JP4732598B2 - 多色刺繍ミシンの糸切れ検出装置 - Google Patents

多色刺繍ミシンの糸切れ検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば刺繍用ミシン等の糸切れを検出するのに好適に用いられる多色刺繍ミシンの糸切れ検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、刺繍データ等に従ってミシンの主軸等を駆動制御することにより、多数色の上糸(刺繍糸)を用いて布等の刺繍対象物に多数色の刺繍柄を実現するようにした多色刺繍ミシンは知られている。
【0003】
そして、この種の従来技術による多色刺繍ミシンは、主軸を回転駆動する駆動源を備えたミシン本体と、該ミシン本体に設けられ前記主軸の回転により駆動部を往復動させるヘッド部と、該ヘッド部に往復動可能に設けられ該ヘッド部の駆動部により上,下に駆動される複数の針軸と、該各針軸の先端側にそれぞれ取付けられ上糸(刺繍糸)が挿通される複数のミシン針と、該各ミシン針に上糸を供給すべく前記各上糸をそれぞれ巻回状態で収納した上糸収納部と、該上糸収納部からミシン針に供給する上糸の送出しと糸締めを行うため各ミシン針に対応して前記ヘッド部に設けられ前記駆動部により上,下に揺動される複数の天秤とを備えて構成されている。
【0004】
ここで、前記ヘッド部には色替え機構が設けられ、該色替え機構は、刺繍データに従って複数のミシン針と天秤のうちいずれか1つのミシン針と天秤を選択的に駆動するものである。また、ミシン本体には、前記ヘッド部の下側に位置して刺繍布等を展張状態で保持する保持枠と、該保持枠を刺繍布と一緒にヘッド部に対して相対的に枠移動させる枠移動機構とが設けられている。
【0005】
そして、刺繍作業等を行うときには、ミシンの駆動源により主軸を回転させつつ、ヘッド部の駆動部を往復動させ、該駆動部で針軸を介してミシン針を上,下に駆動すると共に、前記保持枠を枠移動機構でX軸、Y軸方向に枠移動することにより、前記ミシン針を刺繍布に対して運針させ、この刺繍布に所望色の上糸を縫付けて刺繍柄を実現するものである。
【0006】
この場合、ミシン針は主軸が1回転する毎に上死点から下死点に達して刺繍布に刺し込まれ、上糸を下糸と絡ませつつ、天秤が下死点から上死点に達する間に上糸を刺繍布に縫い付けるようにして刺繍布から抜出される。しかし、ミシン針の運針途中で上糸の糸切れが発生すると、刺繍柄の作成が中断されるので、これを糸切れ検出装置で検知し、周囲のオペレータ等に上糸等の糸切れを報知するようにしている。
【0007】
このため、例えば特開昭63−242299号公報等に記載の糸切れ検出装置では、上糸収納部と天秤との間に位置してミシンのヘッド部に設けられる糸調子の糸取りばねに電気的接点等を取付け、上糸の供給に伴う糸取りばねの揺動を電気的接点の開成,閉成によって検知し、この検知信号により上糸の糸切れを検出する構成としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による糸切れ検出装置は、1本の上糸毎にそれぞれ配設される糸調子の糸取りばねに対し、電気的接点からなるセンサを個別に設ける構成としている。このため、多色刺繍ミシンに適用する場合には、複数本の上糸に対し各糸取りばね毎に電気的接点およびプリント基板等を付設する必要があり、部品点数が増加し、組立時の作業性が低下するという問題がある。
【0009】
また、このような糸切れセンサは、電気的接点の数に比例して配線本数が増加するばかりでなく、静電気等の影響で誤検出が発生したり、場合によっては回路部分の損傷等も生じ易い。さらに、上糸収納部側での糸消費量に影響されて検出波形が変化することがあり、糸切れ時の検出精度が悪いという問題がある。
【0010】
一方、他の従来技術(例えば、特開平5−177080号公報)には、天秤とミシン針との間に可動糸道を設け、該可動糸道には複数の上糸を個別に挿通するため複数の糸挿通孔を設けると共に、天秤の揺動に伴う上糸の動きに従って可動糸道を(微動)振動させることにより、この振動を磁気抵抗素子等で検出する構成とした多色刺繍ミシン専用の糸切れ検出装置が記載されている。
【0011】
しかし、この場合には可動糸道の各糸挿通孔に上糸を個別に挿通し、天秤の揺動に伴う上糸の動きに従って可動糸道を細かく振動させる構成であるため、糸切れの発生直後にも振動が残り、糸切れの発生時を早期に検出するのが難しいという問題がある。
【0012】
また、複数本の上糸のうち1本の上糸を選択して刺繍作業を行っているときに糸切れが発生したとしても、他の非選択の上糸が刺繍枠等の枠移動に伴って振動し糸の張力が変化すると、これによって可動糸道が振動する場合があり、この場合には糸切れの発生を即座に検出するのが難しく、誤検出の原因になるという問題がある。
