しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されたような従来の結束用テープは、テープループを広げる力が加わると容易に裂けてしまうため、反発力の高い枝や茎を有する農作物の誘引作業には使用できないという問題点があった。
例えば、梨やプラムなどの果樹栽培において枝を果樹棚に固定する場合、従来の結束機および結束用テープで結束すると、枝の反発力によって結束用テープが引っ張られ、ステープルで留めたときにできた穴から結束用テープが裂けてしまい、テープループが外れてしまうという問題点があった。
このため、反発力が大きい枝などを固定する場合には、保持強度の高い誘引紐(麻紐、紙紐、ビニール紐、ゴムチューブなど)を使って手作業で紐を縛る作業が行われていた。このような手作業は、時間がかかり、労力も大きいものであった。また、縛り方も特殊であるため、慣れない作業者が容易に行うことができないという問題もあった。
そこで、本発明は、反発力の高い作物の誘引作業であっても、園芸用結束機を使用した結束を実現可能とすることを課題とする。
また、結束用テープは、特許文献3に記載された粘着テープと異なり、巻回された結束用テープ同士がほぐれやすいという特徴を有する。このため、特許文献3記載の技術を結束用テープに適用しても、結束用テープが巻回軸と垂直な方向、すなわち、外径方向にほぐれてしまう。
そこで本発明は、被結束物を結束するための結束用テープであっても、また、粘着層を持たない非粘着式の結束用テープであっても、ほぐれにくいテープ巻き付け体を提供することを目的とする。
また、リールは、様々な大きさの木の枝や支柱(以下「芯棒」という。)に引っ掛けて使用される場合がある。特許文献4及び特許文献5には、様々な径の芯棒に好適に支持されることができるリールが示されていない。
そこで本発明は、様々な径の芯棒に好適に支持されることが可能となるリールを提供することを目的とする。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、中間層と、前記中間層の一方の表面を覆う第1表面層と、を備えた結束用テープであって、前記中間層は、前記結束用テープの長手方向に対して角度を成して並設される複数の第1の線状材を有することを特徴とする。
本発明は上記の通りであり、中間層と、中間層の一方の表面を覆う第1表面層を備えている。そして、中間層は、結束用テープの長手方向に対して角度を成して並設される複数の第1の線状材を有している。このような構成によれば、結束用テープを長手方向に伸ばそうとする力が働く際に、第1の線状材にも結束用テープを伸ばそうとする力が働くことになる。よって、第1の線状材によって結束用テープの強度が増すので、結束用テープにステープルを打ち込んで結束した場合でも、裂けにくくすることができる。この結束用テープを使用すれば、反発力の高い作物の誘引作業であっても、園芸用結束機を使用して結束作業を行うことができる。
なお、前記中間層の他方の表面を覆う第2表面層を更に備えてもよい。すなわち、中間層を第1表面層と第2表面層とで挟み込んだ構成となっていてもよい。
また、中間層は、第1の線状材に対して交差する第2の線状材を有していてもよい。このように構成すれば、第2の線状材によって第1の線状材の間隔が広がることが抑制されるので、結束用テープの伸びを抑制することができる。よって、結束用テープにステープルを打ち込んで結束した後に結束用テープが引っ張られたとしても、ステープルが刺さった穴が広がりにくいので、裂けにくい結束用テープを提供することができる。
また、第1の線状材は、結束用テープの長手方向に対して直交して配置され、第2の線状材は、結束用テープの長手方向に延設されていてもよい。このように構成すれば、第1の線状材と第2の線状材とが格子状となるので、結束用テープの強度を増すことができる。
また、中間層は、第1の線状材と第2の線状材を織り込んで形成されていてもよい。このように構成すれば、中間層の表面が凹凸の少ない平坦なシート状となるので、第1表面層および第2表面層で挟み込む加工をする前でも扱いやすく、結束用テープの製造が容易となる。また、第1の線状材と第2の線状材とが互いに絡み合うことで第1の線状材と第2の線状材とが相対的に移動しにくくなるので、結束用テープの伸びを効果的に抑制することができる。
また、第1の線状材および第2の線状材の少なくとも一方は、繊維素材を束ねて形成されていてもよい。このように構成すれば、第1の線状材や第2の線状材を太くして強度を高くした場合でも、中間層の厚みがでないようにすることができる。すなわち、中間層を第1表面層および第2表面層で挟み込んだときに繊維素材を束ねた線状材が扁平に潰れるので、結束用テープの厚みを薄くすることができる。
また、第1の線状材は、5mm以下の間隔で並設されていてもよい。このような構成によれば、ステープルを打ち込んで結束した後に結束用テープが引っ張られて伸びたとしても、少なくとも5mm伸びるまでにステープルの脚部が第1の線状材に当たるので、それ以上のステープルの移動が阻止され、ステープルで留めたときにできた穴がそれ以上広がらないように抑制することができる。
また、第1表面層および第2表面層の少なくとも一方は、光分解性または生分解性の材料で形成されていてもよい。このような構成によれば、結束後の結束用テープが野外に放置されたときに、自然に劣化させることができる。このように表面層が劣化することで、農作物の収穫時に結束用テープが取り外しやすくなり、また、外れた結束用テープが畑に落ちても目立たなくすることができる。
なお、本発明の結束用テープは、結束用テープを被結束物に巻き回したのち、結束用テープの両端部を重ね合わせてコ字形のステープルを打ち込むことにより、前記両端部付近を相互に綴じて結束する結束方法で使用することができる。このような結束方法で使用した場合、ステープルの脚部が第1の線状材によって保持されることでステープルの移動が抑制されるので、ステープルを突き刺した穴が広がりにくく、結束用テープが裂けにくくなる。
また、本発明の結束用テープは、この結束用テープが取り付けられた結束機で、結束用テープを被結束物に巻き回したのち、結束用テープの両端部を重ね合わせてコ字形のステープルを打ち込むことにより、前記両端部付近を相互に綴じて結束する結束方法で使用することができる。このような結束方法で使用した場合、ステープルの脚部が第1の線状材によって保持されることでステープルの移動が抑制されるので、ステープルを突き刺した穴が広がりにくく、結束用テープが裂けにくくなる。
また、結束用テープの中間層の幅方向の一端部には、結束用テープの長手方向に離間する複数の第1切れ込みが形成されていてもよい。また、結束用テープの中間層の幅方向の他端部には、結束用テープの長手方向に離間する複数の第2切れ込みが形成されていてもよい。また、少なくとも一つの第1切れ込みは、第2の線状材の少なくとも一部を切断していてもよい。また、複数の第1切れ込みが形成されている長手方向の位置と、複数の第2切れ込みが形成される長手方向の位置とは、結束用テープの幅方向中心を通る線に対して非対称であってもよい。また、第1表面層又は第2表面層の、少なくとも一つの第1切れ込みに対応する位置には、第1表面層又は第2表面層の一部を切断する切れ込みが形成されていてもよい。また、第1表面層又は第2表面層の、少なくとも一つの第2切れ込みに対応する位置には、第1表面層又は第2表面層の一部を切断する切れ込みが形成されていてもよい。また、第2表面層の、少なくとも一つの第1切れ込みに対応する位置には、第2表面層の一部を切断する切れ込みが形成されていてもよい。また、第2表面層の、少なくとも一つの第2切れ込みに対応する位置には、第2表面層の一部を切断する切れ込みが形成されていてもよい。結束用テープの幅に対する少なくとも一つの第1切れ込みの幅方向の長さは、15%以下でもよい。第1切れ込みは、第2の線状材の幅方向の長さの60%以上を切断していてもよい。
また、筒状の管部材と、管部材に巻回された結束用テープと、巻回された結束用テープの側面に位置し、側面の少なくとも一部に接着される第1部材と、を備えるテープ巻き付け体である。ただし、第1部材は、可撓性を有して弾性変形が可能に設けられていてもよい。また、第1部材は、管部材の内壁で囲まれる部位に連通する孔が形成されていてもよい。また、管部材の内径は、孔の直径より大きくてもよい。また、管部材は、内壁で囲まれる部位及び孔を通過する中心軸の方向に延伸する円筒状に形成されていてもよい。また、管部材と中心軸との最小距離(D2)は、第1部材と中心軸との最小距離(D1)より大きくてもよい。
また、第1部材は、管部材と中心軸との最小距離(D2)が、第1部材と中心軸との最小距離(D1)より1mm以上大きくてもよい。また、第1部材は、管部材と中心軸との最小距離(D2)が第1部材と中心軸との最小距離(D1)より大きい部位は、中心軸に沿う方向の厚さ(T)が0.05mm以上から2mm以下であってもよい。また、第1部材とテープの側面を接着する接着面積は、巻回されたテープの外周側から内周側に向かって減少してもよい。また、第1部材には、第1部材とテープの側面を接着する接着層による接着面積を、巻回されたテープの外周側から内周側に向かって減少させる接着層が露出しない領域が設けられていてもよい。また、第1部材は、少なくとも一部が管部材に接着されていてもよい。また、一方の表面が管部材の端面及びテープの側面の一部に対向し、他方の表面が第1部材に対向して設けられ、管部材で囲まれる部位及び孔に連通する第2孔が形成された第2部材を更に備えてもよい。また、孔及び第2孔は、略同じ直径を有し、管部材の内径は、孔及び第2孔の直径より大きくてもよい。また、第1部材は、管部材の内壁で囲まれる部位に連通する部位が形成されていてもよい。また、管部材は、内壁で囲まれる部位及び連通する部位を通過する中心軸の方向に延伸する円筒状に形成されており、管部材と中心軸との最小距離(D2)は、第1部材と中心軸との最小距離(D1)より大きくてもよい。また、管部材と中心軸との最小距離(D2)は、第1部材と中心軸との最小距離(D1)よりも、1mm以上大きくてもよい。また、第1部材は、管部材と中心軸との最小距離(D2)が、第1部材と中心軸との最小距離(D1)より大きく設けられている部位の厚さ(T)が0.05mm以上から2mm以下であってもよい。
結束用テープと第1部材の接着部は、結束用テープの周方向に延設されていてもよい。結束用テープと第1部材の接着部は、結束用テープの径方向に延設されていてもよい。結束用テープと第1部材の接着部は、互いに離間して複数個設けられていてもよい。結束用テープと第1部材の接着部は、結束用テープの周方向及び径方向に進行する螺旋状に延設されていてもよい。
また、テープ巻き付け体において、第1部材は、結束用テープの径方向に延伸して結束用テープの側面に接着しない非接着部とを備えてもよい。また、第1部材は、管部材に接着する部分を含む第1部と、結束用テープの側面に接着する複数の部分とを備えてもよい。第1部材は、管部材に接着する部分を含む第1部を備え、更に、管部材の軸を中心とし第1部を内部に含む仮想円上において、結束用テープの側面に接着する第1円弧部と、結束用テープの側面に接着しない第2円弧部とを備えてもよい。
また、結束用テープが巻回可能な筒状の管部材と、管部材の内壁部又は管部材の一端面側から管部材の軸心に向かって突出し、可撓性を有する突出部と、を備えるリールである。
突出部は、内壁部の軸心方向における中心位置から±5.5mm以内の範囲Wに設けられてもよい。管部材は、一端面側と他端面側とが連通し、突出部は、突出量Pが1mm以上であってもよい。突出部は、軸心方向における最大厚みTが、0.05mm以上、2mm以下であってもよい。突出部は、管部材の一端面側から管部材の軸心側に向かって突出するフィルムであってもよい。フィルムは、2層構造であってもよい。また、突出部は、耐水性または延性の少なくとも何れか一方を有してもよい。
更に結束用テープと、結束用テープが巻回された筒状の管部材と、管部材の内壁部又は管部材の一端面側から管部材の軸心に向かって突出し、可撓性を有する突出部と、を備えるリールと、巻回された結束用テープの側面に位置し、側面の少なくとも一部に接着される第1部材を備えるテープ巻き付け体である。
ここで、結束用テープと第1部材の接着部は、結束用テープの周方向に延設されていてもよい。また、結束用テープと第1部材の接着部は、結束用テープの径方向に延設されていてもよい。結束用テープと第1部材の接着部は、互いに離間して複数個設けられていてもよい。また、結束用テープと第1部材の接着部は、結束用テープの周方向及び径方向に進行する螺旋状に延設されていてよい。
また、テープ巻き付け体において、第1部材は、結束用テープの径方向に延伸して結束用テープの側面に接着しない非接着部とを備えてもよい。また、第1部材は、管部材に接着する部分を含む第1部と、結束用テープの側面に接着する複数の部分とを備えてもよい。第1部材は、管部材に接着する部分を含む第1部を備え、更に、管部材の軸を中心とし第1部を内部に含む仮想円上において、結束用テープの側面に接着する第1円弧部と、結束用テープの側面に接着しない第2円弧部とを備えてもよい。
また、本開示は、テープ巻き付け体に関する。このテープ巻き付け体は、筒状の管部材と、管部材に巻回され、被結束物を結束可能なテープと、巻回されたテープの側面に位置した第1部材とを備え、第1部材とテープの側面の少なくとも一部を接着している。ここで、第1部材は、可撓性を有して弾性変形が可能に設けられていてもよい。
また、第1部材は、管部材の内壁で囲まれる部位に連通する孔が形成されてもよい。一方で、第1部材には単に切れ込みが形成されていてもよい。利用者等がこの切れ込みに従って第1部材を押し広げてもよい。更に第1部材には、孔や切込みが形成されていなくてもよい。利用者等が第1部材の一部を破いてもよい。
また、管部材の内径は、孔の直径より大きいことが好ましい。また、管部材は、内壁で囲まれる部位及び孔を通過する中心軸の方向に延伸するように円筒状に形成されてよい。また、孔は、管部材の内壁面と中心軸との最小距離(D2)が第1部材と中心軸との最小距離(D1)より大きくなるように形成されていることが好ましい。管部材の内壁面と中心軸との最小距離(D2)が第1部材と中心軸との最小距離(D1)より、1mm以上大きく形成されることがより好ましい。
更に、第1部材は、管部材と中心軸との最小距離(D2)が第1部材と中心軸との最小距離(D1)より大きい部位は、中心軸に沿う方向の厚さ(T)が0.05mm以上から2mm以下であることが好ましい。
また、第1部材とテープの側面を接着する接着面積は、巻回されたテープの外周側から内周側に向かって減少してもよい。更に、一方の表面が管部材の表面及びテープの側面の一部に対向し、他方の表面が第1部材に対向して設けられ、管部材で囲まれる空間及び孔に連通する第2孔が形成された第2部材を更に備えてもよい。ここで、孔及び第2孔は、略同じ直径を有し、管部材の内径は、孔及び第2孔の直径より大きくてもよい。
また、本開示は、2つ以上の被結束物を結束することが可能なテープを備えるテープ巻き付け体に関する。このテープ巻き付け体は、筒状の管部材と、管部材に巻回された被結束物を結束可能なテープと、巻回されたテープの側面に接着して設けられ、管部材の内壁で囲まれる部位に連通する孔が形成された第1部材を備える。なお、第1部材には、第1部材とテープの側面を接着する接着層による接着面積を、巻回されたテープの外周側から内周側に向かって減少させる接着層が露出しない領域が形成されていてもよい。
また、本開示は、被結束物を結束可能なテープを備えるテープ巻き付け体である。このテープ巻き付け体は、筒状の管部材と、管部材に巻回されたテープと、巻回されたテープの側面に接着して設けられ、管部材の内壁で囲まれる部位に連通する孔が形成された第1部材を備える。
このようなテープ巻き付け体において、結束用テープの中間層の幅方向の一端部には、結束用テープの長手方向に離間する複数の第1切れ込みが形成されていてもよい。また、結束用テープの中間層の幅方向の他端部には、結束用テープの長手方向に離間する複数の第2切れ込みが形成されていてもよい。また、少なくとも一つの第1切れ込みは、第2の線状材の少なくとも一部を切断していてもよい。また、複数の第1切れ込みが形成されている長手方向の位置と、複数の第2切れ込みが形成される長手方向の位置とは、結束用テープの幅方向中心を通る線に対して非対称であってもよい。また、第1表面層又は第2表面層の、少なくとも一つの第1切れ込みに対応する位置には、第1表面層又は第2表面層の一部を切断する切れ込みが形成されていてもよい。また、第1表面層又は第2表面層の、少なくとも一つの第2切れ込みに対応する位置には、第1表面層又は第2表面層の一部を切断する切れ込みが形成されていてもよい。また、第2表面層の、少なくとも一つの第1切れ込みに対応する位置には、第2表面層の一部を切断する切れ込みが形成されていてもよい。また、第2表面層の、少なくとも一つの第2切れ込みに対応する位置には、第2表面層の一部を切断する切れ込みが形成されていてもよい。結束用テープの幅に対する少なくとも一つの第1切れ込みの幅方向の長さは、15%以下でもよい。第1切れ込みは、第2の線状材の幅方向の長さの60%以上を切断していてもよい。
このようなテープ巻き付け体において、結束用テープは、中間層と、中間層の一方の表面を覆う第1表面層と、を備えてもよい。中間層は、結束用テープの長手方向に対して角度を成して並設される複数の第1の線状材を有することを特徴とする。
本発明は上記の通りであり、中間層と、中間層の一方の表面を覆う第1表面層を備えている。そして、中間層は、結束用テープの長手方向に対して角度を成して並設される複数の第1の線状材を有している。このような構成によれば、結束用テープを長手方向に伸ばそうとする力が働く際に、第1の線状材にも結束用テープを伸ばそうとする力が働くことになる。よって、第1の線状材によって結束用テープの強度が増すので、結束用テープにステープルを打ち込んで結束した場合でも、裂けにくくすることができる。この結束用テープを使用すれば、反発力の高い作物の誘引作業であっても、園芸用結束機を使用して結束作業を行うことができる。
なお、前記中間層の他方の表面を覆う第2表面層を更に備えてもよい。すなわち、中間層を第1表面層と第2表面層とで挟み込んだ構成となっていてもよい。
また、中間層は、第1の線状材に対して交差する第2の線状材を有していてもよい。このように構成すれば、第2の線状材によって第1の線状材の間隔が広がることが抑制されるので、結束用テープの伸びを抑制することができる。よって、結束用テープにステープルを打ち込んで結束した後に結束用テープが引っ張られたとしても、ステープルが刺さった穴が広がりにくいので、裂けにくい結束用テープを提供することができる。
また、第1の線状材は、結束用テープの長手方向に対して直交して配置され、第2の線状材は、結束用テープの長手方向に延設されていてもよい。このように構成すれば、第1の線状材と第2の線状材とが格子状となるので、結束用テープの強度を増すことができる。
また、中間層は、第1の線状材と第2の線状材を織り込んで形成されていてもよい。このように構成すれば、中間層の表面が凹凸の少ない平坦なシート状となるので、第1表面層および第2表面層で挟み込む加工をする前でも扱いやすく、結束用テープの製造が容易となる。また、第1の線状材と第2の線状材とが互いに絡み合うことで第1の線状材と第2の線状材とが相対的に移動しにくくなるので、結束用テープの伸びを効果的に抑制することができる。
また、第1の線状材および第2の線状材の少なくとも一方は、繊維素材を束ねて形成されていてもよい。このように構成すれば、第1の線状材や第2の線状材を太くして強度を高くした場合でも、中間層の厚みがでないようにすることができる。すなわち、中間層を第1表面層および第2表面層で挟み込んだときに繊維素材を束ねた線状材が扁平に潰れるので、結束用テープの厚みを薄くすることができる。
