JPH09327585A - ミシンの糸切れ検出装置 - Google Patents

ミシンの糸切れ検出装置

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JPH09327585A
JPH09327585A JP17420696A JP17420696A JPH09327585A JP H09327585 A JPH09327585 A JP H09327585A JP 17420696 A JP17420696 A JP 17420696A JP 17420696 A JP17420696 A JP 17420696A JP H09327585 A JPH09327585 A JP H09327585A
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JP
Japan
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thread
sewing machine
magnetic
upper thread
needle
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JP17420696A
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English (en)
Inventor
Tsunetada Kasai
常工 葛西
Akihisa Hagita
陽久 萩田
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NIPPON DENPA KK
Original Assignee
NIPPON DENPA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縫い調子を悪化させることなく、上糸等の糸
切れを検出することができるようにしたミシンの糸切れ
検出装置を提供する。 【解決手段】 ミシン本体のヘッド部3には、糸巻きと
天秤との間に糸調節装置10を取付ける。また、糸調節
装置10には上糸によって回転される糸車15を設ける
と共に、糸車15には磁気パターンが形成された磁性円
板23を取付ける。そして、磁性円板23の磁気パター
ンに近接してホール素子25を配設し、ホール素子25
で磁性円板23の回転を検知することによって糸切れの
有無を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば刺繍用ミシ
ン等の糸切れを検出するのに好適に用いられるミシンの
糸切れ検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、主軸を回転駆動する駆動源を備
えたミシン本体と、該ミシン本体に設けられ、前記主軸
の回転により駆動部を往復動させるヘッド部と、該ヘッ
ド部に往復動可能に設けられ、該ヘッド部の駆動部によ
り上,下に駆動される針軸と、該針軸の先端側に取付け
られ、上糸(刺繍糸)が挿通されるミシン針としての刺
繍針と、該刺繍針に上糸を供給すべく、前記上糸を巻回
状態で収納した上糸収納部と、前記ヘッド部に設けら
れ、該上糸収納部から刺繍針に供給する上糸に張力を与
える糸調子手段と、該糸調子手段と上糸収納部との間に
位置して前記ヘッド部に取付けられ、前記上糸収納部か
ら糸調子手段に導かれる上糸の途中部分が挿通される糸
掛けと、前記ヘッド部の下側に位置してミシン本体に設
けられ、刺繍布を展張状態で保持した刺繍枠をヘッド部
に対して相対的に枠移動させる枠移動機構と、前記ミシ
ン本体に設けられ、前記刺繍布に刺繍柄を実現すべく、
刺繍用データに基づき該枠移動機構および前記ヘッド部
の駆動部等を作動させる制御装置とからなる刺繍用ミシ
ンは知られている。
【0003】この種の刺繍用ミシンでは、駆動源により
主軸を回転させつつ、ヘッド部の駆動部を往復動させ、
該駆動部で針軸を介して刺繍針を上,下に駆動すると共
に、刺繍布を展張状態に保持した刺繍枠を枠移動機構で
X軸、Y軸方向に枠移動させることにより、前記刺繍針
を刺繍布に対して運針させ、この刺繍布に所望色の上糸
