JPH06170074A - 刺繍ミシンの上糸テンション制御装置 - Google Patents

刺繍ミシンの上糸テンション制御装置

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JPH06170074A
JPH06170074A JP2367793A JP2367793A JPH06170074A JP H06170074 A JPH06170074 A JP H06170074A JP 2367793 A JP2367793 A JP 2367793A JP 2367793 A JP2367793 A JP 2367793A JP H06170074 A JPH06170074 A JP H06170074A
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JP
Japan
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tension
stitch
thread
sewing machine
upper thread
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Application number
JP2367793A
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English (en)
Inventor
Ikuo Tajima
郁夫 田島
Takashi Ito
伊藤  隆
Masanori Egami
真功 江上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
Original Assignee
Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 上糸に与えるテンションの強弱及びそのタイ
ミングをステッチ毎に適正となるように変化させること
により、ステッチ長やステッチ方向に対応して常に良好
な糸締まり具合を得る。 【構成】 本縫い形式の刺繍ミシンにおいて、上糸Yの
供給経路における天秤30の上流側でこの上糸Yにテン
ションを与えるように配置されたテンション付与機構5
0と、このテンション付与機構によるテンション付与力
を所定のタイミング信号に応じて調整可能な駆動機構6
0とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上糸と下糸との絡みに
よりステッチが形成される本縫い形式の刺繍ミシンにお
いて、ランニングステッチやサテンステッチなどの各種
の縫い方、あるいは被刺繍布や糸の性状などの各種条件
に応じて適正なテンションを上糸に付与するための上糸
テンション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本縫い形式のミシンにおいては、周知の
ように上糸と下糸との絡みによりステッチが形成される
のであって、適正なステッチを形成するために上糸と下
糸とに対し一定の適当なテンションが付与されるように
なっている。しかし常に一定のテンションを与えていた
のでは、縫い方や被刺繍布などの素材の違いにより良好
な糸締まりが得られない場合もある。そこで従来、一ス
テッチが形成される過程の中で上糸に与えるテンション
の大きさを変化させれる構成の一般の工業用ミシンが提
案されている。この上糸のテンションを変化させるため
の一手段として、ミシン主軸を駆動原とするカム機構に
より、上糸にテンションを与える糸調子器のばね力を増
減制御することが採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】刺繍ミシンにおけるス
テッチ形成にあたっては、一ステッチ毎にステッチ長及
びステッチ方向が変化することが多い。このため個々の
ステッチについて糸締まり具合を良好なものとするに
は、一ステッチ毎にそのステッチ長及びステッチ方向に
応じて上糸に対するテンションを変化させることが必要
となる。しかし従来のカム機構によるテンション制御手
段では、一ステッチ毎のステッチ長やステッチ方向に対
応したテンション制御は不可能であり、ステッチによっ
ては糸締まり具合の悪いものも生じる。本発明の技術的