【0013】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、糸切れの発生時を早期に検出することができ、他の非選択の上糸に影響されることなく、糸切れを安定して検出できるようにした多色刺繍ミシンの糸切れ検出装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、多色刺繍を行うためミシン針と天秤とがそれぞれ複数設けられ該各ミシン針と天秤のうちいずれか1つのミシン針と天秤を選択的に駆動するミシンのヘッド部と、該ヘッド部の各ミシン針に対し上糸をそれぞれ天秤を介して供給するため複数の上糸を収納した上糸収納手段と、前記各ミシン針と各天秤との間に位置して前記ヘッド部に設けられ糸切れの有無を検出する検出手段とからなる多色刺繍ミシンの糸切れ検出装置に適用される。
【0015】
そして、請求項1に記載の発明が採用する構成の特徴は、前記検出手段を、前記上糸収納手段から各天秤を介してそれぞれのミシン針に供給される複数の上糸を横切るように延び、前記天秤により上糸に与えられる糸張力に従って回動変位する回動体と、該回動体の変位を検知することにより前記糸切れを検出する回動検知手段とから構成し、前記回動体は、前記複数の上糸を横切るように前記ヘッド部の左,右方向に延び外周面に上糸が接触する糸当て棒と、該糸当て棒の両端側に設けられ該糸当て棒とは偏心した位置で該糸当て棒を前記ヘッド部側に回動可能に連結する連結具と、前記糸当て棒の両端のうち少なくとも一方の端部側に位置して該連結具に設けられ該連結具と一体に回動する回動板と、前記連結具とヘッド部側との間に設けられ前記糸当て棒を上糸に接触させる方向に付勢する付勢手段とにより構成し、前記回動体の連結具は、前記糸当て棒と平行に左,右方向に延び両端側が前記糸当て棒を回転自在に支持する支持部となった連結バーと、該連結バーの各支持部側にそれぞれ設けられ該連結バーを糸当て棒と共に前記ヘッド部側に回動可能に連結する回動軸とにより構成したことにある。
【0016】
このように構成することにより、複数の天秤のうち色替え機構等で選択された1つの天秤が上,下に揺動すると、これに伴って上糸がミシン針との間で引っ張られ前,後方向に張出すように挙動するので、この挙動を利用して回動体を回動変位させることができ、回動体の変位を回動検知手段で検知することにより、上糸の糸切れを早期に検出することができる。また、下糸の糸切れや下糸の消費によりミシン針の針先よりも下方部分で糸切れが発生したときにも、上糸がミシン針側に供給されることがなくなり、天秤による上糸の給糸や移動が中断されるので、この場合にも回動体が上糸によって回動変位されることはなくなり、下糸の糸切れをも検出することができる。
特に、回動体の糸当て棒は連結具の回動中心に対して偏心した位置に配置されるので、糸当て棒を上糸に接触させる方向の回転力を、該糸当て棒の重さを利用して発生させることができる。また、付勢手段を用いることにより糸当て棒を上糸に接触させる方向に回転させる力を、前記糸当て棒の重さとの関係で調整することができ、回動体全体の動きがアンバランスになるのを抑えることができる。そして、天秤の揺動に伴って上糸がミシン針との間で前,後方向に張出すように挙動するのを、糸当て棒を介して回動体の連結具および回動板に伝え、回動体全体を安定して回動変位させることができる。
しかも、回動体の連結具は、糸当て棒と平行に左,右方向に延び両端側が前記糸当て棒を回転自在に支持する支持部となった連結バーと、該連結バーの各支持部側にそれぞれ設けられ該連結バーを糸当て棒と共に前記ヘッド部側に回動可能に連結する回動軸とにより構成している。これにより、連結バーを用いて糸当て棒を左,右両側から挟込むように支持でき、連結バーの回動中心から偏心した位置で糸当て棒を自転可能に保持することができる。そして、上糸との接触で糸当て棒を自転させることにより、上糸と糸当て棒との間に発生する摩擦力を吸収でき、回転体により上糸に余分な張力を付加したりするのを抑えることができる。
【0017】
また、請求項2の発明によると、ヘッド部には複数の天秤を外側から開,閉可能に覆う保護カバーを設け、回動体と回動検知手段とは該保護カバーに取付ける構成している。これにより、保護カバーを用いて複数の天秤と共に回動体、回動検知手段等を保護でき、保護カバーを開いたときには、糸切れの検出動作を自動的に解除することができる。
【0022】
さらに、請求項の発明は、回動検知手段は回動体の変位を非接触状態で検知する非接触式センサにより構成している。これにより、回動体の変位を非接触式センサを用いて検出でき、糸切れの発生時を非接触式センサからの信号により高精度に判別することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による多色刺繍ミシンの糸切れ検出装置を添付図面の図1ないし図10に従って詳細に説明する。
【0024】
図中、1は多色刺繍ミシンの基台を示し、該基台1上には左,右に離間して側枠2,3が立設され、該左,右の側枠2,3間にはヘッド支持体4が掛け渡すように配設されている。
【0025】