を縫付けて所望の刺繍柄を実現するようにしている。
【0004】この場合、刺繍針は主軸が1回転する毎に
上死点から下死点に達して刺繍布に刺し込まれ、所望色
の上糸を下糸と絡ませつつ、下死点から上死点に達する
間に上糸を刺繍布に縫い付けるようにして刺繍布から抜
出される。しかし、この刺繍針の運針途中で上糸の糸切
れ等が発生すると、刺繍柄の作成が中断されるので、こ
れを糸切れ検出装置で検知し、周囲のオペレータ等に上
糸等の糸切れを報知するようにしている。
【0005】そして、この種の糸切れ検出装置として
は、上糸を糸調子手段側に供給するときに該上糸によっ
て回転されるローラを糸調子手段と上糸収納部との間に
配設し、ローラには周方向に複数のスリットが形成され
た回転体を設けると共に、該回転体に近接して設けた光
センサにより各スリットを介して光が透過,遮断される
か否かを検知し、糸切れの有無を検出するようにしたも
のが知られている。
【0006】また、他の従来技術として、例えば特開昭
63−242299号公報には、糸調子手段の糸取りば
ねに電気的接点等を設け、上糸の供給に伴う糸取りばね
の揺動を電気的接点の開成,閉成によって検知し、上糸
の糸切れが発生しているか否かを判定するようにした糸
切れ検出装置が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるミシンの糸切れ検出装置では、糸調子手段
と上糸収納部との間に上糸によって回転されるローラを
特別に設け、該ローラの回転を光センサにより回転体を
介して検出する構成としている。しかし、上糸収納部と
糸調子手段との間に追加して設けるローラは、上糸に余
分な負荷をかける結果となって、上糸収納部から糸調子
手段側に向けた上糸の円滑な供給が損なわれることがあ
り、縫い調子を悪くするという問題がある。
【0008】一方、他の従来技術では、糸調子手段の糸
取りばねに電気的接点を設けるから、オペレータの糸通
し時に手先からの汗が接点部分に付着したり、糸ほこり
等が接点に付着したりして接触不良が発生するという問
題がある。
【0009】また、針先よりも下方部分で糸切れが発生
し、例えば上糸が針先の糸穴に引っ掛かったりした場合
には、糸切れの発生時にも天秤や刺繍針の上下動に伴っ
て上糸は緊張と弛緩とを繰り返すようになるから、これ
によって糸取りばねが揺動を繰り返すようになり、糸切
れの発生を検出するのが難しいという問題がある。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は縫い調子を悪化させることな
く、上糸等の糸切れを高精度に検出することができるよ
うにしたミシンの糸切れ検出装置を提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載の発明が採用するミシンの糸切
れ検出装置は、ミシン本体と、該ミシン本体に設けられ
ミシン針を往復動させつつ天秤を揺動させるヘッド部
と、該ヘッド部の天秤を介して前記ミシン針側に供給さ
れる上糸を収納した上糸収納部と、該上糸収納部と天秤
との間に設けられ前記上糸を天秤側に供給するときに該
上糸によって回転される糸車を有した糸調子手段と、該
糸調子手段の糸車と共に回転するように該糸車に取付け
られ周方向に磁気パターンが形成された回転体と、該回
転体に近接して設けられ前記磁気パターンから該回転体
の回転を検知することにより糸切れの有無を検出する回
転検知手段とからなる構成を採用している。
【0012】このように構成することにより、糸調子手
段に設けた糸車の回転を利用して糸切れの有無を検出す
るから、ミシン針の運針時に、該ミシン針と糸調子手段
との間で上糸に余分な負荷をかけることがなく、縫い調
子を損なわずに上糸の移動量を検出できる。また、下糸
の糸切れや下糸の消費により針先よりも下方部分で糸切
れが発生したときは、上糸がミシン針側に供給されるこ
とがなくなり、上糸の給糸や移動が中断されるから、こ
れによって糸車の回転は停止され、下糸の糸切れをも検
出することができる。
【0013】また、請求項2に記載した発明では、前記
回転検知手段は、一端側が前記回転体の磁気パターンに
近接し他端側が前記回転体から離れた位置に延びる磁性