また、第1の線状材は、5mm以下の間隔で並設されていてもよい。このような構成によれば、ステープルを打ち込んで結束した後に結束用テープが引っ張られて伸びたとしても、少なくとも5mm伸びるまでにステープルの脚部が第1の線状材に当たるので、それ以上のステープルの移動が阻止され、ステープルで留めたときにできた穴がそれ以上広がらないように抑制することができる。
また、第1表面層および第2表面層の少なくとも一方は、光分解性または生分解性の材料で形成されていてもよい。このような構成によれば、結束後の結束用テープが野外に放置されたときに、自然に劣化させることができる。このように表面層が劣化することで、農作物の収穫時に結束用テープが取り外しやすくなり、また、外れた結束用テープが畑に落ちても目立たなくすることができる。
なお、本発明の結束用テープは、結束用テープを被結束物に巻き回したのち、結束用テープの両端部を重ね合わせてコ字形のステープルを打ち込むことにより、前記両端部付近を相互に綴じて結束する結束方法で使用することができる。このような結束方法で使用した場合、ステープルの脚部が第1の線状材によって保持されることでステープルの移動が抑制されるので、ステープルを突き刺した穴が広がりにくく、結束用テープが裂けにくくなる。
また、本発明の結束用テープは、この結束用テープが取り付けられた結束機で、結束用テープを被結束物に巻き回したのち、結束用テープの両端部を重ね合わせてコ字形のステープルを打ち込むことにより、前記両端部付近を相互に綴じて結束する結束方法で使用することができる。このような結束方法で使用した場合、ステープルの脚部が第1の線状材によって保持されることでステープルの移動が抑制されるので、ステープルを突き刺した穴が広がりにくく、結束用テープが裂けにくくなる。
ここで、結束用テープと第1部材の接着部は、結束用テープの周方向に延設されていてもよい。また、結束用テープと第1部材の接着部は、結束用テープの径方向に延設されていてもよい。結束用テープと第1部材の接着部は、互いに離間して複数個設けられていてもよい。また、結束用テープと第1部材の接着部は、結束用テープの周方向及び径方向に進行する螺旋状に延設されていてよい。
また、テープ巻き付け体において、第1部材は、結束用テープの径方向に延伸して結束用テープの側面に接着しない非接着部とを備えてもよい。また、第1部材は、管部材に接着する部分を含む第1部と、結束用テープの側面に接着する複数の部分とを備えてもよい。第1部材は、管部材に接着する部分を含む第1部を備え、更に、管部材の軸を中心とし第1部を内部に含む仮想円上において、結束用テープの側面に接着する第1円弧部と、結束用テープの側面に接着しない第2円弧部とを備えてもよい。
本開示は、被結束物を結束可能なテープが巻回可能な筒状の管部材と、管部材の内壁部又は管部材の一端面側から当該管部材の軸心側に向かって突出し、可撓性を有する突出部と、を備えるリールである。ここで、管部材に巻回されて被結束物を結束可能なテープを備えてもよい。
このような構成によれば、突出部が可撓性を有するので、木の枝などの棒状部材を管部材に挿入した場合に、突出部が撓んでしなり、棒状部材が抜脱方向に抜け難くなる逆止効果を得ることができる。
突出部は、内壁部の軸心方向における中心位置から±5.5mm以内の範囲Wに設けられることが好ましい。
このような構成によれば、木の枝などの棒状部材を管部材に挿入した場合に、棒状部材と管部材の係合により、突出部が好適に撓んでしなり、リールが過度に傾かずに安定して支持される。
また、軸心方向における最大厚みTが、0.05mm以上、2mm以下であることが好ましい。更に突出部は、管部材の一端面側から管部材の軸心側に向かって突出するフィルムであってもよい。
このような構成によれば、突出部をフィルムとして設けるので、管部材に突出部を容易に設けることができる。また、フィルムの形状を調整することで、突出量Pや、最大厚さTを容易に調整することができる。また、管部材とは異なる物性(弾性率を含む)を有する材質で突出部を設けることも可能になる。なお、フィルムは、2層構造であってもよい。
フィルムを2層構造にすることで、突出量Pや、最大厚さTを用途に応じて調整することが容易となる。また、2層構造とすることで、第1部材を管部材の端面に貼着する際に、第1部材の突出部となる部分に接着剤などがはみ出た場合でも、第2部材によって接着剤や粘着剤を覆うことができる。木の枝などの棒状部材を管部材に挿入してテープを引き出す場合に、はみ出た接着剤や粘着剤が抵抗となって悪影響を及ぼすことを防止できる。なお、2層構造とは2層構造を包含する3層以上の多層構造を含む。
管部材は、一端面側と他端面側とが連通し、突出部は、突出量Pが1mm以上であることが好ましい。
突出部を上記数値の範囲に設けると、木の枝などの棒状部材を管部材に挿入してテープを引き出す場合に、突出部が撓んでしなるので、好適な制動力を得られる。
更に突出部は、表面が管部材の一端面に対向し、管部材の軸心側に向かって延設される第1部材から構成されていてもよい。更に、一方の表面が管部材の一端面に対向し、他方の表面が第1部材に対向し、管部材の軸心側に向かって延設される第2部材を更に備えてもよい。ここで、第1部材には、管部材の内壁で囲まれる部位に連通する孔が形成されていてもよい。
更に、軸心を含む断面において、突出部の先端における第1の接点において突出部と接し、管部材の他端面側における第2の接点において管部材と接する接線は、軸心を含む直線に対して傾斜するように突出部を形成することが可能である。傾斜角は、例えば、3度以上であることが好ましい。
また、本開示は、被結束物を結束可能なテープを備えるリールに関する。このリールは、管部材と、管部材に巻回されたテープと、管部材の一端面側において管部材の軸心側に向かって延設される突出部と、を備え、軸心を含む断面において、突出部の先端における第1の接点において突出部と接し、管部材の他端面側における第2の接点において管部材と接する接線は、軸心を含む直線に対して傾斜するように形成されている。傾斜の角は3度以上が好ましい。
また、本開示は、被結束物を結束可能なテープが巻回される筒状の管部材を備えるリールに関する。ここで、管部材の軸心方向の少なくとも一端部において、軸心を含む第1断面において、管部材の内壁から軸心側に向かって延設される第1突出部を備え、同じ一端部において、軸心を含む第1断面とは異なる第2断面において、管部材の内壁から軸心側に向かって延設される第2突出部を備えてもよい。ただし、第1突出部と第2突出部が一体的に形成される環状の突出部であってもよい。一方で、第1突出部と第2突出部を、軸心を中心とする周方向で互いに離間して形成するようにしてもよい。この場合、軸心を含む第3断面において、内壁から突出する突出部は形成されない。またこれら突出部は、軸心に近い端部が自由端で形成されており、軸心方向のいずれの方向(軸心方向の他端部に向かう方向と、その反対方向)にも変形可能に構成されることが好ましい。変形は弾性変形であること、すなわち、変形を起因させる力の作用がなくなると、元の形状に戻るような大きさ及び材料で突出部を形成することが好ましい。
リールは、管部材に巻回されて被結束物を結束可能なテープを更に備えてもよい。
このような管部材に結束可能なテープが巻き回されたテープ巻き付け体において、結束用テープの中間層の幅方向の一端部には、結束用テープの長手方向に離間する複数の第1切れ込みが形成されていてもよい。また、結束用テープの中間層の幅方向の他端部には、結束用テープの長手方向に離間する複数の第2切れ込みが形成されていてもよい。また、第2の線状材の、少なくとも一つの第1切れ込みは、第2の線状材の少なくとも一部を切断していてもよい。また、複数の第1切れ込みが形成されている長手方向の位置と、複数の第2切れ込みが形成される長手方向の位置とは、結束用テープの幅方向中心を通る線に対して非対称であってもよい。また、第1表面層又は第2表面層の、少なくとも一つの第1切れ込みに対応する位置には、第1表面層又は第2表面層の一部を切断する切れ込みが形成されていてもよい。また、第1表面層又は第2表面層の、少なくとも一つの第2切れ込みに対応する位置には、第1表面層又は第2表面層の一部を切断する切れ込みが形成されていてもよい。また、第2表面層の、少なくとも一つの第1切れ込みに対応する位置には、第2表面層の一部を切断する切れ込みが形成されていてもよい。また、第2表面層の、少なくとも一つの第2切れ込みに対応する位置には、第2表面層の一部を切断する切れ込みが形成されていてもよい。結束用テープの幅に対する少なくとも一つの第1切れ込みの幅方向の長さは、15%以下でもよい。第1切れ込みは、第2の線状材の幅方向の長さの60%以上を切断していてもよい。
このようなリールは、テープ巻き付け体として、筒状の管部材と、管部材に巻回され、被結束物を結束可能なテープと、巻回されたテープの側面に位置した第1部材とを備え、第1部材とテープの側面の少なくとも一部を接着している。ここで、第1部材は、可撓性を有して弾性変形が可能に設けられていてもよい。
また、第1部材は、管部材の内壁で囲まれる部位に連通する孔が形成されてもよい。一方で、第1部材には単に切れ込みが形成されていてもよい。利用者等がこの切れ込みに従って第1部材を押し広げてもよい。更に第1部材には、孔や切込みが形成されていなくてもよい。利用者等が第1部材の一部を破いてもよい。
また、管部材の内径は、孔の直径より大きいことが好ましい。また、管部材は、内壁で囲まれる部位及び孔を通過する中心軸の方向に延伸するように円筒状に形成されてよい。また、孔は、管部材の内壁面と中心軸との最小距離(D2)が第1部材と中心軸との最小距離(D1)より大きくなるように形成されていることが好ましい。管部材の内壁面と中心軸との最小距離(D2)が第1部材と中心軸との最小距離(D1)より、1mm以上大きく形成されることがより好ましい。
更に、第1部材は、管部材と中心軸との最小距離(D2)が第1部材と中心軸との最小距離(D1)より大きい部位は、中心軸に沿う方向の厚さ(T)が0.05mm以上から2mm以下であることが好ましい。
また、第1部材とテープの側面を接着する接着面積は、巻回されたテープの外周側から内周側に向かって減少してもよい。更に、一方の表面が管部材の表面及びテープの側面の一部に対向し、他方の表面が第1部材に対向して設けられ、管部材で囲まれる空間及び孔に連通する第2孔が形成された第2部材を更に備えてもよい。ここで、孔及び第2孔は、略同じ直径を有し、管部材の内径は、孔及び第2孔の直径より大きくてもよい。
また、本開示は、2つ以上の被結束物を結束することが可能なテープを備えるテープ巻き付け体に関する。このテープ巻き付け体は、筒状の管部材と、管部材に巻回された被結束物を結束可能なテープと、巻回されたテープの側面に接着して設けられ、管部材の内壁で囲まれる部位に連通する孔が形成された第1部材を備える。なお、第1部材には、第1部材とテープの側面を接着する接着層による接着面積を、巻回されたテープの外周側から内周側に向かって減少させる接着層が露出しない領域が形成されていてもよい。
また、本開示は、被結束物を結束可能なテープを備えるテープ巻き付け体である。このテープ巻き付け体は、筒状の管部材と、管部材に巻回されたテープと、巻回されたテープの側面に接着して設けられ、管部材の内壁で囲まれる部位に連通する孔が形成された第1部材を備える。
このようなリール又はテープ巻き付け体において、結束用テープは、中間層と、中間層の一方の表面を覆う第1表面層と、を備えてもよい。中間層は、結束用テープの長手方向に対して角度を成して並設される複数の第1の線状材を有することを特徴とする。
本発明は上記の通りであり、中間層と、中間層の一方の表面を覆う第1表面層を備えている。そして、中間層は、結束用テープの長手方向に対して角度を成して並設される複数の第1の線状材を有している。このような構成によれば、結束用テープを長手方向に伸ばそうとする力が働く際に、第1の線状材にも結束用テープを伸ばそうとする力が働くことになる。よって、第1の線状材によって結束用テープの強度が増すので、結束用テープにステープルを打ち込んで結束した場合でも、裂けにくくすることができる。この結束用テープを使用すれば、反発力の高い作物の誘引作業であっても、園芸用結束機を使用して結束作業を行うことができる。
なお、前記中間層の他方の表面を覆う第2表面層を更に備えてもよい。すなわち、中間層を第1表面層と第2表面層とで挟み込んだ構成となっていてもよい。
また、中間層は、第1の線状材に対して交差する第2の線状材を有していてもよい。このように構成すれば、第2の線状材によって第1の線状材の間隔が広がることが抑制されるので、結束用テープの伸びを抑制することができる。よって、結束用テープにステープルを打ち込んで結束した後に結束用テープが引っ張られたとしても、ステープルが刺さった穴が広がりにくいので、裂けにくい結束用テープを提供することができる。
また、第1の線状材は、結束用テープの長手方向に対して直交して配置され、第2の線状材は、結束用テープの長手方向に延設されていてもよい。このように構成すれば、第1の線状材と第2の線状材とが格子状となるので、結束用テープの強度を増すことができる。
また、中間層は、第1の線状材と第2の線状材を織り込んで形成されていてもよい。このように構成すれば、中間層の表面が凹凸の少ない平坦なシート状となるので、第1表面層および第2表面層で挟み込む加工をする前でも扱いやすく、結束用テープの製造が容易となる。また、第1の線状材と第2の線状材とが互いに絡み合うことで第1の線状材と第2の線状材とが相対的に移動しにくくなるので、結束用テープの伸びを効果的に抑制することができる。
また、第1の線状材および第2の線状材の少なくとも一方は、繊維素材を束ねて形成されていてもよい。このように構成すれば、第1の線状材や第2の線状材を太くして強度を高くした場合でも、中間層の厚みがでないようにすることができる。すなわち、中間層を第1表面層および第2表面層で挟み込んだときに繊維素材を束ねた線状材が扁平に潰れるので、結束用テープの厚みを薄くすることができる。
また、第1の線状材は、5mm以下の間隔で並設されていてもよい。このような構成によれば、ステープルを打ち込んで結束した後に結束用テープが引っ張られて伸びたとしても、少なくとも5mm伸びるまでにステープルの脚部が第1の線状材に当たるので、それ以上のステープルの移動が阻止され、ステープルで留めたときにできた穴がそれ以上広がらないように抑制することができる。
また、第1表面層および第2表面層の少なくとも一方は、光分解性または生分解性の材料で形成されていてもよい。このような構成によれば、結束後の結束用テープが野外に放置されたときに、自然に劣化させることができる。このように表面層が劣化することで、農作物の収穫時に結束用テープが取り外しやすくなり、また、外れた結束用テープが畑に落ちても目立たなくすることができる。
なお、本発明の結束用テープは、結束用テープを被結束物に巻き回したのち、結束用テープの両端部を重ね合わせてコ字形のステープルを打ち込むことにより、前記両端部付近を相互に綴じて結束する結束方法で使用することができる。このような結束方法で使用した場合、ステープルの脚部が第1の線状材によって保持されることでステープルの移動が抑制されるので、ステープルを突き刺した穴が広がりにくく、結束用テープが裂けにくくなる。
また、本発明の結束用テープは、この結束用テープが取り付けられた結束機で、結束用テープを被結束物に巻き回したのち、結束用テープの両端部を重ね合わせてコ字形のステープルを打ち込むことにより、前記両端部付近を相互に綴じて結束する結束方法で使用することができる。このような結束方法で使用した場合、ステープルの脚部が第1の線状材によって保持されることでステープルの移動が抑制されるので、ステープルを突き刺した穴が広がりにくく、結束用テープが裂けにくくなる。
(付記)
次に、以下に述べる複数の実施形態及びその変形例から把握できる技術思想について記載する。
(付記A)
1.
筒状の管部材と、
前記管部材に巻回された結束用テープと、
前記巻回された前記結束用テープの側面に位置し、前記側面の少なくとも一部に接着される第1部材と、
を備えるテープ巻き付け体。
2.
1.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、可撓性を有して弾性変形が可能に設けられていることを特徴とするテープ巻き付け体。
3.
1.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材の内壁で囲まれる部位に連通する孔が形成されることを特徴とするテープ巻き付け体。
4.
3.に記載のテープ巻き付け体において、
前記管部材の内径は、前記孔の直径より大きいことを特徴とするテープ巻き付け体。
5.
3.に記載のテープ巻き付け体において、
前記管部材は、前記内壁で囲まれる部位及び前記孔を通過する中心軸の方向に延伸する円筒状に形成されており、
前記管部材と前記中心軸との最小距離(D2)は、前記第1部材と前記中心軸との最小距離(D1)より大きいことを特徴とするテープ巻き付け体。
6.
5.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材と前記中心軸との最小距離(D2)が、前記第1部材と前記中心軸との最小距離(D1)より1mm以上大きいことを特徴とするテープ巻き付け体。
7.
5.又は6.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、
前記管部材と前記中心軸との最小距離(D2)が前記第1部材と前記中心軸との最小距離(D1)より大きい部位は、前記中心軸に沿う方向の厚さ(T)が0.05mm以上から2mm以下であることを特徴とするテープ巻き付け体。
8.
1.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材と前記結束用テープの側面を接着する接着面積は、巻回された前記結束用テープの外周側から内周側に向かって減少することを特徴とするテープ巻き付け体。
9.
1.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材には、前記第1部材と前記結束用テープの側面を接着する接着層による接着面積を、巻回された前記結束用テープの外周側から内周側に向かって減少させる前記接着層が露出しない領域が設けられていることを特徴とするテープ巻き付け体。
10.
3.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、少なくとも一部が前記管部材に接着されていることを特徴とするテープ巻き付け体。
11.
3.に記載のテープ巻き付け体において、
一方の表面が前記管部材の端面及び前記結束用テープの側面の一部に対向し、他方の表面が前記第1部材に対向して設けられ、前記管部材で囲まれる部位及び前記孔に連通する第2孔が形成された第2部材を更に備えることを特徴とするテープ巻き付け体。
12.
11.に記載のテープ巻き付け体において、
前記孔及び前記第2孔は、略同じ直径を有し、
前記管部材の内径は、前記孔及び前記第2孔の直径より大きいことを特徴とするテープ巻き付け体。
13.
1.または2.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材の内壁で囲まれる部位に連通する部位が形成されていることを特徴とするテープ巻き付け体。
14.
13.に記載のテープ巻き付け体において、
前記管部材は、前記内壁で囲まれる部位及び前記連通する部位を通過する中心軸の方向に延伸する円筒状に形成されており、前記管部材と前記中心軸との最小距離(D2)は、前記第1部材と前記中心軸との最小距離(D1)より大きいことを特徴とするテープ巻き付け体。
15.
14.に記載のテープ巻き付け体において、
前記管部材と前記中心軸との最小距離(D2)は、前記第1部材と前記中心軸との最小距離(D1)よりも、1mm以上大きいことを特徴とするテープ巻き付け体。
16.