5はヘッド支持体4の前部側に設けられたミシンのヘッド部で、該ヘッド部5は、図2に示す如くヘッド本体6と、該ヘッド本体6の前面側に設けられ、ヘッド本体6に対して左,右(図1中の矢示a,b方向)に移動可能となった針棒ケース7と、該針棒ケース7上に設けられ、色替え機構8により針棒ケース7と一体に左,右方向に移動される糸調子台9とにより構成されている。
【0026】
そして、ヘッド本体6には、図1に示す主軸モータ10により主軸11を介して駆動される天秤駆動部と針棒駆動部(いずれも図示せず)が設けられ、これらの駆動部により後述の天秤17と針棒18とがそれぞれ上,下に駆動される。また、色替え機構8は、針棒ケース7と糸調子台9とを一体に左,右へと移動させることにより、後述の色替え作業を行うものである。
【0027】
12はヘッド支持体4の後側に配設された上糸収納手段としてのチーズ台で、該チーズ台12には、図2に示すように複数の上糸ボビン12A,12B,12C,…等が設けられ、これらの上糸ボビン12A,12B,12C,…には、例えば赤、青、黄、白、黒色等の複数色の上糸(以下、刺繍糸Sという)等が巻回されている。そして、刺繍作業時には、これらの上糸ボビン12A,12B,12C,…から選択的に刺繍糸Sが天秤17により引出され、刺繍布等の刺繍対象物(図示せず)に対する刺繍が行われるものである。
【0028】
13,13,…はヘッド部5の糸調子台9に設けられた糸張り器で、これらの糸張り器13は、図3に示すように糸調子台9の上部側に互いに間隔をもって、例えば合計9個配設されている。14,14,…は各糸張り器13の下側に位置して糸調子台9に設けられた、例えば9個の糸調子を示している。
【0029】
そして、チーズ台12の上糸ボビン12A,12B,12C等から引出された刺繍糸Sは、それぞれ糸張り器13を介して各糸調子14へと導かれ、この糸調子14により天秤17側に向けて低摩擦給糸されるものである。この場合に、糸調子14は、例えば10〜50g程度の張力を刺繍糸Sに与え、後述のミシン針19等により刺繍糸Sがこの張力を越えて引っ張られるときに、天秤17側に向けて刺繍糸Sが給糸されるのを許す構成となっている。
【0030】
15は糸調子14よりも下側に位置して糸調子台9に設けられた糸ガイドで、該糸ガイド15は、糸調子台9の下端側に沿って左,右方向に延びる板状金具からなり、例えば合計9個の糸挿通孔(図示せず)が左,右に間隔をもって列設されている。そして、糸ガイド15の各糸挿通孔には糸調子14と天秤17との間でそれぞれ刺繍糸Sが1本ずつ挿通されている。
【0031】
16は天秤17よりも下側に位置して針棒ケース7の前面側に設けられた他の糸ガイドで、該糸ガイド16は、針棒ケース7の幅方向(左,右方向)に延びる板状金具からなり、例えば合計9個の糸挿通部16A(図8に1個のみ図示)が糸ガイド15の各糸挿通孔とほぼ同様に列設されている。
【0032】
また、糸ガイド16には、図8に示すように各糸挿通部16Aに対応して糸掛け部16Bが合計9個設けられている。そして、上側の糸ガイド15から導かれる各刺繍糸Sは、糸ガイド16の糸掛け部16Bに挿通した後に、後述する天秤17の糸挿通孔17Bに向けて引き回し、この糸挿通孔17Bから糸ガイド16の糸挿通部16Aを通して図4に示すミシン針19側へと導かれるものである。
【0033】
17,17,…はヘッド部5の針棒ケース7から前面側に突出して設けられた天秤で、これらの天秤17は、図3に示す如く針棒ケース7内に左,右に並べるように配設され、その基端側には図4に示す如く天秤ギヤ17Aがそれぞれ設けられている。そして、天秤17の天秤ギヤ17Aは、ヘッド本体6に設けた前記天秤駆動部の駆動ギヤ(図示せず)に噛合し、主軸11の回転に従って天秤17は図8ないし図10に示す如く上,下に揺動されるものである。
【0034】
この場合、例えば合計9本の天秤17のうちいずれか1本の天秤17が、前記色替え機構8で選択されると、選択された天秤17のみが上,下に揺動される。そして、非選択となった残余の天秤17は、図4に実線で示す上死点位置に留まり、その後に色替え機構8で選択されるまでは、この上死点位置に保持されるものである。
【0035】
また、天秤17の先端(突出端)側には糸挿通孔17Bが形成され、該糸挿通孔17Bには刺繍糸Sが挿通されるものである。そして、この状態で天秤17は、上死点から下死点へと下向きに駆動されるときに、ミシン針19との間で刺繍糸Sに僅かなたるみを与え、刺繍糸Sをミシン針19側に給糸させる。
【0036】
また、天秤17は上向きに駆動されるときに、ミシン針19により刺繍布等に形成した縫い目(いずれも図示せず)と糸調子14等との間で刺繍糸Sを引っ張り上げるようにして刺繍糸Sに張力を与え、前記縫い目の糸締めと刺繍糸Sの繰り出しとを行うものである。
【0037】
18,18,…は天秤17の下側に位置して針棒ケース7内に設けられた例えば9個の針棒で、該各針棒18の下端側にはそれぞれミシン針19が着脱可能に装着されている。そして、これらの針棒18およびミシン針19は、ヘッド本体6に設けられた針棒駆動部(図示せず)により主軸11の回転に従って上,下に駆動されるものである。
