JPH0631076A - ミシンにおける自動縫い調子制御装置 - Google Patents

ミシンにおける自動縫い調子制御装置

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JPH0631076A
JPH0631076A JP20723392A JP20723392A JPH0631076A JP H0631076 A JPH0631076 A JP H0631076A JP 20723392 A JP20723392 A JP 20723392A JP 20723392 A JP20723392 A JP 20723392A JP H0631076 A JPH0631076 A JP H0631076A
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JP
Japan
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thread
sewing
cam
needle
thread tension
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Application number
JP20723392A
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English (en)
Inventor
Kazumasa Hara
一正 原
Hiroshi Inaba
浩 稲葉
Koji Okuya
浩司 奥谷
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Janome Corp
Original Assignee
Janome Sewing Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ミシンによる縫い目形成において、縫い模様
や布送り量、布厚、縫い速度、針振幅量等の縫い条件に
応じた最適な上糸・下糸交絡状態を自動的に設定するこ
とのできる縫い調子制御装置を提供し、常に良好な縫い
目を形成することを可能にする。 【構成】 異なる複数のカム面32a〜32cを有する
集中制御カム32がステッピングモータ31に軸固定さ
れる。ステッピングモータは、模様選択手段等によって
入力される入力データや、布厚や縫い速度等を検出する
ためにミシンに備えられる検出装置からの検出データを
受けて特定の回転位相に制御される。これにより集中制
御カムの複数のカム面もそれぞれ特定の回転位相を持
ち、各カム面にそれぞれ当接する部材33、36、38
によって複数の糸調子制御手段4、6、29が制御さ
れ、最適な縫い調子を得るための上糸および下糸の糸調
子が設定される。かくして単一の制御部材32によって
複数の糸調子制御手段を集中的に自動制御することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はミシンにおいて縫い調子
を自動的に最適条件に制御することのできる装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ミシンによる縫い目形成は、上軸回転に
同期してミシン針に形成される上糸ループを、下軸回転
に同期して回転する水平釜によって捕捉し、上糸と下糸
とを交絡させることによってなされるが、上糸と下糸と
の最適な交絡位置関係は縫い模様や布厚さ等の縫い条件
毎に微妙に異なるものである。
【0003】例えば、反時計方向に回転する外釜を備え
る水平釜が用いられる場合、水平釜に収容されるボビン
からの下糸繰出点は、布送り方向と直交する方向におい
て、針落点よりも左側にあることが望まれ、この条件が
満たされないと、図6に示されるようなヒッチステッチ
と呼ばれる不良縫い目が発生することが知られている。
【0004】従って、従来のジグザグミシンにおいて
は、下糸繰出点を、布送り方向と直交方向において、ミ
シン針の最大振幅における左端針落点及び右端針落点よ
りも左側に設定して、図7に示されるような良好な直線
縫い目を形成するようにしている。
【0005】ところが、このように設定した下糸繰出点
のままでジグザグ縫いを行うと、左側縫い目形成時の下