14.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、
前記管部材と前記中心軸との最小距離(D2)が、前記第1部材と前記中心軸との最小距離(D1)より大きく設けられている部位の厚さ(T)が0.05mm以上から2mm以下であることを特徴とするテープ巻き付け体。
17.
1.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材に接着する部分を含む第1部と、前記結束用テープの径方向に延伸して前記結束用テープの側面に接着する部分を含む第2部と、
を備えるテープ巻き付け体。
18.
17.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記結束用テープの径方向に延伸して前記結束用テープの側面に接着しない非接着部と、
を備えるテープ巻き付け体。
19.
1.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材に接着する部分を含む第1部と、前記結束用テープの側面に接着する複数の部分と、
を備えるテープ巻き付け体。
20.
1.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材に接着する部分を含む第1部を備え、更に、前記管部材の軸を中心とし前記第1部を内部に含む仮想円上において、前記結束用テープの側面に接着する第1円弧部と、前記結束用テープの側面に接着しない第2円弧部と、
を備えるテープ巻き付け体。
21.
1.のテープ巻き付け体において、
前記結束用テープは、
中間層と、
前記中間層の一方の表面を覆う第1表面層と、
を備え、
前記中間層は、前記結束用テープの長手方向に対して角度を成して併設される複数の第1の線状材を有する、テープ巻き付け体。
22.
21.のテープ巻き付け体において、
前記中間層は、前記第1の線状材に対して交差する第2の線状材を有する、テープ巻き付け体。
23.
22.のテープ巻き付け体において、
前記第1の線状材は、前記結束用テープの長手方向に対して直交して配置され、
前記第2の線状材は、前記結束用テープの長手方向に延設されている、テープ巻き付け体。
24.
22.又は23.のテープ巻き付け体において、
前記第1の線状材と前記第2の線状材は、互いに織り込んで形成されている、テープ巻き付け体。
25.
22.乃至24.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記第1の線状材および前記第2の線状材の少なくとも一方は、繊維素材を束ねて形成されている、テープ巻き付け体。
26.
21.乃至25.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記第1の線状材は、5mm以下の間隔で並設されている、テープ巻き付け体。
27.
21.乃至26.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記中間層の他方の表面を覆う第2表面層を更に備える、テープ巻き付け体。
28.
27.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1表面層および前記第2表面層の少なくとも一方は、光分解性または生分解性の材料で形成されている、テープ巻き付け体。
29.
21.乃至28.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記中間層の幅方向の一端部には、前記結束用テープの長手方向に離間する複数の第1切れ込みが形成されている、テープ巻き付け体。
30.
29.に記載のテープ巻き付け体において、
前記中間層の幅方向の他端部には、前記結束用テープの長手方向に離間する複数の第2切れ込みが形成されている、テープ巻き付け体。
31.
22.又は25.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記中間層の幅方向の一端部には、前記結束用テープの長手方向に離間する複数の第1切れ込みが形成されており、
少なくとも一つの前記第1切れ込みは、前記第2の線状材の少なくとも一部を切断している、テープ巻き付け体。
32.
30.に記載のテープ巻き付け体において、
複数の前記第1切れ込みが形成されている前記長手方向の位置と、複数の前記第2切れ込みが形成される前記長手方向の位置とは、前記結束用テープの幅方向中心を通る線に対して非対称である、テープ巻き付け体。
33.
30.又は32.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記第1表面層の、少なくとも一つの前記第1切れ込みに対応する位置には、前記第1表面層の一部を切断する切れ込みが形成されている、テープ巻き付け体。
34.
30.又は32.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記第1表面層の、少なくとも一つの前記第2切れ込みに対応する位置には、前記第1表面層の一部を切断する切れ込みが形成されている、テープ巻き付け体。
35.
29.に記載のテープ巻き付け体において、
前記結束用テープの幅に対する少なくとも一つの前記第1切れ込みの前記幅方向の長さは、15%以下である、テープ巻き付け体。
36.
31.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1切れ込みは、前記第2の線状材の幅の60%以上を切断している、テープ巻き付け体。
37.
1.乃至36.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体から結束用テープを被結束物に巻き回すこと、
前記巻き回した前記結束用テープの両端部を重ね合わせてコ字形のステープルを打ち込み、前記両端部付近を相互に綴じて結束すること、
を含む結束方法。
38.
1.乃至36.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体が取り付けられた結束機を用いて被結束物を結束する結束方法であって、
前記結束用テープを前記被結束物に巻き回すこと、
前記巻き回した前記結束用テープの両端部を重ね合わせてコ字形のステープルを打ち込み、前記両端部付近を相互に綴じて結束すること
を含む結束方法。
(付記B)
101.
被結束部を結束可能な結束用テープが巻回可能な筒状の管部材と、
前記管部材の内壁部又は前記管部材の一端面側から前記管部材の軸心に向かって突出し、可撓性を有する突出部と、
を備えるリール。
102.
101.に記載のリールにおいて、
前記突出部は、前記内壁部の前記軸心方向における中心位置から±5.5mm以内の範囲Wに設けられるリール。
103.
101.または102.に記載のリールにおいて、
前記管部材は、前記一端面側と他端面側とが連通し、
前記突出部は、突出量Pが1mm以上であるリール。
104.
101.から103.のいずれか一つに記載のリールにおいて、
前記突出部は、前記軸心方向における最大厚みTが、0.05mm以上、2mm以下であるリール。
105.
101.から104.のいずれか一つに記載のリールにおいて、
前記突出部は、前記管部材の一端面側から前記管部材の軸心側に向かって突出するフィルムであるリール。
106.
105.に記載のリールにおいて、
前記フィルムは、2層構造であるリール。
107.
101.から106.のいずれか一つに記載のリールにおいて、
前記突出部は、耐水性または延性の少なくとも何れか一方を有するリール。
108.
101.に記載のリールに結束用テープを巻き回したテープ巻き付け体であって、
結束用テープと、
前記結束用テープが巻回された筒状の管部材と、前記管部材の内壁部又は前記管部材の一端面側から前記管部材の軸心に向かって突出し、可撓性を有する突出部と、を備えるリールと、
前記巻回された前記結束用テープの側面に位置し、前記側面の少なくとも一部に接着される第1部材と、を備える、
テープ巻き付け体。
109.
108.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材に接着する部分を含む第1部と、前記結束用テープの径方向に延伸して前記結束用テープの側面に接着する部分を含む第2部と、
を備えるテープ巻き付け体。
110.
108.記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記結束用テープの径方向に延伸して前記結束用テープの側面に接着しない非接着部と、
を備えるテープ巻き付け体。
111.
108に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材に接着する部分を含む第1部と、前記結束用テープの側面に接着する複数の部分と、
を備えるテープ巻き付け体。
112.
108に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材に接着する部分を含む第1部を備え、更に、前記管部材の軸を中心とし前記第1部を内部に含む仮想円上において、前記結束用テープの側面に接着する第1円弧部と、前記結束用テープの側面に接着しない第2円弧部と、
を備えるテープ巻き付け体。
113.
108.に記載のテープ巻き付け体において、
中間層と、
前記中間層の一方の表面を覆う第1表面層と、
を備え、
前記中間層は、前記結束用テープの長手方向に対して角度を成して併設される複数の第1の線状材を有する、テープ巻き付け体。
114.
113.記載のテープ巻き付け体において、
前記中間層は、前記第1の線状材に対して交差する第2の線状材を有する、テープ巻き付け体。
115.
114.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1の線状材は、前記結束用テープの長手方向に対して直交して配置され、
前記第2の線状材は、前記結束用テープの長手方向に延設されている、テープ巻き付け体。
116.
114.又は115.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1の線状材と前記第2の線状材は、互いに織り込んで形成されている、テープ巻き付け体。
117.
114.乃至116.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記第1の線状材および前記第2の線状材の少なくとも一方は、繊維素材を束ねて形成されている、テープ巻き付け体。
118.
113.乃至117.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記第1の線状材は、5mm以下の間隔で並設されている、テープ巻き付け体。
119.
113.乃至118.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記中間層の他方の表面を覆う第2表面層を更に備える、テープ巻き付け体。
120.
119.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1表面層および前記第2表面層の少なくとも一方は、光分解性または生分解性の材料で形成されている、テープ巻き付け体。
121.
113.乃至120.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記中間層の幅方向の一端部には、前記結束用テープの長手方向に離間する複数の第1切れ込みが形成されている、テープ巻き付け体。
122.
121.に記載のテープ巻き付け体において、
前記中間層の幅方向の他端部には、前記結束用テープの長手方向に離間する複数の第2切れ込みが形成されている、テープ巻き付け体。
123.
114.又は117.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記中間層の幅方向の一端部には、前記結束用テープの長手方向に離間する複数の第1切れ込みが形成されており、
少なくとも一つの前記第1切れ込みは、前記第2の線状材の少なくとも一部を切断している、テープ巻き付け体。
124.
122.に記載のテープ巻き付け体において、
複数の前記第1切れ込みが形成されている前記長手方向の位置と、複数の前記第2切れ込みが形成される前記長手方向の位置とは、前記結束用テープの幅方向中心を通る線に対して非対称である、テープ巻き付け体。
125.
122.又は124.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記第1表面層の、少なくとも一つの前記第1切れ込みに対応する位置には、前記第1表面層の一部を切断する切れ込みが形成されている、テープ巻き付け体。
126.
122.又は124.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体において、
前記第1表面層の、少なくとも一つの前記第2切れ込みに対応する位置には、前記第1表面層の一部を切断する切れ込みが形成されている、テープ巻き付け体。
127.
121.に記載のテープ巻き付け体において、
前記結束用テープの幅に対する少なくとも一つの前記第1切れ込みの前記幅方向の長さは、15%以下である、テープ巻き付け体。
128.
123.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1切れ込みは、前記第2の線状材の幅の60%以上を切断している、テープ巻き付け体。
129.
113.乃至128.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体の
結束用テープを被結束物に巻き回すこと、
前記巻き回した前記結束用テープの両端部を重ね合わせてコ字形のステープルを打ち込み、前記両端部付近を相互に綴じて結束すること、
を含む結束方法。
130.
113.乃至128.のいずれか一つに記載のテープ巻き付け体の
結束用テープが取り付けられた結束機を用いて被結束物を結束する結束方法であって、
前記結束用テープを前記被結束物に巻き回すこと、
前記巻き回した前記結束用テープの両端部を重ね合わせてコ字形のステープルを打ち込み、前記両端部付近を相互に綴じて結束すること
を含む結束方法。
131.
108.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、可撓性を有して弾性変形が可能に設けられていることを特徴とするテープ巻き付け体。
132.
108.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材の内壁で囲まれる部位に連通する孔が形成されることを特徴とするテープ巻き付け体。
133.
132.に記載のテープ巻き付け体において、
前記管部材の内径は、前記孔の直径より大きいことを特徴とするテープ巻き付け体。
134.
132.に記載のテープ巻き付け体において、
前記管部材は、前記内壁で囲まれる部位及び前記孔を通過する中心軸の方向に延伸する円筒状に形成されており、
前記管部材と前記中心軸との最小距離(D2)は、前記第1部材と前記中心軸との最小距離(D1)より大きいことを特徴とするテープ巻き付け体。
135.
134.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材と前記中心軸との最小距離(D2)が、前記第1部材と前記中心軸との最小距離(D1)より1mm以上大きいことを特徴とするテープ巻き付け体。
136.
134.又は135.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、
前記管部材と前記中心軸との最小距離(D2)が前記第1部材と前記中心軸との最小距離(D1)より大きい部位は、前記中心軸に沿う方向の厚さ(T)が0.05mm以上から2mm以下であることを特徴とするテープ巻き付け体。
137.
108.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材と前記結束用テープの側面を接着する接着面積は、巻回された前記結束用テープの外周側から内周側に向かって減少することを特徴とするテープ巻き付け体。
138.
108.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材には、前記第1部材と前記結束用テープの側面を接着する接着層による接着面積を、巻回された前記結束用テープの外周側から内周側に向かって減少させる前記接着層が露出しない領域が設けられていることを特徴とするテープ巻き付け体。
139.
132.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、少なくとも一部が前記管部材に接着されていることを特徴とするテープ巻き付け体。
140.
132.に記載のテープ巻き付け体において、
一方の表面が前記管部材の端面及び前記結束用テープの側面の一部に対向し、他方の表面が前記第1部材に対向して設けられ、前記管部材で囲まれる部位及び前記孔に連通する第2孔が形成された第2部材を更に備えることを特徴とするテープ巻き付け体。
141.
140.に記載のテープ巻き付け体において、
前記孔及び前記第2孔は、略同じ直径を有し、
前記管部材の内径は、前記孔及び前記第2孔の直径より大きいことを特徴とするテープ巻き付け体。
142.
108.または109.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材の内壁で囲まれる部位に連通する部位が形成されていることを特徴とするテープ巻き付け体。
143.
142.に記載のテープ巻き付け体において、
前記管部材は、前記内壁で囲まれる部位及び前記連通する部位を通過する中心軸の方向に延伸する円筒状に形成されており、前記管部材と前記中心軸との最小距離(D2)は、前記第1部材と前記中心軸との最小距離(D1)より大きいことを特徴とするテープ巻き付け体。
144.
143.に記載のテープ巻き付け体において、
前記管部材と前記中心軸との最小距離(D2)は、前記第1部材と前記中心軸との最小距離(D1)よりも、1mm以上大きいことを特徴とするテープ巻き付け体。
145.
143.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、
前記管部材と前記中心軸との最小距離(D2)が、前記第1部材と前記中心軸との最小距離(D1)より大きく設けられている部位の厚さ(T)が0.05mm以上から2mm以下であることを特徴とするテープ巻き付け体。
146.
108.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材に接着する部分を含む第1部と、前記結束用テープの径方向に延伸して前記結束用テープの側面に接着する部分を含む第2部と、
を備えるテープ巻き付け体。
147.
146.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記結束用テープの径方向に延伸して前記結束用テープの側面に接着しない非接着部と、
を備えるテープ巻き付け体。
148.
108.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材に接着する部分を含む第1部と、前記結束用テープの側面に接着する複数の部分と、
を備えるテープ巻き付け体。
149.