【0038】
また、これらの針棒18、ミシン針19についても、天秤17と同様に色替え機構8により選択され、選択された針棒18のみがミシン針19と共に上,下に往復動されるものである。そして、非選択となった残余の針棒18はミシン針19と一緒に図3に示す如く上死点位置に留まり、色替え機構8で選択されるまでは上死点位置に保持されるものである。
【0039】
20は図1、図2に示すようにヘッド部5の下側に位置してミシンの基台1上に配設された刺繍枠等の移動枠で、該移動枠20は刺繍布(図示せず)等を展張状態で保持し、この刺繍布と共に基台1上を前,後、左,右へと水平方向に枠移動されるものである。
【0040】
そして、このように移動枠20が枠移動されるときには、これにほぼ連動してヘッド部5側のミシン針19が上,下に運針されることにより、刺繍布等には刺繍データに対応した刺繍柄が実現されるものである。また、図1に示す如く移動枠20の下側には、基台1との間に位置して下糸用の回転釜21等が設けられ、この回転釜21内には下糸ボビン(図示せず)等が配置されるものである。
【0041】
また、図1に示すようにヘッド支持体4上には、例えばオートマットと呼称されるミシンの制御装置22が設けられ、この制御装置22には、刺繍作業に必要な情報等を表示する表示器23と、キーボード、ジョグキーおよびスイッチ等の入力キー(図示せず)等とが設けられている。
【0042】
次に、24はヘッド部5の前面側に設けられた保護カバーで、該保護カバー24は、図3に示す如く左,右のヒンジ軸25,25を用いて針棒ケース7の前面側に開閉可能に設けられ、各天秤17および糸ガイド16等を外側から覆う構成となっている。これにより保護カバー24は、針棒ケース7の前面側で天秤17等を外部の塵埃、障害物等から保護するものである。
【0043】
ここで、保護カバー24には、図5に示す如く四角形状の大きな窓部24Aが形成され、該窓部24Aには透明板26が取付けられている。また、保護カバー24には、ヒンジ軸25から下方に離間した位置に左,右の軸受部27,27が設けられ、該各軸受部27には後述する糸切れ検出器31の回動体32が回動可能に軸支されている。
【0044】
また、保護カバー24には、図3に示すようにヒンジ軸25の下側に位置して止め具28が設けられ、該止め具28は、保護カバー24を図4に実線で示す閉扉位置と二点鎖線で示す開扉位置とに選択的に位置決めするものである。
【0045】
31は保護カバー22に設けられた検出手段としての糸切れ検出器で、該糸切れ検出器31は、図5に示すように保護カバー24内を左,右方向に延び、両端側が軸受部27,27に回動可能に支持された回動体32と、後述の光センサ39とにより構成されている。
【0046】
ここで、回動体32は、図5、図6に示すように剛性をもった細長い金属板等を用いて形成され、両端側がそれぞれL字状に折曲げられた支持部33A,33Aとなった連結バー33と、該連結バー33の左,右両端側に位置する各支持部33Aにボルト等により固定され、連結バー33の各支持部33Aを保護カバー24の軸受部27,27に回動可能に連結した回動軸34,35と、後述の糸当て棒36、スリット板37およびスプリング38等とにより構成されている。
【0047】
36は連結バー33の各支持部33A間に回転自在に設けられた糸当て棒で、該糸当て棒36は、例えばアルミニウム等の軽量な材料を用いた中空の細長管からなり、各支持部33A間に挟込んだ状態で連結バー33に取付けられている。そして、糸当て棒36は連結バー33と平行に左,右方向に延び、その両端側が連結バー33の各支持部33Aに回転自在に連結されている。
【0048】
ここで、糸当て棒36は連結バー33の各支持部33Aに回動軸34,35から偏心した位置で支持され、連結バー33は回動軸34,35と共に糸当て棒36をヘッド部5側の保護カバー24に連結する連結具を構成している。
【0049】
そして、連結バー33および糸当て棒36等からなる回動体32は、図3に示すように各天秤17と各ミシン針19との間で複数本の刺繍糸Sを左,右方向に横切るように配置され、糸当て棒36の外周面には、図8ないし図10に示す如く刺繍糸Sが接触する。このとき、糸当て棒36は刺繍糸Sの張力とスプリング38の付勢力とによって、連結バー33等と共に図8ないし図10に示す矢示A,B方向に回動変位されるものである。
【0050】
また、連結バー33は回動軸34,35の回動中心から離れた偏心位置で糸当て棒36を自転可能に保持することにより、刺繍糸Sとの接触で糸当て棒36が自由に回転(自転)するのを補償し、これによって、刺繍糸Sと糸当て棒36との間に発生する摩擦力を吸収でき、回転体32により刺繍糸Sに余分な張力を付加したりするのを抑えることができる。
【0051】