糸供給経路よりも右側縫い目形成時の下糸供給経路の方
が長くなってしまい、左側縫い目を形成した後に右側縫
い目を形成する場合の下糸繰り出し量が不足し、図9に
示されるように左側に片寄った状態のジグザグ縫い目が
形成される傾向を有する。
【0006】この傾向を回避するためには、直線縫いの
場合に比べてジグザグ縫いの場合に上糸調子を強めに設
定することが望まれ、縫い模様に応じた上糸調子の制御
が必要となる。
【0007】縫い目を適正に糸締めして美麗な縫い目を
形成するために、一般にミシンには上糸調子器が備えら
れ、縫い模様毎に上糸調子器のダイヤルを操作して上糸
の引き出し張力を調整することが行われている。
【0008】また、上糸張力とは独立して下糸張力を調
整するための装置についても、特公昭61−3519号
公報、特公昭63−45237号公報、特開昭61−5
8692号公報、特開昭61−87587号公報、特開
昭62−199064号公報等に各種の提案がなされて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術によるときは、各々の上糸調子器や下糸調子器等を個
別的に手動操作し、或いは異なるアクチュエータにより
行われており、複数の縫い調子関連要素を集中して自動
制御し、縫い模様等の縫い条件に応じた最適な縫い調子
を自動的に設定することのできるものは存在しなかっ
た。
【0010】このため、ミシン操作者において、個々の
縫い条件に最適な縫い調子を設定することが要求される
が、これはきわめて困難な作業であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上記
従来技術の問題点を解消し、個々の縫い条件において常
に最適な縫い調子を自動的に設定することのできるミシ
ンにおける自動縫い調子制御装置を提供することを目的
とする。
【0012】この目的を達成するため、本発明による自
動縫い調子制御装置は、上下往復動可能である針と、前
記針と協働して前記針に形成される糸輪を捕捉すること
により上糸と下糸とを交絡させて縫い目を形成する糸輪
捕捉手段と、上糸及び/又は下糸の糸調子を制御するた
めの複数の糸調子制御手段と、縫い模様を選択するため
に操作される模様選択手段とを有するミシンにおいて、
前記複数の糸調子制御手段を集中制御する集中制御カム
と、前記模様選択手段からの入力情報を受けて縫い条件
に応じた最適な縫い調子を設定可能な回転位相に前記集
中制御カムを駆動する駆動手段とを有してなることを特
徴とする。
【0013】上記本発明の自動縫い調子制御装置におい
て、前記集中制御カムが複数の異なるカム面を有し、各
々のカム面に当接する作動部材によって前記複数の糸調
子制御手段を各々作動するように構成することができ
る。
【0014】また、前記模様選択手段からの入力情報に
加えて、布送り量、布の厚さ及び縫い速度のいずれか1
又は2以上のデータに応じて、前記集中制御カムの回転
位相を特定するように構成することができる。
【0015】
【作用】ミシン操作者により設定され、或いはミシンに
備えられる検出装置により検出される入力情報に応じ
て、集中制御カムの回転位相が特定され、縫い条件に応
じた最適な縫い調子を自動設定する。
【0016】
【実施例】図1は本発明による自動縫い調子制御装置が
適用されるジグザグミシンの概略図である。このミシン
1自体は公知のものであり、上糸Uは、糸立て棒2、糸
案内3、補助上糸調子器4、主上糸調子器5、糸取りバ
ネ6、天秤7、針8の経路で案内される。
【0017】針板9には横長形状の針穴10が形成さ
れ、該針穴10を挿通した針8が下死点より上昇時に布
との摩擦によって形成される上糸ループを水平釜が捕捉
することにより、上糸Uと下糸L(後述)とを交絡させ
て所望の縫い目を形成するようになっている。
【0018】針8は、針穴10の横幅範囲内において振
幅可能であり、ジグザグ縫いを可能にしている。
【0019】符号40は縫い模様選択ボタンであり、そ
の操作により所望の縫い模様を模様番号により選択でき
るようになっている。この模様番号データおよび振幅量
調節ダイヤル41、送り量調節ダイヤル42による調節
量データ、更には後記するポテンションメータ21によ
り検出される布厚データ等が、ミシンに内蔵された制御