棒と、該磁性棒の他端側に近接して設けられ該磁性棒を
介して前記磁気パターンを検知する磁気検知素子とを備
える構成としている。
【0014】このように構成すれば、回転体の磁気パタ
ーンを磁性棒を介して磁気検知素子により検知すること
ができ、回転体の回転を確実に検知できると共に、磁気
検知素子を回転体から離れた位置に配設でき、回転検知
手段の取付け自由度を増すことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。
【0016】ここで、図1ないし図5は本発明の第1の
実施例を示している。図中、1はミシン本体を示し、該
ミシン本体1は基台2と該基台2上に設けられた後述の
ヘッド部3とから大略構成されている。
【0017】3はヘッド部を示し、該ヘッド部3は基台
2上に固着された大端部3Aと、該大端部3Aの上部で
略L字状に屈曲し、基台2と略並行に延びる腕部3B
と、該腕部3Bの先端側から下向きに突出し、基台2上
の刺繍枠(図示せず)と対向する小端部3Cとから構成
されている。
【0018】4はヘッド部3の腕部3B基端側に設けら
れたはずみ車を示し、該はずみ車4はヘッド部3の腕部
3B内を伸長する主軸に連結され、この主軸をベルト等
を介して基台2内に設けられた駆動源としてのモータ
(いずれも図示せず)により回転駆動するようになって
いる。
【0019】そして、ヘッド部3の小端部3C内には前
記主軸の回転を上,下の往復動に換える図示しない駆動
部が設けられ、小端部3Cから基台2側に突出する針軸
5とミシン針6がこの駆動部によって上,下に駆動され
る。
【0020】7はヘッド部3上に設けられた上糸収納部
としての糸巻きを示し、該糸巻き7には刺繍糸としての
上糸8が巻回状態で格納され、該上糸8はミシン針6の
運針時に該ミシン針6に向けて供給される。
【0021】9,9はヘッド部3上に設けられた糸張り
器を示し、該糸張り器9,9は糸巻き7と後述する糸調
節装置10との間に配設され、例えば5g前,後の張力
を上糸8に与えるようになっている。
【0022】10はヘッド部3に設けられた糸調子手段
としての糸調節装置で、該糸調節装置10は図2および
図3に示すように、ヘッド部3の取付穴11に取付けら
れた段付の調子ロッド12と、該調子ロッド12の外周
側に順次挿嵌された樹脂プレート13,フェルトプレー
ト14,糸車15および押え筒16と、調子ロッド12
の先端側外周に螺合された張力調整用のナット17と、
該ナット17と押え筒16との間に配設され、ナット1
7によりばね力が可変に調整されるスプリング18とか
ら大略構成されている。
【0023】ここで、調子ロッド12は先端側が小径部
12Aとなって取付穴11からヘッド部3内に突出する
と共に、該小径部12Aの先端側には固定リング19が
ボルト20によって固着され、調子ロッド12をヘッド
部3に対して抜止めかつ回り止め状態で固定している。
また、小径部12Aの基端側には拡径した大径部12B
と、該大径部12Bから軸方向に延びるねじ部12Cと
が設けられ、前記大径部12Bは取付穴11内に挿入さ
れると共に、ねじ部12Cには図3に示すように軸方向
に延びるすり割溝12Dが形成されている。
【0024】そして、調子ロッド12に挿嵌された樹脂
プレート13は、取付穴11の開口側に設けられた円弧
状の突起部21(図3参照)に当接し、該樹脂プレート
13にはフェルトプレート14が摺接して設けられる。
また、該フェルトプレート14と押え筒16との間には
糸車15が弾性的に挟持され、該糸車15の外周側には
上糸8がほば1巻き分だけ巻回されている。そして、糸
車15は、スプリング18のばね力に応じてフェルトプ
レート14等に対する摺動抵抗が調整され、このときの
糸車15の回転抵抗により上糸8の張力(効力)を可変
に調整する構成となっている。
【0025】さらに、押え筒16は有底筒状に形成され
ると共に、その底部には調子ロッド12のすり割溝12
Dに係合して押え筒16の廻止めを行う係合穴16Aが
設けられ、該係合穴16Aに調子ロッド12が挿通され
る。また、スプリング18とナット17との間には円錐
コイル状のスプリング18の一端側を受承する座金22