37は連結バー33の一方の支持部33Aと回動軸35との間に設けられた回動板としてのスリット板で、該スリット板37は、薄い金属板等を用いて図7に示すように円板状に形成され、その中心には回動軸35の取付穴37Aが穿設されている。また、スリット板37には、中心の取付穴37Aから偏心した位置に糸当て棒36用の取付穴37Bが穿設されると共に、取付穴37Aを中心とした円周上には互いに離間した位置に複数のスリット37C,37C,…と、複数の掛止め孔37D,37D,…とが形成されている。
【0052】
そして、スリット板37は、各掛止め孔37Dのうちいずれか1つの掛止め孔37Dに後述のスプリング38を選択的に掛止めすることにより、スプリング38が回動体32を図8中の矢示A方向に付勢するときの付勢力が調節される。また、スリット板37を含む回動体32が図8ないし図10に示す矢示A,B方向に回動変位するときには、各スリット37Cが後述する光センサ39からの光を断続的に透過または遮断させることにより、回動体32の変位が光センサ39で検出される。
【0053】
38は保護カバー24と回動体32との間に設けられた付勢手段としてのスプリングで、該スプリング38は、図6に示す如く捩りコイルばね、つる巻きばね等から構成され、その一端側38Aは保護カバー24に掛止めされる。また、スプリング38は回動体32の回動軸35側に外側から挿通された状態で、その他端側38Bがスリット板37の掛止め孔37Dに前述したように取付けられる。
【0054】
そして、スプリング38は、回動体32に対して矢示A方向の付勢力を与え、例えば刺繍糸Sに糸切れ等が発生し、刺繍糸Sの糸張力が回動体32の糸当て棒36に実質的に作用しない状態では、図10に示す位置で回動体32を停止状態に保持するものである。
【0055】
39はスリット板37に近接した位置で保護カバー24に設けられ、回動検知手段としての非接触式センサを構成する光センサで、該光センサ39は、例えばフォトインタラプタ等からなり、発光部からの光を受光部(いずれも図示せず)で受光することによりスリット板37の回転を検知するものである。
【0056】
即ち、連結バー33、糸当て棒36およびスリット板37等からなる回動体32が、天秤17による刺繍糸Sの糸張力によりスプリング38に抗して図8ないし図10に示す矢示B方向に回動されるときに、光センサ39は発光部からの光が、スリット板37の各スリット37Cを介して受光部側へと断続的に透過または遮断される。
【0057】
このため、光センサ39の受光部はパルス状に光を受光し、パルス信号からなる検知信号を出力する。一方、糸切れが発生して前記回動体32が、例えば図10に示す位置にスプリング38の付勢力で停止されるときには、スリット板37も図10に示す位置に停止されることになるので、光センサ39からのパルス信号(検知信号)の出力も停止され、これにより、糸切れの発生を検出することができる。
【0058】
本実施の形態による多色刺繍ミシンの糸切れ検出装置は上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0059】
まず、主軸モータ10により主軸11を回転させ、ヘッド部5の天秤駆動部、針棒駆動部を往復動させると、色替え機構8により選択された針棒18が針棒駆動部によってミシン針19と共に上,下に駆動され、該ミシン針19を刺繍布に対して運針させる。
【0060】
また、色替え機構8により選択された天秤17についても天秤駆動部により、図8ないし図10に示す矢示C,D方向に揺動され、天秤17は図8に示す位置で下死点となり、その後図9に示す中間位置を通過して図10に示す上死点位置へと繰返し上,下動される。
【0061】
そして、色替え機構8で選択された所望色の刺繍糸Sは、天秤17の上,下動により図2に示すチーズ台12上の上糸ボビン12A,12B,12C,…のいずれか1つから糸張り器13、糸調子14等を介してミシン針19側に供給される。この間、刺繍糸Sはミシン針19の運針動作に伴って移動枠20側の刺繍布に縫付けられ、ミシン針19が刺繍布に縫い目を形成する毎に、刺繍糸Sがミシン針19側へと給糸されて所望の刺繍柄が作成される。
【0062】
ここで、色替え機構8で選択された刺繍布Sは、天秤17の動きに追従してミシン針19(縫い目)との間で引っ張られ、図8ないし図10に示すように前,後方向に張出すように挙動する。そして、図9に示す天秤17の中間位置では刺繍糸Sが前側へと最も大きく張り出すように動き、このときに回動体32は刺繍糸Sの張力によりスプリング38に抗して矢示B方向に回動される。
【0063】
また、図10に示す天秤17の上死点位置では刺繍糸Sが後側へと後退するので、このときに回動体32はスプリング38により矢示A方向に回動される。そして、色替え機構8で選択された天秤17が上,下に揺動する間は、これに伴って刺繍糸Sが前,後方向に張出すように挙動するので、この挙動を利用して回動体32を矢示A,B方向に、例えば20〜40度程度の回動範囲をもって繰返し回動変位させることができる。
【0064】