装置CPU(図示せず)に入力され、縫い模様に適した
後記する縫い条件が設定されるようになっている。
【0020】以下図2を併せて参照し、針8は、上軸1
1の回転に伴い上下運動する。上軸11には、スリット
円板12が固着され、そのスリット位置をフォトインタ
ラプタ13で略連続的に検知することにより、上軸11
の回転位相及び回転速度が検出される。
【0021】針板9の下方には水平釜14が設けられ
る。水平釜14は、上軸11の回転に同期して、従って
針8の上下運動に同期して図示反時計方向に回転する外
釜15と、外釜15内に回転止め16により回転不能に
収容される内釜17と、内釜17に収容される下糸ボビ
ン18とを有する。下糸Lは、下糸調子バネ17bの繰
出点Oより所定の張力を付与されながら繰り出される。
【0022】下端に布押さえ19を有する押さえ棒20
には、その高さ位置に応じて布厚さを検出するポテンシ
ョンメータ21が備えられる。
【0023】符号4は前述した補助上糸調子器を示し、
糸調子バネ22に押圧される2枚の糸調子皿23、24
により上糸Uに張力を付与する。符号25は糸調子軸、
符号26は糸調子軸25の軸方向に移動可能な基端フラ
ンジである。
【0024】符号5は前述した主上糸調子器5を示し、
補助上糸調子器4と略同様の構成を有する。この主上糸
調子器5は、ダイヤル27の操作により糸調子バネ28
による付勢力を調整するもので、基準となる上糸張力を
目盛り「オート」の位置で与える。
【0025】符号6は前述した糸取りバネを示す。糸取
りバネ6の移動ストロークy(図4参照)は、縫い目形
成に必要となる上糸消費量の大小に逆比例して設定され
るものである。また、この設定により、上糸Uが内釜1
7と内釜回転止め16との間を通過する場合に、その通
過時の抵抗が小さな適性値となり、縫い条件の相違によ
る上糸消費量の相違に対して、上糸Uと下糸Lとの糸締
まりが常に良好な状態となる。
【0026】符号29は下糸案内レバーであり、水平釜
14の内釜17の前壁17aとわずかな間隔をもって平
行移動可能に設けられ、異なる位置を取ることによって
繰出点Oから縫い目形成位置までの下糸供給経路を変え
る。これにより、後記するようにジグザグ縫いの場合に
あって、下糸繰出点に相当する位置が制御される。
【0027】図示実施例による本発明の自動縫い調子制
御装置30は、ステッピングモータ31により駆動され
る集中制御カム32を有する。集中制御カム32のカム
面は軸方向に3分割され、第1のカム面32a、第2の
カム面32b及び第3のカム面32cを有している。こ
れら第1ないし第3のカム面32a〜32cはステッピ
ングモータ31の回転に伴って一体的に回転する。
【0028】第1のカム面32aは補助上糸調子器4の
作用を制御すべく働く。すなわち、第1のカム面32a
には爪33が押圧され、爪33はロッド34を介して押
圧体35と連結され、押圧体35は補助上糸調子器4に
おける基端フランジ26を押圧する。爪33は、ステッ
ピングモータ31の回転位相に応じて異なる半径長さを
有する接触点で第1のカム面32aと接触し、これによ
る異なる回転位置がロッド34を介して押圧体35に伝
達され、基端フランジ26の軸方向位置を変化させる。
かくして、ステッピングモータ31の回転位相に応じて
補助上糸調子器4による上糸張力制御が行われる。
【0029】第2のカム面32bは下糸案内レバー29
の作用を制御すべく働く。すなわち、第2のカム面32
bにはロッド36の先端爪36aが押圧され、ロッド3
6はロッド37を介して下糸案内レバー29と連結され
る。ステッピングモータ31の回転位相に応じて異なる
半径長さを有するものとされている第2のカム面32b
に対して先端爪36aが押圧されることにより、下糸案
内レバー29が矢印方向に移動される。かくして、ステ
ッピングモータ31の回転位相に応じて上糸案内レバー
29による下糸供給経路制御が行われる。
【0030】図3は下糸案内レバー29の拡大図であ
り、略中央部下方に凹部29aが形成され、その左側壁
29bが下糸供給経路に対する作用部となる。下糸案内
レバー29の左端位置を原点Oとし、そこからの右方向
移動量がxとして定性的に示されている。
【0031】第3のカム面32cは糸取りバネ6の作用