108.に記載のテープ巻き付け体において、
前記第1部材は、前記管部材に接着する部分を含む第1部を備え、更に、前記管部材の軸を中心とし前記第1部を内部に含む仮想円上において、前記結束用テープの側面に接着する第1円弧部と、前記結束用テープの側面に接着しない第2円弧部と、
を備えるテープ巻き付け体。
上記した付記A(付記1乃至付記38)及び付記B(付記101乃至付記149)に対応する課題は、以下のとおりである。
特許文献3には、粘着テープの引き出し時に発生する残留応力や保存中の温度変化に起因して発生する歪応力によって、巻回された粘着テープが巻回軸方向に横滑りしてすり鉢状になるという、いわゆる筍現象を防止するために、粘着テープの側面に対向するように厚紙を併設する技術が記載されている。この厚紙は、粘着テープを捲回する芯体の端面にのみ糊付けで接着され、粘着テープの側面には接着されていないため、粘着テープを引き出す際に抵抗となることがない一方で、厚紙によって粘着テープが巻回軸の方向に横滑りすることを防止することができる。
更に、特許文献4には、羊毛などの糸を巻き付けるための紙管が記載されている。この紙管は、たとえ糸蒸しを行って膨潤しても容易に糸を引き出せるように円錐状に形成されている。
また、特許文献5には、電子部品が貼り付けられた電子部品帯を巻回するためのテーピングリールが記載されている。このテーピングリールは、プラスチックシートからなる2枚の側板を対向させ、各側板の中心部から突出するように形成されたボス部を突き合わせて接合することにより、電子部品帯を巻き付けるための外周面を形成している。
しかしながら、結束用テープは、特許文献3に記載された粘着テープと異なり、巻回された結束用テープ同士がほぐれやすいという特徴を有する。このため、特許文献3記載の技術を結束用テープに適用しても、結束用テープが巻回軸と垂直な方向、すなわち、外径方向にほぐれてしまう。
そこで付記として記載された発明は、被結束物を結束するための結束用テープであっても、また、粘着層を持たない非粘着式の結束用テープであっても、ほぐれにくいテープ巻き付け体を提供することを課題とする。
また、リールは、様々な大きさの木の枝や支柱(以下「芯棒」という。)に引っ掛けて使用される場合がある。特許文献4及び特許文献5には、様々な径の芯棒に好適に支持されることができるリールが示されていない。
そこで付記として記載された発明は、様々な径の芯棒に好適に支持されることが可能となるリールを提供することを課題とする。
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
本実施形態に係る結束用テープ10は、被結束物40の結束に使用されるものであり、例えば、農作物を栽培する際の誘引結束作業に使用される。具体的には、植物の蔓、茎、枝などを支柱やネット、棚などに結束するために使用される。この結束用テープ10は、通常は結束機20(後述)に取り付けて使用されるものであり、図1に示すように巻き芯19に巻き回された状態で結束機20のテープマガジン26に装填されて使用される。
この結束用テープ10は、図2に示すように、中間層11と、中間層11の一方の表面を覆う第1表面層16と、中間層11の他方の表面を覆う第2表面層17と、を備えている。
本実施形態に係る中間層11は、複数の線状材によって構成されている。具体的には、第1の線状材12と、第2の線状材13と、からなる。
第1の線状材12は、結束用テープ10の長手方向に対して角度を成して複数並設されている。本実施形態においては、第1の線状材12は、結束用テープ10の長手方向D1に対して直交して配置されている。言い換えると、第1の線状材12は、結束用テープ10の幅方向D2に延設されている。
この複数の第1の線状材12は、それぞれ所定の間隔で並設されている。このときの第1の線状材12の間隔W1は、5mm以下(結束に使用するステープル30のクラウン部32の長さ以下)とすることが望ましく、3mm以下(結束に使用するステープル30の脚部31の長さ以下)とすることが更に望ましい。このような構成によれば、ステープル30を打ち込んで結束した後に結束用テープ10が引っ張られて伸びたとしても、少なくとも5mm(または3mm)伸びるまでにステープル30の脚部31が第1の線状材12に当たるので、それ以上のステープル30の移動が阻止され、ステープル30で留めたときにできた穴がそれ以上広がらないように抑制することができる。広がった穴の大きさが、結束に使用するステープル30のクラウン部32の長さ(または脚部31の長さ)を超えない範囲に抑制されることで、ステープル30を外れにくくすることができる。
一方、第2の線状材13は、第1の線状材12に対して交差するように設けられている。本実施形態においては、第2の線状材13は、結束用テープ10の長手方向D1に延設されている。言い換えると、第2の線状材13は、結束用テープ10の幅方向D2に対して直交して配置されている。
また、本実施形態においては、第2の線状材13が所定の間隔で複数並設されている。これらの第2の線状材13の配設間隔は、第1の線状材12の配設間隔と同じ間隔に設定されている。
なお、本実施形態においては、第2の線状材13は、複数並設されているが、これに限らず、1本だけ設けるようにしてもよい。ただし、結束用テープ10の強度を増したい場合には、複数の第2の線状材13を使用することが望ましい。また、ステープル30を打ち込んだときに、少なくとも1本の第2の線状材13がステープル30の一対の脚部31の間を通るようにすることで、結束用テープ10を裂けにくくすることができる。
これらの第1の線状材12および第2の線状材13は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系の樹脂製の繊維素材を束ねて(撚り合わせて)形成されている。このように繊維素材を束ねることで、第1の線状材12や第2の線状材13を太くして強度を高くした場合でも、中間層11の厚みがでないようにすることができる。すなわち、中間層11を第1表面層16および第2表面層17で挟み込んだときに、第1の線状材12や第2の線状材13が扁平に潰れるので、結束用テープ10の厚みを薄くすることができる。
また、第1の線状材12および第2の線状材13は、図3に示すように、格子状に互い違いに織り込まれており、これによりシート状の中間層11が形成されている。このように中間層11がシート状に形成されることで、第1表面層16および第2表面層17で挟み込む加工をする前でも中間層11を取り扱いやすくなっており、結束用テープ10の製造に有利となっている。また、第1の線状材12と第2の線状材13とが互いに絡み合うことで摩擦により移動しにくくなるので、格子の隙間が広がりにくくなっており、結束用テープ10の伸びを効果的に抑制することができる。
なお、第1の線状材12および第2の線状材13は必ずしも互い違いに織り込まれていなくてもよい。例えば、第1の線状材12と第2の線状材13とを井桁状に積み重ねてもよいし、交互ではなく複数本ごとに第1の線状材12と第2の線状材13とを織り込むようにしてもよい。また、第1の線状材12と第2の線状材13とを織り込むことに代えて、第1の線状材12と第2の線状材13とを編み込むようにしてもよい。このようにすれば、第1の線状材12と第2の線状材13とがほぐれにくくなる。
第1表面層16および第2表面層17は、耐候性を発揮できるようにフィルム状の樹脂素材(ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリエチレン(PE)など)で形成されている。この第1表面層16および第2表面層17で中間層11を挟み込み、第1表面層16および第2表面層17を貼り合わせることで、結束用テープ10が構成されている。
この結束用テープ10は、例えば図4および図5に示すような結束機20で使用される。この結束機20は、公知のものと同様である。すなわち、この結束機20は、直線的に形成された細長のメインハンドル21と、メインハンドル21に対して回動可能に取り付けられたクリンチャアーム23と、クリンチャアーム23に対して回動可能に取り付けられた操作ハンドル25と、を備えている。クリンチャアーム23は、バネによって常時付勢されており、通常時においては図4に示すようにメインハンドル21に対して開いた状態となっている。この状態から操作ハンドル25とメインハンドル21とを握り込むことで、図5に示すように、クリンチャアーム23がメインハンドル21に対して閉じ方向に回動するようになっている。
なお、メインハンドル21の後部には、結束用テープ10を収容するためのテープマガジン26が設けられている。このテープマガジン26に収容された結束用テープ10は、メインハンドル21の内部を通過して、メインハンドル21の先端部21aまで引き出される。メインハンドル21の先端部21aでは、結束用テープ10の先端が保持された状態でセットされる。
また、メインハンドル21には、ステープル30を収容するためのステープルマガジン22が設けられている。本実施形態で使用するステープル30は、図6に示すような略コ字形であり、一対の脚部31と、一対の脚部31を接続するクラウン部32と、を備える。ステープルマガジン22に収容されるステープル30は、複数のステープル30を接着剤などで接合したものが使用される。ステープルマガジン22に収容されたステープル30は、先端方向へと順次送られ、結束用テープ10を綴じるために使用される。
このステープルマガジン22の先端付近には、ステープル30を打ち出すためのステープルドライバ(図示せず)が設けられている。クリンチャアーム23がメインハンドル21に対して完全に閉じた状態まで回動すると、ステープルドライバがステープルマガジン22内に進入して、ステープルマガジン22内の先頭のステープル30を打ち出す。打ち出されたステープル30の脚部31は、クリンチャアーム23の先端部23aに設けられたクリンチャ(図示せず)に押し付けられて内側に屈折するようになっている。
また、メインハンドル21の先端部21aには、結束後の結束用テープ10を切断するための切断刃(図示せず)が設けられている。
また、クリンチャアーム23の先端部23aには、メインハンドル21の先端部21aまで引き出された結束用テープ10を掴むためのテープ把持部24が設けられている。
この結束機20で被結束物40を結束するときには、まず操作ハンドル25を握り込んでクリンチャアーム23をメインハンドル21に対して閉じ方向に回動させる。これにより、クリンチャアーム23の先端部23aに設けられたテープ把持部24が、メインハンドル21の先端部21aまで引き出された結束用テープ10を掴む。その後、操作ハンドル25の握り込みを解除してクリンチャアーム23をメインハンドル21に対して開き方向に回動させると、結束用テープ10を把持した状態でクリンチャアーム23の先端部23aとメインハンドル21の先端部21aとが互いに離れていき、クリンチャアーム23とメインハンドル21との間に結束用テープ10が張られた状態となる。この状態で張られた結束用テープ10の外側から被結束物40を入れ込み、再び操作ハンドル25を握り込んでクリンチャアーム23をメインハンドル21に対して閉じ方向に回動させる。この動きによりクリンチャアーム23の先端部23aとメインハンドル21の先端部21aとが互いに押し付けられると、被結束物40に巻き回した結束用テープ10の両端部が重ね合わせられて、被結束物40を結束するテープループが形成される。そして、ステープルドライバによってステープル30が打ち出され、打ち出されたステープル30の脚部31が、重ね合わせたテープループの両端付近に打ち込まれて貫通する。テープループを貫通したステープル30の脚部31は、クリンチャに押し付けられて綴じられる。その後、綴じられたテープループを切り離すように、結束用テープ10が切断される。このように、1回目の握り込み動作では結束用テープ10が引き出され、2回目の握り込み動作では結束が実行されるようになっている。このように、本実施形態に係る結束機20は、被結束物40に巻き回した結束用テープ10の両端部にコ字形のステープル30を打ち込むことにより、図7に示すような結束を行うことができる。
ここで、上記した結束動作において結束用テープ10にステープル30を打ち込むと、まず図8(a)に示すようにステープル30の脚部31が重ね合わせた結束用テープ10の両端部付近を貫通して突き刺さることになる。その後、図8(b)に示すように、ステープル30の脚部31がクリンチされて内側に折り曲げられる。これにより、図10(a)に示すように、重ね合わせた結束用テープ10がステープル30の脚部31とクラウン部32とで挟み込まれて保持されることになる。
このようにステープル30で結束用テープ10を留める結束方法においては、ステープル30の脚部31が結束用テープ10に突き刺さるため、結束用テープ10に穴が開くことは避けられない。このような結束用テープ10が引っ張られると、ステープル30で留めたときにできた穴に応力が集中することになる。このため、従来の結束用テープ10’を使用した結束方法では、図13に示すように、ステープル30で留めたときにできた穴から結束用テープ10’が裂けてしまうことがあった。
この点、本実施形態に係る結束用テープ10を使用すれば、ステープル30の脚部31を結束用テープ10に突き刺したときに、図9(a)に示すように、ステープル30の脚部31が複数の第1の線状材12の間を貫通することになる。また、ステープル30の脚部31の間には、少なくとも1本以上の第2の線状材13が通るようになっている。この状態で図9(b)に示すようにステープル30の脚部31がクリンチされると、格子状に織り込まれた第1の線状材12および第2の線状材13の隙間にステープル30の脚部31が保持された状態となる。
このような結束状態においては、結束用テープ10が引っ張られたとしても、ステープル30の脚部31が第1の線状材12によって保持されることでステープル30の移動が抑制されるので、ステープル30を突き刺した穴が広がりにくく、結束用テープ10が裂けにくい。
更に、第1の線状材12および第2の線状材13によって結束用テープ10の伸びが抑制されるため、ステープル30で留めたときにできた穴が広がりにくい。よって、ステープル30で留めたときにできた穴から結束用テープ10が裂けてしまうことを効果的に防止することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、中間層11と、中間層11の一方の表面を覆う第1表面層16と、中間層11の他方の表面を覆う第2表面層17と、を備えており、すなわち、中間層11を第1表面層16と第2表面層17とで挟み込んだ構成となっている。そして、中間層11は、結束用テープ10の長手方向D1に対して角度を成して並設される複数の第1の線状材12を有している。このような構成によれば、第1の線状材12によって結束用テープ10の強度が増すので、結束用テープ10にステープル30を打ち込んで結束した場合でも、裂けにくくすることができる。よって、この結束用テープ10を使用すれば、反発力の高い作物の誘引作業であっても、結束機20を使用して結束作業を行うことができる。
また、中間層11は、第1の線状材12に対して交差する第2の線状材13を有している。この第2の線状材13によって第1の線状材12の間隔が広がることが抑制されるので、結束用テープ10の伸びを抑制することができる。よって、結束用テープ10にステープル30を打ち込んで結束した後に結束用テープ10が引っ張られたとしても、ステープル30が刺さった穴が広がりにくいので、裂けにくい結束用テープ10を提供することができる。
なお、上記した実施形態においては、第1表面層16および第2表面層17が耐候性を有する素材で形成されているが、これに限らず、第1表面層16および第2表面層17の少なくとも一方は、光分解性または生分解性の材料で形成されていてもよい。このように構成した場合、結束した当初は図11(a)に示すように表面層が劣化していないので、結束強度を確保することができる。一方、結束後の結束用テープ10が一定期間を超えて野外に放置されると、図11(b)に示すように表面層が自然に劣化することになる。表面層が劣化して中間層11のみが残ると、中間層11を構成する第1の線状材12および第2の線状材13の隙間が開きやすくなり、ステープル30が結束用テープ10から外れやすくなる。このため、農作物の収穫時に結束用テープ10を取り外しやすくすることができる。また、外れた結束用テープ10が畑に落ちても、中間層11の繊維が残るだけなので目立ちにくい。更に、第1の線状材12や第2の線状材13の色を黒系色や茶系色とすることで、中間層11の繊維が畑や農地に落ちた際に保護色となるので、より目立たなくすることができる。
また、上記した実施形態においては、中間層11が第1の線状材12と第2の線状材13とからなるように構成したが、これに限らず、第1の線状材12のみで中間層11を構成してもよい。このとき、第1の線状材12は、図12(a)に示すように、結束用テープ10の長手方向D1および結束用テープ10の幅方向D2に対して斜めに配置することが望ましい。なお、図12(a)においては第1の線状材12が露出しているが、これは説明の便宜上である。すなわち、実際の第1の線状材12(中間層11)の表裏面は、第1表面層16および第2表面層17によって覆われており、露出してない。
このように斜めに第1の線状材12を設けた場合、図12(b)に示すように、結束用テープ10が長手方向D1に一定範囲で伸びるようにすることができる。すなわち、従来よりも結束用テープ10の強度を上げつつも、適度に伸縮性のある結束用テープ10を提供することができる。このような結束用テープ10は、例えば、農作物栽培において枝の成長に合わせて結束用テープ10を伸ばしたい場合、すなわち、過度な拘束を避けて木の成長を阻害しないようにしたい場合などに使用することができる。
また、結束用テープ10は、中間層11と、中間層11の一方の表面に設けられた第1表面層16から構成することができる。この際、中間層11の他方の表面には第2表面層17を設けずに、中間層11の他方の表面が露出するようにしてもよい。このような構成の場合であっても、中間層11は、結束用テープ10の長手方向D1に対して角度を成している複数の第1の線状材12を備えている。このような構成によれば、第1の線状材12によって結束用テープ10の強度が増すので、結束用テープ10にステープル30を打ち込んで結束した場合でも、裂けにくくすることができる。よって、この結束用テープ10を使用すれば、反発力の高い作物の誘引作業であっても、結束機20を使用して結束作業を行うことができる。
なお、第1表面層16は、中間層11の一方の表面の全体を覆っていなくてもよい。たとえば、中間層11の幅方向D2の一端、又は、両端において、中間層11の一方の表面が露出してもよい。
[変形例1]
以下、第1実施形態に係る結束用テープ10の変形例に係る結束用テープ10Aついて、図面を用いて説明する。なお、第1実施形態において説明された構成要素と同一又は同様の構成又は機能を採用することができると当業者が理解できる構成要素については、説明を省略又は簡略化する。
図14は、結束用テープ10Aの斜視図である。同図に示されるように、結束用テープ10Aは、巻き芯19に巻き回されている。巻き回された結束用テープ10Aの一方の側面10A1、すなわち、結束用テープ10Aの幅方向D2一端部、又は、縁部には、第1切れ込み14A1が形成されている。同図に示されるように、側面10A1には、巻き芯19のほぼ中心から径方向にそれぞれ伸びる、たとえば、30度の回転対称で形成された12個の第1切れ込み14A1が形成されている。切れ込みは、スリットと表現されてもよい。
同様に巻き回された結束用テープ10Aの他方の側面10A2、すなわち、結束用テープ10Aの幅方向D2他端部、又は、他方の縁部には、第2切れ込み14A2が形成されている。側面10A2には、巻き芯19のほぼ中心から径方向にそれぞれ伸びる、たとえば、30度の回転対称で形成された12個の第2切れ込み14A2が形成されている。
同図に示されるように、第1切れ込み14A1と第2切れ込み14A2は、結束用テープ10Aの長手方向D1において互いに異なる位置に形成されている。具体的には、結束用テープ10Aの長手方向D1に離間して形成される二つの隣接する第1切れ込み14A1の中間の長手方向D1位置に、第2切れ込み14A2は形成される。また、結束用テープ10Aの長手方向D1に離間して形成される二つの隣接する第2切れ込み14A2の中間の長手方向D1位置に、第1切れ込み14A1は形成される。
図15Aは、結束用テープ10Aが、中間層11Aと、中間層11Aの一方の表面を覆う第1表面層16と、中間層11の他方の表面を覆う第2表面層17から構成されている様子を模式的に示す斜視図である。第1表面層16、中間層11及び第2表面層17の幅方向D2の長さは、ほぼ同一である。ただし、第1表面層16及び第2表面層17の幅方向D2の長さは、中間層11の幅方向D2の長さより大きくてもよい。一方で、第1表面層16及び第2表面層17の幅方向D2の長さは、中間層11の幅方向D2の長さより小さくてもよい。この場合、中間層11の幅方向D2端部の表面は、第1表面層16及び第2表面層17によって覆われず、露出する。
図15Aの中間層11Aの幅方向D2の一方の端部には、第1切れ込み14A1が形成されている。また、中間層11Aの幅方向D2の他方の端部には、第2切れ込み14A2が形成されている。また、第1切れ込み14A1と第2切れ込み14A2は、長手方向D1において、異なる位置に形成されている。
図15Aに示される結束用テープ10Aに替えて、図15Bに示される結束用テープ10Bのように、第1実施形態の結束用テープ10を変形してもよい。