が設けられ、該座金22にも調子ロッド12のすり割溝
12Dに係合して調子ロッド12に挿嵌される係合穴2
2Aが形成されている。
【0026】そして、糸調節装置10は糸車15を介し
て上糸8に、例えば30〜50g程度の張力を与え、上
糸8がミシン針6側にこの張力を越えて引っ張られると
きに、この上糸8は後述の天秤33側に給糸されるもの
である。
【0027】23は糸車15と共に回転するように糸車
15の一側面に取付けられた回転体としての磁性円板を
示し、該磁性円板23は樹脂材料からなる円板に磁性材
料による薄膜等を形成することによって構成され、フェ
ルトプレート14に接する磁性円板23の一側面には図
4に示すように、周方向に一定の微小間隔をもって複数
の磁気パターン24,24,…が形成されている。ここ
で、各磁気パターン24はN極とS極が交互に配置され
るように縞状に磁化された長方形状の磁性層として形成
され、各磁気パターン24間の微小間隔は0.1mm程
度に設定されている。
【0028】25は磁性円板23に近接して設けられ、
前記各磁気パターン24から磁性円板23の回転を検知
する回転検知手段としてのホール素子を示し、該ホール
素子25は取付穴11の上側に位置してヘッド部3の貫
通穴26を閉塞するように取付けられ、その先端側が前
記各磁気パターン24を検知すべく磁性円板23に近接
している。
【0029】また、ホール素子25から延びるリード線
27は貫通穴26を介してヘッド部3内に導かれる。そ
して、該リード線27はコネクタ28を介してヘッド部
3内にボルト29等を介して固着された基板30に接続
され、該基板30に設けた検出回路31によって磁性円
板23の回転を検知し、糸切れの有無を検出する。
【0030】32は糸調節装置10の外周側に設けられ
た糸取りばねで、該糸取りばね32は図3に示す如く、
糸掛部32Aに上糸8を引っ掛けることによって該上糸
8に張力を与え、糸巻き7から導かれる上糸8を後述の
天秤33側に糸補給すべく、低摩擦給糸を行う。そし
て、糸掛部32Aは上糸8を天秤33側に糸補給するこ
とに伴って上,下に揺動する。
【0031】33はヘッド部3の駆動部により上,下に
揺動される天秤を示し、該天秤33は図5に示すように
ミシン針6にほぼ同期して上,下動し、下向きに駆動さ
れるときにはミシン針6との間で上糸8に僅かなたるみ
を与え、この上糸8をミシン針6側に給糸させる。そし
て、該天秤33は上向きに駆動されるときに、ミシン針
6により刺繍布上に形成した縫い目(いずれも図示せ
ず)と糸調節装置10等との間で上糸8に張力を与え、
このときに前記縫い目の縫い締めと上糸8の繰り出しと
を行うようになっている。
【0032】本実施例によるミシンの糸切れ検出装置は
上述のような構成を有するもので、モータによって主軸
を回転させ、ヘッド部3の駆動部を往復動させると、こ
の駆動部によってミシン針6が上,下に駆動され、該ミ
シン針6を刺繍布に対して運針させる。これにより、刺
繍布に所望色の上糸8が縫付けられて所望の刺繍柄が作
成され、ミシン針6が刺繍布に縫い目を形成する毎に、
上糸8は糸巻き7から糸調節装置10を介してミシン針
6側に供給される。
【0033】即ち、図5に示すように、クランク軸(主
軸)が1回転する間にミシン針6が上死点と下死点との
間を1往復する。そして、天秤33が下死点から上死点
に移行するときに上糸8には張力が作用し、この張力は
天秤33が上死点に到達する直前から急激に増大し、天
秤33が上死点に到達したときにピーク値に達する。そ
して、上糸8は刺繍布の下面側で下糸に絡んだ後、天秤
33の上昇によって糸締めされ(糸締め期間)、この糸
締め期間の後半に上糸8の張力が糸調節装置10で設定
された張力(例えば30〜50g程度)を越えると、先
端側が刺繍布に縫付けられた上糸8は糸調節装置10を
介して糸巻き7から繰り出される(糸移動期間)。
【0034】そして、この糸移動期間では、糸調節装置
10の糸車15は糸巻き7からミシン針6側に供給され
る上糸8の移動量(消費量)に応じて回転すると共に、
糸車15に取付けられた磁性円板23も回転する。この
とき、磁性円板23の回転によってホール素子25は各
磁気パターン24を検知し、各磁気パターン24に応じ