を制御すべく働く。すなわち、第3のカム面32cには
ロッド38の先端爪38aが押圧され、ステッピングモ
ータ31の回転位相に応じて糸取りバネ6の移動ストロ
ークが変化し、これに伴って上糸繰り出しが制御され
る。
【0032】図4はロッド38の部分拡大図であり、最
下方位置を原点Oとし、そこからの上方移動ストローク
量がyとして定性的に示されている。
【0033】ステッピングモータ31の回転位相は、模
様選択ボタン40の操作によって選択される縫い模様、
設定される布送り量、フォトインタラプタ13によって
検出される上軸回転速度及びポテンションメータ21に
よって検出される布厚さ等の入力データに基づいて決定
される。
【0034】集中制御カム32の第1〜第3のカム面3
2a〜32cの形状は、上糸張力を調整する補助上糸調
子器4、下糸供給経路を制御する下糸案内レバー29及
び上糸繰り出しを制御する糸取りバネ6の各作用による
組み合わせが最適な縫い調子を設定するように定められ
る。
【0035】集中制御カム32による縫い調子制御の一
例が図5に定性的に表示されている。ここでは、縫い条
件として、模様選択ボタン40によって選択される縫い
模様及び針振幅量、布送り量の各入力データが変動要因
として想定され、他の条件、すなわち上軸回転速度は標
準の回転速度、例えば1000rpmであり、布厚は標
準の布厚、例えばキャラコ布の2枚重ね時の布厚である
ものとする。
【0036】ここで、図5における縫いの種類に対する
上糸張力T、下糸案内レバー29の原点Oからの移動量
xおよび糸取りバネ6の原点Oからのストロークyの関
係について説明する。
【0037】これら上糸張力T、下糸案内レバー移動量
xおよび糸取りバネ移動ストロークyに対する制御量
は、直線縫い、ジグザグ縫い(普通送り)、ジグザグ縫
い(小送り)および飾り縫いの場合で各々異なる。図5
において、集中制御カム32の回転位相Aにて行われる
直線縫いの場合の各制御量がT1、x1、y1で、回転
位相Bにて行われるジグザグ縫い(普通送り)の場合の
各制御量がT2、x2、y2で、回転位相Cにて行われ
るジグザグ縫い(小送り)の場合の各制御量がT3、x
3、y3で、回転位相Dにて行われる飾り縫いの場合の
各制御量がT4、x4、y4で、それぞれ示されてい
る。
【0038】上糸張力Tに関しては、直線縫い時のT1
を基準とすると、ジグザグ縫い(普通送り)時のT2
は、直線縫い時よりも多くの下糸を引き出す必要がある
ため、T1よりも大きな制御量となっている。ジグザグ
縫い(小送り)時のT3は、ジグザグ縫い(普通送り)
時のT2よりも後記する理由によりやや大きな制御量と
なっている。飾り縫い時のT4は、ジグザグ縫い時ほど
多くの下糸を引き出す必要がなく、また後記するように
全体的に柔らかな法制を行うことが望まれるため、直線
縫い時のT1よりも小さな制御量となっている。
【0039】下糸案内レバー移動量xに関しては、後記
するように直線縫い時のx1および飾り縫い時のx4
は、その制御量を0にして下糸案内レバー29を左端位
置に設定し、下糸案内レバー29の作用部29aが下糸
繰出点Oからの下糸経路に干渉しないように制御する。
ジグザグ縫い(普通送り)時のx2は、下糸案内レバー
29の作用部29aを針振幅の略中心線上に位置させる
ための制御量である。ジグザグ縫い(小送り)時のx3
は、後記する理由によりジグザグ縫い(普通送り)時の
x2よりも更に大きな制御量に設定している。
【0040】糸送りバネ6の移動ストロークyは、前記
したように縫い目形成に必要となる上糸消費量の大小に
逆比例して設定されるものであるから、直線縫い時のy
1、ジグザグ縫い(普通送り)時のy2、ジグザグ縫い
(小送り)時のy3および飾り縫い時のy4の各制御量
の関係は、上糸消費量の大きい順と逆の順序、すなわち
y1>y4>y3>y2の関係を満たすように設定され
る。
【0041】模様選択ボタン40によって直線縫いが選
択されると、ステッピングモータ31の回転位相、従っ
て集中制御カム32の回転位相はAに制御される。この
とき、第1のカム面32aは,補助上糸調子器4の作用
による上糸張力をT1に設定する回転位相にある。第2
のカム面32bは、下糸案内レバー29の原点O(左端
位置)からの移動量をx1=0、すなわち下糸案内レバ