一方、刺繍作業の途中で刺繍糸Sが切れたときには、天秤17による糸張力は失われ、前述の如き刺繍糸Sの挙動は止まるので、回動体32はスプリング38の付勢力により矢示A方向に押戻され、例えば図10に示す位置で回動体32は停止される。この場合、回動体32は、回動軸34、35を中心とした連結バー33、糸当て棒36の重量バランスとスプリング38の付勢力とによって、例えば図10に示す位置で停止状態に保持されるものである。
【0065】
この場合、刺繍作業を始める前の準備段階等で、回動体32のスリット板37には、各掛止め孔37Dのうちいずれか1つの掛止め孔37Dにスプリング38を選択的に掛止めすることにより、スプリング38が回動体32を図8中の矢示A方向に付勢するときの付勢力が調節され、これに応じて回動体32の停止位置も適宜に調整することができる。
【0066】
また、図10に示す位置では天秤17が上死点となり、色替え機構8で選択されていない非選択の各天秤17についても、天秤保持機構(図示せず)等を用いて上死点位置に保持されているので、仮にこの状態で移動枠20の枠移動を行った場合でも、非選択の刺繍糸Sが枠移動の影響で回動体32の糸当て棒36側に押付けられることはない。
【0067】
このため、複数本の刺繍糸Sのうち1本の刺繍糸Sを選択して刺繍作業を行っている途中で糸切れが発生したときには、他の非選択の刺繍糸Sが移動枠20の枠移動に伴って振動したとしても、回動体32をスプリング38に抗して図10中の矢示B方向に回動変位させることはなく、回動体32を実質的に停止した状態に保持することができる。
【0068】
かくして、本実施の形態によれば、回動体32と光センサ39とからなる糸切れ検出器31を保護カバー24に設け、該保護カバー24を閉じた状態では回動体32全体が、各天秤17とミシン針19との間に位置して各刺繍糸Sを横切るように配設すると共に、回動体32の糸当て棒36は色替え機構8で選択された刺繍糸Sに接触し、天秤17により刺繍糸Sに与えられる糸張力に従って回動体32を回動変位させる構成としている。
【0069】
そして、回動体32が図8ないし図10に示す矢示A,B方向に回動変位する間は、光センサ39がスリット板37の回動を検知してパルス信号を出力し、回動体32の回動が停止されたときにはパルス信号の出力を中断する構成としているので、回動体32の動きを光センサ39により検知でき、糸切れの発生の有無を早期に検出することができる。
【0070】
また、下糸の糸切れや下糸の消費によりミシン針19の針先よりも下方部分で糸切れが発生したときにも、刺繍糸とがミシン針19側に供給されることがなくなり、天秤17による刺繍糸Sの給糸や移動が中断されるので、この場合にも回動体32が刺繍糸Sによって回動変位されることはなくなり、下糸の糸切れを早期に検出することができる。
【0071】
従って、本実施の形態によれば、糸切れ検出器31を回動体32と光センサ39とから構成することにより、糸切れ検出器31を糸切れの発生時を早期に検出することができ、他の非選択の刺繍糸Sに影響されることなく、糸切れを安定して検出することができる。
【0072】
また、回動体32のスリット板37には、回動中心から離れた位置に周方向に間隔をもって各スリット37Cを形成し、フォトインタラプタ等からなる光センサ39は、各スリット37Cを介してスリット板37の変位を光学的に検知する構成としているので、糸切れの発生時を光センサ39からの信号により高精度に検出することができる。
【0073】
そして、回動体32を、左,右両端側がL字状に屈曲して支持部33A,33Aとなった連結バー33と、該連結バー33の各支持部33A側にそれぞれ設けられ連結バー33を糸当て棒36と共にヘッド部5側の保護カバー24に回動可能に連結した回動軸34,35とにより構成し、糸当て棒36は連結バー33と平行に左,右方向に延び、両端側が連結バー33の各支持部33Aに回転自在に支持される構成となっている。
【0074】
このため、連結バー33を用いて糸当て棒36を左,右両側から挟込むように支持でき、連結バー33の回動中心から偏心した位置で糸当て棒36を自転可能に保持することができる。そして、糸当て棒36を中空の細長管で形成し、糸当て棒36を軽量化すると共に、刺繍糸Sとの接触で糸当て棒36を自転させることにより、刺繍糸Sと糸当て棒36との間に発生する摩擦力を低摩擦で滑らかに吸収でき、回転体32により刺繍糸Sに余分な張力を付加したりするのを抑えることができると共に、装置の長寿命化を図ることができる。
【0075】
また、回動体32の糸当て棒36は連結バー33の回動中心に対して偏心した位置に配置されるので、糸当て棒36を刺繍糸Sに接触させる方向の回転力を、該糸当て棒36の重さを利用して発生させることができる。また、スプリング38を用いることにより、糸当て棒36を刺繍糸Sに接触させる方向(図8ないし図10に示す矢示A方向)に回転させる力を、連結バー33、糸当て棒36の重さとスプリング38の付勢力との関係で調整でき、回動体32全体の動きがアンバランスになるのを抑えることができる。