たパルス信号等をリード線27を介して検出回路31に
出力する。そして、検出回路31はパルス信号の数によ
って給糸された上糸8の移動量(消費量)を演算し、例
えばミシン針6を5回運針したときに移動量が1mm以
下の場合には、これを糸切れが発生したものと判定す
る。
【0035】ここで、上糸8が途中で切れたり、ミシン
針6の針先よりも下方部分で糸切れが発生した場合また
は下糸(図示せず)が無くなって上糸8の移動が中断し
た場合には、糸車15の回転が停止してホール素子25
からパルス信号が出力されないから、検出回路31は上
糸8等が糸切れを起こしたと判定し、例えばモータと主
軸とを連結するクラッチを切離して主軸を停止させると
共に、オペレータ等に上糸8等の糸切れを報知する。
【0036】かくして、本実施例では、糸調節装置10
の糸車15に一体回転可能に磁性円板23を設け、該磁
性円板23の回転を検知することによって糸切れの有無
を検出するから、従来技術のように糸調節装置10と糸
巻き7との間に上糸によって強制回転されるローラ等を
特別に設ける必要がなくなり、ミシン針6の運針時に、
該ミシン針6と糸調節装置10との間で上糸8に余分な
負荷をかけるのを防止でき、縫い調子を損なうことなく
上糸8等の糸切れを検出することができる。そして、ミ
シン針6の針先よりも下方部分で下糸等に糸切れが発生
したとき、または下糸がなくなったときにも、上糸8の
移動が中断されることにより、これを糸切れとして確実
に検出できる。
【0037】また、磁性円板23に形成した各磁気パタ
ーン24をホール素子25によって検出するから、移動
量が1mm以下等の僅かな場合でも、各磁気パターン2
4を例えば0.1mm程度の微小間隔をもって形成する
ことによって、上糸8の移動量を容易かつ高精度に検出
でき、確実な糸切れの判定ができる。さらに、移動量の
総和を演算することにより、上糸8が消費された量を検
出でき、上糸8の補充時期等を検知することができる。
【0038】さらに、磁性円板23とホール素子25と
を用いることにより非接触状態で糸切れの検出を行うこ
とができるから、糸ほこりや塵等の影響を受けずに安定
した糸切れ検出を行うことができる。そして、現行のミ
シンに設けている糸調節装置10の糸車15を利用して
糸切れの検出を行うから、現行のミシンに対しても特別
の変更も加えることなく、糸車15に磁性円板23等を
取付けるのみによって安価で、かつ容易な糸切れ検出を
実現することができる。
【0039】さらにまた、糸取りばね32に従来技術で
述べた電気的接点等を設けるようにすれば、該電気的接
点の開成,閉成によって上糸8の糸切れが発生している
か否かを判定できると共に、これに磁性円板23とホー
ル素子25等とによる糸切れ検出を加えることによっ
て、電気的接点が開成,閉成を繰り返すときにも、上糸
8の移動が停止していると判定されるときには、これを
下糸の糸切れとして検出でき、上糸8または下糸のどち
らの糸に糸切れが発生したのかをより正確に判別するこ
とができる。
【0040】次に、図6は本発明の第2の実施例を示
し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。し
かし、本実施例の特徴は、磁気検知素子としてのホール
素子41を基板30に固着して設けると共に、該ホール
素子41と磁性円板23との間にはその両端側が近接す
る位置まで延びるように磁性棒42を配設したことにあ
る。
【0041】ここで、磁性棒42は取付穴11の上側に
位置してヘッド部3の貫通穴43に非磁性のスリーブ4
4を介して固着され、その一端側は磁性円板23の各磁
気パターン24に近接し、他端側はヘッド部3内へと延
びて基板30に固着されたホール素子41に近接して設
けられる。そして、ホール素子41は磁性棒42を介し
て各磁気パターン24を検知し、各磁気パターン24に
応じた信号を検出回路45に出力すると共に、該検出回
路45によって糸切れの有無を検出する。
【0042】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、磁性円板23から離
れた位置にホール素子41を配設し、両端側が磁性円板