図15Bに示されるとおり、結束用テープ10Bは、中間層11Aと、中間層11Aの一方の表面を覆う第1表面層16Bと、中間層11の他方の表面を覆う第2表面層17Bから構成される。中間層11Bの幅方向D2の一方の端部には、第1切れ込み14B1が形成される。また、第1表面層16Bのうち第1切れ込み14B1に対応する位置には切れ込み16B1が形成され、第2表面層17Bのうち第1切れ込み14B1に対応する位置には切れ込み17B1が形成される。また、第1表面層16Bのうち第2切れ込み14B2に対応する位置には切れ込み16B2が形成され、第2表面層17Bのうち第2切れ込み14B2に対応する位置には切れ込み17B2が形成される。ただし、第1表面層16B又は第2表面層17Bの一方に切れ込みが全く形成されなくてもよい。
結束用テープ10A及び結束用テープ10Bは、たとえば、図4および図5に示すような結束機20に搭載して、被結束物を結束するために用いられることができる。
図16A及び図16Bは、結束用テープ10Bを結束機20に搭載して、被結束物(不図示)を結束するために、ステープル30を打ち込んだ様子を示す模式的な斜視図である。なお、ステープル30は、図6に示されるものと同一の構造を有しており、具体的には、第1方向に向かって延伸するクラウン部32と、クラウン部32の第1方向一端部においてクラウン部32に接続し、第1方向に交差する第2方向に向かって延伸する第1の脚部31と、クラウン部32の第1方向他端部においてクラウン部32に接続し、第1方向に交差する第3方向(ただし第2方向と同一でもよい)に向かって延伸する第2の脚部31を備える。二つの脚部31の一端は、自由端であってもよい。クラウン部32と脚部31との接続部は、図6に示されるとおり丸みを帯びてもよい。ステープル30は、長方形のU字形と表現されてもよい。
結束用テープ10Bにステープル30を打ち込むと、図16Aに示されるように、ステープル30の脚部31は、重ね合わされた結束用テープ10Bをそれぞれ貫通する。その後、図16Bに示されるように、ステープル30の脚部31がクリンチされて内側に折り曲げられる。これにより、重ね合わせた結束用テープ10Bがステープル30の脚部31とクラウン部32とで挟み込まれて保持されることになる。このとき、脚部31とクラウン部32との間には、少なくとも一束の第1の線状材12及び第2の線状材13が挟み込まれる。また、結束用テープ10Bの幅方向D2の一方の側面には、第1切れ込み14A1が形成されており、他方の側面には、第2切れ込み14A2が形成される。このため同図に示されるように、ステープル30で綴じられることによって形成される結束用テープ10Bのテープループの一方の幅方向D2端部には、第1切れ込み14A1が形成され、他方の幅方向D2端部には、第2切れ込み14A2が形成される。
このような状態において、結束用テープ10Bが引っ張られたとしても、ステープル30の脚部31が第1の線状材12又は第2の線状材13の少なくとも一方に引っ掛かって、ステープル30の移動が抑制される。このため、ステープル30が結束用テープ10Bを貫通したことによって形成される貫通穴が広がりにくく、結束用テープ10が裂けることを抑制することができる。
以下、第1切れ込み14A1又は第2切れ込み14A2の技術的意義について説明する。
上述したとおり、結束機20のメインハンドル21の先端部21aには、結束後の結束用テープ10Bを切断するための切断刃(図示せず)が設けられている。そして、被結束物40を結束するテープループが形成された後、ステープルドライバによってステープル30が打ち出され、結束用テープ10Bが綴じられた後、メインハンドル21の先端部21aに設けられた切断刃を用いて、綴じられたテープループを切り離すように、結束用テープ10が切断される。
本願の発明者らは、幅方向D2に併設されている複数の第2の線状材13のうち、幅方向D2端部に設けられた第2の線状材13が切断されない場合があることに気が付いた。たとえば、結束用テープ10Bを切断するための切断刃が、鋸刃のように、周期的に形成された複数の刃から形成されている場合、幅方向D2端部の刃よりも幅方向D2外側に存在する第2の線状材13に刃から十分な力が加えられない結果、幅方向D2端部の第2の線状材13を切断できない場合があることに本願の発明者らは気が付いた。第2の線状材13は、結束機20に搭載される結束用テープ10Bと繋がっているため、本来であれば、結束機20の使用者は、切断できなかった第2の線状材13を別途切断しなければならなかった。
しかしながら、結束用テープ10Bの中間層11Bの幅方向D2端部には、複数の第1切れ込み14B1が形成されている。このため、幅方向D2一端部に設けられた第2の線状材13の少なくとも一部は、第1切れ込み14B1によって予め切断されている。このため、本来であれば結束機20の切断刃によって切断されない第2の線状材13を切断しやすくすることが可能になる。なお、幅方向D2一端部に設けられた第2の線状材13は、第1切れ込み14B1によって完全に切断されていなくてもよい。たとえば、幅方向D2一端部に設けられた第2の線状材13の少なくとも一部が第1切れ込み14B1によって切断されていることにより、従来と比較して、結束機20による切断による引っ張りによって、又は、軽く手で引っ張ること等の他の手段によって、容易に切断をすることが可能になる。少なくとも一つの第2の線状材13の幅方向D2の長さの60%以上が第1切れ込み14B1によって切断されていることが好ましい。
なお、単一の第2の線状材13が複数の繊維素材(例えば、複数のポリエステル繊維)を束ねて形成されている場合、好ましくは、第2の線状材13の幅方向D2の長さ(たとえば、0.5mm)の半分以上、第1切れ込み14B1によって切断されていることが好適である。第2の線状材13の幅方向D2の長さの60%以上、第1切れ込み14B1によって切断されていることが更に好ましい。ただし、巻回された結束用テープ10Bの側面がばらつきを有する場合、結束用テープ10Bの側面に刃を押し当てて第1切れ込み14B1となるスリットの深さもばらつきを有する場合がある。ただし、第1切れ込み14B1の幅方向D2の長さを大きくすると、結束用テープ10Bは長手方向D1に伸びてしまうため、結束用テープ10Bの切断を妨げる場合がある。そこで、結束用テープ10Bの幅に対する少なくとも一つの第1切れ込み14B1の幅方向D1の長さは、15%以下であることが好ましい。
同様に、幅方向D2他端部に設けられた第2の線状材13の少なくとも一部は、第2切れ込み14B2によって予め切断されている。このため、同様に、幅方向D2他端部に設けられた第2の線状材13を容易に切断することができる。
以上のとおりであるから、結束用テープの中間層の幅方向一端に、結束用テープの長手方向に離間する複数の切れ込みを設けたから、第2の線状材が切断されないことによる不具合を軽減することが可能になる。
なお、結束用テープには、必ずしも、第1切れ込み及び第2切れ込みの双方が形成されていなくてもよい。例えば、結束用テープの幅方向一端側にのみ、第1切れ込みが形成されていてもよい。
また、結束用テープの中間層の幅方向両端に、結束用テープの長手方向に離間する複数の切れ込みを設ける場合、一方の端部に複数形成される切れ込みの長手方向位置と、他方の端部に複数形成される切れ込みの長手方向位置とは、結束用テープの幅方向中心を通る線に対して非対称であることが好ましい。このように構成することによって、結束用テープの引張強度の低下を抑制することが可能になる。
また、切れ込みの数、形状、長さは、適宜変更することができる。本変形例において、切れ込みは、側面視において放射状に形成された。しかしながら本変形例に限られるものではない。たとえば、側面視において格子状となるように巻回された結束用テープの側面に切れ込みを形成してもよい。
[第2実施形態]
図17Aは、第2実施形態に係るテープ巻き付け体110の左側面側から見た斜視図である。また、図17B、図17C及び図17Dは、それぞれ、テープ巻き付け体110の中心軸AXを含む断面図、右側面側から見た斜視図及び中心軸AX付近の部分拡大図である。但し、図17Aは、結束用テープ112が少し引き出され、結束用テープ112の外周側の端部がほぐれている様子を示している。
これら図面に示されるように、テープ巻き付け体110は、円筒状の管部材120と、管部材120の外周面に巻き回された結束用テープ112と、巻回された結束用テープ112の側面112C及び側面112Dのうち、一方の側面112Dに対向して設けられるフィルム114(「第1部材」の一例)と、フィルム114と側面112Dを接着するために、フィルム114と側面112Dとの間に設けられた接着層116を備えている。
管部材120は、中心軸AXを中心とする中空の円筒状に形成されており、中心軸AXを中心とした半径D2(図17D)の円筒面を少なくとも一部に含む内壁の一例としての内壁面120Bと、中心軸AXを中心として半径D2よりも大きい半径の円筒面を少なくとも一部に含む外周面120Aと、内壁面120Bと外周面120Aを接続し、中心軸AX方向を向いた一方の端面120D及び端面120Dと反対方向を向いた端面120Cを備えている。管部材120は、結束用テープ112を巻回するための巻き芯であり、例えば、板紙を素材として管状に形成される紙管でもよいし、樹脂などのプラスチックから形成してもよい。
結束用テープ112は、例えば、2つ以上の被結束物を結束するためのテープである。手結びによって結束しようとしたときにテープが被結束物に強固に粘着し結束を妨げることがないように、巻回されたときに内側を向く内周面112B(図17A)と、巻回されたときに外側を向いてこの内周面112Bと対向する外周面112Aとは、粘着しないように構成されている。例えば、外周面112A及び内周面112Bの各表面を、粘着剤が塗布されていない非粘着性の材質から構成することにより、このような結束用テープ112を形成することができる。
結束用テープ112は、外周面112Aとなる一方の表面と、内周面112Bとなる他方の表面と、これら表面同士を接続する側面を有している。結束用テープ112は、管部材120の中心軸AXを巻回軸として管部材120の外周面120A上に巻き回されたときに、中心軸AX方向を向いた一方の側面112D及び側面112Dと反対方向を向いた側面112Cを備えている。本実施形態において、結束用テープ112の幅と、管部材120の中心軸AX方向の長さは、略同一に形成されている。このため、結束用テープ112が巻回されたときに、管部材120の端面120Dと結束用テープ112の側面112Dは略面一の同一平面上に存在し、端面120Cと側面112Cは略面一の同一平面上に存在する。
フィルム114は、その表面が管部材120の端面120D及び結束用テープ112の側面112Dに対向し、中心軸AXと略同心となるように配設されている略円形の膜体である。フィルム114の中心部には、中心軸AXと略同心の円形の孔H1が形成されている。このため、孔H1は、管部材120の内壁面120Bによって囲まれる領域Sに連通している。フィルム114は、例えば、紙などの繊維もしくはプラスチックから構成することができる。また、これらが積層された構成であってもよい。なお、管部材120の内壁面120Bによって囲まれる領域Sに連通する部位は、フィルム114に形成する円形の孔H1に限定されない。例えば、フィルム114を略C字形状に形成し、連通する部位を、開口する部分を備えた切欠き形状に形成しても良い。フィルム114を、樹脂やゴムなどの素材や、樹脂素材とパルプ素材を混合した合成紙などのように、耐水性や延性を備える素材を用いて構成すると、屋外で使用するなどのようにテープ巻き付け体110が風雨にさらされるような環境で使用する場合でも、好適に使用できる。
図17Bに示されるように、フィルム114の半径は、未使用状態における巻回された結束用テープ112の半径よりも大きくなるように形成されている。また、図17Dに示されるように、孔H1の半径D1は、内壁面120Bの半径D2よりも小さくなるように形成されている。従って、中心軸AXを含む断面において、中心軸AXと内壁面120Bとの最小距離である半径D2は、中心軸AXとフィルム114との最小距離である半径D1よりも大きい。また、フィルム114の他方の表面114Aには、テープ巻き付け体110に関する情報が印字されている(図17C)。
図17Dに示されるように、フィルム114の表面は、対向する結束用テープ112の側面112Dと接着層116によって接着されている。本実施形態においては、接着層116は、フィルム114の表面上に積層された接着層から構成されている。このため、フィルム114の表面は、結束用テープ112の側面112Dの略全面及び管部材120の端面120Dの略全面と接着されている。なお、接着層116は、結束用テープ112の側面112Dに接着剤を塗布したり噴霧したりして設けてもよい。
以上のようなテープ巻き付け体110の各構成部品の寸法は、用途に応じて適宜設計可能である。例えば、管部材120の中心軸AX方向の長さを5~15mm、内壁面120Bの直径を10~30mm、外周面120Aの直径を15~40mmとすることができる。また、結束用テープ112の幅を5~15mm、厚みを0.05~0.4mm、長さを10~40mとし、巻回されたときに、たとえば100~120mmの外径を有するように構成することができる。また、フィルム114の厚みを0.5~3mm、外径を100~130mm、内径を10~20mmとし、内壁面120Bからの突出量、すなわち、半径D2と半径D1の差を1~5mmとすることができる。
図18は、テープ巻き付け体110を用いて被結束物を手結びする際の使用態様を示している。図18に示されるように、管部材120の内壁面120Bで囲まれる領域S及び孔H1を貫通するように木の枝WDや支柱等でテープ巻き付け体110を支持させることによって、テープ巻き付け体110を回転させながら結束用テープ112を引き出すことができる。このとき、結束用テープ112の側面112Dは接着層116によって膜体であるフィルム114と接着されている。このため、引き出す際に結束用テープ112が回転しても、慣性力で結束用テープ112がほぐれることを抑制することができる。同様に、結束用テープ112を持ち運びする際のほぐれも抑制することができる。また、結束用テープ112を使用後に保管する際にも、結束用テープ112の外周側の端部の側面112Dをフィルム114と接着させていることから、ほぐれにくい。
また、フィルム114と接着しているのは、結束用テープ112の外周面112A及び内周面112Bではなく、長さあたりの面積がこれら外周面112A等と比較して極めて小さい側面112Dである。このため、ほぐれることを抑制しながら容易に結束用テープ112を引き出すことが可能になる。また、フィルム114の表面114Aに、テープ巻き付け体110に関する情報を印字することによって、テープ巻き付け体110を箱から取り出した後も、そのテープ巻き付け体110を他のテープ巻き付け体等と識別することが可能になる。なお、印字する情報は、テープ巻き付け体の識別情報に限られるものではない。また、印刷以外の方法で、フィルム114の表面114Aに情報を表示してもよい。但し情報の表示は必須でなく、表示をしなくてもよい。
なお、仮に使用後に結束用テープ112の外周側の端部がほぐれても、その外周面112Aまたは内周面112Bの一部を、結束用テープ112が使用されて減少することにより露出するフィルム114の表面と接着して固定した状態で保管してもよい。
また、フィルムは、円形のみならず、矩形や多角形など様々な形状とすることができる。また、必ずしも、結束用テープの側面の全面に接着されなくてもよく、側面の一部のみに接着されてもよい。但し、最外周にある結束用テープの側面と接着するように大きくフィルムを形成することによって、結束用テープの外周端部をテープなどで固定する必要をなくすことが可能となる。このため、結束用テープを交換するたびに、作業用手袋を外し、外周端部のテープをはがす手間を省くことが可能になる。例えば、フィルムを矩形とし、その頂点付近が最外周にある結束用テープの側面と接着するように構成することで、フィルムの効率的利用を図ることが可能になる。一方で、フィルムの外径が結束用テープの使用開始時における外周面よりも小径となるように形成されてもよい。図17Eは、フィルム114の外径が、使用開始時における結束用テープ112の外周面112Aよりも小径の円形に形成された実施例を示している。
また、フィルムは、管部材の端面の全面と接着する必要はなく、その一部のみが接着するようにしてもよいし、全く接着しないようにしてもよい。例えば、管部材の中心軸方向の長さを、結束用テープの幅よりも小さいように形成することによって、管部材の端面とフィルムを離間させ、間隙を設けてもよい。但し、管部材の端面ともフィルムを接着させることにより、結束用テープが使用されて結束用テープの側面とフィルムとの接着面積が減少した場合であっても、フィルムを安定的に支持することが可能になる。
また、フィルムの孔は、フィルムが管部材の内壁から中心軸方向に突き出るように形成しなくてもよく、管部材の内壁よりも大きな円形又は多角形の孔で形成してもよい。ただし、フィルムが管部材の内壁から突き出るように小さな孔を形成することによって、管部材の内壁面で囲まれる領域越しにフィルムの孔が見えるようにフィルムと結束用テープの側面とを接着することが可能になるから、管部材に巻き回した結束用テープの側面にフィルムを接着してテープ巻き付け体110を製造する際に、フィルムの位置合わせが容易になる。また、フィルムを結束用テープの側面に接着する際に位置ずれが起こっても、フィルムの一部を管部材の端面に接着させることができる。例えば、フィルムの孔の内径交差をプラスマイナス0.3mm、管部材の内径交差をプラスマイナス0.3mm、フィルムを結束用テープの側面に接着させる際の位置決め交差をプラスマイナス0.3mmとすると、最大で0.9mmの誤差が生じる。従って、フィルムの孔の半径を管部材の内壁面の半径よりも1mm以上小さくすることによって、たとえ位置ずれが起こっても管部材の端面とフィルムの一部を確実に接着させることが可能になる。フィルムは、結束用テープと同心で結束用テープの側面に接着されてもよいが、同心でなくてもよい。また、上述したようにフィルムに形成される孔は、円形でなくてもよい。例えば、矩形や六角形などの多角形でもよいし、切欠きやスリットの孔でもよい。また、例えば、星形のように中心との距離が変化する回転対称形状の孔であってもよい。
更にフィルムには、孔が形成されていなくてもよい。例えば、フィルムは、孔が形成さ
れていない円形、又は、多角形等の膜体として構成することができる。このような構成か
らなるテープ巻き付け体であっても、利用時に、フィルムを破ることによって、芯棒等で
フィルムの中央部分を貫通することができる孔を形成することができる。
また、フィルムの中央部に切れ込みを形成してもよい。このような構成からなるテープ巻き付け体であっても、利用時に、切れ込みを利用してフィルムを押し広げることによって、芯棒等でフィルムの中央部分を貫通することができる孔を形成することができる。
更に管部材120の外周面120Aは、円筒面でない面が形成されてもよい。また、内壁面120Bは、円筒面でなくてもよく、例えば表面に凹凸が形成されていてもよい。
また、フィルムの中心軸AXに沿う方向の厚さ(T)は、例えば、0.05mm以上から2mm以下とすることが好ましい。フィルムの厚さ(T)を0.05mm以上から2mm以下とすることによって、巻回された結束用テープの側面が凹凸を有する場合であっても、その凹凸にならってフィルムと接着させやすくなる。また、テープ巻き付け体を積層したときに、高さが増してしまうことを抑制することも可能になる。
また、接着層は、フィルム表面に形成する場合のほか、フィルムとは別体の両面テープを用いてもよい。また、スプレー式の接着剤などをフィルムに塗布や噴霧して結束用テープの側面と接着してもよい。更に、テープの側面や管部材の端面に接着剤などを塗布や噴霧してもよい。
以上では、フィルムを膜体の一例として紹介したが、一定の厚みを有する部材であれば、フィルムの替わりに用いることができる。
[変形例2]
以下、フィルム114の変形例について説明する。その他の構成は第2実施形態と同様であるため、同一又は類似の符号を用いて説明を省略又は簡略化する。
図19は、フィルム114の変形例に係るフィルム124(「第1部材」の一例)を示している。このフィルム124の結束用テープ112の側面と対向する表面には、接着剤が塗布されて接着層116を備える領域124B1と、接着剤が塗布されていない6つの領域124B2が形成されている。図に示されているとおり、6つの領域124B2は、フィルム124の中心C1を中心とする60度の回転対称に形成されている。隣接する2つの領域124B2の周方向距離は、フィルム124の外周側から内周側に向かって減少する部分を有する。例えば、領域124B2の外周側に近い位置における隣接する領域124B2との周方向距離は、距離D3で示され、その地点よりも内周側の位置における隣接する領域124B2との周方向距離は、距離D3よりも小さい距離D4で示され、更に内周側の位置における隣接する領域124B2との周方向距離は、距離D4よりも小さい距離D5で示される。結束用テープ112の側面112Dとフィルム124の接着面積は、中心C1から所定距離離れた位置における隣接する領域124B2間の周方向距離の合計を、中心C1からの距離について積分した値となる。このため、図19に示される結束用テープ112の側面112Dとフィルム124の接着面積は、フィルム124の半径の半分以上の領域にわたり、外周側から内周側に向かって減少する。
以下、図20A及び図20Bを用いて、このようなフィルム124の効果について説明する。なお、本変形例では、第2実施形態に示された管部材120よりも、径大の管部材を用いているが、同様の機能を備えているため同一の符号を用いる。
図20Aは、まだ大半の結束用テープ112が残留している状態で結束用テープ112が引き出されている様子を示している。図20Bは、大半の結束用テープ112が使用され残りわずかとなっている状態で結束用テープ112が引き出されている様子を示している。