課題は、上糸に与えるテンションの強弱及びそのタイミ
ングをステッチ毎に適正となるように変化させることに
より、ステッチ長やステッチ方向の変化に対応して常に
良好な糸締まり具合を得ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明における刺繍ミシンの上糸テンション制御装
置はつぎのように構成されている。すなわち下端に縫い
針が装着された針棒の昇降動作と、天秤の往復動作と、
釜の回転及び被刺繍布を張った刺繍枠の作動とが所定の
タイミングで同期駆動され、前記天秤を経て前記縫い針
に供給される上糸と前記釜から繰り出される下糸とが、
前記縫い針と前記釜との協同機能により絡まされて前記
被刺繍布にステッチを形成する本縫い形式の刺繍ミシン
において、前記上糸の供給経路における前記天秤の上流
側でこの上糸にテンションを与えるように配置されたテ
ンション付与機構と、このテンション付与機構によるテ
ンション付与力を所定のタイミング信号に応じて調整可
能な駆動機構とを備えている。
【0005】
【作用】この構成において例えば前記針棒、天秤、釜及
び刺繍枠のいずれか一つの動作あるいは複数の動作に基
づいて前記のタイミング信号を発信させれば、この信号
により前記テンション付与機構によって上糸に与えるテ
ンションの強弱及びそのタイミングをステッチ毎に変え
ることができる。これにより各ステッチ毎のステッチ長
やステッチ方向に応じてそれぞれ良好な糸締まり具合を
得ることができるとともに、被刺繍布や使用糸の性状に
応じた適正なテンションを選定することも可能である。
【0006】
【実施例】つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説
明する。 実施例1 図1に刺繍ミシンの駆動系統が概略図で表されている。
この図面に示されているミシンモーター10の回転駆動
力は、その駆動プーリー11とミシン主軸12の第一プ
ーリー13との間に掛けられたベルト等を通じてこのミ
シン主軸12に伝達される。そしてこのミシン主軸12
の回転は、それぞれの駆動変換機構16,17により針
棒20の昇降動作及び天秤30の往復動作に変換されて
個々に伝達される。さらにこのミシン主軸12の回転
は、その第二プーリー14と釜駆動軸18のプーリー1
9との間に掛けられたベルト等を通じてこの釜駆動軸1
8に伝達される。なおこの釜駆動軸18及びこの軸18
により駆動される釜40は、周知のように前記ミシン主
軸12の一回転、つまり前記針棒20の一昇降動作ある
いは前記天秤30の一往復回動に対して二回転するよう
に設定されている。また図1に示されている刺繍枠90
は、X軸用パルスモーター92及びY軸用パルスモータ
ー93によりX方向及びY方向へそれぞれ駆動される。
これらの各パルスモーター92,93の駆動回路94に
対しては、刺繍縫いのための刺繍データが入力される
【0007】図2に上糸Yの供給経路が前記針棒20、
天秤30、釜40、刺繍枠90及びその他の関連部材と
共に外観斜視図で表されている。この図面で明らかなよ
うに上糸Yは、調整台32の上方に配置された図面外の
糸立にセットされている巻糸から下方へ導かれ、天秤3
0の下方に配置されている糸道34に掛けられて上方へ
反転され、天秤30の先端にあけられた孔に通されてい
る。この天秤30の孔に通された上糸Yは再び下方へ反
転され、前記針棒20の下端に装着されている縫い針2
2に通されている。またこの上糸Yの供給経路において
前記天秤30の上流である前記調整台32の前面部に
は、上糸Yにテンションを与えるためのテンション付与
機構50が設けられている。
【0008】図3に前記テンション付与機構50が断面
図で表されている。この図面で示されているように、テ
ンション付与機構50は一対の調子皿52,53、一対
のスプリングシート54,55、圧縮コイルスプリング
56及び制御軸57を主体として構成されている。制御
軸57は前記調整台32の前面壁に貫通させた孔に対
し、軸受パイプ59を介して軸線に沿った方向へのスラ
イド可能に挿通されている。この制御軸57の軸上に
は、調整台32の前面側において前記の各調子皿52,
53と一方のスプリングシート54とが制御軸57に対
して相対的にスライドできるように組付けられ、かつ他
方のスプリングシート55は制御軸57の端部に固定さ