ー29を左端位置に設定する回転位相にある。また第3
のカム面32cは、糸取りバネ6の原点Oからの移動量
をy1に設定する回転位相にある。
【0042】つまり、直線縫いの場合は、下糸案内レバ
ー32が左端位置にあって、その凹部32aのゆえに、
繰出点Oからの下糸供給経路は下糸案内レバー29によ
っては何ら干渉されることがない。従って、針落ち位置
がいずれであっても、繰出点Oは布送り方向と直交方向
において常に左側に位置しており、図6のようなヒッチ
ステッチの発生を防止し、図7のような良好な直線縫い
目を形成させることができる。
【0043】模様選択ボタン40によって最大振幅のジ
グザグ縫いが選択され、且つ、布送り量が例えば mm
以上のような普通送りである場合、これらの入力データ
を受けて、集中制御カム32の回転位相はBに設定され
る。
【0044】このとき、第1のカム面32aは,補助上
糸調子器4の作用による上糸張力をT2に設定する回転
位相にある。第2のカム面32bは、下糸案内レバー2
9の原点O(左端位置)からの移動量をx2に設定する
回転位相にある。また第3のカム面32cは、糸取りバ
ネ6の原点Oからの移動量をy2に設定する回転位相に
ある。
【0045】つまり、普通送りによる最大振幅のジグザ
グ縫いの場合は、下糸案内レバー29が原点Oよりも相
当に右方向に移動した位置(x2)にあり、その作用部
29bが針振幅の略中心線上に位置する。このため、右
側針落ち位置での縫い目形成と左側蜂落ち位置での縫い
目形成のいずれの場合も下糸供給経路が略等しくなり、
図9のように左側に片寄った下糸展開となることを防止
し、図10のような良好なジグザグ縫い目を形成させる
ことができる。
【0046】模様選択ボタン40によって最大振幅のジ
グザグ縫いが選択され、且つ、布送り量が例えば2mm
以下のような小送りである場合、これらの入力データを
受けて、集中制御カム32は図5中のCの回転位相に制
御される。
【0047】このとき、第1のカム面32aは,補助上
糸調子器4の作用による上糸張力をT3に設定する回転
位相にある。第2のカム面32bは、下糸案内レバー2
9の原点O(左端位置)からの移動量をx3に設定する
回転位相にある。また第3のカム面32cは、糸取りバ
ネ6の原点Oからの移動量をy3に設定する回転位相に
ある。
【0048】つまり、小送りで行うジグザグ縫いの場
合、右側縫い目の下糸の展開がやや左側に後退する傾向
を示すので、下糸案内レバー29の位置を普通送りの場
合よりも更に右方向に移動させた位置(x3)とすると
共に、上糸張力を強め(T3)に設定することにより、
この傾向を回避することができる。
【0049】模様選択ボタン40によって飾り縫いが選
択された場合、集中制御カム32の回転位相はDとな
る。このとき、第1のカム面32aは,補助上糸調子器
4の作用による上糸張力をT4に設定する回転位相にあ
り、第2のカム面32bは、下糸案内レバー29をx4
=0すなわち左端位置(原点O)に設定する回転位相に
あり、また第3のカム面32cは、糸取りバネ6の原点
Oからの移動量をy4に設定する回転位相にある。
【0050】つまり、飾り縫いの場合には、上糸の張力
を弱めに設定して下糸張力によって布の裏面側に上糸を
引き込むようにし、全体的に柔らかな縫製を行うことが
望まれるため、この場合の上糸張力T4は弱く設定さ
れ、下糸案内レバー29による下糸供給経路制御もこの
場合は行われない。
【0051】以上に本発明による自動縫い調子制御装置
を図示実施例に基づいて説明したが、本発明はこの特定
の実施例に限定されるものではなく、様々な変形態様を
とることができる。
【0052】例えば、自動糸切断を指令するデータを入
力データに加え、自動糸切断時に上糸調子器を自動的に
解放するように構成することができる。
【0053】また、縫い目を形成せずに、布を自動的に
移動する場合に、これを入力データとして、上糸調子器
を自動的に解放するように構成することができる。
【0054】
【発明の効果】本発明の自動縫い調子制御装置によれ
ば、縫い模様等の縫い条件毎に最適な縫い調子を自動的
に設定することができ、理想的な縫い作業を簡単に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動縫い調子制御装置が適用されるミ