結束用テープ112の残量が多い図20Aに示される場合、結束用テープ112の中心軸AXと、引き出さる位置の距離D10が大きい。このため、同じ力で結束用テープ112を引っ張っても大きなモーメントが発生する。
一方で結束用テープ112の残量が少ない図20Bに示される場合、結束用テープ112の中心軸AXと、巻き取られる位置の距離D11が距離D10より小さい。このため、同じ力で結束用テープ112を引っ張ってもより小さなモーメントしか発生しない。換言すると、結束用テープ112を引き出すための引き出し抵抗が大きくなってしまう。このため、思ったように結束用テープ112を引き出すことができなくなってしまう。また、力を入れすぎると結束用テープ112を引き出し過ぎてしまう場合もある。
本変形例に示されるフィルム124を結束用テープ112の側面112Dと接着させることにより、外周側から内周側に向かって結束用テープ112の側面112Dとの接着面積を減少させることが可能になる。このため、フィルム114を用いた場合と比較して、内周側における引き出し抵抗の増加を緩和させることが可能になる。
なお、接着剤が塗布されない領域124B2は、フィルム124を貫通する孔として形成されてもよい。また、領域124B2の形状は、外周側から内周側に向かって結束テープの側面との接着面積を減少させるものであれば、円形、多角形など様々な形状を適用することができる。
[変形例3]
以下、テープ巻き付け体110の変形例に係るテープ巻き付け体130ついて説明する。同様の構成要素は、同一又は類似の符号を用いて説明を省略又は簡略化する。
テープ巻き付け体130は、フィルム114に替えて、2枚のフィルム134(「第1部材」の一例)及びフィルム136(「第2部材」の一例)を用いる点が、第2実施形態に係るテープ巻き付け体110と異なる。
図21Aは、テープ巻き付け体130の左側面図であり、図21Bは、テープ巻き付け体130の中心軸AXを通過する断面図である。フィルム134は、略円形の膜体であり、一方の表面には不図示の接着剤が塗布された接着層116Bを備えている。フィルム134の結束用テープ112の側面112Dと対向する表面134Bの一部は、接着層116Bにより、表面134Bに対向する結束用テープ112の側面112Dと接着し、他の一部は、接着層116Cにより表面134Bに対向するフィルム136の表面と接着している。また、図21Bに示されるとおり、フィルム134の中心部には管部材120の内径よりも小さい直径の円形の孔H2が形成されている。なお本変形例において、フィルム134の外径は、巻回された状態における結束用テープ112の外径よりもやや小さいように形成されている。
フィルム134と結束用テープ112の側面112Dの間には、フィルム136が挟まれている。本変形例においてフィルム136は、略円形の膜体であり、中心を含む中央部には、略円形の孔H3(図21B)が形成されている。フィルム136の外径は、管部材120の外径よりも大きくなるように形成され、内径は、フィルム134の内径と略同径に形成されている。このため、図21Bに示されるとおり、中心軸AXを通過する断面において、孔H2及び孔H3は、管部材120の内壁面120Bで囲まれる領域Sに連通する。また、フィルム134の内径側の端部及びフィルム136の内径側端部は、管部材120の内壁面120Bから突出する。フィルム136は、紙などの繊維やプラスチックなどの樹脂から形成される膜体であり、本変形例においては、フィルム134に対向する表面には接着剤が塗布され、結束用テープ112の側面112D及び管部材120の端面120Dに対向する表面には接着剤が塗布されていない。従って、フィルム136は、フィルム134と接着され、結束用テープ112及び管部材120とは接着されていない。なお、管部材120の内壁面20Bで囲まれる領域Sに連通する部位は、フィルム134に形成する孔H2やフィルム136に形成する孔H3に限定されない。
例えば、フィルム134やフィルム136を略C字形状に形成し、連通する部位を、開口する部分を備えた切欠き形状に形成しても良い。フィルム134やフィルム136を、樹脂やゴムなどの素材や、樹脂素材とパルプ素材を混合した合成紙などのように、耐水性や延性を備える素材を用いて構成すると、屋外で使用するなどのようにテープ巻き付け体110が風雨にさらされるような環境で使用する場合でも、好適に使用できる。
図21Cは、このようなテープ巻き付け体130を製造するための一工程を示す断面図である。この図に示されるように、テープ巻き付け体130を製造するために、径が異なる円筒が連なって形成される冶具150を用いることができる。具体的には、冶具150として外径D51の円筒部150Bとこの円筒部150Bの先端に外径D51より小さい外径D50の円筒部150Aを同心で形成する。外径D51は、管部材120の内径と略等しいため、円筒部150Bは、結束用テープ112が巻回された管部材120を保持することができる。外径D50は、フィルム134及びフィルム136の各内径と略等しいため、円筒部150Aは、フィルム134及びフィルム136を保持することができる。円筒部150Bによって結束用テープ112が巻回された管部材120を保持されている状態で、円筒部150Aがフィルム136の孔H3を貫通するように保持することで、フィルム136を結束用テープ112の側面112Dに同心で併設させることができる。次いで円筒部150Aが孔H2を貫通するようにフィルム134を保持させながら、フィルム134の表面134Bをフィルム136の表面及び結束用テープ112の側面112Dに押し付ける。
以上のプロセスにより、フィルム134、フィルム136、管部材120及びこれに巻き回された結束用テープ112を同心で一体化することができる。結束用テープ112を樹脂製にすると、気温によっては、結束用テープ112が膨張または収縮する可能性や巻回時の応力で伸びてしまう可能性があるため、結束用テープ112の外径を基準にして位置合わせをする場合と比較して位置合わせの精度を向上させることが可能になる。
なお、管部材120が図21A等における紙面左方向に移動することを妨げるために、管部材120の端面120Cと接触する径大の円筒部を更に冶具150に設けてもよい。また、フィルムが一枚の構成であるテープ巻き付け体110等のテープ巻き付け体も、同様に、フィルムと管部材が同心となるように位置決めして一体化させることができる。
このようなテープ巻き付け体130によれば、フィルム136の外径を調整することで、フィルム134と結束用テープ112の側面112Dとの接着面積を調整できるため、結束用テープ112の残量が少なくなったときに、フィルム134と結束用テープ112の接着面積を減らし、又は、接着をなくし、結束用テープ112の引き出し荷重を低減することができる。また、フィルム136によってフィルム134の表面上の接着剤がはみ出てしまうことを抑制することができる。また、図21Aの左側面視において目視できる管部材120から中心方向に突出している領域をフィルム136で覆うことができるため、この領域にほこりなどが付着することを抑制することができる。
なお、いずれの表面にも接着剤を塗布しないようにフィルム136を形成してもよい。その際、外周部分に領域124B2(図19)のような形状を連設させてもよい。この場合、フィルム136は、中央に孔が形成される略円形の中心部と、この中心部の外周に連設され、外径方向に進むほど面積が小さくなるように延設される延設部を、周方向に離間して複数設けた形状を有する。また、フィルム136を設けずに、フィルム136に対向するフィルム134の表面上の領域に剥離剤を塗布等することにより非接触性の表面を設けてもよい。
以上述べたようなテープ巻き付け体においては、結束用テープの側面に接着するフィルムを設けたから結束用テープがほぐれることを抑制することができる。以下では、フィルムを管部材よりも内方に突出させた場合の効果について説明する。
図22Aは、テープ巻き付け体140を丸棒B1で支持させた状態で使用する使用態様を示す模式図である。なお、第2実施形態等と同様の機能を満足する構成要素については、寸法が異なる場合であっても、同様の記号を付して説明を省略又は簡略化する。図22Aは、テープ巻き付け体140の中心軸AXを通過する断面図である。便宜的にフィルム114のうち、内壁面120Bから中心軸AXに向かって突出している部分をリブ部114Fと呼ぶ。テープ巻き付け体140のリブ部114Fは、環状に形成されている。中心軸AXを通過する断面図において、リブ部114Fの内壁面120Bからの突出量は、突出量Pで示される。また、管部材120の中心軸AX方向の幅は、幅W2で示される。
この図に示されるように、リブ部114Fを設けたことにより、丸棒B1で支持したときに、テープ巻き付け体140は、中心軸AX方向の両端における2か所で丸棒B1に支持されることになる。具体的には、孔H1に露出するフィルム114の先端であって中心軸AXとの距離が最小になる位置114F1と、管部材120の内壁面120Bのうち、中心軸AX方向のフィルム114とは反対側の他端部になる位置120Fで丸棒B1に接触する。このような2点の支持点を設けたことにより、リブ部114Fを設けず、従って、丸棒B1との接触箇所が不定の場合と比較して、テープ巻き付け体140を安定的に支持することが可能になる。特に、図22Aにおける下側の結束用テープ112によってフィルム114の位置114F1に大きなモーメントが作用するから、安定性を高めることができる。
なお、幅W2が5~15mmの場合は、突出量Pは1mm以上、すなわち、幅W2の6.6%以上であることが好ましい。このとき、中心軸AXを含む断面において、中心軸AX方向の一端側でフィルム14に接し、中心軸AX方向の他端側で管部材120と接する接線T1(図22A)と、中心軸AXのなす角度θは、3.8度以上となる。なお、同断面において管部材120の内壁面20Bと中心軸AXを平行に設けた場合は、接線T1と内壁面20Bとの角度θ1は、角度θと同一になる。突出量Pがこれより小さくなると、丸棒B1の表面が1mm程度の凹凸を有する場合や、表面の凹凸の傾斜が3度程度の傾斜を有する場合に、位置114F1と位置20Fを支持点として接触させることが困難となる場合がある。例えば、幅W2が15mmのときに突出量Pが0.8mmの場合は、角度θは約3度になる。
また幅W2が5~15mmの場合は、突出量Pは7.5mm以下、すなわち、幅W2の50%以下であることが好ましい。このとき、角度θは、26.5度以下となる。突出量Pがこれより大きくなると位置120F側に大きな荷重がかかり、場合によっては、結束用テープ112の重みによってフィルム114が図面において時計の反対回りに回転し、テープ巻き付け体140が倒れてしまう可能性がある。
なおリブ部114Fは環状でなくてもよい。例えば、リブ部114Fに切込みを設け、中心軸AXに向かって突出するような突出部が周方向に互いに離間して複数設けられる構成でもよい。
なお、第1部材の一例であるフィルム114が可撓性を有して弾性変形が可能に設けられていてリブ部114Fが撓めるように設けられている場合や、リブ部114Fの内壁面120Bからの突出量Pが1mm以上の場合、リブ部114Fの中心軸AX方向の厚さ(T)が0.05mm以上から2mm以下である場合は、テープ巻き付け体140を丸棒B1で支持すると、図22Bに示すようにリブ部114Fが丸棒B1の挿入方向に撓んで変形する。このリブ部114Fの撓みにより、丸棒B1が抜脱し難くなる逆止効果が発揮され、テープ巻き付け体140が丸棒B1から外れ難くなる。
また、丸棒B2の外形がフィルム114の孔H1の半径D1の2倍以上の場合を、図22Cに示す。この場合であっても、第1部材の一例であるフィルム114が可撓性を有して弾性変形が可能に設けられていてリブ部114Fが撓めるように設けられている場合や、リブ部114Fの内壁面120Bからの突出量Pが1mm以上の場合、リブ部114Fの厚さ(T)が0.05mm以上から2mm以下である場合は、テープ巻き付け体140を丸棒B2で支持すると、リブ部114Fが丸棒B2の挿入方向に撓んで変形する。このリブ部114Fの撓みにより、丸棒B2が抜脱し難くなる逆止効果が発揮され、テープ巻き付け体140が丸棒B2から外れ難くなる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、テープ巻き付け体を結束機に装填して使用する態様について説明する。結束機を用いて、果樹や野菜等の枝やつるを支柱に結束したり、野菜同士や袋同士を束ねることができる。
図23は、このような結束機200の正面図である。手持ち工具としての結束機200は、クリンチャアーム210と、結束機本体240と、ハンドル212と、テープ引き出し部220と、テープ搬送部242と、ステープルマガジン部260と、テープマガジン部280とを備えている。テープマガジン部280にはテープ巻き付け体が装填されている。また、テープ巻き付け体の結束用テープの端部は、テープ搬送部242のテープガイド246から図における上方側に引き出された状態で保持されている。
ユーザがハンドル212を握って結束機本体240に近づけると、梃子の原理によりクリンチャアーム210が結束機本体240に接近し、テープ引き出し部220のテープキャッチ224とテーププレート226で結束用テープを挟持する。ユーザがハンドル212の握りを弱めると、結束用テープが挟持された状態で、クリンチャアーム210は結束機本体240から離れるため結束用テープがテープガイド246から上方に引き出される。この状態で、野菜の枝と支柱など、複数の被結束物がクリンチャアーム210とテープ搬送部242の間の空間に存在するように、ユーザが結束機200を紙面右方向に押し出すと、被結束物と結束用テープが接触するため、更に結束用テープがテープガイド246から引き出される。更に、ユーザが再度ハンドル212を握ると、再度クリンチャアーム210が結束機本体240に接近し、被結束物に結束用テープが掛け回される。また、クリンチャアーム210の降下に伴い、テープガイド246がテープキャッチ224の対向する傾斜面に沿って移動していき、移動が規制される位置まで到達すると、テープキャッチ224がテーププレート226から離れる方向(前部側)に回動する。これに伴い、テープガイド246も前部側に回動する。テープガイド246の回動に伴い、テープガイド246の先端に設けられた切断刃が、結束用テープを切断する。また、ステープルマガジン本体262に装填されているステープルが打ち出され、結束用テープが重なっている部分を綴じる。このような一連の工程により、被結束物が結束される。
このような結束機200に好適に使用されるために、テープ巻き付け体は、テープマガジン部280内で回転可能に保持される必要がある。管部材とこの管部材に巻回される結束用テープのみから構成されるテープ巻き付け体を使用する場合は、管部材の内壁で囲まれる領域を貫通する軸部をテープマガジン部280に設けることによって、テープ巻き付け体を回転可能に保持することが可能になる。しかしながら、管部材の内径が大きいテープ巻き付け体を保持しようとしたときに、軸部との間隙が大きくなるため、安定してテープ巻き付け体を回転可能に保持することが困難になる。
本願の発明者らは、テープ巻き付け体110を用いることにより、安定して回転可能にテープ巻き付け体110を保持可能になることを着想した。
図24A乃至図24Cは、テープ巻き付け体110を保持するための方法を示した模式図である。テープマガジン部280は、中心軸AX2を有する軸部282を備えている。軸部282は、円筒状に形成される円筒部282Aと、円筒部282Aの先端に形成された円錐台状に形成される円錐台部282Bを備えている。円錐台部282Bの底面の半径は、円筒部282Aの半径よりも大きくなるように形成されている。このため、軸部282は、円筒部282Aから突出して形成される環状の底面部282A1と、円錐面である傾斜面282A2を備える。ここで、円筒部282Aの半径D20は、孔H1の半径D1とほぼ同径に形成されている。また、円錐台部282Bの半径D22は、管部材120の内壁面120Bの半径D2より小さく、孔H1の半径D1より大きく形成されている。
このような軸部282は、テープマガジン部280内において中心軸AX2方向に移動可能に構成されているとともに、中心軸AX2を中心として回転可能に構成されている。例えば、軸部282は、不図示のコイルばねによって、図24A等における中心軸AX2方向下方に付勢された状態でテープマガジン部280内に保持され、底面282Dを押圧されることによって手動で中心軸AX2方向上方に移動可能に構成することができる。また、不図示の軸受け等により中心軸AX2周りに回転可能に構成することができる。
図24A乃至図24Cは、テープマガジン部280内に搭載されているテープ巻き付け体110とテープマガジン部280の軸部282を、軸部282の中心軸AX2を含む平面で切断した断面図である。図24Aは、テープ巻き付け体110が取り付けられる前の状態を示している。テープ巻き付け体110の中心軸AXは、軸部282の中心軸AX2と一致している必要はない。ただし、中心軸AXと中心軸AX2がフィルム114の突出量よりも小さい距離で接近しかつ略平行となるように、テープ巻き付け体110はテープマガジン部280内に設置されることが好ましい。
続いて図24Bに示されるように軸部282を中心軸AX2方向上方に移動させる。円錐台部282Bの半径D22は、孔H1の半径D1より大きく形成されているため、傾斜面282A2は、フィルム114の端部に接触する。但し、フィルム114の端部は自由端であるから、同図に示されるように傾斜面282A2にならって変形することができる。更に軸部282を上昇に移動すると、円錐台部282Bの底面部182A1は、フィルム114を通過する。このため、円錐台部282Bは、フィルム14及び管部材120の内壁面120Bで囲まれる領域に収納される。
その後、軸部282の中心軸AX2方向上方への押圧を止めると、コイルばねの付勢力によって、軸部282は移動する。ただし、円錐台部282Bの底面部282A1がフィルム114の孔H1との縁部に接触してストッパーとなる。このため、図24Cに示されるように、円錐台部282Bがフィルム114及び管部材120の内壁面120Bで囲まれる領域に収納された状態を維持したまま、テープ巻き付け体110を保持することが可能になる。このとき、フィルム114の端部は、管部材120から離れる方向である中心軸AX2方向下方に変形する。
以上のように、フィルムが中心軸AXに向かって突出するように孔を形成することによって、結束機による安定的な保持が可能となるテープ巻き付け体を提供することが可能になる。また、管部材の内径が異なるテープ巻き付け体であっても、孔を略同径にすることによって保持させることが可能になる。
なお、孔H1は円形でなくてもよい。例えば孔H1を2つの短辺がそれぞれ結束用テープ112の側面112D上に存在し、2つの長辺がそれぞれ管部材120の端面120D及び管部材120の内壁面120Bによって囲まれる領域Sの上方を横断するように形成してもよい。このような構成であっても、フィルム114の一部が管部材120の内壁面120Bより突出するから、軸部282を用いてテープ巻き付け体を保持することができる。
また、軸部282は必ずしも回転可能に設けられなくてもよい。軸部282が回転しない場合であっても、フィルム114の表面上を軸部282が摺動するので、テープ巻き付け体110を回転させることが可能になる。
[変形例4]
第2実施形態に係る結束用テープ112として、又は、その他実施形態、変形例等に示される結束用テープとして、結束用テープ10又はその変形例に係る結束用テープと同様の構造を備える結束用テープを用いてもよい。
その場合、テープ巻き付け体は、筒状の管部材と、管部材に巻回され、被結束物を結束可能なテープとして、結束用テープ10等と同様の構造のものを備えるとともに、巻回されたこのテープの側面に位置した第1部材とを備え、第1部材とこのテープの側面の少なくとも一部を接着している。上述したように、第1部材は、例えば、可撓性を有して弾性変形が可能に設けられていてもよい。そして、管部材に巻回された結束用テープは、中間層と、中間層の一方の表面を覆う第1表面層と、を備える。そして、中間層は、結束用テープの長手方向に対して角度を成して並設される複数の第1の線状材を有する。
このようなテープ巻き付け体は、中間層と、中間層の一方の表面を覆う第1表面層を備えている。そして、中間層は、結束用テープの長手方向に対して角度を成して並設される複数の第1の線状材を有している。従って、結束用テープを裂けにくくすることが可能となる。このような結束用テープを使用すれば、反発力の高い作物の誘引作業であっても、園芸用結束機を使用して結束作業を行うことができる。
[変形例5]
第2実施形態に係る結束用テープ112として、又は、その他実施形態、変形例等に示される結束用テープとして、図14等に示される結束用テープ10Aと同様の構造を備える結束用テープを用いてもよい。この場合、結束用テープの中間層の幅方向の一端部には、結束用テープの長手方向に離間する複数の第1切れ込みが形成される。また、結束用テープの中間層の幅方向の他端部には、結束用テープの長手方向に離間する複数の第2切れ込みが形成されていてもよい。また、少なくとも一つの第1切れ込みは、第2の線状材の少なくとも一部を切断していてもよい。
[変形例6]
以下、フィルム114の変形例について説明する。その他の構成は第2実施形態と同様であるため、同一又は類似の符号を用いて説明を省略又は簡略化する。
図25は、フィルム114の変形例に係るフィルム134(「第1部材」の一例)を示している。このフィルム134の結束用テープ112の側面と対向する表面には、たとえば、アクリル系の粘着剤を含む、接着剤が塗布等されて接着層116が設けられる領域134B1と、接着剤が塗布等されていない領域134B2が形成されている。