れている。なお前記の両スプリングシート54,55は
それぞれカップ形状をしており、互いの開口部を対向さ
せて一方のシート55が他方のシート54の中に嵌まり
合うようになっている。そして両スプリングシート5
4,55の間には前記制御軸57と同心状に前記圧縮コ
イルスプリング56が組込まれている。このスプリング
56の弾性力は、スプリングシート54を通じて前記の
両調子皿52,53に作用しており、これらの調子皿5
2,53の間を通している前記上糸Yに所定の走行抵抗
(テンション)を与えている。しかも前記制御軸57
が、前記スプリングシート55と共に図3(A)の状態
から図3(B)あるいは図3(C)の状態にスライドさ
せられると、このスライド量に応じて前記スプリング5
6が圧縮され、もって上糸Yに対するテンション付与力
が強くなる。
【0009】同じく図3において前記調整台32におけ
る前面壁の内側には、前記テンション付与機構50の駆
動機構としてのパルスモーター60が装着されている。
このモーター60の出力軸62にはレバー64が結合さ
れていて、このレバー64の先端部に固定されているピ
ン65が前記制御軸57の端部に形成されている連結部
58の溝に係合している。したがって前記パルスモータ
ー60の出力軸62が回転制御されると、それに応じて
制御軸57がスプリングシート55と共に前述したよう
にスライド操作される。なお図3(A)はパルスモータ
ー60の励磁がオフの状態であり、このとき前記スプリ
ングシート55、制御軸57及びレバー64を通じてモ
ーター60の出力軸62に作用している前記スプリング
56の弾性力は、レバー64の一部をストッパー66に
当てることで受け止められている。そしてこのときのテ
ンション付与機構50を基準状態とし、ミシンの縫い動
作開始と同時に後で説明するテンション制御の各種条件
に基づいて前記パルスモーター60の出力軸62を例え
ば図3(B)の状態に回転させ、上糸Yに対するテンシ
ョンが「弱」の状態となるように前記テンション付与機
構50を作動させる。またこのテンション付与機構50
がパルスモーターによって例えば図3(C)の状態に作
動したとき、上糸Yに対するテンションは「強」とな
る。
【0010】図1に前記テンション付与機構50及び前
記パルスモーター60と、釜位置検出器として用いたロ
ータリーエンコーダ70とが示されている。このエンコ
ーダ70は前記ミシンモーター10の主軸回転位置を検
出可能であり、延いてはこのミシンモーター10を駆動
源として回転制御される前記釜駆動軸18(つまり釜4
0)の回転位置を検出可能である。前記エンコーダ70
の検出信号は、前記テンション付与機構50の駆動機構
であるパルスモーター60の駆動回路61に対して出力
されてこのテンション付与機構50による上糸Yへのテ
ンション付与力が調整される。同じくエンコーダ70の
検出信号は、前記刺繍枠90を駆動する各パルスモータ
ー92,93の駆動回路94にも出力され、これに基づ
いて刺繍枠90が前記ミシンモーター10の回転位相、
つまり前記針棒20や釜40などの作動位相に同期して
駆動されることとなる。
【0011】図4に前記釜40がその端面側から見た平
面図で示されている。この図面で明らかなように釜40
は内釜41と外釜42とを備え、内釜41の中に下糸用
のボビンケース44が収められている。また内釜41は
釜土台(図示しない)側に対し回転不能に止められ、外
釜42が前記釜駆動軸18に連動して前記ミシン主軸1
2の一回転に対して二回転するのである。そして外釜4
2が図4(A)の位置から矢印方向に回転すると、前回
のステッチ(布側)と前記縫い針22との間の上糸Yが
外釜42の剣先42aで捕捉されて図4(B)及び図4
(C)のように連れ回しされる。これにより上糸Yと前
記ボビンケース44内のボビンから繰り出される下糸と
が絡んで次のステッチが形成される。
【0012】図5に前記ミシン主軸12の回転角度に基
づく前記針棒20の昇降動作の位相と、天秤30の位相
と、前記釜40における剣先42aの回転位相と、前記
刺繍枠90の駆動タイミングとが、前記テンション付与
機構50による上糸Yへのテンション付与力の強弱制御
と共に示されている。この図面においてミシン主軸12
の回転角度を表した横軸の点(a)〜(c)における剣
先42aの回転位置は図4(A)〜(C)とそれぞれ対
