸切り装置は、
    前記針板上面において前記針穴を通る前記上糸及び下糸に刃先が接触可能な配置で設けられた糸切りメスと、
    前記針穴を通る前記上糸及び下糸を前記糸切りメスの刃先側に寄せる糸捌き機構と、
    前記糸切りメスの刃先を前記上糸及び下糸に対して遮蔽するメスカバーと、
    前記糸切りメス又は前記メスカバーに移動動作を付与して前記糸切りメスの遮蔽状態を解除する解除機構とを備え、
    少なくとも遮蔽状態を解除した状態においては、前記糸切りメスの刃先は前記針穴の内縁部の外側に配置されると共に、
    前記針穴に連なって、前記糸切りメスの刃先まで前記上糸及び下糸を移動可能とするガイド穴を前記針板に貫通形成したことを特徴とするボタン付けミシン。
  4. 前記メスカバーは、前記針板上面に固定され、
    前記解除機構は、前記糸切りメスの刃先を前記メスカバーよりも前記針穴側に前進させることで前記糸切りメスの遮蔽状態を解除することを特徴とする請求項3記載のボタン付けミシン。
  5. 前記ガイド穴を前記針穴の直径より狭い幅で形成し、前記ガイド穴と前記針穴の境界に角部を形成したことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載のボタン付けミシン。
  6. 前記糸捌き機構は、前記針穴の直下を通過するように往復移動動作を行う糸捌き部材を備え、
    当該糸捌き部材は、その往路において、上糸ループの縫針側部分と前記下糸及び上糸ループの被縫製物側部分とに選り分け、その復路において、前記上糸ループの縫針側部分を除いて前記下糸及び前記上糸ループの被縫製物側部分を前記糸切りメスの刃先側に寄せる動作を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のボタン付けミシン。
  7. 縫針が挿入される針穴が貫通形成された針板と、
    前記針板の上側で被縫製物及びボタンを保持する保持部と、
    前記保持部に保持された被縫製物及びボタンに対して前記縫針による針落ちを行う針上下動機構と、
    前記針板の下側で前記縫針から上糸を捕捉して下糸を絡める釜機構と、
    前記上糸及び下糸の切断を行う糸切り装置とを備えるボタン付けミシンにおいて、
    前記糸切り装置は、
    前記針板上面において前記針穴を通る前記上糸及び下糸に刃先が接触可能な配置で設けられた糸切りメスと、
    前記針穴を通る前記上糸及び下糸を前記糸切りメスの刃先側に寄せる糸捌き機構と、
    前記糸切りメスの刃先を前記上糸及び下糸に対して遮蔽するメスカバーと、
    前記糸切りメス又は前記メスカバーに移動動作を付与して前記糸切りメスの遮蔽状態を解除する解除機構とを備え、
    前記糸捌き機構は、前記針穴の直下を通過するように往復移動動作を行う糸捌き部材を備え、
    当該糸捌き部材は、その往路において、上糸ループの縫針側部分と前記下糸及び上糸ループの被縫製物側部分とに選り分け、その復路において、前記上糸ループの縫針側部分を除いて前記下糸及び前記上糸ループの被縫製物側部分を前記糸切りメスの刃先側に寄せる動作を行うことを特徴とするボタン付けミシン。
  8. 前記釜機構は、前記糸捌き部材が選り分ける前記上糸ループの縫針側部分と前記下糸及び前記上糸ループの被縫製物側部分のそれぞれが進入する経路を有する糸ガイド板を前記糸捌き機構の下側に備え、
    前記糸ガイド板の前記上糸ループの縫針側部分が進入する経路に、進入した前記上糸の逆行を抑える係止部を備えることを特徴とする請求項6又は7記載のボタン付けミシン。
  9. 前記針穴よりも前記糸切りメス側に配置され、前記糸捌き部材の下部に摺接する糸切りクランプ部材を備え、
    当該糸切りクランプ部材と前記糸捌き部材とにより前記下糸及び前記上糸ループの被縫製物側部分をクランプした状態で、前記糸捌き部材は、前記下糸及び前記上糸ループの被縫製物側部分を前記糸切りメスの刃先側に寄せる動作を行うことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載のボタン付けミシン。
  10. 前記糸捌き部材が前記糸切りクランプ部材との摺接を生じる移動範囲内で前記下糸及び前記上糸ループの被縫製物側部分の切断を行うように、前記糸切りクランプ部材を配置すると共に、
    前記糸捌き部材の前記往復移動動作の復路の移動範囲について、前記糸切りクランプ部材との摺接状態から離れる位置まで移動可能とすることを特徴とする請求項9記載のボタン付けミシン。
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