【0076】
この場合、回動体32のスリット板37には複数の掛止め孔37D,37D,…を形成しているので、該各掛止め孔37Dのうちいずれか1つの掛止め孔37Dにスプリング38を選択的に掛止めすることにより、スプリング38が回動体32を矢示A方向に付勢するときの付勢力を簡単に調節でき、これに応じて回動体32の停止位置も適宜に調整することができる。
【0077】
そして、天秤17の揺動に伴って刺繍糸Sがミシン針19との間で前,後方向に張出すように挙動するのを、糸当て棒36を介して回動体32の連結バー33およびスリット板37に伝えることにより、回動体32全体を安定して回動変位させることができ、ミシン(主軸モータ10)の高速運転にも対応して回動体32の動作特性を向上できる。
【0078】
また、ミシンのヘッド部5には、複数の天秤17,17,…を前面側から開,閉可能に覆う保護カバー24を設け、回動体32と光センサ39とを該保護カバー24に取付ける構成としているので、保護カバー24を用いて各天秤17と共に回動体32および光センサ39を、周囲の糸くず等の塵埃または他の障害物等から保護することができ、糸切れ時の検出精度を向上できる。さらに、保護カバー24を開いたときには、糸切れ検出器31の検出動作を自動的に解除でき、保守、点検時等のメンテナンス性を向上することができる。
【0079】
なお、前記実施の形態では、長尺の連結バー33を用いて糸当て棒36を両端側から挟込むようにして糸当て棒36を回動軸34,35に回動可能に連結する構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば長尺の連結バー33を廃止し、糸当て棒36の左,右両端側をそれぞれ1枚の連結金具等を用いて回動軸34,35に連結する構成としてもよい。
【0080】
また、前記実施の形態では、ミシンのヘッド部5に設けた保護カバー24に、回動体32と光センサ39とからなる糸切れ検出器31を取付ける構成とした場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば保護カバー24を省略してもよく、この場合には、各天秤17と各ミシン針19との間に位置してヘッド部5の前面側に糸切れ検出器31等の検出手段を設ける構成とすればよい。
【0081】
さらに、前記実施の形態では、回動体32の回動を検知する回動検知手段を光センサ39により構成するものとして述べたが、これに替えて、例えば磁気抵抗素子、ホール素子等の非接触式センサを用いて回動検知手段を構成してもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1に記載の発明によれば、各ミシン針と各天秤との間に位置してヘッド部に設けられた糸切れ用の検出手段を、上糸収納手段から各天秤を介してそれぞれのミシン針に供給される複数の上糸を横切るように延び、前記天秤により上糸に与えられる糸張力に従って回動変位する回動体と、該回動体の変位を検知することにより前記糸切れを検出する回動検知手段とから構成し、前記回動体は、前記複数の上糸を横切るように前記ヘッド部の左,右方向に延び外周面に上糸が接触する糸当て棒と、該糸当て棒の両端側に設けられ該糸当て棒とは偏心した位置で該糸当て棒を前記ヘッド部側に回動可能に連結する連結具と、前記糸当て棒の両端のうち少なくとも一方の端部側に位置して該連結具に設けられ該連結具と一体に回動する回動板と、前記連結具とヘッド部側との間に設けられ前記糸当て棒を上糸に接触させる方向に付勢する付勢手段とにより構成し、前記回動体の連結具は、前記糸当て棒と平行に左,右方向に延び両端側が前記糸当て棒を回転自在に支持する支持部となった連結バーと、該連結バーの各支持部側にそれぞれ設けられ該連結バーを糸当て棒と共に前記ヘッド部側に回動可能に連結する回動軸とにより構成したので、複数の天秤のうち色替え機構等で選択された1つの天秤が上,下に揺動するときに、これに伴って上糸がミシン針との間で引っ張られ前,後方向に張出すように挙動するのを利用して回動体を回動変位でき、この回動体の変位を回動検知手段で検知することにより、糸切れの発生を早期に検出することができる。従って、色替え機構等で選択された上糸または下糸の糸切れを、他の非選択の上糸に影響されることなく、安定して検出することができる。
特に、前記回動体を糸当て棒、連結具、回動板および付勢手段により構成しているので、回動体の糸当て棒を連結具の回動中心から偏心した位置に配置し、糸当て棒を上糸に接触させる方向の回転力を、該糸当て棒の重さを利用して発生できると共に、付勢手段により糸当て棒を上糸に接触させる方向に回転させる力を、前記糸当て棒の重さとの関係で調整でき、回動体全体の動きがアンバランスになるのを抑えることができる。そして、天秤の揺動に伴って上糸がミシン針との間で前,後方向に張出すように挙動するのを、糸当て棒を介して回動体の連結具および回動板に伝え、回動体全体を安定して回動変位させることができ、ミシンの高速運転にも対応して回動体の動作特性を向上させることができる。