応している。
【0013】つづいて上糸Yに対するテンションの制御
について説明する。まず図6に前記テンション付与機構
50による各種のテンション制御パターン(a)〜
(g)が示されている。この中でもパターン(a)は標
準的なもので、上糸Yに付与されるテンション「弱」は
テンション付与機構50が図3(B)の状態に制御され
たときと対応しており、「強」は同じくテンション付与
機構50が図3(C)の状態に制御されたときと対応し
ている。なおこのパターン(a)において「弱」は従来
のテンション付与機構によるテンションの半分程度に設
定されている。
【0014】さてミシンの縫い動作開始と同時に、前記
パルスモーター60は図3(A)で示す励磁オフの状態
から図3(B)の状態に切換えられ、上糸Yに対するテ
ンション付与機構50のテンション付与力は「弱」の状
態となる。そして図5で明らかなように前記ミシン主軸
12の回転角度が0〜290°までの間で上糸Yに付与
されるテンションは「弱」に保持されており、ミシン主
軸12の回転角度が290°を超えたときに前記ロータ
リーエンコーダ70から前記パルスモーター60の駆動
回路61に出力された信号に基づき、テンション付与機
構50が図3(C)の状態に制御され、上糸Yに対する
テンションは「強」となる。
【0015】すなわち前記釜40の剣先42aが図4
(C)あるいは図5における横軸の点(c)で示すよう
に真下から少し上側に回転した時点、つまり上糸Yを引
き上げれば釜40から糸が外れる状態となった時点以降
は、上糸Yに対するテンションが「強」に保持されるこ
ととなる。またこの時点での前記天秤30は図5で明ら
かなようにすでに上方へ回動し始めており、この天秤3
0の回動によって上糸Yは釜40やボビンケース44と
の接触抵抗に打ち勝って釜40から外される。仮にこの
時点で上糸Yに対するテンションが、この上糸Yと釜4
0やボビンケース44との接触抵抗よりも弱いと天秤3
0の回動によって上糸Yがその供給側から余分に引き出
されてしまう。この結果は、その後の上糸Yと下糸との
絡みによって形成されるステッチの糸締まり不足を招く
こととなるが、本実施例ではそのような事態が回避され
る。なお前記釜40の剣先42aが真上から再び下側に
回転し始め、かつ天秤30がその上死点に達する前に前
記ロータリーエンコーダ70から前記パルスモーター6
0の駆動回路61に出力された信号に基づき、テンショ
ン付与機構50は再び図3(B)の状態に制御され、上
糸Yに対するテンションは「弱」となる。
【0016】以上は図6のパターン(a)に示されてい
る標準的なテンション制御について説明したものである
が、特に刺繍縫いミシンにおいては次の(1)〜(3)
のような条件に応じて上糸Yのテンションを制御する必
要がある。 (1)被刺繍布や刺繍糸の性状 (2)ステッチ長 (3)縫い方(ランニングステッチ、タタミ縫い、サテ
ン縫い等) まず前記(1)については、布や糸が伸縮性に富んでい
るか柔らかい素材の場合は図6のパターン(b)で示す
ように上糸Yに対するテンションを「弱」「強」共に標
準のパターン(a)より小さくする。これに対し硬い素
材のときには、図6のパターン(c)で示すように上糸
Yに対するテンションを「弱」「強」共に標準のパター
ン(a)より大きくする。このようなテンション制御に
より、素材に合った適正な糸締めが実現されるととも
に、縫い上がりの風合いも自由に選定できる。なおこれ
らのパターン(b)(c)の制御は、布や糸の素材に応
じて前記パルスモーター60の制御データを予めミシン
の制御パネル上で入力しておけばよい。前記(2)
(3)については、刺繍ミシンのコントローラが刺繍デ
ータによりステッチ長や縫い方を把握しているので、こ
の刺繍データに基づいてステッチ形成毎に、つまりミシ
ン主軸12の一回転毎に上糸Yに対するテンションの
「弱」「強」の幅及び(または)その切換えタイミング
を図6のパターン(d)〜(g)のように制御する。
【0017】このように本実施例では前記釜40の位相
を基準とし、その位相に基づいて上糸Yに対するテンシ
ョンを制御する場合を例に挙げている。しかし釜40の
位相に代えて前記針棒20や天秤30の位相、あるいは
前記刺繍枠90の駆動タイミングを基準とし、これらの
位相や動きに応じて上糸Yに対するテンションを制御す