図26A乃至図26Cは、図25に示される領域134B1を、外周領域134B11、中間領域134B12、内周領域134B13に分離した模式図である。
これら図面に示されるように、外周領域134B11は、接着層116を備える領域134B1のうち、フィルム134の中心C2から最も離間するフィルム134の外縁又は外周を含む外周側の領域に形成される。外周領域134B11を設け、その少なくとも一部を、巻き回された結束用テープ112の側面に貼り付けることにより、フィルム134の反りを抑制することができる。このような外周領域は、外縁又は外周の全周にわたって形成されなくてもよく、たとえば、外縁の一部のみを含むように形成されていてもよい。外周領域134B11の幅は、結束用テープ112の材質、表面状態、塗布等される接着剤の接着強度、タック強さ、シール貼り付け時の圧着荷重等に基づいて定められる。
内周領域134B13は、接着層116を備える領域134B1のうち、フィルム134の内縁又は内周に近い領域に形成される。ただし図に示されるように、本変形例において、内縁又は内周を含む領域には、接着剤が塗布されていない領域134B2が形成される。内周領域134B13の少なくとも一部は、管部材120の端面120Dの外径側の領域に貼り付けられることにより、結束用テープ112が使用され、その側面積が減少しても、フィルム134が結束用テープ112から分離することを抑制することができる。また、廃棄する際、紙管等の管部材がフィルムと分離して落下し、拾わなければならない手間を抑制し、フィルム134と管部材120を一緒に廃棄することが可能になる。内周領域134B13に囲まれる接着層が塗布等されていない領域134B2は、必ずしも設けられなくてもよい。ただし、フィルム134の内周が管部材120の内周より小さいためにフィルム134が管部材120の内壁面より突出する場合は、領域134B2のように接着剤が塗布等されていない領域を形成することによって、ゴミの付着等や、結束機に装着した際の装着部への接着剤の付着、堆積を抑制することが可能になる。
内周領域は、図25に示される平面視において、中心C2を囲むように、全周にわたって形成されることが好ましい。
中間領域134B12は、内周領域134B13の外周と外周領域134B11の内周を接続するように、中心C2から外径方向に進行し、かつ、周方向に進行する、螺旋状に形成される。中間領域134B12は、内周領域134B13の外周及び外周領域134B11の内周に接続している。このため、中心C2を中心とし、内周領域134B13より大きく、外周領域134B11より小さい仮想円は、径によらず、必ず、接着剤が塗布される領域134B1と接着剤が塗布されない領域134B2を通過する。このため、結束用テープ112の一周分の一部を、理論上、接着剤が塗布される領域134B1と接着させることが可能になる。このため、結束用テープ112のほぐれを抑制することが可能になる。ただし、結束用テープ112の側面が面一でないこと等に起因して、結束用テープ112の一周分が領域134B1と接着されない場合があることを妨げるものではない。また、結束用テープ112に接着剤が付着しすぎるために被結束物の結束を妨げることを抑制することが可能になる。
本変形例において、内周領域134B13より大きく、外周領域134B11より小さい仮想円のうち、塗布される領域134B1を通過する円弧長は、接着剤が塗布されない領域134B2を通過する円弧長より小さくなるように中間領域134B12は形成されている。このため、結束用テープ112の引き出し抵抗が大きくなりすぎることを抑制することが可能になる。
また、本変形例において、内周領域134B13より大きく、外周領域134B11より小さい仮想円の径が大きくなるほど、塗布される領域134B1を通過する円弧長に対する接着剤が塗布されない領域134B2を通過する円弧長の比率が大きくなるように中間領域134B12は形成されている。このため、結束用テープ112の使用が進むにつれ、中心C2との距離が小さくなることに伴う引き出し抵抗の増加を抑制することができる。
また、図25に示される平面視において、中心C2を通過する直線上において、外周領域134B11と内周領域134B13を結ぶ線分は、角度によらず、接着剤が設けらている領域、すなわち、中間領域134B12を含むように中間領域134B12を形成してもよい。このような構成によって、全方向においてフィルム134と結束用テープ112が接着することが可能になるから、結束機がフィルム134を安定して把持することができる。また、結束用テープ112のほぐれを抑制することが可能になる。
なお、中間領域134B12は、フィルム134の内周から外周に至る範囲のうち、三分の一の領域、より好ましくは二分の一の領域に形成されていることが好ましい。また、内周領域134B13、外周領域134B11、中間領域134B12は、互いに分離していてもよい。また、中間領域134B12は、複数の互いに分離した領域から形成してもよい。たとえば、中間領域134B12は、互いに離間した複数の円形から形成してもよい。
なお、本変形例において、内周領域134B13は、第1部材の第1部の一例である。外周領域134B11および中間領域134B12は、第1部材の第2部の一例である。また、接着剤が塗布されない領域134B2は、第1部材の非接着部の一例である。
更に、中間領域134B12は、第1円弧部の一例を含んでいる。接着剤が塗布されない領域134B2は、第2円弧部の一例である。中間領域134B12は、第1部を内部に含む仮想円上の円弧を、直径を異ならせる複数の仮想円に対して含んでいるため、複数の第1円弧部を含んでいる。また、接着剤が塗布されない領域134B2は、第1部を内部に含む仮想円上の円弧を、直径を異ならせる複数の仮想円に対して含んでいるため、複数の第2円弧部を含んでいる。
図27は、フィルム114の変形例に係るフィルム144(「第1部材」の一例)の平面図である。このフィルム144の結束用テープ112の側面と対向する表面には、接着剤が塗布等されて接着層116が設けられる領域144B1と、接着剤が塗布等されていない領域144B2が形成されている。
同図に示されるように、領域144B1の外周領域144B11は、外周領域134B11と同様に形成されており、内周領域144B13は、内周領域134B13と同様に形成されている。従って、詳細な説明を省略する。
中間領域144B12は、内周領域144B13の外周と外周領域144B11の内周を接続するように、中心C3から外径方向に進行し、かつ、周方向に進行するように形成される。また、中間領域144B12は、中心C3に対し回転対称となる7つの分離した小領域から構成される。
このような構成においても、中心C3を中心とし、内周領域144B13より大きく、外周領域144B11より小さい仮想円は、径によらず、必ず、接着剤が塗布される領域144B1と接着剤が塗布されない領域144B2を通過する。このため、結束用テープ112のほぐれを抑制することが可能になる。
また、内周領域144B13より大きく、外周領域144B11より小さい仮想円のうち、塗布される領域144B1を通過する円弧長は、接着剤が塗布されない領域144B2を通過する円弧長より小さくなるように中間領域144B12は形成されている。このため、結束用テープ112の引き出し抵抗が大きくなりすぎることを抑制することが可能になる。仮想円の円周の60%乃至70%は、接着剤が塗布されない領域144B2を通過し、30%乃至40%は、接着剤が塗布等された中間領域144B12を通過することが好ましい。
また、本変形例において、内周領域144B13より大きく、外周領域144B11より小さい仮想円の径が大きくなるほど、塗布される領域144B1を通過する円弧長が大きくなる。このため、結束用テープ112の使用が進むにつれ、中心C3との距離が小さくなることに伴う引き出し抵抗の増加を抑制することができる。
なお、本変形例において、中間領域144B12は、第1部材の結束用テープの側面に接着する複数の部分の一例である。また、接着剤が塗布されていない領域144B2は、第1部材の非接着部の一例である。
[第4実施形態]
図28Aは、第4実施形態に係るリール310の斜視図であり、図28Bは、リール310の軸心AXを含む平面で切断した断面図である。
これら図面に示されるように、リール310は、円筒状の管部材312と、管部材312の一端面側において管部材312の軸心AX側に向かって延設される突出部314を備えている。本実施形態において、管部材312と突出部314は一体的に設けられている。
管部材312の外周面312Aは、軸心AXを中心とする半径R1の円筒面として形成されている。また、管部材312の内壁面312Bは、軸心AXを中心とする半径R2の円筒面として形成されている。外周面312Aと内壁面312Bを接続する端面312Cは、軸心AX方向の一方の端部に形成される。軸心AX方向の他方の端部には、突出部314が形成されている。空間Sは、管部材312の内壁面312Bで囲まれる中空の空間である。管部材312は、結束用テープ420を巻回するための巻き芯であり、例えば、板紙などの紙から形成される紙管でもよいし、樹脂などのプラスチックから形成してもよい。
突出部314は、管部材312の一方の端面側において、管部材312の軸心AXに向かって延設されている。突出部314は、軸心AXを中心とする半径R1の外周部314Aと、軸心AXを中心とする半径R3の内周部314Bと、管部材312側を向いた端面314Cと、端面312Cとは反対方向の軸心AX方向を向いた端面314Dを有する円環状に形成されている。外周部314Aは、管部材312の外周面312Aと面一に形成されている。一方で内周部314Bの半径R3は、管部材312の内壁面312Bの半径R2よりも小さい。このため突出部314は、管部材312の内壁面312Bから軸心AXに向かって突出するリブ部314Eを有している。リブ部314Eの内壁面312Bからの突出量は、半径R2と半径R3の差で示される。図に示されるとおり本実施形態では、リブ部314Eは、軸心AXを中心とする円環状に形成されている。また、軸心AXが通過する中央部には、リブ部314Eで囲まれ、空間Sに連通する円形の孔H1が形成される。
図29Aは、このようなリール310に結束用テープ420を巻き付けたリール400を突出部314の端面314D側から見た斜視図である。なお、以下では、結束テープが巻き付けられた状態のリールをリール400、リール400Aなどと呼称し、結束テープが巻き付けられていない状態のリールをリール310、リール310Aなどと呼称し、両者を区別する。
図29Bは、リール400を、軸心AXを含む平面で切断した断面図である。図29Cは、図29Bにおけるリブ部314E付近を拡大した部分拡大図である。なお、図29A等に示されるリール310は、図28A等に示されるリール310とリブ部314Eの寸法等を異ならせて形成されているが、同一の機能を有するため同一の符号を付し、その説明を省略する。他の図でも同様に、寸法等が異なる構成要素であっても、同一の機能を有するものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
結束用テープ420は、管部材312の外周面312Aに、その表面420Bが軸心AX側を向き、反対側の表面420Aが外径方向を向くように巻回される。結束用テープ420が巻回された結果、軸心AX方向を向いた一方の側面420Cと、反対側の軸心AX方向を向いた他方の側面420Dが形成される。図29Bに示されるように、本実施形態において、リール310の軸心AX方向の長さと、結束用テープ420の幅はほぼ同一であるため、側面420Cと端面312Cは、ほぼ面一となる。同様に、側面420Dと突出部314の端面314Dは、ほぼ面一となる。
以上のようなリール400の各構成部品の寸法は、用途に応じて適宜設計可能である。例えば、管部材312の軸心AX方向の長さを5~15mm、内壁面312Bの半径R2を5~15mm、外周面312Aの半径を7.5~20mmとすることができる。また、結束用テープ420の幅を5~15mm、厚みを0.05~0.4mm、長さを10~40mとし、巻回されたときに、たとえば50~60mmの半径を有するように構成することができる。突出部314の軸心AX方向の厚みは、例えば、1mm以下とすることができる。また、リブ部314Eの内壁面312Bから軸心AXに向かって突出する突出量、すなわち半径R2と半径R3の差は、例えば、1mm以上とすることができる。また、突出部314は、可撓性を有することが好ましい。
図30は、リール400を用いて被結束物を手結びする際の使用態様を示している。図30に示されるように、芯棒である木の枝WOや支柱等で管部材312の内壁面312Bで囲まれる領域S及び孔H1を貫通させてリール400を支持させることによって、リール400を軸心AX回りに回転させながら結束用テープ420を引き出すことができる。
図31A及び図31Bは、管部材312の内壁面312Bで囲まれる領域S及び孔H1を貫通するように円柱の芯棒B1でリール400を支持させる場合の使用態様について説明する模式図である。図31Aは、芯棒B1が領域S及び孔H1を貫通するように、芯棒B1に対してリール400を紙面右方向に相対移動させている途中における、軸心AXを含む平面で切断した断面図である。図31Bは、領域S及び孔H1を貫通した芯棒B1がリール400を支持している状態を、軸心AXを含む平面で切断した断面図である。
図31Aに示されるように芯棒B1の半径R4が内周部314Bの半径R3より大きい場合、芯棒B1は、リブ部314Eの先端と接触する。また、芯棒B1の半径R4が内周部314Bの半径R3と同等又は小さい場合であっても、芯棒B1の軸心が軸心AXと同心とならないように相対移動させる場合は、芯棒B1は、リブ部314Eの先端と接触する可能性がある。しかしながら、リブ部314Eの先端は自由端であるから、同図に示されるように変形することができる。このため、芯棒B1は、領域S及び孔H1を貫通することができる。領域S及び孔H1を貫通した芯棒B1がリール400を支持している状態においては、図31Bに示されるように、結束用テープ420及び管部材312の自重によって、管部材312が傾く。このため、軸心AXを含む平面で切断した断面において、領域S及び孔H1を貫通しリール310と軸心AX方向の両端部で接する接線T1(図31B)は、軸心AXに対して傾斜する。具体的には、接線T1は、一方の先端であるリブ部314Eの先端点314E1と接し、かつ、端面312C側の端部である内壁面312Bの端点312Eの2点でリール310と接する。リール400は、このように軸心AX方向に離間する2点で芯棒B1に支持させることが可能となるから、リブ部314Eを設けず、従って、芯棒B1との接触箇所が不定の場合と比較して、安定して支持されることが可能になる。特に、リール400が芯棒B1に対して傾斜することによって図31Bにおける下側の結束用テープ420の重みによって先端点314E1から芯棒B1に向かう大きなモーメントが作用するから、リール400が芯棒B1の軸心方向に移動することを抑制することができる。更に、自由端を有するリブ部314Eが僅かに撓んで芯棒B1を押圧することも、リール400が軸心AX方向に移動することを抑制する。リブ部314Eは、芯棒B1の挿入方向に撓むため、芯棒B1が抜脱し難くなる逆止効果が発揮され、リール400が芯棒B1から外れ難くなる。
なお、管部材312の軸心AX方向の幅が5~15mmの場合は、リブ部314Eの突出量は1mm以上、すなわち、幅の6.6%以上であることが好ましい。このとき、軸心AXを含む断面において、接線T1と、軸心AXを含む直線のなす角度θは、3.8度以上となる。なお、同断面において管部材312の内壁面312Bと軸心AXを平行に設けた場合は、接線T1と内壁面312Bとの角度θ1は、角度θと同一になる。リブ部314Eの突出量がこれより小さくなると、芯棒B1の表面が1mm程度の凹凸を有する場合や、表面の凹凸が3度程度の傾斜を有する場合に、軸心AX方向に離間する2点の支持点で支持させることが困難となる場合がある。また管部材312の軸心AX方向の幅が5~15mmの場合は、リブ部314Eの突出量は幅の50%以下であることが好ましい。このとき、角度θは、26.5度以下となる。突出量がこれより大きくなると、場合によっては、結束用テープ420の重みによってリール400が倒れてしまう可能性がある。
リブ部314Eが撓む方向は、芯棒B1の貫通のさせ方で異なる場合がある。例えば、芯棒B1を端面312C側から挿入して貫通させる場合は、リブ部314Eは外方に向かって撓む可能性が高い。そのような場合であっても、同様にリール400を安定して支持させることができる。リブ部314Eが外方に向かって撓む場合は、芯棒B1が端面312C側から抜脱し難くなる逆止効果が発揮され、リール400が芯棒B1から外れ難くなる。
以上述べたとおり、本実施形態に係るリール310によれば、軸心AX方向の一端側に形成されるリブ部314Eと、他端側に形成される管部材312の2点において、様々な径の芯棒によって支持されることが可能になるから、リブ部314Eを設けず、従って、芯棒との接触箇所が不定の場合と比較して、安定的に支持されることが可能になる。
なお、芯棒B1の半径R4が内周部314B(図28B)の半径R3より大きい場合、内周部314Bの全周が芯棒B1と接触するため、リール400をより安定的に支持させることが可能になる。このようにより安定して支持されるためには、リブ部314Eの突出量を1mm以上とすることが好ましい。
なお、外周面312Aは、結束テープを巻き付けることができる面を備えていれば、必ずしも円筒面でなくてもよい。また、内壁面312Bは、円筒面でなくてもよく、例えば、表面に凹凸が形成されていてもよい。従って、管部材312は、筒状に形成されていればよい。
[変形例7]
図32A乃至図32Dは、第4実施形態に係るリール400の変形例を示しており、いずれも管部材312の軸心AXを含む断面図である。なお、同様の機能を果たす構成要素については、寸法等が異なっていても同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図32Aは、第1変形例に係るリール400Aを示している。このリール400Aは、管部材312と、管部材312の一端面側において管部材312の軸心AX側に向かって延設される突出部として、フィルム354A(「第1部材」の一例)を備えている。
フィルム354Aは、内周が半径R5、外周が半径R6の円環状に形成され、管部材312の軸心AXと同心に配置されている。フィルム354Aの内周の半径R5は、管部材312の内周の半径R2より小さい。このため、フィルム354Aの内周部分は、管部材312の内壁面312Bから軸心AX側に向かって突出する部分を有する。また、フィルム354Aの外周の半径R6は、管部材312の外周の半径R1より大きい。また、フィルム354Aの表面は、管部材312の円環状の端面312D及び結束用テープ420の側面420Dの一部と接着剤を主成分とする接着層によって接着されている。
このようなリール310Aであっても、フィルム354Aが管部材312の内壁面312Bから軸心AX側に向かって突出する部分を有するから、軸心AX方向における一端部と他端部の2点において、傾斜した状態で様々な径の芯棒に支持させることが可能になる。更に、フィルム354Aの表面は、結束用テープ420の側面420Dにも接着されているから、結束用テープ420が引き出されるときにほぐれてしまうことを抑制することができる。また、管部材312とフィルム354Aを異なる材質から形成することができる。例えば、フィルム354Aをプラスチックで形成し、管部材312を紙で形成することにより、耐久性が要求される突出部分をプラスチックから構成することが可能になる。
更に図33Aを用いて、フィルム354Aの突出するリブ部354A1のうち、管部材312側を向いた表面354A2に接着剤を塗布した場合の効果について説明する。芯棒B2を端面312C側から挿入した場合、フィルム354Aのリブ部354A1は外方に撓む。ここで、リブ部354A1のうち管部材312側の表面354A2は、撓むことにより芯棒B2に対向する。このため、安定してリール400Aを支持させることが可能になる。結束用テープ420が引き出されるのに伴って管部材312が回転するため、リブ部354A1の空間S側を向いた表面354A2に塗布される接着剤は次第に摩耗するので、より安定してリール400Aを支持させることが可能になる。なお、接着剤は、フィルム354Aに積層して形成してもよいし、スプレー等でフィルム354Aの表面354A2に吹き付けてもよい。
図32Bは、第2変形例に係るリール400Bを示している。第1変形例に係るリール400Aと比較して、フィルム354B(「第1部材」の一例)が結束用テープ420の側面420D全面と対向するように、外周の半径R7が結束用テープ420の外周の半径R8よりも大きい環状に形成されている点が異なっている。
このようなリール400Bであっても、軸心AXに向かって突出するリブ部354Eが形成されているから、軸心AX方向において離間した2点において、傾斜した状態で芯棒に支持されることが可能になる。更に、フィルム354Bの表面は、結束用テープ420の側面420D全面にも接着されているから、結束用テープ420が引き出されるときにほぐれてしまうことを抑制することができる。また、使用途中でリール400Bを保管する場合に、結束用テープ420の外周端部を露出するフィルム354Bの表面に接着して固定することも可能となる。なお、フィルム354Bを環状に形成せず、矩形等の多角形に形成してもよい。但し、多角形の頂点と軸心AXとの距離が、半径R8の少なくとも半分以上、より好ましくは、半径R8以上であることが好ましい。