シンを概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による自動縫い調子制御装置
の構成を概略的に示す斜視図である。
【図3】下糸案内レバーの拡大図である。
【図4】糸取りバネに作用するロッドの部分拡大図であ
る。
【図5】集中制御カムによる制御を定性的に表示する図
である。
【図6】ヒッチステッチと呼ばれる不良直線縫い目の状
態を示す斜視図である。
【図7】良好な直線縫い目の状態を示す斜視図である。
【図8】上吊り縫い目と呼ばれる不良直線縫い目の状態
を示す斜視図である。
【図9】下糸展開が左右不均一に形成される不良ジグザ
グ縫い目の状態を示す斜視図である。
【図10】下糸展開が左右略均一に形成される良好なジ
グザグ縫い目の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
U 上糸 L 下糸 1 ミシン 2 糸立て棒 3 糸案内 4 補助上糸調子器 5 主上糸調子器 6 糸取りバネ 7 天秤 8 針 11 上軸 12 スリット円板 13 フォトインタラプタ 14 水平釜 21 ポテンションメータ 22 糸調子バネ 28 糸調子バネ 29 下糸案内レバー 29b 作用部 30 自動縫い調子制御装置 31 ステッピングモータ 32 集中制御カム 32a 第1のカム面 32b 第2のカム面 32c 第3のカム面 40 模様選択ボタン 41 振幅量調節ダイヤル 41 送り量調節ダイヤル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下往復動可能である針と、前記針と
    協働して前記針に形成される糸輪を捕捉することにより
    上糸と下糸とを交絡させて縫い目を形成する糸輪捕捉手
    段と、上糸及び/又は下糸の糸調子を制御するための複
    数の糸調子制御手段と、縫い模様を選択するために操作
    される模様選択手段とを有するミシンにおいて、前記複
    数の糸調子制御手段を集中制御する集中制御カムと、前
    記模様選択手段からの入力情報を受けて縫い条件に応じ
    た最適な縫い調子を設定可能な回転位相に前記集中制御
    カムを駆動する駆動手段とを有してなることを特徴とす
    るミシンにおける自動縫い調子制御装置。
  2. 【請求項2】 前記集中制御カムが複数の異なるカム
    面を有し、各々のカム面に当接する作動部材によって前
    記複数の糸調子制御手段を各々作動することを特徴とす
    る請求項1のミシンにおける自動縫い調子制御装置。
  3. 【請求項3】 前記模様選択手段からの入力情報に加
    えて、布送り量、布の厚さ及び縫い速度のいずれか1又
    は2以上のデータに応じて、前記集中制御カムの回転位
    相が特定されることを特徴とする請求項1又は2のミシ
    ンにおける自動縫い調子制御装置。
JP20723392A 1992-07-10 1992-07-10 ミシンにおける自動縫い調子制御装置 Pending JPH0631076A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1147479A (ja) * 1997-07-29 1999-02-23 Juki Corp ミシンの糸張力調整装置
US6055920A (en) * 1997-05-22 2000-05-02 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Sewing machine with both needle bar rocking and thread tension releasing mechanisms actuated by single actuator
JP2016150149A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 蛇の目ミシン工業株式会社 ミシン
JP2017051511A (ja) * 2015-09-11 2017-03-16 蛇の目ミシン工業株式会社 ミシン

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