ることもできる。また針棒20、天秤30、釜40及び
刺繍枠90のうちの二つ以上のものの位相や動きを考慮
に入れてテンション制御を行えば、より良好なステッチ
形成が可能となる。
【0018】実施例2 図7〜図10に示されている実施例は、テンション付与
機構50とその駆動機構であるパルスモーター60との
関連構成を変更したものである。まずテンション付与機
構50については、調整台32の前面壁を貫通させた状
態でこの調整台32と一体的に取付けられた筒形状の調
子芯棒72の軸上に一対の調子皿52,53と一方のス
プリングシート54とが軸線に沿ってスライドできるよ
うに組付けられ、他方のスプリングシート55は調子芯
棒72に対してねじ込み量の調整可能に取付けられてい
る。これらの両スプリングシート54,55の間には圧
縮コイルスプリング56が組込まれている。また前記調
子芯棒72には、前記調整台32の前面側に位置する端
部から軸線に沿った所定範囲においてスリット73が形
成されており、このスリット73を通じて前記スプリン
グシート54の中心部分が調子芯棒72の中に位置して
いる。しかもこの調子芯棒72の中には調整台32の内
部側から制御ピン74が挿入されていて、この制御ピン
74の先端は前記スプリングシート54の中心部分に当
接している。
【0019】前記パルスモーター60は、前記調整台3
2における前面壁の内側にブラケット78により装着さ
れている。このモーター60の出力軸62にはカム円板
76が固定されており、この円板76のカム面77には
前記制御ピン74の端部が接触している。なおカム面7
7は図10で明らかなようにカム円板76の円周方向の
一部に形成されていて、低部77aと高部77bとを有
する。そこでパルスモーター60の駆動制御によって前
記カム円板76を図10の矢印方向へ往復回動させるこ
とにより、前記制御ピン74の端部が図7で示すように
カム面77の低部77aに位置し、あるいは図8で示す
ようにカム面77の高部77bに位置する。
【0020】図7の状態においては、前記スプリング5
6の弾性力がスプリングシート54を通じて前記の両調
子皿52,53に作用しており、もって上糸Yに強いテ
ンションが与えられている。そしてこのときのテンショ
ンは、前記調子芯棒72に対するスプリングシート55
のねじ込み量を調整してスプリング56の弾性力を変え
ることで自由に設定できる。これに対し図8の状態で
は、前記制御ピン74によりスプリングシート54がス
プリング56の弾性力に抗して前記調子皿53から押し
離される。このため上糸Yに対するテンションはゼロと
なる。ただし、このときの上糸Yには図示外の別のテン
ション付与機構(既存タイプ)により天秤30の上流側
において弱いテンションが付与されている。
【0021】実施例3 図11に示されている実施例は、テンション付与機構5
0の構成を簡素化するとともに、その駆動機構を前記パ
ルスモーター60から電磁コイル80に代えたものであ
る。まず本実施例のテンション付与機構50は、調整台
32の前面壁に取付けられた調子芯棒72の軸上に一対
の調子皿52,53が軸線に沿ってスライドできるよう
に組付けられ、かつこの調子芯棒72のヘッド72aと
調子皿52との間に圧縮コイルスプリング56が設けら
れている。一方、このテンション付与機構50の駆動機
構として用いた前記電磁コイル80は調整台32の前面
壁に組付けられており、調子皿53と接触している。こ
の調子皿53は非磁性体からなり、他方の調子皿52は
磁性体で形成されている。そこで前記電磁コイル80が
通電されると、磁性体からなる調子皿52が非磁性体か
らなる調子皿53側に吸引されて上糸Yに強いテンショ
ンが与えられる。この電磁コイル80に対する通電が切
られると、調子皿52に作用していた吸引力が解除さ
れ、上糸Yに対するテンション付与力は前記スプリング
56の弾性力のみによる弱い力となる。
【0022】実施例4 図12に示されている実施例は、テンション付与機構5
0の両調子皿52,53を一体的に接合させた、いわゆ
る回転調子皿が使用された形式で、かつ駆動機構につい
ては前記実施例3と同様に電磁コイル80が用いられて
いる。前記テンション付与機構50については、調整台
32の前面壁に取付けられた調子芯棒72の軸上に一枚
の摩擦プレート75、前記回転調子皿を構成する互いに