図32Cは、第3変形例に係るリール400Cを示している。第1変形例に係るリール400Aと比較して、2枚のフィルム354C1(「第1部材」の一例)及びフィルム354C2(「第2部材」の一例)が管部材312の内壁面312Bから突出している点が異なっている。フィルム354C1は、環状の膜体であり、一方の表面には不図示の接着剤が塗布されている。結束用テープ420の側面420Dと対向する表面の一部はこの接着剤により結束用テープ420の側面420Dと接着し、他の一部はフィルム354C2の対向する表面と接着している。また、フィルム354C1の中心部には管部材312の内壁面312Bの半径よりも小さい半径の円形の孔H3が形成されている。
フィルム354C1と結束用テープ420の側面420Dの間には、フィルム354C2が挟まれている。本変形例においてフィルム354C2は、略環状の膜体であり、その外径は、管部材312の外径よりも大きく形成されている。フィルム354C2の中心を含む中央部には、略円形の孔H4が形成されている。フィルム354C2の孔H4の半径は、管部材312の内壁面312Bの半径よりも小さくなるように形成され、フィルム354C1の孔H3の半径と略同径に形成されている。このため、軸心AXを含む断面において、孔H3及び孔H4は、管部材312の内壁面で囲まれる領域Sに連通する。また、フィルム354C1の内径側の端部及びフィルム354C2の内径側端部は、管部材312の内壁面312Bから突出する突出部となる。なおフィルム354C2は、例えば非粘着性の紙材又はプラスチックから形成されており、表面に接着剤が塗布されるフィルム354C1とは接着するが、結束用テープ420及び管部材312とは接着していない。
このようなリール400Cであっても、離間した2点において様々な径の芯棒に支持させることが可能になる。また、フィルム354C2によってフィルム354C1の接着剤が露出しないため、高速で結束用テープ420を巻き取る用途で用いる場合等、芯棒に接着剤を付着させることなくスムーズにリール400Cを回転させることが可能になる。また、フィルム354C2を高価であるが硬いプラスチックとし、フィルム354C1を安価な紙に接着剤を塗布した構成とすることで、突出部の耐久性の向上とコスト低減を図ることができる。
図32Dは、第4変形例に係るリール400Dを示している。変形例に係るリール400Cと比較して、フィルム354D1(「第1部材」の一例)が結束用テープ420の側面420Dの全面と対向するように環状に形成されている点が異なっている。このようなリール400Dであっても、軸心AX方向において離間した2点において、傾斜した状態で芯棒に支持させることが可能になる。更に、フィルム354D1の表面は、結束用テープ420の側面420Dの外周側にも接着されているから、結束用テープ420が引き出されるときにほぐれてしまうことを抑制することができる。なお、フィルム354D1又はフィルム354D2(「第2部材」の一例)の少なくとも一方を矩形その他の多角形から構成してもよい。その他重複する効果については説明を省略する。
なお、2層以上のフィルムから突出部を形成する際、図33Bに示されるように、フィルム354Aの管部材312側を向いた表面354A2に接着剤を塗布して管部材312の端面に接着させるとともに、異なるフィルム354A3を貼り付けるようにしてもよい。このような態様であっても、摩耗しやすいフィルム354A3をプラスチックなど耐久性が高い材質から構成し、突出部を補強することが可能になる。また、フィルム354A3は、管部材312の内壁面312Bで囲まれる空間S内に設けられるから、リールの軸心AX方向の大きさを低減することができる。
図32E乃至図32Gは、リール400の更なる態様を示す図であり、いずれも管部材312の軸心AXを含む断面図である。なお、同様の機能を果たす構成要素については、寸法等が異なっていても同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図32Eは、管部材312とリブ部314Eを一体的に形成した場合において、リブ部314Eの形成位置を上述した態様とは異ならせたリールの態様を示す。リール及び管部材312の軸心AX方向の長さ、すなわち、端面312Cと端面12Dとの距離は、例えば、15mmである。
同断面図において、中心線Cは、管部材312の軸心AX方向における軸心AX上の中心位置CPを通過し、軸心AXに垂直な直線である。厚さTは、軸心AX方向におけるリブ部314Eの最大の厚さである。リブ部314Eは、例えば、軸心AX方向の厚さが軸心AXからの距離によらず一定となるように形成されている。領域Wは、中心位置CPを原点Оとし、端面312Dに向かう方向を正方向とし、端面312Cに向かう方向を負方向とする、軸心AXを軸として示される領域である。厚さTは、例えば、2mmである。リブ部314Eの内壁面312Bからの突出量Pは、例えば、1mmである。
リブ部314Eは、その軸心AX方向の中心位置が、±5.5mmの領域内に形成されている。この図に示されるリブ部314Eの場合、その軸心AX方向の中心位置が+5mmの領域W、すなわち、軸心AX方向であって端面312Dに向かう方向に、中心位置CPから5mm離れた領域Wに形成される。リブ部314Eの厚さTは、2mmであるから、リブ部314Eの中心位置CPを向いた面は、中心位置CPと4mm(=W-(T/2))離れている。また、リブ部314Eの反対側である外側を向いた面は、端面312Dと1.5mm(=7.5-(W+T/2))離間し、端面312Dよりも中心線Cに近い位置に形成される。なお、参考として、同図は、軸心AX方向の中心位置が-5mmの領域Wの場合も示している。例えば、この領域に、リブ部を設けてもよい。
このような構成とすることにより、木の枝などの棒状部材を管部材312に挿入した場合に、棒状部材と管部材312の係合により、突出部であるリブ部314Eが好適に撓んでしなり、リールが過度に傾かずに安定して支持される。
また、リブ部314Eを好適に撓ませるためには、厚さTは、0.05mm以上2mm以下とし、リブ部314Eの内壁面312Bからの突出量Pは、1mm以上であることが好ましい。
このような構成とすることにより、木の枝などの棒状部材を管部材に挿入してテープを引き出す場合に、突出部が撓んでしなり、好適な制動力を得られる。
なお、このような各寸法及び構造(突出量P、厚さT、突出部であるリブ部314Eを領域Wに形成すること)の少なくとも一部は、図28Bに示されるリール310など、本開示に示される他のリールに適用されてもよい。
図32Fは、管部材と突出部を一体的に形成した場合において、リールの端部に突出部を設けた構造を示す。リールの軸心AX方向の長さ、すなわち、端面312Cと端面314Dとの距離は、例えば、9mmである。
リブ部314Eは、その軸心AX方向の中心位置が±5.5mmの領域内に形成されている。この図に示されるリブ部314Eの場合、その軸心AX方向の中心位置が+4mmの領域W、すなわち、軸心AX方向であって端面314Dに向かう方向に、中心位置CPから4mm離れた領域Wに形成される。
このような構成とすることにより、木の枝などの棒状部材を管部材312に挿入した場合に、棒状部材と管部材312の係合により、突出部であるリブ部314Eが好適に撓んでしなり、リールが過度に傾かずに安定して支持される。
また、リブ部314Eを好適に撓ませるためには、厚さTは、0.05mm以上2mm以下とし、リブ部314Eの内壁面312Bからの突出量Pは、1mm以上であることが好ましい。
このような構成とすることにより、木の枝などの棒状部材を管部材に挿入してテープを引き出す場合に、突出部が撓んでしなり、好適な制動力を得られる。
図32Gは、第4変形例に係るリール400Dと同様に、2層のフィルム354C1及びフィルム354C2から突出部を形成する態様を示す。管部材312の軸心AX方向の長さ、すなわち、端面312Cと端面312Dとの距離は、例えば、9mmである。また、フィルム354C1及びフィルム354C2の軸心AX方向の厚みT1及び厚みT2は、例えば、それぞれ、0.5mmである。従ってフィルム354C1及びフィルム354C2の二層構造からなる突出部の軸心AX方向の厚みTは、例えば、1.0mmである。
リブ部314Eは、その軸心AX方向の中心位置が±5.5mmの領域内に形成されている。この図に示されるリブ部314Eの場合、その軸心AX方向の中心位置が+5mmの領域W、すなわち、軸心AX方向であって端面314Dに向かう方向に、中心位置CPから5mm離れた領域Wに形成される。
このような構成とすることにより、木の枝などの棒状部材を管部材312に挿入した場合に、棒状部材と管部材312の係合により、突出部であるリブ部314Eが好適に撓んでしなり、リールが過度に傾かずに安定して支持される。
また、リブ部314Eを好適に撓ませるためには、厚さTは、0.05mm以上2mm以下とし、リブ部314Eの内壁面312Bからの突出量Pは、1mm以上であることが好ましい。
このような構成とすることにより、木の枝などの棒状部材を管部材に挿入してテープを引き出す場合に、突出部が撓んでしなり、好適な制動力を得られる。なお、孔H1乃至孔H4の形状は円形以外に様々なものが適用できる。例えば、矩形や六角形などの多角形でもよいし、切欠きやスリットの孔でもよい。また、例えば、星形のように軸心AXとの距離が変化する回転対称形状の突出部が形成される孔であってもよい。図34には、複数のスリットH5Aが設けられた孔H5が形成されるリール370が示されている。複数のスリットH5Aは、孔H5の中央の円形部分と連通し、軸心AXから外径方向に延設されている。従って、リール370は、軸心AXに向かって突出し、互いに周方向に離間して形成される回転対称の複数の突出部314Fを備えている。
このようなリール370にはスリットH5Aが設けられているから、芯棒を容易に貫通させることができる。また、軸心AXに近づく突出部314Fの先端が芯棒と接触してリール370及びこれに巻回される結束用テープ420を支持させることが可能になる。このとき、スリットH5Aが設けられるから、突出部314Fが撓みやすくなる。その結果、芯棒との接触面積が大きくなるから安定性を高めることができる。
更に、フィルムには孔が形成されていなくてもよい。例えば、フィルムは、孔が形成されていない円形、又は、多角形等の膜体として構成することができる。このような構成からなるテープ巻き付け体であっても、使用時に、フィルムを破ることによって、芯棒等でフィルムの中央部分を貫通することができる孔を形成することができる。
また、フィルムの中央部に切れ込みを形成してもよい。このような構成からなるテープ巻き付け体であっても、使用時に、切れ込みを利用してフィルムを押し広げることによって、芯棒等でフィルムの中央部分を貫通することができる孔を形成することができる。
なお、フィルムは、軸心方向の一端部において、軸心に向かって突出する部分を備えていれば、軸心方向に厚みがある他の部材に置き替えてもよい。
[第5実施形態]
第5実施形態は、リールを結束機に装填して使用する態様について説明する。結束機を用いて、果樹や野菜等の枝やつるを支柱に結束したり、野菜同士や袋同士を束ねることができる。
図35は、このような結束機800の正面図である。手持ち工具としての結束機800は、クリンチャアーム810と、結束機本体840と、ハンドル812と、テープ引き出し部820と、テープ搬送部842と、ステープルマガジン部860と、テープマガジン部880とを備えている。テープマガジン部880にはリールが装填されている。また、リールの結束テープの端部は、テープ搬送部842のテープガイド846から図における上方側に引き出された状態で保持されている。
ユーザがハンドル812を握って結束機本体840に近づけると、梃子の原理によりクリンチャアーム810が結束機本体840に接近し、テープ引き出し部820のテープキャッチ824とテーププレート826で結束テープを挟持する。ユーザがハンドル812の握りを弱めると、結束テープが挟持された状態で、クリンチャアーム810は結束機本体840から離れるため結束テープがテープガイド846から上方に引き出される。この状態で、野菜の枝と支柱など、複数の被結束物がクリンチャアーム810とテープ搬送部842の間の空間に存在するように、ユーザが結束機800を紙面右方向に押し出すと、被結束物と結束テープが接触するため、更に結束テープがテープガイド846から引き出される。更に、ユーザが再度ハンドル812を握ると、再度クリンチャアーム810が結束機本体840に接近し、被結束物に結束テープが掛け回される。また、クリンチャアーム810の降下に伴い、テープガイド846がテープキャッチ824の対向する傾斜面に沿って移動していき、移動が規制される位置まで到達すると、テープキャッチ824がテーププレート826から離れる方向(前部側)に回動する。これに伴い、テープガイド846も前部側に回動する。テープガイド846の回動に伴い、テープガイド846の先端に設けられた切断刃が、結束テープを切断する。また、ステープルマガジン本体862に装填されているステープルが打ち出され、結束テープが重なっている部分を綴じる。このような一連の工程により、被結束物が結束される。
このような結束機800に好適に使用されるために、リールは、テープマガジン部880内で回転可能に保持される必要がある。管部材とこの管部材に巻回される結束テープのみから構成されるリールを使用する場合は、管部材の内壁で囲まれる領域を貫通する軸部をテープマガジン部880に設けることによって、リールを回転可能に保持することが可能になる。しかしながら、管部材の内径が大きいリールを保持しようとしたときに、軸部との間隙が大きくなるため、安定してリールを回転可能に保持することが困難になる。
本願の発明者らは、本開示に係るリールを用いることにより、安定して結束機800に保持させることが可能になることを着想した。
図36A乃至図36Cは、リール400Bを保持するための方法を示した模式図である。なお、その他の実施形態又は変形例に係るリールを備えるリールであっても同様で保持されることができる。
テープマガジン部880は、中心軸AX2を有する軸部882を備えている。軸部882は、円筒状に形成される円筒部882Aと、円筒部882Aの先端に形成された円錐台状に形成される円錐台部882Bを備えている。円錐台部882Bの底面の半径は、円筒部882Aの半径よりも大きくなるように形成されている。このため、軸部882は、円筒部882Aから突出して形成される環状の底面部882B1と、円錐面である傾斜面882B2を備える。ここで、円筒部882Aの半径R20は、孔H1の半径R3とほぼ同径に形成されている。また、円錐台部882Bの半径R22は、管部材312の内壁面312Bの半径R2より小さく、孔H1の半径R3より大きく形成されている。
このような軸部882は、テープマガジン部880内において中心軸AX2方向に移動可能に構成されているとともに、中心軸AX2を中心として回転可能に構成されている。例えば、軸部882は、不図示のコイルばねによって、図36A等における中心軸AX2方向下方に付勢された状態でテープマガジン部880内に保持され、底面882Dを押圧されることによって手動で中心軸AX2方向上方に移動可能に構成することができる。また、不図示の軸受け等により中心軸AX2周りに回転可能に構成することができる。
図36A乃至図36Cは、テープマガジン部880内に搭載されているリール400Bとテープマガジン部880の軸部882を、軸部882の中心軸AX2を含む平面で切断した断面図である。図36Aは、リール400Bが取り付けられる前の状態を示している。リール400Bの軸心AXは、軸部882の中心軸AX2と一致している必要はない。ただし、軸心AXと中心軸AX2がリブ部354Eの突出量よりも小さい距離で接近しかつ略平行となるように、リール400Bはテープマガジン部880内に設置されることが好ましい。
続いて図36Bに示されるように軸部882を中心軸AX2方向上方に移動させる。円錐台部882Bの半径R22は、孔H1の半径R3より大きく形成されているため、傾斜面882A2は、リブ部354Eの端部に接触する。但し、リブ部354Eの端部は自由端であるから、同図に示されるように傾斜面882A2にならって変形することができる。更に軸部882を上昇に移動すると、円錐台部882Bの底面部882A1は、リブ部354Eを通過する。このため、円錐台部882Bは、リブ部354E及び管部材312の内壁面312Bで囲まれる領域Sに収納される。
その後、軸部882の中心軸AX2方向上方への押圧を止めると、コイルばねの付勢力によって、軸部882は移動する。ただし、円錐台部882Bの底面部882A1がリブ部354Eの孔H1との縁部に接触してストッパーとなる。このため、図36Cに示されるように、円錐台部882Bがリブ部354E及び管部材312の内壁面312Bで囲まれる領域に収納された状態を維持したまま、リール400Bを保持することが可能になる。このとき、リブ部354Eの端部は、管部材312から離れる方向である中心軸AX2方向下方に変形する。
以上のように、リブ部354Eが軸心AXに向かって突出するように孔を形成することによって、結束機による安定的な保持が可能となるリールを提供することが可能になる。また、管部材の内径が異なるリールであっても、孔を略同径にすることによって保持させることが可能になる。なお、上述したように、使用時にはこのような孔を形成しない膜体とし、使用時に膜体の中心部を破って孔を開けて使用するようにしてもよい。また切れ込みを端に形成し、利用時に、切れ込みを利用して軸部882でフィルムを押し広げることによって、フィルムの中央部分を貫通する孔を形成することができる。
以上の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施形態のみに限定する趣旨ではない。管部材312や突出部314、リブ部314E、フィルム354A、リブ部354A1、フィルム354B、リブ部354E、フィルム354C1、フィルム354C2、フィルム354D1、フィルム354D2、突出部314Fを、樹脂やゴムなどの素材や、樹脂素材とパルプ素材を混合した合成紙などのように、耐水性や延性を備える素材を用いて構成すると、屋外で使用するなどのようにリール310、リール310A-310D、リール370、リール400、リール400A-400Dが風雨にさらされるような環境で使用する場合でも、好適に使用できる。
また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。たとえば、当業者の通常の創作能力の範囲内で、ある実施形態又は変形例における一部の構成要素を、他の実施形態又は変形例に追加することができる。また、ある実施形態又は変形例における一部の構成要素を、他の実施形態又は変形例の対応する構成要素と置換することができる。
[変形例8]
第4実施形態に係る結束用テープ420として、又は、その他実施形態、変形例等に示される結束用テープとして、結束用テープ10又はその変形例に係る結束用テープと同様の構造を備える結束用テープを用いてもよい。
その場合、リール(以下、「リール」を「テープ巻き付け体」という場合もある。)は、被結束物を結束可能な結束用テープを備える。このリールは、管部材と、管部材に巻回された結束用テープと、管部材の一端面側において管部材の軸心側に向かって延設される突出部と、を備え、軸心を含む断面において、突出部の先端における第1の接点において突出部と接し、管部材の他端面側における第2の接点において管部材と接する接線は、軸心を含む直線に対して傾斜するように形成されている。傾斜の角は3度以上が好ましい。そして、管部材に巻回された結束用テープは、中間層と、中間層の一方の表面を覆う第1表面層と、を備える。そして、中間層は、結束用テープの長手方向に対して角度を成して並設される複数の第1の線状材を有する。このようなテープ巻き付け体によれば、更に、結束用テープを裂けにくくすることが可能となる。このような結束用テープを使用すれば、反発力の高い作物の誘引作業であっても、園芸用結束機を使用して結束作業を行うことができる。
[変形例9]
第4実施形態に係る結束用テープ420として、又は、その他実施形態、変形例等に示される結束用テープとして、図14等に示される結束用テープ10A又はそのバリエーションに係る結束用テープと同様の構造を備える結束用テープを用いてもよい。この場合、結束用テープの中間層の幅方向の一端部には、結束用テープの長手方向に離間する複数の第1切れ込みが形成される。また、結束用テープの中間層の幅方向の他端部には、結束用テープの長手方向に離間する複数の第2切れ込みが形成されていてもよい。また、少なくとも一つの第1切れ込みは、第2の線状材の少なくとも一部を切断していてもよい。このようなテープ巻き付け体によれば、更に、結束用テープを裂けにくくすることが可能となる。このような結束用テープを使用すれば、反発力の高い作物の誘引作業であっても、園芸用結束機を使用して結束作業を行うことができる。
[変形例10]
第4実施形態の変形例に係るリール400Aが備えるフィルム354A、リール400Bが備えるフィルム354B、又は、その他実施形態、変形例等に示されるフィルムとして、フィルム134、フィルム144、又は、その変形例等に示されるフィルムを用いてもよい。
このようなフィルムを備えたリール乃至テープ巻き付け体によれば、更に、結束用テープのほぐれの抑制等を図ることが可能になる。 また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。たとえば、当業者の通常の創作能力の範囲内で、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態に追加することができる。また、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態の対応する構成要素と置換することができる。例えば、変形例10に係るテープ巻き付け体に巻き付ける結束用テープとして、結束用テープ10Aを用いることができる。