しかも、連結バーを用いて糸当て棒を左,右両側から挟込むように支持でき、連結バーの回動中心から偏心した位置で糸当て棒を自転可能に保持することができる。そして、上糸との接触で糸当て棒を自転させることにより、上糸と糸当て棒との間に発生する摩擦力を低く抑えて吸収でき、回転体により上糸に余分な張力を付加したりするのを抑えることができると共に、装置の長寿命化を図ることができる。
【0083】
また、請求項2に記載の発明によると、ヘッド部には複数の天秤を外側から開,閉可能に覆う保護カバーを設け、回動体と回動検知手段とは該保護カバーに取付ける構成しているので、保護カバーを用いて複数の天秤と共に回動体、回動検知手段等を、周囲の糸くず等の塵埃または他の障害物等から保護することができ、糸切れ時の検出精度を向上できる。そして、保護カバーを開いたときには、糸切れの検出動作を自動的に解除でき、保守、点検時等のメンテナンス性を向上することができる。
【0086】
さらに、請求項に記載の発明によると、回動検知手段は回動体の変位を非接触状態で検知する非接触式センサにより構成しているので、回動板の変位を非接触式センサを用いて検出でき、糸切れの発生時を非接触式センサからの信号により高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による糸切れ検出装置が設けられた多色刺繍ミシンを示す正面図である。
【図2】多色刺繍ミシンの一部を破断して示す図1の右側面図である。
【図3】図1中のヘッド部を拡大して示す正面図である。
【図4】ヘッド部を図3中の矢示IV−IV方向から示す一部破断の側面図である。
【図5】保護カバーおよび糸切れ検出器等を図4中の矢示V−V方向から示す断面図である。
【図6】糸切れ検出器の回動体を示す斜視図である。
【図7】糸切れ検出器のスリット板を示す拡大図である。
【図8】天秤下死点での刺繍糸、スリット板等の動きを示す動作説明図である。
【図9】天秤中間点での刺繍糸、スリット板等の動きを示す動作説明図である。
【図10】天秤上死点での刺繍糸、スリット板等の動きを示す動作説明図である。
【符号の説明】
1 基台
2,3 側枠
4 ヘッド支持体
5 ヘッド部
6 ヘッド本体
7 針棒ケース
8 色替え機構
9 糸調子台
11 主軸
12 チーズ台(上糸収納手段)
14 糸調子
17 天秤
18 針棒
19 ミシン針
20 移動枠
24 保護カバー
27 軸受部
31 糸切れ検出器(検出手段)
32 回動体
33 連結バー(連結具)
34,35 回動軸
36 糸当て棒
37 スリット板(回動板)
37C スリット
38 スプリング(付勢手段)
39 光センサ(非接触式センサ、回動検知手段)
S 刺繍糸(上糸)

Claims (3)

  1. 多色刺繍を行うためミシン針と天秤とがそれぞれ複数設けられ該各ミシン針と天秤のうちいずれか1つのミシン針と天秤を選択的に駆動するミシンのヘッド部と、該ヘッド部の各ミシン針に対し上糸をそれぞれ天秤を介して供給するため複数の上糸を収納した上糸収納手段と、前記各ミシン針と各天秤との間に位置して前記ヘッド部に設けられ糸切れの有無を検出する検出手段とからなる多色刺繍ミシンの糸切れ検出装置において、
    前記検出手段は、前記上糸収納手段から各天秤を介してそれぞれのミシン針に供給される複数の上糸を横切るように延び、前記天秤により上糸に与えられる糸張力に従って回動変位する回動体と、該回動体の変位を検知することにより前記糸切れを検出する回動検知手段とから構成し、
    前記回動体は、前記複数の上糸を横切るように前記ヘッド部の左,右方向に延び外周面に上糸が接触する糸当て棒と、該糸当て棒の両端側に設けられ該糸当て棒とは偏心した位置で該糸当て棒を前記ヘッド部側に回動可能に連結する連結具と、前記糸当て棒の両端のうち少なくとも一方の端部側に位置して該連結具に設けられ該連結具と一体に回動する回動板と、前記連結具とヘッド部側との間に設けられ前記糸当て棒を上糸に接触させる方向に付勢する付勢手段とにより構成し、
    前記回動体の連結具は、前記糸当て棒と平行に左,右方向に延び両端側が前記糸当て棒を回転自在に支持する支持部となった連結バーと、該連結バーの各支持部側にそれぞれ設けられ該連結バーを糸当て棒と共に前記ヘッド部側に回動可能に連結する回動軸とにより構成したことを特徴とする多色刺繍ミシンの糸切れ検出装置。
  2. 前記ヘッド部には複数の天秤を外側から開,閉可能に覆う保護カバーを設け、前記回動体と回動検知手段とは該保護カバーに取付ける構成としてなる請求項1に記載の多色刺繍ミシンの糸切れ検出装置。
  3. 前記回動検知手段は前記回動体の変位を非接触状態で検知する非接触式センサにより構成してなる請求項1または2に記載の多色刺繍ミシンの糸切れ検出装置。
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