23とホール素子41とに近接するように磁性棒42を
設けたから、磁性円板23の各磁気パターン24をホー
ル素子41により磁性棒42を介して磁性円板23から
離れた位置で検知することができ、磁性円板23が回転
しているか否かから、糸切れの有無を確実に判定でき
る。そして、ホール素子41等の取付け自由度を増すこ
とができ、現行のミシン等にも容易に適用が可能とな
る。
【0043】次に、図7は本発明の第3の実施例を示
し、本実施例の特徴は、前記第1の実施例で述べた糸切
れ検出装置を多色刺繍用ミシンに適用したことにある。
なお、本実施例では前記第1の実施例と同一の構成要素
に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0044】図中、51は多色刺繍用ミシンのヘッド部
(図示せず)の上方に設けられた糸道装置を示し、該糸
道装置51の取付台52には、ヘッド部側に設けた各ミ
シン針の本数に対応して各糸張り器9と各糸調節装置1
0とが複数(例えば5個)配設される。そして、上糸収
納部(図示せず)からそれぞれのミシン針に対応して供
給さる上糸8,8,…は各糸張り器9と各糸調節装置1
0とに巻回され、かつ張力が付与された状態で各ガイド
53等を介して下方へと各ミシン針に給糸される。
【0045】そして、各糸調節装置10には前記第1の
実施例と同様に糸車15と一体に磁性円板23が設けら
れ、該各磁性円板23の回転をホール素子25等によっ
て検出する構成としている。
【0046】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、各糸調節装置10に
糸切れ検出装置を設けたから、複数本の各上糸8毎に独
立して糸切れの検出を行うことができ、各上糸8の糸消
費量も検出できると共に、全体をコンパクトに形成で
き、小型化、軽量化を図ることができる。
【0047】なお、前記各実施例では、磁性円板23は
樹脂材料からなる円板に磁性材料による薄膜を設け、該
薄膜に各磁気パターン24を形成するものとして述べた
が、これに替えて、樹脂材料からなる円板に複数の微小
な磁石を周方向に列設することによって磁性円板を形成
してもよく、また、磁化した薄膜を貼設する等の手段を
用いることによって磁性の円板を形成してもよい。さら
に、磁性円板23は別途磁性薄膜を設ける以外に、磁性
円板を磁性体で構成し、その表面に磁気パターンを直接
形成してもよい。 また、前記各実施例では、磁気パタ
ーン24はN極とS極が交互に配置されるように縞状に
磁化されるものとしたが、磁極の方向はこれに限らず、
磁性円板の回転によりホール素子等の磁気検知素子で磁
気変化が検知できる方向であればどの方向でもよく、例
えば円板の厚み方向に磁極が配置された磁気パターンと
してもよい。
【0048】さらに、前記各実施例では、ホール素子2
5,41によって各磁気パターン24を検知するものと
して述べたが、本発明はこれに限らず、ホール素子の代
わりに磁気抵抗素子や磁気ヘッド等を用いてもよい。
【0049】さらにまた、前記各実施例では、上糸収納
部としての糸巻き7をヘッド部3上に設けるものとして
述べたが、本発明はこれに限らず、例えば基台2の上方
でヘッド部3から離間した位置に上糸収納部や図7に示
す糸道装置51等を設けるようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、糸調子手段の糸車に回転体を設け、回転体の回転
を検知することによって糸切れの有無を検出する構成と
したから、従来技術のように糸調子手段と上糸収容部と
の間に上糸によって強制回転されるローラ等を特別に設
ける必要がなくなり、ミシン針の運針時に、該ミシン針
と糸調子手段との間で上糸に余分な負荷をかけるのを防
止でき、縫い調子を損なうことなく上糸等の糸切れを検
出することができる。そして、ミシン針の針先よりも下
方部分で下糸等に糸切れが発生したとき、または下糸が
なくなったときにも、上糸の移動が中断されることによ
り、これを糸切れとして確実に検出できる。
【0051】また、回転体に形成した磁気パターンを回
転検出手段によって検知するから、上糸の移動量が1m
m以下等の僅かな場合でも、例えば磁気パターンを0.