一体の調子皿52,53及び一方のスプリングシート5
4が軸線に沿ってスライドできるように組付けられてい
る。なお他方のスプリングシート55は調子芯棒72に
固定され、両スプリングシート54,55の間には圧縮
コイルスプリング56が組込まれている。また前記摩擦
プレート75は、調整台32の前面壁に組付けられた前
記電磁コイル80に接触しており、この摩擦プレート7
5は非磁性体からなり、両調子皿52,53は磁性体で
形成されている。
【0023】さて上糸Yは回転調子皿である両調子皿5
2,53の外周に一周巻付けられており、この上糸Yの
走行により両調子皿52,53は前記調子芯棒72の軸
心回りに回転する。このとき両調子皿52,53は、前
記スプリング56の弾性に基づいて前記摩擦プレート7
5とスプリングシート54との間で回転抵抗を受けてお
り、もって上糸Yには弱いテンションが付与されてい
る。そこで前記電磁コイル80が通電されると、磁性体
からなる両調子皿52,53が吸引されてその回転抵抗
が増大し、上糸Yに強いテンションが付与される。
【0024】
【発明の効果】このように本発明は、上糸に付与される
テンションの強弱及びそのタイミングをステッチ毎に変
えることができ、各ステッチ毎のステッチ長やステッチ
方向に応じてそれぞれ良好な糸締まり具合が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミシンの駆動系統を表した概略図である。
【図2】上糸供給経路をその関連部材と共に表した外観
斜視図である。
【図3】テンション付与機構の作動状態を表した断面図
である。
【図4】釜の回転状態をその端面側から見た平面図であ
る。
【図5】針棒の昇降動作の位相、天秤30の位相、釜に
おける剣先の回転位相及び刺繍枠の駆動タイミングを上
糸に対するテンション付与力の強弱制御と共に表した説
明図である。
【図6】テンション付与機構による各種のテンション制
御パターンを表した説明図である。
【図7】実施例2のテンション付与機構を表した断面図
である。
【図8】同じく実施例2のテンション付与機構を表した
断面図である。
【図9】実施例2のテンション付与機構における構成部
品の一部を分解して表した外観斜視図である。
【図10】実施例2のカム円板を表した平面図である。
【図11】実施例3のテンション付与機構を表した断面
図である。
【図12】実施例4のテンション付与機構を表した断面
図である。
【符号の説明】
20 針棒 22 縫い針 30 天秤 40 釜 50 テンション付与機構 60 駆動機構(パルスモーター) 80 駆動機構(電磁コイル) 90 刺繍枠

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端に縫い針が装着された針棒の昇降動
    作と、天秤の往復動作と、釜の回転及び被刺繍布を張っ
    た刺繍枠の作動とが所定のタイミングで同期駆動され、
    前記天秤を経て前記縫い針に供給される上糸と前記釜か
    ら繰り出される下糸とが、前記縫い針と前記釜との協同
    機能により絡まされて前記被刺繍布にステッチを形成す
    る本縫い形式の刺繍ミシンにおいて、 前記上糸の供給経路における前記天秤の上流側でこの上
    糸にテンションを与えるように配置されたテンション付
    与機構と、このテンション付与機構によるテンション付
    与力を所定のタイミング信号に応じて調整可能な駆動機
    構とを備えていることを特徴とした刺繍ミシンの上糸テ
    ンション制御装置。
JP2367793A 1992-10-08 1993-01-18 刺繍ミシンの上糸テンション制御装置 Pending JPH06170074A (ja)

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JP2367793A JPH06170074A (ja) 1992-10-08 1993-01-18 刺繍ミシンの上糸テンション制御装置

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JP29779992 1992-10-08
JP4-297799 1992-10-08
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