1mm毎に形成することによって上糸の移動量を容易か
つ高精度に検出でき、確実な糸切れの判定ができる。さ
らに、移動量の総和を演算することにより、上糸が消費
された量を検出でき、上糸の補充時期等を検知すること
ができる。
【0052】さらにまた、多色刺繍用ミシン等のように
多数の上糸を使用する場合でも、各糸調子手段に糸切れ
検出装置を設けることにより、それぞれの上糸毎に糸切
れを検出でき、全体をコンパクトに形成することができ
る等の効果を奏する。
【0053】また、請求項2に記載した発明によれば、
一端側が回転体の磁気パターンに近接し他端側が回転体
から離れた位置に延びる磁性棒と、該磁性棒の他端側に
近接して設けられ該磁性棒を介して磁気パターンを検知
する磁気検知素子とから回転検出手段を構成したから、
回転体の磁気パターンを磁性棒を介して磁気検知素子に
よって検知でき、回転体の回転を確実に検知できると共
に、磁気検知素子を回転体から離れた位置に配設でき、
回転検知手段の取付け自由度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるミシンの糸切れ検
出装置が設けられたミシンを示す正面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向拡大断面図である。
【図3】図1中の糸調節装置等を示す分解斜視図であ
る。
【図4】図2中の矢示IV−IV方向拡大断面図である。
【図5】第1の実施例によるミシン針および天秤の動作
と、上糸に作用する張力との関係を示す特性線図であ
る。
【図6】本発明の第2の実施例による糸調節装置等を示
す図2と同様の拡大断面図である。
【図7】本発明の第3の実施例による糸切れ検出装置を
設けた糸道装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ミシン本体 3 ヘッド部 6 ミシン針 7 糸巻き(上糸収納部) 8 上糸 10 糸調節装置(糸調子手段) 15 糸車 23 磁性円板(回転体) 24 磁気パターン 25,41 ホール素子(磁気検出素子) 33 天秤 42 磁性棒

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシン本体と、該ミシン本体に設けられ
    ミシン針を往復動させつつ天秤を揺動させるヘッド部
    と、該ヘッド部の天秤を介して前記ミシン針側に供給さ
    れる上糸を収納した上糸収納部と、該上糸収納部と天秤
    との間に設けられ前記上糸を天秤側に供給するときに該
    上糸によって回転される糸車を有した糸調子手段と、該
    糸調子手段の糸車と共に回転するように該糸車に取付け
    られ周方向に磁気パターンが形成された回転体と、該回
    転体に近接して設けられ前記磁気パターンから該回転体
    の回転を検知することにより糸切れの有無を検出する回
    転検知手段とから構成してなるミシンの糸切れ検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記回転検知手段は、一端側が前記回転
    体の磁気パターンに近接し他端側が前記回転体から離れ
    た位置に延びる磁性棒と、該磁性棒の他端側に近接して
    設けられ該磁性棒を介して前記磁気パターンを検知する
    磁気検知素子とを備える構成としてなる請求項1に記載
    のミシンの糸切れ検出装置。
JP17420696A 1996-06-13 1996-06-13 ミシンの糸切れ検出装置 Pending JPH09327585A (ja)

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